JP2013206647A - 燃料電池システムおよびその制御方法、触媒被毒に起因する燃料電池の発電性能の低下の検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料電池システム100の触媒被毒対策処理部21は、燃料電池10の運転中に、所定のタイミングで、触媒被毒対策処理を実行する。触媒被毒対策処理部21は、燃料電池10に対する反応ガスの供給量を微量まで低減させた状態で、燃料電池10のI−V特性(極限I−V特性)を取得する。触媒被毒対策処理部21は、極限I−V特性において、所定の第1と第2の電流値I1,I2に対して取得できる第1と第2の電圧v1,v2の差ΔVを算出する。触媒被毒対策処理部21は、ΔVが所定の閾値Vthより大きいときに、触媒被毒に起因する燃料電池10の性能劣化が発生していると判定する。
【選択図】図6
Description
燃料電池システムであって、電解質膜と、前記電解質膜の両面に配置され、燃料電池反応を促進する触媒を含む電極と、を有する燃料電池と、前記燃料電池の電流と電圧との関係として表される前記燃料電池の発電特性を取得する発電特性検出部と、前記燃料電池の発電特性において、所定の電流の範囲内で検出される、電流の増大量に対する電圧の低下量が所定の閾値より大きいときに、アイオノマーの分解物による触媒被毒に起因する性能劣化を検出する制御部と、を備える、燃料電池システム。
この燃料電池システムであれば、触媒被毒に起因して燃料電池の発電性能が低下していることを高い精度で検出することができる。
適用例1記載の燃料電池システムであって、前記制御部は、
(a)前記燃料電池の発電特性において、それ以上電流を増大させても電圧が低下しなくなる電流の最大値を検出できるように、前記燃料電池に対する前記反応ガスの供給量を調整するガス供給量制御を実行し、
(b)前記ガス供給量制御の実行後に、前記燃料電池の発電特性を取得し、
(c)前記燃料電池の発電特性において、前記電流の最大値に所定の第1と第2の比率をそれぞれ乗算した第1と第2電流値に対して取得できる、第1と第2の電圧値の差の大きさが所定の閾値より大きいときに前記性能劣化が発生していると判定する、第1の被毒劣化検出処理を実行する、燃料電池システム。
この燃料電池システムであれば、燃料電池に対する反応ガスの供給量が所定量に規定された条件下における燃料電池の発電特性を用いて、触媒被毒に起因して燃料電池の発電性能が低下していること高い精度で検出することができる。
適用例1または適用例2記載の燃料電池システムであって、前記燃料電池の抵抗を検出する抵抗検出部を備え、前記制御部は、
(i)前記燃料電池の発電特性において、電圧が、前記所定の電流の範囲内において、所定の変化率よりも大きい変化率で略線形的に低下しており、かつ、
(ii)前記発電特性を検出する際の、前記所定の電流の範囲内における前記燃料電池の抵抗の変化が、所定の許容範囲内で収まっているときに、前記性能劣化が発生していると判定する、第2の被毒劣化検出処理を実行する、燃料電池システム。
この燃料電池システムであれば、燃料電池における電流と抵抗との関係が規定された条件下における燃料電池の発電特性を用いて、触媒被毒に起因して燃料電池の発電性能が低下していることを高い精度で検出することができる。
適用例2および適用例3に記載の燃料電池システムであって、さらに、前記燃料電池の出力電力によって充電され、前記燃料電池とともに電力源として機能する二次電池と、前記二次電池の蓄電量を表す充電状態を検出する充電状態検出部と、を備え、前記制御部は、前記燃料電池の運転中に、前記第1または第2の被毒劣化検出処理を実行し、前記制御部は、前記二次電池の蓄電量に応じて、前記第1と第2の被毒劣化検出処理のうちのいずれを実行するかを選択する、燃料電池システム。
この燃料電池システムによれば、第1または第2の被毒劣化検出処理を、二次電池の充電状態に応じて適切に選択して実行するため、二次電池の充電状態が原因で、触媒被毒に起因する性能劣化を検出する処理の実行が阻害されてしまうことを抑制できる。
適用例1から適用例4のいずれかひとつに記載の燃料電池システムであって、前記制御部は、前記性能劣化を検出した後に、前記触媒被毒を回復させるメンテナンス処理を実行する、燃料電池システム。
この燃料電池システムによれば、触媒被毒に起因する性能劣化が検出された後に、その触媒被毒を回復するための適切なメンテナンス処理を実行するため、確実に燃料電池の性能低下を抑制できる。
適用例5記載の燃料電池システムであって、前記制御部は、外部負荷の要求に応じて前記燃料電池の出力電流を制御する第1の制御を実行し、前記制御部は、前記第1の制御の実行中に前記性能劣化を検出した場合には、前記外部負荷の要求に応じた出力電流よりも大きい電流を前記燃料電池に出力させる第2の制御を、前記メンテナンス処理として実行する、燃料電池システム。
この燃料電池システムによれば、燃料電池システムの運転を停止さることなく、触媒被毒による燃料電池の性能低下を回復させるためのメンテナンス処理を実行することができる。
適用例5記載の燃料電池システムであって、前記燃料電池の排ガスを、前記燃料電池に循環供給できる排ガス循環部を備え、前記メンテナンス処理は、前記燃料電池の運転終了後に、前記排ガス循環部によって、前記燃料電池に前記排ガスを循環させて、前記燃料電池の内部をパージする処理を含む、燃料電池システム。
この燃料電池システムが実行するメンテナンス処理であれば、排ガスの循環によって、触媒被毒を回復させることができるため、効率的である。
適用例5記載の燃料電池システムであって、前記燃料電池の内部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部を備え、前記メンテナンス処理は、前記燃料電池の運転終了後に、前記燃料電池に前記不活性ガスを供給し、前記燃料電池の内部をパージする処理を含む、燃料電池システム。
この燃料電池システムであれば、不活性ガスのパージによって触媒被毒を回復させることができる。
電解質膜と、前記電解質膜の両面に配置され、燃料電池反応を促進する触媒を含む電極と、を有する燃料電池を備える、燃料電池システムの制御方法であって、
(a)前記燃料電池の電流と電圧との関係として表される前記燃料電池の発電特性を取得する工程と、
(b)前記燃料電池の発電特性において、所定の電流の範囲内で検出される、電流の増大量に対する電圧の低下量が所定の閾値より大きいときに、アイオノマーの分解物による触媒被毒に起因する性能劣化を検出する工程と、を備える、制御方法。
この燃料電池システムの制御方法であれば、触媒被毒に起因して燃料電池の発電性能が低下していることを高い精度で検出することができる。
適用例9記載の燃料電池の制御方法であって、さらに、
(c)前記性能劣化の発生を検出した後に、前記触媒被毒を回復させるメンテナンス処理を実行する工程と、を備える、制御方法。
この燃料電池システムの制御方法によれば、触媒被毒に起因する性能劣化が検出された後に、その劣化を回復するための適切なメンテナンス処理を実行するため、燃料電池の性能低下を確実に抑制できる。
電解質膜と、前記電解質膜の両面に配置され、燃料電池反応を促進する触媒を含む電極と、を有する燃料電池において、アイオノマーの分解物による触媒被毒に起因する性能劣化を検出する方法であって、
(a)前記燃料電池の電流と電圧との関係として表される、前記燃料電池の発電特性において、それ以上電流を増大させても電圧が低下しなくなる電流の最大値を検出できるように、前記燃料電池に対する前記反応ガスの供給量を制御する工程と、
(b)前記工程(a)の後に、前記燃料電池の発電特性を取得する工程と、
(c)前記燃料電池の発電特性において、前記電流の最大値に所定の第1と第2の比率をそれぞれ乗算した第1と第2電流値に対して取得できる、第1と第2の電圧値の差の大きさが所定の閾値より大きいときに前記性能劣化が発生していると判定する工程と、を備える、方法。
この方法によれば、触媒被毒に起因して燃料電池の発電性能が低下していることを的確に検出することができる。
電解質膜と、前記電解質膜の両面に配置され、燃料電池反応を促進する触媒を含む電極と、を有する燃料電池において、アイオノマーの分解物による触媒被毒に起因する性能劣化を検出する方法であって、
(A)前記燃料電池の発電特性を検出するとともに、前記燃料電池の電流に対する抵抗の変化を検出する工程と、
(B)前記燃料電池の発電特性において、(i)電圧が、所定の電流の範囲内において、所定の変化率よりも大きい変化率で略線形的に低下しており、かつ、(ii)前記所定の電流の範囲内における前記燃料電池の抵抗の変化が、所定の許容範囲内で収まっているときに、前記性能劣化が発生していると判定する工程と、を備える、方法。
この方法によれば、触媒被毒に起因して燃料電池の発電性能が低下していることを的確に検出することができる。
図1は本発明の一実施例としての燃料電池システムの構成を示す概略図である。この燃料電池システム100は、例えば、燃料電池車両に搭載され、運転者からの要求に応じて、燃料電池車両の動力源となる電力を出力する。
図9は、本発明の第2実施例としての燃料電池システムにおいて、触媒被毒対策処理部21によって実行される触媒被毒対策処理の実行手順を示すフローチャートである。図9は、ステップS110に換えて、ステップS111が設けられている点と、ステップS125が追加されている点以外は、図5とほぼ同じである。
(a)電流増大に対して電圧が略線形的に低下する電流領域(即ち、下記の式(1)が成立する電流領域)において、電流に対する電圧の低下率|γ|が所定の値|γth|より大きくなっている(|γ|>|γth|)。
V=γ・I+α…(1)
V:電圧,I:電流,γ:0未満の定数,α:定数
(b)前記の電流領域において、電流に対する抵抗の変動幅(Δr)が所定の許容範囲(r1〜r2)内に収まっている(r1≦Δr≦r2)。
図11は、本発明の第3実施例としての燃料電池システムにおいて、触媒被毒対策処理部21によって実行される触媒被毒対策処理の実行手順を示すフローチャートである。なお、第3実施例の燃料電池システムの構成は、第1実施例の燃料電池システム100の構成と同様である(図1,図2)。また、第3実施例の燃料電池システムにおいて、制御部20が実行する通常の運転制御の制御手順は、第1実施例で説明した制御手順と同様である(図3)。
図12は、本発明の第4実施例としての燃料電池システム100Aの構成を示す概略図である。図12は、制御部20に時刻計測部22としての機能が設けられている点と、温度検出部94が設けられている点と、カソード排ガス循環系70が設けられている点以外は、図1とほぼ同じである。なお、第4実施例の燃料電池システム100Aの電気的構成は、第1実施例の燃料電池システム100とほぼ同じである(図2)。
図17は本発明の第5実施例としての燃料電池システム100Bの構成を示す概略図である。図17は、カソード排ガス循環系70が設けられていない点と、カソードガス供給系30に、窒素ガス供給系75が接続されている点以外は、図12とほぼ同じである。なお、第5実施例の燃料電池システム100Bの電気的構成は、第1実施例の燃料電池システム100と同様である(図2)。
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記第1実施例では、触媒被毒対策処理部21は、燃料電池システム100の運転中の所定のタイミングで、燃料電池10の反応ガスの供給量を調整した上で、燃料電池10の電流を挿引することにより、燃料電池10の極限I−V特性を取得していた(図5のステップS110)。しかし、触媒被毒対策処理部21は、極限I−V特性の取得のための反応ガスの供給量の調整処理や、燃料電池10の電流の挿引処理を実行することなく、極限I−V特性を取得するものとしても良い。例えば、触媒被毒対策処理部21は、燃料電池10に対する反応ガスの供給を間欠的にON/OFFする、いわゆる間欠運転の実行時における燃料電池10の電流・電圧(セル電圧)の計測値に基づいて、極限I−V特性を取得するものとしても良い。
上記第1実施例では、触媒被毒対策処理部21は、初期状態に対して電流に対する電圧の低下がほとんどない領域における第1の電流I1に対する電圧v1と、初期状態に対して電流に対する電圧の低下が顕著に現れる領域における第2の電流I2に対する電圧v2との差ΔVを算出し、このΔVが所定の閾値より大きいときに、触媒被毒の蓄積に起因する燃料電池10の発電性能の低下を検出していた(ステップS120)。しかし、第1と第2の電流値I1,I2は、予め設定された任意の電流値であっても良い。ただし、第1の電流I1を初期状態に対して電流に対する電圧の低下がほとんどない領域における電流値に設定し、第2の電流I2を、初期状態に対して電流に対する電圧の低下が顕著に現れる領域における電流値に設定すれば、より高い精度で、被毒劣化を検出することができる。
上記第2実施例では、触媒被毒対策処理部21は、燃料電池システムの運転中の所定のタイミングで、燃料電池10の電流を挿引することにより、燃料電池10のI−V特性およびI−R特性を取得していた(図9のステップS111)。しかし、触媒被毒対策処理部21は、燃料電池10の電流の挿引を実行することなく、燃料電池10の通常の運転中における電流・電圧(セル電圧)・抵抗(セル抵抗)の計測値から、I−V特性、I−R特性を取得するものとしても良い。
上記第3実施例では、触媒被毒対策処理部21は、二次電池81のSOCに基づいて、第1の触媒被毒対策処理と、第2の触媒被毒対策処理とを適宜、選択して実行していた。しかし、触媒被毒対策処理部21は、他の基準に基づいて、第1の触媒被毒対策処理と、第2の触媒被毒対策処理とを適宜、選択して実行するものとしても良い。例えば、触媒被毒対策処理部21は、水素タンク52における水素の残量に基づいて、第1の触媒被毒対策処理と、第2の触媒被毒対策処理とを適宜、選択して実行するものとしても良い。
上記第4実施例の燃料電池システム100Aでは、触媒被毒対策処理部21は、被毒劣化検出処理(図14)において、燃料電池10における被毒劣化の検出方法として、第1実施例と同様な、極限I−V特性を用いた方法を実行していた。しかし、第4実施例の被毒劣化検出処理における被毒劣化の検出方法としては、第2実施例で説明した方法を適用するものとしても良いし、第3実施例のように、第1実施例の方法と第2実施例の方法とを適宜選択して実行するものとしても良い。
上記第5実施例では、触媒メンテナンス処理におけるパージ処理において、カソード側に窒素ガスを供給し、アノード側に水素ガスを供給していた。しかし、触媒メンテナンス処理におけるパージ処理では、アノード側の水素ガスの供給を省略するものとしても良い。
上記第4実施例および第5実施例では、燃料電池システム100A,100Bの運転終了後に、触媒被毒対策処理部21が、触媒被毒フラグに応じて、自動的に、触媒メンテナンス処理を実行していた。しかし、触媒被毒対策処理部21による触媒メンテナンス処理は省略されるものとしても良い。この場合には、例えば、燃料電池システム100A,100Bの定期的なメンテナンス作業において、作業者が、触媒被毒フラグの設定値を読み取り、その設定値に基づいて、触媒メンテナンス処理を実行するものとしても良い。なお、作業者が触媒メンテナンス処理としてパージ処理を実行する場合には、燃料電池10のカソード側とアノード側に水素を供給するものとしても良い。この方法であれば、カソード側に供給された水素によってカソード電位を低下させることができ、効果的である。
2,3…電極
5…膜電極接合体
10…燃料電池
11…単セル
20…制御部
21…触媒被毒対策処理部
22…時刻計測部
30…カソードガス供給系
31…カソードガス配管
32…エアコンプレッサ
33…エアフロメータ
34…開閉弁
35…圧力計測部
40…カソードガス排出系
41…カソード排ガス配管
43…調圧弁
44…圧力計測部
50…アノードガス供給系
51…アノードガス配管
52…水素タンク
53…開閉弁
54…レギュレータ
55…水素供給装置
56…圧力計測部
60…アノードガス排出系
61…アノード排ガス配管
66…開閉弁
67…圧力計測部
70…カソード排ガス循環系
71…三方弁
72…バイパス配管
73…ポンプ
75…窒素ガス供給系
76…窒素タンク
77…接続配管
78…三方弁
81…二次電池
82…DC/DCコンバータ
83…DC/ACインバータ
90…電流計測部
91…セル電圧計測部
92…インピーダンス計測部
93…SOC検出部
94…温度検出部
100,100A,100B…燃料電池システム
200…モータ
DCL…直流配線
Claims (12)
- 燃料電池システムであって、
電解質膜と、前記電解質膜の両面に配置され、燃料電池反応を促進する触媒を含む電極と、を有する燃料電池と、
前記燃料電池の電流と電圧との関係として表される前記燃料電池の発電特性を取得する発電特性検出部と、
前記燃料電池の発電特性において、所定の電流の範囲内で検出される、電流の増大量に対する電圧の低下量が所定の閾値より大きいときに、アイオノマーの分解物による触媒被毒に起因する性能劣化を検出する制御部と、
を備える、燃料電池システム。 - 請求項1記載の燃料電池システムであって、
前記制御部は、
(a)前記燃料電池の発電特性において、それ以上電流を増大させても電圧が低下しなくなる電流の最大値を検出できるように、前記燃料電池に対する前記反応ガスの供給量を調整するガス供給量制御を実行し、
(b)前記ガス供給量制御の実行後に、前記燃料電池の発電特性を取得し、
(c)前記燃料電池の発電特性において、前記電流の最大値に所定の第1と第2の比率をそれぞれ乗算した第1と第2電流値に対して取得できる、第1と第2の電圧値の差の大きさが所定の閾値より大きいときに前記性能劣化が発生していると判定する、
第1の被毒劣化検出処理を実行する、燃料電池システム。 - 請求項1または請求項2記載の燃料電池システムであって、
前記燃料電池の抵抗を検出する抵抗検出部を備え、
前記制御部は、
(i)前記燃料電池の発電特性において、電圧が、前記所定の電流の範囲内において、所定の変化率よりも大きい変化率で略線形的に低下しており、かつ、
(ii)前記発電特性を検出する際の、前記所定の電流の範囲内における前記燃料電池の抵抗の変化が、所定の許容範囲内で収まっているときに、前記性能劣化が発生していると判定する、
第2の被毒劣化検出処理を実行する、燃料電池システム。 - 請求項2および請求項3に記載の燃料電池システムであって、さらに、
前記燃料電池の出力電力によって充電され、前記燃料電池とともに電力源として機能する二次電池と、
前記二次電池の蓄電量を表す充電状態を検出する充電状態検出部と、
を備え、
前記制御部は、前記燃料電池の運転中に、前記第1または第2の被毒劣化検出処理を実行し、
前記制御部は、前記二次電池の蓄電量に応じて、前記第1と第2の被毒劣化検出処理のうちのいずれを実行するかを選択する、燃料電池システム。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の燃料電池システムであって、
前記制御部は、前記性能劣化を検出した後に、前記触媒被毒を回復させるメンテナンス処理を実行する、燃料電池システム。 - 請求項5記載の燃料電池システムであって、
前記制御部は、外部負荷の要求に応じて前記燃料電池の出力電流を制御する第1の制御を実行し、
前記制御部は、前記第1の制御の実行中に前記性能劣化を検出した場合には、前記外部負荷の要求に応じた出力電流よりも大きい電流を前記燃料電池に出力させる第2の制御を、前記メンテナンス処理として実行する、燃料電池システム。 - 請求項5記載の燃料電池システムであって、
前記燃料電池の排ガスを、前記燃料電池に循環供給できる排ガス循環部を備え、
前記メンテナンス処理は、前記燃料電池の運転終了後に、前記排ガス循環部によって、前記燃料電池に前記排ガスを循環させて、前記燃料電池の内部をパージする処理を含む、燃料電池システム。 - 請求項5記載の燃料電池システムであって、
前記燃料電池の内部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部を備え、
前記メンテナンス処理は、前記燃料電池の運転終了後に、前記燃料電池に前記不活性ガスを供給し、前記燃料電池の内部をパージする処理を含む、燃料電池システム。 - 電解質膜と、前記電解質膜の両面に配置され、燃料電池反応を促進する触媒を含む電極と、を有する燃料電池を備える、燃料電池システムの制御方法であって、
(a)前記燃料電池の電流と電圧との関係として表される前記燃料電池の発電特性を取得する工程と、
(b)前記燃料電池の発電特性において、所定の電流の範囲内で検出される、電流の増大量に対する電圧の低下量が所定の閾値より大きいときに、アイオノマーの分解物による触媒被毒に起因する性能劣化を検出する工程と、
を備える、制御方法。 - 請求項9記載の燃料電池の制御方法であって、さらに、
(c)前記性能劣化の発生を検出した後に、前記触媒被毒を回復させるメンテナンス処理を実行する工程と、
を備える、制御方法。 - 電解質膜と、前記電解質膜の両面に配置され、燃料電池反応を促進する触媒を含む電極と、を有する燃料電池において、アイオノマーの分解物による触媒被毒に起因する性能劣化を検出する方法であって、
(a)前記燃料電池の電流と電圧との関係として表される、前記燃料電池の発電特性において、それ以上電流を増大させても電圧が低下しなくなる電流の最大値を検出できるように、前記燃料電池に対する前記反応ガスの供給量を制御する工程と、
(b)前記工程(a)の後に、前記燃料電池の発電特性を取得する工程と、
(c)前記燃料電池の発電特性において、前記電流の最大値に所定の第1と第2の比率をそれぞれ乗算した第1と第2電流値に対して取得できる、第1と第2の電圧値の差の大きさが所定の閾値より大きいときに前記性能劣化が発生していると判定する工程と、
を備える、方法。 - 電解質膜と、前記電解質膜の両面に配置され、燃料電池反応を促進する触媒を含む電極と、を有する燃料電池において、アイオノマーの分解物による触媒被毒に起因する性能劣化を検出する方法であって、
(A)前記燃料電池の発電特性を検出するとともに、前記燃料電池の電流に対する抵抗の変化を検出する工程と、
(B)前記燃料電池の発電特性において、
(i)電圧が、所定の電流の範囲内において、所定の変化率よりも大きい変化率で略線形的に低下しており、かつ、
(ii)前記所定の電流の範囲内における前記燃料電池の抵抗の変化が、所定の許容範囲内で収まっているときに、
前記性能劣化が発生していると判定する工程と、
を備える、方法。
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