JP2013208033A - 回転電機の電機子及びこれを備えた回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストが安くかつスロット内で隣接する電線同士の短絡が起こりにくい回転電機の電機子を提供する。
【解決手段】周方向に複数のスロット12が設けられた電機子鉄心11と、スロットに挿入され電機子鉄心に巻回された電機子巻線と、電機子鉄心と電機子巻線とを絶縁するインシュレータ100を備え、インシュレータは、スロットの深さに対応した幅を有する絶縁板材を折り曲げて形成した第1の折り曲げ絶縁体110と、これと同等形状の第2の折り曲げ絶縁体120を組み合わせて形成され、この組み合わせのためにスリット113,123を形成し、各スリット同士を嵌め合わせることでスロットの深さに対応した幅を有しかつスロット内でこれら絶縁体が協働してスロットに挿入する隣接する電線同士互いに絶縁して挿入する電線個別収容空間101,102をスロットに挿入する電線の本数に合わせて形成している。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばハイブリッド型の自動車や電気自動車等に好適に用いられる回転電機の電機子及びこれを備えた回転電機に関する。
従来から例えばハイブリッド型の自動車や電気自動車等に好適に用いられる回転電機が知られている(例えば、特許文献1参照)。係る特許文献1において開示された回転電機は、電機子の電導コイルの絶縁のための絶縁構造を有している。具体的には、電機子となる鉄心の各スロットに複数の電導コイルを挿入した構造をとるにあたって、電導コイル絶縁被覆が剥がれたりしても隣り合う電導コイル同士が短絡しないように、絶縁板を略S字状(角形S字状)に折り曲げて形成した絶縁部材を各スロットに挿入した後、電導コイルを構成する電線を挿入して各電線を絶縁部材で囲むようにしている。
特開2009−195009号公報
上述した特許文献1のような絶縁板を角形S字状に折り曲げて形成した絶縁部材(インシュレータ)を用いる場合、絶縁板を折り曲げて絶縁部材にするまで何度も折り曲げなければならず、絶縁部材を形成するにあたっての作業効率が非常に悪く、絶縁部材のコスト高につながる。このように何度も折り曲げなければならない理由については、例えば特許文献1の図7に示す折り曲げ工程を見れば明らかである。電機子には通常多数のスロットが形成されており、このそれぞれのスロットに絶縁部材をそれぞれ挿入しなければならないため、絶縁部材自体の必要個数も非常に多くなり、上述した作業効率の低下及びこれに伴うコスト高は、電機子のコスト高、ひいては回転電機のコスト高に関する問題を招いてしまう。
これに加えて、特許文献1に記載された絶縁部材によると、この特許文献1に対応する米国特許公開公報2011/0204742A1の図6からも明らかなように、絶縁板の長さが設計寸法上不十分である場合、折り曲げ端部が中途半端な部位に位置してしまい、電導コイルを構成する隣接する電線同士の間を複数枚の絶縁板で区切ることができなくなる。その結果、一部の部分でわずか1枚の絶縁板で上記電線同士を区切るような構成になるようになり、隣接する電線同士の絶縁性能が低下するおそれがある。また、この図6から分かるように、絶縁板の端部に隣り合う電線から互いの電線が近づく方向に押圧力を受けた場合、わずか1枚で区切った絶縁板の領域にせん断力が働いてこの部分が破断するおそれがある。また、絶縁板の端部角部が電線の絶縁被覆の表面にあたっているため、回転電機動作中の振動等により電線の絶縁被覆が剥がれるおそれもある。これらの不具合は、絶縁板が例えば絶縁性の樹脂でできておりかつこの端部がエッジ状になっている場合に特に起こり得る。このような現象が起こる可能性は同文献の図5に示す構成についても同様である。なぜならば、絶縁板の端部はそれぞれ断面矩形状電線の短辺のほぼ中央部までしか延在しておらず、残りの部分は空間となっており、この絶縁板の端部に対応する電線の絶縁被覆が破断し易い構成になっているからである。
以上のようなことが重なると、一つのスロット内に絶縁部材で区分けされ導線同士が短絡してしまう可能性がより高まる。電機子には、上述したように多数のスロットが形成されているため、このような不具合が1箇所でも生じると、電機子としての役目を果たさなくなり、回転電機自体の故障につながってしまう。
本発明の目的は、コストが安くかつスロット内で隣接する電線同士の短絡が起こりにくい回転電機の電機子及びこの電機子を備えた信頼性の高い回転電機を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の回転電機の電機子は、
周方向に複数のスロットが設けられた電機子鉄心と、前記スロットに挿入されて前記電機子鉄心に巻回された電機子巻線と、前記電機子鉄心と前記電機子巻線とを絶縁するインシュレータを備えた回転電機の電機子において、
前記インシュレータは、前記スロットの深さに対応した幅を有する絶縁性の板材を折り曲げて形成した第1の折り曲げ絶縁体と、前記第1の折り曲げ絶縁体と同等形状を有する第2の折り曲げ絶縁体を組み合わせて形成されており、前記第1の折り曲げ絶縁体と第2の折り曲げ絶縁体を組み合わせるにあたって、各折り曲げ絶縁体の所定位置にスリットを形成し、各スリット同士を嵌め合わせることで前記スロットの深さに対応した幅を有しかつ前記第1の折り曲げ絶縁体と第2の折り曲げ絶縁体が協働して当該スロットに挿入する少なくとも2本以上の電機子巻線用の電線をその隣接する各電線同士互いに絶縁された状態で前記スロットに挿入可能とする電線個別収容空間を前記スロットに挿入する電線の本数に合わせて形成していることを特徴としている。
請求項1に係る回転電機の電機子がこのような構成を有することで、1枚の絶縁板を多数回折り曲げる複雑な工程を経ることなく、少ない折り曲げ回数で互いに同等形状を有する第1の折り曲げ絶縁体と第2の折り曲げ絶縁体を形成する。そして、第1の折り曲げ絶縁体と第2の折り曲げ絶縁体の所定位置にそれぞれスリットを形成して各スリット同士を嵌め合わせるだけという簡単な作業を経てインシュレータを作ることができる。
回転電機の電機子のスロットは、数が非常に多くかつその各スロットに上記インシュレータを挿入した後、電線をインシュレータの電線個別挿入空間に挿入する作業が必要なため、回転電機の電機子には多数のインシュレータを用いなければならない。従って、本発明によって多数のインシュレータを低コストで効率的に作ることで、結果的に回転電機の電機子やこの電機子を用いた回転電機自体を低コストでかつ効率的に製造することができるようになる。
また、インシュレータを作るにあたって、従来例のように折り曲げ箇所を多数必要とするインシュレータを作る際、作業効率を上げるために、折り曲げ機を用いる場合は高価で複雑な構造の折り曲げ機を用いなければならず、作業者が折り曲げ作業を行う場合は熟練した作業者が作業しなければならず、作業効率が極端に低下してしまう。そのため、係る折り曲げ箇所の多い複雑な構造のインシュレータを多数作るに際して問題が生じていたが、本発明の場合、折り曲げ箇所の少ない第1の折り曲げ絶縁体と第2の折り曲げ絶縁体を形成してそれらの所定位置に形成したスリットを介して両者を嵌め合わせるだけでインシュレータを作ることができるので、従来例のような高価で複雑な構造の折り曲げ機を準備したり、熟練した作業者が作業したりする必要もなく、歩留りの高いインシュレータを多数作ることができる。
また、本発明の請求項2に係る回転電機の電機子は、請求項1に記載の回転電機の電機子において、
前記インシュレータは、前記スロット内の前記電機子巻線の隣接する2つの電線を仕切る部分を、前記絶縁性の板材が2枚重なった状態で絶縁することを特徴としている。
請求項2に係る回転電機の電機子がこのような構成を有することで、電機子巻線の隣接する電線の絶縁被覆部が剥がれたとしても、それらの間で短絡が生じることを確実に防止する。
また、本発明の請求項3に係る回転電機は、請求項1又は請求項2に記載の電機子を備えた回転電機である。
回転電機を製造するにあたって、請求項1又は請求項2に記載の電機子を用いることで、コストが安く信頼性の高い回転電機とすることができる。
本発明によると、コストが安くかつスロット内で隣接する電線同士の短絡が起こりにくい回転電機の電機子及びこの電機子を備えた信頼性に優れた回転電機を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る回転電機の電機子を示す斜視図であり、そのスリットにインシュレータを挿入し終わる直前の状態を示している。 図1に示したインシュレータを構成する第1及び第2の折り曲げ絶縁体を示す斜視図(図2(a))、図1に示した回転電機のインシュレータを電機子の1つのスロットに挿入可能となった状態のインシュレータの斜視図(図2(b))、及び電機子のスリットに挿入した後、電線をインシュレータの各電線挿入空間に挿入した状態を示す平面図(図2(c))である。 本発明の第2の実施形態に係る回転電機の電機子を示す斜視図であり、そのスリットにインシュレータを挿入し終わる直前の状態を示している。 図3に示したインシュレータを構成する第1及び第2の折り曲げ絶縁体を示す斜視図(図4(a))、図1に示した回転電機の電機子のスリットに挿入可能となった状態のインシュレータの斜視図(図4(b))、及びインシュレータを電機子の1つのスロットに挿入した後、電線をインシュレータの各電線挿入空間に挿入した状態を示す平面図(図4(c))である。 本発明の第1及び第2の実施形態に係る電機子を備えた回転電機を概略的に示す分解斜視図である。
以下、本発明の第1及び第2の実施形態に係る回転電機の電機子について図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る回転電機1(図5参照)の電機子10を示す斜視図であり、そのスロット12にインシュレータ100を挿入し終わる直前の状態を示している。また、図2は、図1に示したインシュレータ100を構成する第1及び第2の折り曲げ絶縁体110,120を示す斜視図(図2(a))、図1に示した回転電機1の電機子10のスロット12に挿入可能となった状態のインシュレータ100の斜視図(図2(b))、及びインシュレータ100を電機子10の1つのスロット12に挿入した後、電線30をインシュレータ100の各電線挿入空間101,102に挿入した状態を示す部分的平面図(図2(c))である。
本発明の第1の実施形態に係る回転電機1の電機子10は、周方向に複数のスロット12が設けられた電機子鉄心11と、スロット12に挿入されて電機子鉄心11に巻回された電機子巻線(図1の一部のスロット12から上方に延在し、実線と点線で示す電機子巻線の一部参照)と、電機子鉄心11と電機子巻線の電線30とを絶縁するインシュレータ100を備えている。そして、インシュレータ100は、スロット12の深さに対応した幅を有する絶縁性の板材を折り曲げて形成した第1の折り曲げ絶縁体110と、第1の折り曲げ絶縁体110と同等形状を有する第2の折り曲げ絶縁体120を組み合わせて形成されており、第1の折り曲げ絶縁体110と第2の折り曲げ絶縁体120を組み合わせるにあたって、各折り曲げ絶縁体110,120の所定位置にスリット113,123を形成し、各スリット同士を嵌め合わせることでスロット12の深さに対応した幅を有しかつスロット内で第1の折り曲げ絶縁体110と第2の折り曲げ絶縁体120が協働して、スロット12に挿入する2本の電機子巻線用の電線同士を互いに絶縁された状態で挿入可能とする2つの電線個別挿入空間101,102を形成している。
以下、上述の各構成要素についてより詳細に説明する。電機子鉄心11は、鉄でできており円環状を有し、半径方向を長手方向として電機子鉄心11の中心軸線方向一方の端面と他方の端面を貫通する複数のスロット12が鉄心周方向所定の角度範囲内ごとに形成されている。そして、各スロット12には、それぞれインシュレータ100が挿入されると共に、インシュレータ100に形成された2つの電線個別挿入空間101,102ごとに電機子巻線を構成する電線30が1本ずつ挿通されている(図2(c)参照)。電線30は、その表面が絶縁性の樹脂でできた被覆材31で被覆されている。なお、図2(c)では、図示容易化のため被覆材31の厚さを実際より厚く示している。
インシュレータ100は、上述したように第1の折り曲げ絶縁体110と、これと同等形状を有する第2の折り曲げ絶縁体120を組み合わせて形成されている。なお、第1の折り曲げ絶縁体110と第2の折り曲げ絶縁体120は、上述したように同等形状を有しているので、第1の折り曲げ絶縁体110の形状について以下に詳細に説明し、第2の折り曲げ絶縁体120については、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
第1の折り曲げ絶縁体110は、スロット12の深さに対応した幅を有する絶縁性の板材を折り曲げて形成されており、端面視で角形U字状を有する溝状折り曲げ部111と、溝状折り曲げ部111の上側開口面111aの一方の折り曲げ部から上側開口面111aの開口面と同一面上に形成され、幅が溝状折り曲げ部111の溝底面111bと同一の平面部112を有している。即ち、インシュレータ100は、溝状折り曲げ部111の折り曲げ線の延長方向から見て杓子状をなしている。なお、第1の折り曲げ絶縁体110の長さ、即ち溝延在方向と直角方向の長さは、電機子10のスロット12の長手方向の長さに対応している。そして、溝状折り曲げ部111と平面部112との連結部である折り曲げ部において幅方向一方の端部から溝形成方向中央部までスリット113が形成されている。スリット113の幅は、第1の折り曲げ絶縁体110と第2の折り曲げ絶縁体120とを組み合わせたとき、第1の折り曲げ絶縁体110と第2の折り曲げ絶縁体120を互いにがたつくことなくしっかりと嵌め合う程度の幅となっている。
続いて、第1の折り曲げ絶縁体110と第2の折り曲げ絶縁体120を組み合わせてインシュレータ100とする方法について説明する。第1の折り曲げ絶縁体110と第2の折り曲げ絶縁体120を、図2(a)に示すように配置させる。即ち、第1の折り曲げ絶縁体110の溝状折り曲げ部111の上側開口面111aに第2の折り曲げ絶縁体120の平面部122を対応させると共に、第1の折り曲げ絶縁体110の平面部112に第2の折り曲げ絶縁体120の溝状折り曲げ部121の上側開口面121aを対応させる。より具体的には、第1の折り曲げ絶縁体110と第2の折り曲げ絶縁体120とを、図2(a)に示すように、それらのスリット同士の開口端を互いに近づけた状態で各スリット113,123の形成方向を共通の仮想軸線上に合わせ、第1の折り曲げ絶縁体110の溝状折り曲げ部111の上側開口面111aと第2の折り曲げ絶縁体120の平面部122とが同一平面に含まれると共に、第1の折り曲げ絶縁体110の平面部112と第2の折り曲げ絶縁体120の溝状折り曲げ部121の上側開口面121aとが同一平面に含まれるように配置する。
そして、第1及び第2の折り曲げ絶縁体110,120のそれぞれのスリット113,123の端部が突き当たるまで嵌め合わせることでインシュレータ100を完成させる。
このような第1の折り曲げ絶縁体110と第2の折り曲げ絶縁体120を組み合わせたインシュレータ100とすることで、第1の折り曲げ絶縁体110の溝状折り曲げ部111の上側開口面111aが第2の折り曲げ絶縁体120の平面部122で覆われ、第1の電線挿通空間101を形成すると共に、第2の折り曲げ絶縁体120の溝状折り曲げ部121の上側開口面121aが第1の折り曲げ絶縁体110の平面部112で覆われ、第2の電線挿通空間102を形成する。また、第1の電線挿通空間101と第2の電線挿通空間102との間は、スロット内の隣接する2つの電線30を仕切る部分に相当するが、本実施形態によると、この仕切り部分が絶縁板を2枚重ねた状態で絶縁する構造となっている(図2(c)参照)。
続いて、本発明の第2の実施形態に係る回転電機2(図5参照)の電機子20について図面に基づいて説明する。図3は、本発明の第2の実施形態に係る回転電機2の電機子20を示す斜視図であり、そのスロット22にインシュレータ200を挿入し終わる直前の状態を示している。また、図4は、図3に示したインシュレータ200を構成する第1及び第2の絶縁部材210,220を示す斜視図(図4(a))、回転電機2の電機子20のスロット22に挿入可能となった状態のインシュレータ200の斜視図(図4(b))、及び電機子20のスロット22に挿入した後、電線40をインシュレータ200の各電線挿入空間201〜206に挿入した状態を示す部分的平面図(図4(c))である。なお、図3は電機子(回転子)を示しているが、電機子(固定子)であっても本発明における同様の作用を発揮することは当然に可能である。
本発明の第2の実施形態に係る回転電機2の電機子20は、個々のインシュレータ200が有する電線挿通空間の数が第1の実施形態のように2つではなく6つとなっている点が異なっており、その他の構成については基本的に第1の実施形態と同様の構成であるため、両実施形態における同等の構成、即ち電機子鉄心21及びこれに形成されたスロット22については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
本発明の第2の実施形態に係る回転電機2の電機子20のスロット22に挿入されるインシュレータ200は、第1の折り曲げ絶縁体210と、これと同等形状を有する第2の折り曲げ絶縁体220を組み合わせて形成されている。なお、第1の折り曲げ絶縁体210と第2の折り曲げ絶縁体220は、第1の実施形態と同様に互いに同等形状を有するので、第1の折り曲げ絶縁体210の形状について以下に説明し、第2の折り曲げ絶縁体220については、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。なお、図4においては電機子巻線を図示していないが、図2における電機子巻線とは各スロット22に挿入される本数が異なる電機子巻線が電機子20に備わっている。
第1の折り曲げ絶縁体210は、スロット22の深さに対応した幅を有する絶縁性の板材を折り曲げて形成されており、端面視で角形U状を有する第1乃至第5溝状折り曲げ部211,212,213,214,215が第1の折り曲げ絶縁体210の一方の面と他方の面に交互に形成されている。そして、第1の折り曲げ絶縁体210は、第5溝状折り曲げ部215の上側開口面215aの一方の折り曲げ部から上側開口面215aと同一面上に形成され、幅がこの溝状折り曲げ部215の溝底面215bと同一であって各溝状折り曲げ部211〜215の配列する方向から離間する方向に延在する平面部216を有している。
即ち、第1の折り曲げ絶縁体210は、溝状折り曲げ部211〜215の折り曲げ線の延長方向から見て、いわゆる角型の樋をその底面の向きを交互に反転させながらつなげた形状をなし、その一方の端部からは上述した平面部に対応する直線部分が延在している。なお、第1の折り曲げ絶縁体210の長さ、即ち溝延在方向と直角方向の長さは、電機子20のスロット22の長手方向の長さに対応している。
そして、第1溝状折り曲げ部211と第2溝状折り曲げ部212とを連結する溝底面212b側折り曲げ部、第2溝状折り曲げ部212と第3溝状折り曲げ部213とを連結する溝底面212b側折り曲げ部、第3溝状折り曲げ部213と第4溝状折り曲げ部214とを連結する溝底面214b側折り曲げ部、第4溝状折り曲げ部214と第5溝状折り曲げ部215とを連結する溝底面214b側折り曲げ部、第1の折り曲げ絶縁体210の第5溝状折り曲げ部215と平面部216との連結部である折り曲げ部には、共に幅方向一方の端部(図4(a))中下側端部)から各溝状折り曲げ部の幅方向中央部までスリット219が形成されている。なお、各スリット219の幅は、第1の折り曲げ絶縁体210と第2の折り曲げ絶縁体220を組み付けたときに互いにがたつくことなくしっかりと嵌め合わせる程度の幅となっている。
続いて、第2の実施形態において、第1の折り曲げ絶縁体210と第2の折り曲げ絶縁体220を組み合わせてインシュレータ200とする方法について説明する。第1の折り曲げ絶縁体210と第2の折り曲げ絶縁体220を、図4(a)に示すように対向配置させる。即ち、第1の折り曲げ絶縁体210の溝状折り曲げ部211の上側開口面211aに第2の折り曲げ絶縁体220の平面部226を対応させると共に、第1の折り曲げ絶縁体210の平面部216に第2の折り曲げ絶縁体220の溝状折り曲げ部221の上側開口面221aを対応させる。この両端の配置関係は、図2(a)に示した第1の実施形態の場合と同様である。そして、溝形成方向において互い違いになったスリット同士をそれぞれのスリット219,229の端部が突き当たるまで嵌め合わせることでインシュレータ200を完成させる。
このような第1の折り曲げ絶縁体210と第2の折り曲げ絶縁体220を組み合わせたインシュレータ200とすることで、第1の折り曲げ絶縁体210の第1溝状折り曲げ部211の開口面211aを第2の折り曲げ絶縁体220の平面部226が覆って第1の電線挿通空間201を形成すると共に、第1の折り曲げ絶縁体210の第2溝状折り曲げ部212の上側開口面212aが第2の折り曲げ絶縁体220の第2溝状折り曲げ部225の溝底面225bで覆われ、第2の電線挿通空間202を形成する。また、第1の折り曲げ絶縁体210の第3溝状折り曲げ部213の溝底面213bが第2の折り曲げ絶縁体220の第4溝状折り曲げ部224の上側開口面224aを覆い、第3の電線挿通空間203を形成すると共に、第1の折り曲げ絶縁体210の第4溝状折り曲げ部214の上側開口面214aが第2の折り曲げ絶縁体220の第3溝状折り曲げ部223の溝底面223bで覆われ、第4の電線挿通空間204を形成する。また、第1の折り曲げ絶縁体210の第5溝状折り曲げ部215の開口面215aが第2の折り曲げ絶縁体220の第2溝上折り曲げ部222の溝底面222bで覆われ、第5の電線挿通空間205を形成する。また、第2の折り曲げ絶縁体220の第1溝状折り曲げ部221の上側開口面221aが第1の折り曲げ絶縁体210の平面部216で覆われ、第6の電線挿通空間206を形成する。
このようにして、第1の折り曲げ絶縁体210と、これと同等形状を有する第2の折り曲げ絶縁体220の対応するスリット同士を、完全に嵌め合わせてそれらの幅方向で見て互いにずれないようにすることで、第1乃至第5の電線挿通空間201〜205が形成されたインシュレータ200とすることができる。
このインシュレータ200を電機子20の各スロット22に挿入することによって、電機子20の各スロット22にそれぞれ6本の電機子巻線用の電線40を挿通することが可能となる。
なお、隣接する電線挿通空間の間は、スロット内の電機子巻線の隣接する2つの電線40を仕切る部分に相当するが、第1の実施形態と同様に、第2の実施形態によってもこの仕切り部分が絶縁板を2枚重ねた状態で絶縁する構造となる。そのため、電機子20の各スロット22に挿入された6本の電線40は、各電線間が完全に重なりあった2枚の絶縁板で仕切られ、十分な絶縁性が保たれる(図4(c)参照)。
続いて、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態に係る回転電機の電機子及びこの電機子を備えた回転電機の本発明に関する作用について説明する。以上説明した本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態に係る回転電機の電機子10(20)によると、従来例にない本発明の特徴的な部分であるインシュレータ100(200)を有していることで、以下の作用を発揮する。具体的には、従来例のように1枚の絶縁板を多数回折り曲げる複雑な工程を経ることなく、少ない折り曲げ回数で互いに同等形状を有する第1の折り曲げ絶縁体110(210)と第2の折り曲げ絶縁体120(220)を形成する。そして、第1の折り曲げ絶縁体110(210)と第2の折り曲げ絶縁体120(220)の所定位置にそれぞれスリット113,123(219,229)を形成して各スリット同士を嵌め合わせるだけという簡単な作業を経てインシュレータ100(200)を作ることができる。
回転電機1の電機子10(20)のスロット12(22)は、数が非常に多くかつその各スロット12(22)にインシュレータ100(200)を挿入した後、電線30(40)をインシュレータの電線個別挿入空間に挿入する作業が必要なため、回転電機1の電機子10(20)には多数のインシュレータを用いなければならない。従って、多数のインシュレータ100(200)を低コストで効率的に作ることができる本発明を実施することで、結果的に回転電機の電機子やこの電機子を用いた回転電機自体を低コストでかつ効率的に製造することができるようになる。
また、インシュレータ100(200)を作るにあたって、従来例のように折り曲げ箇所を多数必要とするインシュレータを作る際、作業効率を上げるために、折り曲げ機を用いる場合は高価で複雑な構造の折り曲げ機を用いなければならず、作業者が折り曲げ作業を行う場合は熟練した作業者が作業しなければならず、作業効率が極端に低下してしまう。そのため、係る折り曲げ箇所の多い複雑な構造のインシュレータを多数作るに際して問題が生じていたが、本発明の場合、折り曲げ箇所の少ない第1の折り曲げ絶縁体110(210)と第2の折り曲げ絶縁体120(220)を形成して、それらの所定位置に形成したスリット113,123(219,229)を介して両者を嵌め合わせるだけでインシュレータ100(200)を作ることができるので、従来例のような高価で複雑な構造の折り曲げ機を準備したり、熟練した作業者が作業したりする必要もなく、歩留りの高いインシュレータを多数作ることができる。
また、上述したインシュレータ100(100)は、電機子10(20)のスロット内の電機子巻線の隣接する2つの電線30(40)を仕切る部分を、絶縁性の板材が2枚重なった状態で絶縁するようになっているので、隣接する電機子巻線の電線30(40)の絶縁被覆部が剥がれたとしても、それらの間で短絡が生じることを確実に防止する。
続いて、上述した第1又は第2の実施形態に係る回転電機の電機子を備えた回転電機の構造を説明する。図5は、本発明の第1及び第2の実施形態に係る電機子10(20)を備えた回転電機1を概略的に示す分解斜視図である。この回転電機1は、ハイブリッド型の自動車や電気自動車に用いられる回転電機であり、回転シャフト51廻りに固定されたロータ50と、ロータ50の周囲に設けられステータ60を備えている。ロータ50は、複数の電磁鋼板を積層して形成されたロータコア(図示せず)と、ロータコアの外周縁部側に形成され回転シャフトの長手方向に延在する永久磁石挿入用孔に挿入され固定された複数の永久磁石(図示せず)を備えている。ステータ60は、ロータ50の周囲を取り囲むように環状に形成された上述の実施形態に係る電機子10と、電機子10に装着された電機子用巻線導体(スロット及び電機子用巻線導体については図5では図示せず)を備えている。なお、電機子用巻線導体は、例えばスター結線によって接続されている。
ロータ50及びステータ60は、ハウジング70及びハウジングカバー80の内部に挿入されており、ハウジング70の内周には水路形成部材90が備わり、この水路形成部材90の内側に上述の実施形態に係る電機子10(20)が固定されている。
このような構成を有する回転電機1をハイブリッド型の自動車に使用すると、エンジンから受ける振動や車両走行中に路面から受ける振動により、電機子10(20)があらゆる方向に振動し続ける。しかしながら、上述した実施形態に係る電機子10(20)を用いることで、電機子10(20)の各スロット12(22)に挿通された電機子用巻線導体を形成する電線同士の間がインシュレータ100(200)を構成する2枚の絶縁板で常に仕切られており、かつ絶縁板の端部が電線の絶縁被覆部に局部的に押し付けられる構成となっていないので、電機子の各スロットに挿通された電線同士が短絡してしまうという従来の回転電機に起こり得る不具合を防止することができる。
以上説明した本発明に係る回転電機の電機子や電機子に形成された各スロット12(22)に挿入されるインシュレータ100(200)の材質は、本発明の作用を発揮し得る範囲内であればどのような材質であってもよい。従って、電機子10(20)は上述したように鉄製に限らず、インシュレータ100(200)についても上述したような形状に折り曲げ可能であれば、絶縁性の樹脂板や紙状の絶縁シートであってもよい。また、電機子10(20)に形成されたスロット12(22)の数は、図1及び図3に示すような数に限定されるものではない。また、図2及び図4に示したインシュレータ100(200)の折り曲げ部は、折り曲げ角度がほぼ直角となっていたが、インシュレータを電機子のスロットに挿入可能でありかつ1つのスロットに挿入する複数の電線挿入空間を形成可能であれば、この折り曲げ部の折り曲げ角度は直角であることに限定されず、ある程度丸まっていても構わない。また、各インシュレータに形成される電線挿入空間は、第1の実施形態では2つ、第2の実施形態では6つであったが、2つ以上であれば、それ以外の個数であっても良いことは言うまでもない。
1,2 回転電機
10,20 電機子
11,21 電機子鉄心
12,22 スロット
30,40 電線
31,41 被覆材
100 インシュレータ
101,102 電線個別挿入空間
110 第1の折り曲げ絶縁体
111 溝状折り曲げ部
111a 上側開口面
112 平面部
113,123 スリット
120 第2の折り曲げ絶縁体
121 平面部
121a 上側開口面
122 平面部
200 インシュレータ
201〜205 電線挿通空間
210 第1の折り曲げ絶縁体
211,212,213,214,215 溝状折り曲げ部
216 平面部
219 スリット
220 第2の折り曲げ絶縁体
222,223,224,225 第2溝状折り曲げ部
226 平面部
229 スリット

Claims (3)

  1. 周方向に複数のスロットが設けられた電機子鉄心と、前記スロットに挿入されて前記電機子鉄心に巻回された電機子巻線と、前記電機子鉄心と前記電機子巻線とを絶縁するインシュレータを備えた回転電機の電機子において、
    前記インシュレータは、前記スロットの深さに対応した幅を有する絶縁性の板材を折り曲げて形成した第1の折り曲げ絶縁体と、前記第1の折り曲げ絶縁体と同等形状を有する第2の折り曲げ絶縁体を組み合わせて形成されており、前記第1の折り曲げ絶縁体と第2の折り曲げ絶縁体を組み合わせるにあたって、各折り曲げ絶縁体の所定位置にスリットを形成し、各スリット同士を嵌め合わせることで前記スロットの深さに対応した幅を有しかつ前記第1の折り曲げ絶縁体と第2の折り曲げ絶縁体が協働して当該スロットに挿入する少なくとも2本以上の電機子巻線用の電線をその隣接する各電線同士を互いに絶縁された状態で前記スロット内に挿入可能とする電線個別収容空間を前記スロットに挿入する電線の本数に合わせて形成しているということを特徴とする回転電機の電機子。
  2. 前記インシュレータは、前記スロット内の前記電機子巻線の隣接する2つの導体を仕切る部分を、前記絶縁性の板材が2枚重なった状態で絶縁することを特徴とする請求項1に記載の回転電機の電機子。
  3. 前記請求項1又は請求項2に記載の電機子を備えた回転電機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019189934A1 (ja) * 2018-03-30 2019-10-03 株式会社小田原エンジニアリング 絶縁シートの位置ずれ防止方法及び絶縁シートの位置ずれ防止装置

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