JP2013214771A - 電子部品冷却構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却フィンのサイズを大きくすることなく、冷却性能を向上させる。
【解決手段】冷却フィン2が備えられるベース部1に通風孔6を形成する。電子部品5が備えられる付近の冷却フィン2に通風孔6を通して冷却風が導入されるので、冷却フィン2の大きさを変えなくても電子部品5の冷却性能が向上する。また、通風孔6を電子部品4、5を隔てるように形成することにより、電子部品4、5間の熱の移動が制限される。したがって、同一ベース部1上に許容温度が異なる電子部品4、5を配置できる。
【選択図】図1
【解決手段】冷却フィン2が備えられるベース部1に通風孔6を形成する。電子部品5が備えられる付近の冷却フィン2に通風孔6を通して冷却風が導入されるので、冷却フィン2の大きさを変えなくても電子部品5の冷却性能が向上する。また、通風孔6を電子部品4、5を隔てるように形成することにより、電子部品4、5間の熱の移動が制限される。したがって、同一ベース部1上に許容温度が異なる電子部品4、5を配置できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体装置等の電子部品を冷却する電子部品の冷却構造に関する。特に、電子部品が取り付けられるヒートシンクをファンにより積極的に冷却する電子部品の冷却構造に関する。
特許文献1〜3に示されるように、半導体等の発熱する電子部品は、複数の放熱フィンを備えたヒートシンクとファン装置とを組み合わせて構成される電子部品冷却構造により冷却されている。
上記冷却構造の冷却効率を向上させるため、ヒートシンクのベース部に対してファンを斜めに設置する(特許文献3)等により、フィン群を流れる空気の量を増大させている。また、電子部品に冷却風を供給する冷却風吹き出し孔を形成する(特許文献4、5)ことにより、高密度に実装された電子部品を均一かつ十分に冷却している。
図3に従来技術における電子部品の冷却構造の例を示す。図3に示した電子部品冷却構造13は、ファン3を排気側に配置し、複数の電子部品4、5(半導体)を冷却フィン2の風の抜き方向に並べて配置したものである。
図3(a)は、電子部品の冷却構造をベース部側から見た図(上面図とする)であり、図3(b)は、電子部品の冷却構造を冷却フィンの側面から見た図(側面図とする)である。
図3(a)に示すように、ベース部10には、半導体等の電子部品(発熱体)4、5が備えられる。そして、ファン3が駆動することにより、冷却フィン2(図3(b)参照)により熱交換された空気が外部に排出される。したがって、冷却フィン2、ベース部10、電子部品4、5が冷却される。
図3(b)に示すように、ベース部10の電子部品4、5が備えられる面の裏側には、複数枚の板状のフィン2が備えられている。フィン2の形状は、冷却効率がよく、ファン3により生じる空気の流れを妨げない形状を適宜選択すればよい(例えば、波型の板や棒状のフィンでもよい)。
通常、ヒートシンクのベース部10上に複数の電子部品4、5を備える場合、熱に弱い電子部品を風下に配置する等電子部品4、5の特性に合わせて、電子部品4、5を配置している(非特許文献1)。
伊藤謹司、外2名、「電子機器の熱対策設計」、初版、日刊工業新聞社、昭和56年11月20日、126頁、165頁
しかしながら、図3に示した電子部品冷却構造13では、排気側に配置された電子部品5は、吸気側に配置された電子部品4を冷却した空気が供されるので放熱が困難となってしまう。したがって、電子部品4の発熱量が多い場合、電子部品4により熱交換された空気が電子部品5の冷却風とならないよう、遮蔽板を設けて前記空気を電子部品4と隔離して排出する方法が採られる(非特許文献1)。しかし、遮蔽板を設けると、電子部品の実装スペースの増大を招いてしまう。
さらに、電子部品4、5の許容温度が異なる場合、同一フィン2で冷却すると、許容温度の低い電子部品は、ベース部10からの熱伝導により熱的な影響を受けてしまう。
以上の問題に対して、それぞれの電子部品4、5に独立したヒートシンクを備えなければならず、冷却フィンやファンの個数が増大する要因となっていた。
そこで、本発明は冷却フィンのサイズを大きくすることなく、冷却性能を向上させる電子部品の冷却構造を提供することを目的としている。
上記目的を達成する本発明の請求項1に記載の電子部品冷却構造は、電子部品が取り付けられるベース部と、当該ベース部の電子部品が取り付けられた面の裏面に立設して並設される複数の冷却フィンと、を有する電子部品冷却構造であって、前記ベース部であって、前記並設された複数の冷却フィンのうち最外に配置される冷却フィンの内側にスリットを形成したことを特徴とする。
そして、請求項2に記載の電子部品冷却構造は、請求項1に記載の電子部品冷却構造において、前記最外に配置される冷却フィンは板状であり、前記スリットを該冷却フィンの主面と平行に形成したことを特徴とする。
また、請求項3に記載の電子部品冷却構造は、電子部品が取り付けられるベース部と、当該ベース部の前記電子部品が取り付けられた面の裏面に立設して並設される複数の冷却フィンと、を有する電子部品冷却構造であって、前記並設された複数の冷却フィンのうち最外に配置される冷却フィンの主面にスリットを形成したことを特徴とする。
したがって、以上の発明によれば、冷却フィンのサイズを大きくすることなく、電子部品の冷却能力を向上させることができる。
本発明は、電子部品が備えられるベース部に穴又はスリットを形成することにより、ヒートシンクを大きくすることなく冷却効率を向上させるものである。
本発明の第1実施形態に係る電子部品冷却構造について、図1を参照して詳細に説明する。図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る電子部品冷却構造の上面図、図1(b)は、本発明の第1実施形態に係る電子部品冷却構造の側面図、及び図1(c)は、本発明の第1実施形態に係る電子部品冷却構造のA−A断面図である。
図1(a)に示すように、本発明の第1実施形態に係る電子部品冷却構造11は、冷却される電子部品4、5が備えられるベース部1とこのベース部1に備えられる冷却フィン2、及び冷却フィン2で熱交換された空気を排出するためのファン3より構成される(ベース部1と冷却フィン2をあわせたものをヒートシンクとする)。また、吸気側には、図示省略の防塵フィルタが備えられる。
通常の電子機器に使用される防塵フィルタは、粒径の大きい塵埃は除去することができるが粒径の小さいものは通過してしまう。そこで、フィルタの目を細かくすると、塵埃の捕集率は向上するが、通気抵抗が大きくなるので電子部品冷却構造11にはファン3が備えられている。
図1(b)に示すように、電子部品4、5は、ファン3により生じる冷却風の向きの方向に並んで備えられる。そして、ファン3が駆動することにより、冷却フィン2により熱交換された空気が外部に排出される。したがって、冷却フィン2、ベース部1、電子部品4、5が冷却される。
図1(c)に示すように、ベース部1の電子部品4、5が備えられる面の裏側には、複数枚の板状のフィン2が備えられている。フィン2の形状は、冷却効率がよく、ファン3により生じる空気の流れを妨げない形状を適宜選択すればよい(例えば、波型の板や棒状のフィンでもよい)。
図1(a)に示すように、ベース部1には、電子部品4、5を隔てるように通気孔6が形成されている。図1(b)に示すように、電子部品4、5間に、通気孔6を形成することにより、冷却フィン2に通気孔6を通して冷却風が供給される。したがって、電子部品5の冷却効率が向上する。
さらに、通気孔6が形成されることにより、電子部品4、5間での熱の移動が制限される。したがって、許容温度が異なる電子部品を同一の冷却フィンで冷却することが可能となり、冷却フィン2及び冷却ファン3の個数を減らすことができる。
通気孔6の形状は、図1(a)に示すような矩形に限らず任意の形状を選択すればよい。また、通気孔6を複数個形成してもよい。特に、図1(b)に示すように、空気が排出される方向に傾斜するよう通気孔6をベース部1に形成すると、流通する冷却風を妨げず冷却効率が向上する。
以上のように、本発明の第1実施形態に係る電子部品冷却構造によれば、ベース部1に通気孔6を形成するだけなので、材料費がそのままで、穴をあける加工費のみで冷却性能を向上させることができる。
本発明の第2実施形態に係る電子部品冷却構造について、図2を参照して詳細に説明する。図2(a)は、本発明の第2実施形態に係る電子部品冷却構造の上面図、図2(b)は、本発明の第2実施形態に係る電子部品冷却構造のB−B断面図である。
図2(a)に示すように、本発明の第2実施形態に係る電子部品冷却構造12は、冷却される電子部品4、5が備えられるベース部7とこのベース部7に備えられる冷却フィン2a、2b、及び冷却フィン2a、2bで熱交換された空気を排出するためのファン3より構成される(ベース部7と冷却フィン2a、2bをあわせたものをヒートシンクとする)。また、吸気側には、図示省略の防塵フィルタが備えられる。
図2(a)に示すように、本発明の第2実施形態に係る電子部品冷却構造12は、最外に配置される冷却フィン2aより内側のベース部7にスリット9が形成されている。スリット9は、フィン2a、2bと平行に配置されるように形成されている。したがって、ベース部7からフィン2aへの熱移送が低減され、フィン2aから周囲に配置される電子部品8(例えば、電解コンデンサ)への熱放射を少なくすることができる。
ゆえに、冷却フィン2aの周囲に熱に弱い電子部品8を配置できるとともに、熱に弱い電子部品を熱放射から防護するための熱遮蔽板等を削減することができる。よって、発熱量の多い電子部品(図2(a)では、電子部品4又は5)の近くに、熱に弱い電子部品(図2(a)では、電子部品8)を配置することが可能となり、電子部品の配置スペースを小さくすることができる。
なお、電子部品4、5の冷却は、冷却フィン2bで行われるため冷却能力が損なわれることはない。そして、フィン2a、2bの形状は、冷却効率がよく、ファン3により生じる空気の流れを妨げない形状を適宜選択すればよい(例えば、波型の板や棒状のフィンでもよい)。
また、スリット9は、冷却フィン2aに形成してもよい。これにより、ベース部7からフィン2aへの熱移送が低減され、フィン2aから周囲に配置される電子部品8(例えば、電解コンデンサ)への熱放射を少なくすることができる。
以上のように、本発明の第1及び第2実施形態に係る電子部品冷却構造によれば、電子部品を配置するスペースを小さくすることができる。なお、本発明に係る電子部品冷却構造は、ファン、防塵フィルタ等の配置場所、ベース部に形成される通気孔及びスリットの形状、ベース部に備えられる電子部品の種類や数等は適宜設定可能である。
特に、本発明に係る電子部品冷却構造は、完全な防塵を必要とする電子機器(密閉構造をとる電子機器)等、筐体や支持枠に冷却風吹き出し孔を形成することができない場合の電子機器における電子部品の冷却特性向上に有効である。
1、7、10…ベース部
4、5,8…電子部品
2、2a、2b…冷却フィン
6…通風孔(穴)
9…スリット
4、5,8…電子部品
2、2a、2b…冷却フィン
6…通風孔(穴)
9…スリット
Claims (3)
- 電子部品が取り付けられるベース部と、当該ベース部の電子部品が取り付けられた面の裏面に立設して並設される複数の冷却フィンと、を有する電子部品冷却構造であって、
前記ベース部であって、前記並設された複数の冷却フィンのうち最外に配置される冷却フィンの内側にスリットを形成した
ことを特徴とする電子部品冷却構造。 - 前記最外に配置される冷却フィンは板状であり、
前記スリットを該冷却フィンの主面と平行に形成した
ことを特徴とする請求項1に記載の電子部品冷却構造。 - 電子部品が取り付けられるベース部と、当該ベース部の前記電子部品が取り付けられた面の裏面に立設して並設される複数の冷却フィンと、を有する電子部品冷却構造であって、
前記並設された複数の冷却フィンのうち最外に配置される冷却フィンの主面にスリットを形成した
ことを特徴とする電子部品冷却構造。
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- 2013-07-11 JP JP2013145067A patent/JP2013214771A/ja active Pending
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