JP2013205712A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像容器内にキャリアを含む現像剤を補給するとともに、余剰となった現像剤を排出する現像装置を備え、現像装置内の現像剤の劣化度合いに応じて新たな現像剤の補給を適切に行うことのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】累積印字枚数が所定枚数に到達したとき、制御部は、感光体ドラム上に複数のパッチ画像を形成し、中間転写ベルト上に転写する。次に、濃度検知センサーにより各パッチ画像の濃度を検知し、検知結果に基づいてトナーの帯電量分布と仕事関数分布を計算する。そして、予め粒子シミュレーターで計算され、ROMに記憶されている現像剤の劣化ランクと仕事関数分布との関係を用いて、現像剤の劣化レベルを判定する。さらに、判定された劣化レベルに基づいて現像剤の補給レベル(補給量及び補給間隔)を決定する。
【選択図】図6
【解決手段】累積印字枚数が所定枚数に到達したとき、制御部は、感光体ドラム上に複数のパッチ画像を形成し、中間転写ベルト上に転写する。次に、濃度検知センサーにより各パッチ画像の濃度を検知し、検知結果に基づいてトナーの帯電量分布と仕事関数分布を計算する。そして、予め粒子シミュレーターで計算され、ROMに記憶されている現像剤の劣化ランクと仕事関数分布との関係を用いて、現像剤の劣化レベルを判定する。さらに、判定された劣化レベルに基づいて現像剤の補給レベル(補給量及び補給間隔)を決定する。
【選択図】図6
Description
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に用いる現像装置及びそれを備えた画像形成装置に関し、特に、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤の補給を行うとともに余剰現像剤を排出する現像装置及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。
画像形成装置においては、感光体等からなる像担持体上に形成した潜像を、現像装置により現像しトナー像として可視化することを行っている。このような現像装置の一つとして、キャリアとトナーとを含む二成分現像剤を用いる二成分現像方式が採用されている。この種の現像装置は、現像容器内に二成分現像剤を収容し、像担持体に現像剤を供給する現像ローラーを配設するとともに、現像容器内部の現像剤を搬送攪拌しながら現像ローラーへと供給する攪拌部材を配設している。
二成分現像方式の現像装置では、現像剤中のトナーは現像動作によって消費されていく一方、キャリアは消費されずに現像装置内に残る。従って、現像容器内でトナーとともに攪拌されるキャリアは攪拌頻度が多くなるにつれて劣化し、その結果、トナーに対するキャリアの帯電付与性能が徐々に低下してしまう。
そこで、現像容器内にキャリアを含む現像剤を補給するとともに、余剰となった現像剤を排出することで、帯電性能の低下を抑制するようにした現像装置が提案されている。
例えば、特許文献1では、回転軸とその外周に螺旋状に形成される螺旋羽根とを有する2つの攪拌部材が各搬送室内に平行に配置されている。各搬送室の間には仕切り部が設けられ、仕切り部の両端部には、現像剤を受け渡す連通部が設けられている。そして、現像剤搬送方向に対して搬送室の下流側に現像剤排出口が形成され、攪拌部材と現像剤排出口との間には、攪拌部材の螺旋羽根とは逆向きで螺旋状に形成される逆螺旋羽根が規制部として回転軸に一体に設けられている。
特許文献1の構成によれば、現像剤が現像容器内に補給されると、攪拌部材の回転により現像剤が攪拌されながら搬送室の下流側まで搬送される。逆螺旋羽根が攪拌部材と同方向に回転すると、逆螺旋羽根によって、攪拌部材による現像剤搬送方向とは逆方向の搬送力が現像剤に付与される。この逆方向の搬送力によって、搬送室の下流側では現像剤が塞き止められて嵩高となることから、余剰の現像剤が逆螺旋羽根(規制部)を乗り越えて現像剤排出口に移動し外部へ排出される。
一方、出力画像の濃度を一定に保つために、二成分現像剤中のトナー濃度を一定に維持する方法が用いられている。例えば特許文献2には、トナーが非磁性であり、キャリアが磁性である特性を利用して、現像器に取り付けた透磁率センサーからの出力電圧のピーク値をトナー濃度検出信号としてトナー補給制御を行う画像形成装置が開示されている。
また、特許文献3には、トナー濃度検出手段で現像ローラー上のトナー濃度を読み取り、読み取られた検出信号値を濃度基準値と比較してトナー補給を行う画像形成装置において、現像剤の交換回数や現像装置の動作時間等の現像剤の履歴に基づいて濃度基準値を変更する技術が開示されている。特許文献3の方法によれば、現像装置内の現像剤の状態が変動してトナー濃度検出値が実際と異なっている場合でも、現像装置内の現像剤中のトナー濃度を安定化することができる。
ところで、特許文献1のような、現像容器内にキャリアを含む現像剤を補給するとともに、余剰となった現像剤を排出する現像装置を用いた場合、長期間に亘ってキャリアの帯電付与性能が維持されるが、低印字率の画像を連続して出力すると、トナー消費量が少ないためにトナーの累積攪拌時間が長くなり、トナーが過帯電状態となる。
この状態で、引き続き高印字率の画像を出力すると、現像容器内の僅かなトナーが一度に消費されるため、トナー収容容器からトナーが大量に供給される。このとき、新たに補給されたトナーの帯電が迅速且つ円滑に行われず、十分に帯電していないトナーが白紙部に付着して地肌かぶりを引き起こす可能性もある。
この現象は、図13及び図14を用いて説明することができる。図13は、トナー(正帯電トナー)からキャリアへの電荷移動を模式的に示す図である。図13において、トナーT及びキャリアCは、それぞれ帯電サイト(帯電可能な面積)St、Scと、電子レベルでの仕事関数Wt、Wcを有している。ここで、仕事関数とは、物質表面から1個の電子を無限遠まで取り出すのに必要な最小エネルギーであり、Wt<Wcであることから、トナーTはキャリアCに比べて表面電荷が移動し易いことを示している。
いま、トナーT及びキャリアCが別々に存在する図13(a)の状態から、図13(b)のようにトナーT及びキャリアCを接触させたとする。仕事関数の異なる粒子を接触させると、接触部において仕事関数の大きさが揃うように電荷移動が起こるため、現像剤D全体としての仕事関数は平衡値Wmixとなる。
ここで、粒子の帯電量は、帯電サイトと仕事関数の変化量とに比例するため、トナーTの帯電量Qt、及びキャリアCの帯電量Qcは以下の式(1)、(2)で表される。
Qt=βSt(Wmix−Wt)・・・(1)
Qc=βSc(Wc−Wmix)・・・(2)
Qt=βSt(Wmix−Wt)・・・(1)
Qc=βSc(Wc−Wmix)・・・(2)
次に、図13に示した電荷移動を、補給トナーと補給キャリアからなる補給現像剤を現像器内に滞留するトナーとキャリアからなる滞留現像剤に補給する場合について考察する。図14は、補給現像剤から滞留現像剤への電荷移動を模式的に示す図である。補給現像剤Dsの仕事関数(補給トナーTsと補給キャリアCsの仕事関数の平衡値Wsmix)と、滞留現像剤の仕事関数(滞留トナーTpと滞留キャリアCpとの仕事関数の平衡値Wpmix)が異なるため、補給トナーTsから滞留トナーTpと滞留キャリアCpへ電子が流れ込む。
その結果、補給現像剤Ds中の補給トナーTsは電子を放出し帯電量が高くなり、滞留現像剤中の滞留トナーTpは電子を吸収し帯電量がより低下する。そして、混合された現像剤全体としての仕事関数は平衡値W(s+p)mixとなる。
即ち、図14からわかるように、補給現像剤Dsと滞留現像剤Dpとで仕事関数の平衡レベルが異なるため、補給現像剤Dsと滞留現像剤Dpとを混合すると、滞留現像剤Dp中の滞留トナーTpの帯電量が低下して低帯電、或いは逆帯電(負帯電)になり、地肌かぶりを引き起こすものと考えられる。
本発明は、上記問題点に鑑み、現像容器内にキャリアを含む現像剤を補給するとともに、余剰となった現像剤を排出する現像装置を備え、現像装置内の現像剤の劣化度合いに応じて新たな現像剤の補給を適切に行うことのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤が補給されるとともに余剰の現像剤を排出する現像装置を含む画像形成部と、該画像形成部により形成されたパッチ画像の濃度を検知する検知手段と、該検知手段の検知結果に基づいて現像剤の帯電量分布及び仕事関数分布を計算する仕事関数分布計算手段と、該仕事関数分布計算手段により算出された装置の初期設定時及び所定枚数印字後における現像剤の仕事関数分布に基づいて現像剤の劣化レベルを判定するとともに、判定された現像剤の劣化レベルに基づいて前記現像装置への現像剤の補給パターンを決定する制御手段と、を備えた画像形成装置である。
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記制御手段は、現像剤の劣化レベルと、現像剤の劣化レベル毎に予めシミュレートされた現像剤の補給パターンと地肌かぶり濃度との関係、若しくは現像剤の補給パターンと逆帯電トナー量との関係と、を用いて前記現像装置への現像剤の補給パターンを決定することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、粒子シミュレーターにより現像剤の劣化レベル毎にシミュレートされた現像剤の補給パターンと地肌かぶり濃度との関係、若しくは現像剤の補給パターンと逆帯電トナー量との関係を記憶する記憶手段を備え、前記制御手段は、判定された現像剤の劣化レベルと、前記記憶手段に記憶されたシミュレート結果とに基づいて前記現像装置への現像剤の補給パターンを決定することを特徴としている。
本発明の第1の構成によれば、画像形成装置の初期設定時及び所定枚数印字後における現像剤の仕事関数分布に基づいて現像剤の劣化レベルを判定するとともに、判定された現像剤の劣化レベルに基づいて現像装置への現像剤の補給パターンを決定することにより、現像剤の劣化レベルに応じた適切な補給パターンが決定される。従って、劣化した現像剤に新たな現像剤が一度に多量に補給されることによるトナーの帯電不良、及び地肌かぶりの発生を効果的に抑制することができる。
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の画像形成装置において、制御手段は、現像剤の劣化レベルと、現像剤の劣化レベル毎に予めシミュレートされた現像剤の補給パターンと地肌かぶり濃度との関係、若しくは現像剤の補給パターンと逆帯電トナー量との関係とを用いて現像装置への現像剤の補給パターンを決定することにより、現像剤の劣化レベルに応じて地肌かぶり濃度若しくは逆帯電トナー量が所定値以下となるような現像剤の補給パターンが決定される。従って、地肌かぶりの発生をより一層効果的に抑制することができる。
また、本発明の第3の構成によれば、上記第2の構成の画像形成装置において、粒子シミュレーターにより現像剤の劣化レベル毎にシミュレートされた現像剤の補給パターンと地肌かぶり濃度若しくは逆帯電トナー量との関係を記憶する記憶手段を設けておき、現像剤の劣化レベルと記憶手段に記憶されたシミュレート結果とに基づいて現像装置への現像剤の補給パターンを決定することにより、現像剤の補給パターンと地肌かぶり濃度若しくは逆帯電トナー量との関係をその都度シミュレートする必要がない。従って、現像剤の劣化レベルに応じた最適な補給パターンを迅速に且つ精度良く決定することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明のカラープリンター100の構成を示す概略図であり、ここではタンデム方式のカラー画像形成装置について示している。カラープリンター100本体内には4つの画像形成部Pa、Pb、Pc及びPdが、搬送方向上流側(図1では右側)から順に配設されている。これらの画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(マゼンタ、シアン、イエロー及びブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像及び転写の各工程によりマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの画像を順次形成する。
これらの画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム1a、1b、1c及び1dが配設されており、これらの感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像が、駆動手段(図示せず)により図1において時計回りに回転しながら各画像形成部に隣接して移動する中間転写ベルト8上に順次一次転写された後、二次転写ローラー9において用紙S上に二次転写され、さらに、定着部13において用紙S上に定着された後、装置本体より排出される構成となっている。感光体ドラム1a〜1dを図1において反時計回りに回転させながら、各感光体ドラム1a〜1dに対する画像形成プロセスが実行される。
トナー像が転写される用紙Sは、装置下部の用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラー12a及びレジストローラー対12bを介して二次転写ローラー9へと搬送される。中間転写ベルト8には誘電体樹脂製のシートが用いられ、その両端部を互いに重ね合わせて接合しエンドレス形状にしたベルトや、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが用いられる。また、二次転写ローラー9の下流側には中間転写ベルト8表面に残存するトナーを除去するためのブレード状のベルトクリーナー19が配置されている。
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。回転自在に配設された感光体ドラム1a〜1dの周囲及び下方には、感光体ドラム1a〜1dを帯電させる帯電器2a、2b、2c及び2dと、各感光体ドラム1a〜1dに画像情報を露光する露光装置4と、感光体ドラム1a〜1d上にトナー像を形成する現像装置3a、3b、3c及び3dと、感光体ドラム1a〜1d上に残留した現像剤(トナー)を除去するクリーニング部7a、7b、7c及び7dが設けられている。
パーソナルコンピューター等の上位装置から画像データが入力されると、先ず、帯電器2a〜2dによって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させ、次いで露光装置4によって光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像信号に応じた静電潜像を形成する。現像装置3a〜3dは、感光体ドラム1a〜1dに対向配置された現像ローラー(現像剤担持体)を備え、それぞれマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの各色のトナー及びキャリアから成る二成分現像剤がコンテナ5a〜5dによって所定量充填されている。このトナーは、現像装置3a〜3dの現像ローラーにより感光体ドラム1a〜1d上に供給され、静電的に付着することにより、露光装置4からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
そして、一次転写ローラー6a〜6dにより一次転写ローラー6a〜6dと感光体ドラム1a〜1dとの間に所定の転写電圧で電界が付与され、感光体ドラム1a〜1d上のシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、一次転写後に感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナー等がクリーニング部7a〜7dにより除去される。
中間転写ベルト8は、従動ローラー10及び駆動ローラー11に掛け渡されており、駆動モーター(図示せず)による駆動ローラー11の回転に伴い中間転写ベルト8が時計回りに回転を開始すると、用紙Sがレジストローラー対12bから所定のタイミングで中間転写ベルト8に隣接して設けられた二次転写ローラー9へ搬送され、中間転写ベルト8とのニップ部(二次転写ニップ部)において用紙S上にフルカラー画像が二次転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部13へと搬送される。
定着部13に搬送された用紙Sは、定着ローラー対13のニップ部(定着ニップ部)を通過する際に加熱及び加圧されてトナー像が用紙Sの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された用紙Sは、複数方向に分岐した分岐部14によって搬送方向が振り分けられる。用紙Sの片面のみに画像を形成する場合は、そのまま排出ローラー15によって排出トレイ17に排出される。
一方、用紙Sの両面に画像を形成する場合は、定着部13を通過した用紙Sの一部を一旦排出ローラー15から装置外部にまで突出させる。その後、用紙Sは排出ローラー15を逆回転させることにより分岐部14で反転搬送路18に振り分けられ、画像面を反転させた状態で二次転写ローラー9に再搬送される。そして、中間転写ベルト8上に形成された次の画像が二次転写ローラー9により用紙Sの画像が形成されていない面に転写され、定着部13に搬送されてトナー像が定着された後、排出トレイ17に排出される。
画像形成部Pdの下流側且つ二次転写ローラー9の上流側直近には濃度検知センサー21が配置されている。濃度検知センサー21は、画像形成部Pa〜Pdにおいて中間転写ベルト8上に形成されるパッチ画像に測定光を照射し、各パッチ画像からの反射光量を検出する。検出結果は受光出力信号として後述する制御部62に送信される。濃度検知センサー21としては、一般にLED等から成る発光素子と、フォトダイオード等から成る受光素子を備えた光学センサーが用いられる。パッチ画像の濃度を測定する際、発光素子から中間転写ベルト8上の各パッチ画像に対し順次測定光を照射すると、測定光はトナーによって反射される光、及びベルト表面によって反射される光として受光素子に入射する。
トナーの付着量が多い場合には、ベルト表面からの反射光がトナーによって遮光されるので、受光素子の受光量が減少する。一方、トナーの付着量が少ない場合には、逆にベルト表面からの反射光が多くなる結果、受光素子の受光量が増大する。従って、受光した反射光量に基づく受光信号の出力値により各色のパッチ画像のトナー付着量(画像濃度)を検知し、検知結果に基づいて各色の現像剤の仕事関数分布を計算することにより、各色の現像剤の劣化レベルが判定される。
濃度検知センサー21は、測定対象物までの距離を厳密に規定しておく必要があるため、図1に示すように、中間転写ベルト8表面までの距離変動の少ない駆動ローラー11に対抗するような位置に配置されており、中間転写ベルト8上の濃度補正パターンの形成位置に合わせて中間転写ベルト8の幅方向に位置決めされている。
なお、濃度検知センサー21は中間転写ベルト8上のパッチ画像を検知可能な他の位置に配置しても良いが、例えば二次転写ローラー9よりも下流側に配置した場合、画像形成部Pa〜Pdによりパッチ画像が形成されてから濃度検知が行われるまでの時間が長くなり、さらにパッチ画像が二次転写ローラー9と接触することによりパッチ画像の表面状態が変化するおそれもある。そのため、図1のように画像形成部Pdよりも下流側且つ二次転写ローラー9の接触位置よりも上流側に配置することが好ましい。
図2は、上述のカラープリンター100に用いられる現像装置の構成を示す断面平面図である。なお、以下の説明では、図1に示す感光体ドラム1aに対応する現像装置3aの構成及び動作について説明するが、現像装置3b〜3dの構成及び動作については現像装置3aと同様であり、説明を省略し、また各色の現像装置及び感光体を示すa〜dの符号を省略する。
図2に示すように、現像装置3は、現像ローラー30と、磁気ローラー31と、現像容器32と、規制ブレード34、及び攪拌部材42等により構成されている。
現像容器32は、現像装置3の外郭を構成し、その下部で仕切り部32bによって第1搬送室32cと第2搬送室32dに仕切っている。第1搬送室32c及び第2搬送室32dには、キャリアとトナーからなる現像剤が収容される。また、現像容器32は、攪拌部材42と磁気ローラー31及び現像ローラー30を回転可能に保持している。更に、現像容器32には、現像ローラー30を感光体ドラム1に向けて露出させる開口32aが形成されている。
現像ローラー30は、感光体ドラム1に対向し、一定の間隔を設けて感光体ドラム1の右方に配設される。また、現像ローラー30は、感光体ドラム1に接近した対向位置において、感光体ドラム1にトナーを供給する現像領域Dを形成している。磁気ローラー31は、一定の間隔を設けて現像ローラー30に対向し、現像ローラー30の右斜め下方に配設される。また、磁気ローラー31は、現像ローラー30に接近した対向位置において、現像ローラー30にトナーを供給する。攪拌部材42は磁気ローラー31の略下方に配設される。また、規制ブレード34は磁気ローラー31の左斜め下方にて現像容器32に固定保持されている。
攪拌部材42は、第1スパイラル43と第2スパイラル44の2本で構成される。第2スパイラル44が磁気ローラー31の下方で、第2搬送室32d内に設けられ、第1スパイラル43が第2スパイラル44の右方に隣接して、第1搬送室32c内に設けられる。
第1及び第2スパイラル43、44は現像剤を攪拌して現像剤中のトナーを所定のレベルに帯電させる。これによりトナーはキャリアに保持される。また、第1搬送室32cと第2搬送室32dを仕切る仕切り部32bの長手方向(図2の紙面表裏方向)の両端部分には、連通部(図略)が設けられており、第1スパイラル43が回転すると、帯電した現像剤が仕切り部32bに設けた一方の連通部から第2スパイラル44に搬送され、現像剤が第1搬送室32c内と第2搬送室32d内とを循環する。そして、第2スパイラル44から磁気ローラー31に現像剤が供給される。
磁気ローラー31は、ローラー軸31aと磁極部材M及び非磁性材からなる非磁性スリーブ31bを備え、攪拌部材42により供給された現像剤を担持し、担持した現像剤からトナーのみを現像ローラー30に供給するものである。磁極部材Mは、断面扇形に形成された外周部の極性の異なる複数の磁石が交互に配設され、ローラー軸31aに接着等により固着される。ローラー軸31aは、非磁性スリーブ31b内で、磁極部材Mと非磁性スリーブ31bの間に所定の間隔を設けて、現像容器32に回転不能に支持される。非磁性スリーブ31bは、図示しないモーターと歯車からなる駆動機構により、現像ローラー30と同方向(図2の時計回り方向)に回転し、また直流電圧56aに交流電圧56bを重畳したバイアス56を印加される。非磁性スリーブ31b表面において、帯電した現像剤は磁極部材Mの磁力によって磁気ブラシを形成して担持され、磁気ブラシは規制ブレード34によって所定の高さに調節される。
非磁性スリーブ31bが回転すると、磁気ブラシは、磁極部材Mによって非磁性スリーブ31b表面に担持されて搬送され、現像ローラー30に接触すると、磁気ブラシのトナーのみが、非磁性スリーブ31bに印加されたバイアス56に応じて、現像ローラー30に供給される。
現像ローラー30は、固定軸30aと、磁極部材30bと、非磁性の金属材料で円筒状に形成される現像スリーブ30c等を備えて構成されている。
固定軸30aは現像容器32に回転不能に支持される。この固定軸30aには、現像スリーブ30cが回転自在に保持され、更に、磁石よりなる磁極部材30bが磁気ローラー31と対向する位置に現像スリーブ30cと所定の間隔を設けて、接着等により固着される。現像スリーブ30cは、図示しないモーターと歯車からなる駆動機構により、図2の矢印方向(時計回り方向)に回転する。また、現像スリーブ30cには、直流電圧55aに交流電圧55bを重畳した現像バイアス55が印加される。
現像バイアス55を印加された現像スリーブ30cが図2の時計回り方向に回転すると、現像領域Dにおいて、現像バイアス電位と感光体ドラムの露光部位の電位との電位差により、現像スリーブ30c表面に担持されたトナーが感光体ドラムに飛翔する。飛翔したトナーは矢印A方向(反時計回り方向)に回転する感光体ドラム上の露光部位に順次付着し、感光体ドラム上の静電潜像が現像される。
次に、図3を用いて、現像装置の攪拌部について詳しく説明する。図3は攪拌部を示す平面断面図(図2のXX′矢視断面図)である。
現像容器32には、前述のように、第1搬送室32cと、第2搬送室32dと、仕切り部32bと、上流側連通部32e、及び下流側連通部32fが形成され、その他に、現像剤補給口32gと、現像剤排出口32hと、上流側壁部32i、及び下流側壁部32jが形成されている。なお、第1搬送室32cにおいて、図3の左側を上流側、図3の右側を下流側とし、また、第2搬送室32dにおいて、図3の右側を上流側、図3の左側を下流側とする。従って、連通部及び側壁部は、第2搬送室32dを基準として、上流及び下流と呼称している。
仕切り部32bは、現像容器32の長手方向に延びて第1搬送室32cと第2搬送室32dを並列させるように仕切っている。仕切り部32bの長手方向の右側端部は、上流側壁部32iの内壁部とともに上流側連通部32eを形成し、一方、仕切り部32bの長手方向の左側端部は、下流側壁部32jの内壁部とともに下流側連通部32fを形成している。そして現像剤は、第1搬送室32cと、上流側連通部32eと、第2搬送室32d、及び下流側連通部32f内を循環することが可能である。
現像剤補給口32gは、現像容器32の上部に設けられたコンテナ5a〜5d(図1参照)から新たな現像剤を現像容器32内に補給するための開口であり、第1搬送室32cの上流側(図3の左側)に配置される。
現像剤排出口32hは、現像剤の補給によって、第1及び第2搬送室32c、32d内で余剰となった現像剤を排出するための開口であり、第2搬送室32dの下流側で第2搬送室32dの長手方向に連続して設けられる。
第1搬送室32c内には第1スパイラル43が配設され、第2搬送室32d内には第2スパイラル44が配設されている。
第1スパイラル43は、回転軸43bと、回転軸43bに一体に設けられ、回転軸43bの軸方向に一定のピッチで螺旋状に形成される第1螺旋羽根43aとを有する。また、第1螺旋羽根43aは、第1搬送室32cの長手方向の両端部側まで延び、上流側及び下流側連通部32e、32fにも対向して設けられている。回転軸43bは現像容器32の上流側壁部32iと下流側壁部32jに回転可能に軸支されている。
第2スパイラル44は、回転軸44bと、回転軸44bに一体に設けられ、回転軸44bの軸方向に第1螺旋羽根43aと同じピッチで第1螺旋羽根43aとは逆方向を向く(逆位相の)羽根で螺旋状に形成される第2螺旋羽根44aとを有する。また、第2螺旋羽根44aは、磁気ローラー31の軸方向長さ以上の長さを有し、更に、上流側連通部32eに対向する位置まで延びて設けられている。回転軸44bは、回転軸43bと平行に配置され、現像容器32の上流側壁部32iと下流側壁部32jに回転可能に軸支されている。
また、回転軸44bには、第2螺旋羽根44aとともに、規制部52及び排出羽根53が一体に配設されている。
規制部52は、第2搬送室32d内で下流側に搬送された現像剤を塞き止め、且つ、所定量以上になった現像剤を現像剤排出口32hに搬送することを可能にするものである。規制部52は、回転軸44bに設けられる螺旋羽根からなり、第2螺旋羽根44aと逆方向を向く(逆位相の)羽根で螺旋状に形成され、且つ、第2螺旋羽根44aの外径と略同じで第2螺旋羽根44aのピッチより小さく設定されている。また、規制部52は、下流側壁部32j等の現像容器32の内壁部と規制部52の外周部において所定量の隙間を形成している。この隙間から余剰の現像剤が排出されることになる。
回転軸44bは現像剤排出口32h内まで延びている。現像剤排出口32h内の回転軸44bには排出羽根53が設けられている。排出羽根53は、第2螺旋羽根44aと同じ方向を向く螺旋状の羽根からなるが、第2螺旋羽根44aよりピッチが小さく、また羽根の外周が小さくなっている。従って、回転軸44bが回転すると、排出羽根53も回転し、規制部52を乗り越えて現像剤排出口32h内に搬送された余剰現像剤は、図3の左側に送られて、現像容器32外に排出されるようになっている。なお、排出羽根53、規制部52、及び第2螺旋羽根44aは合成樹脂によって回転軸44bと一体に成型される。
現像容器32の外壁には、歯車61〜64が配設されている。歯車61、62は回転軸43aに固着され、歯車64は回転軸44bに固着され、歯車63は、現像容器32に回転可能に保持されて、歯車62、64に噛合している。
新たに現像剤を補給していない現像時には、モーター等の駆動源によって、歯車61が回転すると、回転軸43bとともに第1螺旋羽根43aが回転し、第1螺旋羽根43aによって、現像剤は、第1搬送室32c内の現像剤を矢印P方向に搬送され、その後、上流側連通部32eを通って第2搬送室32d内に搬送される。更に、回転軸44bと連動する回転軸44bとともに第2螺旋羽根44aが回転すると、第2螺旋羽根44aによって、現像剤は、第2搬送室32d内の現像剤を矢印Q方向に搬送される。従って、現像剤はその嵩高を大きく変動させながら第1搬送室32cから上流側連通部32eを通って第2搬送室32d内に搬送され、規制部52を乗り越えることなく、下流側連通部32fを通って第1搬送室32cに搬送される。
このように現像剤は、第1搬送室32cから、上流側連通部32e、第2搬送室32d、及び下流側連通部32fと循環しながら攪拌されて、攪拌された現像剤が磁気ローラー31に供給される。
次に、現像剤補給口32gから現像剤が補給される場合について説明する。現像によってトナーが消費されると、現像剤補給口32gから第1搬送室32c内にキャリアを含む現像剤が補給される。
補給された現像剤は、現像時と同様に、第1螺旋羽根43aによって、第1搬送室32c内を矢印P方向に搬送され、その後、上流側連通部32eを通って第2搬送室32d内に搬送される。更に、第2螺旋羽根44aによって、現像剤は、第2搬送室32d内の現像剤を矢印Q方向に搬送される。回転軸44bの回転にともなって規制部52が回転すると、規制部52によって、第2螺旋羽根44aによる現像剤搬送方向とは逆方向の搬送力が現像剤に付与される。この規制部52によって現像剤が塞き止められて嵩高となり、余剰の現像剤が規制部52を乗り越えて、現像剤排出口32hを介して現像容器32外に排出される。
図4は、コンテナ5aを概略的に示す側面断面図である。なお、ここではマゼンタの現像剤を貯留するコンテナ5aについて説明するが、シアン、イエロー、ブラックの現像剤を貯留するコンテナ5b〜5dについても同様の構成である。コンテナ5aは、未使用の現像剤を貯留するコンテナ容器51、搬送スクリュー52、攪拌パドル53、現像剤補給モーター27、攪拌モーター28を備える。
コンテナ容器51の底部の長手方向(図4の紙面と垂直な方向)の一端部には、現像容器32の現像剤補給口32g(図3参照)に連結される供給口51aが形成されている。攪拌パドル53は、その軸部から径方向の片側に延び、且つ容器の長手方向に展開されるフィルム状の攪拌羽根53aを有する。攪拌羽根53aの回転によって、コンテナ容器51内の現像剤が攪拌され、攪拌された現像剤が搬送スクリュー52側に移送される。
搬送スクリュー52は、その軸部の周りに長手方向に一定の位相(ピッチ)で螺旋状に形成される螺旋羽52aを有し、コンテナ容器51内の底部に供給口51aに対向して配置されている。搬送スクリュー52が回転すると、攪拌パドル53によって攪拌された現像剤が螺旋羽52aの位相の進行により供給口51aに向かって搬送され、供給口51aを介して現像容器32に補給される。
現像剤補給モーター27、攪拌モーター28は、それぞれ搬送スクリュー52、攪拌パドル53を回転させるDCモーターからなり、例えば、ブリッジ回路にパルス電圧を印加してパルス電圧のオンとオフを繰り返すことによって回転駆動させられる。攪拌パドル53の攪拌羽根53aは、その軸部から半径方向に搬送スクリュー52の外縁まで延び、螺旋羽52aに接触可能である。
コンテナ容器51内に現像剤が十分に貯留されている場合には、攪拌パドル53はトナーを攪拌して搬送スクリュー52に供給する。そして、現像剤補給モーター27が定速で回転駆動すると、搬送スクリュー52はその回転速度に応じた一定量の現像剤を供給口51aから現像容器32内に補給する。
図5は、本発明のカラープリンター100の制御経路を示すブロック図である。図1と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。カラープリンター100は、画像形成部Pa〜Pd、濃度検知センサー21、現像剤補給モーター27、画像入力部60、AD変換部61、制御部62、記憶部63、操作部65等を含む構成である。
画像入力部60は、パーソナルコンピューター等から送信される画像データを受信する受信部である。画像入力部60より入力された画像信号はAD変換部61においてデジタル信号に変換された後、記憶部63内の画像メモリ70に送出される。
記憶部63は、画像入力部60から入力されAD変換部61においてデジタル変換された印刷画像データをページ単位で記憶する画像メモリ70、カラープリンター100の制御途中で発生した必要なデータやカラープリンター100の制御に一時的に必要となるデータ等が記憶される読み書き自在のRAM(Random Access Memory)71、及びカラープリンター100の制御用プログラムや制御上の必要な数値等のカラープリンター100の使用中に変更されることがないデータ等が収められる読み出し専用のROM(Read Only Memory)72を備えている。
例えば、RAM71には、カラープリンター100の初期設定時及び後述する現像剤補給パターンの決定時に出力されるパッチ画像の濃度検出値(階調値)や、パッチ画像の濃度検出値から算出される仕事関数分布等が記憶されている。また、ROM72には、現像剤の仕事関数分布と、予め粒子シミュレーターを用いて計算された劣化レベルとの関係や、補給1回当りの現像剤の補給量及び補給回数を規定する補給レベル(補給パターン)と地肌かぶり濃度との関係を現像剤の劣化レベル毎に記憶した補給レベル設定テーブル等が記憶されている。
演算部64は、濃度検知センサー21により検知されたパッチ画像の濃度検出値を用いて現像剤の仕事関数分布を計算する。仕事関数分布の具体的な計算方法については後述する。
操作部65は、液晶表示部、各種の状態を示すLED等が設けられており、カラープリンター100の状態を示したり、画像形成状況や印字部数を表示したりするようになっている。カラープリンター100の各種設定はパーソナルコンピューターのプリンタードライバーから行われる。
その他、操作部65には、画像形成を開始するようにユーザーが指示するスタートボタン、画像形成を中止する際等に使用するストップ/クリアボタン、カラープリンター100の各種設定をデフォルト状態にする際に使用するリセットボタン等が設けられている。
制御部62は、例えば中央処理装置(CPU)であり、設定されたプログラムに従って画像入力部60、画像形成部Pa〜Pd、定着部13、及び用紙カセット16(図1参照)からの用紙の搬送、現像剤補給モーター27の駆動等を全般的に制御するとともに、画像入力部60から入力された画像信号を、必要に応じて変倍処理或いは階調処理して画像データに変換する。
さらに制御部62は、現像剤補給パターンの決定時に、濃度検知センサー21からの出力信号を受信し、各パッチ画像のセンサー出力値に基づいて仕事関数分布を算出する機能、算出された仕事関数分布をRAM71に記憶された初期設定時の仕事関数分布と比較する機能、比較結果とROM72に記憶された粒子シミュレーターによる計算データとに基づいて現像剤の劣化レベルを判定し、さらに現像剤の劣化レベルに基づいて現像剤の補給パターンを決定する機能を有している。なお、現像剤補給パターンの決定は、ユーザーによるマニュアル設定の他、装置の電源ON時や所定枚数の画像形成処理が終了した時にも自動的に実行されるようにしてもよい。
図6は、本発明のカラープリンター100において実行される現像剤の補給パターン決定手順の一例を示すフローチャートである。必要に応じて図1〜図5を参照しながら、図6のステップに沿って現像剤の補給パターンの決定手順について説明する。なお、ここでは図1の画像形成部Paにおけるマゼンタの現像剤の補給パターンの決定手順を例に挙げて説明するが、画像形成部Pb〜Pdにおけるシアン、イエロー、ブラックの現像剤の補給パターンの決定についても全く同様に説明される。
先ず、カラープリンター100の初期設定を行う際に、感光体ドラム1a上に濃度の異なる複数のパッチ画像を形成し、中間転写ベルト8上に転写する(ステップS1)。次に、濃度検知センサー21により各パッチ画像の濃度を検知する(ステップS2)。そして、検知結果に基づいて初期トナーの帯電量分布と仕事関数分布を計算する(ステップS3)。具体的には、各パッチ画像の濃度の差分からトナーの帯電量Qの分布を計算し、さらに帯電量Qの分布を仕事関数分布に変換する。ステップS3で算出された仕事関数分布データは初期データとしてRAM71に記憶される(ステップS4)。
カラープリンター100の初期設定が終了すると、印字が開始される(ステップS5)。その後、制御部62において累積印字枚数が所定枚数に到達したか否かが判断され(ステップS6)、所定枚数に到達したときは、制御部62はステップS1と同様に、感光体ドラム1a上に複数(8段階)のパッチ画像を形成し、中間転写ベルト8上に転写する(ステップS7)。次に、濃度検知センサー21により各パッチ画像の濃度を検知し(ステップS8)、検知結果に基づいてステップS3と同様の手順でトナーの帯電量分布と仕事関数分布を計算する(ステップS9)。このとき、RAM71に記憶されている初期データと比較することで(ステップS10)、使用環境による現像剤の帯電特性のばらつきに関係なく、常に正確な仕事関数分布を計算することができる。
図7は、初期設定時に出力されたパッチ画像の濃度と、所定枚数印字後(耐久後)に出力されたパッチ画像の濃度とを比較したグラフ、図8は、図7のデータに基づいて算出された初期設定時及び所定枚数印字後のトナーの帯電量分布を比較したグラフ、図9は、図8のデータに基づいて算出された初期設定時及び所定枚数印字後の現像剤の仕事関数分布を比較したグラフである。なお、図7〜図9においては、初期現像剤を○のデータ系列、所定枚数印字後(耐久後)の現像剤を◇のデータ系列で示している。
図7から、初期設定時に出力された複数(ここでは0〜7の8パターン)のパッチ画像は段階的に濃度(階調値)が変化しており、耐久後に出力されたパッチ画像の濃度は、パターン1、2、4〜6において初期設定時に出力されたパッチ画像の濃度からずれていることがわかる。
また、図8から、所定枚数印字後のトナーの帯電量は初期設定時に比べて負側(マイナス側)にシフトしており、帯電量分布の幅も狭くなっていることがわかる。さらに、図9から、初期現像剤の仕事関数分布においてピーク値を示す仕事関数は5.05(eV)であり、耐久後の現像剤ではピーク値を示す仕事関数が5.05(eV)から5.12(eV)に上昇していることがわかる。
次に、制御部62は、予め粒子シミュレーターで計算され、ROM72に記憶されている現像剤の劣化ランクと仕事関数分布との関係を用いて、現像剤の劣化レベルを判定する(ステップS11)。さらに、判定された劣化レベルに基づいて現像剤の補給レベル(補給量及び補給間隔)を決定する(ステップS12)。
図10は、現像剤の劣化レベルと仕事関数分布との関係を示すグラフである。例えば、図9において耐久後の現像剤の仕事関数分布においてピーク値を示す仕事関数は約5.12(eV)であるから、劣化レベルは10であると判定される。
図11は、劣化レベル5の現像剤に対して現像剤の補給レベルを変化させたときの印字枚数と地肌かぶり濃度との関係を示すグラフである。なお、図11においては、補給レベルを1〜6の6段階とし、補給レベル1を□のデータ系列、補給レベル2を◆のデータ系列、補給レベル3を△のデータ系列、補給レベル4を×のデータ系列、補給レベル5を*のデータ系列、補給レベル6を○のデータ系列で示している。
補給レベルは、補給1回当りの現像剤の補給量(現像剤補給モーター27のON時間)と、補給間隔(現像剤補給モーター27のOFF時間)とを示すものである。各補給レベルと現像剤補給モーター27の駆動時間との関係を表1に示す。
表1に示すように、補給レベル1のときは比較的多量の現像剤が1回で補給され、補給レベル2〜6に向かうにつれて補給1回当りの補給量(現像剤補給モーター27のON時間)が減少し、補給間隔(現像剤補給モーター27のOFF時間)が長くなっている。
図11に示すように、補給レベル1から補給レベル6まで6段階に変化させると地肌かぶりの発生も変化することがわかる。また、かぶり濃度が0.02以下の場合に実用上問題のないレベルであることが確認されている。
従って、図6のステップS11で現像剤の劣化レベルが5と判定されたとすると、補給レベル5または6で補給することで地肌かぶりの発生を実用上問題のないレベルまで抑制することができる。
上記のような制御によれば、現像剤の劣化ランクに応じた適切な現像剤の補給パターン(補給量及び補給間隔)が決定される。その結果、逆帯電トナーの発生、及びそれに伴う地肌かぶりの発生を効果的に抑制することができる。
なお、ここでは図11に示すような、現像剤の劣化レベル毎に記憶された補給レベルと地肌かぶり濃度の関係を用いて現像剤の補給レベルを決定しているが、例えば、図12に示すような、地肌かぶり濃度と相関する逆帯電トナー量と補給レベルとの関係を用いて現像剤の補給レベルを決定することもできる。
図12は、劣化レベル5の現像剤に対して現像剤の補給レベルを変化させたときの現像剤の攪拌時間と逆帯電トナー量との関係を示すグラフである。補給レベルとデータ系列との対応関係は図11と同様である。図12に示すように、補給レベル1から補給レベル6まで6段階に変化させると発生する逆帯電トナー量も変化することがわかる。また、逆帯電トナー量が1重量%以下である場合は地肌かぶりが実用上問題のないレベルであることが実験により確認されているため、逆帯電トナー量が1重量%以下となるような補給レベル5または6を選択することで地肌かぶりの発生を抑制できることがわかる。
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、本発明は図2に示したような磁気ローラー31と現像ローラー30を備えた現像装置に限定されるものではなく、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤の補給を行うとともに余剰現像剤を排出する種々の現像装置に適用可能である。
例えば、上記各実施形態では現像容器32内の現像剤循環経路として、互いに並列配置される第1搬送室32cと第2搬送室32dとを備えた2軸搬送式の現像装置について説明したが、磁気ローラー31から引き剥がされた現像際を回収して第2搬送室32dに合流させる回収搬送室を備えた3軸搬送式の現像装置にも適用可能である。また、磁気ローラー31を設けず現像ローラー30のみを設け、現像ローラー30上に形成された磁気ブラシを感光体ドラム表面に接触させて静電潜像を現像する現像装置にも適用することができる。
また、上記実施形態では、感光体ドラム1a〜1d上に濃度の異なる複数のパッチ画像を形成し、中間転写ベルト8上に転写した後、濃度検知センサー21でパッチ画像の濃度を測定して現像剤の仕事関数分布を計算したが、濃度検知センサー21を感光体ドラム1a〜1dに対向する位置に配置し、感光体ドラム1a〜1d上に形成されたパッチ画像の濃度を直接測定するようにしても良い。
また、本発明は図1に示したタンデム式のカラープリンター100に限らず、デジタル或いはアナログ方式のモノクロ複写機、モノクロプリンター、カラー複写機、ファクシミリ等、二成分現像方式を用いた種々の画像形成装置に適用可能である。
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に用いる現像装置及びそれを備えた画像形成装置に利用することができ、特に、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤の補給を行うとともに余剰現像剤を排出する現像装置及びそれを備えた画像形成装置に利用することができる。
1a〜1d 感光体ドラム
3a〜3d 現像装置
5a〜5d コンテナ
21 濃度検知センサー(検知手段)
27 現像剤補給モーター
30 現像ローラー
31 磁気ローラー
32 現像容器
32c 第1搬送室
32d 第2搬送室
32g 現像剤補給口
32h 現像剤排出口
62 制御部(制御手段)
63 記憶部(記憶手段)
64 演算部(仕事関数分布計算手段)
71 RAM
72 ROM
100 カラープリンター
Pa〜Pd 画像形成部
3a〜3d 現像装置
5a〜5d コンテナ
21 濃度検知センサー(検知手段)
27 現像剤補給モーター
30 現像ローラー
31 磁気ローラー
32 現像容器
32c 第1搬送室
32d 第2搬送室
32g 現像剤補給口
32h 現像剤排出口
62 制御部(制御手段)
63 記憶部(記憶手段)
64 演算部(仕事関数分布計算手段)
71 RAM
72 ROM
100 カラープリンター
Pa〜Pd 画像形成部
Claims (3)
- トナーとキャリアとを含む二成分現像剤が補給されるとともに余剰の現像剤を排出する現像装置を含む画像形成部と、
該画像形成部により形成されたパッチ画像の濃度を検知する検知手段と、
該検知手段の検知結果に基づいて現像剤の帯電量分布及び仕事関数分布を計算する仕事関数分布計算手段と、
該仕事関数分布計算手段により算出された装置の初期設定時及び所定枚数印字後における現像剤の仕事関数分布に基づいて現像剤の劣化レベルを判定するとともに、判定された現像剤の劣化レベルに基づいて前記現像装置への現像剤の補給パターンを決定する制御手段と、
を備えた画像形成装置。 - 前記制御手段は、現像剤の劣化レベルと、現像剤の劣化レベル毎に予めシミュレートされた現像剤の補給パターンと地肌かぶり濃度との関係、若しくは現像剤の補給パターンと逆帯電トナー量との関係と、を用いて前記現像装置への現像剤の補給パターンを決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 粒子シミュレーターにより現像剤の劣化レベル毎にシミュレートされた現像剤の補給パターンと地肌かぶり濃度との関係、若しくは現像剤の補給パターンと逆帯電トナー量との関係を記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、判定された現像剤の劣化レベルと、前記記憶手段に記憶されたシミュレート結果とに基づいて前記現像装置への現像剤の補給パターンを決定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
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JP2012076306A JP2013205712A (ja) | 2012-03-29 | 2012-03-29 | 画像形成装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016114702A (ja) * | 2014-12-12 | 2016-06-23 | コニカミノルタ株式会社 | 現像器および画像形成装置 |
-
2012
- 2012-03-29 JP JP2012076306A patent/JP2013205712A/ja active Pending
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