JP2013206687A - スプリングプローブの製造方法およびスプリングプローブ - Google Patents

スプリングプローブの製造方法およびスプリングプローブ Download PDF

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Abstract

【課題】金メッキのムラを低減すること。
【解決手段】端子3と、その端子3に弾性力を付与するスプリング4と、端子3およびスプリング4を収容するスリーブ2とを有するスプリングプローブ1の製造方法において、1枚の平らな基板から端子3、スプリング4、およびスリーブ2に加工される部材を互いに連結された状態で平面的に打ち抜く第一のステップと、第一のステップの処理により平面的に打ち抜かれた端子3、スプリング4、およびスリーブ2に加工される部材に対し、曲げ加工を施す第二のステップと、を有し、第二のステップの処理に先立って、第一のステップの処理により平面的に打ち抜かれた部材に対し、導電性処理を施すステップを実施する。
【選択図】図1

Description

本発明は、スプリングプローブの製造方法およびスプリングプローブに関する。
従来、ICやLSI等の半導体部品は、ウエハ上に形成された段階や、パッケージ化された段階等の各製造段階において電気的特性が検査されて、良品、不良品の選別が行われている。このような電気的特性を検査する装置としては、プローブカードを備えたテスタ、ICソケットが一般的に知られている。
プローブカードやICソケットには、導電性を有する複数のスプリングプローブが設けられている。そのスプリングプローブを半導体部品の電極と検査用回路の電極との間に介在させて両電極間を通電状態とすることで、半導体部品の電気的特性を検査するようになっている。
この種のスプリングプローブの一例を図12に示す。図12に示すスプリングプローブ150は、筒状のスリーブ151と、このスリーブ151の一端部に出没自在に取り付けられた端子152と、スリーブ151に内装されて、端子152を突出方向に付勢するコイル状のスプリング153とを備えている。そして、端子152を半導体部品の電極に接触させるともに、スリーブ151の他端部を検査用回路の電極に接続して、端子152をスプリング153の付勢力によって半導体部品の電極に安定的に押し付けることで、電極間の通電状態を良好に維持するようになっている。
しかしながら、図12に示す従来のスプリングプローブ150は、スリーブ151、端子152、スプリング153といった各構成部品が別体で製造され、これら各構成部品を手作業で組み立てることで製造されていることから、製造効率が悪く、製造コストが高いといった不具合があった。
また、従来のスプリングプローブ150は、別体の各構成部品が互いに接触し合って導通経路を構成しているが、これらの接触部分において電気抵抗が大きくなって、プローブ全体としての電気的特性が不安定になり易く、検査精度に悪影響を及ぼすといった不具合もあった。
そこで、上記不具合を解決するものとして、特許文献1に示されるスプリングプローブが提案されている。このスプリングプローブ200を図13および図14に示す。スプリングプローブ200は、プログレッシブダイを用いて、導電性を有する平らな基板(以下、平基板という。)から、図13に示すようなスリーブ成形部210Pと、端子成形部220Pと、スプリング成形部230Pとを結合状態で一体に打ち抜き、引き続き、各成形部210P,220P,230Pに対してそれぞれ曲げ加工を施すことによって、図14に示すように、筒状のスリーブ210と、端子220と、コイル状のスプリング230とが一体成形される。
このような一体型スプリングプローブ200は、製造時間の短縮、製造コストの低減、電気抵抗の低下、電気的特性の安定化などが可能になる利点を有する。
特表2010−532908号公報
ところが、特許文献1に開示されている一体型のスプリングプローブ200は、図15(a)に示すように腕部231と頂点232を有する波状のスプリング成形部230Pの各頂点232を、図15(b)に示すように、板厚方向に向かって手前側と奥側に交互に捻ることでコイル状に成形している。このため、頂点232での塑性変形が厳しく、使用状態のスプリング230fの伸縮により、腕部231fや頂点232fにおいて、特に頂点232fにおいて弾性限界を超えて亀裂や破断等が生じる虞があり、耐久性に問題がある。
そこで、本出願人は、特願2010−256565号において、上記の不具合を解消して、スプリングの耐久性の向上を図った一体型のスプリングプローブを提案している。
図9〜図11に、上記提案に係る一体型のスプリングプローブ101を示す。一体型のスプリングプローブ101は、図9に示すように、まず、導電性を有する平基板110から打ち抜き加工によりスリーブ成形部120と、そのスリーブ成形部120から折曲境界部143を介して延出したスプリング成形部130と、そのスプリング成形部130の先端部分を拡張してなる端子成形部140とがそれぞれ同一平面上に形成される。その後、各成形部120,130,140がそれぞれ各工程において曲げ加工されることで、図10に示すように、一体型のスプリングプローブ101の筒状のスリーブ102と、そのスリーブ102の一端部に設けられる被検査体接触用の端子103と、スリーブ102に内装されて端子103を付勢するスプリング104とが一体に成形される。スプリング成形部130は、図9、図11(a)に示すように、連結部141と、略U字状の弾性部142を連続するように備え、図11(b)に示すように、その弾性部142が見掛け上、コイル状に巻回されてスプリングを形成し、かつ、その巻回された状態でスリーブ102に内装されているものである。
また、スプリング成形部130は、図9、図11(a)に示すように、折曲境界部143から端子成形部140に向かって断続的に設けられる連結部141と、連結部141の互いに対向する端部同士を連結するようにして設けられる弾性部142とを備え、折曲境界部143から端子成形部140にかけて、連結部141と弾性部142とが交互に連続している。さらに、弾性部142は、一端部が隣接する連結部141,141の互いに対向する端部にそれぞれ連結されるとともに、互いに略平行して設けられる一対の延設部142a,142aと、一対の延設部142a,142aの他端部同士を連結する湾曲部142bとを備え、延設部142aは連結部141に略直交して設けられている。
特許文献1に記載された一体型のスプリングプローブ200も、上記提案に係る一体型のスプリングプローブ101も、被検査体の電気的特性を検査するたびにスプリング230,104で付勢されている端子220,103が被検査体の電極に押圧接触されるので、スプリング230,104の伸縮が繰り返される。そのため、スプリング230,104に金属疲労が発生する。とくに特許文献1に記載されたスプリングプローブ200や先の提案に係るスプリングプローブ101のように、平基板からプレス加工により一体成形されるスプリングプローブの場合は、塑性変形量が多い部分、たとえば、図11(a)の連結部141と弾性部142の延設部142aとの接続部分や湾曲部142bの弾性限界が低いため、スプリング104の伸縮に伴って降伏点に達し、亀裂や破断等が生じる可能性がある。
プローブカードやICソケットにおいて用いられるスプリングプローブは、その全長がたとえば1〜50mm、筒状スリーブの直径がたとえば0.2〜5mmといった極小サイズとされている。
しかしながら、特許文献1に記載された一体型のスプリングプローブ200は、図14に示すように、スプリング230が、スリーブ210の肩部と端子220の内端部との間に設けられている。また、本出願人の先の提案に係る一体型のスプリングプローブ101も、図10に示すように、スプリング104が、スリーブ102の肩部と端子3の内端部との間に設けられている。
したがって、上記のような極小サイズのスプリングプローブにおいて、スプリングに求められる伸縮長さ(弾性変形量)を十分に確保することは容易ではない。十分な伸縮長さを確保しようとすると、スプリングプローブの全長が長くならざるを得ないし、スプリングプローブの全長を仕様に合わせると、端子の接触応力に対する十分な伸縮長さが得られない虞がある。
さらに、図14に示された一体型のスプリングプローブ200は、そのスプリング230の両端部がそれぞれスリーブ210と端子220に接続されており、また、図10に示された一体型のスプリングプローブ101も、そのスプリング104の両端部がそれぞれスリーブ102と端子103に接続されている。したがって、スプリングプローブ200,101の使用時に端子から加わる押圧力がスプリング230,104の端部のスリーブ210,103または端子220,103との接続部に集中するため、その接続部に亀裂や破損等が発生し易いという問題がある。この問題の発生率は、とくに極小サイズのスプリングプローブにおいて大きい。
また、図10に示したような一体型スプリングプローブ101の端子103が収容されるのとは反対側の端部は、たとえばプローブカードやICソケットなどの取付孔に半田付けなどで固定されて使用される。このときに取付孔の直径は、たとえば0.3φ、0.4φ、0.5φ、0.6φなど様々である。このような様々な直径の取付孔に対応するためには、それぞれ異なる金型を用意して平基板を成形しなければならず製造コストの増大を招いている。
また、このようなスプリングプローブ101は、接触箇所の接触抵抗を下げたり酸化を防止するために、金メッキが施される。しかしながらスプリングプローブ101のように、端子103がスリーブ102に収容される構成では、スリーブ102と端子103とが隙間無く密着する箇所などで、メッキ液がスリーブ102の内部まで行きわたらずに金メッキにムラが生じることがある。特に、金メッキのムラが生じる箇所は、端子103とスリーブ102とが接触する箇所でもあり、このような金メッキのムラは接触抵抗の増大およびバラツキを招く。
そこで、本発明は、スプリングの耐久性を向上させること、または、極小サイズのスプリングプローブにおいても、スプリングに十分な伸縮長さを確保すること、もしくは、使用時に端子側から加わる押圧力によってスプリングの端部のスリーブまたは端子との接続部に亀裂や破損等が発生するリスクを軽減できること、ならびに1つの金型で成形することができ様々な直径を有する取付孔に対応可能であること、ならびに、金メッキのムラを低減することのいずれか1つまたは複数を実現することができるスプリングプローブおよびスプリングプローブの製造方法を提供することを目的とする。
本発明のひとつの観点は、スプリングプローブの製造方法としての観点である。本発明のスプリングプローブの製造方法は、被検査体接触用の端子と、その端子に弾性力を付与するスプリングと、端子およびスプリングを収容するスリーブとを有するスプリングプローブの製造方法において、1枚の平らな基板から端子、スプリング、およびスリーブに加工される部材を互いに連結された状態で平面的に打ち抜く第一のステップと、第一のステップの処理により平面的に打ち抜かれた端子、スプリング、およびスリーブに加工される部材に対し、曲げ加工を施す第二のステップと、を有し、第二のステップの処理に先立って、第一のステップの処理により平面的に打ち抜かれた部材に対し、金メッキ処理を施すステップを実施するものである。
あるいは、本発明のスプリングプローブの製造方法は、被検査体接触用の端子と、その端子に弾性力を付与するスプリングと、端子およびスプリングを収容するスリーブとを有するスプリングプローブの製造方法において、1枚の平らな基板から端子、スプリング、およびスリーブに加工される部材を互いに連結された状態で平面的に打ち抜く第一次プレス工程と、端子およびスリーブに加工される部材が平らな状態のときに導電性処理を施すメッキ工程と、メッキ工程の後で、端子およびスリーブに加工する部材に対し、曲げ加工を施すと共にスプリングがまだ形成されていないときはスプリング加工される部材に対しても曲げ加工を施す第二次プレス工程と、を有するものである。
本発明の他の観点は、スプリングプローブとしての観点である。本発明のスプリングプローブは、被検査体接触用の端子と、その端子に弾性力を付与するスプリングと、端子およびスプリングを収容するスリーブとを有するスプリングプローブにおいて、少なくとも端子とスリーブの内外周面が均等厚に金メッキが施されているものである。
または、本発明のスプリングプローブは、被検査体接触用の端子と、その端子に弾性力を付与するスプリングと、端子およびスプリングを収容するスリーブとを有するスプリングプローブにおいて、端子とスプリングとスリーブの内外周面が均等厚に金メッキが施されているものである。
あるいは、本発明のスプリングプローブは、被検査体接触用の端子と、その端子に弾性力を付与するスプリングと、端子およびスプリングを収容するスリーブとを有するスプリングプローブにおいて、端子とスプリングとスリーブの内外周面に均等厚に金メッキが施されるように、1枚の平らな基板から端子、スプリング、およびスリーブに加工される部材を互いに連結された状態で平面的に打ち抜き、平面的に打ち抜かれた部材に対し、金メッキを施し、金メッキを施した後に、端子、スプリング、およびスリーブに加工される部材に対して曲げ加工を施すものである。
本発明によれば、曲げ工程に先立って、打ち抜き工程の段階で金メッキを施すことで、完成品における金メッキのムラを無くすことができる。また、端子とスリーブ、さらにはスプリングの内外周面の金メッキ厚が均等になるスプリングプローブが得られる。
本発明の一実施形態に係る一体型のスプリングプローブの縦断面図である。 図2のX方向から見た図で、スプリングが無い状態の図である。 図1の一体型のスプリングプローブに使用されるスプリングの各巻回部の平面図である。 図1に示す一体型のスプリングプローブの製造方法における第1工程と第2工程を順次実行したときの基板の状態を示す図である。 図1に示す一体型のスプリングプローブの製造方法における第3工程と第4工程を順次実行したときの基板の状態を示す図である。 図1に示す一体型のスプリングプローブの製造方法における第5工程と第6工程を順次実行したときの基板の状態を示す図である。 図1に示す一体型のスプリングプローブにおける曲げ工程前のスプリングの形状の一例を示す図である。 図1に示す一体型のスプリングプローブにおける上部接触部の成形方法について説明するための図である。 本出願人の先の提案に係る一体型のスプリングプローブの打ち抜き工程後の平基板の平面図である。 本出願人の先の提案に係る一体型のスプリングプローブを示す正面図である。 図9に示すスプリングプローブの斜視図であって、(a)はスプリング成形部の曲げ加工前の形状を示す要所拡大図、(b)はその曲げ加工後の形状を示す要所拡大図である。 従来の一般的なスプリングプローブの一例を示す正面図である。 従来の一体型のスプリングプローブの製造工程の中の打ち抜き工程後の平基板の平面図である。 従来の一体型のスプリングプローブの完成状態における縦断面図である。 従来の一体型のスプリングプローブのスプリングを示す斜視図であって、(a)は曲げ加工前のスプリングを示す要所拡大図、(b)は曲げ加工後のスプリングを示す要所拡大図である。
以下に、本発明の実施の形態について図1〜図8を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係るスプリングプローブとなる一体型のスプリングプローブ1は、その基本的構造が図10に示す本出願人の提案に係る一体型のスプリングプローブ101と同じである。この一体型のスプリングプローブ1は、プローブカードやICソケットなどで利用される、導電性を有する複数のコンタクトプローブとして使用される。このコンタクトプローブを半導体部品の電極と検査用回路の電極との間に介在させて両電極間を通電状態とすることで、半導体部品の電気的特性を検査するようになっている。
スプリングプローブ1は、図1に示すように、筒状のスリーブ2と、このスリーブ2の一端部に出没自在に設けられた被検査体接触用の端子3と、スリーブ2および端子3に内装されて、端子3を突出方向に付勢するスプリング4とを有し、それらが一体成形された構造となっている。
この一体型のスプリングプローブ1は、スプリング4の長手方向一部がスリーブ2の内側に収容され、スプリング4の長手方向残部が端子3の内側に収容されることにより、スプリング4のブランク長を従来のスプリングプローブにおけるスプリングのブランク長よりも長くすることが可能とされている。
また、図1の例のように、スプリング4は、その長手方向一端部がスリーブ2の端子3と反対側の端部の内側、すなわち、スリーブ2の内周面の後述される上部接触部6付近に設けられた突起7により図1において上方側への移動が阻止され、スプリング4の長手方向他端部が端子3の先端の内側、すなわち、端子3の内周面の後述される下部接触部8付近に設けられた突起9により図1において下方側への移動が阻止されている。
なお、ブランク長を最も長くするには、図1の例のように、スプリング4の長手方向一端部はスリーブ2の端子3と反対側の端部の内側、すなわち、後述する上部接触部6付近に位置決めされ、スプリング4の長手方向他端部は端子3の先端の内側、すなわち、後述する下部接触部8付近に位置決めされていることが好ましい。
スプリングプローブ1は、たとえば、プローブカードを備えたテスタ、ICソケット等の検査装置に装着されて、端子3を半導体部品等の電極に接触させるとともに、スリーブ2の他端部(後述する上部接触部6)を、検査用回路の電極に接続して、端子3をスプリング4の付勢によって半導体部品の電極に安定的に押し付けることで、電極間の通電状態維持するようになっている。なお、スプリングプローブ1は、全長がたとえば1〜50mm、スリーブ2の直径がたとえば0.2〜5mmといった極小サイズとされている。また、スプリング4の各巻回部は、図3に示すように、3重巻き程度(この実施の形態では、2.75重巻き)に巻かれている。
続いて、このスプリングプローブ1の製造方法について図4〜図6を参照しながら詳細に説明する。この製造方法においては、順送型による自動組立方式を採用しており、たとえばBe−Cu製またはBe−Ni製の高硬度で導電性に優れた薄肉帯状の基板10を、その長手方向に搬送しながら、平らな基板10に対して各工程を順次実行することで、大量のスプリングプローブ1を連続して製造することが可能となっている。
[第1工程]
図4〜図6は、各工程を順次実施した時の基板10の状態を示している。まず、第1工程において、基板10に打ち抜き加工を施して、略長方形状のスリーブ成形部20と、スリーブ成形部20とは反対側に位置する端子成形部30と、スリーブ成形部20の短手方向の一端部中央から折曲境界部11を介して延出したスプリング成形部40とをそれぞれ同一平面上に形成する。端子成形部30は、スプリング成形部40の先端部分を拡張して形成しているが、縮小するように形成してもよい。なお、基板10の各成形部20,30,40以外の部分と各成形部20,30,40とは端子成形部30の先端部から延出された接続部12と、スリーブ成形部20の短手方向の他端部から延出された接続部13とによって接続された状態となっている。また、これらの接続部12,13で安定性を保てないような場合は、別途接続部を増やしても良い。
スリーブ成形部20は、略長方形状に形成されるとともに、スプリング成形部40側の端部にスプリング成形部40方向に突出する計4個の上部接触部6が設けられている。また、左側(または右側)の一対の上部接触部6の至近位置に、後述されるスプリング固定用の突起7が設けられている。
また、端子成形部30は、略長方形状に形成されるとともに、スプリング成形部40側の端部に一対の下部接触部8が設けられている。また、右側(または左側)の下部接触部8の至近位置に、後述されるスプリング固定用の突起9が設けられている。スリーブ成形部20に設けられる突起7と端子成形部30に設けられる突起9とは、左右互いに反対側になるように設けられる。
また、スプリング成形部40は、折曲境界部11から端子成形部30に向かって折曲境界部14まで断続的に設けられる複数の連結部41と、これら連結部41の互いに対向する端部同士を連結する略V字状の弾性部42とを有する。各V字状の弾性部42は、図4に示すように、一端部が互いに対向する連結部41,41の端部にそれぞれ連結されるとともに、他端部に向かって互いに接近するように傾斜する一対の延設部42a,42aと、この一対の延設部42a,42aの他端部同士を連結する屈曲部42bとから構成されている。また、各V字状の弾性部42は、連結部41に対して、隣接する一方のV字状の弾性部42が一方側に位置され、一方のV字状の弾性部42に隣接する他方のV字状の弾性部42が他方側に位置されるように互い違いに設けられている。
すなわち、スプリング成形部40は、折曲境界部11から折曲境界部14まで、連結部41とV字状の弾性部42とが交互に連続する波形に形成されている。また、屈曲部42b,42b間の幅W1は、スリーブ成形部20の幅W2より大とされ、スリーブ成形部20の幅W2は端子成形部30の幅W3より大とされている。また、弾性部42の連結部41からの突出長さLは、スリーブ2の内径R(図1参照)よりも大とされている。幅W1,W2,W3の関係は、上述のように、W1>W2>W3が好ましいが、W1>W3>W2など他の関係としてもよい。
この第1工程中または第1工程後に金メッキが施される。すなわち、第2工程の曲げ加工が行われる前に、メッキを行なうことで、メッキの付着性をアップしている。たとえば、図4に示す第1工程において、一旦加工工程を終了し、基板10に対して金メッキを施す。基板10に対して金メッキを施したら、図4に示す第2工程から再び加工工程を開始する。
このように、一体型スプリングプローブ1の製造方法は、基板10から加工される部材を平面的に打ち抜く第一のステップと、第一のステップの処理により平面的に打ち抜かれた部材に対し、折り曲げ加工を施す第二のステップと、を有し、第二のステップの処理に先立って、第一のステップの処理により平面的に打ち抜かれた部材に対し、金メッキ処理を施すステップを実施するので、平面的な部材に対して均等に金メッキが施される。その後、均等に金メッキが施された部材を折り曲げ加工するので、成形後の完成品についても部材の表裏に満遍なく金メッキが施される。これによれば、たとえば図1に示す端子3の外側とスリーブ2の内側とがどのような部位で接触しても必ず金メッキ部分同士が接触するので、接触抵抗の低減およびバラツキを抑えることができる。さらに、図1に示すスプリング4についてもう部材の表裏に満遍なく均等に金メッキが施されていると、スプリング4と端子3の内側あるいはスリーブ2の内側とが擦れ合ったときに、柔らかい金属である金同士が擦れ合うので金メッキが一種の潤滑剤の役割を果たす。これにより、スプリング4の磨耗を軽減させ、一体型スプリングプローブ1の寿命を延ばすことができる。なお、第2工程の曲げ加工が行われる前に、メッキを行なうのが好ましいが、接触抵抗の低減およびバラツキを抑えることがさほど重要でない場合には、第2工程の後や、第3工程の後や、第6工程の後など他の工程の後や、他の工程の中で行ってもよい。
[第2工程]
続いて、第2工程において、スプリング成形部40の各弾性部42に曲げ加工を施す。具体的には、図4に示すように、弾性部42の先端部(屈曲部42b)が中心に位置するようにして、屈曲部42bから連結部41に向かって螺旋状に巻回する。また、この際、上側のV字状の弾性部42とそのすぐ下側のV字状の弾性部42は、一方が時計方向に、他方が反時計方向に巻回されている。すなわち、巻回方向が交互に変わっている。また、螺旋状の弾性部42の軸心同士が略一致するように、さらに、螺旋状の弾性部42の軸心と連結部41の曲げ中心とが略一致するようにして、弾性部42の根元部分まで曲げ加工を行う。これにより、見掛け上コイル状のスプリング4が形成される。
[第3工程]
続いて、図5に示すように、第3工程において、基板10と端子成形部30とを接続する接続部12を切断し、端子成形部30を折曲境界部14において折り曲げて、その折り曲げられた端子成形部30によりスプリング4の長手方向一部を被覆する。
[第4工程]
続いて、図5に示すように、第4工程において、端子成形部30に対して曲げ加工を施して、端子成形部30を筒状に丸めることで端子3を形成する。なお、この際に、端子3の内周側に位置されたスプリング固定用の突起7が、スプリング4の端子3側端部に最も近い弾性部42の最初の延設部42aの根元位置において接触または近接する。
[第5工程]
続いて、図6に示すように、第5工程において、スリーブ成形部20とスプリング成形部40との間の折曲境界部11を境にしてスプリング4を手前側に折り曲げる。その折り曲げは、スプリング4の中心軸をスリーブ成形部20の長手方向の中心線に沿わせるようにして行う。この結果、スリーブ成形部20とスプリング4とが重ね合わされる。
[第6工程]
続いて、図6に示すように、第6工程において、スリーブ成形部20に曲げ加工を施して、スリーブ成形部20を筒状に丸めることで、筒状のスリーブ2を形成するとともに、そのスリーブ2で端子3の根元部およびスプリング4の長手方向残部を包み込む。この場合、スリーブ2の内周側に位置されたスプリング固定用の突起7を、スプリング4のスリーブ側端部に最も近い弾性部42の最初の延設部42aの根元位置においてスプリング4に接触または近接させ、スプリング4を固定する。その後、基板10とスリーブ成形部20とを接続している接続部13を切断し、完成した一体型スプリングプローブ1と同様な形状の部品とする(図6の右側の図参照)。
[第7工程]
そして、図示されていないが、第7工程において、焼入れおよび焼き戻しを行って、スプリング4を含めた製品全体に硬さと粘り強さを与える。以上の各工程を、搬送される基板10に対して順次実行することで、図1のスリーブ2,端子3,スプリング4が一体成形された一体型のスプリングプローブ1が連続的に製造される。なお、工程数は、第1から第7の工程として示したが、各工程はそれぞれ数工程に分かれるため、実際は20〜30工程となる。
このように、基板10の打ち抜き加工や曲げ加工等を施して、各構成部品であるスリーブ2、端子3、スプリング4を一体成形したスプリングプローブ1を製造しているので、従来のような手作業による部品の組立作業を不要にし、製造効率を高めて、製造コストの低減を図ることができる。しかも、各構成部品であるスリーブ2、端子3、スプリング4が一体に繋がって導電経路を構成することになるから、電気抵抗を小さく抑えて、電気的特性を安定させることができ、これによって検査精度の向上を図ることができる。
また、スプリング4の弾性部42を巻回している、すなわち、弾性部42の全長に亘って小さな塑性変形を均等に生じさせているだけであるため、捻り等の塑性変形の激しい箇所がなく、亀裂や破断等の少ない耐久性に優れたものとなり、これによって製品寿命を延ばすことができる。
さらに、弾性部42の長さLを、筒状のスリーブ2の内径Rよりも長くし、結果として、弾性部42の収縮幅L1に対して突出長さ、すなわち、長さLを大きくしているので、スプリング4の収縮時のダメージを抑えることができ、製品寿命を延ばすことができる。また、弾性部42を螺旋状に巻回し、螺旋状とされた弾性部42の軸心同士が略一致するように連結部41の同一面側に位置させているため、弾性部42の長さを長くしながらも、径の小さなスリーブ2にも無理なくスプリング4を内装することができる。
さらにまた、弾性部42をV字状とし、連結部41から離れるに従い隣接する弾性部42の間隔が広がるようにされているため、スプリング収縮時において、隣接する弾性部42,42同士が干渉しがたくなり、スプリング4をスムーズに収縮させることができる。また、弾性部42,42間の間隔を十分に取ることで、打ち抜き加工や曲げ加工等の加工時の誤差が生じても、弾性部42,42同士の干渉を防ぐことができるため、加工精度に劣る廉価な機器の使用が可能であるとともに、不良品数も減少させることができ、低コスト化を図ることができる。また、加工精度の高い機器を用いれば、より小型のスプリングプローブを歩留まり良く製造することができる。
また、弾性部42を互い違いに設けているため、端子3を均等に付勢することが可能となり、検査精度の向上を図ることができる。
図4〜図6に示すように、スリーブ成形部20には、スプリング成形部40側の近接位置に突起7が設けられ、また、端子成形部30にはスプリング成形部40側の近接位置に突起9が設けられている。この突起7,9は、それぞれ一方の面を押し込むことで、他方の面に突出することで形成されている。すなわち、一方の面側(完成時に外側面となる面側)は凹部となり、他方の面側(完成時に内側面となる面側)が凸部となる。これらの突起7,9は、スリーブ成形部20および端子成形部30がスプリング4を被覆するように折り返され、その後、曲げ加工をされたときに、それらの突起7,9がそれぞれスプリング4のスリーブ成形部20側端部における延設部42aの根元位置およびスプリング4の端子成形部30側端部における延設部42aの根元位置に、それぞれ当接または近接する位置に設けられている。
これにより、完成した一体型のスプリングプローブ1の端子3が被検査物に押圧接触されたときに収縮されたスプリング4は、そのスリーブ成形部20側端部における延設部42aの根元位置および端子成形部30側端部における延設部42aの根元位置において各突起25、34に接触し支持されるため、スプリング4の長手方向両端部をスリーブ2および端子3に接続する直角状の連結部41および、それに連なっている折曲境界部11,14にスプリング4の強い弾性復元力が加わることが防止される。したがって、スプリング4のスリーブ2および端子3との接続部分に亀裂や破断が発生することが少ない。
また、スプリング4は、端子成形部30側端部における延設部42aの根元位置において、端子3の内周側に設けられた突起9に支持されるため、スプリング4に横向きの付勢力を発生させる。その付勢力により端子3の外周面がスリーブ2の内周面に確実に接触する。したがって、端子3とスリーブ2間の接触面の電気抵抗が低減されるため、検査信頼度の高い一体型のスプリングプローブ1を提供することができる。端子3とスリーブ2間の接触抵抗が低いことは、検査対象が高周波を発生するものである場合に有効である。
スプリングプローブ1の端子3とスリーブ2の間の導電性を高めるためには、端子3の外周面とスリーブ2の内周面のスプリング4が伸縮する際に接触する範囲に金メッキを施すことが有効である。この金メッキ処理は、図4の第1工程後、すなわち、スプリング成形部40の折り曲げ工程の前に行うと、メッキ処理対象物のハンドリングが容易であり、また、端子3の内外周面とスリーブ2の内外周面へのメッキ処理が確実に行われるので好ましい。なお、端子3とスリーブ2のそれぞれの内外周面へのメッキ処理を重要視しスプリング4への金メッキを重要視しない場合は、スプリング4の曲げ加工が行われた後であって、それぞれの曲げ加工が行われる前、すなわち、第3工程と第4工程の間または第4工程と第5工程の間にメッキ処理を行うようにしてもよい。
続いて、この一体型のスプリングプローブ1のスプリング4の詳細構造とその良さについて説明する。図7は、一体型のスプリングプローブ1用の平らな基板10の曲げ加工前のスプリング成形部40を示す平面図である。このスプリング成形部40は、スプリング4の耐久性の向上のために好ましい形状を有する。すなわち、上述したように、スプリング成形部40は、複数個の連結部41と複数個の弾性部42とからなっている。連結部41は共通の直線上に断続的に設けられ、弾性部42は略V字形に形成され、互いに対向する端部同士が連続するように連結部41により連結され、連結部41と弾性部42が交互に存在して、スプリング成形部40全体が連続波形に形成されている。弾性部42は、図11(a)に示すように略U字形であってもよい。
図11(a)は弾性部42が左右それぞれ4個、計8個設けてある例であるのに対し、この実施の形態に係るスプリング4は弾性部42が左右それぞれ3個、計6個設けてある例であるが、弾性部42の数は、スプリングに要求される伸縮量に応じて適宜設定可能である。
一体型のスプリングプローブ1においては、使用時に端子3が受ける接触圧力がスプリング4に加わり、そのスプリング4を伸縮させる。その際に、スプリング4の弾性部42の先端の湾曲部分または屈曲部分や連結部41と弾性部42とを接続する屈曲部分にストレスが加わる。このストレスの加わる部分が弾性限界を超える変形を強要されるときに亀裂や破損等が発生し易い。弾性限界はスプリングプローブの原材料の硬度とスプリングの形状に依存すると考えられる。
そこで、スプリングプローブの材質がBe−Cuである場合およびBe−Niである場合のそれぞれのスプリングが各種の直径(Φ)と長さ(l)を有する場合の耐久試験を行った。各耐久試験におけるスプリングの直径(Φ)と長さ(l)、スプリングの可動長(S)とスプリングのブランク長(M)の比率(R)および耐久試験結果を摘出して示すと、表1のとおりである。なお、ブランク長とは、図7の2点鎖線で示すように、スプリング4となる部分の合計長さであり、スプリング4の部材部分の中央を連結させた合計長である。
Figure 2013206687
上記耐久試験結果から、下記の数値Rが寿命に影響することが分かった。
R=スプリングの可動長(S)/スプリングのブランク長(M)
そして、Rが4%以下である場合は、30万回以上の耐久試験に耐えられる好ましいものとなる。Rが2%以上の場合は、スプリング4の巻き数が多くなりすぎず、また、スリーブ2の径が大きくなりすぎないため、好ましい。また、Rが4%超の場合は、端子を被検査体の電極に接触・離間させるためのスプリングプローブのストロークがブランク長に対し大きくなりすぎ、スプリングの伸縮が弾性限界を超える可能性が増えるので、耐久性が低下するため、30万回の耐久試験に耐えることができない。しかし、焼入れおよび焼き戻しを行って、スプリング4に硬さと粘り強さを与える工程の仕方によっては、4%をわずかに超える場合も30万回の耐久試験に耐えることがあるため、四捨五入して4%となる4.49%も許容範囲となる。また、Rが2%未満の場合は、スプリング4の巻き数などが多くなりすぎ、また、スリーブ2の径が大きくなりすぎるため、好ましくないがスプリングプローブを使用する検査対象の違いやスプリングの材料の違いなどによっては、2%未満である場合もその値が2%に近い場合は、採用できる場合もあり、四捨五入して2%となる1.50%も許容範囲となる。
図7はスプリング4の弾性部42の形状が略V字形の場合の例を示し、図11はスプリング140の弾性部142の形状が略U字形の場合の例を示すが、いずれの場合もスプリングの各種直径(Φ)と長さ(l)における可動長(S)とスプリングのブランク長(M)の各比率における耐久試験結果は、表1と略同様のものが得られた。
次に、接触片としての上部接触部6の成形方法について図8を参照しながら説明する。図8の上段の図は、図4に示す上部接触部6を有するスリーブ成形部20の主要部のみを抜き出して図示したものであり、図8の下段の図は、図1に示すスリーブ2の上部接触部6およびその近辺を抜き出して図示したものである。図8の上段に図示したものを加工することによって、図8の下段に図示したものに成形される。なお、図8に示す上部接触部6aと上部接触部6bとは、同じ金型によって打ち抜かれたブランクにおける上部接触部として成形される部分であるが、後述する第一の部分51aと第二の部分52aとの境界位置、第一の部材51bと第二の部材52bとの境界位置が異なる。すなわち、上部接触部6a,6bは同じ金型で打ち抜かれるため、その平面形状は同じであるが、その後、異なる治具によってその先端形状が異なるものとなる。
図1に示すスリーブ2の端子3が収容される側とは反対側の端部には、図8に示すように、スリーブ2の中心軸Cに対してほぼ等しい距離で複数配置される接触片としての上部接触部6a,6bを有する。上部接触部6a,6bは、上部接触部6a,6bのスリーブ2との付け根50から中心軸C方向となる内側に折り曲げられて成形される第一の部分51a,51bと、付け根50から所定の距離離れた位置からスリーブ2の中心軸にほぼ平行となる外側に折り曲げられて成形される第二の部分52a,52bと、を有する。
たとえば図8の左側の図では、付け根50から距離LS1離れた位置までが第一の部分51aであり、第一の部分51aの上端からさらに距離LS2離れた位置までが第二の部分52aである。一方、図8の右側の図では、付け根50から距離LS4離れた位置までが第一の部分51bであり、第一の部分51bの上端からさらに距離LS5離れた位置までが第二の部分52bである。ここでLS1<LS4,LS5<LS2である。
これによれば図8の左側の下段に示すように、対向する2つの上部接触部6a,6aの外側の間の距離LS3と、図8の右側の下段に示すように、対向する2つの上部接触部6b,6bの外側の間の距離LS6とは、LS6<LS3になる。すなわち第二の部分52a,52bと中心軸Cとの間の距離は、付け根50から第二の部分52a,52bまでの間の所定の距離を距離LS1またはLS4などに変更することによって可変に設定される。
上部接触部6は、たとえばプローブカードやICソケットなどに設けられた所定の直径を有する孔に挿入されて半田付けなどによって固定されるものである。これにより一体型のスプリングプローブ1をプローブカードやICソケットに半田付けなどによって固定することができる。ここでプローブカードやICソケットなどに設けられた孔の直径は、0.3φ、0.4φ、0.5φ、0.6φなど様々な種類がある。よって、プローブカードやICソケットが変更され、プローブカードやICソケットの孔の直径が変更された場合には、付け根50から第二の部分52a,52bまでの間の所定の距離を変更することにより、対向する上部接触部6a,6aや上部接触部6b,6bの外側の間の距離を孔の直径に合わせることができる。たとえば付け根50から第二の部分52aまでの間の所定の距離を距離LS1とすれば、直径がLS3の孔に対応することができるし、付け根50から第二の部分52bまでの間の所定の距離を距離LS4とすれば、直径がLS6(<LS3)の孔に対応することができる。また、相手側が孔ではなく、突起であった場合、突起の外径に合わせて上部接触部6a,6a(または上部接触部6b,6b)の内径を設定するようにすればよい。
次に、このような一体型のスプリングプローブ1の製造方法について説明する。スリーブ2の端子3が収容される側とは反対側の端部に、スリーブ2の中心軸Cに対してほぼ等しい距離で複数配置される接触片としての上部接触部6a,6bを成形するのに際し、上部接触部6a,6bのスリーブ2との付け根50から中心軸Cの方向となる内側に折り曲げて第一の部分51a,51bを成形する第一のステップと、付け根50から所定の距離離れた位置からスリーブ2の中心軸Cにほぼ平行となる外側に折り曲げて第二の部分52a,52bを成形する第二のステップと、を有する。このときに、第二の部分52a,52bと中心軸Cとの間の距離に応じて、付け根50からの所定の距離を適宜設定するステップを有する。この2つのステップの処理は、2つのステップに分けて行ってもよいが、一度にこの2つのステップを行うようにしてもよい。一度に2つのステップを行う例としては、スリーブ成形部20の上部接触部6a,6bが成形される部分について、付け根50と、第一の部分51a,51bと第二の部分52a,52bとの境界とを所定の位置で折り曲げる治具を用いて行う方法が採用され得る。
このように、一体型のスプリングプローブ1によれば、第一の部分51a,51bと、第二の部分52a,52bとを有するので、これらの寸法の組み合わせを適宜変更することによって、成形後のスリーブ2における対向する上部接触部6a,6aの間の距離や上部接触部6b,6bの間の距離を適宜変更することができる。具体的には、第二の部分52a,52bと中心軸Cとの間の距離は、付け根50から第二の部分52a,52bまでの所定の距離を変更することによって可変に設定される。これによれば、一体型のスプリングプローブ1を平らな基板10から打ち抜くのに用いる金型は1種類だけ用意すればよく、金型により打ち抜かれたスリーブ成形部20に対して治具を用いて付け根50と、第一の部分51a,51bと第二の部分52a,52bとの境界を所定の位置で折り曲げればよい。これにより金型製作に要する費用を抑えることができるので、一体型のスプリングプローブ1の製造コストを低く抑えることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は要旨を変更しない限り、種々変更することができる。たとえば、端子3をスリーブ2の外側に設けるもの、上部接触部6の数を4個ではなく、3個、8個やその他の数としたもの、下部接触部8の数を3個に分けたり、1個のみにしたり、その他の数としたもの、などを採用することができる。
また、上述の実施の形態では、突起7,9はそれぞれ1個設けられているが、突起7,9のいずれか1個を省略しても良い。また、それぞれ2個の計4個にしてもよい。また、突起7,9の両方またはいずれか一方を設ける構成は、公知となっている一体型ではないスプリングプローブや、特許文献1記載または先の提案にかかわる一体型のスプリングプローブにも適用できる。また、突起7,9の形状は、一方の面側を押して、凹部を形成し、反対側の面に凸部を形成する構造のものとしているが、基板10に凸部を接着などで付着させるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、突起7と突起9とが軸方向から見て略180度対称位置に設けてあり、端子とスプリング2の接触力が強くなるようにされているが、両者の間隔が軸方向から見て120度離れていたリ、160度離れていたりなど他の配置関係としてもよい。また、突起7,9の位置は、弾性部42の根元部に接触または近接するような位置が好ましいが、屈曲部42bに近い位置に配置してもよい。
R=S/Mの値は、4%以下が好ましいが、一体型のスプリングプローブの用途によっては6%以下などとしても良い。Rの値は、2%以上が好ましいが、長寿命を優先するときは、1%以上としても良い。また、弾性部は、略U字状または略V字状が好ましいが、他の形状の弾性部としてもよい。さらに、略U字状または略V字状の弾性部が巻回された状態でスリーブ2や端子3に内装されているのが好ましいが、巻回されず、従来のような形状となっていてもよい。
また、弾性部42の先端となる屈曲部42bの先端は、平坦面とされ、軸芯を他の弾性部42と一致させやすくしているが、弾性部142のように、先端を曲面状としてもよい。また、弾性部42は、2.75回、巻かれているが、耐久性と製造のしやすさを考慮すると、2〜3回の範囲で、渦巻き状に巻回するようにしてもよい。さらに、耐久性のみを考慮すると、3回以上巻くようにしてもよい。また、スリーブ2および端子3の内面に突起7,9を設け、スプリング4の両端の弾性部42に接触させるようにした場合、ブランク長(M)は、スプリング4の端から端までの長さとするのではなく、その2つの突起7,9間のブランク長として、上記の比(R)を計算しても良い。
また、弾性部42は、複数ではなく、1個のみとしてもよい。また、スリーブの外径が大きくなるデメリットが出てくるが、弾性部42を連結部41の互いに異なる面側に、巻回するようにしてもよい。この場合、連結部42を設けないようにしてもよい。さらに、弾性部42を図4に示すように、左右交互に配置するのではなく、左側または右側のみに配置したり、その伸びる方向を左右のいずれか一方のみに伸びるようにしたりしてもよい。
また、上部接触部6,6a,6bの形状は、台形状の根元側と、直角四角形と三角形が接合した先端側の2部分で形成されているが、全体が三角形状のものとしたり、全体が細長い直角四角形としたりしてもよい。
また、図8を参照しながら説明した方法によれば、一体型スプリングプローブ1の全長寸法を変えることなく、距離LS3,LS6を変えられるが、一体型スプリングプローブ1の全長寸法が多少変わっても許されるならば、第一の部分51a,51bを形成する際、第一の部分51a,51bのスリーブ2との付け根50における折れ曲がり角度を変えることで距離LS3,LS6を変えるようにしてもよい。たとえば図8の下段に示す図において、第一の部分51a,51bおよび第二の部分52a,52bの寸法はそのままにして、第一の部分51a,51bを付け根50からさらに内側(中心軸Cの方向)に折り曲げると、距離LS3,LS6はさらに狭まることになる。このとき第一の部分51a,51bが付け根50からさらに内側(中心軸Cの方向)に折り曲げられたことにより第二の部分52a,52bも内側に傾くことになるので、第二の部分52a,52bが中心軸Cと平行になるように外側に折り曲げてもよい。または、第一の部分51a,51bを形成する際、その折れ曲がり角度を変えることと、図8を参照しながら説明したように第一の部分51a,51bおよび第二の部分52a,52bの寸法を変えることと、を適宜併用して図8に示す距離LS3,LS6を変更してもよい。
また、図1に示す下部接触部8は円錐形状であるが、下部接触部8の形状を、図1の上部接触部6の形状と同じ形状とすることもできる。この場合には、図8で説明したようにして下部接触部8の径を変更することにより、被検査体側に開けられた下部接触部8の挿入孔の径などの仕様が様々に変更されるような場合にも同一の打ち抜き形状のブランクを用いて対応することができる。すなわち、下部接触部8についても、上部接触部6の第一の部分51a,51bに相当する第三の部分(図示省略:下部接触部8のスリーブ2との付け根部分から中心軸C方向(内側)に折り曲げられて成形される部分)と、上部接触部6の第二の部分52a,52bに相当する第四の部分(図示省略:前記付け根から所定の距離離れた位置からスリーブ2の中心軸Cにほぼ平行となる外側に折り曲げられて成形される部分)とを設け、第四の部分と中心軸Cとの間の距離(上部接触部6における距離LS3、LS6に相当)は、第三の部分のスリーブ2との付け根から第四の部分が始まる位置までの距離または前記付け根における第三の部分の折れ曲がり角度を変更することによって可変に設定される。
また、第1工程から第6工程まではこの工程ではなく、第1工程の後に接続部12,13を切断し、各成形部20,30,40が平らな状態で金メッキ処理を行い、その後、各成形部20,30,40の曲げ加工を施すようにしてもよい。また、接続部12,13の切断を第2工程後に行い、その後に、金メッキ処理をしてもよい。また、上述した第1工程から第6工程を採用する場合、スリーブ成形部20と端子成形部30が平らな状態のときで、かつスプリング成形部40が曲げ加工された状態のときに金メッキ処理をしてもよい。
さらに、金メッキ処理の代わりに、銀メッキ、金ニッケルメッキ、パラジウムメッキ、パラジウムニッケル合金メッキ、ロジウムメッキなどのメッキ処理を行ってもよい。さらに、メッキ処理の代わりに金ペーストなどの導電性ペーストを塗布するなど、各種の導電性処理を施してもよい。また、これらのメッキ処理には、各種金属により下地処理が施されていてもよい。
1 一体型のスプリングプローブ(スプリングプローブ)
2 スリーブ
3 端子
6 上部接触部
8 下部接触部
10 基板
20 スリーブ成形部
30 端子成形部
40 スプリング成形部
41 連結部
42 弾性部
42a 延設部
42b 屈曲部または湾曲部
50 付け根
51a,51b 第一の部分
52a,52b 第二の部分

Claims (5)

  1. 被検査体接触用の端子と、その端子に弾性力を付与するスプリングと、前記端子および前記スプリングを収容するスリーブとを有するスプリングプローブの製造方法において、
    1枚の平らな基板から前記端子、前記スプリング、および前記スリーブに加工される部材を互いに連結された状態で平面的に打ち抜く第一のステップと、
    前記端子、前記スプリング、および前記スリーブに加工される部材に対し、曲げ加工を施す第二のステップと、
    を有し、
    前記第二のステップの処理に先立って、前記第一のステップの処理により平面的に打ち抜かれた部材に対し、導電性処理を施すステップを実施する、
    ことを特徴とするスプリングプローブの製造方法。
  2. 被検査体接触用の端子と、その端子に弾性力を付与するスプリングと、前記端子および前記スプリングを収容するスリーブとを有するスプリングプローブの製造方法において、
    1枚の平らな基板から前記端子、前記スプリング、および前記スリーブに加工される部材を互いに連結された状態で平面的に打ち抜く第一次プレス工程と、
    前記端子および前記スリーブに加工される部材が平らな状態のときに導電性処理を施すメッキ工程と、
    前記メッキ工程の後で、前記端子および前記スリーブに加工する部材に対し、曲げ加工を施すと共に前記スプリングがまだ形成されていないときは前記スプリング加工される部材に対しても曲げ加工を施す第二次プレス工程と、
    を有する、
    ことを特徴とするスプリングプローブの製造方法。
  3. 被検査体接触用の端子と、その端子に弾性力を付与するスプリングと、前記端子および前記スプリングを収容するスリーブとを有するスプリングプローブにおいて、
    少なくとも前記端子と前記スリーブの内外周面が均等厚に金メッキが施されている、
    ことを特徴とするスプリングプローブ。
  4. 被検査体接触用の端子と、その端子に弾性力を付与するスプリングと、前記端子および前記スプリングを収容するスリーブとを有するスプリングプローブにおいて、
    前記端子と前記スプリングと前記スリーブの内外周面が均等厚に金メッキが施されている、
    ことを特徴とするスプリングプローブ。
  5. 被検査体接触用の端子と、その端子に弾性力を付与するスプリングと、前記端子および前記スプリングを収容するスリーブとを有するスプリングプローブにおいて、
    前記端子と前記スプリングと前記スリーブの内外周面に均等厚に金メッキが施されるように、
    1枚の平らな基板から前記端子、前記スプリング、および前記スリーブに加工される部材を互いに連結された状態で平面的に打ち抜き、
    前記平面的に打ち抜かれた部材に対し、金メッキを施し、
    金メッキを施した後に、前記端子、前記スプリング、および前記スリーブに加工される部材に対して曲げ加工を施す、
    ことを特徴とするスプリングプローブ。
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