JP2013206863A - 塗布膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のノズルによってパネル領域に形成される塗布膜の形状の均一性を高めることの可能な塗布膜形成方法を提供する。
【解決手段】塗布膜形成方法は、切れ目なく液柱状のインクを吐出する3つのノズルを1つのノズル列とし、基板に対してノズル列を、第1方向に動かす第1塗布工程と、基板に対してノズル列を、第1方向とは反対方向である第2方向に動かす第2塗布工程と、第1塗布工程と第2塗布工程との間で、基板に対してノズル列を、第1方向と第2方向とに直交する方向である走査方向に動かす走査工程とを含み、第1塗布工程と走査工程と第2塗布工程と走査工程とが繰り返される。塗布膜形成方法は、基板のうちでパネル領域Pa,Pb,Pcでは、第1塗布工程のみが行われる。
【選択図】図5
【解決手段】塗布膜形成方法は、切れ目なく液柱状のインクを吐出する3つのノズルを1つのノズル列とし、基板に対してノズル列を、第1方向に動かす第1塗布工程と、基板に対してノズル列を、第1方向とは反対方向である第2方向に動かす第2塗布工程と、第1塗布工程と第2塗布工程との間で、基板に対してノズル列を、第1方向と第2方向とに直交する方向である走査方向に動かす走査工程とを含み、第1塗布工程と走査工程と第2塗布工程と走査工程とが繰り返される。塗布膜形成方法は、基板のうちでパネル領域Pa,Pb,Pcでは、第1塗布工程のみが行われる。
【選択図】図5
Description
本開示の技術は、基板に向けて切れ目なく液柱状のインクを吐出することで塗布膜を形成する塗布膜形成方法に関する。
近年、有機EL素子における発光層等の機能層を液体から形成する装置としてインクジェット装置が知られている。インクジェット装置は、インクを微小な液滴として吐出するノズルを備えて、機能層の形成材料が含まれる液滴を機能層が形成される部位に吐出する。しかしながら、インクジェット装置では、微小な液滴が間欠的に吐出されるため、微細な液膜を形成することが可能であるとはいえども、インクの乾燥によるノズルの目詰まりが不可避な問題となっている。そこで、液柱状のインクを吐出するノズルを備えて、該ノズルを備えたノズルヘッドと基板とを相対的に往復動させながらインクを塗布することにより、基板上に塗布膜を形成する塗布膜形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、上述の塗布膜形成装置では、1つのノズルヘッドに搭載される複数のノズルが複数の画素列に同時にインクを吐出し、これによって塗布膜の形成時間の短縮が図られている。しかしながら、1つのノズルヘッドに複数のノズルが搭載されるとなると、ノズルヘッドの往動と復動との繰り返しによって塗布膜が形成される以上、複数のノズルの各々の下方における塗布状態が、往動ごと、あるいは、復動ごとに相互に異なってしまう。すなわち、復動時における複数のノズルには、往動時に塗布されたインクに近いノズルと往動時に塗布されたインクから遠いノズルとが含まれる。そして、塗布されたインクに近いノズルの雰囲気では相対的に多くの溶媒が漂い、塗布されたインクから遠いノズルの雰囲気では、そこに漂う溶媒が少なくなる。このため、溶媒の多い雰囲気にてインクの乾燥が遅くなり、溶媒の少ない雰囲気にてインクの乾燥が速くなる結果、パネル領域内では、塗布膜の形状にばらつきが生じてしまう。なお、上述した塗布膜の形状のばらつきは、インクに含まれる溶媒以外の成分が基板上で蒸発する場合であっても概ね共通するものである。
本開示の技術は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数のノズルによってパネル領域に形成される塗布膜の形状の均一性を高めることの可能な塗布膜形成方法を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
本開示の技術の一態様は、基板に向けインクを切れ目なく吐出する2以上のノズルが配列されたノズル列を用い、前記ノズルの配列方向とは異なる方向が第1方向と設定され、前記第1方向とは反対の方向が第2方向と設定され、前記第1方向と交差する方向が主走査方向と設定され、前記基板のうちでパネルとなる部分がパネル領域と設定される場合に、前記基板に対し前記ノズル列を相対的に前記第1方向に動かす第1塗布工程と、前記基板に対し前記ノズル列を相対的に前記第2方向に動かす第2塗布工程と、前記基板と前記ノズル列とを相対的に前記主走査方向に動かす主走査工程とを含み、前記第1塗布工程と前記第2塗布工程とが交互に繰り返され、且つ、前記第1塗布工程と前記第2塗布工程との間に前記主走査工程が行われる塗布膜形成方法であって、前記第1塗布工程では、前記パネル領域にのみインクが吐出され、前記第2塗布工程及び前記主走査工程では、前記パネル領域以外にインクが吐出されることをその要旨としている。
本開示の技術の一態様は、基板に向けインクを切れ目なく吐出する2以上のノズルが配列されたノズル列を用い、前記ノズルの配列方向とは異なる方向が第1方向と設定され、前記第1方向とは反対の方向が第2方向と設定され、前記第1方向と交差する方向が主走査方向と設定され、前記基板のうちでパネルとなる部分がパネル領域と設定される場合に、前記基板に対し前記ノズル列を相対的に前記第1方向に動かす第1塗布工程と、前記基板に対し前記ノズル列を相対的に前記第2方向に動かす第2塗布工程と、前記基板と前記ノズル列とを相対的に前記主走査方向に動かす主走査工程とを含み、前記第1塗布工程と前記第2塗布工程とが交互に繰り返され、且つ、前記第1塗布工程と前記第2塗布工程との間に前記主走査工程が行われる塗布膜形成方法であって、前記第1塗布工程では、前記パネル領域にのみインクが吐出され、前記第2塗布工程及び前記主走査工程では、前記パネル領域以外にインクが吐出されることをその要旨としている。
同方法によれば、パネル領域に対しては、基板とノズル列とを相対的に第1方向に動かす第1塗布工程のみが行われて、第1塗布工程によるインクの塗布と第2塗布工程によるインクの塗布とが混ざることがない。そして、パネル領域に塗布されたインクでは、第2塗布工程が他の領域で行われている間に乾燥が進み、パネル領域の雰囲気で蒸発成分が拡散することになる。結果として、第1塗布工程によるインクの塗布と第2塗布工程によるインクの塗布とがパネル領域で繰り返される場合に比べて、パネル領域の雰囲気における蒸発成分の均一化を図ることができる。よって、パネル領域に塗布されたインクの乾燥に対して、蒸発成分の分布による影響が抑えられ、複数のノズルによってパネル領域に形成される塗布膜の形状の均一性を高めることができる。
本開示の技術の他の態様は、前記パネル領域を第1パネル領域とし、前記基板には、前記第1パネル領域とは異なる第2パネル領域が形成され、前記第1パネル領域と前記第2パネル領域とが前記主走査方向に並べられ、前記第2塗布工程では、前記第2パネル領域にのみインクが吐出されることをその要旨としている。
同方法によれば、第1パネル領域と第2パネル領域とが主走査方向に並べられ、第1パネル領域に対しては第1塗布工程の塗布のみが行われ、第2パネル領域に対しては第2塗布工程の塗布のみが行われる。このため、第1パネル領域には第1塗布工程のみによるインクが塗布され、第2パネル領域には第2塗布工程のみによるインクが塗布される。すなわち、第1副走査方法への上記移動による塗布と、第2方向への上記移動による塗布とが、相互に異なるパネル領域に割り当てられている。それゆえに、第1方向への上記移動と第2方向への上記移動との双方が塗布に利用され、且つ、複数のノズルによってパネル領域に形成される塗布膜の形状の均一性を高めることができる。
本開示の技術の他の態様は、前記基板は、2以上の前記第1パネル領域からなる第1パネル列と、2以上の前記第2パネル領域からなる第2パネル列とを備え、前記第1パネル列と前記第2パネル列とが隣接し、前記主走査工程では、前記第1塗布工程が行われた後に前記第2パネル列の上に前記ノズル列が配置され、前記第2塗布工程が行われた後に前記第1パネル列の上に前記ノズル列が配置されることをその要旨としている。
同方法によれば、第1パネル列と第2パネル列とが隣接し、主走査工程では、第1塗布工程が行われた後に第2パネル列の上にノズル列が配置され、第2塗布工程が行われた後に第1パネル列の上にノズル列が配置される。このため、第1塗布工程で第1パネル列を塗布したノズル列は、主走査工程において第1パネル列から第2パネル列に移動する。そして、第2塗布工程で第2パネル列を塗布したノズル列は、主走査工程において第2パネル列から第1パネル列に移動する。よって、第1パネル列における各第1パネル領域内と、第2パネル列における各第2パネル領域内とにおいて、複数のノズルによって形成される塗布膜の形状の均一性を高めることができる。
本開示の技術の他の態様は、前記配列方向は、前記第1方向と前記第2方向と前記主走査方向とに交差する方向であることをその要旨としている。
ノズルの配列方向が第1方向と第2方向と主走査方向とに交差する方向である場合には、第1方向において各ノズルの位置が相互に異なり、また、第2方向において各ノズルの位置が相互に異なる。こうした場合には、第1塗布工程内におけるインクの乾燥状態がノズル毎に異なるから、パネル領域の雰囲気における蒸発成分の量もノズルの経路毎に異なってしまう。また、第2塗布工程内でも同様に、蒸発成分の量がノズルの経路毎に異なってしまう。
ノズルの配列方向が第1方向と第2方向と主走査方向とに交差する方向である場合には、第1方向において各ノズルの位置が相互に異なり、また、第2方向において各ノズルの位置が相互に異なる。こうした場合には、第1塗布工程内におけるインクの乾燥状態がノズル毎に異なるから、パネル領域の雰囲気における蒸発成分の量もノズルの経路毎に異なってしまう。また、第2塗布工程内でも同様に、蒸発成分の量がノズルの経路毎に異なってしまう。
例えば、第1塗布工程では、ノズル列にて配列方向の両端に配置された2つのノズルのうち、一方のノズルで塗布されたインクは最も速く乾燥を開始し、他方のノズルで塗布されたインクは最も遅く乾燥を開始する。他方で、第2塗布工程では、上記一方のノズルで塗布されたインクは最も遅く乾燥を開始し、上記他方のノズルで塗布されたインクは最も速く乾燥を開始する。なお、ノズルの配列方向と第1方向とが直交する場合であれば、こうした蒸発成分の量のばらつきは生じ難い。
そして、第1塗布工程と第2塗布工程とが1つのパネル領域に対して交互に行われると、第1塗布工程にて上記他方のノズルで塗布されるインクと、第2塗布工程にて上記一方のノズルで塗布されるインクとが隣り合うことになる。すなわち、第1塗布工程にて最も遅く乾燥を開始するインクのラインと、第2塗布工程にて最も遅く乾燥を開始するインクのラインとが隣り合うことになる。また、第1塗布工程にて最も速く乾燥を開始するインクのラインと、第2塗布工程にて最も速く乾燥を開始するインクのラインとが隣り合うことになる。結果として、ノズルの配列方向が第1方向と直交する場合と比べて、1つのパネル領域での塗布膜の形状のばらつきが一層に大きくなることとなる。
この点、上述の方法によれば、第1塗布工程と第2塗布工程との組み合わせに起因する上述のような塗布膜の形状のばらつきが抑えられるため、複数のノズルによってパネル領域に形成される塗布膜の形状の均一性を高められる効果が顕著になる。
本開示の技術によれば、複数のノズルによってパネル領域内に形成される塗布膜の形状の均一性を高めることができる。
以下、本開示の塗布膜形成方法を具体化した一実施形態を図1〜図6に従って説明する。本実施形態では、有機EL素子の発光層となる塗布膜を塗布膜形成装置によって形成する。有機EL素子は、R(赤)G(緑)B(青)の各色の発光層のうち、同じ色の発光層を一列に並べた構成を有している。
図1に示されるように、塗布膜形成装置10は、液柱状のインクを吐出することで塗布膜を形成する。本実施形態では、特定色を発光する有機発光材料を低分子溶媒に溶解又は分散させたインクを用いる。
塗布膜形成装置10は、主走査方向に延びる2つのステージガイド11a,11bが主走査方向と直交する方向である副走査方向に併設されている。これらステージガイド11a,11bには、基板13の載置されるステージ12が、ステージガイド11a,11bに沿って主走査方向に往復動可能に搭載されている。
基板13は、例えば、ガラス基板等の透光性の基板であって、複数のパネルが切り出されるマザー基板である。基板13の上面には、パネルとなる領域である複数のパネル領域Pa〜Pfを有している。パネル領域Pa〜Pfの各々には、副走査方向に延びる赤色用画素列と、副走査方向に延びる緑色用画素列と、副走査方向に延びる青色用画素列とが、この順に繰り返して主走査方向に形成されている。赤色用画素列とは、複数の赤色用画素が主走査方向に並べられる領域である。緑色用画素列とは、緑色用画素が主走査方向に並べられる領域である。青色用画素列とは、青色用画素が主走査方向に並べられる領域である。
図2に示されるように、基板13上において、副走査方向に並ぶ3つのパネル領域からなる1列分のパネル領域が主走査方向に2つ並べられて、合計6つのパネル領域Pa〜Pfが配置されている。2列のパネル領域のうち、主走査方向の一方側の列であるパネル領域Pa〜Pcを第1パネル列P1とする。また、2列のパネル領域のうち、副走査方向の他方側の列であるパネル領域Pd〜Pfを第2パネル列P2とする。そして、パネル領域Pc,Pfの各々の角部には、位置検出のためのアライメントマークAMが設けられている。なお、パネル領域Pa〜Pcが第1パネル領域に相当し、パネル領域Pd〜Pfが第2パネル領域に相当する。
ステージ12は、ステージモータMsの駆動力によって、ステージガイド11a,11bに沿ってステージガイド11a,11bの両端部の間を往動及び復動する。ステージ12が移動する位置のうち、ステージガイド11a,11bの一端側に設定される塗布準備位置は、インクの塗布前の基板13をステージ12に載置する等、インクを塗布するための準備が行われる位置である。ステージ12が移動する位置のうち、ステージガイド11a,11bの長手方向の両端の中間に設定される塗布開始位置は、パネル領域Pa〜Pfへのインクの塗布が開始される位置である。ステージ12が移動する位置のうち、ステージガイド11a,11bの他端側に設定される塗布完了位置は、インクの塗布が終了した基板13が回収される等の後処理が行われる位置である。
上記塗布準備位置と塗布開始位置との間の領域の上方には、基板13におけるパネル領域Pc,Pfの位置を検出する位置検出部15が配設されている。位置検出部15は、例えばCCDカメラ等から構成されて、位置検出部15の下方を通過するアライメントマークAMをパネル領域Pc,Pfの位置として検出する。
上記塗布開始位置の上方には、ノズル部16が配設されている。ノズル部16は、副走査方向に延びる副走査ガイド17と、副走査ガイド17に沿って移動するノズルヘッド19とから構成される。ノズルヘッド19は、副走査モータMaの駆動力によって副走査ガイド17に沿って副走査方向に往動及び復動する。
図3に示されるように、ノズルヘッド19の下面には、ノズルNが露出している。ノズルヘッド19には、色毎に3つのノズルNからなるノズル列Nr,Ng,Nbが設けられている。赤色ノズル列Nrは、第1赤色ノズルNr1と、第2赤色ノズルNr2と、第3赤色ノズルNr3とからなる。緑色ノズル列Ngは、第1緑色ノズルNg1と、第2緑色ノズルNg2と、第3緑色ノズルNg3とからなる。青色ノズル列Nbは、第1青色ノズルNb1と、第2青色ノズルNb2と、第3青色ノズルNb3とからなる。これら各色のノズル列Nr,Ng,NbのノズルNは、主走査方向における同色画素同士のピッチよりもノズル本体が大きいため、主走査方向へ直線状に並ぶことができず、副走査方向へずらして斜めに並んで配置されている。すなわち、ノズル列の方向であるノズル列方向は、主走査方向と副走査方向とに交差する方向である。インクはノズルNの吐出口から下方に向かって液柱状に切れ目なく吐出される。なお、切れ目がない状態とは、ノズルNの吐出口と基板13との間の全体にわたり柱状のインクが連なる状態が、インクの塗布の過程に含まれる状態である。
図1及び図2に示されるように、各色のノズルNには、加圧タンク20から互いに異なる色のインクが供給される。加圧タンク20では、タンク内に窒素等のガスが送り込まれることにより、タンク内のインクが供給口から圧送される。加圧タンク20の供給口には、脱気タンク21が接続されている。脱気タンク21では、インクがタンクに一旦溜められて、タンク底部からインクが流出される。これにより、タンク内に溜められたインク中の気体が液面上に排出されて、インクの脱気が行われる。その結果、ノズルNに供給されるインクに気泡が含まれることが抑えられるため、ノズルNから吐出されるインクの性状の安定性を高めることができる。
脱気タンク21には、流路を流れるインクの流量を計測する流量計22が接続されている。流量計22には、流路を流れるインクの流量を制御する流量制御弁23が接続されている。流量計22にノズルヘッド19が接続されている。すなわち、加圧タンク20からノズルヘッド19へ供給されるインクの流量は、流量制御弁23の開閉によって制御されるとともに流量計22にて計測される。流量制御弁23の開度は、流量計22の計測値に応じて、該流量計22の計測値が所定の値となるように制御される。
次に、本実施形態の塗布膜形成装置の電気的な構成について、図2を参照して説明する。塗布膜形成装置10は、中央処理装置(CPU)、不揮発性メモリ(ROM)、及び揮発性メモリ(RAM)を有する制御装置30を備えている。
図2に示されるように、制御装置30は、塗布を行うための塗布プログラムや塗布条件を記憶する記憶部31を備えている。制御装置30は、ノズルNに供給されるインクの流量を制御する流量制御部32と、ステージ12及びノズル部16の動作を制御する駆動制御部33とを備えている。
制御装置30には、各種のボタンやタッチパネル等から構成される操作部40が接続されている。操作部40は、基板13に関する情報である基板情報や塗布条件に関する情報である塗布情報を制御装置30に出力する。
基板情報は、基板13におけるパネル領域Pa〜Pfの配置、画素列の幅や数、各ノズルヘッド19の塗布前の位置である初期位置等である。塗布情報は、ステージ12の走査量や走査速度、ノズルヘッド19の走査量や走査速度に関する情報、ノズルヘッド19から吐出されるインクの流量に関する情報等である。
流量制御部32には、目標値と流量計22から入力される計測値とに基づいて、計測値が目標値となるように流量制御弁23の開度を算出し、算出された開度に応じた開度信号を生成してその開度信号を流量制御弁23へ出力する。流量制御弁23は、開度信号に応じた開度で弁体を駆動して、ノズルヘッド19のノズルNに供給されるインクの流量を制御する。
駆動制御部33には、位置検出部15が接続されている。位置検出部15は、アライメントマークAMを検出したか否かを示す検出情報を駆動制御部33に出力する。
駆動制御部33は、入力された基板情報と塗布情報とに基づいて、主走査におけるステージ12の移動量と、副走査におけるノズル部16の移動量とを算出する。駆動制御部33は、算出した移動量に基づく駆動電流を生成し、その駆動電流をステージモータMsに出力する。ステージモータMsは、駆動制御部33から入力される駆動電流によって駆動されてステージ12の主走査を行う。
駆動制御部33は、入力された基板情報と塗布情報とに基づいて、主走査におけるステージ12の移動量と、副走査におけるノズル部16の移動量とを算出する。駆動制御部33は、算出した移動量に基づく駆動電流を生成し、その駆動電流をステージモータMsに出力する。ステージモータMsは、駆動制御部33から入力される駆動電流によって駆動されてステージ12の主走査を行う。
駆動制御部33は、算出したノズルヘッド19の副走査における移動量に基づく駆動電流を生成し、その駆動電流を副走査モータMaに出力する。副走査モータMaは、駆動制御部33から入力される駆動電流によって駆動されて、ノズルヘッド19を副走査方向に移動させて副走査を行う。
駆動制御部33は、塗布プログラムに従って、副走査モータMaの駆動を実行する。また、駆動制御部33は、ステージモータMsと副走査モータMaとに交互に制御信号を出力し、主走査と副走査とを交互に実行する。
塗布膜形成装置10は、ステージ12が塗布準備位置から塗布開始位置まで往動されると、ノズルヘッド19が副走査ガイド17に沿って副走査方向に移動して、ノズルヘッド19が初期位置に移動する。
ノズルヘッド19が副走査ガイド17に沿って副走査方向へ動かされて初期位置に配置されると、パネル領域Pa〜Pfへのインクの塗布が開始される。そして、ステージ12が塗布開始位置から塗布完了位置に向けて主走査方向へ所定量動かされる主走査と、ノズルヘッド19が副走査方向へ動かされる副走査とが交互に繰り返されて、パネル領域Pa〜Pfへのインクの塗布が行われる。
次に、上記の塗布膜形成装置10の動作を図4〜図6を参照して説明する。
図4に示されるように、塗布膜形成装置10は、双方向である副走査方向のうち左から右への第1方向においてインクを塗布する第1塗布工程と、副走査方向における右から左への第2方向においてインクを塗布する第2塗布工程とでは、インクを塗布するパネル列が互いに異なる。すなわち、塗布膜形成装置10は、副走査の往路(第1方向)において第1パネル列P1(Pa,Pb,Pc)にインクを塗布し、主走査において第1パネル列P1と異なる第2パネル列P2(Pd,Pe,Pf)上に移動し、副走査の復路(第2方向)において第2パネル列P2にインクを塗布する。なお、パネル列P1,P2同士を往動及び復動する工程を主走査工程とする。
図4に示されるように、塗布膜形成装置10は、双方向である副走査方向のうち左から右への第1方向においてインクを塗布する第1塗布工程と、副走査方向における右から左への第2方向においてインクを塗布する第2塗布工程とでは、インクを塗布するパネル列が互いに異なる。すなわち、塗布膜形成装置10は、副走査の往路(第1方向)において第1パネル列P1(Pa,Pb,Pc)にインクを塗布し、主走査において第1パネル列P1と異なる第2パネル列P2(Pd,Pe,Pf)上に移動し、副走査の復路(第2方向)において第2パネル列P2にインクを塗布する。なお、パネル列P1,P2同士を往動及び復動する工程を主走査工程とする。
塗布膜形成装置10は、パネル領域Pa〜Pfへのインクの塗布が終了すると、ステージ12を塗布完了位置まで移動する。そして、塗布膜形成装置10は、塗布完了位置にて上述の後処理を行い、後処理が終わると、ステージ12を塗布完了位置から塗布準備位置まで復動して一連の塗布膜の形成工程を繰り返す。
図5及び図6に示されるように、各パネル領域Pa〜Pfには、互いに異なる3色の画素列14が主走査方向に順番に繰り返されている。互いに異なる3色の画素列14は同一の幅を有しており、副走査方向に並ぶパネル領域Pa〜Pfでは、同色の画素列14が副走査方向に一直線上に並んでいる。ここでは、赤色ノズル列Nrによる赤色の塗布膜の形成について説明する。緑色ノズル列Ngによる緑色の塗布膜の形成については、緑色ノズル列Ngと緑色の画素列14とに変更すれば同様であるので説明を割愛する。青色ノズル列Nbによる青色の塗布膜の形成については、青色ノズル列Nbと青色の画素列14とに変更すれば同様であるので説明を割愛する。
図5(a)に示されるように、まず、塗布膜形成装置10は、赤色ノズル列Nrが第1方向へ副走査されることによって第1パネル列P1(Pa,Pb,Pc)の3列の赤色の画素列14にインクを塗布する。すなわち、第1赤色ノズルNr1が主走査方向における1つ目の赤色の画素列14にインクを塗布し、第2赤色ノズルNr2が主走査方向における2つ目の赤色の画素列14にインクを塗布し、第3赤色ノズルNr3が主走査方向における3つ目の赤色の画素列14にインクを塗布する。
赤色ノズル列Nrは、副走査方向に対して斜めに配置されているので、第2赤色ノズルNr2が第1赤色ノズルNr1よりも副走査の右手方向に進んだ位置に位置し、第3赤色ノズルNr3が第2赤色ノズルNr2よりも副走査の右手方向に更に進んだ位置に位置する。
ここで、塗布されたインクは、インクに含まれる溶媒等の成分が蒸発することで乾燥して、塗布膜となる。この蒸発した成分は、パネル領域Pa,Pb,Pc上にある程度の時間漂う。このため、図5(a)に破線で示したように、塗布膜形成装置10は、前回塗布したインクから蒸発した成分が漂った状態で、前回塗布した画素列14の次の画素列14、すなわち4,5,6つ目の赤色の画素列14に、赤色ノズル列Nrを第2方向へ副走査することでインクを塗布すると、漂った成分が塗布したインクに影響を与えて、塗布膜の形状に影響を与えるおそれがある。特に、複数のノズルNが斜めに配置されたノズルヘッド19を搭載した塗布膜形成装置10では、1度のインクの塗布によってノズルN同士で主走査方向に位置が異なるのでパネル領域上の雰囲気に差がある。よって、漂った蒸発成分による塗布したインクへの影響が大きいおそれがある。
例えば、第1塗布工程では、ノズル列にて配列方向の両端に配置された2つのノズルNr1,Nr3のうち、第3赤色ノズルNr3で塗布されたインクは最も速く乾燥を開始し、第1赤色ノズルNr1で塗布されたインクは最も遅く乾燥を開始する。他方で、第2塗布工程では、第3赤色ノズルNr3で塗布されたインクは最も遅く乾燥を開始し、第1赤色ノズルNr1で塗布されたインクは最も速く乾燥を開始する。なお、ノズルの配列方向と第1方向とが直交する場合であれば、こうした蒸発成分の量のばらつきは生じ難い。
そして、第1塗布工程と第2塗布工程とが1つのパネル領域に対して交互に行われるとなると、第1塗布工程にて第3赤色ノズルNr3で塗布されるインクと、第2塗布工程にて第1赤色ノズルNr1で塗布されるインクとが隣り合うことになる。すなわち、第1塗布工程にて最も速く乾燥を開始するインクのラインと、第2塗布工程にて最も速く乾燥を開始するインクのラインとが隣り合うことになる。また、第1塗布工程にて最も遅く乾燥を開始するインクのラインと、第2塗布工程にて最も遅く乾燥を開始するインクのラインとが隣り合うことになる。結果として、ノズルの配列方向が第1方向と直交する場合と比べて、1つのパネル領域での塗布膜の形状のばらつきが一層に大きくなることとなる。
そこで、図5(b)に示されるように、塗布膜形成装置10は、前回塗布した画素列14の次の画素列14、すなわち4,5,6つ目の赤色の画素列14に、赤色ノズル列Nrを第1方向へ再び副走査することでインクを塗布する。よって、第1方向に沿って塗布されたインクでは、第2塗布工程が他の領域で行われている間に乾燥が進み、パネル領域の雰囲気で蒸発成分が拡散することなる。結果として、第1塗布工程によるインクの塗布と第2塗布工程によるインクの塗布とが1つのパネル領域で繰り返される場合に比べて、パネル領域の雰囲気における蒸発成分の均一化を図ることができる。
また、図6(a)に示されるように、塗布膜形成装置10は、第1方向へ副走査された後に、赤色ノズル列Nrが第2方向へ副走査されることによって第2パネル列P2(Pd,Pe,Pf)の3列の赤色の画素列14にインクを塗布する。すなわち、第1赤色ノズルNr1が主走査方向における1つ目の赤色の画素列14にインクを塗布し、第2赤色ノズルNr2が主走査方向における2つ目の赤色の画素列14にインクを塗布し、第3赤色ノズルNr3が主走査方向における3つ目の赤色の画素列14にインクを塗布する。
ここで、上記と同様に、塗布されたインクに含まれる溶媒等が蒸発して、パネル領域Pd,Pe,Pf上にある程度の時間漂う。このため、図6(a)に破線で示したように、塗布膜形成装置10は、前回塗布したインクから蒸発した溶媒等が漂った状態で、前回塗布した画素列14の次の画素列14、すなわち4,5,6つ目の赤色の画素列14に、赤色ノズル列Nrを第2方向へ副走査することでインクを塗布すると、漂った成分が塗布したインクに影響を与えて、塗布膜の形状に影響を与えるおそれがある。
そこで、図6(b)に示されるように、塗布膜形成装置10は、前回塗布した画素列14の次の画素列14、すなわち4,5,6つ目の赤色の画素列14に、赤色ノズル列Nrを第2方向へ副走査することでインクを塗布する。よって、第1塗布工程にて説明したように、第2方向に沿って塗布されたインクでは、第1塗布工程が他のパネル領域でおこなわれている間に乾燥が進み、パネル領域の雰囲気で蒸発成分が拡散することになる。結果として、第1塗布工程と同様に、パネル領域の雰囲気における蒸発成分の均一化を図ることができる。
すなわち、塗布膜形成装置10は、第1方向へ副走査することで第1パネル列P1の3行の画素列14にインクを塗布し、続いて第1パネル列P1から第2パネル列P2へ主走査する。そして、塗布膜形成装置10は、第2方向へ副走査することで第2パネル列P2の3行の画素列14にインクを塗布し、続いて第2パネル列P2から第1パネル列P1へ主走査する。塗布膜形成装置10は、上記を繰り返すことで、両パネル列P1,P2の画素列14にインクを塗布する。
これにより、第1パネル列P1に対してはノズルヘッド19の第1方向への副走査によってのみインクが塗布され、第2パネル列P2に対してはノズルヘッド19の第2方向への副走査によってのみインクが塗布される。したがって、同一パネル領域には同じ方向の副走査によってインクが塗布されるので、前回塗布したインクから蒸発した成分がパネル領域の雰囲気で均一化した状態で今回のインクを塗布することとなる。よって、蒸発成分の分布による塗布膜の形状への影響を抑えることができ、パネル領域に形成される塗布膜の形状の均一性を高めることが可能となる。
以上、説明した実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)パネル領域Pa,Pb,Pcでは第1方向に動かす第1塗布工程のみが行われるので、パネル領域Pa,Pb,Pcに対して第1方向と第2方向との両方向に動かすことによるインクの塗布がない。このため、第1方向にインクを塗布した後に、第2方向にノズルが移動する期間、塗布したインクを乾燥させることができ、塗布時におけるパネル領域Pa,Pb,Pcの雰囲気に漂う蒸発成分の均一化を図ることができる。よって、蒸発成分の分布による塗布膜の形状への影響を抑えることができ、パネル領域Pa,Pb,Pcに形成される塗布膜の形状の均一性を高めることができる。
(1)パネル領域Pa,Pb,Pcでは第1方向に動かす第1塗布工程のみが行われるので、パネル領域Pa,Pb,Pcに対して第1方向と第2方向との両方向に動かすことによるインクの塗布がない。このため、第1方向にインクを塗布した後に、第2方向にノズルが移動する期間、塗布したインクを乾燥させることができ、塗布時におけるパネル領域Pa,Pb,Pcの雰囲気に漂う蒸発成分の均一化を図ることができる。よって、蒸発成分の分布による塗布膜の形状への影響を抑えることができ、パネル領域Pa,Pb,Pcに形成される塗布膜の形状の均一性を高めることができる。
(2)主走査方向に第1パネル列P1と第2パネル列P2とが並べられ、第1パネル列P1に対して第1塗布工程のみが行われ、第2パネル列P2に対して第2塗布工程のみが行われる。このため、第1パネル列P1には第1方向に動く往動時にのみインクが塗布され、第2パネル列P2には第2方向に動く復動時にのみインクが塗布される。往復時にそれぞれパネル領域が割り当てられているので、往動と復動との双方が塗布に利用され、且つ、パネル領域での塗布膜の形状の均一性を高めることが可能になる。
(3)第1パネル列P1と第2パネル列P2とが隣接し、主走査工程では、第1塗布工程が行われた後に第2パネル列P2の上にノズル列Nr,Ng,Nbが配置され、第2塗布工程が行われた後に第1パネル列P1の上にノズル列Nr,Ng,Nbが配置される。このため、第1塗布工程で第1パネル列P1を塗布したノズル列Nr,Ng,Nbは、主走査工程において第1パネル列P1から第2パネル列P2に移動する。そして、第2塗布工程で第2パネル列P2を塗布したノズル列Nr,Ng,Nbは、主走査工程において第2パネル列P2から第1パネル列P1に移動する。よって、ノズル列Nr,Ng,Nbは第1パネル列P1と第2パネル列P2とにおいて、塗布膜の形状の均一性を高めることが可能となる。
(4)ノズルの配列方向が第1方向と第2方向と主走査方向と交差する方向である。このため、第1方向及び第2方向へのノズルの位置が主走査方向において異なり、1度の塗布においてもノズルN毎にインクの乾燥状態が異なることで、パネル領域Pa〜Pfの雰囲気における蒸発した成分の量が異なる。よって、第1工程では第1パネル列P1(パネル領域Pa,Pb,Pc)にインクを塗布し、第2工程では第2パネル列P2(パネル領域Pd,Pe,Pf)にインクを塗布することで、パネル領域Pa〜Pf内の塗布膜の形状の均一性を高めることができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施形態では、副走査方向に3つのパネル領域を並べたパネル列を主走査方向に2つ並べたが、副走査方向に並ぶパネル領域の数量と、主走査方向に並ぶパネル列の数量は任意に変更可能である。
・上記実施形態では、副走査方向に3つのパネル領域を並べたパネル列を主走査方向に2つ並べたが、副走査方向に並ぶパネル領域の数量と、主走査方向に並ぶパネル列の数量は任意に変更可能である。
・上記実施形態では、ノズルヘッド19に各色3つのノズルNを搭載したが、各色2つのノズルNを搭載してもよく、各色4つ以上のノズルNを搭載してもよい。
・上記実施形態では、ノズルヘッド19に搭載された主走査方向に並んだノズルNを副走査方向へ斜めに配置したが、ノズルNを副走査方向と直交する方向に並べてノズルヘッド19に配置してもよい。
・上記実施形態では、ノズルヘッド19に搭載された主走査方向に並んだノズルNを副走査方向へ斜めに配置したが、ノズルNを副走査方向と直交する方向に並べてノズルヘッド19に配置してもよい。
・上記実施形態では、第1パネル列P1に対して第1塗布工程を行い、第2パネル列P2に対して第2塗布工程を行ったが、各パネル領域Pに対して第1塗布工程又は第2塗布工程のいずれかのみが行われれば、各パネル領域Pに対して任意に選択してもよい。
・上記構成において、脱気タンク21は、流量計22とノズルヘッド19との間に設けてもよい。また、ノズルヘッド19から吐出されるインクに含まれる気泡がインクの性状に影響を与えない程度であれば、脱気タンク21を設けなくてもよい。
・上記構成において、ステージ12を固定し、ノズルヘッド19による主走査と副走査とによってインクの塗布が行われるようにしてもよい。
・上記実施形態では、主走査方向と副走査方向を直交させたが、主走査方向と副走査方向のなす角を0°以外であれば任意に設定してもよい。
・上記実施形態では、主走査方向と副走査方向を直交させたが、主走査方向と副走査方向のなす角を0°以外であれば任意に設定してもよい。
・第2塗布工程が基板13の外側で行われて、基板13における全てのパネル領域に対し第1塗布工程が行われてもよい。
・主走査方向に沿って第1パネル列、第2パネル列、…、第nパネル列(nは3以上の整数)が並ぶ場合には、奇数番目のパネル列に対し第1塗布工程が行われ、偶数番目のパネル列に対し第2塗布工程が行われてもよい。あるいは、第1パネル列から第mパネル列(mは2以上n未満の整数)に対し第1塗布工程が行われ、第m+1パネル列から第nパネル列に対し第2塗布工程が行われてもよい。要するに、第1塗布工程では、特定のパネル領域にのみインクが吐出され、第2塗布工程及び主走査工程では、特定のパネル領域以外にインクが吐出される方法であればよい。
・主走査方向に沿って第1パネル列、第2パネル列、…、第nパネル列(nは3以上の整数)が並ぶ場合には、奇数番目のパネル列に対し第1塗布工程が行われ、偶数番目のパネル列に対し第2塗布工程が行われてもよい。あるいは、第1パネル列から第mパネル列(mは2以上n未満の整数)に対し第1塗布工程が行われ、第m+1パネル列から第nパネル列に対し第2塗布工程が行われてもよい。要するに、第1塗布工程では、特定のパネル領域にのみインクが吐出され、第2塗布工程及び主走査工程では、特定のパネル領域以外にインクが吐出される方法であればよい。
・主走査方向に沿って第1パネル列、第2パネル列、…、第nパネル列(nは3以上の整数)が並ぶ場合には、第1パネル列から第nパネル列に向けて、第1塗布工程と第2塗布工程とが順に繰り返されてもよい。あるいは、第1パネル列と第2パネル列との間でまず第1塗布工程と第2塗布工程とが繰り返され、第1パネル列と第2パネル列とに対する塗布が終了した後に、第3パネル列と第4パネル列との間で第1塗布工程と第2塗布工程とが繰り返される方法であってもよい。
・第1塗布工程では、ノズルヘッド19に対し基板13を第1方向に動かしてもよく、あるいは、ノズルヘッド19を第1方向に動かし、且つ、基板13を第2方向に動かしてもよく、さらには、ノズルヘッド19を第2方向に動かし、且つ、基板13を第1方向に動かしてもよい。要するに、第1塗布工程では、基板13に対しノズル列が相対的に第1方向に動けばよい。
・第2塗布工程では、ノズルヘッド19に対し基板13を第2方向に動かしてもよく、あるいは、ノズルヘッド19を第1方向に動かし、且つ、基板13を第2方向に動かしてもよく、さらには、ノズルヘッド19を第2方向に動かし、且つ、基板13を第1方向に動かしてもよい。要するに、第2塗布工程では、基板に対しノズル列が相対的に第2方向に動けばよい。
・主走査工程では、基板13に対しノズルヘッド19が主走査方向に動いてもよく、あるいは、双方向である主走査方向の一方に基板13が動き、他方にノズルヘッド19が動いてもよい。要するに、主走査工程は、基板13とノズル列とを相対的に主走査方向に動かす工程であればよい。
・上記実施形態では、塗布膜として有機EL素子の発光層を形成したが、これに代えて、正孔輸送層等の有機EL素子における他の機能層を形成してもよい。
10…塗布膜形成装置、11a,11b…ステージガイド、12…ステージ、13…基板、14…画素列、15…位置検出部、16…ノズル部、17…副走査ガイド、19…ノズルヘッド、20…加圧タンク、21…脱気タンク、22…流量計、23…流量制御弁、30…制御装置、31…記憶部、32…流量制御部、33…駆動制御部、40…操作部、Ma…副走査モータ、Ms…ステージモータ、N…ノズル、Nb…青色ノズル列、Nb1…第1青色ノズル、Nb2…第2青色ノズル、Nb3…第3青色ノズル、Ng…緑色ノズル列、Ng1…第1緑色ノズル、Ng2…第2緑色ノズル、Ng3…第3緑色ノズル、Nr…赤色ノズル列、Nr1…第1赤色ノズル、Nr2…第2赤色ノズル、Nr3…第3赤色ノズル、P1…第1パネル列、P2…第2パネル列、Pa…第1パネル領域、Pb…第2パネル領域、Pc…第3パネル領域、Pd…第4パネル領域、Pe…第5パネル領域、Pf…第6パネル領域。
Claims (4)
- 基板に向けインクを切れ目なく吐出する2以上のノズルが配列されたノズル列を用い、
前記ノズルの配列方向とは異なる方向が第1方向と設定され、
前記第1方向とは反対の方向が第2方向と設定され、
前記第1方向と交差する方向が主走査方向と設定され、
前記基板のうちでパネルとなる部分がパネル領域と設定される場合に、
前記基板に対し前記ノズル列を相対的に前記第1方向に動かす第1塗布工程と、
前記基板に対し前記ノズル列を相対的に前記第2方向に動かす第2塗布工程と、
前記基板と前記ノズル列とを相対的に前記主走査方向に動かす主走査工程とを含み、
前記第1塗布工程と前記第2塗布工程とが交互に繰り返され、且つ、前記第1塗布工程と前記第2塗布工程との間に前記主走査工程が行われる塗布膜形成方法であって、
前記第1塗布工程では、前記パネル領域にのみインクが吐出され、
前記第2塗布工程及び前記主走査工程では、前記パネル領域以外にインクが吐出される
ことを特徴とする塗布膜形成方法。 - 前記パネル領域を第1パネル領域とし、
前記基板には、前記第1パネル領域とは異なる第2パネル領域が形成され、
前記第1パネル領域と前記第2パネル領域とが前記主走査方向に並べられ、
前記第2塗布工程では、前記第2パネル領域にのみインクが吐出される
ことを特徴とする請求項1に記載の塗布膜形成方法。 - 前記基板は、2以上の前記第1パネル領域からなる第1パネル列と、2以上の前記第2パネル領域からなる第2パネル列とを備え、前記第1パネル列と前記第2パネル列とが隣接し、
前記主走査工程では、
前記第1塗布工程が行われた後に前記第2パネル列の上に前記ノズル列が配置され、
前記第2塗布工程が行われた後に前記第1パネル列の上に前記ノズル列が配置される
ことを特徴とする請求項2に記載の塗布膜形成方法。 - 前記配列方向は、
前記第1方向と前記第2方向と前記主走査方向とに交差する方向である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗布膜形成方法。
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JP2012077879A Pending JP2013206863A (ja) | 2012-03-29 | 2012-03-29 | 塗布膜形成方法 |
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