JP2013217143A - 建築用ブロックおよびそれを用いた壁構造の形成方法 - Google Patents

建築用ブロックおよびそれを用いた壁構造の形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013217143A
JP2013217143A JP2012090246A JP2012090246A JP2013217143A JP 2013217143 A JP2013217143 A JP 2013217143A JP 2012090246 A JP2012090246 A JP 2012090246A JP 2012090246 A JP2012090246 A JP 2012090246A JP 2013217143 A JP2013217143 A JP 2013217143A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
building block
plate
wall structure
members
beam member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012090246A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5826699B2 (ja
JP2013217143A5 (ja
Inventor
Shigeo Kojima
茂雄 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KOJIMA KOGYO KK
Kojima Industries Corp
Original Assignee
KOJIMA KOGYO KK
Kojima Industries Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KOJIMA KOGYO KK, Kojima Industries Corp filed Critical KOJIMA KOGYO KK
Priority to JP2012090246A priority Critical patent/JP5826699B2/ja
Publication of JP2013217143A publication Critical patent/JP2013217143A/ja
Publication of JP2013217143A5 publication Critical patent/JP2013217143A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5826699B2 publication Critical patent/JP5826699B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Retaining Walls (AREA)

Abstract

【課題】耐震性に優れた壁構造を迅速に施工できる軽量の建築用ブロックおよびそれを用いた壁構造の形成方法を提供すること。
【解決手段】複数個を上下方向に積み重ねて用いる建築用ブロックであって、所定の間隔を介して対向配置された発泡樹脂製の一対の板状部材と、前記一対の板状部材同士の間に配置された発泡樹脂製の梁部材3と、を備え、前記梁部材3は、前記一対の板状部材の内面同士を接続するとともに、前記一対の板状部材の内面側に一連の空間4を形成するよう配置され、前記梁部材の下面32が、その中央から両側面に向かって上方に傾斜しており、前記板状部材の上部と下部には、相互に嵌合して上下方向に隣接するブロック同士を結合する凹凸構造が形成されている建築用ブロック。
【選択図】図3

Description

本発明は、建築用ブロックに関し、より詳しくは発泡樹脂製の建築用ブロックおよびそれを用いる壁構造の形成方法に関する。
住宅の敷地と道路とを隔てる壁は、通常コンクリートブロックを積み重ね、場合によってはコンクリートブロックの内部に鉄筋を通すことにより構築されている。コンクリートブロックは寸法が規格化されており、多様な品質のものを市場から入手でき、安価で大量に調達することも容易である。
しかし、コンクリートブロックは壁を構築したときに1平方メートルあたりの重量が100kg程度と重く、作業員の高齢化と相まってブロック積み上げ作業が重労働となっている。
また、2011年の東日本大震災で揺れが強かった地域や液状化現象が発生した地域では、コンクリートブロックの内部に鉄筋を通していても、鉄筋がブロックの重さを支えきれず、壁が傾いたり、根元から倒れたりするなどの被害が発生した。
このようなコンクリートブロックが重いことに起因する問題を解決するために、ブロックの素材の一部に発泡プラスチック材を用いてブロックを軽量化することが提案されている(特許文献1参照)。軽量のブロックを使用すれば、積み上げ作業を迅速に行えるとともに、ブロック自体の重さに起因する壁構造の倒壊や損傷を軽減することができる。また、仮に壁構造が倒壊した場合でも、軽量であるため、人や周囲の構造物を損傷することが少ないという利点がある。
特開平9−158392号公報
しかし、コンクリートブロックの一部や全部を軽量の樹脂に置き換えただけでは、それを用いて組み立てたブロック塀の強度は十分ではなく、近年の耐震性に関する要求を満たせていない。
従って、本発明の目的は、耐震性に優れた壁構造を迅速に施工できる軽量の建築用ブロックおよびそれを用いた壁構造の形成方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するにあたり、ブロックを発泡樹脂製にして軽量化を図るとともに、ブロック内の空洞に鉄筋を通した後、空洞内にモルタルを流し込んで凝固させることで壁構造の強度を向上させることを想到するに至った。そして、空洞内にモルタルを流し込むことを前提とした発泡樹脂製のブロックに様々な改良を加え本発明を完成するに至った。
すなわち、前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
複数個を上下方向に積み重ねて用いる建築用ブロックであって、所定の間隔を介して対向配置された発泡樹脂製の一対の板状部材と、前記一対の板状部材同士の間に配置された発泡樹脂製の梁部材と、を備え、前記梁部材は、前記一対の板状部材の内面同士を接続するとともに、前記一対の板状部材の内面側に一連の空間を形成するよう配置され、前記梁部材の下面が、その中央から両側面に向かって上方に傾斜しており、前記板状部材の上部と下部には、相互に嵌合して上下方向に隣接するブロック同士を結合する凹凸構造が形成されている建築用ブロックである。
前記建築用ブロックは、梁部材の下面の稜線が円弧状であること;前記梁部材の上面が、その中央から両側面に向かって下方に傾斜していること;前記梁部材の上面の稜線が円弧状であること;対向配置された前記一対の板状部材同士の間隔が、50〜100mmであること;前記板状部材の外面上に、ポリマーセメント組成物からなる硬質表層が形成されていること;前記硬質表層に網状部材が埋設されていることが好ましい。
また、本発明によれば、前記建築用ブロックの複数個を、前記凹凸構造を相互に嵌合させて上下方向に積み重ねるとともに、土台上に立設した鉄筋を前記空間内に配置する工程と、前記空間内にモルタルを流し込んで凝固させる工程と、を有する壁構造の形成方法が提供される。
本発明によれば、耐震性に優れた壁構造を迅速に施工できる軽量の建築用ブロックおよびそれを用いた壁構造の形成方法が提供される。
本発明の建築用ブロックの一実施形態を示す斜視図。 図1の建築用ブロックをA方向から見た右側面図。 図2におけるC−C’断面図。 図1の建築用ブロックをB方向から見た平面図。 本発明の建築用ブロックの別の実施形態を示す斜視図。 本発明の建築用ブロックの別の実施形態を示す斜視図。 本発明の建築用ブロックの別の実施形態を示す斜視図。 本発明の建築用ブロックを上下方向に積み重ねて壁構造を形成する過程を示す模式図。 壁構造を形成するための土台を示す模式図。
次に、本発明を実施するための形態について具体的に説明する。
図1〜4は本発明の建築用ブロックの一実施形態を示す図であり、図1は斜視図、図2は図1のA方向から見た側面図、図3は図2のC−C’線断面図、図4は図1のB方向から見た平面図である。
本実施形態の建築用ブロック1は、図4に示されるように、所定の間隔T3を介して対向配置された発泡樹脂製の一対の板状部材2,2’と、板状部材2,2’同士の間に配置された発泡樹脂製の梁部材3とから構成される。
梁部材3は図2、図4に示されるように、一対の板状部材2,2’の内面25,25’同士を接続するよう配置される。
また、梁部材3は、複数個の建築用ブロックを積み重ねて壁構造を形成したときに、一対の板状部材2,2’の間の空間4に、他から隔離された空間を形成しないように配置する必要がある。図8は土台70上に本実施形態の建築用ブロック1を積み重ねて壁構造100を形成する過程を表しているが、このような壁を形成したときに、梁部材3と一対の板状部材2,2’により形成される空間4は、図8に示されるように連続的な一連の空間とする必要がある。
本発明の建築用ブロックは発泡樹脂製であり、壁構造を形成したときに隣接するブロックと密着するため、壁構造内部に形成される空間の気密性は、コンクリートブロックで形成された壁よりも格段に高い。このため、壁内部の空間にモルタル60を流し込む場合に、モルタルを隙間なく充填することや排気を円滑に行うことが難しい。梁部材3によって分離された空間が形成されると、一対の板状部材2,2’の内面側に形成された空間4にモルタル60を流し込んだときに、モルタル60が充填されない空間が発生し、壁構造を形成した場合に所望の強度が得られない恐れがある。そこで、空間4を一連の空間とすることにより、モルタル60を流し込むときに排気を円滑に行うことができ、モルタル60を迅速に充填することができる。
また、梁部材3の横幅を建築用ブロック1の横幅Wと同じにしてしまうと、壁構造100を構築する際に、空間4にモルタル60を流し込む妨げとなるため、梁部材3の横幅をWより小さくすることが好ましい。
また、前記梁部材3は、図3や図8に示されるように、下面32をその中央から両側面に向かって上方に傾斜したものとする。壁構造を形成する場合、図8に示されるように土台70上に建築用ブロックを複数個積み重ねた後、一対の板状部材2,2’の内面側の空間4に、上方の開口部からモルタル60を注ぎ込む。すると、モルタル60は重力によってまず土台70上で水平面を形成する。さらにモルタル60を流し込むと、水平面が徐々に上昇し、梁部材3の下面32と接触するが、本発明のブロックでは梁部材3の下面32がその中央から両側面に向かって上方に傾斜しているため、モルタル60は下面32に沿ってなめらかに上昇し、気泡が発生することもなく、速やかにモルタル60を充填することができる。また、モルタルを隙間なく充填して固めることができるので、ブロックが発泡樹脂製であっても十分な強度を有する壁構造を形成することができる。なお、下面32の最も低い地点である中央は、梁部材3の両端から等距離に位置しなくてもよい。
また、本発明の建築用ブロックの板状部材2,2’の上部と下部には、相互に嵌合して上下方向に隣接するブロック同士を結合するための凹凸構造を設けておく。本発明の建築用ブロックは、壁構造を形成するために、複数個を上下方向に積み重ねて用いるものであるが、上記凹凸構造により、ブロックを上下方向に積み重ねたときに上下のブロックがずれることを防止し、形成された壁構造の強度を高めることができる。また、上下のブロックを嵌合することにより、上下のブロックが密着するので空間4に充填したモルタル60が、ブロック同士の隙間から漏れ出ることを防止することができる。
凹凸構造の例としては、図1に示されるような、板状部材2の上面21の角部に形成された凸条11と、これに嵌合するように板状部材2の下面22の角部に設けられた切欠き12が挙げられる。
凹凸構造は、一対の板状部材2,2’のうちの一方のみに設けてもよいが、上下方向のブロックを確実に嵌合するため図2に示されるように一対の板状部材2,2’の両方に設けることが好ましい。
さらに、図2右上の拡大図に示されるように、凸条11の内壁に板状部材の長手方向に走る凸条13を設け、これに対応するように切欠き12に板状部材の長手方向に走る溝を設けることによって、上下方向のブロックを一層確実に嵌合することができる。
本発明の建築用ブロックの大きさは特に制限されないが、小さいと組み立てて壁構造を形成する手間が増し、大きすぎると運搬や壁構造形成時の取り扱いが難しくなることがあるため、好適な範囲の例としては、横幅Wが200〜2000mm、凹凸構造を除く本体部分の高さHが100〜1000mm、奥行きTについては100〜300mmの範囲が挙げられる。壁構造を形成するコンクリートブロックはJIS規格のものが汎用されており、これと代替する場合には、横幅Wを400mmまたはその倍の800mm、凹凸構造を除く本体部分の高さHを200mmまたはその倍の400mm、奥行Tを120〜150mmとすればよい。
本発明の建築用ブロックの内部にモルタルを充填して壁構造100を形成する場合、壁構造100の両側面が密封されている必要がある。壁構造100の両側面を密封するためには、図5に示されるような側壁10を片側に有する建築用ブロック1’を壁構造100の両端に使用すればよい。横幅が狭い壁構造を形成する場合には、図6に示されるような、両側に側壁10、10’を有する建築用ブロック1”を縦一列に上下方向に組み立てて壁構造を形成すればよい。
梁部材3の下面32は、上記の通り、その中央部から両側面に向かって上方に傾斜する必要があるが、その稜線が円弧状であると、モルタル60の充填を滞りなく行うことができ、気泡の発生も少ないためより好ましい。
また、梁部材3は、図3に示されるように、上面31がその中央部から両側面に向かって下方に傾斜することが好ましい。上面31がこのような形状であると、壁構造を形成する際に上から流し込んだモルタル60が上面31に当たったとしても、滞りなく下方に落ちていくことができ、また、モルタル60が充填されない空間が残ることもないため好ましい。具体的には、上面31の稜線が円弧状であることがより好ましい。
本発明の建築用ブロックを上下方向に積み重ねて壁構造を形成したときに、壁構造の強度を十分なものとするため、梁部材3の断面積(図3に斜線で示す)は、板状部材2を正面から見たときの面積(H×W)に対して20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。
梁部材3の上下方向に薄い部分があると、モルタルを流し込む際の衝撃で損傷する場合があるので、上下方向に薄い部分を作らないことが好ましい。
本発明の建築用ブロック1つあたりの梁部材3の数は1つでも複数でもよい。梁部材3の設置箇所も特に制限されないが、壁構造を形成する際に通す鉄筋とぶつからないように配置することが好ましい。
図4にT3として示される、本発明の建築用ブロックの一対の板状部材2と2’の間の前記所定の間隔は、狭いとモルタル60を流し込むことが困難になる場合があり、また、壁構造を形成する際に通す鉄筋と接触しやすくなることから50mm以上であることが好ましく、60mm以上であることがより好ましい。一方、広くしすぎると板状部材2,2’の間の空間を充填するために必要なモルタル60の量が増し、形成した壁構造の重量が重くなりすぎるので、100mm以下とすることが好ましく、80mm以下とすることがより好ましい。
発泡樹脂の組成は特に限定されず、強度、コスト、重量等を考慮して適切なものを使用すればよい。発泡樹脂の原料樹脂の例としては、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、ユリア樹脂等が挙げられる。本発明の建築用ブロックの強度を高めるために、高密度発泡ポリスチレンや高密度発泡ウレタンのような高密度の発泡樹脂を使用してもよい。板状部材2を構成する発泡樹脂と梁部材3を構成する発泡樹脂の組成は同じであっても、異なってもよい。
本発明の建築用ブロックの強度を高めるため、図7に示されるように板状部材2の外面23にポリマーセメント組成物からなる硬質表層40を形成してもよい。本発明の建築用ブロックの板状部材2は発泡樹脂製であるので強い衝撃を受けると、凹んだりヒビが入ることがあるが、外面23に硬質表層40を備えることにより衝撃から建築用ブロックおよび建築用ブロックから形成された壁構造を守ることができる。また、硬質表層40は、板状部材2を太陽の紫外線や酸性雨から守り、建築用ブロックおよび壁構造の耐用年数を長くする効果もある。さらに、建築用ブロックおよび壁構造の表面に装飾用のタイルを貼り付ける際や外装塗材を塗布する際の基礎としても優れている。
ポリマーセメントは、ポリマーの添加によって機械的物性、耐薬品性等の性質が改質されたセメントであり、種々の性質のものを市場から入手することができる。このため、用途や所望の機能に応じて適切なものを使用すればよい。板状部材の外面23とポリマーセメント組成物との接着性を向上させるため、ポリマーセメント組成物を塗る前に、外面23にプライマーを塗布することが好ましい。
また、図7の右側に示されるように硬質表層40中に網状部材41を埋設してもよい。これにより、板状部材2の外面23が衝撃を受けた場合、その衝撃を網状部材41が分散し緩和することができる。網状部材41の素材としては銅やステンレス等の金属、ナイロンやポリプロピレン等のプラスチック、綿、麻などの植物繊維、グラスファイバーや炭素繊維などの無機繊維が挙げられる。
また、本発明の建築用ブロックの板状部材の外面23に、溝や網目状の形状を形成してもよい。例えば、外面23に縦のストライプの溝を設け、その上に石目調の外装塗材を塗布することにより、壁構造の外観を高級感のあるものとすることができる。このような表面加工を施した建築用ブロックは、コンクリート製の化粧ブロックの代わりに使用することができる。
本発明の建築用ブロックの製造方法は特に制限されず、板状部材2,2’と梁部材3を別々に製造し、それらを接着して組み合わせてもよいが、製造効率の面からは、一体成型することが好ましい。成型の方法としては押出成型、金型内で樹脂を発泡させる方法などが挙げられる。
本発明の建築用ブロックを発泡スチロールで製造した場合、その重量は通常のコンクリート製ブロックと比べて80分の1程度であり、図7に示される外面上に硬質表層が形成された場合でも、重量は通常のコンクリートブロックの40分の1以下である。このため、本発明の建築用ブロックを用いて壁構造を形成する際にクレーン等の重機を使う必要がなく、人の力だけで迅速にブロックを積み上げることができる。
次に、本発明の壁構造の形成方法について説明する。図8は、本発明の建築用ブロックを上下方向に積み重ねて壁構造を形成する過程を示す模式図、図9は本発明の壁構造を形成するための土台を示す模式図である。本発明の建築用ブロックは発泡樹脂製であり、外側から押される圧力に対する強度は高くないため、本発明の建築用ブロックは、地面に直接設置するよりも、コンクリート製の土台70の上に設置することが好ましい。具体的には、図9に示されるような、縦筋の鉄筋50を立設したコンクリート製の土台70の上に、建築用ブロック1を上下方向に積み重ねていくことが好ましい。この際、縦筋の鉄筋50を、板状部材2,2’の内面や梁部材3とぶつからないように、建築用ブロック1内の空間4に通すとともに、建築用ブロック1の板状部材の上部と下部に形成された凹凸構造を相互に嵌合させて、上下方向に隣接するブロック同士を結合させる。なお、土台70と土台の上の建築用ブロック1との間にモルタル層を設けて、建築用ブロック1の向きや傾きを微調整してもよい。
上下方向および左右方向のブロック同士は密着させることが好ましいが、モルタルは粘性が高いので1〜2mm程度の隙間であれば、モルタルが流れ出ることはない。ブロック同士を密着させるために接着剤を使用してもよい。また、形成される壁構造100の強度をさらに向上させるため、図8に示されるように上下方向に隣接する建築用ブロック同士の間に横筋の鉄筋51を設けてもよい。壁構造100の両端部のブロックは図5に示される側壁10を片側に有する建築用ブロック1’を使用する。
建築用ブロックと鉄筋の配設が完了したら、壁構造の上端に形成された開口部から空間4内にモルタル60を流し込む。空間4内にモルタル60を充填することにより、本発明の建築用ブロックと鉄筋、土台の3つを固定し、形成される壁構造100を強固なものとすることができる。図8に示されるように空間4内に流し込んだモルタル60は重力によって、まず最下部の土台70上に溜まり、徐々に上昇する。本発明の建築用ブロックは梁部材3の下面32が、その中央から両側面に向かって上方に傾斜しているので空間4内にモルタル60を滞りなく充填することができる。
モルタル60を、積み上げた建築用ブロックの最上部まで充填したら、表面をコテなどで平らにしてから乾燥させる。また、必要に応じて、壁構造100の上面80に装飾タイル等をはめ込んでもよい。図1および図5〜7に示される実施形態の建築用ブロックは、いずれも板状部材2の側面24や側壁10が平面であり、壁を構成する際、左右のブロック同士は面と面で接触する。すると、面の間に狭い隙間が発生するので、空間4内に流し込んだモルタルから毛管作用によって水を除去でき、モルタルの乾燥を促進することができる。
このようにして形成された壁構造100は、コンクリートブロックを積み重ねて構築した壁構造と比べて軽量であり、耐震性、耐風性に優れている。また、施工に要する期間は、規模にもよるが、住宅の玄関周りの壁であれば、壁を構築してモルタルの充填を完了するまでに0.5日程度、モルタルの乾燥に1日程度であり、短期間で壁を形成することができる。
高さの高い壁構造を形成する場合、本発明の建築用ブロックを1段積んだ後にモルタルを流し込んで乾燥させるまでを1工程とし、さらにもう一段建築用ブロックを積んでモルタルを流し込んで乾燥させる工程を繰り返してもよいが、上記のように建築用ブロックを最上部まで積み上げてからモルタルを流し込む方が施工期間が短くてすむので好ましい。
また、工場であらかじめ本発明のブロックを上下方向に組み立てておき、それを施工場所に搬入して壁構造を構築してもよい。
壁構造100の形成後、表面にタイル等を貼り付けることや外装塗材を塗布することにより、外観を改善できることに加え、壁構造100の耐候性を向上でき好ましい。
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の単なる例示であって、本発明の限定を意図するものではない。また以下の記載において、単に「部」というときは質量部をいう。
[実施例1]
金型内でポリスチレンを発泡させることにより、図1および図5に記載の形状の発泡スチロール製建築用ブロックを製造した。なお、建築用ブロックの横幅Wは800mm、高さHは200mm、凹凸構造の高さH’を10mm、板状部材2,2’および側壁10の奥行きT2を40mm、凹凸構造の奥行きT4を10mm、一対の板状部材同士の間隔T3を70mmとした。
また、梁部材3は図3に示される形状で、短径の高さ140mm、幅260mmのものを2つ設けた。図1に示す形状の建築用ブロックの重量は370g、図5の形状の建築用ブロックの重量は385gであった。
前記建築用ブロックの板状部材の両外面にプライマー(菊水化学工業製キクスイプライマースーパーE)を塗布した後、その上に、一対の板状部材2,2’と同じ大きさに切った16メッシュのポリプロピレン製メッシュを置き、その上からポリマーセメント組成物(菊水化学工業製キクスイフィラー)を厚さが約1mmとなるように塗布し、十分に乾燥させて、図1と図5の形状の建築用ブロックを製造した。以下、それぞれ第1態様の建築用ブロック、第2態様の建築用ブロックと呼ぶ。第1態様の建築用ブロックの重量は740g、第2態様の建築用ブロックは770gであった。
図9に示されるような、幅4m、奥行き150mmの土台70の両端に第2態様の建築用ブロックを、その間に前記第1態様の建築用ブロック3列を、それぞれ凹凸構造を互いに嵌合させて2段ずつ積み重ねた。なお、土台70は、高さ1m、直径10mmの縦筋の鉄筋50を400mmおきに計10本立設しており、これらの縦筋の鉄筋50が前記建築用ブロックの板状部材2,2’の内面および梁部材3と接触しないように、建築用ブロックを積み重ねた。次いで、長さ3.8m、直径10mmの鉄筋を建築用ブロックの上部に配設して横筋51とし、縦筋の鉄筋50との交点を針金で固定した。さらに建築用ブロックを2段積み重ねた後、最初の2段と同様に建築用ブロックの上部に横筋の鉄筋51を配設した。その後、各建築用ブロックをもう2段積み重ねて高さ1.2m、幅4mの壁を構築した。
次いで、壁上端の開口部から空間4内にモルタル組成物を壁構造の最上部まで流し込み、上部をコテで平坦にした後、1日乾燥させて、壁構造100を形成した。その後、壁構造100の表面に装飾用タイルを隙間なく貼り付け、壁を完成した。
本発明によれば、耐震性に優れた壁構造を迅速に施工できる軽量の建築用ブロックおよびそれを用いた壁構造の形成方法が提供される。本発明の建築用ブロックは、軽量で運搬が容易であり、壁構造を形成する際に積み重ねることも容易である。またそれ自体の重量が軽量であることから、壁構造を形成としたときに地震や強風を受けても、それ自体の重さが原因となって破損することが少ない。さらに本発明の建築用ブロックは、コンクリートブロックと比べて、軽量であることから運搬や壁構造の施工が容易であり、地震や地盤沈下による災害の復旧工事を迅速に行うことができる。また、仮に壁構造が倒壊した場合でも、軽量であるため、人や周囲の構造物を損傷することが少ない。
1、1’、1” 建築用ブロック
2,2’ 板状部材
3 梁部材
4 建築用ブロック内の空間
10,10’ 側壁
11 凸条
12 切欠き
13 凸条
21 板状部材の上面
22 板状部材の下面
23 板状部材の外面
24 板状部材の側面
25、25’ 板状部材の内面
31 梁部材の上面
32 梁部材の下面
40 硬質表層
41 網状部材
50 縦筋の鉄筋
51 横筋の鉄筋
60 モルタル
70 土台
80 壁構造の上面
100 壁構造
H 建築用ブロックの高さ
H’ 凹凸構造の高さ
T 建築用ブロックの奥行き
T2 板状部材の奥行き
T3 一対の板状部材同士の間隔
T4 凹凸構造の奥行き
W 建築用ブロックの幅

Claims (8)

  1. 複数個を上下方向に積み重ねて用いる建築用ブロックであって、
    所定の間隔を介して対向配置された発泡樹脂製の一対の板状部材と、
    前記一対の板状部材同士の間に配置された発泡樹脂製の梁部材と、を備え、
    前記梁部材は、前記一対の板状部材の内面同士を接続するとともに、前記一対の板状部材の内面側に一連の空間を形成するよう配置され、
    前記梁部材の下面が、その中央から両側面に向かって上方に傾斜しており、
    前記板状部材の上部と下部には、相互に嵌合して上下方向に隣接するブロック同士を結合する凹凸構造が形成されている建築用ブロック。
  2. 前記梁部材の下面の稜線が円弧状である請求項1に記載の建築用ブロック。
  3. 前記梁部材の上面が、その中央から両側面に向かって下方に傾斜している請求項1又は2に記載の建築用ブロック。
  4. 前記梁部材の上面の稜線が円弧状である請求項3に記載の建築用ブロック。
  5. 対向配置された前記一対の板状部材同士の間隔が、50〜100mmである請求項1〜4のいずれか一項に記載の建築用ブロック。
  6. 前記板状部材の外面上に、ポリマーセメント組成物からなる硬質表層が形成されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の建築用ブロック。
  7. 前記硬質表層に網状部材が埋設されている請求項6に記載の建築用ブロック。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の建築用ブロックの複数個を、前記凹凸構造を相互に嵌合させて上下方向に積み重ねるとともに、土台上に立設した鉄筋を前記空間内に配置する工程と、
    前記空間内にモルタルを流し込んで凝固させる工程と、を有する壁構造の形成方法。
JP2012090246A 2012-04-11 2012-04-11 建築用ブロック、並びにそれを用いた壁構造および壁構造の形成方法 Active JP5826699B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012090246A JP5826699B2 (ja) 2012-04-11 2012-04-11 建築用ブロック、並びにそれを用いた壁構造および壁構造の形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012090246A JP5826699B2 (ja) 2012-04-11 2012-04-11 建築用ブロック、並びにそれを用いた壁構造および壁構造の形成方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2013217143A true JP2013217143A (ja) 2013-10-24
JP2013217143A5 JP2013217143A5 (ja) 2015-04-16
JP5826699B2 JP5826699B2 (ja) 2015-12-02

Family

ID=49589564

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012090246A Active JP5826699B2 (ja) 2012-04-11 2012-04-11 建築用ブロック、並びにそれを用いた壁構造および壁構造の形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5826699B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7426733B2 (ja) 2019-02-26 2024-02-02 フェルトン,コリン インターロッキング複合建築ブロック

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4941914U (ja) * 1972-07-15 1974-04-12
JPS5522472U (ja) * 1978-08-01 1980-02-13
JPS60166715U (ja) * 1984-04-13 1985-11-06 積水ハウス株式会社 建築用ブロツク
JPH0243437A (ja) * 1988-08-02 1990-02-14 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 軽量ブロック、軽量ブロック構築物および簡易建築物ならびに軽量ブロック構築物の構築方法
JPH0230414U (ja) * 1988-08-19 1990-02-27
JP2004300715A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Kazumoto Hashizume 建築構造

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4941914U (ja) * 1972-07-15 1974-04-12
JPS5522472U (ja) * 1978-08-01 1980-02-13
JPS60166715U (ja) * 1984-04-13 1985-11-06 積水ハウス株式会社 建築用ブロツク
JPH0243437A (ja) * 1988-08-02 1990-02-14 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 軽量ブロック、軽量ブロック構築物および簡易建築物ならびに軽量ブロック構築物の構築方法
JPH0230414U (ja) * 1988-08-19 1990-02-27
JP2004300715A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Kazumoto Hashizume 建築構造

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7426733B2 (ja) 2019-02-26 2024-02-02 フェルトン,コリン インターロッキング複合建築ブロック

Also Published As

Publication number Publication date
JP5826699B2 (ja) 2015-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20160340855A1 (en) Modular construction mold apparatus and method for constructing concrete buildings and structures
WO2012096639A1 (en) Modular construction mold apparatus and method for constructing concrete buildings and structures
AU2018200694A1 (en) Formwork
CN105937278A (zh) 一种装配式混凝土框架填充墙体系及其施工方法
EP2694745B1 (en) Modular system of building blocks
US20100037545A1 (en) The possibility of special lightening, insulating and reinforcing intermediate floor constructions
KR20170032826A (ko) 프리캐스트 콘크리트 이중벽체 구조물 및 그 시공방법
US7857552B2 (en) Tenon joint type space lattice structure
KR101278547B1 (ko) 콘크리트 구조물의 바닥 매립형 피씨 월 및 상기 피씨 월을 이용한 콘크리트 구조물
CN216914275U (zh) 塔筒段和塔筒
KR20160050226A (ko) 절토 사면 보강공법
CN108951992B (zh) Frp壳体-混凝土墙板结构及其制造方法
CN113338472B (zh) 一种装配式磷石膏复合墙板及其预制方法
JP5826699B2 (ja) 建築用ブロック、並びにそれを用いた壁構造および壁構造の形成方法
CN203795650U (zh) 一体化建筑内外墙体结构
JP6196088B2 (ja) 一体式基礎型枠および基礎型枠連結構造
CN107288153B (zh) 一种预制重力式挡墙
KR20150135659A (ko) 프리캐스트 부재를 이용한 사면보강벽 및 그 공법
CN216198677U (zh) 塔筒段、塔筒以及风电塔
US9267282B2 (en) Block for construction and method to build walls with said block
CN102454245A (zh) 环保隔热隔音复合砖
CN109372285B (zh) 一种板式格构装配式蒙古包及其建造方法
JP7016106B2 (ja) 軽量盛土構造、および軽量盛土の構築方法
CN205444666U (zh) 一种预制保温墙体构件
JP2016217036A (ja) 構築用組みブロック

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150303

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150303

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20150303

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20150320

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150324

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150522

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150630

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150828

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151006

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151014

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5826699

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250