JP2013214554A - 発振装置および電子装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた発振特性を有する原子発振器および電子装置を提供すること。
【解決手段】本発明の原子発振器1は、ガス状のアルカリ金属原子が封入されるガスセル21と、ガスセル21内のアルカリ金属原子を励起する励起光を出射する光出射部22と、ガスセル21を透過した励起光を検出する光検出部23とを有する原子発振器2と、水晶振動子31を有する温度制御型水晶発振器3とを備え、ガスセル21、光出射部22、光検出部23および水晶振動子31を含む複数の部品8が、互いに熱的に結合するように配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、発振装置および電子装置に関するものである。
ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属の原子のエネルギー遷移に基づいて発振する原子発振器が知られている。
このような原子発振器は、一般に、長期的に高精度な発振特性(高い長期安定度)を有するものの、短期的な発振特性(短期安定度)が水晶発振器に劣る。
そこで、従来、このような原子発振器を備える発振装置として、原子発振器と、温度制御型水晶発振器(OCXO)とを有し、原子発振器の出力信号に基づいて、温度制御型水晶発振器の出力信号を補正するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このような従来の発振装置では、原子発振器および温度制御型水晶発振器が互いに別々のブロックとして構成されているため、発振装置の構成が複雑化するとともに発振装置全体が大型化するという問題があった。
特開2006−314047号公報
本発明の目的は、長期にわたり優れた発振特性を発揮し得るとともに、小型化および簡素化を図ることができる発振装置および電子装置を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本発明の発振装置は、ガス状の原子が封入されるガスセルと、前記原子を励起する励起光を出射する光出射部と、前記ガスセルを透過した前記励起光を検出する光検出部とを有する原子発振器と、
振動子を有する温度制御型発振器とを備え、
前記ガスセル、前記光出射部、前記光検出部および前記振動子のうちの少なくとも前記ガスセルおよび前記振動子を含む複数の部品が、互いに熱的に結合するように配置されていることを特徴とする。
このように構成された発振装置によれば、原子発振器の温度制御が必要な部品と温度制御型発振器の温度制御が必要な部品とを共通の温度調節手段により温度調節することができる。その結果、発振装置の小型化および簡素化を図ることができる。
また、原子発振器の出力信号に基づいて温度制御型発振器の出力を補正することにより、長期にわたり優れた発振特性を発揮することができる。
[適用例2]
本発明の発振装置では、前記複数の部品は、同一の筐体内に収納されているのが好ましい。
これにより、複数の部品に対する外部の温度変化の影響を低減することができる。また、複数の部品間での熱交換を効率的に生じさせることができる。
[適用例3]
本発明の発振装置では、前記複数の部品のうちの少なくとも1つの部品を加熱または冷却する温度調節素子を備えるのが好ましい。
これにより、外部の温度が変化しても、複数の部品の温度を適正温度範囲に維持することができる。
[適用例4]
本発明の発振装置では、前記複数の部品は、一方向に並んで配置されているのが好ましい。
これにより、各部品の適正温度範囲が異なる場合であっても、複数の部品の並ぶ順序を適宜設定することにより、各部品の温度を効率的に適正温度範囲に維持することができる。また、複数の部品同士の間の距離を小さくすることができるので、発振装置の小型化を図ることができる。
[適用例5]
本発明の発振装置では、前記複数の部品は、前記光出射部を含むのが好ましい。
これにより、発振装置の小型化を図りつつ、光出射部の温度を適正温度範囲に維持することができる。その結果、光出射部からの励起光の周波数の変動を防止または抑制することができる。
[適用例6]
本発明の発振装置では、前記ガスセルは、前記光出射部と前記水晶振動子とに挟まれているのが好ましい。
一般に、ガラスセルの適正温度範囲は、光出射部の適正温度範囲よりも高く、また、振動子(水晶振動子)の適正温度範囲よりも低い。したがって、光出射部をガスセルに対して振動子とは反対側に配置することにより、適正温度範囲の大小順に、光出射部、ガスセル、振動子を配置することができる。そのため、光出射部、ガスセル、振動子を含む複数の部品の温度調節をそれぞれ効率的に行うことができる。
[適用例7]
本発明の発振装置では、前記複数の部品は、前記光検出部を含み、
前記光検出部は、前記ガスセルと前記振動子との間に設けられているのが好ましい。
これにより、光出射部、ガスセル、振動子を適正温度範囲の大小順に配置しつつ、ガスセルを透過した励起光を光検出部で検出することができる。
[適用例8]
本発明の発振装置では、前記原子発振器の出力信号に基づいて、前記温度制御型発振器の出力信号を補正する補正手段を備えるのが好ましい。
これにより、原子発振器の長期的に優れた発振特性と、温度制御型発振器の短期的に優れた発振特性との両長所を生かし、長期にわたり優れた発振特性を発揮することができる。
[適用例9]
本発明の電子装置は、本発明の発振装置を備えることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する電子装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る発振装置の概略構成を示すブロック図である。 図1に示す発振装置の概略構成を示す断面図である。 図1に示す発振装置の原子発振器に備えられたガスセル内のアルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図である。 図1に示す発振装置の原子発振器に備えられた光出射部および光検出部について、光出射部からの2つの光の周波数差と、光検出部の検出強度との関係を示すグラフである。 GPS衛星を利用した測位システムに本発明の原子発振器を用いた場合のシステム構成概要図である。
以下、本発明の発振装置を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る発振装置の概略構成を示すブロック図、図2は、図1に示す発振装置の概略構成を示す断面図、図3は、図1に示す発振装置の原子発振器に備えられたガスセル内のアルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図、図4は、図1に示す発振装置の原子発振器に備えられた光出射部および光検出部について、光出射部からの2つの光の周波数差と、光検出部の検出強度との関係を示すグラフである。
図1に示す発振装置1は、原子発振器2と、温度制御型水晶発振器3(温度制御型発振器)と、補正手段4と、温度調節手段5とを備える。
ここで、図1に示すように、原子発振器2は、ガスセル21と、光出射部22と、光検出部23と、発振回路24とを備える。また、温度制御型水晶発振器3は、水晶振動子31(振動子)と、発振回路32とを備える。
そして、図2に示すように、ガスセル21、光出射部22、光検出部23および水晶振動子31は、互いに熱的に結合するように配置されており、発振装置1は、これらを収納する筐体6を備える。
この発振装置1では、原子発振器2の温度制御が必要な部品と温度制御型水晶発振器3の温度制御が必要な部品とを共通の温度調節手段5により温度調節する。これにより、発振装置1の小型化および簡素化を図ることができる。
また、補正手段4が、原子発振器2の出力信号に基づいて温度制御型水晶発振器3の出力を補正する。これにより、長期にわたり優れた発振特性を発揮することができる。
以下、発振装置1の各部の構成を順次詳細に説明する。
[原子発振器]
原子発振器2は、量子干渉効果を利用して発振するように構成された原子発振器である。量子干渉効果を利用した原子発振器は、二重共鳴現象を利用した原子発振器に比し、小型化を図ることができる。
この原子発振器2は、図1に示すように、ガスセル21と、光出射部22と、光検出部23と、発振回路24とを備え、これらのうち、ガスセル21、光出射部22および光検出部23が、筐体6内に収納されている。なお、発振回路24も筐体6内に収納されていてもよい。
以下、原子発振器2の各部を順次詳細に説明する。
ガスセル21内には、ガス状のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属が封入されている。
アルカリ金属は、図3に示すように、3準位系のエネルギー準位を有しており、エネルギー準位の異なる2つの基底状態(基底状態1、2)と、励起状態との3つの状態をとり得る。ここで、基底状態1は、基底状態2よりも低いエネルギー状態である。
このようなガス状のアルカリ金属に対して周波数の異なる2種の共鳴光1、2を前述したようなガス状のアルカリ金属に照射すると、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)に応じて、共鳴光1、2のアルカリ金属における光吸収率(光透過率)が変化する。
そして、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数に一致したとき、基底状態1、2から励起状態への励起がそれぞれ停止する。このとき、共鳴光1、2は、いずれも、アルカリ金属に吸収されずに透過する。このような現象をCPT現象または電磁誘起透明化現象(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)と呼ぶ。
そして、例えば、共鳴光1の周波数ω1を固定し、共鳴光2の周波数ω2を変化させていくと、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数ω0に一致したとき、ガス状のアルカリ金属を透過した光の強度は、図4に示すように、急峻に上昇する。このような急峻な変化をEIT信号として検出したとき、このEIT信号は、アルカリ金属の種類によって決まった固有値をもっている。したがって、このようなEIT信号を用いることにより、発振器を構成することができる。
このようなガスセル21は、図示しないが、例えば、柱状の貫通孔を有する本体部と、この貫通孔の両開口を封鎖する1対の窓部とを有する。これにより、アルカリ金属が封入される内部空間Sが形成される(図2参照)。
この本体部を構成する材料は、特に限定されず、金属材料、樹脂材料等であってもよく、窓部と同様にガラス材料、水晶等であってもよい。また、この窓部を構成する材料としては、前述したような励起光に対する透過性を有していれば、特に限定されないが、例えば、ガラス材料、水晶等が挙げられる。
また、ガスセル21は、後述する温度調節手段5の温度調節素子51〜53(主に温度調節素子52)により加熱される。これにより、ガスセル21中のアルカリ金属をガス状に維持することができる。
また、ガスセル21には、必要に応じて、通電によりコイルからの磁場が印加される。これにより、ガスセル21中のアルカリ金属の縮退している異なるエネルギー状態間のギャップを拡げて、分解能を向上させることができる。その結果、原子発振器2の発振周波数の精度を高めることができる。
光出射部22は、ガスセル21中のアルカリ金属原子を励起する励起光を出射する機能を有する。
より具体的には、光出射部22は、ガスセル21に向けて、前述したような周波数の異なる2種の光(共鳴光1および共鳴光2)を出射するものである。
共鳴光1の周波数ω1は、ガスセル21中のアルカリ金属を前述した基底状態1から励起状態に励起し得るものである。
また、共鳴光2の周波数ω2は、ガスセル21中のアルカリ金属を前述した基底状態2から励起状態に励起し得るものである。
このような光出射部22としては、前述したような励起光を出射し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)等の半導体レーザー等を用いることができる。
なお、光出射部22とガスセル21との間には、必要に応じて、レンズ、減光フィルター、λ/4波長板、偏光板等の光学素子が設けられる。これにより、ガスセル21に照射される励起光の強度、スポット径、偏光等を調整することができる。
光検出部23は、ガスセル21の内部空間Sを透過した励起光(共鳴光1、2)の強度を検出する機能を有する。
具体的には、光検出部23は、前述したようなEIT信号の有無を検出する。
そして、図示しない回路が、光検出部23の検出結果に基づいて、光出射部22の駆動を制御する。これにより、光出射部22が前述したような共鳴光1、2を出射した状態を維持することができる。
この光検出部23としては、上述したような励起光を検出し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、太陽電池、フォトダイオード等の光検出器(受光素子)を用いることができる。
このような光出射部22、ガスセル21および光検出部23は、この順で一方向に並んで配置されている。すなわち、ガスセル21は、光出射部22と光検出部23との間に設けられている。
また、光検出部23のガスセル21とは反対側には、温度調節素子51が設けられている。また、ガスセル21と光出射部22との間には、温度調節素子52が設けられている。また、光出射部22のガスセル21とは反対側には、温度調節素子53が設けられている。これらの温度調節素子51〜53によって、ガスセル21、光出射部22および光検出部23が温度調節される。なお、温度調節素子51〜53については、温度調節手段5の説明において詳述する。
発振回路24は、図示しない水晶振動子(温度制御型水晶発振器3の水晶振動子31とは別体)の周波数に基づいて発振するものである。
また、この発振回路24は、発振周波数が可変であり、光検出部23で検出されたEIT信号に基づいて、発振周波数が補正される。例えば、発振回路24は、上記水晶振動子と組み合わせた状態で、電圧制御型水晶発振器を構成するものである。
[温度制御型水晶発振器(OCXO)]
温度制御型水晶発振器3は、図1に示すように、水晶振動子31と、発振回路32とを備える。
水晶振動子31は、筐体6内に設けられている。
そして、水晶振動子31と前述した光検出部23との間には、温度調節素子51が設けられている。主に、この温度調節素子51によって、水晶振動子31が温度調節される。
また、この水晶振動子31は、温度調節素子51を介して光検出部23と熱的に結合している。
水晶振動子31は、図示しないが、水晶振動片と、この水晶振動片を収納するパッケージとを有する。なお、このパッケージ内には、発振回路32が収納されていてもよい。
水晶振動子31は、特に限定されず、各種水晶振動子を用いることができるが、例えば、ATカット振動子、STカット振動子等を用いることができる。
発振回路32は、水晶振動子31の周波数に基づいて発振するものである。
また、発振回路32は、発振周波数が可変であり、後述する補正手段4により、前述した原子発振器2の出力信号に基づいて、発振周波数が補正される。例えば、温度制御型水晶発振器3は、電圧制御型水晶発振器(Voltage Controlled Oscillator)を構成するものである。
[補正手段]
補正手段4は、前述した原子発振器2の出力信号(発振周波数)に基づいて、前述した温度制御型水晶発振器3の出力信号(発振周波数)を補正するものである。これにより、長期にわたり優れた発振特性を発揮することができる。
この補正手段4は、図1に示すように、周波数比較器41と、周波数制御回路42とを備える。
周波数比較器41は、原子発振器2の出力信号(発振周波数)と、温度制御型水晶発振器3の出力信号(発振周波数)とを比較し、その差分またはその有無に応じた電圧を比較結果として出力するものである。
周波数制御回路42は、周波数比較器41の比較結果に基づいて、温度制御型水晶発振器3の出力信号(発振周波数)を制御するものである。具体的には、周波数制御回路42は、周波数比較器41の比較結果に基づいて、温度制御型水晶発振器3の発振周波数を原子発振器2の発振周波数に一致させるように制御する。
[筐体]
筐体6(ハウジング)は、図2に示すように、前述したガスセル21、光出射部22、光検出部23および水晶振動子31を収納する。この筐体6に収納されたガスセル21、光出射部22、光検出部23および水晶振動子31を含む複数の部品8は、互いに熱的に結合するように配置されている。
このように、ガスセル21、光出射部22、光検出部23および水晶振動子31を同一(共通)の筐体6内に収納することにより、ガスセル21、光出射部22、光検出部23および水晶振動子31を共通の温度調節手段5により温度調節することができる。また、複数の部品8に対する外部の温度変化の影響を低減することができる。また、ガスセル21、光出射部22、光検出部23および水晶振動子31の互いの間での効率的な熱交換を可能とし、ガスセル21、光出射部22、光検出部23および水晶振動子31の温度調節を効率的に行うことができる。また、ガスセル21、光出射部22および光検出部23と、水晶振動子31とを別々の筐体に収納する場合に比し、発振装置1の小型化および簡素化を図ることができる。
また、筐体6は、後述する温度調節手段5の温度調節素子51〜53も収納する。
このような筐体6は、ガスセル21、光出射部22、光検出部23、水晶振動子31および温度調節素子51〜53からなる複数の部品8(集合体)を収納する空間を有する。
本実施形態では、筐体6内には、回路基板71(配線基板)が複数の部品8とともに収納されている。この回路基板71は、複数の端子73を介して、水晶振動子31を支持するとともに、水晶振動子31に電気的に接続されている。
なお、回路基板71には、前述した補正手段4の周波数比較器41および周波数制御回路42や、後述する温度調節手段5の温度制御回路54等が設けられていてもよい。
この回路基板71は、複数の端子72を介して筐体6に支持されている。
この複数の端子72は、筐体6を内外に貫通している。そして、この複数の端子72は、回路基板71に電気的に接続されている。
また、内層61の外側で内層61との間に空間は、減圧されているのが好ましい。すなわち、筐体6の内層61と外層62との間の空間の断熱層は、減圧された空間で構成されているのが好ましい。これにより、かかる断熱層の断熱性を高め、筐体6内に対する外部の温度変化の影響をより効果的に低減することができる。
また、本実施形態では、筐体6内(筐体6の複数の部品8を収納する空間)は、減圧されているのが好ましい。これにより、筐体6内にて複数の部品8を覆う空間で構成された断熱層の断熱性を高めることができる。そのため、筐体6内に対する外部の温度変化の影響をより効果的に低減することができる。
[温度調節手段]
温度調節手段5は、前述した筐体6内を所定温度に温度調節するものである。
この温度調節手段5は、図1に示すように、温度調節素子51〜53と、温度制御回路54とを備える。
温度調節素子51〜53は、前述した複数の部品8のうちの少なくとも1つの部品を加熱または冷却するものである。これにより、外部の温度が変化しても、複数の部品8の温度を適正温度範囲に維持することができる。
より具体的に説明すると、前述したように、温度調節素子51は、光検出部23と水晶振動子31との間に設けられている。本実施形態では、温度調節素子51は、光検出部23および水晶振動子31の双方に接触している。
この温度調節素子51は、主に、光検出部23および水晶振動子31を加熱または冷却するものである。これにより、外部(筐体6の外部)の温度が変化しても、光検出部23および水晶振動子31の温度を適正温度範囲に維持することができる。
また、温度調節素子52は、ガスセル21と光出射部22との間に設けられている。本実施形態では、温度調節素子52は、ガスセル21に対して接触し、光出射部22に対して接触していない。
この温度調節素子52は、主に、ガスセル21を加熱または冷却するものである。これにより、外部(筐体6の外部)の温度が変化しても、ガスセル21の温度を適正温度範囲に維持することができる。
また、温度調節素子53は、光出射部22のガスセル21とは反対側に設けられている。本実施形態では、温度調節素子53は、光出射部22に接触している。
この温度調節素子53は、主に、光出射部22を加熱または冷却するものである。これにより、外部(筐体6の外部)の温度が変化しても、光出射部22の温度を適正温度範囲に維持することができる。
温度調節素子51〜53としては、それぞれ、通電により加熱または冷却することができるものであれば、特に限定されないが、ヒーター(発熱抵抗体)、ペルチェ素子等を用いることができる。中でも、温度調節素子51〜53としては、それぞれ、ペルチェ素子を用いるのが好ましい。
また、複数の部品8は、一方向に並んで配置されている。これにより、複数の部品8の各部品の適正温度範囲が異なる場合であっても、複数の部品8の並ぶ順序を適宜設定することにより、各部品の温度を効率的に適正温度範囲に維持することができる。また、複数の部品8同士の間の距離を小さくすることができるので、発振装置1の小型化を図ることができる。
本実施形態では、複数の部品8は、光出射部22を含む。これにより、発振装置1の小型化を図りつつ、光出射部22の温度を適正温度範囲に維持することができる。その結果、光出射部22からの励起光の周波数の変動を防止または抑制することができる。
また、光出射部22は、ガスセル21に対して水晶振動子31とは反対側に設けられている。すなわち、ガスセル21は、光出射部22と水晶振動子31とに挟まれている。
一般に、ガスセル21の適正温度範囲(例えば、アルカリ金属をガス状態に維持する温度)は、光出射部22の適正温度範囲(例えば、所望の周波数で安定して光出射可能な温度)よりも高く、また、水晶振動子31の適正温度範囲(例えば、周波数温度特性が良好な温度範囲)よりも低い。したがって、光出射部22をガスセル21に対して水晶振動子31とは反対側に配置することにより、適正温度範囲の大小順に、光出射部22、ガスセル21、水晶振動子31を配置することができる。そのため、光出射部22、ガスセル21、水晶振動子31を含む複数の部品8の温度調節をそれぞれ効率的に行うことができる。
また、複数の部品8は、光検出部23を含み、光検出部23は、ガスセル21と水晶振動子31との間に設けられている。これにより、光出射部22、ガスセル21、水晶振動子31を適正温度範囲の大小順に配置しつつ、ガスセル21を透過した励起光を光検出部23で検出することができる。
また、温度制御回路54は、温度調節素子51〜53の加熱または冷却の対象物である複数の部品8の温度がそれぞれ所望の温度範囲となるように、温度調節素子51〜53への通電を制御するものである。例えば、温度制御回路54は、図示しない温度センサーの検出結果に基づいて、温度調節素子51〜53への通電を制御する。
以上説明したような本実施形態の発振装置1によれば、複数の部品8が互いに熱的に結合するように配置されているので、原子発振器2の温度制御が必要な部品と温度制御型水晶発振器3の温度制御が必要な部品とを共通の温度調節手段5により温度調節することができる。その結果、発振装置1の小型化および簡素化を図ることができる。
また、原子発振器2の出力信号(発振周波数)に基づいて温度制御型水晶発振器3の出力信号(発振周波数)を補正することにより、長期にわたり優れた発振特性を発揮することができる。
すなわち、原子発振器2の長期的に優れた発振特性(高い長期安定度)と、温度制御型水晶発振器3の短期的に優れた発振特性(高い短期安定度)との両長所を生かし、長期にわたり優れた発振特性を発揮することができる。また、量子干渉効果を利用した原子発振器2は、二重共鳴現象を利用した原子発振器に比し、小型化が可能である。そのため、発振装置1の小型化を図ることができる。
図5は、GPS衛星を利用した測位システムに本発明の原子発振器を用いた場合のシステム構成概要図である。
図5に示す測位システム100は、GPS衛星200と、基地局装置300と、GPS受信装置400とで構成されている。
GPS衛星200は、測位情報(GPS信号)を送信する。
基地局装置300は、例えば電子基準点(GPS連続観測局)に設置されたアンテナ301を介してGPS衛星200からの測位情報を高精度に受信する受信装置302と、この受信装置302で受信した測位情報をアンテナ303を介して送信する送信装置304とを備える。
ここで、受信装置302は、その基準周波数発振源として前述した本発明の発振装置1を備える電子装置である。このような受信装置302は、優れた信頼性を有する。また、受信装置302で受信された測位情報は、リアルタイムで送信装置304により送信される。
GPS受信装置400は、GPS衛星200からの測位情報をアンテナ401を介して受信する衛星受信部402と、基地局装置300からの測位情報をアンテナ403を介して受信する基地局受信部404とを備える。
以上、本発明の発振装置および電子装置について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
また、本発明の発振装置および電子装置では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、前述した実施形態では、温度調節素子が複数の部品8のいずれかに接触するように設けられていたが、これに限定されず、例えば、温度調節素子を筐体6の内周面上または外周面上に設けてもよい。
また、温度調節素子の数は、1つまたは2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。例えば、前述した実施形態の温度調節素子51〜53のうちの1つまたは2つの温度調節素子を省略してもよいし、温度調節素子51〜53の他に、1つ以上の温度調節素子を追加してもよい。
また、前述した実施形態では、ガスセル、光出射部、光検出部および水晶振動子からなる複数の部品が互いに熱的に結合するように配置されている場合を例に説明したが、これに限定されず、少なくともガスセルおよび水晶振動子が互いに熱的に結合するように配置されていれば、本発明の効果を奏し得る。
1‥‥発振装置 2‥‥原子発振器 3‥‥温度制御型水晶発振器 4‥‥補正手段 5‥‥温度調節手段 6‥‥筐体 8‥‥複数の部品 21‥‥ガスセル 22‥‥光出射部 23‥‥光検出部 24‥‥発振回路 31‥‥水晶振動子 32‥‥発振回路 41‥‥周波数比較器 42‥‥周波数制御回路 51‥‥温度調節素子 52‥‥温度調節素子 53‥‥温度調節素子 54‥‥温度制御回路 61‥‥内層 62‥‥外層 71‥‥回路基板 72‥‥端子 73‥‥複数の端子 100‥‥測位システム 200‥‥GPS衛星 300‥‥基地局装置 301‥‥アンテナ 302‥‥受信装置 303‥‥アンテナ 304‥‥送信装置 400‥‥GPS受信装置 401‥‥アンテナ 402‥‥衛星受信部 403‥‥アンテナ 404‥‥基地局受信部 ω0‥‥周波数 ω1‥‥周波数 ω2‥‥周波数

Claims (9)

  1. ガス状の原子が封入されるガスセルと、前記原子を励起する励起光を出射する光出射部と、前記ガスセルを透過した前記励起光を検出する光検出部とを有する原子発振器と、
    振動子を有する温度制御型発振器とを備え、
    前記ガスセル、前記光出射部、前記光検出部および前記振動子のうちの少なくとも前記ガスセルおよび前記振動子を含む複数の部品が、互いに熱的に結合するように配置されていることを特徴とする発振装置。
  2. 前記複数の部品は、同一の筐体内に収納されている請求項1に記載の発振装置。
  3. 前記複数の部品のうちの少なくとも1つの部品を加熱または冷却する温度調節素子を備える請求項1または2に記載の発振装置。
  4. 前記複数の部品は、一方向に並んで配置されている請求項1ないし3のいずれか一項に記載の発振装置。
  5. 前記複数の部品は、前記光出射部を含む請求項1ないし4のいずれか一項に記載の発振装置。
  6. 前記ガスセルは、前記光出射部と前記水晶振動子とに挟まれている請求項5に記載の発振装置。
  7. 前記複数の部品は、前記光検出部を含み、
    前記光検出部は、前記ガスセルと前記振動子との間に設けられている請求項6に記載の発振装置。
  8. 前記原子発振器の出力信号に基づいて、前記温度制御型発振器の出力信号を補正する補正手段を備える請求項1ないし7のいずれか一項に記載の発振装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか一項に記載の発振装置を備えることを特徴とする電子装置。
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