JP2013213751A - 車両推進制御装置の異常監視装置およびその方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁破壊の前駆現象である部分放電をコンパクトな構成の装置で検知し異常を検出する車両推進制御装置の異常監視装置とその方法を得る。
【解決手段】金属筐体で囲まれた閉鎖空間内に設けた少なくとも1つのマルチバンドマイクロストリップアンテナを用いて、それぞれ、例えば第1の周波数帯域の信号強度と第2の周波数帯域の信号強度からなる複数の周波数帯域の信号強度の帯域間強度相関を求め、予め求めた任意の部分放電発生箇所からの信号強度の帯域間強度相関データベースとを比較して、放電発生箇所を同定する。
【選択図】図1
【解決手段】金属筐体で囲まれた閉鎖空間内に設けた少なくとも1つのマルチバンドマイクロストリップアンテナを用いて、それぞれ、例えば第1の周波数帯域の信号強度と第2の周波数帯域の信号強度からなる複数の周波数帯域の信号強度の帯域間強度相関を求め、予め求めた任意の部分放電発生箇所からの信号強度の帯域間強度相関データベースとを比較して、放電発生箇所を同定する。
【選択図】図1
Description
この発明は、鉄道車用の車両推進制御装置の異常監視装置およびその方法に関する。
鉄道車両用の車両推進制御装置には、公共交通機関として、早く、時間に正確で、安定に大量輸送を実現するための高い信頼性が求められる。鉄道車両用の車両推進制御装置は、VVVF(Variable Voltage Variable Frequency)インバータ装置や主変換装置、高電圧配線基板などで構成され、推進制御装置の出力はインバータ駆動電動機を駆動する。車両推進制御装置は運転中にその環境から機械的、熱的、電気的、汚損吸湿などの過酷なストレスに曝されるため、その劣化進展により機能を停止し、最悪の場合には絶縁破壊事故に至る。
インバータ駆動電動機の異常検出方法として下記特許文献1がある。特許文献1には、インバータにて駆動されまた発電を行う交流モータと、この交流モータの中性点に接続された電源と、前記中性点における電流または電圧の状態を検出する中性点状態検出手段とを有し、前記中性点状態検出手段の検出結果に基いて前記電源の異常判定を行なうことが示されている。中性点電圧や中性点電流は、電源の存在により平滑化される。しかし、電源が切り離された場合には、この電源の影響がなくなり、中性点電圧や、中性点電流が変化しやすくなるので、この中性点の状態によって電源が切り離されてしまった(外れた)異常を検出することができる。
また、パッチアンテナを用いて部分放電を検出する装置として下記特許文献2がある。特許文献2には、金属容器内に収容された巻線に発生する部分放電を計測するため金属容器内にアンテナを備えて部分放電に伴って発生する電磁波を検出する回転電機の部分放電計測装置が示されており、アンテナは、平板上の受信電極と誘電体を介して受信電極と平行に配置された平板上の接地電極とを備えたパッチアンテナで構成し、このパッチアンテナ自体の緒元で決定される受信の中心周波数が1.0〜2.5GHzの範囲となるように、かつ、帯域幅が中心周波数の5%以下とすることが示されている。
以上のように、回転電機の異常検出に関しては従来、多くの技術があるが、例えば中性点電圧や中性点電流を計測して異常を検知する上記特許文献1の方法では、異常が生じた後の検知であり、異常前駆現象を検出できず、絶縁破壊事故を予知して事故を回避することができない。
また車両推進制御装置は、電車車両の床下部に設置され、また最近の電車の高速運転化と省エネ運転の追及によりVVVFインバータ装置化が進み、小型の金属筐体で囲まれた閉鎖空間内への高電圧回路部品の高密度実装が設計の基本となっており、そこで特許文献2の場合、部分放電を検出するものではあるものの、検出帯域の異なるパッチアンテナを2個用いて2帯域受信する構成であり、上述のように専有面積が限られた状況では、一定面積を必用とするパッチアンテナを2個隣接配置して部分放電電磁波を検出するのは難しく、さらにそれぞれのパッチアンテナの受信電界が異なり、部分放電発生箇所を同定できない。
この発明は、絶縁破壊の前駆現象である部分放電をコンパクトな構成の装置で検知して異常を検出する車両推進制御装置の異常監視装置およびその方法を得ることを目的とする。
この発明は、金属筐体で囲まれた閉鎖空間内の開口部を有する隔壁で仕切られた複数の空間内に回路構成部品が配置された車両推進制御装置において、前記回路構成部品で発生する部分放電に伴う電磁波を前記閉鎖空間内のそれぞれ異なる位置に設けたマルチバンドマイクロストリップアンテナでそれぞれ複数の所定の周波数帯域で検出する少なくとも1つの部分放電検出手段と、前記各部分放電検出手段毎に設けられ、前記複数の所定の周波数帯域のそれぞれの信号強度を計測するマルチバンド部分放電計測手段と、前記マルチバンド部分放電計測手段毎に、前記複数の所定の周波数帯域の信号強度の帯域間強度相関を求める帯域間強度相関演算手段と、予め求めた、前記各マルチバンドマイクロストリップアンテナ毎の、前記回路構成部品の複数の所定箇所での部分放電の該マルチバンドマイクロストリップアンテナの位置での前記複数の所定の周波数帯域の信号強度の帯域間強度相関を格納したデータベースと、前記帯域間強度相関演算手段で求めたそれぞれの帯域間強度相関と前記データベースのそれぞれの帯域間強度相関とを比較して、放電発生箇所を同定する信号解析手段と、を備えたことを特徴とする車両推進制御装置の異常監視装置である。
この発明では、絶縁破壊の前駆現象である部分放電をコンパクトな構成の装置で検知して異常を検出する車両推進制御装置の異常監視装置およびその方法を提供できる。
以下、この発明による車両推進制御装置の異常監視装置およびその方法を各実施の形態に従って図面を用いて説明する。なお、各実施の形態において、同一もしくは相当部分は同一符号で示し、重複する説明は省略する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における異常監視装置と車両推進制御装置の構成を示す図、図2は車両における推進制御装置の設置位置を示す図である。図1において、車両推進制御装置2は、外部からの高圧母線7が接続された制御回路4、インバータ回路5、高電圧配線路8、コンデンサ(図示省略)等の回路部品(回路構成部品)が内部に高密度実装された金属筐体16、インバータ回路5により駆動制御されるインバータ駆動モータ3、インバータ回路5とインバータ駆動モータ3を接続する高圧ケーブル9、制御回路4に制御信号を送る制御信号ケーブル18で構成されている。なお、
図1はこの発明の実施の形態1における異常監視装置と車両推進制御装置の構成を示す図、図2は車両における推進制御装置の設置位置を示す図である。図1において、車両推進制御装置2は、外部からの高圧母線7が接続された制御回路4、インバータ回路5、高電圧配線路8、コンデンサ(図示省略)等の回路部品(回路構成部品)が内部に高密度実装された金属筐体16、インバータ回路5により駆動制御されるインバータ駆動モータ3、インバータ回路5とインバータ駆動モータ3を接続する高圧ケーブル9、制御回路4に制御信号を送る制御信号ケーブル18で構成されている。なお、
金属筐体16の内部は、開口部を設けた隔壁15により複数の空間に間仕切りされており、間仕切りされた複数の空間にはそれぞれに制御回路4やインバータ回路5や高電圧配線路8などが、インバータ駆動モータ3を駆動するに必要な多相回路で接続されて高密度実装されており、高密度実装された複数の隔壁15の間を高電圧配線路8で配線する構成となっている。
開口部を設けた隔壁15は金属筐体16の内壁にボルト締結により固定される。このため隔壁15と金属筐体16の結合部には結合隙間(図示せず)が存在し、結合隙間を介して電磁波漏洩が生じる構造となっている。この構造は電磁波漏洩を意図して設計したものでなくても結合隙間が介在することで電磁波は漏洩する。したがって、隔壁15を介する電磁波伝搬において、開口部および結合隙間を介して隔壁15間で減衰しながら電磁波が伝搬することとなる。
車両推進制御装置2は図2に示すように、電車車両1の床下部に懸垂した形で設置される。電車床下部は限られた空間なので車両推進制御装置2の金属筐体16内部は必然的に高密度実装となる。合わせて、前述したように最近の電車は高速運転化と省エネ運転が追及されて駆動電圧は高電圧化されてきており、推進制御装置2は高電圧化設計となってきている。この結果、車両推進制御装置2は小型の金属筐体16で囲まれた閉鎖空間内に、高電圧回路部品が高密度実装されることとなる。
異常監視装置20は、金属筐体16内およびインバータ駆動モータ3内に設けられたマルチバンドマイクロストリップアンテナ6a,6b(部分放電検出手段)とこれにそれぞれ接続された高周波同軸ケーブル10で構成されたそれぞれの部分放電検出手段17と、それぞれの部分放電検出手段17に接続されたマルチバンド部分放電(PD)計測手段11と、判定部19と、各マルチバンド部分放電(PD)計測手段11と判定部19を接続するLANケーブル12で構成され、電車車両1の床下部の車両推進制御装置2に隣接して設置される。異常監視装置20のうち判定部19は例えば図2に示すように運転席に設置される。なお、制御信号ケーブル18も判定部19に接続されている。
各部分放電検出手段17は、平板型のマルチバンドマイクロストリップアンテナ6a,6bを金属筐体16の内壁(マルチバンドマイクロストリップアンテナ6bの場合はインバータ駆動モータ3の金属筐体の内壁)に受信電極25(図4参照)を内向きにして設置する。マルチバンドマイクロストリップアンテナ6a,6bの給電点27(図4参照)に接続された出力リード線は金属筐体16の壁を貫通して設置した同軸コネクタ(共に図示省略)を介して金属筐体外部で高周波同軸ケーブル10に接続し、マルチバンド部分放電計測手段11に接続される。
マルチバンド部分放電(PD)計測手段11の構成を図3に示す。マルチバンド部分放電計測手段11は、F1帯域部分放電(PD)検出回路21、F2帯域部分放電(PD)検出回路22、これらを制御するCPU23で構成する。
F1帯域部分放電検出回路21は、第1バンドパスフィルタ(BPF)101aと、増幅器(AMP)102aと、比較器(COM)103aと、カウンタ(COU)104aと、アナログ/デジタル変換器(A/D)105aと、RAM106aとで構成する。
F2帯域部分放電検出回路22は、第2バンドパスフィルタ(BPF)101bと、増幅器(AMP)102bと、比較器(COM)103bと、カウンタ(COU)104bと、アナログ/デジタル変換器(A/D)105bと、RAM106bとで構成する。
F1帯域部分放電検出回路21は、第1バンドパスフィルタ(BPF)101aと、増幅器(AMP)102aと、比較器(COM)103aと、カウンタ(COU)104aと、アナログ/デジタル変換器(A/D)105aと、RAM106aとで構成する。
F2帯域部分放電検出回路22は、第2バンドパスフィルタ(BPF)101bと、増幅器(AMP)102bと、比較器(COM)103bと、カウンタ(COU)104bと、アナログ/デジタル変換器(A/D)105bと、RAM106bとで構成する。
判定部19は計算機(コンピュータ)で構成される演算部13と、表示装置14とで構成される。
図4にこの発明に使用したマルチバンドマイクロストリップアンテナ6a,6bの斜視図を示す。マルチバンドマイクロストリップアンテナ6a,6bは幾つかの方式が開発されて実用に供されている。図4に示したのはノッチアンテナと呼ばれるもので、裏面に接地電極26を設けた誘電体基板24の表面上に形成された受信電極25にノッチ28を設けたものである。この発明の部分放電検出に用いた周波数帯域は、後述するように第1の周波数帯域の計測中心周波数が1.2MHz付近で、第2の周波数帯域が1.8GHz付近なので、この周波数を狭帯域検出が可能な設計緒元を実現できるものでなくてはならない。この設計緒元を反映できるものとしてノッチアンテナ形状のマルチバンドマイクロストリップアンテナ6a,6bを選定した。図4に示す受信電極25は外形が95×40mmでノッチが40×4mmである。図5に一例として使用するマルチバンドマイクロストリップアンテナ6のリターンロスを示す(リターンロスと周波数との関係)。図5に示すように1.2GHzと1.5GHzに検出帯域を持つ。
なお以下、説明を簡略化するために、マルチバンドマイクロストリップアンテナ6a,6bをマルチバンドマイクロストリップアンテナ6として説明する。またインバータ駆動モータ3に設けられたマルチバンドマイクロストリップアンテナ6bはこの発明に直接関係しない。
次いで動作を説明する。高速運転と停止による機械的振動や運転に伴う熱ストレス、環境要因による汚損・吸湿などにより構成部品の劣化が進行すると、運転電圧によって劣化発生箇所から部分放電が発生する。この部分放電発生に伴って電磁波が放射される。発生した電磁波が発生点からマルチバンドマイクロストリップアンテナ6まで伝搬する状況を図6で説明する。劣化発生箇所で発生した電磁波は金属筐体16内で反射と擾乱を繰返しながら隔壁15の開口部150、あるいは隔壁15と金属筐体16との結合隙間(特に図示せず)を経由してマルチバンドマイクロストリップアンテナ6に達する。
今、マルチバンドマイクロストリップアンテナ6に比較的近い高電圧配線路8の発生点A31で部分放電が発生したとすると、部分放電発生点A31からの電磁波は、部分放電発生点Aからの電磁波33で示されるように、減衰少なくマルチバンドマイクロストリップアンテナ6に達する。一方、制御回路4の発生点B32のようにマルチバンドマイクロストリップアンテナ6から遠くで発生した部分放電の電磁波は、部分放電発生点Bからの電磁波34で示されるように、金属筐体16の壁面で反射し隔壁15の開口部150や結合隙間を介して伝搬しながらマルチバンドマイクロストリップアンテナ6に達する。
この時の発生点A、発生点Bの電磁波強度の周波数特性を図7に示す。図7の特性はマルチバンドマイクロストリップアンテナ6の設置位置に広帯域のホーンアンテナを設置して計測したもので、発生点A31、発生点B32からの距離による減衰、および開口部150や結合隙間を通って隔壁(15,15b,15c)を通過する際の減衰を含めた特性を計測したものである。なお、35はF1帯域部分放電(PD)検出回路21の帯域F1、36はF2帯域部分放電(PD)検出回路22の帯域F2を示す。
ここで、図7の発生点A31の周波数特性(スペクトル)37および発生点B32の周波数特性(スペクトル)38の周波数特性を比較すると、発生点Aの周波数特性37の電磁波は高周波まで減衰が少ないのに対し、発生点Bの周波数特性38の電磁波は高周波になるに従って減衰が大きい。また、電磁波強度の周波数特性は単調な減衰特性ではなく、帯域により強くなったり弱くなったりする。これは金属筐体内での反射や共振の影響が現れたものである。
図7の発生点Aの周波数特性37および発生点Bの周波数特性38では大小多数の部分放電パルスが発生するが、各パルス電磁波強度の周波数特性は、発生点が同じであれば伝搬特性が同じなので、放電強度が大きいパルスの場合はグラフ上で上方に、放電強度が小さいパルスの場合は下方に平行移動するが、周波数特性(スペクトル波形)は変わらず相似変化するだけである。
図7の周波数特性の特徴を捉えて両者を簡単に識別する方法として、距離および隔壁通過減衰特性の2帯域間強度相関を見出した。この内容を図8に示す。図8には、横軸に第1の周波数帯域F1を、縦軸に第2の周波数帯域F2をとって、その帯域間強度相関を示した。39は発生点AのPD群、40は発生点Aの信号群の近似式Ya=k1x−c、41は発生点BのPD群、42は発生点Bの信号群の近似式Yb=k2x−dを示す。
2つの帯域としては、部分放電の周波数スペクトル強度を有する2GHz以下で、インバータノイズや放送波や通信波等のノイズ周波数を除外した200MHz以上で電磁波強度が強い帯域を選定する。帯域幅は、広いと検出電磁波強度が大きくなって検出し易いが帯域間強度相関の特徴が出にくくなり、狭いと帯域間強度相関の特徴が出易いが検出電磁波強度が小さくなり感度が悪くなる関係にあり、概ね300MHzから100MHzの範囲が良いとの結果を得ている。
本例では第1の周波数として1.2GHz、第2の周波数帯域として1.5GHzを選定し、帯域幅を100MHzとしている。
マルチバンドマイクロストリップアンテナ6は上記の第1の周波数と第2の周波数を検出すように設計している。マルチバンドマイクロストリップアンテナ6の検出特性は図5に示す通りである。
マルチバンドマイクロストリップアンテナ6で検出した第1の周波数と第2の周波数の電磁波信号はマルチバンド部分放電計測手段11に伝送される。マルチバンド部分放電計測手段11では図3に示す通り2回路に分岐して、F1帯域部分放電検出回路21では第1の周波数帯域の信号を、F2帯域部分放電検出回路22では第2の周波数帯域の信号を同時計測する。
F1帯域部分放電検出回路21では入力信号を1.2±0.05GHzの第1バンドパスフィルタ101aで濾波して増幅器102aで増幅して比較器103に入力する。比較器103aでは設定値と比較して設定値以上のパルス信号の数をカウンタ104aで計測しA/D変換器105aで信号強度と検出時刻をデジタル変換してRAM106aに格納する。検出時刻に関しては、例えばカウンタ104aが時計機能を含む。
F2帯域部分放電検出回路22では1.5±0.05GHzの信号を同様にデジタル変換しRAM106bに格納する。
RAM106a,106bへの格納時間は10秒であるが任意に変更が可能でありCPU23からの制御指令の変更で行なう。また比較器103a,103bの設定値もCPU23からの制御指令で変更が可能である。
F2帯域部分放電検出回路22では1.5±0.05GHzの信号を同様にデジタル変換しRAM106bに格納する。
RAM106a,106bへの格納時間は10秒であるが任意に変更が可能でありCPU23からの制御指令の変更で行なう。また比較器103a,103bの設定値もCPU23からの制御指令で変更が可能である。
RAM106a、106bに格納したデータは判定部19の演算部13で読み出して帯域間強度相関を求め、例えば演算部13の記憶部(図示省略)であるデータベースに格納された予め求めた帯域間強度相関と比較して異常発生箇所を同定する。
ここで、帯域間強度相関のデータベースについて述べる。車両推進制御装置内で絶縁破壊を伴う異常発生箇所は高電圧および高電界で動作する箇所である。具体的には、図9に示すように、架線から導入された駆動母線(高圧母線7)のPD発生点(F)48、変圧回路、整流回路、平滑コンデンサ回路(これらは制御回路4に相当)内のPD発生点(B)32、インバータ回路5内のPD発生点(D)46、各回路間の高電圧配線路8のPD発生点(E)47、高電圧配線路8の支持部材のPD発生点(C)45、インバータ駆動モータ3の駆動線路(高電圧配線路8)のPD発生点(A)31、さらには図1のモータ3の固定子巻線のPD発生点(図示省略)である。これらの各箇所で部分放電が発生した時の電磁波検出特性を予め把握して記録する。
この時の部分放電は実装部品に欠陥を模擬して発生させる。またはIEC(International Electrotechnical Commission)−(b)電極などの模擬放電源を用いる。模擬放電源を当該各箇所に設置してその電磁波信号をマルチバンドマイクロストリップアンテナ6で検出する。上記金属筐体16内のPD発生点F48、B32,E47,D46,A31,C45からの電磁波信号はマルチバンドマイクロストリップアンテナ6aで検出し、モータ3の固定子巻線の場合は図1のマルチバンドマイクロストリップアンテナ6bで検出する。
そして例えば、図10に示すように各箇所の帯域間強度相関を求めてデータベース化(演算部13の記憶部に格納)しておく。図10の(a)の40はPD発生点(A)31の信号群の近似式、(b)の42はPD発生点(B)32の信号群の近似式、(c)の49は発生点(C)45のPD信号群、50はPD信号群49の近似式、(d)の51は発生点(D)46のPD信号群、52はPD信号群51の近似式、(e)の53は発生点(E)47のPD信号群、54はPD信号群53の近似式、を示す。
具体的な計測ステップと異常判定フローを図11に従って説明する。この計測ステップはF1帯域部分放電検出回路21とF2帯域部分放電検出回路22とが同一タイミングで同様に動作する。例えば判定部19の演算部13はマルチバンド部分放電計測手段11のCPU23に指令を送り、CPU23はF1帯域部分放電検出回路21とF2帯域部分放電検出回路22とを同一タイミングで制御して計測ステップを行い、演算部13は計測結果に基づいて異常判定フローの制御を行う。
部分放電が発生するとマルチバンドマイクロストリップアンテナ6で検出した信号がマルチバンド部分放電計測手段11に入力される。マルチバンド部分放電計測手段11に入力された信号はバンドパスフィルタ101a、101b(以下101a、101を101等と省略する)で濾波され、増幅器102にて所定の増幅率で増幅される(ステップS1)。
比較器103で規定値(所定の閾値)と比較される、規定値は環境ノイズを考慮してノイズが検出されない最小値を設定し、任意に可変できる。したがって、規定値以上の信号は部分放電と判断できる。比較器103では規定値以上の信号が検出されるまで連続して監視する(ステップS2)。
規定値以上の信号が検出されるとカウンタ104で検出数を計数しつつA/D変換器105で信号強度と検出時刻をデジタル変換してRAM106に格納する。格納は10秒間継続する(ステップS9)。
すなわち、F1帯域部分放電検出回路21のカウント数が例えば1秒間に10個(所定の時間の間に所定の数)以上となると(ステップS3)、部分放電が発生したとして判定して(ステップS4)、判定部19の演算部13に“部分放電発生”の警報を発信し表示装置14に異常発生表示を行う(ステップS5)。”部分放電発生”の表示は操作者がリセット(例えば判定部19に設けられたリセットスイッチを操作する)するまで継続表示する。F2帯域部分放電検出回路22での計数が10個以下であってもF1帯域部分放電検出回路21優位(優先)で判定する(ステップS6〜S8)。
10秒間計測したF1帯域とF2帯域のデータから(ステップS9)、図8に示す帯域間強度相関とその近似式(40,42)を求め(ステップS10)、必要に応じて一時、演算部13の記憶部(データベース)に格納する(ステップS11)。計測した帯域間強度相関と、予め収集して演算部13の記憶部に格納されている各PD発生想定箇所の帯域間強度相関特性とを比較して(ステップS12)、最も近似(相関性が高い)のデータを抽出し、その場所付近を異常発生箇所と特定(同定)するとともに表示装置14に表示する。近似のデータが無い場合は、予め想定した箇所以外での異常発生として異常発生のみを表示、さらに異常箇所不明表示を行う(ステップS13〜S16)。
また、ステップS13〜S16の異常発生箇所処理中も比較器103では規定値以上の信号検出を継続し、信号が継続して検出されている場合は、“放電検出中”を表示するとともに、計測インターバルの2分間隔で10秒間のデジタル値を収集してRAM106への格納を繰り返す。データ収集・格納の10秒間と計測インターバルの2分は任意に設定できる。RAM106への格納はF1帯域とF2帯域を同一データとして格納する。“放電検出中”の表示は1秒間に10個未満となると消え、2分間隔のデータ収集・格納も停止するが、比較器103では規定値以上の信号検出を連続して監視する(ステップS17〜S19)。上記の計測制御はCPU23で行われる。
更に、部分放電検出手段17の出力はマルチバンド部分放電計測手段11に伝送され、その出力は演算部13に伝送されて、計測結果は表示装置14で表示される。
なお、演算部13におけるステップS9〜S11が帯域間強度相関演算手段を構成し、ステップS12〜S16が信号解析手段を構成する。
また、上記実施の形態では車両の運転中に常時監視することで説明したが、異常による部分放電発生は車両推進制御装置の運転電圧が最も高い時に生じ易い。したがって、運転電圧が最も高い運転に特化して監視することも有効である。一般的に運転電圧が高いのは制動時の電力回生時の場合が多い。従って例えば判定部19の演算部13に制御信号ケーブル18の車両の運転状態を示す制御信号を入力し、運転状態に従ってマルチバンド部分放電計測手段11等を動作させて異常監視を行うようにしてもよい。
以上のようにこの発明によれば、絶縁破壊の前駆現象である部分放電の検知により異常を検出するので、絶縁破壊前に異常を検出できる効果がある。また、従来の異常検出装置に比較して早期に異常を検知できるという効果がある。
また、部分放電計測にマルチバンドマイクロストリップアンテナを用いて、反射や擾乱を繰り返す金属閉鎖空間内で、同一パルスの2帯域信号強度を精度よく計測できるので、発生箇所が異なる部分放電信号を識別できる効果がある。
また、マルチバンド部分放電計測手段で計測した電磁波減衰特性の帯域間強度相関と、予め求めた電磁波減衰特性の帯域間強度相関データベースとを比較して、部分放電発生箇所を同定することができるという効果がある。
更に、部分放電発生箇所を同定することにより、絶縁破壊前の車両が運行停止している期間に部分放電発生箇所の部品交換を行うなど、運転中の絶縁事故を未然に回避することができるという大きな効果がある。
更に、部分放電は車両推進制御装置の運転電圧により発生するので、車両の運転中に異常を常時監視することができるという効果がある。
また、部分放電計測にマルチバンドマイクロストリップアンテナを用いて、反射や擾乱を繰り返す金属閉鎖空間内で、同一パルスの2帯域信号強度を精度よく計測できるので、発生箇所が異なる部分放電信号を識別できる効果がある。
また、マルチバンド部分放電計測手段で計測した電磁波減衰特性の帯域間強度相関と、予め求めた電磁波減衰特性の帯域間強度相関データベースとを比較して、部分放電発生箇所を同定することができるという効果がある。
更に、部分放電発生箇所を同定することにより、絶縁破壊前の車両が運行停止している期間に部分放電発生箇所の部品交換を行うなど、運転中の絶縁事故を未然に回避することができるという大きな効果がある。
更に、部分放電は車両推進制御装置の運転電圧により発生するので、車両の運転中に異常を常時監視することができるという効果がある。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2による車両推進制御装置の異常監視装置の構成は、上記実施の形態のものと基本的に同じである。以下に金属閉鎖空間内で発生する部分放電の検出をより高感度とするために好適な実施の形態を説明する。第1の周波数帯域F1と第2の周波数帯域F2の選定方法として金属筐体内の隔壁15で仕切られた空間の空洞共振周波数を選定する。
この発明の実施の形態2による車両推進制御装置の異常監視装置の構成は、上記実施の形態のものと基本的に同じである。以下に金属閉鎖空間内で発生する部分放電の検出をより高感度とするために好適な実施の形態を説明する。第1の周波数帯域F1と第2の周波数帯域F2の選定方法として金属筐体内の隔壁15で仕切られた空間の空洞共振周波数を選定する。
隔壁15で仕切られた金属閉鎖空間(図12の80参照)で部分放電が発生すると、部分放電発生に伴って放射される電磁波は金属閉鎖空間内で空洞共振を生じる。この空洞共振による電磁波が金属筐体に当たる時、表面電流が増幅される。この表面電流が増加する場所に開口部(図6の150参照)があると、開口部では通常より強い電磁波漏洩(放射)が起こる。この空洞共振周波数を検出帯域とすることで微弱な電磁波を計測することができる。これらの共振周波数は、開口部の寸法によってではなく金属閉鎖空間内の寸法によって決定される。
図12は金属閉鎖空間内の反射によって引き起こされる空洞共振と定在波を示した図である。金属閉鎖空間では、その境界全てで低いインピーダンスを持つので、下記(1)式で与えられる周波数における空洞共振を生じる。
f=150√{(l/L)2+(m/W)2+(n/H)2}[MHz] (1)
ここで、l,m,nは3つの軸の任意のものに沿った平行する金属面の間に入る半波長の個数を示す整数(l,m,nは1以上の整数)であり、L,W,Hは金属閉鎖空間の3面の長さ(L)、幅(W)、高さ(H)(単位:メートル)である。3面の長さ、幅、高さの寸法がミリメートルで与えられる場合は周波数単位はGHzとなる。
図12は、隔壁で仕切られた金属閉鎖空間80内における上記(1)式の2つの解を示しており、ひとつの解81は(1,0,0)モードであるl=1,m=0,n=0であり、もうひとつの解82は(3,0,0)モードとして知られるl=3,m=0,n=0のフィールド分布である。この空洞共振81、82は共振周波数における電界分布の低在波パターンを示す。共振モードはl,m,nに入る整数により複雑なモードも考えられるが、我々が把握している部分放電検出においては、図12に示す側面間(図面の左右方向)の(x,0,0)、前面と後面(図面に垂直な方向)の(0,x,0)、上面と下面(図面の上下方向)の(0,0,x)などの単純な共振モードで、x=1、3、5等の比較的信号強度が大きい共振モードで検出の効果を発揮する。
金属閉鎖空間内の空洞共振周波数は、隔壁を介して透過する電磁波がマルチバンドマイクロストリップアンテナ(6)に伝搬する時の減衰が小さくなる特徴がある。
これらの、第1の周波数帯域F1と第2の周波数帯域F2を空洞共振の数で選定する。例えば側面間での半波長の数が1の空洞共振周波数を第1の周波数帯域F1とし、半波長の数が3の空洞共振周波数を第2の周波数帯域F2とする。あるいは前面〜後面間の半波長の数が1の空洞共振周波数を第1の周波数帯域F1とし、半波長の数が3の空洞共振周波数を第2の周波数帯域F2とする。このどちらを選定するかは空洞共振周波数(空洞共振に寄与する金属空間内寸法)と関係し、模擬放電源を用いて任意各位置での減衰特性を予め収集する時に、閉鎖空間寸法および計測した周波数スペクトルから決定する。
この周波数の決定に際しては、第1の周波数帯域F1の周波数が200MHz以上、第2の周波数帯域F2の周波数が2500MHz以下となる範囲で選定する。これは、車両推進制御装置のインバータノイズは概ね100MHz以下であり、外部から進入するコモンノイズは概ね200MHz以下のためである。外部の通信波などのノイズは金属筐体により遮蔽される。また、2500MHz以上の高周波域では部分放電発生に伴う電磁波強度が小さくなるために部分放電検出には適さない。
上記(1)式により、上面と下面間の(0,0,x)モードでの空洞共振周波数の計算結果を下記表1に示す。上面〜下面間距離と空洞共振モードにより、200〜3000MHz間に多くの共振周波数が存在する。これらの共振周波数から第1の周波数帯域F1と第2の周波数帯域F2を選定することで検出感度を向上させることができる。
具体的なl,m,n値は、放電発生する可能性のある箇所で予め模擬放電を計測してデータベース化する時に、演算した空洞共振周波数と計測した周波数スペクトルとを勘案して決定する。演算した空洞共振周波数のみで決定しないのは下記の理由による。
金属閉鎖空間内に金属構造の部品やプリント基板、ケーブル、平角導体、インバータモジュールなどを配置すると共振周波数に影響し、上記(1)式で与えられる共振周波数より数%程度低くなる。低くなる値は中心周波数に対して3〜6%程度であり、配置される構造部品の形状および放電発生位置によって異なることを把握している。また、追加された金属構造によっては新たな共振周波数が加わる場合もある。
このようにして検出周波数帯域を選定し、第1の共振周波数(F1)の信号強度と第2の共振周波数(F2)の信号強度を比較することで、隔壁内で発生する広範囲の部分放電の位置検出ができる。発生箇所の同定の方法は実施の形態1と同じである。
以上のようにこの発明によれば、第1の周波数帯域と第2の周波数帯域の検出帯域を空洞共振の整数倍とすることで、微弱な部分放電を検出することができる効果がある。尚且つ、広範囲の部分放電を高感度で検出できる効果がある。
また、空洞共振周波数を検出周波数とすることで、ノイズを排除して金属閉鎖空間内で発生する部分放電を選択的に検出することができる効果がある。
また、空洞共振周波数を検出周波数とすることで、ノイズを排除して金属閉鎖空間内で発生する部分放電を選択的に検出することができる効果がある。
実施の形態3.
更に、金属閉鎖空間内での部分放電発生箇所の同定をより高感度とするために好適な実施の形態を説明する。図13はこの発明の実施の形態3における異常監視装置と車両推進制御装置の構成を示す図、図14はこの実施の形態3に関する金属筐体内に2個のマルチバンドマイクロストリップアンテナを設けた部分放電信号計測を説明するための図である。この実施の形態では図13、図14に示すように部分放電検出のためのマルチバンドマイクロストリップアンテナを金属筐体16内に複数個設け、複数個のマルチバンドマイクロストリップアンテナ6a,6cを(x,0,0)モードで第1の周波数帯域F1と第2の周波数帯域F2を最適な空洞共振周波数に選定する。複数個設けることで、例えば部分放電発生点A31で部分放電が発生した時に、その帯域間強度相関はマルチバンドマイクロストリップアンテナ6aとマルチバンドマイクロストリップアンテナ6cで特性を得るので、1箇所の放電発生点から4つの帯域間強度相関を得て発生位置同定を行う。
更に、金属閉鎖空間内での部分放電発生箇所の同定をより高感度とするために好適な実施の形態を説明する。図13はこの発明の実施の形態3における異常監視装置と車両推進制御装置の構成を示す図、図14はこの実施の形態3に関する金属筐体内に2個のマルチバンドマイクロストリップアンテナを設けた部分放電信号計測を説明するための図である。この実施の形態では図13、図14に示すように部分放電検出のためのマルチバンドマイクロストリップアンテナを金属筐体16内に複数個設け、複数個のマルチバンドマイクロストリップアンテナ6a,6cを(x,0,0)モードで第1の周波数帯域F1と第2の周波数帯域F2を最適な空洞共振周波数に選定する。複数個設けることで、例えば部分放電発生点A31で部分放電が発生した時に、その帯域間強度相関はマルチバンドマイクロストリップアンテナ6aとマルチバンドマイクロストリップアンテナ6cで特性を得るので、1箇所の放電発生点から4つの帯域間強度相関を得て発生位置同定を行う。
図15に示すように、予想される各放電発生点(PD発生点(F)48、(B)32、(D)46、(E)47、(C)45、(A)31)からの帯域間強度相関を、マルチバンドマイクロストリップアンテナ6aとマルチバンドマイクロストリップアンテナ6cで予め計測してデータベース化しておくことで、実際に放電が発生した時の部分放電発生箇所の同定の精度が格段に上昇する。
従来の技術思想では、隔壁で仕切られた各閉鎖空間内にアンテナを設置して、どの隔壁内で部分放電が発生するかを検出するのが一般的である。この方法では、どの隔壁内であるかは同定できるが、隔壁内のどの箇所であるかは特定できない。
更に、複数のマルチバンドマイクロストリップアンテナの使用において、マルチバンドマイクロストリップアンテナごとに第1の周波数帯域F1と第2の周波数帯域F2の空洞共振モードを変えて計測することができる。例えば、マルチバンドマイクロストリップアンテナ6aは側面間の(x,0,0)モードを採用して、第1の周波数帯域を(1,0,0)モードで、第2の周波数帯域を(3,0,0)モードの空洞共振周波数として計測する。マルチバンドマイクロストリップアンテナ6cは前面と後面の(0,x,0)モードを採用して、第1の周波数帯域を(0,1,0)モードで、第2の周波数帯域を(0,3,0)モードの空洞共振周波数として計測するなどである。
このような組み合わせは数多く存在するが、予め行なうデータベース収集時に最も感度が良い組み合わせを選定することで高感度計測を行うことができる。また、運転中の実放電発生時にデータベースとの帯域間相関比較においては比較数が多くなるが、比較を行なう演算部13は計算機で構成しているので問題なく高速処理することができる。
以上のように構成することで、分放電発生箇所の同定の精度が格段に向上する効果がある。
なお、上記各実施の形態ではマルチバンドマイクロストリップアンテナ(部分放電検出手段)を2つの異なる周波数帯域(第1と第2)の電磁波を検出する構造のものとしているが、3つ以上の周波数帯域の電磁波を検出する構造のものとし、データベースに3つ以上の周波数帯域の帯域間強度相関を格納し、マルチバンド部分放電計測手段で3つ以上の周波数帯域の信号強度を計測し、演算部で、3つ以上の周波数帯域の信号強度の帯域間強度相関を求め(帯域間強度相関演算手段)、求めた帯域間強度相関とデータベースの帯域間強度相関とを比較して放電発生箇所を同定する(帯域間強度相関演算手段)、ようにしてもよい。
また、上記実施の形態では2つのマルチバンドマイクロストリップアンテナ(部分放電検出手段)とそれぞれのマルチバンド部分放電計測手段を設けているが、それぞれ3つ以上設けて、またデータベースに対応する帯域間強度相関を格納し、演算部で求めた帯域間強度相関とデータベースの帯域間強度相関とを比較して放電発生箇所を同定するようにしてもよい。
すなわち、回路構成部品で発生する部分放電に伴う電磁波を閉鎖空間内のそれぞれ異なる位置に設けたマルチバンドマイクロストリップアンテナ6でそれぞれ複数の所定の周波数帯域で検出する少なくとも1つの部分放電検出手段を設ける。各部分放電検出手段毎に、複数の所定の周波数帯域のそれぞれの信号強度を計測するマルチバンド部分放電計測手段11を設ける。データベースには、各マルチバンドマイクロストリップアンテナ毎の、回路構成部品の複数の所定箇所での部分放電の該マルチバンドマイクロストリップアンテナの位置での複数の所定の周波数帯域の信号強度の帯域間強度相関を予め求めて格納しておく。そして演算部13では、マルチバンド部分放電計測手段11毎に、複数の所定の周波数帯域の信号強度の帯域間強度相関を求め(帯域間強度相関演算手段)、求めたそれぞれの帯域間強度相関とデータベースのそれぞれの帯域間強度相関とを比較して、放電発生箇所を同定する(信号解析手段)。
部分放電に伴う電磁波を検出するマルチバンドマイクロストリップアンテナ6とマルチバンド部分放電計測手段11の数およびマルチバンドマイクロストリップアンテナ6で検出する電磁波の検出周波数帯域の数は、異常監視装置のサイズおよび複雑さとのトレードオフになるが、マルチバンドマイクロストリップアンテナ6とマルチバンド部分放電計測手段11を増やす、またはマルチバンドマイクロストリップアンテナ6における検出周波数帯域を増やしても著しく装置がサイズアップすることや著しく装置が複雑化することはない。
なお、従来技術に関してさらに、金属閉鎖空間内で高電圧電界を乱さない部分放電検出器の設置方法として特許文献3が示されている。特許文献3には、金属製タンクに予め設けられたハンドホールに、金属製タンクの内周面よりも高電圧中心胴体側に突出しないように部分放電検出器を配置した高電圧電力機器の異常監視システムが示されている。また特許文献3には、ガス絶縁変電所のような大規模なガス絶縁機器内の伝搬距離によるスペクトル成分の変化への対応が示されている。
ガス絶縁変電所のように大規模なガス絶縁機器では、内部放電発生位置と部分放電検出器との距離が長くなる。部分放電パルスがガス絶縁機器内を伝播してくる間に、高電圧の中心導体自身の抵抗とインダクタンス、及び、高電圧の中心導体とシース間の静電容量、シース自身の抵抗とインダクタンスにより、部分放電パルスが変歪され、部分放電検出器で検出された時には、伝搬距離によってスペクトル成分に変化が生じる。この対策のために500〜1500MHz帯の少なくとも2つ以上の特定の周波数帯F1,F2,F3に注目し、予め、ガス絶縁機器のいくつかの部位において故意に模擬内部放電を発生させ、その時のF1,F2,F3の強度の絶対値,相対強度F1/F2,F2/F3,F3/F1を測定し、標準パターンとして故障モードデータベースに格納しておく。たとえば断路部の異常、遮断器の異常、避雷器の異常という具合に対応づけておく。そしてスペクトル成分詳細分析部において、F1,F2,F3のスペクトル強度を抽出しその絶対値および相対強度F1/F2,F2/F3,F3/F1を求め、故障モードデータベースに格納されている標準パターンと比較することにより、最も類似度の高い標準パターンを選択し、その標準パターンが得られた模擬内部放電発生点付近を内部放電発生箇所と判定している。
また、現在使用されているマルチバンドマイクロストリップアンテナとして下記特許文献4,5,6がある。これらは自動車などの移動体通信での送信と受信を小型のアンテナ行なうことを目的に開発が進められたものが多い。例えば、GPS用と交通システム用とを2帯域で送受信しているもの(特許文献4,6)等が代表的であり、他には、静止衛星を中継として、地上の基地局と移動局との間の無線通信などがある(特許文献5)。
但し、この発明のように物理現象の電磁波を2帯域で受信検出しているものは見当たらない。
但し、この発明のように物理現象の電磁波を2帯域で受信検出しているものは見当たらない。
また、2帯域強度相関から部分放電源を特定する技術は下記特許文献7で示されているが、特許文献7では、放電スペクトルの統計的なばらつきは、GIS中での放電か外部気中放電か、針状金属異物であるかスペーサー中のボイドであるか、などの放電源の形態に依存して、そのバラつき方に統計的な特徴をもつ。と示されている。
また、下記特許文献8には金属型閉鎖配電盤の絶縁監視装置が示されており、バンドパスフィルタの通過帯域として、筐体の共振周波数を選択することが示されている。
一般に、車両推進制御装置は電車車両の床下部に懸垂した形で設置される。車両の床下部は限られた空間であるため、可能な限り小型に設計され、冷却を考慮した金属筐体の中に構成部品が高密度実装される。一方で、最近の電車は高速運転化と省エネ運転が追及され、車両推進制御装置はVVVFインバータ装置化が進み、運転電圧も高電圧化してきている。この結果、車両推進制御装置は小型の金属筐体で囲まれた閉鎖空間内への、高電圧回路部品の高密度実装が設計の基本となる。また、車両推進制御装置は開口部を持つ隔壁により仕切られた複数の空間内に高電圧回路構成部品が配置され、隔壁間を高電圧配線路で連結する構成となる。
上記のように構成された車両推進制御装置は、高速運転と停止による機械的振動や運転に伴う熱ストレス、環境要因による汚損・吸湿などにより、構成部品の劣化が進行して絶縁破壊を招く(現象へと進展する)場合がある。車両推進制御装置の絶縁破壊事故は、当該列車の運休による損失のみならず、後続車両の運休等による社会的影響が非常に大きい。
これらを解決するために提案されている異常検出方法の中で、前述した中性点電圧や中性点電流を計測して異常を検知する特許文献1の方法では、異常が生じた後の検知であり、異常前駆現象を検出できない。つまり、絶縁破壊事故を予知して事故を回避することができないという大きな問題がある。
異常を検出する方法として部分放電を検出して異常個所を同定することが有効と考えられるが、車両推進制御装置では有効な方法の提案は見当たらない。そこで、特許文献に示されている部分放電検出方法や部分放電を検出して位置を特定する方法の中で、車両推進装置への適用を考える場合に、下記のような問題がある。
部分放電検出にパッチアンテナを使用する方法として示されている特許文献2の構成のパッチアンテナは1帯域の受信アンテナなので、部分放電発生箇所を同定できないという問題がある。また、特許文献2に示された構成で検出帯域の異なるパッチアンテナを2個用いて2帯域受信することはできるが、車両推進制御装置では限られた金属容器内に絶縁距離を考慮して高電圧機器が高密度配置されているため、一定面積を必用とするパッチアンテナを2個隣接配置して部分放電電磁波を検出しても、それぞれのパッチアンテナの受信電界が異なり、部分放電発生箇所を同定できないという問題がある。
その理由は次の通りである。金属筐体で囲まれた閉鎖空間内で開口部を持つ隔壁により仕切られた複数の空間内に回路構成部品が配置された車両推進装置内での電磁波伝搬は、広域空間での点放電源からの放射伝搬特性と異なり、金属筐体や隔壁に反射と擾乱を繰返しながら伝搬するので、受信位置が少しでも異なると受信電界に差異が生じるため、同一放電源からの電磁波伝搬を隣り合う位置で検出しても同じ特性が得られないためである。
また、広い周波数範囲の受信特性がフラットな利得を持つ広帯域アンテナを用いて2帯域を狭帯域検出することも可能であるが、このようなアンテナはダブルリジッドガイドアンテナ(ホーンアンテナ)やログペリオディックアンテナに代表されるように形状が三次元に大きいため、絶縁距離を考慮して高電圧機器が高密度配置となっている車両推進制御装置内に設置する場合には、アンテナ高電圧機器に近接して絶縁破壊事故の原因となるなどの理由から設置できないという問題がある。また、新装置設計段階から導入しようとしても絶縁距離が必要となるので小型化できないという問題がある。このように、車両推進制御装置では信頼性の面から、異常検出装置の設置によって狭い金属閉鎖空間内の高電圧の電界を乱さないことが解決しなければならない非常に重要な課題となる。
高電圧の電界を乱さない部分放電検出方法として、特許文献3にハンドホールを設けた金属閉鎖空間内の部分放電検出器方法が示されているが、車両推進装置にはハンドホールは設けられていないため金属筐体を改造する必要があること、およびハンドホールを設けて高電圧側に突出しないように検出アンテナを設置するにはハンドホールが金属筐体の外側に大きく突出することとなり、電車床下の限られた空間に懸垂設置する車両推進制御装置には適用できない問題がある。
また、特許文献3に示された伝搬距離によるスペクトル成分の変化を利用した部分放電発生箇所の特定を適用しようとした場合には、特許文献3には放電発生位置から検出器までの具体的な信号伝搬距離(m)は記載されていないが、特許文献3で対象としている放電発生箇所判定は特許文献3の図から推定すると、近くは1〜2m、遠くは7〜8mまでの広範囲の伝播と考えられる。また、ガス絶縁機器の形状は、高電圧側である金属円筒導体と接地側である円筒形金属容器が同軸円筒形で構成されており、信号伝搬が容易な構造として知られている。
しかし、3m×2m×1m程度の箱型金属筐体内で、更に金属隔壁で仕切られた小空間内に高電圧回路部品が高密度実装された車両推進制御装置内の信号伝搬とは異なるので、特許文献3に示された高電圧の中心導体の抵抗とインダクタンス、及び、高電圧の中心導体とシース間の静電容量、シース自身の抵抗とインダクタンスによる部分放電パルスの変歪などの検討では解決できないという問題がある。
また、特許文献4、5、6に示されたマルチバンドマイクロストリップアンテナは、自動車などの移動体通信での送信と受信を小型のアンテナ行なうことを目的に開発が進められたものや、静止衛星を中継として地上の基地局と移動局との間の無線通信を行なうものであり、部分放電発生という物理現象に伴う微弱電磁波を2帯域で受信検出して物理現象の発生を検知するには感度が悪いという問題がある。
また、特許文献4〜6では一定強度の通信電磁波を送受信しているのに対し、本願では2帯域とも受信として使用し、尚且つ部分放電発生に伴う微弱電磁波を検出することに主眼を置いて設計緒元を決定する必要がある点で上記特許文献4〜6等とはアンテナ設計の技術思想が異なり、マルチバンドマイクロストリップアンテナであれば容易に転用できるというものでは無いという問題がある。
また、特許文献7に部分放電の放電源を特定する方法が示されているが、本願が計測対象としている部分放電は、車両推進制御装置の異常に伴って発生する部分放電であり固体絶縁物の表面放電や固体絶縁物内部のボイドやクラックの生成に伴う放電である。これらの部分放電は、特許文献7の分類では同一種の放電であり、部分放電パルスの周波数スペクトルに大きな違いがないため、特許文献7の方法では発生箇所が同定できないという問題がある。
更に、特許文献8で示されるバンドパスフィルタの通過帯域として、筐体の共振周波数を選択しても、1帯域を検出する技術では検出アンテナの近くの強度が弱い放電であるのか、検出アンテナの遠くで発生した強度が大きい放電が減衰により小さく検出されているものであるかの判別ができないため、放電発生箇所の特定ができないという問題がある。
この発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、これらの実施の形態の可能な組み合わせを全て含むことは云うまでもない。
1 電車車両、2 車両推進制御装置、3 インバータ駆動モータ、4 制御回路、5 インバータ回路、6,6a,6b マルチバンドマイクロストリップアンテナ、7 高圧母線、8 高電圧配線路、9 高圧ケーブル、10 高周波同軸ケーブル、11 マルチバンド部分放電計測手段、12 LANケーブル、13 演算部、14 表示装置、15 隔壁、16 金属筐体、17 部分放電検出手段、18 制御信号ケーブル、19 判定部、20 異常監視装置、21 F1帯域部分放電検出回路、22 F2帯域部分放電検出回路、23 CPU、24 誘電体基板、25 受信電極、26 接地電極、27 給電点、28 ノッチ、80 金属閉鎖空間、101a,101b バンドパスフィルタ、102a,101b 増幅器、103a,103b 比較器、104a,104b カウンタ、105a,105b 変換器、106a,106b RAM、150 開口部。
Claims (5)
- 金属筐体で囲まれた閉鎖空間内の開口部を有する隔壁で仕切られた複数の空間内に回路構成部品が配置された車両推進制御装置において、
前記回路構成部品で発生する部分放電に伴う電磁波を前記閉鎖空間内のそれぞれ異なる位置に設けたマルチバンドマイクロストリップアンテナでそれぞれ複数の所定の周波数帯域で検出する少なくとも1つの部分放電検出手段と、
前記各部分放電検出手段毎に設けられ、前記複数の所定の周波数帯域のそれぞれの信号強度を計測するマルチバンド部分放電計測手段と、
前記マルチバンド部分放電計測手段毎に、前記複数の所定の周波数帯域の信号強度の帯域間強度相関を求める帯域間強度相関演算手段と、
予め求めた、前記各マルチバンドマイクロストリップアンテナ毎の、前記回路構成部品の複数の所定箇所での部分放電の該マルチバンドマイクロストリップアンテナの位置での前記複数の所定の周波数帯域の信号強度の帯域間強度相関を格納したデータベースと、
前記帯域間強度相関演算手段で求めたそれぞれの帯域間強度相関と前記データベースのそれぞれの帯域間強度相関とを比較して、放電発生箇所を同定する信号解析手段と、
を備えたことを特徴とする車両推進制御装置の異常監視装置。 - 前記複数の所定の周波数帯域がそれぞれ、隔壁で仕切られた金属の閉鎖空間内の空洞共振周波数の整数倍の周波数であることを特徴とする請求項1に記載の車両推進制御装置の異常監視装置。
- 前記複数の所定の周波数帯域を前記第1の周波数帯域と前記第2の周波数帯域とし、前記部分放電検出手段とマルチバンド部分放電計測手段を1組設け、
前記帯域間強度相関演算手段が、前記マルチバンド部分放電計測手段の前記第1の周波数帯域での信号強度と前記第2の周波数帯域での信号強度の帯域間強度相関を求め、
前記データベースが、前記回路構成部品の複数の所定箇所での部分放電の前記部分放電検出手段のマルチバンドマイクロストリップアンテナの位置での前記第1の周波数帯域での信号強度と前記第2の周波数帯域での信号強度の帯域間強度相関を格納し、
前記信号解析手段が、前記帯域間強度相関演算手段で求めた帯域間強度相関と前記データベースの帯域間強度相関とを比較して、放電発生箇所を同定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両推進制御装置の異常監視装置。 - 前記複数の所定の周波数帯域を前記第1の周波数帯域と前記第2の周波数帯域とし、前記部分放電検出手段とマルチバンド部分放電計測手段を2組設け、
前記帯域間強度相関演算手段が、前記各マルチバンド部分放電計測手段の前記第1の周波数帯域での信号強度と前記第2の周波数帯域での信号強度の帯域間強度相関を求め、
前記データベースが、前記各マルチバンドマイクロストリップアンテナ毎の、前記回路構成部品の複数の所定箇所での部分放電の該マルチバンドマイクロストリップアンテナの位置での前記第1の周波数帯域での信号強度と前記第2の周波数帯域での信号強度の帯域間強度相関を格納し、
前記信号解析手段が、前記帯域間強度相関演算手段で求めたそれぞれの帯域間強度相関と前記データベースのそれぞれの帯域間強度相関とを比較して、放電発生箇所を同定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両推進制御装置の異常監視装置。 - 金属筐体で囲まれた閉鎖空間内の開口部を有する隔壁で仕切られた複数の空間内に回路構成部品が配置された車両推進制御装置の異常監視方法であって、
前記回路構成部品で発生する部分放電に伴う電磁波を前記閉鎖空間内のそれぞれ異なる位置に設けた少なくとも1つのマルチバンドマイクロストリップアンテナでそれぞれ複数の所定の周波数帯域で検出するステップと、
前記各マルチバンドマイクロストリップアンテナでの前記複数の所定の周波数帯域のそれぞれの信号強度を計測するステップと、
前記マルチバンドマイクロストリップアンテナ毎に、前記複数の所定の周波数帯域の信号強度の帯域間強度相関を求めるステップと、
前記各マルチバンドマイクロストリップアンテナ毎の、前記回路構成部品の複数の所定箇所での部分放電の該マルチバンドマイクロストリップアンテナの位置での前記複数の所定の周波数帯域の信号強度の帯域間強度相関を、予め格納したデータベース設け、計測値に基づくそれぞれの前記帯域間強度相関と前記データベースのそれぞれの帯域間強度相関とを比較して、放電発生箇所を同定するステップと、
を備えたことを特徴とする車両推進制御装置の異常監視方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104198899A (zh) * | 2014-08-04 | 2014-12-10 | 西安交通大学 | 一种多放电源情况下变压器局部放电类型识别方法 |
JP2019211447A (ja) * | 2018-06-08 | 2019-12-12 | 株式会社東芝 | 部分放電検出装置、部分放電検出方法、部分放電検出システム及びコンピュータプログラム |
JP2020047476A (ja) * | 2018-09-19 | 2020-03-26 | 株式会社日立ハイテクノロジーズ | 荷電粒子ビームシステム |
JP2021096153A (ja) * | 2019-12-17 | 2021-06-24 | 本田技研工業株式会社 | 伝送路異常検知システム、および伝送路異常検知装置 |
KR102424781B1 (ko) * | 2022-04-18 | 2022-07-22 | 한양대학교 산학협력단 | 부분 방전 검출 센서 |
-
2012
- 2012-04-03 JP JP2012084480A patent/JP2013213751A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104198899A (zh) * | 2014-08-04 | 2014-12-10 | 西安交通大学 | 一种多放电源情况下变压器局部放电类型识别方法 |
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JP7170430B2 (ja) | 2018-06-08 | 2022-11-14 | 株式会社東芝 | 部分放電検出装置、部分放電検出方法、部分放電検出システム及びコンピュータプログラム |
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