JP2013210015A - 歯車変速機の潤滑装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】変速機室(36)に収容され、互いに平行なメイン軸(5)とカウンタ軸(6)上の複数の入力歯車(16)と出力歯車(17)との歯車対を有し、歯車対(16,17)を選択的に切り替えて変速比を切り替える歯車変速機(4)の潤滑装置(24)において、変速歯車対(16,17)の噛合部に直接オイルを供給して、噛合部(28)に到達するオイルを増量し、潤滑効率を高める方法を提供する。
【解決手段】前記変速機室(36)内に、歯車対(16,17)が噛合う噛合部(28)にオイルを噴射する複数の噴射孔(29)を備えたオイル配管(7)が、前記両歯車軸(5,6)に対して傾斜して設けられる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両用の変速機一体型内燃機関における常時噛合い式歯車変速機の潤滑装置に関するものである。
変速機一体型内燃機関の常時噛合い式歯車変速機に、オイルを供給して歯車対の噛合部の摩擦を軽減する方法が知られている。従来は変速機軸に平行なオイル供給管を通してオイルが供給される場合(例えば、特許文献1参照。)、オイル供給管の軸線と歯車対の軸線との軸間距離を縮めようとしても、その距離は歯車の径に依存するため限界があった。しかし、このようなオイル供給方法では、噛合部に到達するオイルの増量には限界があった。
特許第4717795号公報
本発明は、変速歯車対とオイル供給管との軸間距離を縮めて、噛合部に到達するオイルを増量し、潤滑効率を高める方法を提供するものである。
本発明は上記課題を解決したものであって、請求項1に記載の発明は、
変速機室(36)に収容され、互いに平行なメイン軸(5)とカウンタ軸(6)上の複数の入力歯車(16)と出力歯車(17)との歯車対を有し、該歯車対(16,17)を選択的に切り替えて変速比を切り替える歯車変速機(4)の潤滑装置(24)において、
前記変速機室(36)内に、前記メイン軸(5)とカウンタ軸(6)の各歯車対(16,17)が噛合う噛合部(28)にオイルを噴射する複数の噴射孔(29)を備えたオイル配管(7)が、前記両歯車軸(5,6)に対しては傾斜して設けられることを特徴とする歯車変速機(4)の潤滑装置(24)に関するものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の歯車変速機(4)の潤滑装置(24)において、
前記オイル配管(7)を支持する複数のオイル配管中間支持部(27)が、クランクケース(2)の変速機室(36)内壁面に突出形成されたことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の歯車変速機(4)の潤滑装置(24)において、
前記複数の噴射孔(29)が、前記オイル配管(7)の軸に沿って螺旋状に配置されていることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の歯車変速機(4)の潤滑装置(24)において、
前記オイル配管(7)が前記クランクケース(2)内に挿入可能となるよう、前記オイル配管(7)の径より大きい径のオイル配管挿入孔(34)が前記クランクケース(2)の側壁(13L)を貫通して設けられたことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の歯車変速機(4)の潤滑装置(24)において、
前記オイル配管(7)の一端には切欠き部(33)が設けられ、前記クランクケース(2)内には、前記切欠き部(33)に係合するオイル配管回り止め部片(32)の挿入孔(38)が設けられたことを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れかに記載の歯車変速機(4)の潤滑装置(24)において、
前記メイン軸(5)と前記カウンタ軸(6)は高さ方向にずらして配置され、前記オイル配管(7)はメイン軸(5)とカウンタ軸(6)との中間の高さに設置されることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の歯車変速機(4)の潤滑装置(24)において、
前記メイン軸(5)は前記カウンタ軸(6)の下方に配置され、前記オイル配管(7)は前記カウンタ軸(6)の前方に配置され、前記オイル配管(7)から両軸の歯車の噛合部(28)に向けてオイルが噴射されることを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の歯車変速機(4)の潤滑装置(24)において、
前記クランクケース(2)は上下分割式であり、その分割面(2s)で前記カウンタ軸(6)を回転自在に保持することを特徴とするものである。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項8の何れかに記載の歯車変速機(4)の潤滑装置(24)において、
前記歯車変速機(4)は、歯車軸(5c,6c)の方向に沿って、変速比が順次変化するように配置された歯車対(16,17)を備えていることを特徴とするものである。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至請求項8の何れかに記載の歯車変速機(54)の潤滑装置(84)において、
前記歯車変速機(54)は、歯車軸(55,56)の方向に沿って、変速比が順次変化するようになっていない歯車対(63,64)を備えていることを特徴とするものである。
請求項1の発明において、
歯車対(16,17)が配置された歯車変速機(4)において、オイル配管(7)が歯車軸線に対して傾斜して配置されているので、オイル配管の一方の端部を歯車軸線に近付けることができ、噛合部(28)へのオイル供給量が増え歯車変速機(4)の潤滑効率を高めることができる。
請求項2の発明において、
各オイル配管中間支持部(27)の突出量を調整することにより、オイル配管(7)と噛合部(28)の距離を調節することができる。
請求項3の発明において、
噴射孔(29)の位置を調整することによって、各噛合部(28)に向けてオイルを正確に噴射することができる。
請求項4の発明において、
前記オイル配管挿入孔(34)の径が前記オイル配管(7)の径より大きいので、同オイル配管(7)をクランクケースの側壁(13L)に対して斜めに挿入することが可能となり、組み付け性が向上する。
請求項5の発明において、
オイル配管(7)の回転が防止されるので、組み付け時に設定したオイル噴射孔(29)の正しい向きを維持することができる。
請求項6の発明において、
前記オイル配管(7)の高さを、高さ方向にずらして配置されているメイン軸(5)とカウンタ軸(6)の中間の高さに設定したことによって、前記噛合部(28)にオイルを直接供給することができる。
請求項7の発明において、
前記歯車変速機(4)の左面視において、カウンタ軸(6)は反時計回り(42)に回転し、メイン軸(5)はカウンタ軸(6)の下方で時計回り(41)に回転するので、両歯車の噛合部(28)の前側に付着したオイルも歯車(16,17)の回転の作用によって噛合部(28)へ送ることができ、潤滑効率が向上する。
請求項8の発明において、
カウンタ軸(6)はクランクケース分割面(2s)で保持され、前記オイル配管(7)は、前記カウンタ軸(6)の前方に配置されるので、カウンタ軸(6)とオイル配管(7)との位置関係が目視確認でき、整備性が良い。
請求項9の発明において、
歯車軸(5c,6c)の方向に沿って、変速比が順次変化するように配置された歯車対(16,17)を備えている歯車変速機(4)に対して本発明は適用できるので、利用範囲が広い。
請求項10の発明において、
歯車軸(55,56)の方向に沿って、変速比が順次変化するようになっていない歯車対(63,64)を備えている歯車変速機(54)に対しても本発明は適用できる。
本発明の第1実施形態に係る変速機一体型内燃機関のクランクケースの部分縦断面左面図である。 図1のII−II断面図であり、常時噛合い式歯車変速機の断面図である。 下部クランクケースを上方から見た図である。 上記オイル配管の外観図である。 潤滑装置の斜視図である。 下部クランクケースの部分左面図である。 本発明の第2実施形態に係る変速機一体型内燃機関51のクランクケース52の部分縦断面左面図である。 図7のVIII−VIII断面図であり、常時噛合い式歯車変速機の断面図である。 下部クランクケースを上方から見た図である。 上記オイル配管の外観図である。
図1は本発明の第1実施形態に係る変速機一体型内燃機関1のクランクケース2の部分縦断面左面図である。矢印Fはこの内燃機関1を自動二輪車に搭載した時の、車両の前方に対応した内燃機関1の前方を示している。この図は、主として、クランク軸3、常時噛合い式歯車変速機4のメイン軸5とカウンタ軸6、及びオイル配管7の相対位置を示すための図である。このクランクケース2は、上部クランクケース2Aと下部クランクケース2Bとからなる上下2分割型のクランクケース2である。クランクケース2の上下分割面2sにクランク軸3が支持されている。クランク軸3の後方に、常時噛合い式歯車変速機4のメイン軸5とカウンタ軸6とが設けてある。カウンタ軸6はクランクケース2の上下分割面2sに設けてある。カウンタ軸6の前方に詳細は後述するオイル配管7が設けてある。クランク軸3にはプライマリ駆動ギヤ8が設けてあり、メイン軸5に空転可能に嵌装されているプライマリ従動ギヤ9に噛合っている。下部クランクケース2Bの下面にオイルパン10が設けてある。メイン軸5の下方にオイルポンプ軸11が設けられ、その下方にオイルストレーナ12が設けてある。
図2は図1のII−II断面図であり、常時噛合い式歯車変速機4の断面図である。図において、上記変速機4のメイン軸5とカウンタ軸6は、図1に示される位置において、
クランクケース2の左側側壁13Lと右側側壁13Rに、軸受14を介してクランク軸3と平行に回転可能に支持されている。メイン軸5の右端には多板クラッチ15が設けてある。クランク軸3の右端のプライマリ駆動ギヤ8から、メイン軸5に空転可能に設けられたプライマリ従動ギヤ9が回転駆動され、プライマリ従動ギヤ9に接続されている多板クラッチ15を介してメイン軸5が回転駆動される。メイン軸5とカウンタ軸6との間には常時噛合い式歯車変速機構が構成され、メイン軸5には複数の入力歯車16がメイン軸5に対して回転不能に設けられ、カウンタ軸6には複数の出力歯車17がカウンタ軸6に対して回転可能に設けられている。常時噛合う各歯車対の噛合部28を順に結ぶ線28Xが図示してある。噛合部28の位置は高さが順に変化しているので、線28Xは傾斜している。図1には、上記噛合部を順に結ぶ線28Xの範囲が示してある。
この歯車変速機4では、カウンタ軸6の中心孔6h内に設けられたシフトロッド18及び揺動爪部材、カウンタ軸6の側方に設けられたシフトドラム19、シフトドラム19を回転駆動する変速駆動用モータ(図示なし)等からなるシフト機構によって、カウンタ軸6に嵌装されている出力歯車17のうちの任意の1個を選定しカウンタ軸6に対して固定することによって変速が行われる。カウンタ軸6の左端には車両を駆動する後輪駆動用チェーン21が係合する後輪駆動スプロケット22が設けてある。この歯車変速機の詳細については、特開2010−203479号公報に述べられている。
図3は、下部クランクケース2Bを上方から見た図である。矢印F、L、Rは、前方、左方、右方を表す。図には、クランク軸3、メイン軸5、及びカウンタ軸6の位置と、入力歯車16、出力歯車17、及びオイル配管7が示されている。メイン軸5とカウンタ軸6は、下部クランクケース2Bの左側側壁13Lと右側側壁13Rの軸受14を介して、クランク軸3と平行に支持されている。歯車変速機4は歯車軸5,6の軸線5c,6c方向に沿って変速比が順に変化するように歯車対が配置されている。下部クランクケース2Bの左側側壁13Lにオイル配管取付け部25が設けてある。クランク室35と変速機室36とを仕切る仕切壁37の2箇所にオイル配管中間支持部27が突設されている。上記仕切壁37の右部にオイル配管右端支持孔26が設けてある。オイル配管7は左側のオイル配管取付け部25と右側のオイル配管右端支持孔26と中央部の2箇所のオイル配管中間支持部27によって固定されている。オイル配管7は前記歯車16,17の各噛合部28(図1)にオイルを噴射する複数の噴射孔29(図4)を備えている。オイル配管7は、前記各噛合部28を順に結ぶ線28Xに沿って設けられるので、前記両歯車軸5,6に対しては傾斜して設けられている。並んだ噛合部28が形成する形状に沿ってオイル配管7が配置されているので、噛合部28へ確実にオイルを供給することができ、噛合部28へのオイル供給量が増え歯車変速機4の潤滑効率を高めることができる。図には、オイル配管挿入孔34の中心線34cが記載されている。
図3において、クランクケース2の上下分割面2sでカウンタ軸6が回転自在に保持され、オイル配管7はカウンタ軸6の前方に配置されている。したがって、下部クランクケース2Bを上方から見てカウンタ軸6とオイル配管7との位置関係を目視確認できるので、整備性が良い。
図4は上記オイル配管7の外観図である。図4(a)は噴射孔29がオイル配管7の軸に沿って直線状に配置されている例、図4(b)は噴射孔29がオイル配管の軸に沿って螺旋状に配置されている例である。オイル配管7の左端は開放端30となっており、オイル配管7の左端の近くには、オイル配管取付け部25との間に装着されるシール材40を嵌装するための環状凹部31が設けてある。オイル配管7の右端は閉鎖されており、先端部には後述の回り止めピン32が係合するピン係合切欠き部33が設けてある。オイル配管7の側面には、入力歯車16と出力歯車17との間の噛合部28に向けてオイルを噴射するための複数のオイル噴射孔29が設けてある。このオイル配管7は、上記オイル噴射孔29が上記噛合部28の方向へ向くようオイル配管7の軸心まわりの位置が調節された後、ピン係合切欠き部33に回り止めピン32(図5)が係合される。図4(b)の、噴射孔29がオイル配管の軸に沿って螺旋状に配置されている例では、噴射孔(29)の位置を調整することによって、各噛合部(28)に向けてオイルを正確に噴射することができる。
図5は、本実施形態の潤滑装置24の斜視図であり、下部クランクケース2Bのオイル配管取付け部25、オイル配管中間支持部27、オイル配管7等の位置が斜視図で示してある。下部クランクケース2Bの左側側壁13Lにオイル配管挿入孔34が設けてある。下部クランクケース2B内において、クランク室35と変速機室36とを仕切る仕切壁37の2箇所にオイル配管中間支持部27が突設されている。上記仕切壁37の右部にはオイル配管右端支持孔26と、同オイル配管右端支持孔26に直交するオイル配管回り止めピン挿入孔38が設けてある。オイル配管右端支持孔26は、オイル配管回り止めピン挿入孔38の周囲の壁体で行き止まりとなっている。
オイル配管7を下部クランクケース2Bに装着する場合には、前記環状凹部31にシール材40が嵌装されたオイル配管7がオイル配管挿入孔34から挿入される。挿入されたオイル配管7は右方へ進み、2箇所のオイル配管中間支持部27の各貫通孔27aの中を通過して、更に右方へ進み、オイル配管右端支持孔26に挿入され、オイル配管7の先端がオイル配管回り止めピン挿入孔38内に位置するまで進む。この時、オイル配管7の左端部は、下部クランクケース2Bの左側側壁13Lのオイル配管取付け部25に液密に装着された状態となる。オイル噴射孔29が正しく歯車の噛合部に向かうように、オイル配管7の軸心まわりの位置が調節された後、回り止めピン32がオイル配管回り止めピン挿入孔38に挿入され、オイル配管7先端の切欠き部33に係合してオイル配管7の回転が防止される。
下部クランクケース2Bの左側壁体のオイル配管挿入孔34に、オイル配管固定用部材(図示なし)が装着され、オイル配管7の左右位置が固定される。オイル配管挿入孔34の外側開口34aは蓋部材(図示なし)で閉鎖される。下部クランクケース2Bの左側側壁13L内に形成された油路39から、オイル配管挿入孔34の上記蓋部材とオイル配管7の左端部のシール材が嵌装されている環状凹部31の間の部分に供給されたオイルは、オイル配管左側の開放端30からオイル配管に入り、オイル噴射孔29から歯車の噛合部28へ向けて噴出し供給される。
前記オイル配管7を支持する複数のオイル配管中間支持部27が、クランクケース2内の仕切壁37の2箇所に突出形成されているので、各オイル配管中間支持部27の突出量を調整することにより、オイル配管と噛合部の距離を調節することができる。
オイル配管7の一端にはピン係合切欠き部33が設けられ、下部クランクケース2B内には、前記ピン係合切欠き部33に係合するオイル配管回り止めピン挿入孔38が設けられているので、オイル配管7の回転が防止され、組み付け時に設定したオイル噴射孔29の正しい向きを維持することができる。
図1においてメイン軸5とカウンタ軸6は高さ方向にずらして配置され、オイル配管7はメイン軸5とカウンタ軸6との中間の高さに設置されている。したがって、噛合部28にオイルを直接供給することが可能である。
図1において、メイン軸5はカウンタ軸6の下方に配置され、オイル配管7はカウンタ軸6の前方に配置され、オイル配管7から両軸5,6の歯車16,17の噛合部28に向けてオイルが噴射される。図1の変速機4の左面視において、メイン軸5はカウンタ軸6の下方で時計回り41に回転し、カウンタ軸6はメイン軸5の上方で反時計回り42に回転する。従って、両歯車の噛合部28の前側に付着したオイルも歯車16,17の回転の作用によって噛合部28へ送られるので、潤滑効率が高い。
図6は下部クランクケース2Bの左側側壁13Lの一部分の左面図である。図にはクランク軸3、メイン軸5、及びカウンタ軸6の位置が示され、カウンタ軸6の前方に設けられているオイル配管挿入孔34が示されている。オイル配管挿入孔34は、オイル配管7がクランクケース2内に挿入可能となるよう、オイル配管7の径より大きい径で、クランクケース2の左側側壁13Lを貫通して設けられている。オイル配管挿入孔34の径がオイル配管7の径より大きいので、同オイル配管7をクランクケース2壁面に対して斜めに挿入することが可能となり、組み付け性が向上している。
図7は本発明の第2実施形態に係る変速機一体型内燃機関51のクランクケース52の部分縦断面左面図である。矢印Fはこの内燃機関51を自動二輪車に搭載した時の、車両の前方に対応した内燃機関51の前方を示している。クランク軸53、常時噛合い式歯車変速機54のメイン軸55とカウンタ軸56、及びオイル配管57の位置は第1実施形態の変速機と同じである。又、このクランクケース52が、上部クランクケース52Aと下部クランクケース52Bとからなる上下2分割型のクランクケース52であること、及びクランクケース52の上下分割面52sにクランク軸53とカウンタ軸56とが設けてあることも第1実施形態と同じである。クランク軸53のプライマリ駆動ギヤ58、メイン軸55のプライマリ従動ギヤ59も第1実施形態と同じである。また、第1実施形態と同様に、メイン軸55はカウンタ軸56の下方で時計回り81に回転し、カウンタ軸56はメイン軸55の上方で反時計回り82に回転する。
図8は図7のVIII−VIII断面図であり、常時噛合い式歯車変速機54の断面図である。図において、上記変速機4のメイン軸55とカウンタ軸56は、図7に示される位置において、クランクケース52の左側側壁60Lと右側側壁60Rに、軸受61を介してクランク軸53と平行に回転可能に支持されている。メイン軸55の右端には多板クラッチ62が設けてある。クランク軸53の右端のプライマリ駆動ギヤ58から、メイン軸55に空転可能に設けられたプライマリ従動ギヤ59が回転駆動され、プライマリ従動ギヤ59に接続されている多板クラッチ62を介してメイン軸55が回転駆動される。メイン軸55とカウンタ軸56との間には常時噛合い式歯車変速機構が構成されている。常時噛合う各歯車対の噛合部70を順に結ぶ線70Xが図示してある。噛合部70の位置は各歯車対毎に高さが異なっているので、線70Xはジグザグ状となっている。図7には、上記噛合部70を結ぶ線70Xの範囲が示してある。
図のメイン軸55にはM1〜M6の6個の入力歯車63が設けてあり、カウンタ軸56には上記歯車M1〜M6に対応して、これらと常時噛み合うC1〜C6の6個の出力歯車64が設けてある。Mはメイン軸付属歯車、Cはカウンタ軸付属歯車、添数字1〜6は1速〜6速の変速比を決める歯車であることを示している。添字xは軸と一体またはスプライン65によって軸に固定された歯車、添字wはカラー66によって軸に保持され、軸上の所定の位置で軸に対して回転可能の空転歯車、添字sはシフターS1、S2、S3の外周に設けてある歯車を表す。シフターS1、S2、S3は、スプライン65によって軸に保持され軸に対して周方向に相対回転しないが軸方向には移動可能な部材である。軸固定歯車(添字x)とシフター外周歯車(添字s)が噛み合う相手側の歯車は空転歯車(添字w)である。空転歯車(添字w)は単独では歯車としての機能を果たせず、歯車としての機能を果たすには、シフターS1、S2、S3の何れかに係合することによって軸に固定される。シフターS1、S2、S3のボス部の周囲には、それぞれに、シフターを軸方向に駆動するためのシフトフォークが係合するシフトフォーク嵌合溝G1、G2、G3が設けてある。メイン軸55は多板クラッチ62を介して伝達されたクランク軸53の駆動力によって回転している。運転者の変速操作で動くシフトフォークF1、F2、F3(図示なし)の何れかによって選択的に駆動されるシフターS1、S2、S3の何れかの移動によって、各段の動力はメイン軸55からカウンタ軸56へ伝達され、変速が成される。この歯車変速機の詳細については、特開2009−270638号公報に述べられている。
図9は、下部クランクケース52Bを上方から見た図である。矢印F、L、Rは、前方、左方、右方を表す。図には、クランク軸53、メイン軸55、及びカウンタ軸56の位置と、入力歯車63、出力歯車64、及びオイル配管57が示されている。メイン軸55とカウンタ軸56は、下部クランクケース52Bの左側側壁60Lと右側側壁60Rの軸受61を介して、クランク軸53と平行に支持されている。下部クランクケース52Bの左側側壁60Lにオイル配管取付け部67が設けてある。クランク室67と変速機室77とを仕切る仕切壁78の2箇所にオイル配管中間支持部69が突設されている。オイル配管57は、オイル配管中間支持部69の貫通孔に通して設置される。上記仕切壁78の右部にオイル配管右端支持孔68とオイル配管回り止めピン挿入孔79が設けてある。この挿入孔79に後述の回り止めピン74が挿入される。オイル配管57は左側のオイル配管取付け部67と右側のオイル配管右端支持孔68と中央部の2箇所のオイル配管中間支持部69によって固定されている。オイル配管57は前記歯車63,64の各噛合部70(図7)にオイルを噴射する複数の噴射孔71(図10)を備えている。図には、オイル配管挿入孔83の中心線83cが記載されている。
図10は上記オイル配管57の外観図である。オイル配管57の左端は開放端72となっており、オイル配管57の左端の近くには、オイル配管取付け部67との間に装着されるシール材80を嵌装するための環状凹部73が設けてある。オイル配管57の右端は閉鎖されており、先端部には回り止めピン74が係合するピン係合切欠き部75が設けてある。噴射孔71を結ぶ線はジグザグ状となっている。これは、図8に示されるように軸方向の高さ変化が一様ではなく、高さが順に変化していない噛合部70に向けて正しくオイルを噴射するために、噴射孔71の周方向位置を変えることによって、噴射孔70が向く方向を変えているからである。これによって、噛合部70の高さが軸方向に異なっている変速機の場合でも、噛合部70へ向けて正しくオイルを噴射することができる。以上に述べた第2実施形態の潤滑装置84の配置は、第1実施形態の図5に示されているものと同様である。
2…クランクケース、2s…クランクケースの上下分割面、4…歯車変速機、5…メイン軸、5c…メイン軸の軸線、6…カウンタ軸、6c…カウンタ軸の軸線、7…オイル配管、13L…クランクケースの左側側壁、16…入力歯車、17…出力歯車、24…潤滑装置、27…オイル配管中間支持部、28…噛合部、28X…噛合部を順に結ぶ線、29…噴射孔、32…回り止めピン、33…ピン係合切欠き部、34…オイル配管挿入孔、36…変速機室、37…仕切壁、38…オイル配管回り止めピン挿入孔、54…歯車変速機、55…メイン軸、56…カウンタ軸、63…入力歯車、64…出力歯車、84…潤滑装置

Claims (10)

  1. 変速機室(36)に収容され、互いに平行なメイン軸(5)とカウンタ軸(6)上の複数の入力歯車(16)と出力歯車(17)との歯車対を有し、該歯車対(16,17)を選択的に切り替えて変速比を切り替える歯車変速機(4)の潤滑装置(24)において、
    前記変速機室(36)内に、前記メイン軸(5)とカウンタ軸(6)の各歯車対(16,17)が噛合う噛合部(28)にオイルを噴射する複数の噴射孔(29)を備えたオイル配管(7)が、前記両歯車軸(5,6)に対しては傾斜して設けられることを特徴とする歯車変速機(4)の潤滑装置(24)。
  2. 前記オイル配管(7)を支持する複数のオイル配管中間支持部(27)が、クランクケース(2)の変速機室(36)の内壁面(37)に突出形成されたことを特徴とする請求項1に記載の歯車変速機(4)の潤滑装置(24)。
  3. 前記複数の噴射孔(29)が、前記オイル配管(7)の軸に沿って螺旋状に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の歯車変速機(4)の潤滑装置(24)。
  4. 前記オイル配管(7)が前記クランクケース(2)内に挿入可能となるよう、前記オイル配管(7)の径より大きい径のオイル配管挿入孔(34)が前記クランクケース(2)の側壁(13L)を貫通して設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の歯車変速機(4)の潤滑装置(24)。
  5. 前記オイル配管(7)の一端には切欠き部(33)が設けられ、前記クランクケース(2)内には、前記切欠き部(33)に係合するオイル配管回り止め部片(32)の挿入孔(38)が設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の歯車変速機(4)の潤滑装置(24)。
  6. 前記メイン軸(5)と前記カウンタ軸(6)は高さ方向にずらして配置され、前記オイル配管(7)はメイン軸(5)とカウンタ軸(6)との中間の高さに設置されることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の歯車変速機(4)の潤滑装置(24)。
  7. 前記メイン軸(5)は前記カウンタ軸(6)の下方に配置され、前記オイル配管(7)は前記カウンタ軸(6)の前方に配置され、前記オイル配管(7)から両軸の歯車の噛合部(28)に向けてオイルが噴射されることを特徴とする請求項6に記載の歯車変速機(4)の潤滑装置。
  8. 前記クランクケース(2)は上下分割式であり、その分割面(2s)でカウンタ軸(6)を回転自在に保持することを特徴とする請求項7に記載の歯車変速機(4)の潤滑装置(24)。
  9. 前記歯車変速機(4)は、歯車軸(5,6)の方向に沿って、変速比が順次変化するように配置された歯車対(16,17)を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の歯車変速機(4)の潤滑装置(24)。
  10. 前記歯車変速機(54)は、歯車軸(55,56)の方向に沿って、変速比が順次変化するようになっていない歯車対(63,64)を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の歯車変速機(54)の潤滑装置(84)。
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