以下,本実施の形態について,図を用いて説明する。
図1は,本実施の形態によるメールシステムの構成例を示す図である。
図1に示すメールシステムは,サーバ10と複数のクライアント20を有する。サーバ10は,各クライアント20の電子メールを管理し,それらの電子メールの送受信を制御するコンピュータである。クライアント20は,電子メールを利用するユーザのコンピュータである。なお,以下では,電子メールを単にメールとも呼ぶ。
図1に示すメールシステムにおいて,サーバ10と各クライアント20とは,LAN(Local Area Network)やインターネットなどのネットワーク30によって,通信が可能である。なお,図1に示すメールシステムは,ある組織内のメールシステムであり,図1に示すメールシステムの外部には,さらに別のネットワーク(図示省略)を介して,メールが送受信される。
本実施の形態において,図1に示すメールシステムは,Webメールシステムであるものとする。すなわち,各クライアント20の送信メールや受信メールは,サーバ10で管理保存される。また,サーバ10は,各クライアント20に対して,メールを閲覧・作成する画面を提供する。ユーザは,クライアント20のブラウザでサーバ10にアクセスし,サーバ10が提供するメールの閲覧画面や作成画面をディスプレイに表示することで,メールの閲覧や作成を行う。
また,本実施の形態では,クライアント20から送信されるメールに対して,送信の可/不可を判断する承認が行われるものとする。承認者は,自身のクライアント20でサーバ10にアクセスし,承認が依頼されているメールの承認作業を行う。なお,承認者も,メールシステムを利用するユーザである。
図2は,本実施の形態によるサーバとクライアントの機能構成例を示す図である。
クライアント20は,メール処理機能部21を備える。メール処理機能部21は,クライアント20のユーザに対して,メールの閲覧や作成を行う環境を提供する機能部である。ユーザが承認者である場合には,メール処理機能部21は,さらにメールの承認作業を行う環境も提供する。メール処理機能部21は,例えば,ブラウザと,サーバ10から提供されるWebページのデータとによって実現される。
サーバ10は,メール処理部11,情報記憶部100を備える。情報記憶部100は,サーバ10で管理する電子メールを含む,本実施の形態によるメールシステムにおける様々なデータを記憶する記憶部である。情報記憶部100は,利用者管理情報記憶部110,メール管理情報記憶部120,承認管理情報記憶部130,コメント管理情報記憶部140,返信管理情報記憶部150を備える。
利用者管理情報記憶部110は,利用者管理情報を記憶する記憶部である。利用者管理情報は,本実施の形態によるメールシステムを利用するユーザを管理する情報である。本実施の形態による利用者管理情報では,ユーザのメールアドレスの情報や,ユーザ認証の情報,承認者の情報などが管理される。
メール管理情報記憶部120は,メール管理情報を記憶する記憶部である。メール管理情報は,本実施の形態によるメールシステムを利用する各ユーザの受信メール,送信メールの管理情報である。
承認管理情報記憶部130は,承認管理情報を記憶する記憶部である。承認管理情報は,本実施の形態によるメールシステムを利用するユーザが作成して送信を行うメールについて,承認者による承認の状況を管理する情報である。本実施の形態による承認管理情報では,ユーザから承認が依頼されたメールについて,承認者による承認結果の情報などが管理される。
コメント管理情報記憶部140は,コメント管理情報を記憶する記憶部である。コメント管理情報は,承認者によって送信不可と判断され,差し戻しされたメールに対して,承認者により過去に記述されたコメントを管理する情報である。コメントには,メールが承認不可とされた理由や,メールを送信可能とするための修正の指示などが記述される。
返信管理情報記憶部150は,返信管理情報を記憶する記憶部である。返信管理情報は,メール間の返信関係を管理する情報である。一般に,同じ内容に関するメールのやり取りでは,相手からのメールに対する返信を繰り返すことにより,一連のやり取りが行われる。一連のやり取りで返信しあったメールのまとまりは,スレッドと呼ばれる。本実施の形態では,返信管理情報に示されるメール間の返信関係を辿ることにより,同じスレッドに属する,互いに親子関係,兄弟関係にあるメールの抽出が可能である。すなわち,本実施の形態による返信管理情報は,メールのスレッドを管理する情報でもある。
メール処理部11は,本実施の形態によるメールシステムにおいて,メールに関する様々な処理を行う。なお,以下では,メール処理部11による処理に関して,特にメールの作成から承認,送信までの処理について説明を行うが,実際にはメール処理部11は,以下で説明される処理以外にもメールに関する様々な処理を行っている。メール処理部11は,認証部12,メール表示処理部13,メッセージ作成処理部14,承認処理部15,承認結果対応処理部16,関連コメント取得部17を備える。
認証部12は,クライアント20を利用して本実施の形態によるメールシステムを利用するユーザの認証を行う。より具体的には,メールシステムを利用したいユーザが操作するクライアント20からの要求に応じて,認証部12は,該クライアント20に認証画面を出力する。認証部12は,利用者管理情報記憶部110に記憶された利用者管理情報を参照し,クライアント20から受信した利用者IDやパスワードによるユーザの認証を行う。
メール表示処理部13は,認証に成功した場合に,メール管理情報記憶部120に記憶されたメール管理情報を参照して,認証に成功したユーザについてのメール表示画面を生成し,生成したメール表示画面を該当クライアント20に出力する。メール表示処理部13は,ユーザがメール表示画面で行う操作による要求をクライアント20から取得し,その要求に応じたメッセージ作成処理,承認処理,承認結果対応処理などの処理を実行する。
メッセージ作成処理部14は,メッセージ作成処理を行う。より具体的には,クライアント20からメールの作成の要求を受け付けた場合に,メール作成画面を生成し,生成したメール作成画面を該当クライアント20に出力する。作成するメールが返信である場合には,メッセージ作成処理部14は,関連コメント取得部17によって作成するメールの返信元メールと同じスレッドのメールに対する過去のコメントを取得し,取得したコメントを提示する画面を含むメール作成画面を生成する。作成するメールの返信元メールと同じスレッドのメールが第1の関連メールとなり,第1の関連メールに対するコメントが第1のコメントとなる。ここでは,同じスレッドに属するメールを,互いに関連するメールという意味で,関連メールと呼ぶ。
なお,以下では,返信で作成されるメールを返信メールとも呼ぶ。返信元メールは,返信メールで返信する元となる受信メールである。
メッセージ作成処理部14は,作成されたメールの情報をクライアント20から受けると,その情報を承認管理情報記憶部130に記憶された承認管理情報に記録する。
承認処理部15は,承認処理を行う。より具体的には,承認処理部15は,承認者であるユーザが操作するクライアント20から承認処理の要求を受け付けた場合に,承認管理情報記憶部130に記憶された承認管理情報を参照し,該当承認者に対して承認が依頼されたメールの一覧画面である承認一覧画面を生成し,生成した承認一覧画面を該当クライアント20に出力する。
承認処理部15は,承認者であるユーザが操作するクライアント20から,承認者により選択された,承認が依頼されたメールに対する承認実行の要求を受け付けた場合に,該当メールについての承認処理画面を生成し,生成した承認処理画面を該当クライアント20に出力する。このとき,承認処理部15は,関連コメント取得部17によって承認処理を行う対象となる承認が依頼されたメールの返信元メールと同じスレッドのメールに対する過去のコメントを取得し,取得したコメントを提示する画面を含む承認処理画面を生成する。承認処理を行う対象となる承認が依頼されたメールの返信元メールと同じスレッドのメールが第3の関連メールとなり,第3の関連メールに対するコメントが第3のコメントとなる。
承認処理部15は,承認結果の情報をクライアント20から受けると,承認処理の対象となったメールに対して,その承認結果に応じた処理を行う。例えば,承認結果が差し戻し,すなわち承認不可である場合には,承認処理部15は,承認管理情報記憶部130に記憶された承認管理情報にその旨を記録し,コメント管理情報記憶部140に記憶されたコメント管理情報に,該当メールに対する承認者によるコメントを記録する。ここでは,承認不可は,承認処理の対象となったメールの送信が不可であることを示す。
また,例えば,承認結果が承認可である場合には,承認処理部15は,承認管理情報記憶部130に記憶された承認管理情報にその旨を記録し,承認処理の対象となったメールの送信処理を行う。ここでは,承認可は,承認の対象となったメールの送信が可能であることを示す。より具体的には,承認処理部15は,例えば承認可とされたメールの宛先がメールシステムを利用する内部のユーザである場合に,そのメールの情報を,メール管理情報記憶部120に記憶されたメール管理情報における,該当ユーザの受信メールの領域に記録する。また,例えば,承認可とされたメールの宛先がメールシステムの外部である場合に,そのメールに対して必要な処理を施して,外部のネットワークに送信する。また,承認処理部15は,承認可とされたメールの情報を,メール管理情報記憶部120に記憶されたメール管理情報における,発信者であるユーザの送信メールの領域に記録する。送信されたメールが返信メールである場合には,承認処理部15は,返信管理情報記憶部150に記憶された返信管理情報に,送信されたメールとそのメールの返信元メールとの返信関係を示す情報を記録する。
承認結果対応処理部16は,承認結果対応処理を行う。より具体的には,承認結果対応処理部16は,クライアント20からの承認依頼状況閲覧の要求を受け付けた場合に,承認管理情報記憶部130に記憶された承認管理情報を参照し,承認結果が差し戻し,すなわち承認不可であったメールの一覧画面である承認不可メール一覧画面を生成し,生成した承認不可メール一覧画面を該当クライアント20に出力する。
承認結果対応処理部16は,クライアント20からユーザにより選択された,外部から送信不可と判断された,すなわち承認結果が承認不可であったメールに対する修正の要求を受け付けた場合に,該当メールの修正画面を生成し,生成した修正画面を該当クライアント20に送信する。このとき,承認結果対応処理部16は,コメント管理情報記憶部140に記憶されたコメント管理情報から,修正するメールに対するコメントの情報を取得し,取得したコメントを提示する画面を含む修正画面を生成する。また,承認結果対応処理部16は,関連コメント取得部17によって修正するメールの返信元メールと同じスレッドのメールに対する過去のコメントを取得し,取得したコメントを提示する画面を含む修正画面を生成する。承認処理を行う対象となる承認が依頼されたメールの返信元メールと同じスレッドのメールが第2の関連メールとなり,第2の関連メールに対するコメントが第2のコメントとなる。
承認結果対応処理部16は,修正されたメールの情報をクライアント20から受けると,その情報を承認管理情報記憶部130に記憶された承認管理情報に記録する。
関連コメント取得部17は,返信管理情報記憶部150に記憶された返信管理情報を参照し,該当返信メールの返信元メールと同じスレッドのメールである関連メールを抽出する。関連コメント取得部17は,コメント管理情報記憶部140に記憶されたコメント管理情報を参照し,抽出された関連メールに対するコメントの情報を取得する。
図3は,本実施の形態によるサーバやクライアントを実現するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
図1,図2に示す本実施の形態のサーバ10やクライアント20を実現するコンピュータ1は,例えば,CPU(Central Processing Unit )2,主記憶となるメモリ3,記憶装置4,通信装置5,媒体読取・書込装置6,入力装置7,出力装置8等を備える。記憶装置4は,例えばHDD(Hard Disk Drive )等の外部記憶装置や,補助記憶装置などである。媒体読取・書込装置6は,例えばCD−R(Compact Disc Recordable )ドライブやDVD−R(Digital Versatile Disc Recordable )ドライブなどである。入力装置7は,例えばキーボード・マウスなどである。出力装置8は,例えばディスプレイ等の表示装置などである。
図2に示すサーバ10やサーバ10が備える各機能部は,コンピュータ1が備えるCPU2,メモリ3等のハードウェアと,ソフトウェアプログラムとによって実現することが可能である。コンピュータ1が実行可能なプログラムは,記憶装置4に記憶され,その実行時にメモリ3に読み出され,CPU2により実行される。
コンピュータ1は,可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り,そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また,コンピュータ1は,サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに,逐次,受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。さらに,このプログラムは,コンピュータ1で読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。
以下では,本実施の形態のサーバ10とクライアント20による処理について,より具体的な例を用いて説明する。
図4は,本実施の形態による利用者DBの例を示す図である。
図4に示す利用者DB(Database)115は,利用者管理情報記憶部110に記憶された利用者管理情報の一例である。図4に示す利用者DB115は,利用者アドレス,パスワード,利用者名称,承認者アドレス,承認者名称の情報をもつ。利用者アドレスは,本実施の形態によるメールシステムを利用するユーザのメールアドレスである。パスワードは,該当ユーザの認証で使用するパスワードである。利用者名称は,該当ユーザの名称である。承認者アドレスは,該当ユーザが作成したメールの承認を行う承認者の利用者アドレスである。承認者名称は,該当ユーザが作成したメールの承認を行う承認者の名称である。
なお,本実施の形態の例では,利用者アドレスを,ユーザを一意に識別する利用者IDとしても使用する。利用者アドレスとは別に利用者IDを設定してもよい。
図5は,本実施の形態によるメールDBの例を示す図である。
図5に示すメールDB(Database)125は,メール管理情報記憶部120に記憶されたメール管理情報の一例である。本実施の形態の例では,ユーザごとのメールDB125で,各ユーザの受信メールと送信メールとが管理されるものとする。図5(A)に示すメールDB125aは,利用者アドレスが“yamada@xxx.ww ”であるユーザ“山田”氏についてのメールDB125の例である。図5(B)に示すメールDB125bは,利用者アドレスが“tanaka@xxx.ww ”であるユーザ“田中”氏についてのメールDB125の例である。
図5に示すメールDB125は,利用者アドレス,受送信,メッセージID,発信者アドレス,宛先,最新承認依頼日時,発信日時,件名,本文の情報を持つ。利用者アドレスは,該当メールDB125でメールが管理されているユーザの利用者アドレスである。送受信は,該当メールが該当ユーザにとって受信メールであるか送信メールであるかを示す。メッセージIDは,メールを一意に識別する識別情報である。発信者アドレスは,該当メールを発信,すなわち送信したユーザの利用者アドレスである。宛先は,該当メールの宛先のアドレスである。最新承認依頼日時は,該当メールについて,承認者に対して承認が依頼された最新の日時である。発信日時は,該当メールが発信,すなわち送信された時刻を示す。件名は,該当メールの件名を示す。本文は,該当メールの本文を示す。
図6は,本実施の形態による承認管理DBの例を示す図である。
図6に示す承認管理DB(Database)135は,承認管理情報記憶部130に記憶された承認管理情報の一例である。本実施の形態の例では,承認者であるユーザごとの承認管理DB135で,各承認者に対する承認依頼が管理されるものとする。図6に示す承認管理DB135は,利用者アドレスが“yamada@xxx.ww ”である承認者“山田”氏についての承認管理DB135の例である。
図6に示す承認管理DB135は,承認ID,メッセージID,返信元メッセージID,承認結果,発信者アドレス,宛先,承認依頼日時,件名,本文の情報を持つ。承認IDは,承認依頼を一意に識別する識別情報である。メッセージIDは,承認が依頼されたメールのメッセージIDである。返信元メッセージIDは,承認が依頼されたメールが返信メールである場合に,その返信元メールのメッセージIDである。承認結果は,承認が依頼されたメールに対する承認者による承認の結果を示す。承認結果が“承認依頼中”であるメールは,ユーザにより承認が依頼されてから承認者による承認処理がまだ行われていないメールである。承認結果が“送信可(承認可)”であるメールは,送信されたメールとなる。承認結果が“差し戻し(承認不可)”であるメールは,ユーザに差し戻しされたメールである。承認結果の“修正有り”は,元々は承認結果が“差し戻し(承認不可)”であったメールについて,後に該当メールを修正したメールの承認が依頼されたことを示す。発信者アドレスは,承認が依頼されたメールの発信者,すなわち承認の依頼者であるユーザの利用者アドレスである。宛先は,承認が依頼されたメールの宛先のアドレスである。承認依頼日時は,承認が依頼された日時である。件名は,該当メールの件名を示す。本文は,該当メールの本文を示す。
図7は,本実施の形態によるコメントDBの例を示す図である。
図7に示すコメントDB(Database)145は,コメント管理情報記憶部140に記憶されたコメント管理情報の一例である。図7(A)に示すコメントDB145aは,メッセージID“system5@xxx.ww”のメールに対する承認処理前のコメントDB145の例である。図7(B)に示すコメントDB145bは,メッセージID“system5@xxx.ww”のメールに対する承認処理後のコメントDB145の例である。
図7に示すコメントDB145は,承認ID,承認者アドレス,メッセージID,コメントの情報を持つ。承認IDは,該当コメントが付されたメールの承認依頼における承認IDを示す。承認者アドレスは,該当コメントを付した担当の承認者の利用者アドレスである。メッセージIDは,該当コメントが付されたメールのメッセージIDを示す。コメントは,承認者によって記述されたコメントである。
図8は,本実施の形態による返信管理DBの例を示す図である。
図8に示す返信管理DB(Database)155は,返信管理情報記憶部150に記憶された返信管理情報の一例である。図8に示す返信管理DB155では,返信メールと返信元メールとの対応が示される。上述したように,返信メールは,他のメールへの返信として作成されるメールである。返信元メールは,返信メールで返信する元となる受信メールである。例えば,図8の返信管理DB155に示すメール間の返信関係を辿ることによって,同じスレッドに属する互いに関連するメールを抽出することが可能となる。
図8に示す返信管理DB155において,返信メール情報は,返信メールについての情報を示す。返信メール情報は,メッセージIDと発信者アドレスの情報を持つ。メッセージIDは,該当返信メールのメッセージIDを示す。発信者アドレスは,該当返信メールの発信,すなわち送信を行ったユーザの利用者アドレスである。
図8に示す返信管理DB155において,返信元メール情報は,返信元メールについての情報を示す。返信元メール情報は,メッセージIDと発信者アドレスの情報を持つ。メッセージIDは,該当返信元メールのメッセージIDを示す。発信者アドレスは,該当返信元メールの発信,すなわち送信を行ったユーザの利用者アドレスである。
図9は,本実施の形態によるメール表示画面の例を示す図である。
図9に示すメール表示画面210は,クライアント20からのメールの利用要求に応じて,メール表示処理部13により生成され,該当クライアント20に送信されるメール表示画面の一例である。サーバ10からメール表示画面210の情報を受信したクライアント20のメール処理機能部21は,該クライアント20のディスプレイに,メール表示画面210を表示する。
図9(A)に示すメール表示画面210aは,利用者アドレスが“yamada@xxx.ww ”であるユーザ“山田”氏が操作するクライアント20のディスプレイに表示されるメール表示画面210の例である。図9(B)に示すメール表示画面210bは,利用者アドレスが“tanaka@xxx.ww ”であるユーザ“田中”氏が操作するクライアント20のディスプレイに表示されるメール表示画面210の例である。“山田”氏は,承認者となるユーザであり,“田中”氏は,承認者とはならない一般のユーザである。
図9に示すメール表示画面210は,受信メールが表示される受信フォルダのメール表示画面210の例である。例えば,図9に示すメール表示画面210上の受信メールを選択する操作により,選択された受信メールの内容を閲覧可能である。なお,図示はされていないが,メニュー選択やフォルダのツリー表示などによってユーザに送信フォルダを指定させて,送信メールが表示される送信フォルダの画面を表示する等の実施は,当然可能である。
図9に示すメール表示画面210において,ユーザによりメッセージ新規作成ボタンが押下されると,クライアント20からサーバ10に,新規メールの作成要求が送られる。図9に示すメール表示画面210において,メールを選択した状態で,ユーザによりメッセージ返信ボタンが押下されると,クライアント20からサーバ10に,選択されたメールを返信元メールとする返信メールの作成要求が送られる。図9に示すメール表示画面210において,ユーザにより承認依頼状況閲覧ボタンが押下されると,クライアント20からサーバ10に,承認依頼状況閲覧の要求が送られる。なお,図9に示すメール表示画面210において,承認依頼状況閲覧ボタンに括弧書きされた件数は,該当ユーザが承認者に対してメールの承認を依頼している件数を示す。
図9(A)に示すメール表示画面210aには承認処理ボタンがあるが,図9(B)に示すメール表示画面210bには承認処理ボタンがない。これは,図9(A)に示すメール表示画面210aが承認者となる“山田”氏のメール表示画面210であり,図9(B)に示すメール表示画面210bが承認者とはならない“田中”氏のメール表示画面210であることによる。図9(A)に示すメール表示画面210aにおいて,承認者となるユーザにより承認処理ボタンが押下されると,クライアント20からサーバ10に,承認処理要求が送られる。なお,図9(A)に示すメール表示画面210aにおいて,承認処理ボタンに括弧書きされた件数は,承認者となる該当ユーザに対してメールの承認が依頼されている件数を示す。
図9に示すメール表示画面210において,ユーザによりログアウトボタンが押下されると,クライアント20からサーバ10に,ログアウトの要求が送られる。
図10は,本実施の形態によるメッセージ作成画面の例を示す図である。
図10に示すメッセージ作成画面220は,クライアント20からのメッセージ作成要求に応じて,メッセージ作成処理部14により生成され,該当クライアント20に送信されるメッセージ作成画面の一例である。サーバ10からメッセージ作成画面220の情報を受信したクライアント20のメール処理機能部21は,該クライアント20のディスプレイに,メッセージ作成画面220を表示する。
図10に示すメッセージ作成画面220は,特に,クライアント20からのメッセージ作成要求が返信メールの作成要求であった場合の例となっている。そのため,図10に示すメッセージ作成画面220における本文の欄には,返信元メールの本文の内容が引用符“>”が行頭についた形で示されている。例えば,ユーザは,返信元メールの本文の内容を確認しながら,返信メールの本文を作成する。
図10に示すメッセージ作成画面220において,ユーザにより送信(承認依頼)ボタンが押下されると,クライアント20からサーバ10に,作成されたメールの情報が送られる。作成されたメールについては,承認者に対して承認が依頼された状態となる。
図10に示すメッセージ作成画面220において,右側の過去チェック内容の欄が,今回作成するメールの返信元メールと同じスレッドのメールに対して記述された,過去のコメントを提示する画面である。今回作成するメールの返信元メールと同じスレッドのメールが上述の第1の関連メールとなり,その第1の関連メールに対して記述された過去のコメントが上述の第1のコメントとなる。
ユーザは,図10に示すメッセージ作成画面220で提示された,同じスレッドに属するメールに対する過去のコメントを参照して,メールの作成を行う。ユーザは,過去の同様のメールで承認者によって問題とされた内容に留意して,メールを作成することができる。これにより,過去のメールと同様の問題を有するメールの作成が抑制され,承認者は何度も同じ内容のコメントを記述する必要がなくなるので,承認者の手間を軽減することが可能となる。
図11は,本実施の形態による承認一覧画面の例を示す図である。
図11に示す承認一覧画面230は,クライアント20からの承認処理要求に応じて,承認処理部15により生成され,該当クライアント20に送信される承認一覧画面の一例である。サーバ10から承認一覧画面230の情報を受信したクライアント20のメール処理機能部21は,該クライアント20のディスプレイに,承認一覧画面230を表示する。
図11に示す承認一覧画面230は,利用者アドレスが“yamada@xxx.ww ”である承認者“山田”氏が操作するクライアント20のディスプレイに表示される承認一覧画面230の例である。図11に示す承認一覧画面230には,承認者である“山田”氏に対して承認が依頼されたメールのうち,承認管理DB135の承認結果が“承認依頼中”のメールのみが一覧表示されている。
図11に示す承認一覧画面230において,承認者となるユーザにより承認処理を行う対象のメールが選択されると,クライアント20からサーバ10に,選択されたメールの情報が送られる。
図12は,本実施の形態による承認処理画面の例を示す図である。
図12に示す承認処理画面240は,クライアント20からの承認処理を行う対象のメールの選択結果に応じて,承認処理部15により生成され,該当クライアント20に送信される承認処理画面の一例である。サーバ10から承認処理画面240の情報を受信したクライアント20のメール処理機能部21は,該クライアント20のディスプレイに,承認処理画面240を表示する。なお,図12に示す承認処理画面240は,特に,承認処理を行う対象のメールが返信メールであった場合の例となっている。承認者となるユーザは,図12に示す承認処理画面240で,承認が依頼されたメールの内容を確認し,該メールの送信を可とするか不可とするかを判断する。
メールの送信を可とする場合には,承認者となるユーザは,図12に示す承認処理画面240で,送信(承認可)ボタンを押下する。このとき,クライアント20からサーバ10には,承認結果として承認可の情報が送られる。
メールの送信を不可とする場合には,承認者となるユーザは,図12に示す承認処理画面240で,差し戻し(承認不可)ボタンを押下する。承認者となるユーザは,承認不可とした理由や,メールの修正の指示などをコメント欄に入力する。このとき,クライアント20からサーバ10には,承認結果として承認不可の情報とともに,承認者となるユーザにより入力されたコメントの情報が送られる。
図12に示す承認処理画面240において,右側の過去チェック内容の欄が,今回承認処理を行う対象のメールの返信元メールと同じスレッドのメールに対して記述された,過去のコメントを提示する画面である。今回承認処理を行う対象のメールの返信元メールと同じスレッドのメールが上述の第3の関連メールとなり,その第3の関連メールに対して記述された過去のコメントが上述の第3のコメントとなる。
承認者となるユーザは,図12に示す承認処理画面240で提示された,同じスレッドに属するメールに対する過去のコメントを参照して,メールの承認作業を行う。そのため,承認者となるユーザは,承認処理を行う対象となるメールに,過去の同様のメールに対するコメントの内容が反映されているかを確認しながら,メールの承認作業を行うことが可能となる。また,図12に示す承認処理画面240で提示されたコメントは,承認不可となったメールを修正するユーザの修正画面にも表示される。そのため,承認者となるユーザは,過去の同様のメールに対するコメントに記述されている内容については,詳細な内容をコメントに記述する必要がなくなる。これにより,承認者の手間を軽減することが可能となる。
図13は,本実施の形態による承認不可メール一覧画面の例を示す図である。
図13に示す承認不可メール一覧画面250は,クライアント20からの承認依頼状況閲覧要求に応じて,承認結果対応処理部16により生成され,該当クライアント20に送信される承認不可メール一覧画面の一例である。サーバ10から承認不可メール一覧画面250の情報を受信したクライアント20のメール処理機能部21は,該クライアント20のディスプレイに,承認不可メール一覧画面250を表示する。
図13に示す承認不可メール一覧画面250において,ユーザは承認不可とされたメールから修正するメールを選択して,メッセージ修正ボタンを押下する。図13に示す承認不可メール一覧画面250において,ユーザによりメッセージ修正ボタンが押下されると,クライアント20からサーバ10に,修正するメールとして選択されたメールの情報が送られる。
図14は,本実施の形態による修正画面の例を示す図である。
図14に示す修正画面260は,クライアント20からの修正するメールの選択結果に応じて,承認結果対応処理部16により生成され,該当クライアント20に送信される修正画面の一例である。サーバ10から修正画面260の情報を受信したクライアント20のメール処理機能部21は,該クライアント20のディスプレイに,修正画面260を表示する。なお,図14に示す修正画面260は,特に,修正するメールが返信メールであった場合の例となっている。
図14に示す修正画面260において,ユーザは,承認不可とされたメールの修正を行う。図14に示す修正画面260において,ユーザにより修正(承認依頼)ボタンが押下されると,クライアント20からサーバ10に,修正されたメールの情報が送られる。修正されたメールについては,承認者に対して承認が依頼された状態となる。
図14に示す修正画面260において,右側の今回チェック内容の欄が,今回修正する承認不可とされたメールに対する承認者のコメントを提示する画面である。また,図14に示す修正画面260において,右側の過去チェック内容の欄が,今回修正するメールの返信元メールと同じスレッドのメールに対して記述された,過去のコメントを提示する画面である。今回返信するメールの返信元メールと同じスレッドのメールが上述の第2の関連メールとなり,その第2の関連メールに対して記述された過去のコメントが上述の第2のコメントとなる。
ユーザは,図14に示す修正画面260で提示された,今回修正する承認不可とされたメールに対する承認者のコメントとともに,同じスレッドに属するメールに対する過去のコメントを参照して,メールの修正を行う。ユーザは,過去の同様のメールで承認者によって問題とされた内容に留意して,メールを修正することができる。これにより,過去のメールと同様の問題を有するメールの作成が抑制され,承認者は何度も同じ内容のコメントを記述する必要がなくなるので,承認者の手間を軽減することが可能となる。
図15,図16は,本実施の形態のサーバによるメール処理フローチャートである。
ここでは,サーバ10のメール処理部11によるメール処理の流れの一例を説明する。
サーバ10において,メール処理部11がクライアント20からのメール利用要求を受信すると(ステップS10),認証部12は,該当クライアント20に認証画面の情報を送信する(ステップS11)。
認証部12は,クライアント20から利用者IDとパスワードとを受信すると(ステップS12のYES),受信した利用者ID,パスワードと,利用者DB115とを用いて,クライアント20を操作するユーザの認証を行う(ステップS13)。本実施の形態では利用者アドレスを利用者IDとしても使用するので,受信した利用者IDは,利用者DB115の利用者アドレスと照合される。
認証部12は,認証に成功したかを判定する(ステップS14)。認証に成功しなかった場合(ステップS14のNO),すなわち認証に失敗した場合には,認証部12は,該当クライアント20に認証エラー画面の情報を送信し(ステップS15),処理を終了する。
認証に成功した場合には(ステップS14のYES),メール表示処理部13は,メール表示画面210を生成する(ステップS16)。より具体的には,メール表示処理部13は,認証されたユーザの利用者アドレスに対応するメールDB125から受信メールの情報を取得し,例えば,図9に示すようなメール表示画面210を生成する。このとき,メール表示処理部13は,例えば利用者DB115を参照して,認証されたユーザが承認者となるユーザであるかを判断する。メール表示処理部13は,認証されたユーザが承認者となるユーザであれば,例えば図9(A)に示すようなメール表示画面210aを生成する。メール表示処理部13は,認証されたユーザが承認者とならないユーザであれば,例えば図9(B)に示すようなメール表示画面210bを生成する。メール表示処理部13は,生成されたメール表示画面210の情報を該当クライアント20に送信する(ステップS17)。
メール処理部11がクライアント20からメッセージ作成要求を受信すると(ステップS18のYES),メッセージ作成処理部14は,メッセージ作成処理を実行する(ステップS19)。サーバ10によるメッセージ作成処理の詳細については,後述する。
メール処理部11がクライアント20から承認処理要求を受信すると(ステップS20のYES),承認処理部15は,サーバ10による承認処理を実行する(ステップS21)。承認処理の詳細については,後述する。
メール処理部11がクライアント20から承認依頼状況閲覧要求を受信すると(ステップS22のYES),承認結果対応処理部16は,承認結果対応処理を実行する(ステップS23)。サーバ10による承認結果対応処理の詳細については,後述する。
メール処理部11は,クライアント20からログアウト要求を受信すると(ステップS24のYES),処理を終了する。
図17は,本実施の形態のサーバによるメッセージ作成処理フローチャートである。
ここでは,サーバ10のメール処理部11のメッセージ作成処理部14によるメッセージ作成処理の流れの一例を説明する。
メール処理部11がクライアント20からメッセージ作成要求を受信すると,メッセージ作成処理部14は,受信したメッセージ作成要求が返信メールの作成要求であるかを判定する(ステップS30)。返信メールの作成要求であれば(ステップS30のYES),関連コメント取得部17は,関連コメント取得処理を実行する(ステップS31)。関連コメント取得処理の詳細については,後述する。ここでは,作成するメールの返信元メールの関連メールである第1の関連メールに対する第1のコメントが取得される。
メッセージ作成処理部14は,メッセージ作成画面220を生成する(ステップS32)。作成するメールが返信メールである場合には,メッセージ作成処理部14は,例えば図10に示すような,取得された第1のコメントの提示画面を含むメッセージ作成画面220を生成する。メッセージ作成処理部14は,生成されたメッセージ作成画面220を該当クライアント20に送信する(ステップS33)。
クライアント20から作成されたメールの情報を受信すると(ステップS34のYES),メッセージ作成処理部14は,作成されたメールの承認を行う承認者を特定する(ステップS35)。より具体的には,メッセージ作成処理部14は,利用者DB115から,メールを作成したユーザの利用者アドレスに対応する承認者アドレスを取得する。
メッセージ作成処理部14は,作成されたメールに対するメッセージIDと承認IDとを生成する(ステップS36)。メッセージ作成処理部14は,承認依頼の情報として,生成されたメッセージIDと承認IDとを含む,作成されたメールの情報を,承認管理DB135に記録する(ステップS37)。このとき,承認結果には,承認依頼中が記録される。
図18,図19は,本実施の形態のサーバによる承認処理フローチャートである。
ここでは,サーバ10のメール処理部11の承認処理部15による承認処理の流れの一例を説明する。
メール処理部11がクライアント20から承認処理要求を受信すると,承認処理部15は,該当クライアント20を操作する,承認者となるユーザの承認管理DB135から,該ユーザに承認が依頼された,承認結果が承認依頼中であるメールの情報を取得する(ステップS40)。承認処理部15は,例えば図11に示すような承認一覧画面230を生成する(ステップS41)。承認処理部15は,生成された承認一覧画面230の情報を該当クライアント20に送信する(ステップS42)。
承認処理部15は,クライアント20から承認を行う対象のメールの選択情報を受信すると(ステップS43のYES),選択された承認を行う対象のメールの情報を,該当クライアント20を操作する承認者の承認管理DB135から取得する(ステップS44)。
承認処理部15は,選択された承認を行う対象のメールが返信メールであるかを判定する(ステップS45)。例えば,承認管理DB135の該当メールの承認依頼の情報に,返信元メッセージIDの情報があれば,選択された承認を行う対象のメールは返信メールであると判断できる。返信メールであれば(ステップS45のYES),関連コメント取得部17は,関連コメント取得処理を実行する(ステップS46)。関連コメント取得処理の詳細については,後述する。ここでは,承認を行う対象のメールの返信元メールの関連メールである第3の関連メールに対する第3のコメントが取得される。
承認処理部15は,承認処理画面240を生成する(ステップS47)。承認を行う対象のメールが返信メールである場合には,承認処理部15は,例えば図12に示すような,取得された第3のコメントの提示画面を含む承認処理画面240を生成する。承認処理部15は,生成された承認処理画面240を該当クライアント20に送信する(ステップS48)。
クライアント20から承認結果を受信すると(ステップS49のYES),承認処理部15は,受信した承認結果が承認可であるかを判定する(ステップS50)。承認結果が承認可でなければ(ステップS50のNO),すなわち承認結果が承認不可であれば,承認処理部15は,該当クライアント20を操作する承認者の承認管理DB135における該当メールの承認依頼の情報の承認結果に差し戻し(承認不可)を記録する(ステップS51)。承認処理部15は,承認結果とともに受信したコメントの情報を,コメントDB145に記録し(ステップS52),処理を終了する。
承認結果が承認可であれば(ステップS50のYES),承認処理部15は,該当クライアント20を操作する承認者の承認管理DB135における該当メールの承認依頼の情報の承認結果に送信可(承認可)を記録する(ステップS53)。承認処理部15は,該当メールのヘッダ情報を生成する(ステップS54)。承認処理部15は,該当メールの宛先に対応するメールDB125に,該当メールの情報を,受信メールの情報として記録する(ステップS55)。なお,該当メールの宛先がメールシステムの外部である場合には,該当メールを外部のネットワークに送信する処理を行う。承認処理部15は,該当メールの発信者アドレスに対応するメールDB125に,該当メールの情報を,送信メールの情報として記録する(ステップS56)。
承認処理部15は,送信したメールが,返信メールであるかを判定する(ステップS57)。返信メールでなければ(ステップS57のNO),承認処理部15は,処理を終了する。
返信メールであれば(ステップS57のYES),承認処理部15は,送信したメールのヘッダ情報から,送信したメールの返信元メールの情報を取得する(ステップS58)。承認処理部15は,送信したメールとその返信元メールとの間の返信関係を,返信管理DB155に記録し(ステップS59),処理を終了する。
図20,図21は,本実施の形態のサーバによる承認結果対応処理フローチャートである。
ここでは,サーバ10のメール処理部11の承認結果対応処理部16による承認結果対応処理の流れの一例を説明する。
メール処理部11がクライアント20から承認依頼状況閲覧要求を受信すると,承認結果対応処理部16は,利用者DB115を参照し,該当クライアント20を操作するユーザの承認者を特定する(ステップS60)。承認結果対応処理部16は,特定された承認者の承認管理DB135から,該当クライアント20を操作するユーザが承認を依頼したメールを検索する(ステップS61)。より具体的には,承認結果対応処理部16は,該当クライアント20を操作するユーザの利用者アドレスで,特定された承認者の承認管理DB135の発信者アドレスを検索する。
承認結果対応処理部16は,承認管理DB135に,該当クライアント20を操作するユーザが承認を依頼したメールで,承認結果が承認不可のメールがあるかを判定する(ステップS62)。承認不可のメールがなければ(ステップS62のNO),承認結果対応処理部16は,該当クライアント20に対して,承認結果が承認不可のメールがない旨を通知し(ステップS63),処理を終了する。
承認不可のメールがあれば(ステップS62のYES),承認結果対応処理部16は,承認管理DB135から取得された承認結果が承認不可であるメールの情報を用いて,図13に示すような承認不可メール一覧画面250を生成する(ステップS64)。承認結果対応処理部16は,生成された承認不可メール一覧画面250の情報を該当クライアント20に送信する(ステップS65)。
承認結果対応処理部16は,クライアント20から修正するメールの選択情報を受信すると(ステップS66のYES),選択された修正するメールの情報を,該当クライアント20を操作するユーザに対応する承認者の承認管理DB135から取得する(ステップS67)。承認結果対応処理部16は,選択された修正するメールのメッセージIDでコメントDB145を参照し,修正するメールに対するコメントを取得する(ステップS68)。
承認結果対応処理部16は,選択された修正するメールが返信メールであるかを判定する(ステップS69)。例えば,承認管理DB135の該当メールの承認依頼の情報に,返信元メッセージIDの情報があれば,選択された修正するメールは返信メールであると判断できる。返信メールであれば(ステップS69のYES),関連コメント取得部17は,関連コメント取得処理を実行する(ステップS70)。関連コメント取得処理の詳細については,後述する。ここでは,修正するメールの返信元メールの関連メールである第2の関連メールに対する第2のコメントが取得される。
承認結果対応処理部16は,修正画面260を生成する(ステップS71)。修正するメールが返信メールである場合には,承認結果対応処理部16は,例えば図14に示すような,取得された第2のコメントの提示画面を含む修正画面260を生成する。承認結果対応処理部16は,生成された修正画面260を該当クライアント20に送信する(ステップS72)。
クライアント20から修正されたメールの情報を受信すると(ステップS73のYES),承認結果対応処理部16は,承認依頼の情報として,修正されたメールの情報を,該当クライアント20を操作するユーザに対応する承認者の承認管理DB135に記録する(ステップS74)。このとき,メッセージIDには修正前のメールのメッセージIDが記録され,承認IDには新たに生成された承認IDが記録される。また,承認結果には,承認依頼中が記録される。
承認結果対応処理部16は,承認管理DB135に,修正されたメールの承認依頼とメッセージIDが同じ承認依頼のレコードがあるかを判定する(ステップS75)。メッセージIDが同じ承認依頼のレコードがあれば(ステップS75のYES),承認結果対応処理部16は,承認管理DB135において,修正されたメールの承認依頼と同じメッセージIDの過去の承認依頼のレコードにおける承認結果を,修正有りに変更する(ステップS76)。
図22は,本実施の形態の関連コメント取得部による関連コメント取得処理フローチャートである。
ここでは,サーバ10のメール処理部11の関連コメント取得部17による関連コメント処理の流れの一例を説明する。
関連コメント取得部17は,該当返信メールの返信元メールのメッセージIDを取得する(ステップS80)。例えば,該当返信メールを作成する場合には,ユーザにより返信元メールとして指定された受信メールのメッセージIDをメールDB125から取得することにより,返信元メールのメッセージIDを取得できる。また,該当返信メールが,承認処理を行う対象のメールである場合には,承認管理DB135から返信元メッセージIDを取得することで,返信元メールのメッセージIDを取得できる。また,該当返信メールが,修正するメールである場合には,承認管理DB135から返信元メッセージIDを取得することで,返信元メールのメッセージIDを取得できる。
関連コメント取得部17は,返信元メールの関連メールを取得する(ステップS81)。より具体的には,関連コメント取得部17は,ステップS80で取得されたメッセージIDで返信管理DB155の返信メール情報のメッセージIDを検索し,対応する返信元メール情報のメッセージIDを取得する。さらに取得されたメッセージIDを用いて返信管理DB155の検索を行う処理を繰り返すことにより,該当返信メールの返信元メールから親子関係を辿って関係する関連メールがすべて得られる。また,関連コメント取得部17は,取得されたメッセージIDで返信管理DB155の返信元メール情報のメッセージIDを検索し,対応する返信メール情報のメッセージIDを取得する。この処理により,該当返信メールの返信元メールの関連メールと兄弟関係にあるメールがさらに関連メールとして得られる。このような処理を繰り返すことで,関連コメント取得部17は,該当返信メールの返信元メールと同じスレッドに属するすべての関連メールを取得することができる。
関連コメント取得部17は,取得された各関連メールについて,該関連メールに対するコメントと,該コメントを記述した承認者の承認者アドレスとを取得する(ステップS82)。より具体的には,関連コメント取得部17は,取得された各関連メールのメッセージIDでコメントDB145を参照し,コメントDB145に対応するコメントが存在する関連メールについて,そのコメントと,承認者アドレスとを取得する。
関連コメント取得部17は,コメントが存在する関連メールについて,発信者アドレス,件名を取得する(ステップS83)。より具体的には,関連コメント取得部17は,コメントが存在する関連メールについて,取得された承認者アドレスの承認者の承認管理DB135を該当関連メールのメッセージIDで検索し,発信者アドレスと件名とを取得する。
図23,図24は,本実施の形態のクライアントによるメール処理フローチャートである。
ここでは,クライアント20のメール処理機能部21によるメール処理の流れの一例を説明する。
クライアント20において,メール処理機能部21は,ユーザによるメール利用操作を受け付けると(ステップS100),サーバ10にメール利用要求を送信する(ステップS101)。
メール処理機能部21は,サーバ10から認証画面の情報を受信すると(ステップS102のYES),クライアント20のディスプレイに認証画面を表示する(ステップS103)。
メール処理機能部21は,ユーザによる利用者IDとパスワードの入力を受け付けると(ステップS104のYES),受け付けた利用者IDとパスワードとをサーバ10に送信する(ステップS105)。
メール処理機能部21は,サーバ10から認証エラー画面の情報を受信すると(ステップS106のYES),クライアント20のディスプレイに認証エラー画面を表示し(ステップS107),処理を終了する。
メール処理機能部21は,サーバ10からメール表示画面210の情報を受信すると(ステップS108),クライアント20のディスプレイに,図9に示すようなメール表示画面210を表示する(ステップS109)。例えば,ユーザが承認者となるユーザであれば,図9(A)に示すようなメール表示画面210aが表示される。例えば,ユーザが承認者とならないユーザであれば,図9(B)に示すようなメール表示画面210bが表示される。
メール処理機能部21は,ユーザによるメッセージ作成操作を受け付けると(ステップS110),メッセージ作成処理を実行する(ステップS111)。クライアント20によるメッセージ作成処理の詳細については,後述する。例えば,図9に示すメール表示画面210が表示されている場合において,ユーザによるメッセージ新規作成ボタンやメッセージ返信ボタンの押下操作が,メッセージ作成操作となる。
メール処理機能部21は,ユーザによる承認処理操作を受け付けると(ステップS112),承認処理を実行する(ステップS113)。承認処理操作は,ユーザが承認者である場合にのみ行われる。クライアント20による承認処理の詳細については,後述する。例えば,図9(A)に示すメール表示画面210aが表示されている場合において,承認者となるユーザによる承認処理ボタンの押下操作が,承認処理操作となる。
メール処理機能部21は,ユーザによる承認依頼状況閲覧操作を受け付けると(ステップS114),承認結果対応処理を実行する(ステップS115)。クライアント20による承認結果対応処理の詳細については,後述する。例えば,図9に示すメール表示画面210が表示されている場合において,ユーザによる承認依頼状況閲覧ボタンの押下操作が,承認依頼状況閲覧操作となる。
メール処理機能部21は,ユーザによるログアウト操作を受け付けると(ステップS116),ログアウト要求をサーバ10に送信し(ステップS117),処理を終了する。例えば,図9に示すメール表示画面210が表示されている場合において,ユーザによるログアウトボタンの押下操作が,ログアウト操作となる。
図25は,本実施の形態のクライアントによるメッセージ作成処理フローチャートである。
ここでは,クライアント20のメール処理機能部21によるメッセージ作成処理の流れの一例を説明する。
クライアント20において,メール処理機能部21は,ユーザによるメッセージ作成操作に応じて,メッセージ作成要求をサーバ10に送信する(ステップS120)。
メール処理機能部21は,サーバ10からメッセージ作成画面220の情報を受信すると(ステップS121),クライアント20のディスプレイに,図10に示すようなメッセージ作成画面220を表示する(ステップS122)。メール処理機能部21は,メッセージ作成画面220に対するユーザによるメール作成の入力を受け付ける(ステップS123)。
メール処理機能部21は,ユーザによる送信操作を受け付けると(ステップS124のYES),ユーザにより入力された作成メールの情報をサーバ10に送信し(ステップS125),処理を終了する。例えば,図10に示すメッセージ作成画面220が表示されている場合において,ユーザによる送信(承認依頼)ボタンの押下操作が,送信操作となる。
図26は,本実施の形態のクライアントによる承認処理フローチャートである。
ここでは,クライアント20のメール処理機能部21による承認処理の流れの一例を説明する。
クライアント20において,メール処理機能部21は,承認者となるユーザによる承認処理操作に応じて,承認処理要求をサーバ10に送信する(ステップS130)。
メール処理機能部21は,サーバ10から承認一覧画面230の情報を受信すると(ステップS131のYES),クライアント20のディスプレイに,図11に示すような承認一覧画面230を表示する(ステップS132)。
メール処理機能部21は,承認者となるユーザによる承認を行う対象のメールを選択する操作を受け付けると(ステップS133のYES),メールの選択情報をサーバ10に送信する(ステップS134)。
メール処理機能部21は,サーバ10から承認処理画面240の情報を受信すると(ステップS135のYES),クライアント20のディスプレイに,図12に示すような承認処理画面240を表示する(ステップS136)。
メール処理機能部21は,承認者となるユーザによるコメントの入力操作がある場合には(ステップS137のYES),承認者となるユーザによるコメントの入力を受け付ける(ステップS138)。
メール処理機能部21は,ユーザによる承認結果を受け付けると(ステップS139のYES),その承認結果の情報をサーバ10に送信し(ステップS140),処理を終了する。このとき,承認結果が承認不可であれば,メール処理機能部21は,入力されたコメントの情報を承認結果と併せて送信する。例えば,図12に示す承認処理画面240が表示されている場合において,送信(承認可)ボタンや差し戻し(承認不可)ボタンの押下操作が,送信操作となる。
図27は,本実施の形態のクライアントによる承認結果対応処理フローチャートである。
ここでは,クライアント20のメール処理機能部21による承認結果対応処理の流れの一例を説明する。
クライアント20において,メール処理機能部21は,承認者となるユーザによる承認依頼状況閲覧操作に応じて,承認依頼状況閲覧要求をサーバ10に送信する(ステップS150)。
メール処理機能部21は,サーバ10から承認不可のメールがない旨を示す情報を受信すると(ステップS151のYES),クライアント20のディスプレイに,承認不可のメールがない旨を表示し(ステップS152),処理を終了する。
メール処理機能部21は,サーバ10から承認不可メール一覧画面250の情報を受信すると(ステップS153のYES),クライアント20のディスプレイに,図13に示すような承認不可メール一覧画面250を表示する(ステップS154)。
メール処理機能部21は,ユーザによる修正するメールを選択する操作を受け付けると(ステップS155のYES),メールの選択情報をサーバ10に送信する(ステップS156)。
メール処理機能部21は,サーバ10から修正画面260の情報を受信すると(ステップS157),クライアント20のディスプレイに,図14に示すような修正画面260を表示する(ステップS158)。メール処理機能部21は,修正画面260に対するユーザによる修正の入力を受け付ける(ステップS159)。
メール処理機能部21は,ユーザによる送信操作を受け付けると(ステップS160のYES),ユーザにより入力された修正メールの情報をサーバ10に送信し(ステップS161),処理を終了する。例えば,図14に示す修正画面260が表示されている場合において,ユーザによる修正(承認依頼)ボタンの押下操作が,送信操作となる。
以上,本実施の形態について説明したが,本発明はその主旨の範囲において種々の変形が可能であることは当然である。