JP2013216432A - 折曲げ式クレーン用高さ制限装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この高さ制限装置は、インナブームの対地傾斜角度を検出する第一角度検出器と、アウタブームの対地傾斜角度を検出する第二角度検出器と、アウタブームの長さを検出するブーム長検出器と、これら3つの検出器の検出情報に基づいて、クレーンを制御する高さ制限部とを有している。そして、この高さ制限部は、アウタブームの先端上部および後端上部、並びに第二アウタブームの後端上部および後端下部の4箇所の高さを監視し、これら監視部のいずれかが、限界となる高さよりも低い所定の高さを超えたときに、警報の出力または前記アウタブームの限界となる高さ側への移動を規制する。
【選択図】図2
Description
さらに、この種の折曲げ式クレーンでは、アウタブーム10の伸縮構造として、複数のブームの組(この例では、第一から第三アウタブーム11,12,13)によりアウタブーム10が構成される。つまり、このアウタブーム10は、基端部の第一アウタブーム11が筒状をなし、この第一アウタブーム11に他のブーム(この例では、第二および第三アウタブーム12,13)が伸縮可能に内嵌されている。そして、第二アウタブーム12を縮小させたときに、第一アウタブーム11の後端から第二アウタブーム12の後端が突出する構成となっている。
図1に示すように、この折曲げ式クレーン1は、トラック等の車両20に搭載されるものであり、車両20の運転席21と荷台22との間の位置に搭載される。車両20のシャシフレーム23上にベース2が設けられる。このベース2には、車両20の幅方向に張り出す一対のアウトリガ9が付設されている。
コントローラ30は、ベース2内に備えられ、所定の制御プログラムに基づいて、以下いずれも図示しない、CPUと、所定領域に予めCPUの制御プログラム等を格納しているROMと、ROM等から読み出したデータやCPUの演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAMとをコントローラ30内に備えるとともに、上記3つの検出器31,32,33や、警報用のブザー(音声警報装置)、高さ制限設定の表示灯、警告灯、高さ制限の設定解除スイッチ、および高さ制限の警報解除スイッチ等を有している。
この高さ制限処理のプログラムは、タイマ割り込み処理となっており、プログラムが開始されると、図2に示すように、まず、ステップS1に移行して、上記3つの検出器31,32,33からの検出情報を読み込んでステップS2に移行する。
図3に模式図を示すように、アウタブーム10の4箇所の監視部A〜Dには、上述した図7〜図10に示す各部位13f、11r、12t、12bがそれぞれ対応している。つまり、アウタブーム10のうち最も先端のブームである第三アウタブーム13の最先端の上面の一点をアウタブーム10の先端上部13fの中央の一点(監視部A)として監視する。また、アウタブーム10のうち基端部のブームである第一アウタブーム11の最基端の上面の一点をアウタブーム10の後端上部11rの中央の一点(監視部B)として監視する。
L1は、最縮時における監視部Aのアウタブーム枢支ピン15からの長尺方向長さ、
L2は、監視部Bのアウタブーム枢支ピン15からの長尺方向長さ、
L3は、最縮時における監視部Cのアウタブーム枢支ピン15からの長尺方向長さ、
L4は、最縮時における監視部Dのアウタブーム枢支ピン15からの長尺方向長さ、
D1は、監視部Aのアウタブーム枢支ピン15とのオフセット長さ、
D2は、監視部Bのアウタブーム枢支ピン15とのオフセット長さ、
D3は、監視部Cのアウタブーム枢支ピン15とのオフセット長さ、
D4は、監視部Dのアウタブーム枢支ピン15とのオフセット長さ、
Houtは、接地面に対するアウトリガ上面の高さ、
Hcolumnは、アウトリガ上面に対するインナブーム枢支ピン14の高さ、である。
θ1は、アウタブーム10と水平面とのなす角度(対地角)、
d1は、監視部Aのアウタブーム枢支ピン15との長尺方向における距離、
d3は、監視部Cのアウタブーム枢支ピン15との長尺方向における距離であり、
d3=L1+L3−d1 (式1)
また、d4は、監視部Dのアウタブーム枢支ピン15との長尺方向における距離であり、
d4=L1+L4−d1 (式2)
h1=Hout+Hcolumn (式3)
h2=h1+L0sinθ0 (式4)
hA=h2+d1sinθ1+D1cosθ1 (式5)
hB=h2−L2sinθ1+D2cosθ1 (式6)
hC=h2−d3sinθ1+D3cosθ1 (式7)
hD=h2−d4sinθ1−D4cosθ1 (式8)
hA=Hout+Hcolumn+L0sinθ0+d1sinθ1+D1cosθ1
(式9)
hB=Hout+Hcolumn+L0sinθ0−L2sinθ1+D2cosθ1
(式10)
hC=Hout+Hcolumn+L0sinθ0−(L1+L3−d1)sinθ1+D3cosθ1 (式11)
hD=Hout+Hcolumn+L0sinθ0−(L1+L4−d1)sinθ1−D4cosθ1 (式12)
以上により、4箇所の監視部A〜Dの高さhA〜hDが求められる。
Vh=hmax−hmax old (式13)、
続くステップS5では、現時点の最大値hmaxを、所定時間だけ前に抽出された最大値hmax oldと入れ替える処理をしてステップS6に移行する。
ステップS9では、限界警報を「ON」として処理をステップS1に戻す。限界警報をONとすることで、ブザー(音声警報装置)を連続鳴動させるとともにクレーンの停止命令を出力し、アウタブームの限界となる高さ側への移動を停止させる。なお、この停止動作においては、不図示の油圧回路のアンロード弁を作動させて、上記2つのブーム4,10を動作させるアクチュエータ(第一起伏シリンダ5、第二起伏シリンダ6および伸縮用シリンダ8)を停止させている。
ステップS11では、予告警報を「ON」として処理をステップS1に戻す。予告警報を「ON」とすることで、ブザーを断続的に鳴動させる。また、ステップS12では、予告警報を解除して処理をステップS1に戻す。ここで、本実施形態の例では、予告警報時には、クレーンの動作自体には規制をかけないが、予告警報時に、例えばクレーン動作をゆっくり動作させるような作動速度制御処理を施してもよい。
上述の折曲げ式クレーン1の高さ制限装置によれば、インナブーム4およびアウタブーム10の2つのブーム4,10を有する折曲げ式クレーン1において、インナブーム4の対地傾斜角度を検出可能な第一角度検出器31、アウタブーム10の対地傾斜角度を検出可能な第二角度検出器32、アウタブーム10の長さを検出可能なブーム長検出器33の3つの検出器31,32,33を備え、コントローラ30は、前記3つの検出器31,32,33の検出情報θ0、θ1、d1に基づいて、アウタブーム10の先端上部13f(監視部A)および後端上部11r(監視部B)、並びに第二アウタブーム12の後端上部12t(監視部C)および後端下部12b(監視部D)の計4箇所の高さhA〜hDを監視し、これら監視部A〜Dの高さhA〜hDのいずれかが、アウタブーム10の限界となる高さRよりも低い所定の高さ(所定の制限高さHlim、予告高さHpre)を超えたときに、警報(限界警報、予告警報)の出力またはアウタブーム10の限界となる高さR側への移動を規制(限界警報時のクレーン停止)するので、アウタブーム10が如何なる姿勢においてもアウタブーム10が限界となる高さRを超えることを未然に防止または防止するようにオペレータに通知することができる。
例えば、上記実施形態では、コントローラ30が、アウタブーム10が限界となる高さRを超えることを未然に防止する制御を行う例を中心に説明したが、高さの監視に限定されず、更に演算ポイントを増やすことで、アウタブーム10と地面との接触回避をもさせることも可能である。
2 ベース
3 コラム
4 インナブーム
5 第一起伏シリンダ
6 第二起伏シリンダ
7 起伏リンク機構
8 伸縮用シリンダ
9 アウトリガ
10 アウタブーム
11 第一アウタブーム
12 第二アウタブーム
13 第三アウタブーム
14 インナブーム枢支ピン
15 アウタブーム枢支ピン
20 車両
21 運転席
22 荷台
23 シャシフレーム
30 コントローラ(高さ制限部)
31 第一角度検出器
32 第二角度検出器
33 ブーム長検出器
R 高さ制限対象(限界となる高さ)
Claims (2)
- ベースと、該ベース上に水平回転可能に立設されたコラムと、該コラムの先端に起伏可能に設けられたインナブームと、該インナブームの先端に起伏および伸縮可能に設けられたアウタブームとを備え、前記アウタブームの伸縮機構が複数のブームから構成され、該複数のブームのうち、基端側の第一アウタブームが筒状をなすとともに、該第一アウタブームに沿って第二アウタブームが伸縮可能に内嵌されており、縮小時には当該第二アウタブームの後端が前記第一アウタブームの後端よりも後方に突出する構成となっている折曲げ式クレーンに用いられる高さ制限装置であって、
前記インナブームの対地傾斜角度を検出する第一角度検出器と、前記アウタブームの対地傾斜角度を検出する第二角度検出器と、前記アウタブームの長さを検出するブーム長検出器と、これら3つの検出器の検出情報に基づいて、前記折曲げ式クレーンのブームの高さを制御する高さ制限部とを有し、
前記高さ制限部は、前記3つの検出器の検出情報に基づいて、前記アウタブームを構成する複数のブームのうちの最先端の上部および前記第一アウタブームの後端上部、並びに縮小時における前記第二アウタブームの後端上部および後端下部の4箇所の高さを監視して、該4箇所の監視部のいずれかの高さが、限界となる高さよりも低い所定の高さを超えたときに、警報の出力または前記アウタブームの限界となる高さ側への移動を規制することを特徴とする折曲げ式クレーン用高さ制限装置。 - 前記高さ制限部は、前記4箇所の監視部のいずれかの高さが、前記所定の高さとして、所定の制限高さを超えたときには、限界警報を出力し且つ少なくとも前記アウタブームの限界となる高さ側への移動を停止させ、前記所定の制限高さよりも低い予告高さを超えたときには、予告警報を出力することを特徴とする請求項1に記載の折曲げ式クレーン用高さ制限装置。
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