JP2013207928A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】スリップリングとブラシの摺動部に発生した磨耗粉の再付着によりブラシやスリップリングに異常磨耗が発生するのを防止する。
【解決手段】複数のブラシ96uのすべてに関して、スリップリング95uの外周面とブラシ96uとの接触部の回転方向後端104uの基準(最も鉛直方向上方の位置)に対する角度θが90°より大きく且つ270°以下である条件と、接触部の回転方向後端104uの基準に対する角度θが270°より大きく且つ360°より小さく、さらに、270°から回転方向に沿って接触部の回転方向後端104uに到るスリップリング95uの外周面の少なくとも一部が鉛直方向上方から見てブラシ96uの陰に隠れる条件と、のいずれかの条件が成立するように、各ブラシ96uが配置される。
【選択図】図6
【解決手段】複数のブラシ96uのすべてに関して、スリップリング95uの外周面とブラシ96uとの接触部の回転方向後端104uの基準(最も鉛直方向上方の位置)に対する角度θが90°より大きく且つ270°以下である条件と、接触部の回転方向後端104uの基準に対する角度θが270°より大きく且つ360°より小さく、さらに、270°から回転方向に沿って接触部の回転方向後端104uに到るスリップリング95uの外周面の少なくとも一部が鉛直方向上方から見てブラシ96uの陰に隠れる条件と、のいずれかの条件が成立するように、各ブラシ96uが配置される。
【選択図】図6
Description
本発明は、回転電機に関し、特に、回転子に回転子導体が配設され、スリップリング及びブラシを介して回転子導体に電流が流れる回転電機に関する。
この種の回転電機を備える動力伝達装置の関連技術が下記特許文献1に開示されている。特許文献1による動力伝達装置は、巻線が配設されエンジンに機械的に連結された第1ロータと、第1ロータの巻線と電磁気的に結合する磁石が配設され駆動軸に機械的に連結された第2ロータと、第2ロータの磁石と電磁気的に結合する巻線が配設されたステータと、第1ロータの巻線と電気的に接続されたスリップリングと、スリップリングと電気的に接触するブラシと、バッテリーとステータの巻線との間で電力を授受可能に制御する第1インバータと、スリップリング及びブラシを介してバッテリーと第1ロータの巻線との間で電力を授受可能に制御する第2インバータと、を備える。特許文献1においては、第1ロータに伝達されたエンジンからの動力は、第1ロータの巻線と第2ロータの磁石との電磁気結合によって第2ロータに伝達されるため、エンジンの動力により駆動軸を駆動することができる。さらに、第2インバータを介してバッテリーと第1ロータの巻線との間で電力の授受が可能になるため、第2インバータにより第1ロータの巻線の電力を制御することで、駆動軸の回転速度を制御することができる。その場合において、第1ロータの回転速度が第2ロータの回転速度よりも高いときは、第1ロータの巻線の発電電力が第2インバータを介してバッテリー側へ供給され、第1ロータの回転速度が第2ロータの回転速度よりも低いときは、バッテリーの電力が第2インバータを介して第1ロータの巻線に供給される。さらに、ステータの巻線と第2ロータの磁石との電磁気結合によって、バッテリー側から第1インバータを介してステータの巻線に供給された電力を用いて第2ロータに動力を発生させて駆動軸を駆動することができるため、第1インバータによりステータの巻線への電力供給を制御することで、駆動軸に伝達されるトルクを制御することができる。
特許文献1において、スリップリングとブラシの電気的接触を安定化させるためには、複数のブラシがスリップリングの外周面をそれぞれ異なる周方向位置で押圧することが望ましい。ただし、スリップリングがブラシに対し摺動しながら回転する際には、スリップリングとブラシの摺動部に磨耗粉が発生し、摺動部に発生した磨耗粉が、スリップリングの回転に伴って発生する気流に乗って飛散し、やがて重力により鉛直方向下方へ落下する。この磨耗粉がスリップリングとブラシの摺動部に噛み込んで再付着すると、ブラシやスリップリングに異常磨耗が発生しやすくなり、スリップリングとブラシの電気的接触不良を招きやすくなる。
特許文献2においては、軸端に設けた冷却ファンにより、ブラシホルダ内に空気の流れを起こして、磨耗粉のブラシホルダ内での蓄積を抑制しているが、冷却ファンの径が小さく、十分な風量を得ることが困難である。また、特許文献3においては、磨耗粉の除去を行うために、吸引機と各スリップリングへ吸入口を設けており、装置が複雑化する。
本発明は、スリップリングとブラシの摺動部に発生した磨耗粉の再付着によりブラシやスリップリングに異常磨耗が発生するのを防止することを目的とする。
本発明に係る回転電機は、上述した目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る回転電機は、回転子導体が配設された回転子と、回転子導体に電気的に接続され、回転子とともに回転するスリップリングであって、その回転中心軸が鉛直方向と略垂直になるよう配置されたスリップリングと、スリップリングの回転方向に互いに間隔をおいて配置された複数のブラシであって、その各々がスリップリング外周面に電気的に接触する複数のブラシと、を備え、スリップリング外周面の前記回転方向の位置を、最も鉛直方向上方の位置を基準として、当該回転方向に沿って進んだ角度によって規定する場合に、前記複数のブラシのすべてに関して、スリップリング外周面とブラシとの接触部の回転方向後端の前記基準に対する角度が90°より大きく且つ270°以下である条件と、前記回転方向後端の前記基準に対する角度が270°より大きく且つ360°より小さく、さらに、270°から当該回転方向後端までのスリップリング外周面の少なくとも一部が鉛直方向上方から見て当該ブラシの陰に隠れる条件と、のいずれかが成立することを要旨とする。
本発明の一態様では、前記複数のブラシのすべてに関して、前記回転方向後端の前記基準に対する角度が90°より大きく且つ270°以下である条件と、前記回転方向後端の前記基準に対する角度が270°より大きく且つ360°より小さく、さらに、270°から当該回転方向後端までのスリップリング外周面が鉛直方向上方から見て当該ブラシの陰に隠れる条件と、のいずれかが成立することが好適である。
本発明の一態様では、前記複数のブラシのすべてに関して、前記回転方向後端の前記基準に対する角度が180°以上且つ270°以下である条件と、前記回転方向後端の前記基準に対する角度が270°より大きく且つ360°より小さく、さらに、270°から当該回転方向後端までのスリップリング外周面の少なくとも一部が鉛直方向上方から見て当該ブラシの陰に隠れる条件と、のいずれかが成立することが好適である。
本発明の一態様では、交流電流が流れることで回転磁界を発生可能な固定子導体が配設された固定子と、前記回転子導体が配設された回転子である第1回転子に対し相対回転可能であり、回転子導体に交流電流が流れることで発生した回転磁界が作用するのに応じて第1回転子との間にトルクが作用し、固定子導体で発生した回転磁界が作用するのに応じて固定子との間にトルクが作用する第2回転子と、をさらに備えることが好適である。
本発明によれば、複数のブラシのすべてに関して、飛散した磨耗粉が重力により鉛直方向下方へ落下してスリップリングとの接触部の回転方向後端及びその付近に堆積するのを妨げることができ、スリップリングとの接触部に磨耗粉が噛み込んで付着するのを抑制することができる。その結果、ブラシやスリップリングに異常磨耗が発生するのを防止することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
図1〜3は、本発明の実施形態に係る回転電機10を備えるハイブリッド駆動装置の構成の概略を示す図であり、図1は全体構成の概略を示し、図2,3は回転電機10の構成の概略を示す。本実施形態に係るハイブリッド駆動装置は、動力(機械的動力)を発生可能な原動機として設けられたエンジン(内燃機関)36と、エンジン36と駆動軸37(車輪38)との間に設けられ、変速比の変更が可能な変速機(機械式変速機)44と、エンジン36と変速機44との間に設けられ、動力(機械的動力)の発生及び発電が可能な回転電機10と、を備える。なお、本実施形態に係るハイブリッド駆動装置については、例えば車両を駆動するための動力出力装置として用いることができる。
回転電機10は、ケースハウジングに固定されたステータ16と、ステータ16に対し相対回転可能な第1ロータ28と、ロータ回転軸と直交する径方向においてステータ16及び第1ロータ28と所定の空隙を空けて対向し、ステータ16及び第1ロータ28に対し相対回転可能な第2ロータ18と、スリップリング95及びブラシ96と、を有する。ステータ16は、第1ロータ28より径方向外側の位置に第1ロータ28と間隔を空けて配置されており、第2ロータ18は、径方向においてステータ16と第1ロータ28との間の位置に配置されている。つまり、第1ロータ28は第2ロータ18より径方向内側の位置で第2ロータ18と対向配置されており、ステータ16は第2ロータ18より径方向外側の位置で第2ロータ18と対向配置されている。第1ロータ28は回転電機10の入力軸34(第1回転軸)に取り付けられ、入力軸34はエンジン36と機械的に連結されていることで、入力軸34(第1ロータ28)にはエンジン36からの動力が伝達される。一方、第2ロータ18は回転電機10の出力軸24(第2回転軸)に取り付けられ、出力軸24は変速機44を介して駆動軸37と機械的に連結されていることで、駆動軸37(車輪38)には出力軸24(第2ロータ18)からの動力が変速機44で変速されてから伝達される。なお、以下の説明では、第1ロータ28を入力側ロータとし、第2ロータ18を出力側ロータとする。
入力側ロータ28は、ロータコア(第1回転子鉄心)52と、ロータコア52にその周方向に沿って配設された複数相(例えば3相)のロータ巻線30と、を含む。複数相のロータ巻線30に複数相(例えば3相)の交流電流が流れることで、ロータ巻線30は、ロータ周方向に回転する回転磁界を発生することができる。
ステータ16は、ステータコア(固定子鉄心)51と、ステータコア51にその周方向に沿って配設された複数相(例えば3相)のステータ巻線20と、を含む。複数相のステータ巻線20に複数相(例えば3相)の交流電流が流れることで、ステータ巻線20は、ステータ周方向に回転する回転磁界を発生することができる。
出力側ロータ18は、ロータコア(第2回転子鉄心)53と、ロータコア53にその周方向に沿って配設され界磁束を発生する永久磁石32,33と、を含む。永久磁石32は、ロータコア53の外周部にステータ16(ステータコア51)と対向して配設されており、永久磁石33は、ロータコア53の内周部に入力側ロータ28(ロータコア52)と対向して配設されている。ここでは、永久磁石32,33を一体化することも可能である。
入力側ロータ28、出力側ロータ18、及びステータ16のより詳細な構成例を図4に示す。図4に示す例では、入力側ロータ28、出力側ロータ18、及びステータ16が同心円状に配置されている。ステータ16のステータコア51には、径方向内側へ(出力側ロータ18へ向けて)突出した複数のティース51aがステータ周方向に沿って間隔をおいて配列されており、各ステータ巻線20がこれらのティース51aに巻回されていることで、磁極が構成される。入力側ロータ28のロータコア52には、径方向外側へ(出力側ロータ18へ向けて)突出した複数のティース52aがロータ周方向に沿って間隔をおいて配列されており、各ロータ巻線30がこれらのティース52aに巻回されていることで、磁極が構成される。ステータ16のティース51aと出力側ロータ18の永久磁石32とが出力側ロータ18の回転中心軸(入力側ロータ28の回転中心軸と一致する)に直交する径方向に対向配置されており、入力側ロータ28のティース52aと出力側ロータ18の永久磁石33とがこの径方向に対向配置されている。ステータ巻線20の巻回軸及びロータ巻線30の巻回軸は、この径方向(入力側ロータ28と出力側ロータ18が対向する方向)に一致している。永久磁石32,33はロータ周方向に間隔をおいて配列されており、さらに、永久磁石32はロータコア53内にV字状に埋設されている。ただし、永久磁石32,33については、出力側ロータ18の表面(外周面または内周面)に露出していてもよいし、出力側ロータ18内(ロータコア53内)に埋設されていてもよい。
クラッチ48は、エンジン36と変速機44との間に、回転電機10(入力側ロータ28及び出力側ロータ18)に対し並列に設けられている。クラッチ48の係合/解放により、入力側ロータ28と出力側ロータ18との機械的係合/その解除を選択的に行うことが可能である。クラッチ48を係合させて、入力側ロータ28と出力側ロータ18とを機械的に係合させることで、入力側ロータ28と出力側ロータ18とが一体となって等しい回転速度で回転する。一方、クラッチ48を解放して、入力側ロータ28と出力側ロータ18との機械的係合を解除することで、入力側ロータ28と出力側ロータ18との回転速度差が許容される。ここでのクラッチ48は、例えば油圧や電磁力を利用して係合/解放を切り替えることが可能であり、さらに、クラッチ48に供給する油圧力や電磁力を調整することで締結力を調整することもできる。
直流電源として設けられた充放電可能な蓄電装置42は、例えば二次電池により構成することができ、電気エネルギーを蓄える。インバータ40は、スイッチング素子と、スイッチング素子に対し逆並列接続されたダイオード(整流素子)とを備える公知の構成により実現可能であり、スイッチング素子のスイッチング動作により蓄電装置42からの直流電力を交流(例えば3相交流)に変換して、ステータ巻線20の各相に供給することが可能である。さらに、インバータ40は、ステータ巻線20の各相に流れる交流電流を直流に変換して、電気エネルギーを蓄電装置42に回収する方向の電力変換も可能である。このように、インバータ40は、蓄電装置42とステータ巻線20との間で双方向の電力変換を行うことが可能である。
スリップリング95は、ロータ回転軸方向に関して入力側ロータ28と間隔をおいて入力軸34に取り付けられていることで、入力側ロータ28と機械的に連結されており、さらに、ロータ巻線30の各相と電気的に接続されている。回転が固定されたブラシ96は、スリップリング95に押し付けられて電気的に接触する。スリップリング95は、ブラシ96に対し摺動しながら(ブラシ96との電気的接触を維持しながら)、入力側ロータ28とともに回転する。ブラシ96は、インバータ41と電気的に接続されている。インバータ41は、スイッチング素子と、スイッチング素子に対し逆並列接続されたダイオード(整流素子)とを備える公知の構成により実現可能であり、スイッチング素子のスイッチング動作により蓄電装置42からの直流電力を交流(例えば3相交流)に変換して、ブラシ96及びスリップリング95を介してロータ巻線30の各相に供給することが可能である。さらに、インバータ41は、ロータ巻線30の各相に流れる交流電流を直流に変換する方向の電力変換も可能である。その際には、ロータ巻線30の交流電力がスリップリング95及びブラシ96により取り出され、この取り出された交流電力がインバータ41で直流に変換される。インバータ41で直流に変換された電力は、インバータ40で交流に変換されてからステータ巻線20の各相へ供給可能である。つまり、インバータ40は、インバータ41からの直流電力と蓄電装置42からの直流電力とのいずれか(少なくとも一方)を交流に変換してステータ巻線20の各相へ供給することが可能である。また、インバータ41で直流に変換された電力を蓄電装置42に回収することも可能である。このように、インバータ41は、蓄電装置42及びインバータ40のいずれかとロータ巻線30との間で双方向の電力変換を行うことが可能である。
スリップリング95及びブラシ96のより詳細な構成例を図5,6に示す。図5,6に示す例では、ロータ巻線30の各相(u相、v相、w相)毎に対応して設けられた複数のスリップリング95u,95v,95wがロータ回転軸方向に互いに間隔をおいて(等間隔で)入力軸34に取り付けられ、各スリップリング95u,95v,95w毎に対応して設けられた複数のブラシ96u,96v,96wがブラシケース100内に収容されている。ブラシケース100は、ロータ回転軸方向に互いに間隔をおいて(等間隔で)配置された複数の電気絶縁性の保持板101−1〜101−4と、各保持板101−1〜101−4の外周に接合され、ブラシ96u,96v,96wの外周囲を取り囲む電気絶縁性の周壁102とを含んで構成される。保持板101−1〜101−4とスリップリング95u,95v,95wがロータ回転軸方向に関して交互に配置され、ロータ回転軸方向の一方側(図5の右側)から他方側(図5の左側)にかけて、保持板101−1、スリップリング95u、保持板101−2、スリップリング95v、保持板101−3、スリップリング95w、保持板101−4の順に配置されている。
スリップリング95uの外周側では、ブラシホルダ88uが保持板101−1に取り付けられ、ブラシホルダ88uと保持板101−1との間にブラシ96uが保持される。ブラシ96uは、ばね89uによりスリップリング95u側(径方向内側)へ押圧されている。同様に、スリップリング95vの外周側では、ブラシホルダ88vが保持板101−2に取り付けられ、ブラシホルダ88vと保持板101−2との間に保持されたブラシ96vがばね89vによりスリップリング95v側へ押圧され、スリップリング95wの外周側では、ブラシホルダ88wが保持板101−3に取り付けられ、ブラシホルダ88wと保持板101−3との間に保持されたブラシ96wがばね89wによりスリップリング95w側へ押圧される。ロータ回転軸(スリップリング95u,95v,95wの回転中心軸95a)が水平(あるいはほぼ水平)になる、すなわち鉛直方向と垂直(あるいはほぼ垂直)になるように、入力軸34、スリップリング95u,95v,95w、及びブラシ96u,96v,96wが配置される。以下の説明において、複数(3つ)のブラシ96uを区別する必要があるときは、以降96u−1,96u−2,96u−3の符号を用いて説明する。
図6に示すように、スリップリング95uの外周には、複数のブラシ96u−1〜96u−3がスリップリング回転方向(図6の矢印Aに示す方向)に互いに間隔をおいて配列され、各ブラシ96u−1〜96u−3がスリップリング95uの外周面に電気的に接触する。各ブラシ96u−1〜96u−3の配置の詳細については後述する。複数のブラシ96u−1〜96u−3がスリップリング95uの外周面をそれぞれ異なる周方向位置で押圧することで、スリップリング95uとブラシ96u−1〜96u−3との電気的接触を安定化させることが可能となる。同様に、スリップリング95vの外周には、複数のブラシ96vがスリップリング周方向に互いに間隔をおいて配列され、各ブラシ96vがスリップリング95vの外周面に電気的に接触し、スリップリング95wの外周には、複数のブラシ96wがスリップリング周方向に互いに間隔をおいて配列され、各ブラシ96wがスリップリング95wの外周面に電気的に接触する。スリップリング95uの外周に配置するブラシ96uの個数、スリップリング95vの外周に配置するブラシ96vの個数、スリップリング95wの外周に配置するブラシ96wの個数については、いずれも任意に設定することが可能であり、例えば4個以上であってもよい。
電子制御ユニット50は、インバータ40のスイッチング素子のスイッチング動作を制御してインバータ40での電力変換を制御することで、ステータ巻線20の各相に流れる交流電流を制御する。そして、電子制御ユニット50は、インバータ41のスイッチング素子のスイッチング動作を制御してインバータ41での電力変換を制御することで、ロータ巻線30の各相に流れる交流電流を制御する。そして、電子制御ユニット50は、クラッチ48の係合/解放を切り替えることで、入力側ロータ28と出力側ロータ18との機械的係合/その解除を切り替える制御も行う。さらに、電子制御ユニット50は、エンジン36の運転状態の制御、及び変速機44の変速比の制御も行う。
インバータ40のスイッチング動作により複数相のステータ巻線20に複数相(例えば3相)の交流電流が流れることで、ステータ巻線20は、ステータ周方向に回転する回転磁界を発生する。そして、ステータ巻線20で発生した回転磁界と永久磁石32で発生した界磁束との電磁気相互作用(吸引及び反発作用)により、出力側ロータ18にトルク(磁石トルク)を作用させることができ、出力側ロータ18を回転駆動することができる。つまり、蓄電装置42からインバータ40を介してステータ巻線20に供給された電力を出力側ロータ18の動力(機械的動力)に変換することができ、ステータ16及び出力側ロータ18を同期電動機(PMモータ部)として機能させることができる。さらに、出力側ロータ18の動力をステータ巻線20の電力に変換してインバータ40を介して蓄電装置42に回収することも可能である。このように、ステータ16のステータ巻線20と出力側ロータ18の永久磁石32とが電磁気的に結合されていることで、ステータ巻線20で発生する回転磁界を出力側ロータ18に作用させて、ステータ16と出力側ロータ18との間にトルク(磁石トルク)を作用させることができる。さらに、例えば図4に示すように、永久磁石32間に突極部として磁性体(強磁性体)がステータ16(ティース51a)と対向して配置されている例や、永久磁石32が出力側ロータ18内(ロータコア53内)に埋設されている例では、ステータ16の発生する回転磁界が出力側ロータ18に作用するのに応じて、磁石トルクに加えてリラクタンストルクもステータ16と出力側ロータ18との間に作用する。電子制御ユニット50は、インバータ40のスイッチング動作により例えばステータ巻線20に流す交流電流の振幅や位相角を制御することで、ステータ16と出力側ロータ18との間に作用するトルクを制御することができる。
また、入力側ロータ28が出力側ロータ18に対し相対回転して入力側ロータ28(ロータ巻線30)と出力側ロータ18(永久磁石33)との間に回転差が生じるのに伴ってロータ巻線30に誘導起電力が発生し、この誘導起電力に起因してロータ巻線30に誘導電流(交流電流)が流れることで回転磁界が生じる。そして、ロータ巻線30の誘導電流により生じる回転磁界と永久磁石33の界磁束との電磁気相互作用によっても、出力側ロータ18にトルクを作用させることができ、出力側ロータ18を回転駆動することができる。このように、入力側ロータ28のロータ巻線30と出力側ロータ18の永久磁石33とが電磁気的に結合されていることで、ロータ巻線30で発生する回転磁界が出力側ロータ18に作用するのに応じて、入力側ロータ28と出力側ロータ18との間にトルク(磁石トルク)が作用する。そのため、入力側ロータ28と出力側ロータ18との間で動力(機械的動力)を伝達することができ、入力側ロータ28及び出力側ロータ18を誘導電磁カップリング部として機能させることができる。
ロータ巻線30の誘導電流により入力側ロータ28と出力側ロータ18との間にトルク(電磁カップリングトルク)を発生させる際には、電子制御ユニット50は、ロータ巻線30に誘導電流が流れるのを許容するように、インバータ41のスイッチング動作を行う。その際には、電子制御ユニット50は、インバータ41のスイッチング動作によりロータ巻線30に流れる交流電流を制御することで、入力側ロータ28と出力側ロータ18との間に作用する電磁カップリングトルクを制御することができる。一方、電子制御ユニット50は、インバータ41のスイッチング素子をオフ状態に維持してスイッチング動作を停止させることで、ロータ巻線30に誘導電流が流れなくなり、入力側ロータ28と出力側ロータ18との間にトルクは作用しなくなる。
次に、本実施形態に係るハイブリッド駆動装置の動作について説明する。
エンジン36が動力を発生している場合は、エンジン36の動力が入力側ロータ28に伝達され、入力側ロータ28がエンジン回転方向に回転駆動する。クラッチ48が解放されている状態で、入力側ロータ28の回転速度が出力側ロータ18の回転速度より高くなると、ロータ巻線30に誘導起電力が発生する。電子制御ユニット50は、ロータ巻線30に誘導電流が流れるのを許容するように、インバータ41のスイッチング動作を行う。これによって、ロータ巻線30の誘導電流と永久磁石33の界磁束との電磁気相互作用により入力側ロータ28から出力側ロータ18にエンジン回転方向の電磁カップリングトルクが作用して出力側ロータ18がエンジン回転方向に回転駆動する。このように、入力側ロータ28に伝達されたエンジン36からの動力は、入力側ロータ28のロータ巻線30と出力側ロータ18の永久磁石33との電磁気結合によって、出力側ロータ18へ伝達される。出力側ロータ18に伝達された動力は、変速機44で変速されてから駆動軸37(車輪38)へ伝達されることで、車両の前進駆動等、負荷の正転駆動に用いられる。したがって、エンジン36の動力を用いて車輪38を正転方向に回転駆動することができ、車両を前進方向に駆動することができる。さらに、入力側ロータ28と出力側ロータ18との回転差を許容することができるため、車輪38の回転が停止してもエンジン36がストールすることはない。そのため、回転電機10を発進装置として機能させることができ、摩擦クラッチやトルクコンバータ等の発進装置を別に設ける必要がなくなる。
さらに、ロータ巻線30に発生した交流電力は、スリップリング95及びブラシ96を介して取り出される。取り出された交流電力はインバータ41で直流に変換される。そして、インバータ40のスイッチング動作により、インバータ41からの直流電力がインバータ40で交流に変換されてからステータ巻線20に供給されることで、ステータ巻線20に交流電流が流れ、ステータ16に回転磁界が形成される。このステータ16の回転磁界と出力側ロータ18の永久磁石32の界磁束との電磁気相互作用によっても、出力側ロータ18にエンジン回転方向のトルクを作用させることができる。これによって、出力側ロータ18のエンジン回転方向のトルクを増幅させるトルク増幅機能を実現することができる。また、インバータ41からの直流電力を蓄電装置42に回収することも可能である。
さらに、蓄電装置42からステータ巻線20へ電力供給するようにインバータ40のスイッチング動作を制御することで、エンジン36の動力を用いて車輪38を正転方向に回転駆動するとともに、ステータ巻線20への供給電力を用いて発生させた出力側ロータ18の動力により車輪38の正転方向の回転駆動をアシストすることができる。また、負荷の減速運転時には、電子制御ユニット50は、ステータ巻線20から蓄電装置42へ電力回収するようにインバータ40のスイッチング動作を制御することで、負荷の動力をステータ巻線20と永久磁石32との電磁気結合によってステータ巻線20の電力に変換して蓄電装置42に回収することができる。
また、クラッチ48を係合して入力側ロータ28と出力側ロータ18とを機械的に連結することで、ロータ巻線30に交流電流が流れず入力側ロータ28と出力側ロータ18との間にトルクが作用しなくても、エンジン36からの動力をクラッチ48を介して駆動軸37(車輪38)へ伝達することができる。これによって、入力側ロータ28と出力側ロータ18との間のすべりに伴ってロータ巻線30に誘導電流が流れることで生じるジュール損失を抑えることが可能となる。
また、エンジン36の動力を用いずに回転電機10の動力を用いて負荷を駆動する(車輪38を回転駆動する)EV(Electric Vehicle)走行を行う場合は、電子制御ユニット50は、インバータ40のスイッチング動作を制御することで、負荷の駆動制御を行う。例えば、電子制御ユニット50は、蓄電装置42からの直流電力を交流に変換してステータ巻線20へ供給するように、インバータ40のスイッチング動作を制御することで、ステータ巻線20への供給電力をステータ巻線20と永久磁石32との電磁気結合によって出力側ロータ18の動力に変換し、駆動軸37(車輪38)を回転駆動する。このように、エンジン36が動力を発生していなくても、ステータ巻線20への電力供給により車輪38を回転駆動することができる。なお、EV走行を行う場合は、クラッチ48を解放状態に制御する。
また、エンジン36を始動する場合は、電子制御ユニット50は、蓄電装置42からの直流電力をインバータ41で交流に変換してスリップリング95及びブラシ96を介してロータ巻線30へ供給するように、インバータ41のスイッチング動作を制御することで、ロータ巻線30への供給電力を用いてエンジン36のクランキングを行うことができる。エンジン36のクランキングの際には、入力側ロータ28の回転磁界と出力側ロータ18の永久磁石33の界磁束との電磁気相互作用によりエンジン36に繋がる入力側ロータ28にトルクを作用させるが、出力側ロータ18もその反力トルクを受けることになる。そのため、EV走行時にエンジン36を始動する場合は、蓄電装置42からステータ巻線20へ電力供給して出力側ロータ18にこの反力トルクを打ち消すトルクを作用させるようにインバータ40のスイッチング動作を制御することで、ステータ巻線20への供給電力を用いて出力側ロータ18を回転駆動することができる。なお、エンジン36を始動する場合は、クラッチ48を解放状態に制御する。
本実施形態において、エンジン36の動力を車輪38へ伝達する際には、スリップリング95u,95v,95wがブラシ96u,96v,96wに対し摺動しながら回転することで、スリップリング95u,95v,95wとブラシ96u,96v,96wの摺動部に磨耗粉が発生する。摺動部に発生した磨耗粉は、スリップリング95u,95v,95wの回転に伴って発生する気流に乗ってブラシケース100内を飛散し、やがて重力により鉛直方向下方へ落下する。この磨耗粉がスリップリング95u,95v,95wとブラシ96u,96v,96wの摺動部に噛み込んで再付着すると、ブラシ96u,96v,96wやスリップリング95u,95v,95wに異常磨耗が発生しやすくなり、スリップリング95u,95v,95wとブラシ96u,96v,96wの電気的接触不良を招きやすくなる。
ここで、図6に示すように、スリップリング回転中心軸95aと直交し且つ鉛直方向と垂直な(水平方向と平行な)座標軸をx軸とし、スリップリング回転中心軸95aと直交し且つ鉛直方向と平行な(x軸と直交する)座標軸をy軸とし、スリップリング回転中心軸95aと一致する(x軸及びy軸と直交する)座標軸をz軸とするxyz座標系(3次元直交座標系)を規定する。その際には、y軸の正の向きを鉛直方向上方とし、y軸の正の向きをz軸まわりにスリップリング回転方向(図6の矢印Aに示す方向)に90°回転させたときの向きをx軸の正の向きとし、z軸の正の向きから見てスリップリング回転方向が時計まわりとなるように、x軸、y軸、z軸の正の向きをそれぞれ規定する(図6はz軸の正側から見た図を示す)。そして、スリップリング95uの外周面の回転方向位置を、最も鉛直方向上方の位置(y軸上の正側の位置)を基準(角度0°)として、回転方向に沿って進んだ角度θによって規定する。スリップリング95uの外周面は、基準に対する角度θが0°より大きく且つ90°より小さい範囲ではxy座標系の第1象限に位置し、基準に対する角度θが90°ではx軸上の正側に位置し、基準に対する角度θが90°より大きく且つ180°より小さい範囲ではxy座標系の第4象限に位置し、基準に対する角度θが180°ではy軸上の負側(最も鉛直方向下方)に位置し、基準に対する角度θが180°より大きく且つ270°より小さい範囲ではxy座標系の第3象限に位置し、基準に対する角度θが270°ではx軸上の負側に位置し、基準に対する角度θが270°より大きく且つ360°より小さい範囲ではxy座標系の第2象限に位置する。
スリップリング95uの外周面は、基準に対する角度θが90°より大きく且つ270°より小さい範囲では、その法線ベクトル(スリップリング95uの外周面上の点を支点とする)が鉛直方向下方の成分を有し、その鉛直方向上方にはスリップリング95uや入力軸34が存在している。したがって、スリップリング95uの外周面は、基準に対する角度θが90°より大きく且つ270°より小さい範囲では、鉛直方向上方(y軸の正側)から見てスリップリング95uや入力軸34の陰に隠れるため、重力により鉛直方向下方へ落下した磨耗粉の堆積がスリップリング95uや入力軸34により妨げられる。そこで、本実施形態では、スリップリング95uの外周面とブラシ96uとの接触部の回転方向後端104uの基準に対する角度θが90°より大きく且つ270°より小さい条件を満たすようにブラシ96uを配置することで、接触部の回転方向後端104u、さらには90°から回転方向に沿って接触部の回転方向後端104uに到るスリップリング95uの外周面が、鉛直方向上方から見てスリップリング95uや入力軸34の陰に隠れる。これによって、磨耗粉が重力により落下してスリップリング95uの外周面とブラシ96uとの接触部の回転方向後端104u、及びその付近に堆積するのを、スリップリング95uや入力軸34により妨げることができ、スリップリング95uの外周面とブラシ96uとの接触部に磨耗粉が噛み込んで再付着するのを抑制することができる。図6に示す例では、スリップリング95uの外周面とブラシ96u−1,96u−2との接触部の回転方向後端104u−1,104u−2の基準に対する角度θが90°より大きく且つ270°より小さい条件を満たすようにブラシ96u−1,96u−2が配置されている。ブラシ96u−1との接触部の回転方向後端104u−1はxy座標系の第4象限に位置し、ブラシ96u−2との接触部の回転方向後端104u−2はxy座標系の第3象限に位置する。
また、例えば図6に示すように、スリップリング95uの外周面とブラシ96u−3との接触部の回転方向後端104u−3の基準に対する角度θが270°より大きく且つ360°より小さい場合(回転方向後端104u−3がxy座標系の第2象限に位置する場合)は、ブラシ96u−3を、回転方向後端104u−3を通る鉛直線104aに対して、y軸(スリップリング回転中心軸95aと直交する鉛直線)と離間する側(x軸の負側)へ張り出させる。これによって、接触部の回転方向後端104u−3、さらにはそれより回転方向後方のスリップリング95uの外周面(270°から回転方向に沿って接触部の回転方向後端104u−3に到るスリップリング95uの外周面の一部)105u−3が、鉛直方向上方から見てブラシ96u−3(鉛直線104aに対してx軸の負側へ張り出した部分)の陰に隠れる。したがって、磨耗粉が重力により落下してスリップリング95uの外周面とブラシ96u−3との接触部の回転方向後端104u−3、及びその付近に堆積するのを、ブラシ96u−3(鉛直線104aに対してx軸の負側へ張り出した部分)により妨げることができ、スリップリング95uの外周面とブラシ96u−3との接触部に磨耗粉が噛み込んで再付着するのを抑制することができる。
さらに、スリップリング95uの外周面とブラシ96u−3との接触部の回転方向後端104u−3の基準に対する角度θが270°より大きく且つ360°より小さい場合は、例えば図7に示すように、ブラシ96u−3を、スリップリング95uの外周面における270°の位置を通る鉛直線(270°の位置に接する接線)104bに対して、y軸(スリップリング回転中心軸95aと直交する鉛直線)と離間する側(x軸の負側)へ張り出させることもできる。これによって、接触部の回転方向後端104u−3、さらには270°から回転方向に沿って接触部の回転方向後端104u−3に到るスリップリング95uの外周面106u−3の全部が、鉛直方向上方から見てブラシ96u−3の陰に隠れる。したがって、スリップリング95uの外周面とブラシ96u−3との接触部の回転方向後端104u−3、及びそれより回転方向後方のスリップリング95uの外周面への磨耗粉の堆積をブラシ96u−3により妨げる効果を向上させることができ、スリップリング95uの外周面とブラシ96u−3との接触部への磨耗粉の噛み込みを抑制する効果を向上させることができる。
なお、例えば図8に示すように、スリップリング95uの外周面とブラシ96u−3との接触部の回転方向後端104u−3の基準に対する角度θが270°である場合(回転方向後端104u−3がx軸上の負側に位置する場合)も、接触部の回転方向後端104u−3、さらにはそれより回転方向後方のスリップリング95uの外周面が、鉛直方向上方から見てブラシ96u−3やスリップリング95uや入力軸34の陰に隠れる。したがって、磨耗粉が重力により落下してスリップリング95uの外周面とブラシ96u−3との接触部の回転方向後端104u−3及びその付近に堆積するのを抑制することができる。また、スリップリング95vの外周面に対する各ブラシ96vの配置、及びスリップリング95wの外周面に対する各ブラシ96wの配置についても、スリップリング95uの外周面に対する各ブラシ96u−1,96u−2,96u−3の配置と同様である。
また、スリップリング95uの外周面とブラシ96uとの接触部の回転方向後端104uの基準に対する角度θが90°より大きく且つ270°より小さい場合は、接触部の回転方向後端104uが90°に近い位置に配置されると、接触部の回転方向後端104u及びその付近への磨耗粉の堆積をスリップリング95uや入力軸34により妨げる効果が減少する。そこで、接触部の回転方向後端104uを90°の位置から離して配置することが好ましく、例えば、接触部の回転方向後端104uをxy座標系の第3象限、あるいは第3象限に近い位置に配置することが好ましい。図9に示す構成例では、スリップリング95uの外周面とブラシ96u−1との接触部の回転方向後端104u−1の基準に対する角度θが180°であり、スリップリング95uの外周面とブラシ96u−2との接触部の回転方向後端104u−2の基準に対する角度θが180°より大きく且つ270°より小さい。これによって、ブラシ96u−1,96u−2に関して、接触部の回転方向後端104u−1,104u−2及びその付近への磨耗粉の堆積をスリップリング95uや入力軸34により妨げる効果を向上させることができ、接触部への磨耗粉の噛み込みを抑制する効果を向上させることができる。なお、図9に示す構成例では、スリップリング回転方向に関するブラシ96u−1,96u−2,96u−3の長さが減少するため、スリップリング95uの外周面とブラシ96u−1,96u−2,96u−3との接触面積の低下を防ぐために、ロータ回転軸方向に関するスリップリング95u及びブラシ96u−1,96u−2,96u−3の長さを増加させることが好ましい。
このように、本実施形態では、スリップリング95uの外周面に電気的に接触する複数のブラシ96uのすべてに関して、スリップリング95uの外周面とブラシ96uとの接触部の回転方向後端104uの基準に対する角度θが90°より大きく且つ270°以下である条件と、接触部の回転方向後端104uの基準に対する角度θが270°より大きく且つ360°より小さく、さらに、270°から回転方向に沿って接触部の回転方向後端104uに到るスリップリング95uの外周面の少なくとも一部(全部あるいは一部)が鉛直方向上方から見てブラシ96uの陰に隠れる条件と、のいずれかの条件が成立するように、各ブラシ96uが配置される。これによって、複数のブラシ96uのすべてに関して、磨耗粉が重力により落下して接触部の回転方向後端104u及びその付近に堆積するのを妨げることができ、接触部に磨耗粉が噛み込んで再付着するのを抑制することができる。そして、スリップリング95vの外周面に電気的に接触する複数のブラシ96vのすべて、及びスリップリング95wの外周面に電気的に接触する複数のブラシ96wのすべてに関しても、同様の条件が成立することで、接触部に磨耗粉が噛み込んで再付着するのを抑制することができる。
さらに、例えば図7に示すような、鉛直線104bに対してx軸の負側へ張り出したブラシ96u−3を有する場合は、複数のブラシ96uのすべてに関して、接触部の回転方向後端104uの基準に対する角度θが90°より大きく且つ270°以下である条件と、接触部の回転方向後端104uの基準に対する角度θが270°より大きく且つ360°より小さく、さらに、270°から回転方向に沿って接触部の回転方向後端104uに到るスリップリング95uの外周面の全部が鉛直方向上方から見てブラシ96uの陰に隠れる条件と、のいずれかの条件が成立するように、各ブラシ96uが配置される。これによって、接触部の回転方向後端104u及びその付近への磨耗粉の堆積を妨げる効果を向上させることができ、接触部への磨耗粉の噛み込みを抑制する効果を向上させることができる。
さらに、例えば図9に示すようなブラシ96u−1,96u−2を有する場合は、複数のブラシ96uのすべてに関して、スリップリング95uの外周面とブラシ96uとの接触部の回転方向後端104uの基準に対する角度θが180°以上且つ270°以下である条件と、接触部の回転方向後端104uの基準に対する角度θが270°より大きく且つ360°より小さく、さらに、270°から回転方向に沿って接触部の回転方向後端104uに到るスリップリング95uの外周面の少なくとも一部(全部あるいは一部)が鉛直方向上方から見てブラシ96uの陰に隠れる条件と、のいずれかの条件が成立するように、各ブラシ96uが配置される。これによっても、接触部の回転方向後端104u及びその付近への磨耗粉の堆積を妨げる効果を向上させることができ、接触部への磨耗粉の噛み込みを抑制する効果を向上させることができる。また、複数のブラシ96uのすべてに関して、スリップリング95uの外周面とブラシ96uとの接触部の回転方向後端104uの基準に対する角度θが180°以上且つ270°以下である条件が成立するように、各ブラシ96uを配置することも可能である。
したがって、以上説明した本実施形態によれば、ブラシ96u,96v,96wとスリップリング95u,95v,95wの異常磨耗を防止することができるとともに、ブラシ96u,96v,96wとスリップリング95u,95v,95wの電気的接触不良を防止することができる。その結果、ブラシ96u,96v,96wとスリップリング95u,95v,95wの磨耗量を低減することができ、ブラシ96u,96v,96wとスリップリング95u,95v,95wの耐久性を向上させることができる。
本実施形態では、回転電機10の入力軸34と出力軸24とを入れ替えることもでき、第2ロータ18を入力軸34に機械的に連結し、第1ロータ28を出力軸24に機械的に連結することもできる。すなわち、第2ロータ18がエンジン36に機械的に連結され、第1ロータ28が車輪38に機械的に連結されていてもよい。この場合は、エンジン36からの動力が入力軸34に連結された第2ロータ18に伝達され、出力軸24に連結された第1ロータ28からの動力が車輪38に伝達されるため、第2ロータ18が入力側ロータとなり、第1ロータ28が出力側ロータとなる。
また、本実施形態の構成は、ステータ16が省略され、ロータ巻線30が配設された第1ロータ28と第2ロータ18との間にトルクが作用する回転電機に対しても適用可能である。また、本実施形態の構成は、第2ロータ18が省略され、ステータ16とロータ巻線30が配設された第1ロータ28との間にトルクが作用する回転電機に対しても適用可能である。また、本実施形態の構成は、スリップリング95及びブラシ96を介してロータ巻線30に直流電流が流れる回転電機に対しても適用可能であり、その場合は、スリップリング95及びブラシ96がそれぞれ2つずつ設けられる。このように、本実施形態の構成は、回転子に回転子導体が配設され、スリップリング及びブラシを介して回転子導体に電流が流れる回転電機に対して適用可能である。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
10 回転電機、16 ステータ、18 第2ロータ(出力側ロータ)、20 ステータ巻線、24 出力軸、28 第1ロータ(入力側ロータ)、30 ロータ巻線、32,33 永久磁石、34 入力軸、36 エンジン、37 駆動軸、38 車輪、40,41 インバータ、42 蓄電装置、44 変速機、48 クラッチ、50 電子制御ユニット、88u,88v,88w ブラシホルダ、89u,89v,89w ばね、95(95u,95v,95w) スリップリング、96(96u−1,96u−2,96u−3,96v,96w) ブラシ、100 ブラシケース、101−1〜101−4 保持板。
Claims (4)
- 回転子導体が配設された回転子と、
回転子導体に電気的に接続され、回転子とともに回転するスリップリングであって、その回転中心軸が鉛直方向と略垂直になるよう配置されたスリップリングと、
スリップリングの回転方向に互いに間隔をおいて配置された複数のブラシであって、その各々がスリップリング外周面に電気的に接触する複数のブラシと、
を備え、
スリップリング外周面の前記回転方向の位置を、最も鉛直方向上方の位置を基準として、当該回転方向に沿って進んだ角度によって規定する場合に、
前記複数のブラシのすべてに関して、
スリップリング外周面とブラシとの接触部の回転方向後端の前記基準に対する角度が90°より大きく且つ270°以下である条件と、
前記回転方向後端の前記基準に対する角度が270°より大きく且つ360°より小さく、さらに、270°から当該回転方向後端までのスリップリング外周面の少なくとも一部が鉛直方向上方から見て当該ブラシの陰に隠れる条件と、
のいずれかが成立する、回転電機。 - 請求項1に記載の回転電機であって、
前記複数のブラシのすべてに関して、
前記回転方向後端の前記基準に対する角度が90°より大きく且つ270°以下である条件と、
前記回転方向後端の前記基準に対する角度が270°より大きく且つ360°より小さく、さらに、270°から当該回転方向後端までのスリップリング外周面が鉛直方向上方から見て当該ブラシの陰に隠れる条件と、
のいずれかが成立する、回転電機。 - 請求項1または2に記載の回転電機であって、
前記複数のブラシのすべてに関して、
前記回転方向後端の前記基準に対する角度が180°以上且つ270°以下である条件と、
前記回転方向後端の前記基準に対する角度が270°より大きく且つ360°より小さく、さらに、270°から当該回転方向後端までのスリップリング外周面の少なくとも一部が鉛直方向上方から見て当該ブラシの陰に隠れる条件と、
のいずれかが成立する、回転電機。 - 請求項1〜3のいずれか1に記載の回転電機であって、
交流電流が流れることで回転磁界を発生可能な固定子導体が配設された固定子と、
前記回転子導体が配設された回転子である第1回転子に対し相対回転可能であり、回転子導体に交流電流が流れることで発生した回転磁界が作用するのに応じて第1回転子との間にトルクが作用し、固定子導体で発生した回転磁界が作用するのに応じて固定子との間にトルクが作用する第2回転子と、
をさらに備える、回転電機。
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JP2012074691A JP2013207928A (ja) | 2012-03-28 | 2012-03-28 | 回転電機 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015056705A1 (ja) * | 2013-10-16 | 2015-04-23 | 株式会社豊田自動織機 | 車両制御装置 |
WO2017208530A1 (ja) * | 2016-06-01 | 2017-12-07 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 内燃機関のバルブタイミング制御装置及び電動モータの給電装置 |
-
2012
- 2012-03-28 JP JP2012074691A patent/JP2013207928A/ja active Pending
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