JP2013208519A - 分離膜エレメントおよび膜モジュール - Google Patents

分離膜エレメントおよび膜モジュール Download PDF

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健太 岩井
Shuji Furuno
修治 古野
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善文 尾高
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Abstract

【課題】優れた分離膜機能を有する分離膜の特性を阻害することなく、高い透過性能と高い耐久性能を両立する分離膜エレメントを提供する。
【解決手段】本発明の分離膜エレメントは、周縁部が封止された分離膜と、前記分離膜の透過側の面に対向するように配置される支持体と、前記分離膜の透過側の面のみに接着する樹脂部と、を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、飲料水製造、浄水処理、廃水処理などの水処理分野、食品工業分野に好適な分離膜エレメントに関する。
近年、下水や廃水の浄化に使われるようになってきている平膜状や中空糸膜状の分離膜は、分離膜を配設した膜分離エレメントや、このエレメントの複数を配置した膜分離モジュールの装置で水浄化処理に使用されている。膜分離エレメントによる分離法に使用される分離膜には、その孔径や分離機能の点から、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜、正浸透膜などがあり、これらの膜は、例えば海水、かん水、有害物を含んだ水などから飲料水を得る場合や、工業用超純水の製造、排水処理、有価物の回収などに用いられており、目的とする分離成分及び分離性能によって使い分けられている。
特許文献1は、平膜エレメント及びその製造方法として、2枚の平膜の周縁端面が樹脂接着剤で封止された袋状の平膜エレメントを提案している。
特許文献2には、第1濾過メンブラン、熱可塑性重合体からなる第1接着性ネット、排液織布、熱可塑性重合体の第2接着性ネット、および第2濾過メンブランを備えたフィルター複合材料が記載されている。第1および第2濾過メンブランは、排液織布に、第1および第2接着性ネットにより接着される。
特許文献3には、膜支持体の表面を濾過膜で覆った濾過膜モジュールにおいて、膜支持体の表面に膜透過液の流路となる凹部を形成した濾過膜モジュールが提案されている。
特許文献4には、濾過膜と、該濾過膜を支持する支持体とを有する濾過膜エレメントにおいて、支持体が不透水性の材料からなり、かつ、濾過膜を支持する範囲に複数個の突起を有している濾過膜エレメントが提案されている。

特開2000−117067 特表2011−519716 特開1994−178920 特開2005−270905
特許文献1の技術では、ろ過時に向かい合う分離膜の透過側の面が接触することで、透過水量が低下するおそれがある。さらに、特許文献1は周縁のみを樹脂で固定しているため、下廃水用途で頻繁に行われるブロアによる上方気流や振動によって、平膜エレメントが破損し易いという問題がある。
特許文献2の技術では、透過水が織布を通るときの流動抵抗が大きいので、大きな透過水量を得にくいという問題がある。
特許文献3の技術では、流動抵抗を小さくするために凹部を増加させると、ブロアの応力により支持体の凹部を起点に支持体が破損するおそれがある。また、低流動抵抗と、高支持体強度を両立させようとすると、必然的に支持体の厚みが大きくなり、高コストの要因となる。
特許文献4の技術では、支持体の突起部分がブロアや濾過により、濾過膜と繰り返し接触するため濾過膜の変形を引き起こし、濾過膜を破損させるおそれがある。
本発明は、従来の技術の上述した問題点を解決して、透過水量と耐久性を向上させ得る技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の分離膜エレメントは、周縁部が封止された分離膜と、前記分離膜の透過側の面に対向するように配置される支持体と、前記分離膜の透過側の面のみに接着する樹脂部と、を備える。
本発明によって、安定した透過側流路を形成するとともに、ブロアや濾過に際した破損を低減することができ、高い透過性能と高い耐久性能を両立する分離膜エレメントを得ることができる。
本発明の実施形態にかかる図面であり、分離膜の透過側の面に対する樹脂部および樹脂層の投影図である。 本発明の実施形態にかかる分離膜エレメントの図面であり、分離膜の厚み方向に平行な平面における分離膜エレメントの断面図である。 本発明の実施形態にかかる分離膜エレメントの図面であり、分離膜の厚み方向に平行な平面における分離膜エレメントの断面図である。 他の実施形態にかかる分離膜エレメントの図面であり、分離膜の厚み方向に平行な平面における分離膜エレメントの断面図である。 本発明の実施形態の分離膜モジュールを備える水処理装置の一例を示す模式図である。 膜エレメントに用いられる固定治具の一例を示す平面図である。 比較例の構成を示す断面図である。
図1−図4に示すように、分離膜エレメント1A、1B、1Cは、分離膜2、周縁の樹脂層6、内側の樹脂部7、支持体8を備える。また、分離膜2と支持体8との間には、間隙5が設けられている。図3−図4の2枚の分離膜2は対を構成している。分離膜対において、分離膜2は、その透過側の面が互いに対向するように配置され、その間に支持体8と所定の間隙5が配置される。なお、分離膜2と樹脂部7とで構成される分離膜複合体を単に「複合体」と称することがある。
ここで、分離膜の透過側が互いに対向するとは2枚の分離膜の透過側が向かい合うように配置されることである。向かい合う2枚の分離膜を、「分離膜対」と称する。なお、対を形成する分離膜は、分離可能な2枚の分離膜であってもよいし、折り畳まれた1枚の分離膜であってもよい。対向する分離膜の透過側面の間には、支持体8が設けられる。
分離膜2は、基材4と、基材4に積層された分離機能層3とを備える。基材4の表面のうち、分離機能層3とは反対側の表面が、分離膜2の透過側になる。なお本発明において分離膜2の構成は図示の例に限定されるものではない。分離膜とは、分離膜表面に供給される流体中の成分を分離し、分離膜を透過した透過流体を得るものであれば限定されない。分離膜としては、例えば、分離機能層、多孔性支持層、基材を備えることができる。
分離膜の分離機能層の厚みが大きいとひび割れなどの欠陥が生じにくく、薄いと透水量が高く維持される。分離機能層の厚みは、通常0.001〜0.5mm(1μm〜500μm)、好ましくは0.05〜0.2mm(50μm〜200μm)の範囲で選定することが好ましい。
分離機能層としては、孔径制御、耐久性の点で架橋高分子が好ましく使用され、成分の分離性能の点で、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを重縮合させてなる分離機能層、有機無機ハイブリッド機能層などが好ましい。これらの分離機能層は、基材上に設けられた多孔性支持層の上に形成されることが好ましい。また、分離機能層は、セルロース膜、ポリフッ化ビニリデン膜、ポリエーテルスルホン膜、ポリスルホン膜のような多孔性支持層であって、分離機能と支持体機能との両方を有する層であってもよい。つまり、分離機能層と多孔性支持層とが、単一の層で実現されてもよい。特に、分離膜は、好ましくは基材と分離機能層とからなり、分離機能層はポリフッ化ビニリデン系樹脂からなることが好ましい。
ここで、基材と分離機能層との間には、当該分離機能層を構成する樹脂と基材とが混在する層が介在していることが好ましい。基材表面から内部にポリフッ化ビニリデン系ブレンド樹脂が入り込むことで、いわゆるアンカー効果によって分離機能層が基材に堅固に定着され、分離機能層が基材から剥がれるのを防止できるようになる。分離機能層は、基材に対して、片面に偏って存在しても構わないし、また、両面に存在しても構わない。分離機能層は、基材に対して、対称構造であっても、非対称構造であっても構わない。また、分離機能層が基材に対して両面に存在している場合には、両側の分離機能層が、基材を介して連続的であっても構わないし、不連続であっても構わない。
分離機能層と基材で形成された分離膜において、基材は、分離機能層を支持して分離膜に強度を与える機能をもつ。基材を構成する材質としては、有機基材、無機基材等、特に限定されないが、軽量化しやすい点から、有機基材が好ましい。有機基材としては、セルロース繊維、セルローストリアセテート繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維などの有機繊維からなる織編物や不織布があげられる。なかでも、密度の制御が比較的容易な不織布が特に好ましい。
図2と図4の形態においては、樹脂層6は、分離膜の周縁に樹脂部7と間隙5を囲むように配置され、樹脂層6は支持体と接着することで分離膜の間隙を封止する。
また、図3の形態においては、樹脂層6は、分離膜の周縁に樹脂部7と支持体8と間隙5を囲むように配置され、樹脂層6は、分離膜対において向かい合う2つの透過側面の両方に接着することで、分離膜対における分離膜の間隙を封止する。こうして、袋状膜が形成される。
なお、封止とは、接着、圧着、溶着、融着、折り畳み等によって、供給水が袋状膜の内部に直接には流入しないように(つまり分離膜を通過しない供給水が流入しないように)することである。
また「内側」は、分離膜の透過側の表面のうち周縁を除いた表面をいう。特に、分離膜が袋状膜を形成している場合、封止部分で囲まれた部分が「内側」に相当する。
図2‐図4に示すように、樹脂体7が支持体8に接触することで、濾過圧力負荷時にも間隙5が確保される。また、間隙5を形成する内側の樹脂部7は分離膜の透過側の面に接着により固定されているため、樹脂部7および支持体8は、ブロアや濾過によって分離膜への接触を繰り返すことがなく、膜劣化を引き起こしにくい。さらに、エレメントの内部に支持体を有しているため、ブロアの上方気流や振動に対してエレメントの歪みが少なく破損を防げる。
樹脂部7は、片方の分離膜の透過側の面のみに接着している。つまり、分離膜対を形成する他方の分離膜には接着しておらず、また支持体8にも接着していない。
分離膜の基材の中に、樹脂部7の樹脂の成分が含浸していてもよい。例えば、分離膜の透過側の基材に樹脂を配置し、分離膜の分離機能層表面から加熱すると、分離膜の透過側から機能層面に向かって、樹脂の含浸が進行する。このように含浸が進行するに従い樹脂と基材との接着が強固となる。
エレメントにおいて、分離膜の透過側に所定の間隙を確保することにより、分離膜を透過した透過水の流動抵抗を小さくすることができる。通常、エレメントにおいて分離膜の透過側にスペーサ等の部材を設けないと、分離膜の透過側同士が密着するので、透過液の流動抵抗が大きくなり、その結果透過液の水量が低下する。
分離膜の透過側の間隙は、50μm以上5000μm以下の範囲が好ましい。分離膜の間隙が、5000μmを超えると、水処理運転中のエアレーション操作により気泡が膜面に激しく衝突し破損するおそれがある。また、分離膜の間隙が、50μm未満であると、透過側の内側の空間が狭く透過液の流動抵抗が大きくなり透過液の水量が低下してしまう。よって、本発明の構成によれば、透過液の流路を安定に確保でき、薬液による透過側の洗浄も可能となる。分離膜の間隙は、さらに好ましくは500μm以上3000μm以下の範囲である。
分離膜の面積に対する樹脂部の面積割合が大きいと、濾過圧力負荷時の分離膜の落ち込みを抑制することができ、分離膜の破損を抑制できる。また、上記面積割合が小さいと、樹脂により流路を阻害することができ、透過液の水量を増やすことができる。そのため、内側の樹脂部の面積割合は、1%以上70%以下の範囲になるようにすることが好ましい。さらに好ましくは10%以上50%以下の範囲である。
また、エレメントとして所望の効果が損なわれない範囲であれば、樹脂部を膜表面上部から観察した場合の形状は特に限定されない。例えば図1の投影図において、楕円形の複数の樹脂部7が設けられている。つまり、樹脂部7はドット状に配置されている。樹脂部の投影形状は、この例に限定されることはなく、円形、多角形、不定形などのドット状、或いは直線、曲線、波線、ジグザグなどの線状に形成することができる。また、ドット状の樹脂の配置は格子状、千鳥状など特に限定されない。内側の樹脂部の形状を調整することにより、要求される分離特性や透過性能の条件を満足するように、エレメントを設計することができる。
また、分離膜の厚み方向に平行な断面において、樹脂部の形状は、円形、楕円形、正方形、長方形、平方四辺形、台形、三角形等に変更可能である。
樹脂部の分離膜への投影像は、不連続であることが好ましい。つまり、1枚の分離膜に、分離膜の平面方向において、2つ以上の樹脂部が間隔をおいて配置されることが好ましい。より具体的には、分離膜の透過側表面の内側部分において、5cm四方あたり1個以上、5個以上、または10個以上の樹脂部が設けられることが好ましい。また、5cm四方あたり100個以下、50個以下、または30個以下の樹脂部が設けられることが好ましい。
周縁の樹脂層および内側の樹脂部を構成する成分としては特に限定されないが、耐薬品性の点で、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンや共重合ポリオレフィンなどが好ましく、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などのポリマーも選択できる。ただし、熱可塑性重合体であれば成形が容易であるため、樹脂の形状を均一にできる。
融点が高い熱可塑性重合体であると、分離膜に樹脂を接着させるときに分離機能層を溶かしてしまうおそれがあり、溶融温度が低すぎると運転中に分離膜の内側から剥がれるおそれがある。そのため、樹脂としては、融点が80℃〜200℃の範囲の熱可塑性重合体が好ましい。
分離膜の透過側の周縁と内側の一部に樹脂を接着させる方法は特に限定されないが、処理温度や選択する樹脂の種類を変更することで、要求される分離特性や透過性能の条件を満足できるように自由に樹脂の形状を調整することができる。
なお、樹脂層6および樹脂部7には、同じ樹脂が適用されてもよいし、異なる樹脂が適用されてもよい。
エレメントにおいて、分離膜の透過側に支持体を有することにより、下廃水用途で頻繁に行われるブロアによる上方気流や振動に対しての歪みが少なくなるため、エレメントの破損を防ぐことができる。
支持体の材質は、実用に耐え得る強度を有するものであれば特に制限されないが、ASTM試験法のD638における引っ張り強さが15MPa以上の剛性を有する物質であることが好ましく、可塑性を有しない剛体、例えば、金属や樹脂、セラミック製のものが好ましく用いられる。
金属としては、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス、銅、黄銅(真織)、青銅、ジュラルミンや、2種以上の金属元素を有する合金を用いることができる。
樹脂としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂(ユリア樹脂)、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド、シリコーン樹脂、及びジアリルフタレート樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂)、変性ポリフェニレンオキシド樹脂(例えば、変性ポリフェニレンエーテル樹脂)、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂、アクリルニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、あるいはこれらの混合物やポリマーアロイを挙げることができる。また、これらをガラス繊維や炭素繊維で強化した複合材料も用いることができる。
セラミックとしては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化セリウム、窒化珪素などを用いることができる。
支持体として、ゼオライトや活性炭などの吸着剤を混在させたものも好適に用いることができる。また、図3に示す形態において、支持体は分離膜に固定されていないため、使用後に洗浄して再利用することも可能である。吸着剤は除去対象物質により適宜選択すればよいが、例えばセリウム系吸着剤,ジルコニウム系吸着剤,活性アルミナ系吸着剤,マグネシア吸着剤,ハイドロタルサイト系吸着剤,ゼオライト系吸着剤,活性炭,イオン交換樹脂などを挙げることができる。なかでも、ゼオライトを用いれば放射性セシウムやアンモニアの吸着が可能であり、活性炭を用いれば色素成分や臭気成分の吸着が可能となり、下廃水処理水質の向上が可能となるため特に好ましい。
支持体の形状は特に制限されないが、強度や流動抵抗の面から、平板状であることが好ましい。また、平板状の支持体においては、強度を損なわない程度に溝などの流路加工があっても良い。ただし、支持体の表面が平坦であると、支持体表面との擦過による樹脂部7の劣化が起きにくく、支持体の加工にかかるコスト面も低減できると考えられる。平坦とは、通常の工程によって得られる平板状の部材において、凹凸加工や湾曲加工などされていない、一般的な平板に用いられる程度の平坦さを意味するものである。
図2に示す形態では、分離膜2が封止用の樹脂層6によって支持体8に、固定されている。また、図2では、分離膜2は対を形成しておらず、1枚の分離膜2が支持体8の片面のみに対向するように配置されている。図3に示す形態では、支持体8は、袋状の膜の内部に、封止用の樹脂層6から離れて配置される。図4に示す形態は、支持体8が、樹脂層6によって分離膜2の間に固定されている以外は、図3に示す形態と同様である。つまり、図4に示す形態では、分離膜2の周縁部において、分離膜2、樹脂層6、支持体8、樹脂層6、分離膜2が、この順に重ねられている。
次に、分離膜を製造する方法について説明する。この分離膜は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂及び開孔剤などを含む製膜原液を、基材の片表面若しくは両表面に付着させ、非溶媒を含む凝固液中で凝固させ分離機能層を形成することにより製造することができる。このとき、基材の表面に製膜原液を付着させる手段は、製膜原液の塗布でもよく、また、基材を製膜原液に浸漬でもよい。基材に製膜原液を塗布する場合には、基材の片面に塗布しても構わないし、両面に塗布しても構わない。基材とは別に分離機能層のみを形成した後に両層を接合することでもよい。
そして、製膜原液を凝固させるにあたっては、基材上の分離機能層形成用製膜原液被膜のみを凝固液に接触させるのでもよいし、また、分離機能層形成用製膜原液被膜を基材ごと凝固液に浸漬するのでもよい。分離機能層形成用製膜原液被膜のみを凝固液に接触させるためには、例えば、基材上に形成された製膜原液被膜が下側に来るようにして凝固浴表面と接触させる方法や、ガラス板、金属板などの平滑な板の上に基材を接触させて、凝固浴が基材側に回り込まないように貼り付け、製膜原液被膜を有する基材を板ごと凝固浴に浸漬する方法などがある。後者の方法では、基材を板に貼り付けてから製膜原液の被膜を形成しても構わないし、基材に製膜原液の被膜を形成してから板に貼り付けても構わない。
そして、製膜原液には、前記したポリフッ化ビニリデン系樹脂の他に、必要に応じて開孔剤やそれらを溶解する溶媒等を添加してもよい。
製膜原液に多孔質形成を促進する作用を持つ開孔剤を加える場合、その開孔剤は、凝固液によって抽出可能なものであればよく、凝固液への溶解性の高いものが好ましい。たとえば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレン類や、ポリビニールアルコール、ポリビニールブチラール、ポルアクリル酸などの水溶液高分子やグリセリンを用いることもできる。
また、本発明において、開孔剤としては、ポリオキシアルキレン構造又は、脂肪酸エステル構造又は水酸基を含有している界面活性剤を用いることができる。界面活性剤の使用により、目的とする細孔構造を得ることが容易になる。
ポリオキシアルキレン構造としては、
−(CHCHO)−、−(CHCH(CH)O)−、
−(CHCHCHO)−、−(CHCHCHCHO)
などを挙げることができるが、特に親水性の観点から、
−(CHCHO)
で表されるいわゆるポリオキシエチレンが好ましい。
脂肪酸エステル構造としては、長鎖脂肪族基を有する脂肪酸が挙げられる。長鎖脂肪族基としては、直鎖状、分岐状いずれでも良いが、脂肪酸としては、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パルミチン酸などが挙げられる。また、油脂由来の脂肪酸エステル、例えば牛脂、パーム油、ヤシ油等も挙げられる。
水酸基を有する界面活性剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、ソルビトール、ブドウ糖、ショ糖などを挙げることができる。
開孔剤として用いる界面活性剤は、ポリオキシアルキレン構造、脂肪酸エステル構造、水酸基のうち2つ以上を含むものが好ましい。
中でも、ポリオキシアルキレン構造、脂肪酸エステル構造及び水酸基の全てを含有している界面活性剤が特に好ましく用いられ、たとえば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとして、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとして、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコールを挙げることができる。これらの界面活性剤は特に無機微粒子の分散性をよくするだけでなく、多孔質層に残存し乾燥させても透水性、阻止性が低下しないという特徴を併せ持つので好ましい。
また、製膜原液中に、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、他の有機樹脂及び開孔剤などを溶解させるための溶媒を用いる場合、その溶媒としては、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、メチルエチルケトンなどを用いる事ができる。中でもポリフッ化ビニリデン系樹脂に対する溶解性の高いNMP、DMAc、DMF、DMSOを好ましく用いることができる。
製膜原液には、その他、非溶媒を添加することもできる。非溶媒は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂や他の有機樹脂を溶解しないものであり、ポリフッ化ビニリデン系樹脂及び他の有機樹脂の凝固の速度を制御して細孔の大きさを制御するように作用する。非溶媒としては、水や、メタノール、エタノールなどのアルコール類を用いることができる。なかでも廃水処理の容易さや価格の点から水、メタノールが好ましい。これらの混合であってもよい。
製膜原液の組成において、ポリフッ化ビニリデン系樹脂は5重量%〜30重量%、開孔剤は0.1重量%〜15重量%、溶媒は45重量%〜94.8重量%、非溶媒は0.1重量%〜10重量%範囲内であることが好ましい。中でも、ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、極端に少ないと多孔質層の強度が低くなり、多すぎると透水性が低下することがあるので、8重量%〜20重量%の範囲がより好ましい。開孔剤は、少なすぎると透水性が低下し、多すぎると多孔質層の強度が低下することがある。また、極端に多いとポリフッ化ビニリデン系樹脂中に過剰に残存して使用中に溶出し、透過水の水質が悪化したり、透水性変動をしたりすることがある。したがって、より好ましい範囲は、0.5重量%〜10重量%である。さらに、溶媒は少なすぎると原液がゲル化しやすくなり、多すぎると多孔質層の強度が低下することので、より好ましくは60重量%〜90重量%の範囲である。また、非溶媒は、あまり多いと原液のゲル化が起こりやすくなり、極端に少ないと細孔やマクロボイドの大きさの制御が難しくなる。したがって、より好ましくは0.5重量%〜5重量%である。
一方、凝固浴としては、非溶媒、または非溶媒と溶媒とを含む混合溶液を用いることができる。製膜原液にも非溶媒を用いる場合、凝固浴における非溶媒は、凝固浴の少なくとも80重量%とするのが好ましい。少なすぎるとポリフッ化ビニリデン系樹脂の凝固速度が遅くなり細孔径が大きくなったりする。より好ましくは、85重量%〜100重量%の範囲である。一方、製膜原液に非溶媒を用いない場合、製膜原液にも非溶媒を用いる場合よりも、凝固浴における非溶媒の含有量を少なくすることが好ましいが、少なくとも60重量%とするのが好ましい。非溶媒が多いと、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の凝固速度が速くなって多孔質層の表面は緻密となり透水性が低下することがある。より好ましくは60重量%〜99重量%の範囲がよい。凝固浴中の非溶媒の含有量を調整することにより、多孔質層表面の孔径やマクロボイドの大きさを制御することができる。なお、凝固浴の温度は、あまり高いと凝固速度が速すぎるようになり、逆に、あまり低いと凝固速度が遅すぎるようになるので、通常、15℃〜80℃の範囲で選定するのが好ましい。より好ましくは20℃〜60℃の範囲である。
本発明は、逆浸透膜、ナノろ過膜、限外ろ過膜、精密ろ過膜のいずれにも適用することができる。また、分離の対象である物質の大きさに応じて適当な一種以上の膜を選択、組み合わせればよいが、下廃水処理用としては特に限外ろ過膜、精密ろ過膜が好ましい。
エレメントは、分離膜対および集水口を備えることができる。分離膜によってろ過された透過水は樹脂の間の空間を流れ、集水口を通って膜エレメント外部へ取り出される。
膜エレメント型は本発明が適応可能であれば特に限定されないが、下排水処理における原水の水質の点から、平板状の膜エレメントが好ましい。
膜エレメントの集水口は所望の効果が損なわれない範囲であれば、分離膜対の端部であっても内側にあっても特に限定されてない。例えば、下廃水処理用途に好適に用いることができる膜エレメントの形態の一例としては、分離膜対の端部に集水口を設け、集水口をサポートする固定治具に分離膜対を取り付けることが好ましい。
例えば、膜エレメントは、図1‐図4のいずれかに示す構成と、図6に示す固定治具9とを備えてもよい。固定治具9は、分離膜対の周縁に(分離膜の矩形の一辺に沿うように)、分離膜対の分離膜2の間に挟まれるように配置される。固定治具9には集水管91が通っており、集水管91の端部が集水口として機能する。透過水は間隙5から集水管91を通って、分離膜エレメントの外部へと排出される。なお、上述したように、集水口を設ける位置は、分離膜対の端部に限定されるものではなく、内側の領域であってもよい。
また、この膜エレメントは複数個をハウジング内に収容した構造の膜モジュールとして使用することができる。また膜エレメントの複数個を並列に配列した状態で固定させた構造の膜モジュールにして、廃水等の被処理液が貯留された槽内に浸漬され、膜ろ過に使用することができる。これら膜エレメントや膜モジュールには、分離膜を透過した透過液を集液する集液手段が付設され、液体処理装置として下廃水の処理等に用いることができる。
続いて、上記膜エレメントを複数枚ハウジングに収容した膜モジュールおよびその使用方法を図5に例示した下廃水処理装置に基づいて説明する。図5において、膜モジュール10は複数枚の膜エレメント11が、互いに平行に、かつ、隣接する膜エレメント11の膜面間に空間ができるようにハウジング内に収納されて構成されている。この膜モジュールは、膜浸漬水槽12に貯えた有機性廃水などの被処理水に浸漬するようにして使用される。膜モジュール10の内部には鉛直方向に装填された複数枚の膜エレメント11と、その下方に散気装置13が設けられている。散気装置13はブロア14からの気体を分離膜の膜面に供給する。また、膜モジュール10よりも下流側には透過水22を吸引するポンプ15を設けている。
膜エレメント11としては、エレメント1A、1B、1Cが好適に用いられる。
このように構成された下廃水処理装置において、廃水などの被処理液は、ポンプの吸引力により分離膜を通過する。この際、被処理液中に含まれる微生物粒子、無機物粒子などの懸濁物質がろ過される。そして、分離膜を通過した透過水は、分離膜の透過側に流れ分離膜対の端部に配置された集水口を通って被処理水槽の外部に取り出される。一方、ろ過と並行して散気装置が気泡を発生し、その気泡のエアリフト作用によって生じる、膜エレメントの膜面に平行な上昇流が、膜面に堆積したろ過物を離脱させる。
もちろん、被処理液としては、下廃水に限られるのではなく、水処理分野であれば浄水処理、上水処理、排水処理、工業用水製造などで利用でき、河川水、湖沼水、地下水、海水、下水、排水などを被処理水とすることができる。
実施例、比較例における分離膜の透水量と内側の樹脂部の面積割合、透過側の間隙は、次のように測定した。
[分離膜エレメントの透水量]
後述の方法で作成した分離膜を12cm角で2枚切り出し、各実施例、比較例に記載された方法で分離膜対を作成した。得られた分離膜対に集水口のついた固定治具を取り付け、高さ20cm、幅20cm、奥行き20cm水槽に浸漬させ、水頭高さ1mで蒸留水を25℃で、水頭高さ1mで5分間予備透過させた後、続けて蒸留水を透過させて透過水を5分間採取することにより透水量を測定する。
[内側の樹脂部の面積割合]
樹脂部が設けられた分離膜の内側を5cm角に切り出し、市販のスキャナーで画像を取り込み、この画像を明度差により2値化処理して、平面方向における個々の樹脂部の面積を測定した。この面積の総和を、膜表面に垂直な方向から樹脂部を投影した時に得られる投影面積とみなし、この投影面積を膜の内側の面積(封止部分の内側の面積)で割った値を算出した。
[透過側の間隙]
樹脂部が設けられた分離膜の内側を5cm角に切り出し、樹脂部断面積をマイクロスコープ(キーエンス社製 型式:VHX−1100)で測定し、間隙を算出した。
[アンモニア濃度]
アンモニア濃度はインドフェノール青法を用いて、吸光度から定量した。
(実施例1)
製膜原液用の樹脂成分としてポリフッ化ビニリデン(PVDF/呉羽化学工業株式会社製、KF#850)を用いた。また、開孔剤としてモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、非溶媒としてHOをそれぞれ用いた。これらを95℃の温度下で十分に攪拌し、次の組成を有する製膜原液を作製した。
ポリフッ化ビニリデン(PVDF) :17.0重量%
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン: 8.0重量%
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF) :72.0重量%
O : 3.0重量%
基材として、密度0.42g/cm、サイズ50cm幅×150cm長の長方形のポリエステル繊維製不織布を用いて、上記製膜原液を30℃に冷却した後、基材に塗布し、塗布後、直ちに20℃の純水中に5分間浸漬し、さらに90℃の熱水に2分間浸漬して溶媒であるN,N−ジメチルホルムアミドおよび開孔剤であるモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンを洗い流し、さらに、75℃の熱風乾燥機にて30分間乾燥して分離膜を製造した。
次に、得られた分離膜から12cm角で1枚の切片を切り出し、分離膜の透過側に、変性オレフィン系樹脂(東亞合成、商品名:EV165)を、ホットメルトアプリケーター(サンツール社製 装置名:CF−03SS−S)を用いて、樹脂温度150℃、走行速度12m/minで塗布した。このとき、分離膜の外周部分、つまり周縁部には、幅5mm、高さ3mm程度の大きさで樹脂を塗布した。また、内側の領域には、ドット形状で長さ4mm、幅4mm、縦間隔5mm、横間隔3mm、高さ1mm程度の大きさになるように、樹脂を塗布した。その後、分離膜の透過側面の上に長さ12cm、幅12cm、厚み3mmのSUS304製の板を載せ、周縁部を120℃に加熱したアルミ版で30分間挟み接着させた(分離膜の形態は図2と同様)。
こうして得られた分離膜対の透過側の間隙は、1mm(1000μm)であった。また、内側の樹脂部の面積割合は21%であった(図1参照)。
さらに、端部に集水口用の固定治具を取り付け、分離膜の透水性能(透水量)を測定したところ、24.3×10−9/m/s/Paであった。なお、それら結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1と同様の手順で得られた分離膜から12cm角で2枚の切片を切り出した。この分離膜の透過側に、変性オレフィン系樹脂(東亞合成、商品名:EV165)を、ホットメルトアプリケーター(サンツール社製 装置名:CF−03SS−S)を用いて、樹脂温度150℃、走行速度12m/minで塗布した。このとき、分離膜の外周部分、つまり周縁部には、幅5mm、高さ3mm程度の大きさで樹脂を塗布した。また、内側の領域には、ドット形状で長さ4mm、幅4mm、縦間隔5mm、横間隔3mm、高さ1mm程度の大きさになるように、樹脂を塗布した。
その後、分離膜の透過側面の上に長さ11cm、幅11cm、厚み1mmのSUS304製の板を載せ、さらに透過側面が向かい合うようにもう1枚の分離膜をのせ、周縁部を120℃に加熱したアルミ版で30分間挟み接着させた(分離膜対の形状は図3と同様)。
こうして得られた分離膜対の透過側の間隙は、1mm(1000μm)であった。また、内側の樹脂部の面積割合は21%であった(図1参照)。
さらに、端部に集水口用の固定治具を取り付け、分離膜の透水性能(透水量)を測定したところ、24.8×10−9/m/s/Paであった。なお、それら結果を表1に示す。
(実施例3)
分離膜の透過側の間隙を2mm(2000μm)となるように、変性オレフィン系樹脂を塗布する高さを変更した以外は、実施例2と同様に分離膜エレメントを作製および評価したところ、分離膜の透水性能は25.8×10−9/m/s/Paであり、実施例2とほぼ同等の値であった。なお、それら結果を表1に示す。
(実施例4)
分離膜の透過側の間隙を5mm(5000μm)となるように、変性オレフィン系樹脂を塗布する高さを変更した以外は、実施例2と同様に分離膜エレメントを作製および評価したところ、分離膜の透水性能は25.5×10−9/m/s/Paであり、実施例2とほぼ同等の値であった。なお、それら結果を表1に示す。
(実施例5)
分離膜の透過側の間隙を2mm(2000μm)とし、内側の樹脂部の面積割合が30%となるように、変性オレフィン系樹脂を塗布するドット形状の大きさおよび縦横間隔を変更した以外は、実施例2と同様に分離膜エレメントを作製および評価したところ、分離膜の透水性能は25.9×10−9/m/s/Paであり、実施例2とほぼ同等の値であった。なお、それら結果を表1に示す。
(実施例6)
分離膜の透過側内側の樹脂の形状はストライプ形状で内側の樹脂部の面積割合が31%となるようにした以外は、実施例5と同様に分離膜エレメントを作製および評価したところ、分離膜の透水性能は25.3×10−9/m/s/Paであり、実施例2とほぼ同等の値であった。なお、それら結果を表1に示す。
(実施例7)
分離膜の透過側の内側の樹脂部の面積割合が57%となるようにした以外は、実施例6と同様に分離膜エレメントを作製および評価したところ、分離膜の透水性能は24.1×10−9/m/s/Paと僅かに、実施例2よりも低い値であった。なお、それら結果を表1に示す。
(比較例1)
分離膜の透過側の周囲のみに樹脂を塗布し、支持板を除いた以外は、実施例2と同様に分離膜エレメントを作製および評価した。分離膜の透過側の間隙は0.4mm以下(400μm以下)であり、分離膜の透水性能は6.3×10−9/m/s/Paと実施例1の1/4程度の値であった。なお、それら結果を表1に示す。
(比較例2)
分離膜の透過側の周囲のみに樹脂を塗布し、さらに流路用のネット(厚み:700μm、ピッチ:5mm×5mm、繊維径:780μm、投影面積比:0.30)を挟み込んだこと以外は、実施例2と同様に分離膜エレメントを作製および評価をしたところ、分離膜の透水性能は16.2×10−9/m/s/Paと実施例1の3/5程度の値であった。なお、それら結果を表1に示す。
(実施例8)
支持体を、長さ11cm、幅11cm、厚み1mmの合成ゼオライト含有セラミックス製(Na−X:10wt%)に変更した以外は、実施例2と同様に分離膜エレメントを作製した。透水量評価用の蒸留水をアンモニア濃度10mg/Lとなるように調整し評価したところ、得られた処理水のアンモニア濃度は0mg/Lであり、アンモニア除去が確認された。なお、それら結果を表2に示す。
(実施例9)
支持体サイズを長さ100cm、幅50cmにした実施例2と同様の構成の分離膜エレメントを、高さ150cm、幅70cm、奥行き30cm水槽に浸漬させ、20L/分の条件で50時間ブロアを行った後、引き上げて観察したところ、外観に変化は見られなかった。なお、それら結果を表3に示す。
(実施例10)
支持体を長さ100cm、幅50cm、厚み3mmのアクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂製に変更し、形状を図4の様式にした分離膜エレメントを、実施例3と同様の方法で作成した。
こうして得られたエレメントの透過側の間隙は、2mm(2000μm)であった。また、内側の樹脂部の面積割合は21%であった。
さらに、端部に集水口用の固定治具を取り付け、分離膜の透水性能(透水量)を測定したところ、25.2×10−9/m/s/Paであった。
このエレメントを実施例9と同様の条件でブロアを行った後、引き上げて観察したところ、外観に変化は見られなかった。なお、それら結果を表3に示す。
(比較例3)
実施例10の分離膜エレメントと同形状の間隙を形成するように加工した長さ100cm、幅50cmの支持体(図7の符号8参照)を用いて、分離膜の透過側の周囲のみに樹脂を塗布した以外は、実施例10と同様の方法でエレメントを作成した(図7参照)。
端部に集水口用の固定治具を取り付け、分離膜の透水性能(透水量)を測定したところ、24.2×10−9/m/s/Paであった。
このエレメントを実施例9と同様の条件でブロアを行った後、引き上げて観察したところ、支持体が破損し、エレメントが折れ曲がっていた。なお、それら結果を表3に示す。
Figure 2013208519
Figure 2013208519
Figure 2013208519
1A、1B、1C、1D 分離膜エレメント
2 分離膜
3 分離機能層
4 基材
5 間隙
6 周縁の樹脂層
7 内側の樹脂部
8 支持体
10 膜モジュール
11 膜エレメント
12 膜浸漬水槽
13 散気装置
14 ブロア
15 吸引ポンプ
20 被処理水入口
21 被処理水出口
22 透過水

Claims (11)

  1. 周縁部が封止された分離膜と、
    前記分離膜の透過側の面に対向するように配置される支持体と、
    前記分離膜の透過側の面のみに接着する樹脂部と、を備える分離膜エレメント。
  2. 前記分離膜として、透過側の面が互いに対向するように配置されることで分離膜対を形成する2枚の分離膜を備え、
    前記樹脂部は、それぞれの分離膜の透過側の面に接着する請求項1に記載の分離膜エレメント。
  3. 前記樹脂部が、封止された周縁部よりも内側の領域に配置されている、請求項1または2に記載の分離膜エレメント。
  4. 前記支持体が、前記分離膜に対して、封止された周縁部よりも内側の領域に配置されている、
    請求項2に記載の分離膜エレメント。
  5. 前記分離膜の内側の面積に対する前記樹脂部の面積比が、1%以上70%以下である請求項1から4のいずれかに記載の分離膜エレメント。
  6. 前記分離膜と前記支持体との間に50μm以上5000μm以下の間隙が設けられている請求項1から5のいずれかに記載の分離膜エレメント。
  7. 前記樹脂部が、融点が80〜200℃である熱可塑性重合体で形成されている請求項1から6のいずれかに記載の分離膜エレメント。
  8. 前記分離膜が、分離機能層と基材とを備える請求項1から7のいずれかに記載の分離膜エレメント。
  9. 前記支持体が、ゼオライトまたは活性炭を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の分離膜エレメント。
  10. 前記支持体が、平坦な平板状であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の分離膜エレメント。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の膜エレメントを備える膜モジュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106925128A (zh) * 2016-05-23 2017-07-07 中科瑞阳膜技术(北京)有限公司 一种膜生物反应器及其卷式膜组件

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