JP2013185687A - 車両用変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】変速機ケースに貯留された油の排出作業や油面調整作業などの作業性を向上させると共に、適正な油量に設定可能な車両用変速機を提供する。
【解決手段】車両に搭載可能な変速機構を収容すると共に、車両に搭載されたときに重力方向において下方に変速機構の潤滑または作動用の油82を貯留可能な変速機ケース80を備えた車両用変速機において、変速機ケース80に穿設される油の排出孔84に一端90aが位置させられると共に、他端90bが排出孔より重力方向において上方に位置させられるパイプ90と、排出孔84に取り付け自在とされると共に、パイプ90の一端90aにシール部材(Oリング)104を介して接合される中空部92aを有する第1の栓(第1のボルト)92と、中空部92aを封止可能な第2の栓(第2のボルト)94とを備えるように構成する。
【選択図】図4

Description

この発明は車両用変速機に関し、より具体的には変速機構を収容する変速機ケースを備えた車両用変速機に関する。
従来より、車両に搭載される原動機(例えば内燃機関)の出力を入力して変速して車輪に伝達する変速機構と、変速機構を収容すると共に、車両に搭載されたときに重力方向において下方に変速機構の潤滑等に用いられる油を貯留可能な変速機ケースとを備えた車両用変速機が種々提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1記載の技術にあっては、変速機ケースに油の排出孔と、排出孔より重力方向において上方に油面調整孔とを穿設すると共に、各孔を栓で封止するように構成される。上記した変速機において、変速機ケースの油を交換するとき、作業者は先ず排出孔の栓を取り外して油を排出し、次いで排出孔を栓で閉じる一方、油面調整孔の栓を取り外して変速機ケースに油を供給する。そして、油が油面調整孔から溢れ出たところで油面調整孔を栓で閉じ、よって変速機ケース内の油量は油面調整孔付近に調整される。
実開平5−3722号公報
しかしながら、上記の如く排出孔と油面調整孔を変速機ケースの別々の場所に設けるように構成すると、それぞれの孔に対して排出作業または油面調整作業を行うこととなるため、作業性が低下するという不具合が生じていた。
また、変速機における適正な油量は、搭載される車両や変速機構の種類によって相違する。そのため、上記の如く変速機ケースに油面調整孔を穿設するように構成した場合、油量を車両の種類等に応じて適正な値に変更するには、変速機ケースを製作する金型自体を変更する必要があり、結果としてコストアップを招くという不都合があった。
この発明の目的は上記した課題を解決し、変速機ケースに貯留された油の排出作業や油面調整作業などの作業性を向上させると共に、適正な油量に設定可能な車両用変速機を提供することにある。
上記した目的を達成するために、請求項1にあっては、車両に搭載可能な変速機構と、前記変速機構を収容すると共に、前記車両に搭載されたときに重力方向において下方に前記変速機構の潤滑または作動用の油を貯留可能な変速機ケースとを備えた車両用変速機において、前記変速機ケースに穿設される前記油の排出孔に一端が位置させられると共に、他端が前記排出孔より前記重力方向において上方に位置させられるパイプと、前記排出孔に取り付け自在とされると共に、前記パイプの一端にシール部材を介して接合される中空部を有する第1の栓と、前記中空部を封止可能な第2の栓とを備える如く構成した。
請求項2に係る車両用変速機にあっては、前記変速機ケースは、少なくとも第1のケースと第2のケースを含む複数個のケースからなると共に、前記排出孔は前記第1のケースに穿設され、前記パイプは前記第1のケースに取り付けられ、前記第2のケースにおいて前記パイプと隣接する位置に突起が形成される如く構成した。
請求項3に係る車両用変速機にあっては、前記変速機ケースの底面から前記パイプの他端までの高さは、前記車両または前記変速機構の種類に応じて設定される如く構成した。
請求項4に係る車両用変速機にあっては、前記第1の栓は第1のねじ山が螺刻されたボルトからなり、前記排出孔は内径側に前記第1のねじ山に対応する第2のねじ山が螺刻され、前記第2の栓は第3のねじ山が螺刻されたボルトからなり、前記第1の栓の中空部は内径側に前記第3のねじ山に対応する第4のねじ山が螺刻されると共に、前記排出孔と前記第1の栓の間および前記第1の栓と前記第2の栓の間に第2のシール部材が介挿される如く構成した。
請求項5に係る車両用変速機にあっては、前記変速機ケースの前記排出孔より前記重力方向において上方に前記油の供給孔が穿設される如く構成した。
請求項1に係る車両用変速機にあっては、変速機構を収容する変速機ケースに穿設される油の排出孔に一端が位置させられると共に、他端が排出孔より重力方向において上方に位置させられるパイプと、排出孔に取り付け自在とされると共に、パイプの一端にシール部材を介して接合される中空部を有する第1の栓と、第1の栓の中空部を封止可能な第2の栓とを備えるように構成したので、排出孔に油面調整の機能を持たせることで(排出孔と油面調整孔を同一とすることで)変速機ケースの孔を共有化できると共に、油の排出作業と油面調整作業を一箇所で行うことができ、作業性を向上させることができる。
即ち、変速機が例えば自動変速機(AT)の場合に変速機ケースの油を交換するとき、作業者は先ず第1、第2の栓を共に取り外して排出孔から油を全量排出し、次いで排出孔に第1、第2の栓を取り付けて排出孔を塞ぎ、変速機ケースに新しい油をパイプの他端を超える程度まで供給する。そして内燃機関を一時的に始動させて油圧ポンプ、油圧ポンプと各種クラッチなどとを接続する油路、トルクコンバータなどに油を充填させ、その後内燃機関を停止させると共に、第2の栓を第1の栓から取り外す。
これによってパイプの他端よりも上側にある油は、パイプの他端からパイプの内部、第1の栓の中空部を通って変速機ケース外部に流出する(油を減量する)。作業者は中空部から油が出きったところで、第2の栓で第1の栓の中空部を封止する。これにより、変速機ケース内の油量はパイプの他端付近に調整されることとなる。このように、油の排出作業と油面調整作業を排出孔のある一箇所で行うことができ、作業性を向上させることができる。
尚、変速機が例えば手動変速機(MT)の場合の油の交換について説明すると、作業者は先ず第1、第2の栓を共に取り外して排出孔から油を全量排出し、次いで排出孔に第1の栓を取り付け、変速機ケースに新しい油を供給する。このとき、パイプの一端と第1の栓の中空部はシール部材を介して接合されるため、パイプと中空部の間から油が漏れ出すことはない。
その後、油量がパイプの他端まで到達すると、油はパイプの他端からパイプの内部に流れ込み、第1の栓の中空部を通って変速機ケース外部に溢れ出す。作業者は中空部から油が出るのを確認したところで、油の供給を停止すると共に、第2の栓で中空部を封止する。これにより、変速機ケース内の油量はパイプの他端付近に調整されることとなる。このように、MTの場合であっても油の排出作業と油面調整作業を排出孔のある一箇所で行うことができ、作業性を向上させることができる。
また、例えばパイプの他端の位置(正確には、変速機ケースの底面からパイプの他端までの高さ)を、車両または変速機構の種類に応じて設定(変更)することで、変速機ケース内の油量を適正な値に設定することも可能となる。また、変速機ケースの油量をパイプの他端の位置を変更するだけで調整できる、換言すれば、変速機ケースの金型を変更することなく油量を調整できるため、コスト的にも有利である。
請求項2に係る車両用変速機にあっては、変速機ケースは、少なくとも第1のケースと第2のケースを含む複数個のケースからなると共に、排出孔は第1のケースに穿設され、パイプは第1のケースに取り付けられ、第2のケースにおいてパイプと隣接する位置に突起が形成されるように構成したので、上記した効果に加え、例えば第1の栓を排出孔に取り付ける際、一端が排出孔に位置させられるパイプが第2のケース側に押されて変位することもあるが、そのような場合であってもパイプは第2のケース側に形成された突起に当接させられて変位が抑制されるため、パイプの落下や変形を防止できると共に、油面の高さの安定化を図ることができる。
請求項3に係る車両用変速機にあっては、変速機ケースの底面からパイプの他端までの高さは、車両または変速機構の種類に応じて設定されるように構成したので、上記した効果に加え、変速機ケースの油量(油面高さ)を車両または変速機構の種類に応じた適正な値に容易に設定することができる。
請求項4に係る車両用変速機にあっては、第1の栓は第1のねじ山が螺刻されたボルトからなり、排出孔は内径側に第1のねじ山に対応する第2のねじ山が螺刻され、第2の栓は第3のねじ山が螺刻されたボルトからなり、第1の栓の中空部は内径側に第3のねじ山に対応する第4のねじ山が螺刻されると共に、排出孔と第1の栓の間および第1の栓と第2の栓の間に第2のシール部材が介挿されるように構成したので、上記した効果に加え、第1の栓と排出孔、第2の栓と第1の栓の中空部、排出孔と第1の栓の間、および第1の栓と第2の栓の間を簡易な構成でシール性を向上できると共に、油の排出や油面調整に伴う第1、第2の栓の取り付け、取り外し作業を容易に行うことができる。
請求項5に係る車両用変速機にあっては、変速機ケースの排出孔より重力方向において上方に油の供給孔が穿設されるように構成したので、上記した効果に加え、変速機ケースに供給孔を介して容易に油を供給することが可能となる。
この発明の実施例に係る車両用変速機を全体的に示す概略図である。 図1に示すMケースを取り外した状態のTCケースを、Mケースの取り付け側から見たときの側面図である。 図2に示すTCケースにおいて破線で囲まれた部分を拡大して示す拡大側面図である。 TCケースとMケースを閉じ合わせた状態での図3のIV−IV線断面図である。 図4に示す第1、第2のボルトが排出孔から取り外された状態を示す、図4と同様な断面図である。 図4に示す第1のボルトのみが排出孔に取り付けられた状態を示す、図4と同様な断面図である。
以下、添付図面を参照してこの発明に係る車両用変速機を実施するための形態について説明する。
図1はこの発明の実施例に係る車両用変速機を全体的に示す概略図である。
図1において、符号Tは車両用変速機を示す。車両用変速機Tは変速機構10を備え、変速機構10は車両(図示せず)に搭載される、前進8速で後進1速の変速段を有するツインクラッチ型の自動変速機構からなると共に、D,P,R,Nのレンジを有する。
変速機構10は、エンジン(内燃機関。原動機)Eのクランクシャフトに接続される駆動軸Eaにトルクコンバータ12を介して接続される偶数段入力軸14を備えると共に、偶数段入力軸14と平行して奇数段入力軸16を備える。エンジンEは例えばガソリンを燃料とする火花点火式の内燃機関からなる。
トルクコンバータ12はエンジンEの駆動軸Eaに直結されるドライブプレート12aに固定されるポンプインペラ12bと、偶数段入力軸14に固定されるタービンランナ12cと、ロックアップクラッチ12dを有し、よってエンジンEの駆動力(回転)はトルクコンバータ12を介して偶数段入力軸14に伝達される。
偶数段入力軸14と奇数段入力軸16と平行にアイドル軸18が設けられる。偶数段入力軸14はギヤ14a、ギヤ18aを介してアイドル軸18に接続されると共に、奇数段入力軸16はギヤ16a、ギヤ18aを介してアイドル軸18と接続され、よって偶数段入力軸14と奇数段入力軸16とアイドル軸18はエンジンEの回転につれて回転する。
また、第1副入力軸20と第2副入力軸22とが奇数段入力軸16と偶数段入力軸14の外周にそれぞれ同軸かつ相対回転自在に配置される。
奇数段入力軸16と第1副入力軸20は第1クラッチ24を介して接続されると共に、偶数段入力軸14と第2副入力軸22も第2クラッチ26を介して接続される。第1、第2クラッチ24,26は共に油圧作動の湿式多板クラッチからなる。
偶数段入力軸14と奇数段入力軸16の間には、偶数段入力軸14と奇数段入力軸16と平行に出力軸28が配置される。偶数段入力軸14と奇数段入力軸16とアイドル軸18と出力軸28はベアリング30で回転自在に支承される。
奇数段側の第1副入力軸20には1速ドライブギヤ32と、3速ドライブギヤ34と、5速ドライブギヤ36と、7速ドライブギヤ38が固定されると共に、偶数段側の第2副入力軸22には2速ドライブギヤ40と4速ドライブギヤ42と6速ドライブギヤ44と8速ドライブギヤ46が固定される。
出力軸28には1速ドライブギヤ32と2速ドライブギヤ40に噛合する1速−2速ドリブンギヤ48と、3速ドライブギヤ34と4速ドライブギヤ42に噛合する3速−4速ドリブンギヤ50と、5速ドライブギヤ36と6速ドライブギヤ44と噛合する5速−6速ドリブンギヤ52と、7速ドライブギヤ38と8速ドライブギヤ46と噛合する7速−8速ドリブンギヤ54が固定される。
アイドル軸18には、出力軸28に固定される1速−2速ドリブンギヤ48と噛合するRVS(後進)アイドルギヤ56が回転自在に支持される。アイドル軸18とRVSアイドルギヤ56はRVSクラッチ58を介して接続される。
RVSクラッチ58は、第1、第2クラッチ24,26と同様、油圧作動の湿式多板クラッチからなるが、第1、第2クラッチ24,26に比して小径で摩擦材枚数も少なく構成される。
奇数段入力軸16には1速ドライブギヤ32と3速ドライブギヤ34を選択的に第1副入力軸20に固定する1−3速シンクロ機構60と、5速ドライブギヤ36と7速ドライブギヤ38を選択的に第1副入力軸20に固定する5−7速シンクロ機構62が配置される。
偶数段入力軸14には2速ドライブギヤ40と4速ドライブギヤ42を選択的に第2副入力軸22に固定する2−4速シンクロ機構64と、6速ドライブギヤ44と8速ドライブギヤ46を選択的に第2副入力軸22に固定する6−8速シンクロ機構66が配置される。
エンジンEの駆動力は、第1クラッチ24あるいは第2クラッチ26が係合されるとき、奇数段入力軸16から第1副入力軸20あるいは偶数段入力軸14から第2副入力軸22に伝達され、さらに上記したドライブギヤとドリブンギヤを介して出力軸28に伝達される。
尚、後進時には、エンジンEの駆動力は、偶数段入力軸14、ギヤ14a、ギヤ18a、RVSクラッチ58、アイドル軸18、RVSアイドルギヤ56、1速−2速ドリブンギヤ48を介して出力軸28に伝達される。
出力軸28はギヤ70を介してディファレンシャル機構72に接続され、ディファレンシャル機構72はドライブシャフト74を介して車輪76に接続される。
図示の如く、変速機構10とディファレンシャル機構72は変速機ケース80に収容される。具体的には、変速機ケース80は、トルクコンバータ12を収容するTCケース(トルクコンバータケース。第1のケース)80aと、入出力軸14,16,28やディファレンシャル機構72などの本体部分を収容するMケース(ミッションケース。第2のケース)80bを含む複数個(具体的には2個)のケースからなる。
変速機ケース80は、TCケース80aとMケース80bの接合側80a1,80b1をシール材(図示省略)を介して対面させつつ、多数のボルト(図示せず)で締結されることで液密に閉じ合わされる。Mケース80bにおいてTCケース80aとの接合面80b1と反対側の面80b2にはLサイドカバー80cが多数のボルト(図示せず)で締結固定されると共に、Lサイドカバー80cによって第1、第2クラッチ24,26が被覆される。
図2はMケース80bを取り外した状態のTCケース80aを、Mケース80bの取り付け側から見たときの側面図であり、図3は図2において破線で囲まれた部分を拡大して示す拡大側面図である。また、図4はTCケース80aとMケース80bを閉じ合わせた状態での図3のIV−IV線断面図である。
TCケース80aとMケース80bからなる変速機ケース80は、車両に搭載されたときに重力方向(図の上下方向)において下方に変速機構10の潤滑または作動用の油(潤滑油/作動油)82(図4に示す)を貯留可能に構成される。尚、「変速機構10の潤滑または作動用の油」とは、第1、第2クラッチ24,26、RVSクラッチ58、シンクロ機構60,62,64,66などの作動用と、それらと1速ドライブギヤ32などの各種ギヤの潤滑用の油を意味し、具体的にはATFからなる。
TCケース80aの側面であって重力方向において下方(具体的には、TCケース80aの底面80a3に近接する位置)には、油82の排出孔84が穿設される。排出孔84は、図3に良く示す如く、側面視略円形形状を呈するように形成される。
また、図2にMケース80bの一部を想像線で示す如く、排出孔84より重力方向において上方で、かつMケース80bの上面側には、油82を外部からケース内に供給(注入)するための供給孔86が穿設される。
車両用変速機Tはさらに、側面視L字状を呈するパイプ90と、排出孔84に取り付け自在とされると共に、中空部92aを有する第1のボルト(排出用ドレンボルト(中空ボルト)。第1の栓)92と、中空部92aを封止可能な第2のボルト(油面調整用シーリングボルト。第2の栓)94とを備える。
具体的には、パイプ90は中空であり、その一端90aが排出孔84の中央付近に位置させられると共に、排出孔84から離間した位置で重力方向において上方に向けて湾曲させられ、他端90bは排出孔84より重力方向において上方に位置させられる。パイプ90の外径は、図4などから分かるように、排出孔84の孔径よりも小さくなるように設定される。
また、パイプ90の他端90bの位置、正確には変速機ケース80の底面80a3からパイプ90の他端90bまでの高さHは、車両の種類(車種)または変速機構10の種類(例えば自動変速機(AT)、手動変速機(MT)や無段変速機(CVT)など。この実施例では自動変速機)に応じて適宜に設定される。
パイプ90の他端90b付近にはステー90cが設けられ、ステー90cにはボルト96が挿通可能な挿通孔(図で見えず)が穿設される。一方、TCケース80aの側面であってパイプ90のステー90cが取り付けられるべき位置には、ボルト96に対応する雌ねじが螺刻された開口部100a(図4にのみ示す)を有するパイプ取り付け部100が形成される。従って、ステー90cの挿通孔とパイプ取り付け部100の開口部100aを重ねつつボルト96を挿通して締結されることで、パイプ90はTCケース80aに取り付けられる(固定される)。
また、図4に示すように、Mケース80bにおいてパイプ90と隣接する位置、正確にはパイプ90の湾曲部分90cから所定距離だけ重力方向において上方の部位90dと隣接する位置には、突起(リブ)102が形成される。突起102は、TCケース80aの排出孔84が設けられる側面に向けて突出すると共に、その先端はパイプ90の部位90dに近接するように形成される。具体的に、突起102の先端とパイプ90の部位90dの離間距離は例えば数mm程度とされる。
第1のボルト92の軸部の外周側92bには第1のねじ山(雄ねじ)が螺刻される一方、排出孔84の内径側84aには第1のねじ山に対応する第2のねじ山(雌ねじ)が螺刻される。これにより、第1のボルト92は排出孔84に取り付け自在とされる。
第1のボルト92が排出孔84に取り付けられるとき、パイプ90の一端90aは第1のボルト92の中空部92aに挿通される。中空部92aの内径側92a1においてパイプ90が挿通されるべき位置には、Oリング(シール部材)104が配置される。よって第1のボルト92が排出孔84に取り付けられるとき、中空部92aは、パイプ90の一端90a付近にOリング104を介して液密に接合される。
第2のボルト94の軸部の外周側94aには第3のねじ山(雄ねじ)が螺刻され、第1の栓92の中空部92aの内径側92a1には第3のねじ山に対応する第4のねじ山(雌ねじ)が螺刻される。これにより、第2のボルト94は中空部92aに取り付け自在とされると共に、中空部92aに取り付けられるときに中空部92aを封止可能とされる。
第1のボルト92の緩みトルク(ボルトを緩めるのに必要なトルク)は、第2のボルト94のそれに比して高くなるように設定される。従って、第2のボルト94を緩める方向に回転させた場合であっても、それに伴って第1のボルト92に緩みが発生することはない。
また、排出孔84と第1のボルト92(正確には第1のボルト92の頭部)の間には、第1のシールワッシャ(第2のシール部材)106が介挿される。同様に、第1のボルト92(正確には第1のボルト92の頭部)と第2のボルト94(正確には第2のボルト94の頭部)の間には、第2のシールワッシャ(第2のシール部材)110が介挿される。
次いで、上記の如く構成された車両用変速機Tにおいて、油82の交換作業、詳しくは変速機ケース80に貯留された油82を排出し、新しい油82を変速機ケース80に供給(注入)して油面を調整する作業について説明する。
先ず第1のボルト92が作業者(図示せず)によって排出孔84から取り外される。前述の如く、第1のボルト92の中空部92aに第2のボルト94が取り付けられているため、このとき第2のボルト92も一緒に取り外される。
図5は、その第1、第2のボルト92,94が排出孔84から取り外された状態を示す、図4と同様な断面図である。
第1、第2のボルト92,94が取り外されると、図5に矢印Aで示す如く、油82がパイプ90と排出孔84の間の隙間からケース外部に排出される。油82が概ね排出されて排出作業が終了すると、次いで油面調整作業が行われる。具体的には、作業者によって第1のボルト92と第2のボルト94が排出孔84に取り付けられる、即ち、図4に示すように排出孔84が塞がれた状態となる。
次いで、図示は省略するが、変速機ケース80に新しい油82が供給孔86から供給され、油面がパイプ90の他端90bを超える程度まで注入される。そしてエンジンEを一時的に始動させて油圧ポンプ(図示せず)、油圧ポンプと各種クラッチ(第1、第2クラッチ24,26など)を接続する油路(図示せず)、トルクコンバータ12などに油82(作動油)を充填させ、その後エンジンEを停止させると共に、第2のボルト94を第1のボルト92から取り外す。
図6は、第2のボルト94を取り外して第1のボルト92のみが排出孔84に取り付けられた状態を示す、図4と同様な断面図である。
第2のボルト94を取り外すことによって、パイプ90の他端90bよりも上側にある油82は、図6に矢印Bで示す如く、パイプ90の他端90bからパイプ90の内部、一端90a、第1のボルト92の中空部92aを通ってケース外部に流出する(油82を減量する)。その後、中空部92aから油82が出きったところで、第2のボルト94が作業者によって中空部92aに取り付けられて封止される、即ち、図4に示す状態となる。
これにより、変速機ケース80内に油82が貯留される共に、その油量はパイプ90の他端90b付近に調整されて油面調整作業が終了する。
尚、第1のボルト92が排出孔84に取り付けられて、パイプ90の一端90aが中空部92aに挿通される際、図6に矢印Cで示す如く、パイプ90がMケース80b側に押されて変位(移動)することもある。しかしながら、そのような場合であっても、パイプ90(具体的には部位90d)はMケース80b側に形成された突起102に当接させられるため、その変位は抑制されることとなる。
また、上記においては、理解の便宜のため、初めに変速機ケース80に貯留された油82を排出する作業から説明したが、当然ながら車両用変速機Tを工場などで組み立てた直後は、先ず油82を供給する作業(油面調整作業)が行われることは言うまでもない。
上記した如く、この実施例にあっては、車両に搭載可能な変速機構10と、前記変速機構10を収容すると共に、前記車両に搭載されたときに重力方向において下方に前記変速機構10の潤滑または作動用の油82を貯留可能な変速機ケース80とを備えた車両用変速機Tにおいて、前記変速機ケース80に穿設される前記油82の排出孔84に一端90aが位置させられると共に、他端90bが前記排出孔より前記重力方向において上方に位置させられるパイプ90と、前記排出孔84に取り付け自在とされると共に、前記パイプ90の一端90aにシール部材(Oリング)104を介して接合される中空部92aを有する第1の栓(第1のボルト)92と、前記中空部92aを封止可能な第2の栓(第2のボルト)94とを備える如く構成したので、排出孔84に油面調整の機能を持たせることで(排出孔と油面調整孔を同一とすることで)変速機ケース80の孔を共有化できると共に、油82の排出作業と油面調整作業を一箇所で行うことができ、作業性を向上させることができる。
即ち、変速機が例えば自動変速機(AT)の場合に変速機ケース80の油82を交換するとき、作業者は先ず第1、第2のボルト92,94を共に取り外して排出孔84から油を全量排出し、次いで排出孔84に第1、第2のボルト92,94を取り付けて排出孔84を塞ぎ、変速機ケース80に新しい油82をパイプ90の他端90bを超える程度まで供給する。そしてエンジンEを一時的に始動させて油圧ポンプ、油圧ポンプと各種クラッチなど(第1、第2クラッチ24,26など)とを接続する油路、トルクコンバータ12などに油82(作動油)を充填させ、その後エンジンEを停止させると共に、第2のボルト94を第1のボルト92から取り外す。
これによってパイプ90の他端90bよりも上側にある油82は、パイプ90の他端90bからパイプ90の内部、第1のボルト92の中空部92aを通って変速機ケース80外部に流出する(油を減量する)。作業者は中空部92aから油82が出きったところで、第2のボルト94で第1のボルト92の中空部92aを封止する。これにより、変速機ケース80内の油量はパイプ90の他端90b付近に調整されることとなる。このように、油82の排出作業と油面調整作業を排出孔84のある一箇所で行うことができ、作業性を向上させることができる。
尚、変速機が例えば手動変速機(MT)の場合の油82の交換について説明すると、作業者は先ず第1、第2のボルト92,94を共に取り外して排出孔84から油82を全量排出し、次いで排出孔84に第1のボルト92を取り付け、変速機ケース80に新しい油82を供給する。このとき、パイプ90の一端90aと第1のボルト92の中空部92aはOリング104を介して接合されるため、パイプ90と中空部92aの間から油82が漏れ出すことはない。
その後、油量がパイプ90の他端90bまで到達すると、油82はパイプ90の他端90bからパイプ90の内部に流れ込み、第1のボルト92の中空部92aを通って変速機ケース80外部に溢れ出す。作業者は中空部92aから油82が出るのを確認したところで、油82の供給を停止すると共に、第2のボルト94で中空部92aを封止する。これにより、変速機ケース80内の油量はパイプ90の他端90b付近に調整されることとなる。このように、MTの場合であっても油82の排出作業と油面調整作業を排出孔84のある一箇所で行うことができ、作業性を向上させることができる。
また、例えばパイプ90の他端90bの位置(正確には、変速機ケース80の底面80a3からパイプ90の他端90bまでの高さ)を、車両または変速機構10の種類に応じて設定(変更)することで、変速機ケース80内の油量を適正な値に設定することも可能となる。また、変速機ケース80の油量をパイプ90の他端90bの位置を変更するだけで調整できる、換言すれば、変速機ケース80の金型を変更することなく油量を調整できるため、コスト的にも有利である。
また、前記変速機ケース80は、少なくとも第1のケース(TCケース)80aと第2のケース(Mケース)80bを含む複数個のケースからなると共に、前記排出孔84は前記第1のケース80aに穿設され、前記パイプ90は前記第1のケース80aに取り付けられ、前記第2のケース80bにおいて前記パイプ90と隣接する位置に突起102が形成される如く構成した。
これにより、例えば第1のボルト92を排出孔84に取り付ける際、一端90aが排出孔84に位置させられるパイプ90がMケース80b側に押されて変位することもあるが、そのような場合であってもパイプ90はMケース80b側に形成された突起102に当接させられて変位が抑制されるため、パイプ90の落下や変形を防止できると共に、油面の高さの安定化を図ることができる。
また、前記変速機ケース80の底面80a3から前記パイプ90の他端90bまでの高さHは、前記車両または前記変速機構10の種類に応じて設定される如く構成したので、変速機ケース80の油量(油面高さ)を車両または変速機構10の種類に応じた適正な値に容易に設定することができる。
また、前記第1の栓92は第1のねじ山(雄ねじ)が螺刻されたボルトからなり、前記排出孔84は内径側84aに前記第1のねじ山に対応する第2のねじ山(雌ねじ)が螺刻され、前記第2の栓94は第3のねじ山(雄ねじ)が螺刻されたボルトからなり、前記第1の栓92の中空部92aは内径側92a1に前記第3のねじ山に対応する第4のねじ山(雌ねじ)が螺刻されると共に、前記排出孔84と前記第1の栓92の間および前記第1の栓92と前記第2の栓94の間に第2のシール部材(第1、第2のシールワッシャ)106,110が介挿される如く構成した。
これにより、第1のボルト92と排出孔84、第2のボルト94と第1のボルト92の中空部92a、排出孔84と第1のボルト92の間、および第1のボルト92と第2のボルト94の間を簡易な構成でシール性を向上できると共に、油82の排出や油面調整に伴う第1、第2のボルト92,94の取り付け、取り外し作業を容易に行うことができる。
また、前記変速機ケース80の前記排出孔84より前記重力方向において上方に前記油82の供給孔86が穿設される如く構成したので、変速機ケース80に供給孔84を介して容易に油82を供給することが可能となる。
尚、上記において、変速機構10をツインクラッチ型の自動変速機構で説明したが、ツインクラッチ型の自動変速機構は例示した構成に止まらず、どのような構成であっても良く、さらにはその他のATあるいはMT,CVTなどであっても良い。
また、車両に搭載される原動機としてエンジンを例示したが、それに限られるものではなく、エンジンと電動機とのハイブリッドであっても良く、また電動機であっても良い。
T 車両用変速機(自動変速機)、E エンジン(原動機)、10 変速機構、80 変速機ケース、80a TCケース(第1のケース)、80a3 変速機ケースの底面、
80b Mケース(第2のケース)、82 油、84 排出孔、86 供給孔、90 パイプ、90a (パイプの)一端、90b (パイプの)他端、92 第1のボルト(第1の栓)、92a 中空部、94 第2のボルト(第2の栓)、102 突起、104 Oリング(シール部材)、106 第1のシールワッシャ(第2のシール部材)、110 第2のシールワッシャ(第2のシール部材)

Claims (5)

  1. 車両に搭載可能な変速機構と、前記変速機構を収容すると共に、前記車両に搭載されたときに重力方向において下方に前記変速機構の潤滑または作動用の油を貯留可能な変速機ケースとを備えた車両用変速機において、前記変速機ケースに穿設される前記油の排出孔に一端が位置させられると共に、他端が前記排出孔より前記重力方向において上方に位置させられるパイプと、前記排出孔に取り付け自在とされると共に、前記パイプの一端にシール部材を介して接合される中空部を有する第1の栓と、前記中空部を封止可能な第2の栓とを備えることを特徴とする車両用変速機。
  2. 前記変速機ケースは、少なくとも第1のケースと第2のケースを含む複数個のケースからなると共に、前記排出孔は前記第1のケースに穿設され、前記パイプは前記第1のケースに取り付けられ、前記第2のケースにおいて前記パイプと隣接する位置に突起が形成されることを特徴とする請求項1記載の車両用変速機。
  3. 前記変速機ケースの底面から前記パイプの他端までの高さは、前記車両または前記変速機構の種類に応じて設定されることを特徴とする請求項1または2記載の車両用変速機。
  4. 前記第1の栓は第1のねじ山が螺刻されたボルトからなり、前記排出孔は内径側に前記第1のねじ山に対応する第2のねじ山が螺刻され、前記第2の栓は第3のねじ山が螺刻されたボルトからなり、前記第1の栓の中空部は内径側に前記第3のねじ山に対応する第4のねじ山が螺刻されると共に、前記排出孔と前記第1の栓の間および前記第1の栓と前記第2の栓の間に第2のシール部材が介挿されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両用変速機。
  5. 前記変速機ケースの前記排出孔より前記重力方向において上方に前記油の供給孔が穿設されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の車両用変速機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107178604A (zh) * 2016-03-11 2017-09-19 丰田自动车株式会社 动力传递装置的润滑结构

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