JP2013213462A - リリーフバルブ - Google Patents

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Abstract

【課題】車両用エンジン等のオイルポンプにおいて、その吐出圧をエンジンの回転数領域に応じて適切に制御・切り替えを行うためのリリーフバルブを提供すること。
【解決手段】弁頭部62側を開口とした弁内流路63が形成された弁体6と、弁体を収めた弁体通路31が形成された弁ハウジング3と、弁体通路の軸方向一端側に形成されると共に弁体通路と連通するリリーフ流入部2と、弁体通路に形成されると共に弁体の移動により弁内流路と連通する第1排出部4と,弁頭部が通過することによって開口される第2排出部5とからなること。第2排出部は第1排出部よりもリリーフ流入部側寄りに位置し、第1排出部は2個の流路からなる第1排出流路41を有すること。その一方は油温を検知して流路を開閉するサーモエレメント42が具備され、他方は開閉制御手段が具備されない構成とすること。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用エンジン等のオイルポンプにおいて、その吐出圧をエンジンの回転数領域に応じて適切に制御・切り替えを行うためのリリーフバルブに関する。
車両に対する省燃費化、高効率化の要請は年々高まっており、車両用エンジン等のオイルポンプにおいてもフリクション(駆動トルク)低下や高効率化に向けた取り組みが行われている。その中で吐出圧を低下させることで無駄仕事を低減し、オイルポンプの高効率化を図る試みも多く行われている。いわゆる2段リリーフバルブを開示した文献として特許文献1(特開平5−26024号公報)が挙げられる。
特許文献1の構成の概略を説明する。なお、以下の説明において、部材に付された符号は、特許文献1に記載されたものをそのまま使用する。まず、リリーフ通路42、リリーフ通路43と、リリーフ通路が上下方向に2箇所形成されることによって、油圧が、第1リリーフ圧P1、第2リリーフ圧P2というように階段状に調整されている。
特許文献1の図8には別の実施例が開示されている。この実施例では、リリーフ通路43の下流には制御弁52が設けられ、この制御弁52の開度をコントローラ53によって制御し、リリーフ通路43からリリーフされるオイルのリリーフ圧を調整している。油圧は、エンジン回転数NE及び油温Tに基づき制御弁52の開度を調整している。具体的には、エンジン回転数NEが所定値NE1以下の低中回転時において、制御弁52の開度を絞り、エンジン回転数NEが所定値NE1よりも高い高回転域では制御弁52を閉じさせる制御となっている。また、油温Tについては、具体化されていない。
特開平5−26024号公報
特許文献1には、以下のような課題がある。コントローラ53は、ソレノイドバルブ等の電子制御にて制御を行っているため、駆動電流により燃費がロスするおそれがある。また、万が一電機制御系統が故障してコントローラ53が動作しない場合、リリーフ通路43が閉まったままの状態になる恐れがある。その場合、リリーフ通路42のみが開口するため、以前より使われている通常のリリーフバルブとなんら変わりないものとなり、2段リリーフバルブとしての機能が失われてしまう。したがって、燃費改善効果は無くなってしまうという課題があった。
そこで、本発明の目的(解決しようとする技術的課題)は、車両用エンジン等のオイルポンプにおいて、油温の変化に対応して、エンジンの低・中・高の各回転領域でオイルの吐出圧及び流量をそれぞれ最適な状態に適切に制御・切り替えが正確且つ確実にできるようにすることにある。
そこで、発明者は上記課題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、弁頭部側を開口とした弁内流路が形成された弁体と、該弁体を収めた弁体通路が形成された弁ハウジングと、前記弁体通路の軸方向一端側に形成されると共に該弁体通路と連通するリリーフ流入部と、前記弁体通路に形成されると共に前記弁体の移動により前記弁内流路と連通する第1排出部と,前記弁頭部が通過することによって開口される第2排出部とからなり、該第2排出部は前記第1排出部よりも前記リリーフ流入部側寄りに位置し、前記第1排出部は2個の流路からなる第1排出流路を有し、その一方は油温を検知して流路を開閉するサーモエレメントが具備され、他方は開閉制御手段が具備されない構成としてなるリリーフバルブとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項2の発明を、請求項1において、前記第1排出部は、弁体通路内に1個の排出開口が設けられると共に前記第1排出流路は前記排出開口から下流側に二股の分岐部が形成され、該分岐部から一方側の流路は油温を検知して開閉動作を行うサーモエレメントが具備された開閉制御流路とし、他方側の流路は開閉制御手段が具備されない自由流路としてなるリリーフバルブとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項3の発明を、請求項1において、前記第1排出部は、弁体通路内に2個の排出開口が設けられると共に前記第1排出流路はそれぞれの排出開口から下流側に設けられ、その一方の流路は油温を検知して開閉動作を行うサーモエレメントが具備された開閉制御流路とし、他方の流路は開閉制御手段が具備されない自由流路としてなるリリーフバルブとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項4の発明を、請求項2又は3において、前記開閉制御流路の断面積は、前記自由流路の断面積よりも大なるリリーフバルブとしたことにより、上記課題を解決した。請求項5の発明を、請求項2又は3において、前記自由流路の断面積は、前記開閉制御流路の断面積よりも大なるリリーフバルブとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項1の発明では、サーモエレメントは、ソレノイドバルブ等の電子制御では無く、オイルの温度変化による変形、膨張収縮を利用した開閉弁となっている。よって、駆動電流等のエネルギーを浪費すること無く制御が可能であるため、燃費向上が図れる。また、第1排出部の第1排出流路は2個の流路からなり、他方の流路のみにサーモエレメントが配置されたことから、万が一、サーモエレメントが動作せず閉弁された状態になった場合でも、第1排出流路の一方の流路は常に開口されているため、2段リリーフバルブとしての機能を保つことができ、燃費改善効果を保つことが可能となる。また、制御により第2排出部が開弁する回転数をより高回転側に移動させることができるので、油圧が低い回転数領域が広くなり、燃費向上効果を増すことができる。
請求項2の発明では、第1排出流路は前記排出開口から下流側に二股の分岐部が形成され、該分岐部から一方側の流路は油温を検知して開閉動作を行うサーモエレメントが具備された開閉制御流路とし、他方側の流路は開閉制御手段が具備されない自由流路としたので、第1排出部を構成する第1排出流路はコンパクトに構成でき、省スペース化を実現できる。
請求項3の発明では、弁体通路内に2個の排出開口が設けられると共に前記第1排出流路はそれぞれの排出開口から下流側に設けられ、その一方の流路は油温を検知して開閉動作を行うサーモエレメントが具備された開閉制御流路とし、他方の流路は開閉制御手段が具備されない自由流路としたことにより、2本の流路は完全に分かれているため正確に制御できる。
請求項4の発明では、開閉制御流路の断面積は、自由流路の断面積よりも大としたので、オイル排出量の制御量をより大きくできるため、本発明の効果をより増大させることができる。請求項5の発明では、自由流路の断面積は、開閉制御流路の断面積よりも大としたので、自由流路のオイル排出量をより大きくできるため、万が一、サーモエレメントが動作せず、開閉制御流路が閉弁された状態のままになった場合でも、オイル排出量は比較的多くすることができ、ある程度の燃費改善効果を維持することは可能である。
(A)は本発明のリリーフ構造を備えたポンプボディの平面図、(B)は(A)の(ア)部拡大横断平面図、(C)は(B)の(イ)部拡大図である。 (A)は本発明の要部拡大横断平面図、(B)は弁体が収納された弁ハウジングの要部拡大横断平面図、(C)は弁体の縦断側面図、(D)は(C)の(ウ)部斜視図である。 リリーフ動作における初期状態から低回転域を示す拡大横断平面図である。 (A)は低油温におけるリリーフ動作における中回転域を示す拡大横断平面図、(B)は高油温におけるリリーフ動作における中回転域を示す拡大横断平面図である。 リリーフ動作における高回転域を示す拡大横断平面図である。 (A)は別実施形態の第1排出部を具備した本発明の低油温且つ中回転域におけるリリーフ動作を示す拡大横断平面図、(B)は別実施形態の第1排出部を具備した本発明の高油温且つ中回転域におけるリリーフ動作を示す拡大横断平面図。 (A)は開閉制御流路の断面積が自由流路の断面積よりも大なるパターンの略示図、(B)は自由流路の断面積が開閉制御流路の断面積よりも大なパターンの略示図である。 本発明の特性を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。ポンプボディ1は、図示されないポンプカバーと共に構成されている。ポンプボディ1の内部にはロータ室11が形成されている(図1参照)。具体的には、前記ポンプボディ1に凹部が形成され、該ポンプボディ1にポンプカバーを固着したときにその凹部が、偏平円筒中空のロータ室11として構成されている。
該ロータ室11内に内歯を設けたアウターロータ91と外歯を設けたインナーロータ92とが互いに歯合しつつ偏心して内装されている。アウターロータ91とインナーロータ92は、図1において想像線(2点鎖線)にて開示されている。そのアウターロータ91とインナーロータ92は具体的には、インナーロータ92の歯がトロコイド曲線に従って形成されている。そして、インナーロータ92の歯がアウターロータ91の歯数よりも一枚少なく、インナーロータ92が一回転するとアウターロータ91は、一歯分遅れて回転するように構成されている。
また、インナーロータ92は、何れの回転角度であっても常にインナーロータ92の歯先がアウターロータ91の歯先又は歯底に接触し、インナーロータ92の隣接する歯先とアウターロータ91との間に複数の空隙部が形成される。そして、それぞれの空隙部が1回転中に、拡大,縮小して吸入ポート12からオイルの吸入を行い、吐出ポート13からオイルを吐出して機器へ循環させるものである。
次に、リリーフ弁装置は、図1(B)及び図2等に示すように、弁ハウジング3と弁体6とから構成される。前記弁ハウジング3は、前記ポンプボディ1内の所定位置に略円筒形状に膨出形成されたものである。前記弁ハウジング3には、弁体6が摺動する弁体通路31が形成され、その内部を弁体6が摺動する。その弁ハウジング3には、リリーフ流入部2が連通形成されている。具体的には、前記弁体通路31の軸方向一端が前記リリーフ流入部2と連通する構造である。
前記吐出ポート13には、分岐流路13aが形成され、該分岐流路13aと前記リリーフ流入部2とが連通している。そして、前記吐出ポート13内のオイルに高圧が生じたときには、分岐流路13aからリリーフ流入部2を介して前記弁体通路31内にオイルが送り込まれ、前記弁体6を軸方向に沿って押圧移動させ、リリーフ動作を行わせるものである。
前記リリーフ流入部2の内径と弁体通路31の内径は異なり、該弁体通路31とリリーフ流入部2との間には、両直径の差による段差が形成され、この段差部分が弁体通路31側における弁体6のリリーフ流入部2との連通箇所におけるリリーフ流入閉鎖面33となる〔図2(B)参照〕。
また、該リリーフ流入閉鎖面33の位置は、前記リリーフ流入部2と前記弁体通路31との境目であり、弁体通路31の始端部31aと称する。該始端部31aは、弁体通路31の基準位置とし、弁体6の弁頭部62が前記リリーフ流入閉鎖面33に当接した状態を弁体6の初期状態(又はエンジンの低回転域における初期状態)とする〔図1(B)及び図2(A)参照〕。
前記弁ハウジング3の軸方向の略中間位置には、第1排出部4及び第2排出部5が軸方向においてそれぞれ異なる位置に形成されている〔図1(B),図2(A),(B)参照〕。前記弁体通路31の略中間位置は、通路方向両端付近を除いた範囲を全て含むものとする。前記第1排出部4及び第2排出部5は、前記弁体通路31の内部と外部とを連通する部位であり、前記第2排出部5は前記第1排出部4よりも前記リリーフ流入部2側寄り、すなわち前記リリーフ流入閉鎖面33寄りに位置して形成されている。
また、第1排出部4の孔の直径は、後述する弁体6の外周側部開口63aの溝幅に等しい(略等しいも含む)。第1排出流路41は、前記弁ハウジング3の弁体通路31と外部とを連通する流路として形成されたものである。そして、前記第1排出部4は、2個の流路から構成される。2個の第1排出流路41の一方は、油温を検知して流路を開閉するサーモエレメントを具備した開閉制御流路41aであり、他方は開閉制御手段が具備されず、オイルが制限なく流れる自由流路41bである。
上記第1排出流路41の構成について、さらに具体的に説明すると、前記弁体通路31内に第1排出部4の排出開口4aが1個形成され、該排出開口4aから前記第1排出流路41が下流側に形成される。そして、第1排出流路41は、分岐部41cを介して二股構造の流路となる〔図1(B),(C)参照〕。その二股とした一方側の流路に、油温を検知して流路の開閉動作を行うサーモエレメント42が具備されたものであり、この流路が開閉制御流路41aである。また、二股とした他方側の流路は、開閉制御手段が具備されない自由流路41bである。
サーモエレメント42は、ソレノイドバルブ等の電子制御を使用するものではなく、ワックス又はバイメタル等の温度変化によって変形、膨張収縮する材質を使用し、これによって開閉制御流路41aの開閉弁としての役目をなすものである。したがって、サーモエレメント42は、温度を感知する材質が直接動作することによって、開閉弁としての動作ができるので、ソレノイドバルブのように駆動電流等のエネルギーを使用することなく、制御が可能であるため、燃費向上が図れる。
前記第1排出流路41において、開閉制御流路41aの断面積と、自由流路41bの断面積との大小関係は、以下のようなパターンが存在する。まず、第1パターンでは、図7(A)に示すように、開閉制御流路41aの断面積が、自由流路41bの断面積よりも大きく構成されたものである。したがって、両者の流路の断面形状を例えば円形とし、開閉制御流路41aの内径をD1とし、自由流路41bの内径をD2とすると、

Figure 2013213462
となる。
また、第2パターンでは、図7(B)に示すように、前述した第1パターンとは反対で、自由流路41bの断面積が開閉制御流路41aの断面積よりも大きく構成されたものである。したがって、両者の流路の断面形状を例えば円形とし、開閉制御流路41aの内径をD1とし、自由流路41bの内径をD2とすると、
Figure 2013213462
となる。
前記第1パターンにおいては、開閉制御流路41aの断面積を、自由流路41bの断面積よりも大きくしているので、オイル排出量の制御量をより大きくできる。また、第2パターンでは、自由流路41bの断面積を、開閉制御流路41aの断面積よりも大きくしているので、自由流路41bのオイル排出量をより大きくでき、万が一、サーモエレメント42が動作せず、開閉制御流路41aが閉弁状態のままになってしまった場合でも、自由流路41bのみでオイル排出量を比較的多くすることができ、ある程度の燃費改善効果を維持することは可能である。さらに、第1排出流路41の開閉制御流路41aの断面積と、自由流路41bの断面積とを等しくするパターンも存在する。つまり、
Figure 2013213462
となる。
また、第1排出流路41の構成の別の実施形態としては、弁体通路31の軸方向の同一位置で且つ周方向に異なる位置に2個の排出開口4b,4cが形成され、それぞれの排出開口4b,4cから下流側に第1排出流路41,41が設けられる(図6参照)。その一方の第1排出流路41には油温を検知して開閉動作を行うサーモエレメント42が具備された開閉制御流路41aとし、他方の第1排出流路41は開閉制御手段が具備されない自由流路41bとしたものである。
図6(A)は、開閉制御流路41aにおいてサーモエレメント42が流路を開放している状態であり、図6(B)はサーモエレメント42によって流路が閉鎖された状態である。また、第1排出流路41の構成の別の実施形態においても、開閉制御流路41aの断面積と、自由流路41bの断面積との間に大小関係が存在し、前述した第1及び第2パターンが存在する。
第2排出部5は、弁ハウジング3の軸方向に直交する方向,即ち幅方向に適宜の間隔をおいて2つが略左右対称的な配列をして形成されている〔図1(A)参照〕。また、第2排出部5は、弁体通路31の通路方向において、前記リリーフ流入部2側寄りの位置に形成される。その両第2排出部5,5との間は、弁体通路31に一体的に形成された残存肉部53となっており、該残存肉部53が前記弁体通路31の一部と連続し、第2排出部5箇所における弁体6の移動動作のガイド保持部の役目をなしている。
弁体6は、外周側部61と弁頭部62とから構成され、該弁頭部62は、頭頂部62aの外周縁に斜面部62bが形成されている〔図2(C),(D)参照〕。前記外周側部61は、前記弁体通路31の内周面に対して略密接状態で且つ円滑に摺動することができるようになっている。
その弁ハウジング3内に収納された弁体6は、前記弁体通路31に装着されたスプリング7により常時、弁体通路31のリリーフ流入部2側寄りに弾性的に付勢される。弁体6の弁頭部62は、前記弁体通路31のリリーフ流入閉鎖面33に当接している〔図1(B),図2(A)参照〕。
前記弁体6の軸方向において、前記弁頭部62とは反対側にスプリング支持軸部64が形成され、該スプリング支持軸部64に前記スプリング7が支持される。さらに具体的には、弁頭部62の斜面部62bがリリーフ流入閉鎖面33に当接している。これによって、リリーフは非動作状態にある。斜面部62bは、弁頭部62の一部である。
弁頭部62は、頭頂部62aと斜面部62bによって略裁頭円錐形状に形成される。前記弁頭部62の頭頂部62aから外周側部61の間に亘って弁内流路63が形成されている。該弁内流路63は、弁体6内部では、前記弁頭部62から軸方向に沿って水平流路63cが形成され、該水平流路63cを中心として該水平流路63cに直交する垂直流路63dが形成されている〔図2(C)参照〕。
前記水平流路63cは、弁頭部62に形成された頭部開口63bと連通し、前記垂直流路63dは、外周側部61の外周側部開口63aに連通し、このような構成によって前記頭部開口63bと外周側部開口63aは連通する構造である。前記外周側部61には、前記外周側部開口63aは、前記外周側部61を周方向に沿って外周溝として形成されたものである。すなわち前記垂直流路63dの開口孔を通過する溝が外周側部61の周方向に沿って形成されたものであり、前記垂直流路63dの開口は、外周溝とした前記外周側部開口63aの溝底部に位置している〔図2(C),(D)参照〕。
そして、前述したように、前記第2排出部5は、前記第1排出部4よりも前記リリーフ流入部2側寄りに位置して形成されている。さらに、弁体6の弁頭部62が前記リリーフ流入閉鎖面33に当接した初期状態において、前記第2排出部5は、前記弁体6の外周側部開口63aよりも、前記リリーフ流入部2側寄りに位置して形成されている。したがって、弁体6の外周側部開口63aは、弁体6が弁体通路31を摺動することによって、前記外周側部開口63aは、前記第1排出部4とのみ連通し、前記第2排出部5とは連通しない構造となっている〔図2(A),(B)参照〕。
前記水平流路63cと前記垂直流路63dを通して送り出されたオイルは、前記外周溝とした外周側部開口63aに流れ出し、弁体6が弁体通路31内を摺動して、前記外周側部開口63aが前記第1排出部4と連通した状態でオイルが該第1排出部4に送り出される(図4参照)。
スプリング7は、長手方向の一端が前記弁体6の後部側に装着され、他端側が弁体通路31に装着された押え部材8によって、固定される〔図1(B)参照〕。弁体6の外周側部開口63aは、前記弁ハウジング3に形成された第1排出部4の位置に到達した状態で、弁内流路63と第1排出部4とが連通する(図4参照)。
弁体6は、初期状態すなわち前記弁頭部62が前記弁体通路31のリリーフ流入閉鎖面33に当接した状態において、前記弁内流路63の外周側部開口63aと前記第1排出部4との軸方向における最短間隔Saは、前記弁頭部62と前記第2排出部5との軸方向における最短間隔Sbよりも小さくなる構成となっている。
すなわち、
Figure 2013213462
である。
ここで、外周側部開口63aと第1排出部4の最短間隔Saとは、外周側部開口63aの開口縁で且つ軸方向に沿って前記第1排出部4に最も近い部分と、前記第1排出部4の開口縁で且つ軸方向に沿って前記外周側部開口63aに最も近い部分との間隔において、最も短くなる間隔のことである。
また、最短間隔Sbとは、前記第2排出部5の開口縁で且つ軸方向に沿って前記弁頭部62に最も近い部分と、該弁頭部62との間隔において、最も短くなる間隔のことであり、具体的には、前記第2排出部5と、前記斜面部62bと外周側部61との境界6k位置との間隔となる(図2参照)。
このように、前記弁体6の初期状態において前記弁内流路63の外周側部開口63aと前記第1排出部4との最短間隔Saを、前記弁頭部62と前記第2排出部5の最短間隔Sbよりも小さくすることで、弁体6の摺動によって、まず最初に外周側部開口63aと第1排出部4とが連通しリリーフ可能となる(図4参照)。その次に弁頭部62が第2排出部5を通過する動作を開始して、第2排出部5がリリーフ動作可能となる(図5参照)。
さらに、前記斜面部62bと前記外周側部61との境界6k位置と、前記外周側部開口63aの前記弁頭部62側に最も近い縁部分との間を間隔Uとすると、前記第1排出部4と前記第2排出部5との最長間隔Scは、前記間隔Uよりも小さくなるように構成されている〔図2(B)参照〕。或は最長間隔Scと間隔Uと同一とすることもある。
すなわち
Figure 2013213462
となる。
ここで、最長間隔Scとは、第1排出部4の開口縁で且つ軸方向に沿って前記第2排出部5から最も遠く離れた部分と、第2排出部5の開口縁で且つ軸方向に沿って前記第1排出部4から最も遠く離れた部分との間隔である。すなわち、前記第1排出部4と前記第2排出部5との最も遠くなる(又は最も長くなる)縁部分同士の間隔のことである〔図2(B)参照〕。
前述した最短間隔Sb>最短間隔Saの条件に、最間隔Sc≦間隔Uの条件が加わることによって、前記弁体6が初期状態(第1排出部4及び第2排出部5共に閉鎖状態)から弁体通路31を摺動するにしたがって、最初に外周側部開口63aが第1排出部4に連通し、該第1排出部4にてリリーフ可能となる(図4参照)。
次に弁体6が摺動を続けると、第1排出部4及び第2排出部5が共に閉鎖状態となり、さらに弁体6が摺動を続けることによって、弁頭部62が第2排出部5を通過し、該第2排出部5を介して弁体通路31は内部と外部とが連通状態となり、リリーフ動作を開始することができる(図5参照)。上記条件では、第1排出部4と第2排出部5とが同時期に、リリーフ動作が可能となることはない。
次に、本発明におけるリリーフ動作について説明する。本発明におけるオイルポンプは、図示しないエンジンの回転が伝達されて作動する。エンジンの低回転域では、弁体6は、弁頭部62がリリーフ流入閉鎖面33に当接している。さらに、前記弁体6の外周側部開口63aの位置は、前記リリーフ流入閉鎖面33側から軸方向に沿って第2排出部5と第1排出部4との間に存在している。また、第1排出部4及び第2排出部5は、弁体6によって閉鎖されている。
まず、エンジンの始動にて、低回転領域では、オイルの圧力は、弁体6は僅かに摺動するが、前記第1排出部4及び第2排出部5は、閉鎖されているので、リリーフ(オイル排出)動作が生じない(図3参照)。このように、低回転域では、オイルは排出されず、油圧はエンジン回転数に比例して急激に上昇していく。エンジンの低回転〜中回転に亘る遷移領域では、吐出ポート13からの吐出圧が上昇し、オイルが弁頭部62を押圧して、弁体6の摺動を開始させる。
エンジンの中回転域では、第1排出部4を介して第1回目のリリーフが行われる。そして、第1回目のリリーフは、オイルの低温と高温によって、動作が以下のように変化する。オイルが低温の場合から説明する〔図4(A)参照〕。弁体6の外周側部開口63aと第1排出部4とが軸方向に同位置となり、第1排出部4からオイルが排出される。第1排出流路41の排出開口4aから下流に連続する第1排出流路41の分岐部41cにより分岐された開閉制御流路41aではサーモエレメント42がオイルの低温を検知して開弁している。よって、排出されたオイルは一方の開閉制御流路41aと自由流路41bの両方を流れる。
したがって、開閉制御流路41aと自由流路41bとを足し合わせた開口面積部分からオイルが排出されるため、より多量のオイルが排出される。より多量のオイルが排出されることより、油圧が低下するため、エンジン回転数に対する弁体6の軸方向移動量が少なくなる。これにより第2排出部5からオイルが排出し始める回転数をより高回転側に遅らせることができる(図8のグラフ参照)。
次に、エンジンの中回転域においてオイルが高温の場合について説明する〔図4(B)参照〕。前述したように、弁体6の外周側部開口63aと第1排出部4とが軸方向に同位置となり、第1排出部4からオイルが排出される。第1排出流路41の排出開口4aから下流に連続する第1排出流路41の分岐部41cにより分岐された開閉制御流路41aではサーモエレメント42がオイルの高温を検知して閉弁する。よって、排出されたオイルは、自由流路41bのみ流れることになる。これによって、自由流路41bのみの開口面積部分からオイルが排出されるため、少量のオイルが排出されることになる。
少量のオイルが排出されることより、油圧の低下量は少なくなるため、エンジン回転数に対する弁体6の軸方向移動量は少なくならず、通常の移動量となる。これにより第2排出部5からオイルが排出し始める回転数は通常通りであり、油圧が低い第1排出部4からオイルが排出される回転数領域を通常通り広く確保することができる。中回転域では、前記外周側部開口63aと第1排出部4とが連通状態であり、第2排出部5は、閉鎖された状態である。したがって、吐出圧の上昇率は緩くなり、吐出圧の急激な上昇は行わない。
次に、エンジンの中回転領域から高回転領域の遷移領域においては、前記弁体6は、さらに摺動して、前記外周側部開口63aが第1排出部4から離れる。すなわち、前記外周側部開口63aと第1排出部4との連通が解除され、該第1排出部4は閉鎖され、第1排出部4によるリリーフは停止する。
また、この領域において第2排出部5は、閉鎖された状態である。したがって中回転領域では、オイルは全くリリーフされない。したがって、吐出圧の上昇率は高くなり、吐出圧は上昇する。図8のグラフは、前記回転数の遷移領域におけるオイル圧力の増加を示している。
次に、エンジンの高回転領域では、弁体6がさらに摺動して、弁頭部62が第2排出部5に到達し、第2回目のリリーフが行われる(図5参照)。このときには、前記第1排出部4は閉鎖されている。第2回目のリリーフは、弁頭部62と第2排出部5との間によって行われるものであり、リリーフによるオイルの戻し量は多くなり、吐出圧の上昇率は緩やかとなり、吐出圧はエンジンの回転数増加によって緩やかに上昇する。
前記弁頭部62の位置が第2排出部5の通過を開始すると、オイルが徐々にリリーフされる。さらに、弁体6が高圧力により押圧されると、弁体6は移動し、オイルのリリーフ量は増加する。このように、リリーフするオイルは、リリーフ量が増加する。
図8のグラフは、エンジンの低回転から中回転でのリリーフによって、オイルの圧力上昇が緩く変化し、上昇率が小さくなっていることを示す。さらに中回転から高回転における遷移領域で前記第1排出部4及び前記第2排出部5からのリリーフが行なわれず、高いオイル圧力の上昇が示されている。特に、エンジンの中回転域において、オイルが低温の場合と高温の場合では、油圧に大きな差がないことを示している。また、低油温の場合の方が油圧低減効果は大きくなっている。
2…リリーフ流入部、3…弁ハウジング、31…弁体通路、4…第1排出部、
4a…排出開口、42…サーモエレメント、41c…分岐部、41a…開閉制御流路、
41b…自由流路、5…第2排出部、6…弁体、62…弁頭部、63…弁内流路。

Claims (5)

  1. 弁頭部側を開口とした弁内流路が形成された弁体と、該弁体を収めた弁体通路が形成された弁ハウジングと、前記弁体通路の軸方向一端側に形成されると共に該弁体通路と連通するリリーフ流入部と、前記弁体通路に形成されると共に前記弁体の移動により前記弁内流路と連通する第1排出部と,前記弁頭部が通過することによって開口される第2排出部とからなり、該第2排出部は前記第1排出部よりも前記リリーフ流入部側寄りに位置し、前記第1排出部は2個の流路からなる第1排出流路を有し、その一方は油温を検知して流路を開閉するサーモエレメントが具備され、他方は開閉制御手段が具備されない構成としてなることを特徴とするリリーフバルブ。
  2. 請求項1において、前記第1排出部は、弁体通路内に1個の排出開口が設けられると共に前記第1排出流路は前記排出開口から下流側に二股の分岐部が形成され、該分岐部から一方側の流路は油温を検知して開閉動作を行うサーモエレメントが具備された開閉制御流路とし、他方側の流路は開閉制御手段が具備されない自由流路としてなることを特徴とするリリーフバルブ。
  3. 請求項1において、前記第1排出部は、弁体通路内に2個の排出開口が設けられると共に前記第1排出流路はそれぞれの排出開口から下流側に設けられ、その一方の流路は油温を検知して開閉動作を行うサーモエレメントが具備された開閉制御流路とし、他方の流路は開閉制御手段が具備されない自由流路としてなることを特徴とするリリーフバルブ。
  4. 請求項2又は3において、前記開閉制御流路の断面積は、前記自由流路の断面積よりも大なることを特徴とするリリーフバルブ。
  5. 請求項2又は3において、前記自由流路の断面積は、前記開閉制御流路の断面積よりも大なることを特徴とするリリーフバルブ。
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