JP2013217406A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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【課題】パッドピンによりブレーキパッドを保持する構成とした場合であっても、抜け止めピンを用いる事無く信頼性の高い抜け止め構造を実現することのできるディスクブレーキ装置を提供する。
【解決手段】上記課題を解決するためのディスクブレーキ装置は、フローティング型のディスクブレーキ装置10であって、ロータ100のインナ側とアウタ側に配置されるキャリパ構成要素に設けられた遊嵌部を跨いで配置されて少なくともアウタ側ブレーキパッド42を保持しつつ、制動時のトルクを受けるパッドピン66と、パッドピン66の外周を覆う係合部61a,661bを有するキャリパスプリング52と、を備え、パッドピン66は、軸線方向に沿って配置された括れ部66a,66bを備え、係合部61a,61bは、括れ部66a,66bの外周を半周以上覆う形態としたことを特徴とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、ディスクブレーキ装置に係り、特にパッドピンを用いてブレーキパッドの保持を図るフローティング型のディスクブレーキ装置に関する。
ディスクブレーキ装置は従来より、ロータとサポート、キャリパ、およびブレーキパッドを基本として構成されている。このような基本構成を有するディスクブレーキ装置には、特許文献1、特許文献2に開示されているように、ブレーキパッドをトルク受け機能を有するパッドピンを介してキャリパに保持する構成とするものがある。
このような構成を採用しているディスクブレーキ装置では、パッドピンがトルク受け部としての働きを担うため、キャリパの小型・軽量化を図ることができる。一方で、このような構成のディスクブレーキ装置では、キャリパに対するパッドピンの抜け止めを、抜け止めピンを介して成すようにすることが一般的である。このため、パッドピンの先端近傍に、パッドピンの長手方向中心軸と直交する方向の小径孔を形成し、パッドピンの抜け止めのためのみに抜け止めピンを採用するという必要がある。よって、これらのディスクブレーキ装置では、部品点数の増加や、組付け、加工工程の増加によるコストアップが懸念されている。
このような懸念に対し、抜け止めピンを介さずにパッドピンの抜けを図る技術が、特許文献3に開示されている。特許文献3に開示されているディスクブレーキ装置では、パッドピンにおける軸線方向の少なくとも一部に括れ部を形成し、この括れ部におけるロータ半径方向内周側側面に、帯状に形成した係合部(ハンガーピン受け部)を当接させるというものである。
特開2004−132449号公報 特開2006−308001号公報 特開2011−117571号公報
確かに、特許文献3に開示されているような手段を採れば、パッドスプリングによりパッドピンの動きが規制されるため、抜け止めピンや、抜け止めピンを配置するための小径孔を形成する必要性が無くなる。
しかし、特許文献3に開示されているパッドピンは、ブレーキパッドを吊下することを主な目的とした、いわゆるハンガーピンであり、制動時のトルクについては、キャリパで受けることとなる。このため、ディスクブレーキ装置の小型・軽量化、部品点数の削減という点では、その目的を果たすことができない。
また、特許文献3に開示されている技術では、パッドスプリングの中央部にパッドピン(ハンガーピン)との係合部が設けられている。しかし、特許文献3に開示されている抜け止め技術を特許文献1、2に開示されている構成のディスクブレーキ装置に採用しようとした場合、パッドピンの抜け止めを図るための係合部が、パッドスプリングの端部に配置されることとなる。係合部の配置形態をこのようなものとした場合、帯状に形成された係合部は片持ち形態となり、撓みによる外れ易さが極端に向上する。このため、信頼性という点で問題が残る。
そこで本発明では、パッドピンによりブレーキパッドを保持する構成とした場合であっても、別部品となる抜け止めピンを用いる事無く信頼性の高い抜け止め構造を実現することのできるディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係るディスクブレーキ装置は、フローティング型のディスクブレーキ装置であって、ロータのインナ側とアウタ側に配置されるキャリパ構成要素に設けられた遊嵌部を跨いで配置されて少なくともアウタ側ブレーキパッドを保持しつつ、制動時のトルクを受けるパッドピンと、前記パッドピンの外周を覆う係合部を有するキャリパスプリングと、を備え、前記パッドピンは、軸線方向の少なくとも一部に括れ部を備え、前記係合部は、前記括れ部の外周を半周以上覆う形態としたことを特徴とする。
また、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置において前記パッドピンは、軸線方向に沿って設けられる小径部と、前記軸線方向に沿って前記小径部を挟み込む大径部とを有し、前記小径部を前記括れ部とすると良い。
このような構成とすることで、小径部と大径部との間には段差が生じることとなる。このため、係合部が段差に引掛り、高い抜け止め性を維持することができる。
さらに、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置では、前記係合部の幅と、前記括れ部における前記係合部との当接面の幅とを等しくすることが望ましい。
このような構成とすることで、括れ部に係合部が係合した後に、パッドピンがロータ軸線方向にズレることが無くなる。よって、抜け止め性に関し、高い信頼性を得ることができる。
上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置によれば、パッドピンによりブレーキパッドを保持する構成とした場合であっても、別部品となる抜け止めピンを用いる事無く信頼性の高い抜け止め構造を実現することができる。
実施形態に係るディスクブレーキ装置の正面図である。 実施形態に係るディスクブレーキ装置の背面図である。 実施形態に係るディスクブレーキ装置の左側面図である。 実施形態に係るディスクブレーキ装置の平面図である。 図1におけるA−A断面を示す図である。 図1におけるB−B断面を示す図である。 図3におけるC−C断面を示す図である。 図3におけるD−D断面を示す図である。 実施形態に係るパッドピンの構成を示す平面図である。 実施形態に係るパッドピンの構成を示す斜視図である。 実施形態に係るキャリパの背面、左側面、および底面を示す斜視図である。 実施形態に係るキャリパスプリングの構成を示す斜視図である。 キャリパスプリングの正面図である。 キャリパスプリングの平面図である。 キャリパスプリングの底面図である。 キャリパスプリングの右側面図である。 実施形態に係るディスクブレーキ装置の正面、左側面、および底面を示す斜視図である。 実施形態に係るディスクブレーキ装置の背面、左側面、および平面を示す斜視図である。 実施形態に係るパッドピンの応用形態を示す平面図である。 図19におけるE−E断面を示す図である。
以下、本発明のディスクブレーキ装置に係る実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1〜図18を参照して、本実施形態に係るディスクブレーキ装置について説明する。なお、本実施形態に係るディスクブレーキ装置は、いわゆるフローティング型のディスクブレーキ装置である。また、図面において、図1は、実施形態に係るディスクブレーキ装置の正面図である。図2は、実施形態に係るディスクブレーキ装置の背面図である。図3は、実施形態に係るディスクブレーキ装置の左側面図である。図4は、実施形態に係るディスクブレーキ装置の平面図である。図5は、図1におけるA−A断面を示す図であり、図6は、同図B−B断面を示す図である。また、図7は、図3におけるC−C断面を示す図であり、図8は、同図D−D断面を示す図である。図9は、実施形態に係るパッドピンの構成を示す平面図であり、図10は、同斜視図である。また、図11は、実施形態に係るキャリパの底面、背面、左側面、を示す斜視図であり、図12は、キャリパスプリングの形態を示す斜視図である。また、図13〜図16は、キャリパスプリングの構成を示す4面図である。さらに、図17は、実施形態に係るディスクブレーキ装置の正面、左側面、底面を示す斜視図であり、図18は、ディスクブレーキ装置の背面、左側面、平面を示す斜視図である。
本実施形態に係るディスクブレーキ装置10は、ロータ100と、サポート12、キャリパ22、およびブレーキパッド(インナ側ブレーキパッド36、アウタ側ブレーキパッド42)を基本として構成されている。ロータ100は、図示しない車両における車輪(不図示)と共に回転する摩擦板であり、詳細を後述するブレーキパッドにより挟持される。なお、図面においては、ロータ100の外形線の一部のみを2点鎖線で示している。
サポート12は、ディスクブレーキ装置10を図示しない車両に固定するための要素である。本実施形態に係るサポート12は、図1に示すように、ロータ100の半径方向内周側に位置するメインフレーム12aと、ロータ100の円周方向(回出側)に位置するトルク受け部12bから成るほぼL型を成し、従来のC型形状をしているサポートを採用する場合に比べ、ディスクブレーキ装置10の小型化、軽量化を図ることができる。
サポート12には図7に示すように、固定孔14と、ガイドピン配置孔16、ロックピン配置孔18、および摺動溝20が設けられている。固定孔14は、サポート12を車両に固定するための貫通孔である。固定孔14は、少なくとも2個設けられる。少なくとも2点で固定することにより、車両固定部に対してサポート12が回転してしまうことを防ぐことができるからである。
ガイドピン配置孔16は、詳細を後述するキャリパ22を摺動させるためのガイドピン62を配置するための貫通孔である。実施形態に係るディスクブレーキ装置10では、ガイドピン62によりアウタ側ブレーキパッド42の制動トルクを受けるため、後述するロックピン64よりも大径なピンが配置される。よって、ガイドピン配置孔16も、ロックピン配置孔18よりも大径となる。このような形態のガイドピン配置孔16は、トルク受け部12bに設けられる。
ロックピン配置孔18は、ガイドピン62と同様に、キャリパ22を摺動させるためのロックピン64を配置するための貫通孔である。本実施形態に係るディスクブレーキ装置10は、主に2輪車を取り付け対象としている。このため、ロックピン64は、ガイドピン62と異なり、高速走行時からの制動によるトルクを受ける虞が無い。よって、ガイドピン62よりも小径とされている。このため、ロックピン配置孔18も、ガイドピン配置孔16よりも小径となる。このような形態のロックピン配置孔18は、メインフレーム12aに設けられる。
摺動溝20は、詳細を後述するインナ側ブレーキパッド36を摺動させるための溝であり、ロータ軸方向に沿って形成される。摺動溝20には、インナ側ブレーキパッド36のプレッシャプレート38に形成された耳部38aが嵌入されることで、ブレーキパッドの支持と、ロータ軸方向への摺動が可能となる。摺動溝20は、トルク受け部12bに設けられる。なお、摺動溝20には、摺動抵抗を低減するためのパッドクリップが設けられている。
キャリパ22は、詳細を後述するブレーキパッドに対して押圧力を付与する稼動部である。実施形態に係るキャリパ22は、キャリパ本体24と爪部26、ブリッジ部30、およびアーム部32,34を基本として構成されている。キャリパ本体24は、図5に示すように、シリンダ室24aとピストン24bを備え、ロータ100のインナ側に配置される。シリンダ室24aは、ピストン24bを押し出すための作動油が供給される部位である。ピストン24bは、シリンダ室24aに収容されており、シリンダ室24aから押し出されることで、インナ側ブレーキパッド36を押圧する。ピストン24bは、シリンダ室24aに作動油が供給されることで、シリンダ室24aから押し出される。このため、シリンダ室24aには、図示しない作動油供給口が設けられている。また、実施形態に係るキャリパ本体24には、詳細を後述するパッドピン66を挿通させるための保持部24dを形成したボス24cが設けられている。なお、本実施形態に係る保持部24dは、円形の貫通孔としている。
爪部26は、キャリパ本体24に対向して設けられる反力受けであり、ロータ100のアウタ側に配置されるキャリパ構成要素である。詳細を後述するアウタ側ブレーキパッド42におけるプレッシャプレート44を、ピストン24bの作用によって生ずる反力により押圧する。また、実施形態に係るキャリパ22には、爪部26のインナ側に、パッドピン66が嵌入するように配置されている。このため、爪部26におけるロータ回入側にはボス28が設けられ、当該ボス28に、パッドピン66を配置するための保持部28aが形成されている。図6に示す例では、保持部28aは、爪部26のインナ側に開口を有する袋穴としている。
実施形態に係るパッドピン66は、図9、図10に示すように、円柱状の体を成し、軸線方向(長手方向)に沿って複数(図に示す形態では2つ)の括れ部66a,66bを備えている。括れ部66a,66bにはそれぞれ、後述するキャリパスプリング52における係合部61a,61bが係合することとなる(例えば図12参照)。括れ部66a,66bは、円柱状のパッドピン66に形成された小径部により構成され、小径部の両端に大径部を配置することで両者間に段差が生じ、係合部61a,61bの係合にズレが生ずることを抑制することができる。
図9、図10に示す形態のパッドピン66は、図中左側を先端、右側を後端としており、キャリパ本体24に設けられたボス24cに形成された保持部24dから、爪部26に設けられた保持部28aへ向けて、ロータ100を跨ぐように差込配置される。そして、先端側に設けられた括れ部66aよりも先端側の直径は、当該括れ部66aより後端側の直径に比べて小径となるように形成されている。このような形態とすることで、パッドピン66の差し込み配置に際して、後端側括れ部66bに係合する係合部61bが先端側括れ部66aに引掛り、挿入の妨げになるという事態を避けることができ、組付け性が向上する。なお、先端側括れ部66aにおける後端側段差部にテーパを設けている点も、挿入時における係合部61bの引掛りを抑制するという効果に寄与することとなる。
また、各括れ部66a,66bの先端側に設けられる段差部は、括れ部66a,66bとの間で垂直を成すようにする。このような構成とすることで、括れ部66a,66bに係合した係合部61a,61bにより、パッドピン66の抜け止めを図ることができるからである。なお、括れ部66a,66bの幅は、詳細を後述する係合部61a,61bにおけるフック部61a1,61b1の板幅と一致させることが望ましい。このような構成とすることで、係合部61a,61bが括れ部66a,66bに係合した後に、パッドピン66がズレることを抑制することができる。
ブリッジ部30は、上述したキャリパ本体24と爪部26とを連結する部位である。ロータ100のインナ側に配置されるキャリパ本体24と、ロータ100のアウタ側に配置される爪部26とを連結するブリッジ部30は、ロータ100の半径方向外周側を跨ぐようにして配置される。
アーム部32,34は、キャリパ22とサポート12を連結するための要素である。アーム部32,34は、キャリパ本体24を起点として、ロータ100の半径方向内周側と、ロータ100の円周方向(回出側)の双方へ向けて延設されている。ロータ100の半径方向内周側に延設されたアーム部34の先端には、サポート12に固定されたロックピン64を収容、摺動させるための袋穴が形成された摺動部34aが設けられている。一方、ロータ100の円周方向に延設されたアーム部32の先端には、サポート12に固定されたガイドピン62を収容、摺動させるための袋穴が形成された摺動部32aが設けられている。なお、サポート12とアーム部34,32との間には、それぞれロックピン64とガイドピン62の摺動部を覆うブーツ34b,32bが設けられている。
ブレーキパッドは、ロータ100の摺動面を挟持して摩擦力を生じさせる摩擦部材である。ブレーキパッドには、ロータ100のインナ側に配置されるインナ側ブレーキパッド36と、ロータ100のアウタ側に配置されるアウタ側ブレーキパッド42がある。
本実施形態では、インナ側ブレーキパッド36は、サポート12と、パッドピンにより支持されて、ロータ軸方向へ摺動するブレーキパッドである。実施形態に係るインナ側ブレーキパッド36は、プレッシャプレート38と、ライニング40を基本として構成されている。インナ側ブレーキパッド36におけるプレッシャプレート38には、ロータ回出側、すなわちサポート12のトルク受け部12bに対向する辺に、耳部38aと呼ばれる凸部が形成されている。
耳部38aが、サポート12の摺動溝20に嵌入することで、インナ側ブレーキパッド36の支持と摺動が成されることとなる。なお、耳部38aはトルク受け部12bに対向して配置されていることより、制動時のトルクが印加されることとなる。
一方、プレッシャプレート38のロータ回入側には、プレッシャプレート38を支持するための係合部38bを形成するための延設部38cが設けられている。延設部38cの先端に位置する係合部38bは、平面視で、二股に形成された凹部とされている。このように、パッドピン66との係合部38bを半円形の凹部とすることで、支持部(耳部38aと係合部38b)間の距離精度が低い場合であっても、容易に配置することができる。よって、プレッシャプレート38の外形形成を打ち抜き加工により行った場合であっても、良好な組付け性を確保することができる。なお、係合部38bは、車両を後退させる際の低速動作における制動時に、パッドピン66に当接することで制動トルクを受けることとなる。
アウタ側ブレーキパッド42は、サポート12に固定されたガイドピン62と、キャリパ22に固定されたパッドピン66により支持されて、キャリパ22の移動に共動してロータ軸方向へ移動するブレーキパッドである。実施形態に係るアウタ側ブレーキパッド42も、上述したインナ側ブレーキパッド36と同様に、プレッシャプレート44と、ライニング50を基本として構成されている。インナ側ブレーキパッド36とアウタ側ブレーキパッド42との相違点としては、プレッシャプレート44の形態にある。
実施形態に係るアウタ側ブレーキパッド42は上述したように、ガイドピン62とパッドピン66により支持される。このため、アウタ側ブレーキパッド42を構成するプレッシャプレート44には、ガイドピン62とパッドピン66に対する係合部46,48を形成するための延設部44aが設けられている。2つの係合部46,48のうち、ガイドピン62に対する係合部46は、ガイドピン62を挿通可能な貫通孔として形成されている。一方、パッドピン66に対する係合部48は、平面視で、二股状に形成された凹部とされている。このように、パッドピン66側の係合部48を半円形の凹部とすることで、支持部(係合部46と係合部48)間の距離精度が低い場合であっても、容易に配置することができる。よって、プレッシャプレート44の外形形成を打ち抜き加工により行った場合であっても、良好な組付け性を確保することができる。なお、係合部48は、車両を後退させる際の低速動作における制動時に、パッドピン66に当接することで制動トルクを受けることとなる。
実施形態に係るディスクブレーキ装置10ではキャリパ22に、アウタ側ブレーキパッド42がロータ100の配置方向へ移動することを抑えるためのキャリパスプリング52が設けられている(図11参照)。キャリパスプリング52は図12〜図16に示すように、基部54と、挟持部56、当接部60、摺動規制部58、および係合部61a,61bを主体として構成されている。なお、図12は、キャリパスプリングの背面、底面、および左側面を示す斜視図である。また、図13は、キャリパスプリングの背面図、図14は平面図、図15は底面図、図16は左側面図である。
基部54は、キャリパ22におけるブリッジ部30に沿って配置される板片であり、詳細を後述する挟持部56、当接部60、および摺動規制部58は、それぞれ基部54を基点として延設されている。
挟持部56は、キャリパスプリング52をキャリパ22に固定するための1つの要素である。挟持部56は、基部54におけるロータアウタ側端部に設けられ、折り曲げ形成によりクリップ状に構成された対向する一対の挟持片を有する。これにより、爪部26に形成された薄肉部を挟持することが可能となり、キャリパスプリング52をキャリパ22に固定することができる。
当接部60は、基部54のロータインナ側において、ロータ100の回入側と回出側のそれぞれに向けて、かつロータ100の半径方向外周側へ突出するように延設されるバネ片である。このような配置形態とされる当接部60は、キャリパ22のブリッジ部30に対して、ロータ100の半径方向外周側へ向けた押圧力を付与する。これにより詳細を後述する摺動規制部58が、ロータ100の配置方向へ逃げることを防止することができ、キャリパスプリング52を安定して配置することが可能となる。
摺動規制部58は、アウタ側ブレーキパッド42がロータ100の配置側へ移動することを抑制する役割を担う板片である。本実施形態では、摺動規制部58は、基部54における挟持部56と当接部60の間に、ロータ100の回入側と回出側、かつロータ半径方向内周側へ向けて延設されている。このように延設された摺動規制部58は、アウタ側ブレーキパッド42におけるプレッシャプレート44のロータ100配置側に位置することとなる。アウタ側ブレーキパッド42と摺動規制部58との間には、僅かな隙間があっても良いが、基本的には、摺動規制部58がプレッシャプレート44のロータ配置側側面に当接することが望ましい。摺動規制部58がプレッシャプレート44のロータ配置側側面に当接することで、アウタ側ブレーキパッド42がガイドピン62やパッドピン66を介してロータ軸方向へ移動することを抑制することができるからである。
係合部61a,61bは、ロータ回入側に配置された摺動規制部58の先端側、および当接部60のインナ側に延設された板片から、ロータ回入側へ向けて延設されている。係合部61a,61bの先端は、パッドピン66における括れ部66a,66bの外周を包むように湾曲形成されたフック部61a1,61b1を構成している。フック部61a1,61b1は、少なくとも括れ部66a,66bの外周を半周以上覆うように形成されており、180度以上の湾曲部を有する。係合部61a,61bの先端をこの様な形態とする事により、括れ部66a,66bを包み込むことができる。このように、キャリパスプリング52とパッドピン66との係合形態とキャリパスプリング52とキャリパ22との係合形態とを合わせることにより、係合部61a,61bを片持ち状態とした場合であっても、振動等により外れる虞が無く、パッドピン66の抜け止め要素として、高い信頼性を得ることができる。
なお、フック部61a1,61b1の湾曲は、パッドピン66における括れ部66a,66bの曲率に合わせて形成されている。よって、ロータ100のアウタ側に位置する係合部61aのフック部61a1の方が、ロータ100のインナ側に位置する係合部61bのフック部61b1よりも、曲率が小さい。これにより、係合部61a,61bを括れ分66a,66bの外周に沿って配置することができ、段差へ引っ掛かる面積(段差に当接するフック部61a1,61b1の側面部分)が増え、安定した抜け止め効果を得ることができるようになる。
上記のような構成とすることによれば、パッドピンに、抜け止めピンや、抜け止めピンを組み付けるための貫通孔の形成などを行う事無く、パッドピン66の抜け止めを図ることができる。このようなパッドピン66の抜け止めは、ブレーキパッドを構成する各要素の係合状態の組み合わせにより、各要素の動きを規制するものであり、信頼性も高い。また、抜け止めピンの配置や、抜け止めピンを組み付けるための貫通孔の形成を行う必要がいため、ディスクブレーキ装置を構成するための部品点数を減らすことができると共に、製造、組付けに要する工程数も減らすことができ、生産コストを抑制することも可能となる。
このような構成のディスクブレーキ装置10では、キャリパ本体24におけるシリンダ室24aに作動油が供給されると、シリンダ室24aに収容されたピストン24bがロータ100の配置方向へ突出する。ピストン24bが突出すると、サポート12に保持されたインナ側ブレーキパッド36は、プレッシャプレート38をピストン24bにより押圧されて、ロータ100の配置方向へ摺動する。
ピストン24bの押圧によりインナ側ブレーキパッド36のライニング40がロータ100の摺動面に当接すると、その反力を受けたキャリパ本体24が、ロータ100から離間する方向へ摺動する。キャリパ本体24の摺動により、ロータ100を介してキャリパ本体24と対向配置されている爪部26は、ブリッジ部30によりキャリパ本体24と連結されているため、ロータ100側へ近接するように移動する。
爪部26がロータ100側へ移動すると、キャリパスプリング52、ガイドピン62、パッドピン66を介して爪部26に保持されているアウタ側ブレーキパッド42は、そのライニング50をロータ100の摺動面へ当接させることとなる。
このような動作により、インナ側ブレーキパッド36とアウタ側ブレーキパッド42によりロータ100を挟持すると、摩擦力の作用により、インナ側ブレーキパッド36とアウタ側ブレーキパッド42は、ロータ100に供回りする力を受ける。ロータ100の回出方向へ移動しようとするインナ側ブレーキパッド36は、サポート12におけるトルク受け部12bにより、移動を規制され、制動力を生じさせる。一方、アウタ側ブレーキパッド42は、ガイドピン62により移動を規制されることで、制動力を生じさせる。
なお、車両の進行方向が逆転した場合には、インナ側ブレーキパッド36、アウタ側ブレーキパッド42共に、パッドピン66により移動が規制され、制動力を生じさせることとなる。
上記実施形態では、パッドピン66における括れ部66a,66bは、その断面が円形であるように記載した。しかしながら、括れ部は、図19、図20に示すように、大径部の一部を切り欠いたようなものであっても良い。括れ部66a,66bと大径部との間に段差が形成されていれば、抜け止め効果を発揮することができるからである。なお、図19はパッドピン66の変形例を示す平面図であり、図20は図19におけるE−E断面を示す図である。なお、パッドピン66の全体の構成としても、その断面形状は円形としているが、矩形、五角形、および六角形等の多角形としても良い。
また、上記実施形態では、キャリパスプリング52における係合部61a,61bの先端は、湾曲形成されることにより、フック状に形成されている旨記載した。しかしながら、フック状に形成するにあたっては、屈曲形成によるものでも良い。フック部61a1,61b1の側面が、括れ部66a,66bと大径部との段差に引っ掛かれば、上記実施形態と同様な効果を奏することができるからである。
10………ディスクブレーキ装置、12………サポート、12a………メインフレーム、12b………トルク受け部、14………固定孔、16………ガイドピン配置孔、18………ロックピン配置孔、20………摺動溝、20a………パッドクリップ、22………キャリパ、24………キャリパ本体、24a………シリンダ室、24b………ピストン、26………爪部、28………ボス、28a………保持部、30………ブリッジ部、32………アーム部、32a………摺動部
32b………ブーツ、34………アーム部、34a………摺動部、34b………ブーツ、36………インナ側ブレーキパッド、38………プレッシャプレート、38a………耳部、40………ライニング、42………アウタ側ブレーキパッド、44………プレッシャプレート、44a………延設部、46………係合部、48………係合部、50………ライニング、52………キャリパスプリング、54………基部、56………挟持部、58………摺動規制部、60………当接部、61a………係合部、61a1………フック部、61b………係合部、61b1………フック部、62………ガイドピン、64………ロックピン、66………パッドピン、66a………括れ部、66b………括れ部、66c………段差部、100………ロータ。

Claims (3)

  1. フローティング型のディスクブレーキ装置であって、
    ロータのインナ側とアウタ側に配置されるキャリパ構成要素に設けられた遊嵌部を跨いで配置されて少なくともアウタ側ブレーキパッドを保持しつつ、制動時のトルクを受けるパッドピンと、
    前記パッドピンの外周を覆う係合部を有するキャリパスプリングと、を備え、
    前記パッドピンは、軸線方向の少なくとも一部に括れ部を備え、前記係合部は、前記括れ部の外周を半周以上覆う形態としたことを特徴とするディスクブレーキ装置。
  2. 前記パッドピンは、軸線方向に沿って設けられる小径部と、前記軸線方向に沿って前記小径部を挟み込む大径部とを有し、前記小径部を前記括れ部としたことを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ装置。
  3. 前記係合部の幅と、前記括れ部における前記係合部との当接面の幅とを等しくしたことを特徴とする請求項1または2に記載のディスクブレーキ装置。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
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