JP2013215815A - 電気部品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】信頼性の低下を抑制できる機能素子を備えた電気部品を提供すること。
【解決手段】電機部品は、基板と、前記基板とともに前記機能素子を収納する空洞を形成し、複数の貫通孔を有する絶縁性の第1の膜と、前記複数の貫通孔の上面を塞いで前記第1の膜上に形成された絶縁性の第2の膜とを備える。前記複数の貫通孔のうち最外周に位置する貫通孔に関して、前記第1の膜の上から見た場合、前記第1の膜のうち、下が空洞になっている領域の中心から最も近い位置における、前記貫通孔を規定する前記第1の膜の側面と前記第1の膜の底面とのなす角度は、75°よりも大きく90°よりも小さい。
【選択図】図6
【解決手段】電機部品は、基板と、前記基板とともに前記機能素子を収納する空洞を形成し、複数の貫通孔を有する絶縁性の第1の膜と、前記複数の貫通孔の上面を塞いで前記第1の膜上に形成された絶縁性の第2の膜とを備える。前記複数の貫通孔のうち最外周に位置する貫通孔に関して、前記第1の膜の上から見た場合、前記第1の膜のうち、下が空洞になっている領域の中心から最も近い位置における、前記貫通孔を規定する前記第1の膜の側面と前記第1の膜の底面とのなす角度は、75°よりも大きく90°よりも小さい。
【選択図】図6
Description
本発明の実施形態は、機能素子を備えた電気部品およびその製造方法に関する。
機能素子の一つとして、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子が知られている。MEMS素子は可動部を備えている。MEMS素子を備えた電気部品は、可動部の動作空間としてのキャビティ(空洞)を必要とする。このキャビティは、外気の浸入を遮断して機能素子を保護するために封止されている。
このような封止されたキャビティ(封止キャビティ)は、例えば、複数の貫通孔を有するドーム状薄膜(中空構造を有する薄膜)と、前記複数の貫通孔の上面を塞ぐ前記ドーム状薄膜上に形成された封止膜とを備える。
上記封止キャビティは、例えば、以下のように形成される。すなわち、MEMS素子を封止する犠牲膜を形成する工程と、この犠牲層上にドーム状薄膜となるキャップ膜を形成する工程と、このキャップ膜に複数の貫通孔を形成する工程と、これらの貫通孔からエッチングガスを供給して犠牲膜を除去することにより、ドーム状薄膜を形成する工程と、前記複数の貫通孔の上面を塞ぐ封止膜をドーム状薄膜上に形成する工程とを含む。
しかしながら、このような封止キャビティを用いた電気部品は、MEMS素子の特性が劣化し、信頼性が低下することがある。
本発明の目的は、信頼性の低下を抑制できる機能素子を備えた電気部品およびその製造方法を提供することにある。
実施形態の電気部品は、基板と、前記基板上に設けられた機能素子と、前記基板とともに前記機能素子を収納する空洞を形成し、複数の貫通孔を有する絶縁性の第1の膜と、前記複数の貫通孔の上面を塞いで前記第1の膜上に形成された絶縁性の第2の膜とを具備する。ここで、前記複数の貫通孔のうち最外周に位置する貫通孔に関して、前記第1の膜の上から見た場合、前記第1の膜のうち、下が空洞になっている領域の中心から最も近い位置における、前記貫通孔を規定する前記第1の膜の側面と前記第1の膜の底面とのなす角度は、75°よりも大きく90°よりも小さい。
他の実施形態の電気部品は、基板と、前記基板上に設けられた機能素子と、前記基板とともに前記機能素子を収納する空洞を形成し、複数の貫通孔を有する絶縁性の第1の膜とを具備する。さらに、前記第1の膜の内側の周縁部に沿って形成され、前記機能素子に接しないように、前記空洞内に設けられた、前記第1の膜を補強するための補強部材を具備する。さらにまた、前記複数の貫通孔の上面を塞いで前記第1の膜上に形成された絶縁性の第2の膜を具備する。
実施形態の電気部品の製造方法は、基板上に機能素子を形成する工程と、前記基板上に前記機能素子を覆う犠牲膜を形成する工程と、前記犠牲膜上に絶縁性の第1の膜を形成する工程と、前記第1の膜に複数の貫通孔を形成する工程とを具備する。
さらに、前記複数の貫通孔を介して前記犠牲膜をエッチングすることにより、前記基板と前記複数の貫通孔を有する前記第1の膜とにより前記機能素子を収納する空洞を形成するとともに、前記第1の膜の内側の周縁部に沿って、前記機能素子に接しないように、前記犠牲膜の一部を前記空洞内に残置させる工程を具備する。さらにまた、前記複数の貫通孔の上面を塞ぐ絶縁性の第2の膜を前記第1の膜上に形成する工程を具備する。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1−図6は、第1の実施形態に係る電気部品の製造方法を説明するための断面図である。
図1−図6は、第1の実施形態に係る電気部品の製造方法を説明するための断面図である。
[図1]
半導体基板10上に絶縁膜11を形成し、この絶縁膜上に配線12を形成する。シリコン基板10は、例えば、シリコン基板である。絶縁膜11は、例えば、シリコン酸化膜である。半導体基板10および絶縁膜11の代わりに、シリコン酸化物等の絶縁層を含む絶縁層基板(SOI基板)を用いても構わない。配線12は、例えば、アルミニウム等の金属を材料とする金属配線である。配線12の厚さは、例えば、数百nm〜数umである。
半導体基板10上に絶縁膜11を形成し、この絶縁膜上に配線12を形成する。シリコン基板10は、例えば、シリコン基板である。絶縁膜11は、例えば、シリコン酸化膜である。半導体基板10および絶縁膜11の代わりに、シリコン酸化物等の絶縁層を含む絶縁層基板(SOI基板)を用いても構わない。配線12は、例えば、アルミニウム等の金属を材料とする金属配線である。配線12の厚さは、例えば、数百nm〜数umである。
配線12上にパッシベーション膜13を形成する。パッシベーション膜13は、例えば、CVDプロセスにより形成する。パッシベーション膜13は、例えば、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等の絶縁膜である。パッシベーション膜13の厚さは、例えば、数百nm〜数μmである。
基板10および配線12の上に貫通孔を有する(所望形状を有する)第1の犠牲膜14を形成する。第1の犠牲膜14は、例えば、ポリイミド等の有機物を材料とする絶縁膜である。
所望形状を有する第1の犠牲膜14を形成するためには、例えば、以下の三つの方法がある。
第1の方法は、塗布法により第1の犠牲膜14となる絶縁膜(塗布膜)を数百nm〜数μmの厚さでもって全面に形成した後、露光および現像により上記塗布膜の不要な部分を除去することにより、所望形状を有する第1の犠牲膜14を形成する。
第2の方法は、上記塗布膜を形成した後、リソグラフィプロセスにより上記塗布膜上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにして上記塗布膜をRIE(Reactive Ion Etching)プロセスによりエッチングすることにより、所望形状を有する第1の犠牲膜14を形成する。
第3の方法は、上記塗布膜を形成した後、上記塗布膜上にハードマスクを形成し、これをマスクにして塗布膜をRIEプロセスまたはウエットプロセスによりエッチングすることにより、所望形状を有する第1の犠牲膜14を形成する。ハードマスクを形成する工程は、上記塗布膜上にシリコン酸化膜またはシリコン窒化膜等の絶縁膜を形成する工程と、この絶縁膜上にレジストパターンを形成する工程と、このレジストパターンをマスクにして上記絶縁膜をRIEプロセスによりエッチングする工程とを含む。
第1の方法を用いた場合、新たに形成したレジストパターンをマスクにしてパッシベーション膜13をエッチングして、パッシベーション膜13に貫通孔を形成する。一方、第2の方法を用いた場合、第1の犠牲膜14上に形成したレジストパターンをマスクに用いたエッチングによりパッシベーション膜13に貫通孔を形成する。第3の方法を用いた場合も同様である。
アルミニウム等の金属膜を全面に対し、この金属膜を加工することにより、配線15を形成する。配線15の厚さは、例えば、数百nm〜数μmである。これでMEMS素子の可動部(配線12,15)が完成する。実施形態のMEMS素子は、例えば、静電駆動型のMEMS可変容量キャパシタであり、配線12および配線15により構成される。配線12,15間に電圧を印加して静電引力によって配線12,15間の距離を変えることで容量を可変できる。
[図2]
続いて、WLP(Wafer Level Package)の工程に入る。MEMS素子の可動部を覆う所定の形状を有する第2の犠牲膜16を形成する。第2の犠牲膜16は、例えば、半球状の形状を有する。半球状の形状の第2の犠牲膜16は、例えば、塗布法により、ポリイミド等の有機物を材料とする厚さ数百nm〜数μmの塗布膜を形成した後、この第1の塗布膜の全面をRIEプロセスにより加工すること(いわゆる側壁残し)による得られる。
続いて、WLP(Wafer Level Package)の工程に入る。MEMS素子の可動部を覆う所定の形状を有する第2の犠牲膜16を形成する。第2の犠牲膜16は、例えば、半球状の形状を有する。半球状の形状の第2の犠牲膜16は、例えば、塗布法により、ポリイミド等の有機物を材料とする厚さ数百nm〜数μmの塗布膜を形成した後、この第1の塗布膜の全面をRIEプロセスにより加工すること(いわゆる側壁残し)による得られる。
[図3]
第2の犠牲膜16およびパッシベーション膜13を含む領域上に絶縁性の第1のキャップ膜17を形成する。第1のキャップ膜17は数百nm〜数μmの無機薄膜(例えば、シリコン酸化膜)である。第1のキャップ膜17は、例えば、CVDプロセスにより形成する。
第2の犠牲膜16およびパッシベーション膜13を含む領域上に絶縁性の第1のキャップ膜17を形成する。第1のキャップ膜17は数百nm〜数μmの無機薄膜(例えば、シリコン酸化膜)である。第1のキャップ膜17は、例えば、CVDプロセスにより形成する。
[図4]
図示しないレジストパターンをマスクにして、RIEプロセスまたはウエットプロセスにより第1のキャップ膜17をエッチングすることにより、第1のキャップ膜17に複数の貫通孔18を形成する。上記図示しないレジストパターンは、通常のフォトリソグラフィプロセスにより形成する。
図示しないレジストパターンをマスクにして、RIEプロセスまたはウエットプロセスにより第1のキャップ膜17をエッチングすることにより、第1のキャップ膜17に複数の貫通孔18を形成する。上記図示しないレジストパターンは、通常のフォトリソグラフィプロセスにより形成する。
図7は、複数の貫通孔18のパターンの一例を示す平面図である。図8は、複数の円状の貫通孔18がマトリクス状に配置されている例を示している。図8の場合、最外周に位置する貫通孔18の数は12個である。図7の場合、第1のキャップ膜17の平面パターン(輪郭)は矩形であり、円形ではないが、本願の明細書および特許請求の範囲では、ドーム状とは円形以外の形状の平面パターンを含む。
図8は、複数の貫通孔のうち最外周に位置する貫通孔18の側面と底面とのなす角度を説明するための図である。この角度は、より正確には、上記最外周に位置する貫通孔18に関して、図7に示すように、第1のキャップ膜17の上から見た場合、第1のキャップ膜17のうち、下が空洞になっている領域(実施形態ではドーム状の領域)の中心Cから最も近い位置Pにおける、上記最外周に位置する貫通孔18を規定する第1のキャップ膜17の側面と第1のキャップ膜17の底面とのなす角度(以下、貫通角という)θである。最外周の貫通孔18の形状は、一般には、図8に示すように、菱形である。
貫通角θの値は75°よりも大きく90°よりも小さい。75°<θ<90°とする理由は後で説明する。
全ての最外周の貫通孔18が75°<θ<90°を満たさなくても、従来の機能部品よりも有利な効果を奏し得る。したがって、全ての最外周の貫通孔18が75°<θ<90°を満たす必要な必ずしもない。
図8の場合、第1のキャップ膜17は、平坦な上面部(天頂部)と、この上面部の周縁部と基板(不図示)との間の側面部とを含んでおり、完全なドーム状(半球形)ではないが、本願の明細書および特許請求の範囲では、ドーム状とは平坦な上面部を含んでも構わない。
すなわち、本願の明細書および特許請求の範囲においては、基板から離れる方向に膨らむ形状を含み、基板とともにMEMS(機能素子)を収納する空洞を形成する第1のキャップ膜17(第1の膜)は、ドーム状の第1のキャップ膜17(第1の膜)であるとする。
なお、図3−図6等に示された第1のキャップ膜17の側面は直線で描かれているが、実際には、図8に示すように、第1のキャップ膜17の側面は一般には曲線となる。
[図5]
酸素ガスを用いたアッシングにより、上記の図示しないレジストパターンを除去する。このとき、上記酸素ガスは、貫通孔18を介して、第2の犠牲膜16に供給される。第2の犠牲膜16は上記酸化ガスにより除去される。第2の犠牲膜16が除去されて第1の犠牲膜14が露出すると、第1の犠牲膜14も上記酸化ガスにより除去される。その結果、ドーム形状を有する第1のキャップ膜17が形成され、MEMS素子の可動部が動作するための空間としてのキャビティ(空洞)が得られる。
酸素ガスを用いたアッシングにより、上記の図示しないレジストパターンを除去する。このとき、上記酸素ガスは、貫通孔18を介して、第2の犠牲膜16に供給される。第2の犠牲膜16は上記酸化ガスにより除去される。第2の犠牲膜16が除去されて第1の犠牲膜14が露出すると、第1の犠牲膜14も上記酸化ガスにより除去される。その結果、ドーム形状を有する第1のキャップ膜17が形成され、MEMS素子の可動部が動作するための空間としてのキャビティ(空洞)が得られる。
[図6]
第1のキャップ膜17上に所望形状を有する絶縁性の第2のキャップ膜(封止膜)19を形成し、複数の貫通孔18の上面を第2のキャップ膜19で塞ぐ。第2のキャップ膜19の粘性は、例えば、1500−3000cpである。図6には、貫通孔18の内部の全体が第2のキャップ膜19で塞がれている様子が示されているが、素なくとも貫通孔18の上面が塞がれていれば十分である。
第1のキャップ膜17上に所望形状を有する絶縁性の第2のキャップ膜(封止膜)19を形成し、複数の貫通孔18の上面を第2のキャップ膜19で塞ぐ。第2のキャップ膜19の粘性は、例えば、1500−3000cpである。図6には、貫通孔18の内部の全体が第2のキャップ膜19で塞がれている様子が示されているが、素なくとも貫通孔18の上面が塞がれていれば十分である。
第2のキャップ膜19として第1のキャップ膜17よりもガス透過率が高い膜を用いると、キャビティ内の有害ガス(気化した水分)は、第2のキャップ膜19を介して排出され、キャビティ内を良好な雰囲気に保つことが可能となる。
第2のキャップ膜19は、例えば、ポリイミド等の有機物を材料とする。第2のキャップ膜19は、例えば、塗布法により、ポリイミド等の有機物を材料とする厚さ数百nm〜数μmの塗布膜を形成した後、第1の犠牲膜14の場合と同様の方法(第1ないし第3の方法)により、上記塗布膜を所定の形状に加工することで得られる。第2のキャップ膜19は、SOG等の無機物、または、有機物と無機物の混合物を材料としても構わない。
ここで、複数の貫通孔のうち最外周に位置する貫通孔18の(第1のキャップ膜17の中心Cから最も近い位置Pにおける)貫通角θは、上述したように、75°<θ<90°に設定されている。本発明者の鋭意研究によれば、このような範囲内に貫通角θを設定すると、ドーム形状を有する第1のキャップ膜17の内部に第2のキャップ膜19の構成材料が侵入することを抑制でき、複数の貫通孔18の上面を第2のキャップ膜19で塞げることが明らかになった。また、第1のキャップ膜17の上面が基板の上面に対して傾斜している構造のドーム形状に対して、レジストパターンなどのマスクを用いて第1のキャップ膜17を加工することによって、貫通角θが90°未満になるような貫通孔を容易に形成することができる。
また、最外周に位置する貫通孔18は、例えば、ドーム形状を有する第1のキャップ膜17の端部から10μm以上離れた位置に形成する。貫通孔18の開口率は、例えば、5.5%以上でも構わない。
本実施形態によれば、ドーム形状を有する第1のキャップ膜17の内部に第2のキャップ膜19の構成材料が侵入することを抑制できるので、MEMS素子の特性の劣化を抑制でき、電気部品の信頼性の低下を抑制できるようになる。
この後は、周知の工程が行われる。例えば、防湿膜(第3のキャップ膜)としての役割を果たす厚さ数百nm〜数μmの絶縁膜(例えばシリコン窒化膜)をCVDプロセスで形成し、次いで、常のリソグラフィープロセスによりレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクにしてRIEプロセスまたはウェットプロセスにより上記絶縁膜をエッチングし、WLPの薄膜ドーム(第1−第3のキャップ膜)が完成する。
かくして本実施形態によれば、複数の貫通孔18のうち最外周に位置する貫通18の貫通角θが75°よりも大きく90°よりも小さいことにより、第1のキャップ膜17の内部に第2のキャップ膜19の構成材料が侵入することを容易に抑制できるので、電気部品の信頼性の低下を抑制できるようになる。
(第2の実施形態)
図9および図10は、第2の実施形態に係る電気部品の製造方法を説明するための断面図である。なお、以下の図において、既出の図と対応する部分には既出の図と同一符号を付してあり、詳細な説明は省略する。
図9および図10は、第2の実施形態に係る電気部品の製造方法を説明するための断面図である。なお、以下の図において、既出の図と対応する部分には既出の図と同一符号を付してあり、詳細な説明は省略する。
[図9]
第1の実施形態の図1−図4の工程を行った後、第1のキャップ膜17の端部に第2の犠牲膜16が残るように、例えば、酸素ガスを用いたアッシングにより、第1および第2の犠牲膜14,16を除去して、ドーム状の第1のキャップ膜17を形成する。
第1の実施形態の図1−図4の工程を行った後、第1のキャップ膜17の端部に第2の犠牲膜16が残るように、例えば、酸素ガスを用いたアッシングにより、第1および第2の犠牲膜14,16を除去して、ドーム状の第1のキャップ膜17を形成する。
第1のキャップ膜17の端部に第2の犠牲膜16を残すには、例えば、アッシングの時間を調整することにより可能となる。
ドーム状の第1のキャップ膜17の端部(ドーム端部)には第2の犠牲膜16が残る。ドーム端部は第2の犠牲膜16によって補強される。そのため、ドーム状の第1のキャップ膜17の形成後に、ドーム端部に応力が集中することによるドーム端部でのクラックや割れ等の不良発生を抑制できる。これにより、ドーム端部での不良によるMEMS素子の特性の低下を抑制できる。
図11−図13に、ドーム端部に残った第2の犠牲膜16の平面パターンの例を示す。図9(図10)の断面図は、図11−図13のA−A’断面図に相当する。
図11は、ドーム内部の周縁部に沿って途切れずに残るとともに、途切れずに残っている部分の平面パターンが帯状である第2の犠牲膜16を示している。
図12は、ドーム内部の周縁部に沿って一部が途切れて残るとともに、途切れずに残っている部分の平面パターンが三角形状である第2の犠牲膜16を示している。
第2の犠牲膜16の寸法H(三角形の高さに相当する部分の寸法)は、図11の第2の犠牲膜16の寸法W(帯の幅に相当する部分の寸法)よりも大きくできる。そのため、大きな応力が集中する箇所に選択的に大きな第2の犠牲膜16を形成でき、ドーム周縁部での不良の発生を効果的に抑制できるようになる。
図13は、ドーム内部の周縁部に沿って途切れずに残るとともに、途切れずに残っている部分の平面パターンが一本の帯に複数の三角が重畳してなる帯状と三角形状との混合形状である第2の犠牲膜16を示している。言い換えれば、図11と図12とを組み合わせである。この場合も、大きな応力が集中する箇所に選択的に大きな第2の犠牲膜16を形成でき、より効果的にドーム周縁部での不良の発生を抑制できるようになる。
[図10]
第1の実施形態と同様に、第1のキャップ膜17上に所望形状を有する第2のキャップ膜19を形成する。この後は、第1の実施形態と同様に、周知の工程が行われる。
第1の実施形態と同様に、第1のキャップ膜17上に所望形状を有する第2のキャップ膜19を形成する。この後は、第1の実施形態と同様に、周知の工程が行われる。
本実施形態によれば、第2のキャップ膜19の構成材料の侵入を抑制できることに加えて、第1のキャップ膜17のドーム周縁部での機械的強度を高めることができるので、より効果的に電気部品の信頼性の低下を抑制できるようになる。
(第3の実施形態)
図14および図15は、第3の実施形態に係る電気部品の製造方法を説明するための断面図である。
図14および図15は、第3の実施形態に係る電気部品の製造方法を説明するための断面図である。
[図14]
第1の実施形態の図1−図3の工程を行った後、第1のキャップ膜17に複数の貫通孔18を形成する。このとき、最外周の貫通孔の貫通角を75°以下にして第1のキャップ膜17の側面にも貫通孔18を形成する点が第1の実施形態とは異なる。図14には、破線内の貫通孔(最外周の貫通孔)の拡大図(より正確な形状)も同時に示してある。図14の場合、最外周の貫通孔の形状は菱形である。
第1の実施形態の図1−図3の工程を行った後、第1のキャップ膜17に複数の貫通孔18を形成する。このとき、最外周の貫通孔の貫通角を75°以下にして第1のキャップ膜17の側面にも貫通孔18を形成する点が第1の実施形態とは異なる。図14には、破線内の貫通孔(最外周の貫通孔)の拡大図(より正確な形状)も同時に示してある。図14の場合、最外周の貫通孔の形状は菱形である。
[図15]
第1の実施形態の図4−図6−と同様の工程を行う。この後は、第1の実施形態と同様に、周知の工程が行われる。
第1の実施形態の図4−図6−と同様の工程を行う。この後は、第1の実施形態と同様に、周知の工程が行われる。
本実施形態によれば、残存する第2の犠牲膜16により、第1のキャップ膜17のドーム周縁部の機械的強度を高めることができるので、電気部品の信頼性の低下を抑制できる。
また、残存する第2の犠牲膜16は、第1のキャップ膜17の側面(最外周)の貫通孔18内を塞ぐ第2のキャップ膜19の構成材料が侵入することを抑制し、これも電気部品の信頼性の低下の抑制に寄与する。
上記実施形態では、機能素子がMEMS素子の場合について説明したが、基板上に空間を必要とする他の機能素子、例えば、表面弾性波素子、圧電薄膜共振器等の素子でも構わない。
また、上記実施形態では、第1のキャップ膜の形状はドーム状であったが、基板とともに機能素子を収納する空洞を形成することができるのであれば、第1のキャップ膜の形状は特に限定はない。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…半導体基板、11…絶縁膜、12…配線、13…パッシベーション膜、14…第1の犠牲膜、15…配線、16…第2の犠牲膜、17…第1のキャップ膜(第1の膜)、18…貫通孔、19…第2のキャップ膜(第2の膜)。
Claims (7)
- 基板と、
前記基板上に設けられた機能素子と、
前記基板とともに前記機能素子を収納する空洞を形成し、複数の貫通孔を有する絶縁性の第1の膜と、
前記複数の貫通孔の上面を塞いで前記第1の膜上に形成され、前記第1の膜よりもガス透過率が高い絶縁性の第2の膜と、
前記第1の膜の内側の周縁部に沿って形成され、かつ、前記機能素子に接しないように、前記空洞内に設けられた、前記第1の膜を補強するための補強部材とを具備してなり、
前記複数の貫通孔のうち最外周に位置する貫通孔に関して、前記第1の膜の上から見た場合、前記第1の膜のうち、下が空洞になっている領域の中心から最も近い位置における、前記貫通孔を規定する前記第1の膜の側面と前記第1の膜の底面とのなす角度は、75°よりも大きく90°よりも小さいことを特徴とする電気部品。 - 基板と、
前記基板上に設けられた機能素子と、
前記基板とともに前記機能素子を収納する空洞を形成し、複数の貫通孔を有する絶縁性の第1の膜と、
前記複数の貫通孔の上面を塞いで前記第1の膜上に形成された絶縁性の第2の膜とを具備してなり、
前記複数の貫通孔のうち最外周に位置する貫通孔に関して、前記第1の膜の上から見た場合、前記第1の膜のうち、下が空洞になっている領域の中心から最も近い位置における、前記貫通孔を規定する前記第1の膜の側面と前記第1の膜の底面とのなす角度は、75°よりも大きく90°よりも小さいことを特徴とする電気部品。 - 前記第1の膜の内側の周縁部に沿って形成され、かつ、前記機能素子に接しないように、前記空洞内に設けられた、前記第1の膜を補強するための補強部材をさらに具備してなることを特徴とする請求項2に記載の電気部品。
- 前記第2の膜は塗布膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の電気部品。
- 基板と、
前記基板上に設けられた機能素子と、
前記基板とともに前記機能素子を収納する空洞を形成し、複数の貫通孔を有する絶縁性の第1の膜と、
前記第1の膜の内側の周縁部に沿って形成され、かつ、前記機能素子に接しないように、前記空洞内に設けられた、前記第1の膜を補強するための補強部材と、
前記複数の貫通孔の上面を塞いで前記第1の膜上に形成された絶縁性の第2の膜と
を具備してなることを特徴とする電気部品。 - 前記第2の膜は前記第1の膜よりもガス透過率が高いことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の電気部品。
- 基板上に機能素子を形成する工程と、
前記基板上に前記機能素子を覆う犠牲膜を形成する工程と、
前記犠牲膜上に絶縁性の第1の膜を形成する工程と、
前記第1の膜に複数の貫通孔を形成する工程と、
前記複数の貫通孔を介して前記犠牲膜をエッチングすることにより、前記基板と前記複数の貫通孔を有する前記第1の膜とにより前記機能素子を収納する空洞を形成するとともに、前記第1の膜の内側の周縁部に沿って、前記機能素子に接しないように、前記犠牲膜の一部を前記空洞内に残置させる工程と、
前記複数の貫通孔の上面を塞ぐ絶縁性の第2の膜を前記第1の膜上に形成する工程と
を具備してなることを特徴とする電気部品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012086353A JP2013215815A (ja) | 2012-04-05 | 2012-04-05 | 電気部品およびその製造方法 |
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JP (1) | JP2013215815A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101572045B1 (ko) | 2014-04-14 | 2015-11-27 | 한국과학기술원 | 소자 패키징 방법 및 이를 이용한 소자 패키지 |
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2012
- 2012-04-05 JP JP2012086353A patent/JP2013215815A/ja active Pending
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