JP2013205367A - 検査装置、検査方法、およびデバイス製造方法 - Google Patents

検査装置、検査方法、およびデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】実際のデバイスパターンを用いてフォーカスの状態およびドーズの状態を計測することができる装置を提供する。
【解決手段】表面検査装置1が、既知のフォーカス条件及び既知の露光量条件で形成された基準パターンを有するウェハの表面を照明する照明系21と、照明系21の照明により、基準パターンを有するウェハの表面からの回折光に応じた基準信号を検出する検出部30と、検査パターンが形成されたウェハ10の表面が照明系21により照明され、該検査パターンが形成されたウェハ10の表面からの回折光に応じて検出部30で検出される検査信号と、既知のフォーカス条件及び既知の露光量条件と基準信号の関係を示す特性とに基づいて、該検査パターンのフォーカス条件及び露光量条件を判定する検査判定部43とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板に対して行われた加工の条件を判定可能な検査装置および検査方法に関する。また、このような検査装置および検査方法を用いたデバイス製造方法に関する。
露光装置は、所定のパターンが形成されたマスクを照明し、マスクのパターンの像を、投影レンズを介してウェハに投影することで、ウェハを露光する。このときウェハには、マスクのパターンを単位とする露光領域が所定の間隔で形成される(以下、この露光領域をショットと称する)。ショットには、マスクのパターンが1つだけ露光されたものがある一方、マスクのパターンが複数、繋ぎ合わされて露光されたものもある。また、ショットの内(すなわち、露光領域の内)で、露光工程を経て最終的に単独のデバイスとなる領域を以下、チップと称する。チップは、ショットの内に複数存在することもあれば、1つのショットが1つのチップとなる場合もある。
このような露光装置においては、フォーカス(投影レンズを介してウェハ面上に投影されたマスクパターンの像の合焦状態)の管理および露光量(光の照射によりマスク及び投影光学系を介してウェハに与えられる単位面積当たりのエネルギー量)の管理が非常に重要である。そこで、露光装置のウェハ面上でのフォーカスの状態および露光量の状態を監視している。ここでフォーカスの管理とは、デフォーカス(非合焦)による不具合に限らず、ショット内若しくはウェハ全面においてフォーカスの状態の変動を管理することをいう。一方、露光量の管理とは、ショット内若しくはウェハ全面において露光量の状態の変動を管理することをいう。また、便宜上、以下では露光量をドーズ量と称する。例えば、露光装置のフォーカスの状態を監視するにあたり、フォーカスの状態を計測するには、専用のマスク基板を用いてテストパターンを露光・現像し、得られたテストパターンの位置ずれからフォーカスオフセット量を計測する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
米国特許第6701512号
しかしながら、このような方法で露光装置のフォーカスの状態を計測する場合、マスクパターンの種類や露光装置の照明条件に制約があり、実際のデバイスとは異なるパターンでフォーカスの状態を計測することしかできない。また、露光装置のドーズの状態を計測する場合についても、実際のデバイスとは異なるパターンでドーズの状態を計測することしかできない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、実際のデバイスパターンを用いてフォーカスの状態およびドーズの状態を計測することができる検査装置および検査方法を提供することを目的とする。また、このような検査装置および検査方法を用いたデバイス製造方法を提供することを目的とする。
このような目的達成のため、第1の態様によれば、既知のフォーカス条件及び既知の露光量条件で形成された基準パターンを有する基板の表面を照明する照明部と、前記照明部
の照明により、前記基準パターンを有する基板の表面からの回折光に応じた基準信号を検出する検出部と、検査パターンが形成された基板の表面が前記照明部により照明され、該検査パターンが形成された基板の表面からの回折光に応じて前記検出部で検出される検査信号と、前記既知のフォーカス条件及び前記既知の露光量条件と前記基準信号の関係を示す特性とに基づいて、該検査パターンのフォーカス条件及び露光量条件を判定する演算部とを備える検査装置が提供される。
また、第2の態様によれば、既知のフォーカス条件及び既知の露光量条件で形成された基準パターンを有する基板の表面を照明し、照明により、前記基準パターンを有する基板の表面からの回折光に応じた基準信号を検出し、検査パターンが形成された基板の表面を照明し、照明により、前記検査パターンが形成された基板の表面からの回折光に応じた検査信号を検出し、前記既知のフォーカス条件及び前記既知の露光量条件と前記基準信号との関係を示す特性と、前記検査信号とに基づいて、前記検査パターンのフォーカス条件及び露光量条件を判定する検査方法が提供される。
また、第3の態様によれば、基板の表面にパターンを形成することと、第1の態様の検査装置または第2の態様の検査方法で前記パターンのフォーカス条件及び露光量条件を判定することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明によれば、実際のデバイスパターンを用いてフォーカスの状態およびドーズの状態を計測することができる。
第1〜第3実施形態に係る表面検査装置の概要構成図である。 ウェハの回転角度を示す説明図である。 入射角および射出角を示す説明図である。 受光角を示す説明図である。 ウェハの表面の外観図である。 ウェハの表面に形成されたパターンの構造を模式的に示す斜視図である。 第1実施形態におけるウェハ上のパターンの加工条件を判定する方法を示すフローチャートである。 第1実施形態における条件出しを行うステップの詳細を示すフローチャートである。 第1実施形態における加工条件の判定を行うステップの詳細を示すフローチャートである。 ショット内有効エリアの一例を示す模式図である。 良品ウェハの一例を示す図である。 FEMウェハの一例を示す図である。 第2実施形態におけるウェハ上のパターンの加工条件を判定する方法を示すフローチャートである。 第2実施形態における条件出しを行うステップの詳細を示すフローチャートである。 第2実施形態における加工条件の判定を行うステップの詳細を示すフローチャートである。 第3実施形態におけるウェハ上のパターンの加工条件を判定する方法を示すフローチャートである。 第3実施形態における条件出しを行うステップの詳細を示すフローチャートである。 第3実施形態における加工条件の判定を行うステップの詳細を示すフローチャートである。 フォーカスカーブの一例を示す図である。 フォーカスカーブの一例を示す図である。 表面検査装置の変形例を示す概要構成図である。 第4実施形態に係る顕微鏡装置の概要構成図である。 顕微鏡装置の変形例を示す図である。 露光システムの概要構成図である。 露光システムにおけるデータのフィードバックを示すフローチャートである。 デバイス製造方法を示すフローチャートである。 リソグラフィー工程を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本願に係る検査装置の第1実施形態として表面検査装置を図1に示す。第1実施形態の表面検査装置1は、表面にパターンが形成されたウェハ10を支持することが可能なステージ15と、照明系21と、検出部30と、画像処理部41と、記憶部42と、検査判定部43と、ハードウェア制御部44および主制御部45とを備えている。また、図1で示した一点鎖線は、表面検査装置1の光軸Axを模式的に表すものである。ここで、光軸Axは、表面検査装置1に備えられた各光学素子(照明系21と検出部30に備えられた各光学素子)の回転対称軸と一致する軸であり、かつ、照明側凹面鏡21の有効反射面の中心とステージ15の保持面15aの中心と受光側凹面鏡32の有効反射面の中心と撮像装置36の撮像面の中心とを結ぶ軸である(照明側凹面鏡21、ステージ15、受光側凹面鏡32、および撮像装置36の詳細については後述する)。なお、第1実施形態においては、図1に示した矢印X,Y,Zの方向をそれぞれX軸方向、Y軸方向、Z軸方向として説明する。また、図2に示すように、ウェハ10上で規定された所定の径方向の軸L(ウェハ10の中心とウェハ10の外周の所定の一点とを通る軸)とX軸との成す角度を、便宜的にウェハ方位角度と称して説明する。
ステージ15は、不図示の搬送装置により外部から搬送されてきたウェハを真空吸着により保持面15aで保持可能となっている。また、回転機構部17は、ウェハ10の回転対称軸(ステージ15の中心軸)を中心に、保持面15aを回転させる。したがって、ステージ10(保持面15a)でウェハ10を保持しながら、ウェハ方位角度を調整することができる。
照明系21は、照明光を射出する照明ユニット22と、照明ユニット22から射出された照明光をウェハ10の表面に向けて反射させる照明側凹面鏡26とを備えており、ステージ15に保持されたウェハ10の表面全面に照明光として平行光を照射する。照明ユニット22は、光源部23と、調光部24と、導光ファイバ25とを備えている。光源部23には、メタルハライドランプや水銀ランプ等が用いられる。調光部24は、光源部23からの光のうち所定の波長を有する光を抽出し強度を調節する。導光ファイバ25は、調光部24からの光を照明光として照明側凹面鏡26へ導く。また、導光ファイバ25から光が射出する射出端は照明側凹面鏡26の焦点面に配置されており、導光ファイバ25から照明側凹面鏡26へ射出された照明光は、照明側凹面鏡26により平行光束となってステージ15に保持されたウェハ10の表面に照射される。
検出部30は、受光側凹面鏡32と、撮像装置36とを備えている。受光側凹面鏡32は、ウェハ10の像を撮像装置36の撮像面上に結像するようにステージ15に対向して配置されており、ウェハ10の表面で反射した光(回折光を含む反射光等)を集光して撮像装置36へ導く。
撮像装置36は、撮像面上に形成されたウェハ10の像を光電変換して画像信号を生成する。主制御部45により、撮像装置36で生成されたウェハ10の画像信号は、画像処理部41に送られる。画像処理部41は、撮像装置36から送られた画像信号に基づいてウェハ10の画像を生成する。また、画像処理部41は、ウェハ10の画像に対して、適宜、ディストーション補正(画像の歪みの補正)やシェーディング補正(照明系21や受光側凹面鏡32などの光学特性や撮像装置36の撮像特性に起因する画像の明るさムラの補正)等の画像補正を行う。画像処理部41で処理された画像データ(すなわち、撮像装置36で受光したウェハ10からの光に基づく信号強度)は、主制御部45により検査判定部43に送られる。記憶部42には、欠陥の無いパターン若しくは、許容される程度の欠陥を有するパターンが所定のピッチで形成された良品のウェハの画像データ(すなわち、撮像装置36で受光した良品ウェハからの光に基づく信号強度)が予め記憶されており、検査判定部43は、主制御部45からウェハ10の画像データと良品ウェハの画像データとを受け取り比較して、ウェハ10の表面における欠陥(異常)の有無を検査する。検査判定部43による検査結果は、主制御部45により不図示の表示装置で出力表示される。また、検査判定部43は、ウェハ10の画像データを利用して、ウェハ10の表面に形成されたパターンの加工条件(具体的には、露光時のフォーカス条件およびドーズ条件)を判定することができる(詳細は後述する)。
なお、検査判定部43によるウェハ10の検査結果および画像データは、主制御部45により記憶部42に送られて記憶される。また、検査判定部43によるウェハ10の検査結果および画像データは、主制御部45により出力部46から外部(例えば、半導体製造ラインの管理システムや露光装置等)へ出力することも可能である。なお、画像処理部41で処理されたウェハ10の画像データに基づくウェハ10の表面の画像を主制御部45により不図示の表示装置に表示させてもよい。
本実施形態においてステージ15は、チルト機構16により、ステージ15の保持面15aと略平行で、当該保持面15aと照明系21の光軸Axとの交点を通る軸(以下、チルト軸Tcと称する、図1を参照)を中心に、ウェハ10とともに傾動可能に構成されており、水平軸(図1におけるX軸と平行な軸)に対するウェハ10の角度を調整することが可能となっている。したがって、ウェハ10の表面を照明する照明光の入射角及びウェハ10の表面から射出した光の射出角を調整できる。なお、本実施形態におけるチルト軸Tcは、図1におけるY軸と平行であるものとする。また、図3に示すように、本実施形態における照明光の入射角とは、ステージ15の保持面15aの法線N1(図3ではZ軸と平行な直線)とウェハ10の表面へ入射する照明光との成す角θ1であり、射出角とは、保持面15aの法線N1とウェハ10の表面から射出した光との成す角θ2である。
また、受光系駆動部38によって、前述のチルト軸Tcを中心に、受光側凹面鏡32および撮像装置36が一体的に傾動可能に構成されている。なお、図1で示した二点鎖線は、受光系駆動部38によって受光側凹面鏡32および撮像装置36が一体的に傾動可能であることを模式的に表すものである。この構成により、ウェハ10からの射出光に対する受光角が調整可能となる。ここで、図4に示すように、受光角とは、ステージ15の保持面15aの法線N1(図4ではZ軸と平行な直線)と、当該保持面15aの中心と受光側凹面鏡32の有効反射面の中心とを結ぶ光軸Axとの成す角θtである。
以上の構成により、ステージ15の保持面15aの法線N1(図1におけるZ軸の受光側凹面鏡32の光軸に沿った線)を基準とする照明光の入射角(射出光の射出角)と、射出光に対する受光角とをそれぞれ独立して調整することができる。そのため、後述の(1)式に基づいてウェハ10に入射させる光の波長、ウェハ10に形成された繰り返しパターンのピッチ、及び撮像装置36で受光する光の回折次数を同一にしたとき、チルト機構16によりステージ15を傾動させるとともに、受光系駆動部38により受光側凹面鏡3
2および撮像装置36を一体的に傾動させて、照明光の入射角(射出光の射出角)および射出光に対する受光角を変化させることにより、任意の入射角(異なる複数の入射角)でウェハ10の表面へ光を入射させた場合、撮像装置36で受光する光(正反射光も含む)の回折次数を選択することができるようになる。つまり、第1の入射角でウェハ10の表面に入射し、射出して撮像装置36で受光される光の回折次数と、第1の入射角とは異なる第2の入射角でウェハ10の表面に入射し、射出して撮像装置36で受光される光の回折次数を合わせつつ、回折次数を選択することができる。
主制御部45は、ハードウェア制御部44を介して、照明ユニット22や、ステージ15、受光系駆動部38の作動を制御する。ハードウェア制御部44は、照明ユニット22の光源部23と調光部24を制御し、照明光の波長および強度を調節する。また、ハードウェア制御部44は、ステージ15の回転機構部17を制御し、ウェハ方位角度を調整する。また、ハードウェア制御部44は、ステージ15のチルト機構16を制御し、照明光の入射角(回折光の射出角)を調整する。また、ハードウェア制御部44は、受光系駆動部38を制御し、ウェハ10からの射出光に対する受光角を調整する。
ウェハ10は、露光装置101により最上層のレジスト膜に対して所定のマスクパターンが投影露光され、現像装置(図示せず)によって現像される。現像後のウェハ10は、不図示の搬送装置により、不図示のウェハカセットまたは現像装置からステージ15上に搬送される。なおこのとき、ウェハ10は、ウェハ10のパターンもしくは外縁部(ノッチやオリエンテーションフラット等)を基準としてアライメントが行われた状態で、ステージ15上に搬送される。ウェハ10の表面には、図5に示すように、複数のショット11が縦横に(図5におけるX´Y´方向に)配列される。各ショット11の中には、パターンとしてラインパターンやホールパターン等の繰り返しパターン12が形成されている。
以上のように構成される表面検査装置1を用いた、ウェハ10の表面に形成された繰り返しパターンの欠陥検査について簡単に説明する。まず、不図示の搬送装置により、ウェハ10をステージ15上に搬送する。このウェハ10の表面には、例えば図6に示すようにピッチがPの繰り返しパターン12(ラインアンドスペースパターン)が形成されている。なお、搬送の途中で不図示のアライメント機構によりウェハ10の表面に形成されているパターンの位置情報を取得しており、ウェハ10をステージ15上の所定の位置に所定の方向で載置することができる。
次に、ウェハ10の表面上における照明方向とパターンの繰り返し方向(ラインアンドスペースパターンの場合、ラインの長手方向に対して直交する方向)とが一致するように、回転機構部17でステージ15を回転させてウェハ方位角度を調整する。さらに、ウェハ10の表面に照射する照明光の波長をλとし、(ステージ15の保持面15aの法線N1を基準とする)照明光の入射角をθ1とし、ウェハ10の表面から射出した回折光の次数をnとし、n次回折光の射出角をθ2としたとき、次の(1)式を満足するように設定を行う。
P=n×λ/{sin(θ1)−sin(θ2)} …(1)
このとき、ハードウェア制御部44により、照明ユニット22の光源部23と調光部24、ステージ15のチルト機構16、受光系駆動部38や回転機構部17等が制御される。受光系駆動部38は、射出角θ2に基づいて求めた受光角になるようにハードウェハ制御部44により制御される。なお、照明光の波長λ、照明光の入射角θ1、射出する回折光の次数n、パターンのピッチP、及びウェハ方位角が決まると、回折光の射出角θ2が決まり、回折光の射出角θ2に対応してn次回折光の受光角が一義的に決まることは言う
までもない。ここで、照明光の波長λ、照明光の入射角θ1、n次回折光の射出角θ2(すなわち、n次回折光の受光角)、回折光の次数n、パターンのピッチP、及びウェハ方位角度の組合せで決まる回折光の条件を回折条件と称する。
次に、照明系21により照明光をウェハ10の表面に照射する。このような条件で照明光をウェハ10の表面に照射する際、照明ユニット22における光源部23からの光は調光部24を通過し、所定の波長(例えば、248nmの波長)の照明光が導光ファイバ25から照明側凹面鏡26へ射出され、照明側凹面鏡26で反射した照明光が平行光束となって入射角θ1でウェハ10の表面に照射される。ウェハ10表面の繰り返しパターン(パターンピッチP)で回折してウェハ10の表面から射出角θ2で射出したn次の回折光は、受光側凹面鏡32により集光され、射出角θ2に対応した受光角に設定された撮像装置36の撮像面上に達し、ウェハ10の像が結像される。
撮像装置36は、撮像面上に形成されたウェハ10の像を光電変換して画像信号を生成し、主制御部45を介して画像信号を画像処理部41に送る。画像処理部41は、撮像装置36から送られた画像信号に基づいて、ウェハ10の画像(以下、ウェハ10の表面から射出した回折光を撮像装置36で受光して得られるウェハ10の画像を便宜的に回折画像と称する)を生成し、主制御部45を介してウェハ10の画像データを検査判定部43に送る。検査判定部43は、画像処理部41から送られたウェハ10の画像データ(すなわち、撮像装置36で受光したウェハ10からの回折光に基づく信号強度)と、記憶部42に記憶された良品ウェハの画像データ(すなわち、撮像装置36で受光した良品ウェハからの回折光に基づく信号強度)とを比較して、良品ウェハの画像データに対するウェハ10の画像データの変化量が予め定められた閾値より大きければ「異常」と判定し、閾値より小さければ「正常」と判定することでウェハ10のパターンにおける欠陥(異常)の有無を検査する。そして、検査判定部43による検査結果が図示しない表示装置に出力表示される。
なお、信号強度とは、撮像装置36の撮像素子で検出される光の強度に応じた信号強度であり、光の強度は、例えば、ウェハ10に入射した光のエネルギーに対するn次回折光のエネルギーの割合で表される回折効率に基づくものである。なお、本実施形態における回折効率は、ウェハ10に入射した光のエネルギーに対するn次回折光のエネルギーの割合を示す。
なお、不図示の表示装置には、検査判定部43による検査結果を表示させるだけでなく、ウェハ10の画像を表示させても良い。なお、不図示の表示装置は無くても良い。この場合、検査判定部43によるウェハ10の検査結果は、本願のような検査装置や露光装置を統括的に管理するホストコンピュータへ送信するようにしても良い。
なお、上述した回折光に基づく検査に限らず、ウェハ10表面からの正反射光に基づく検査を行うことも可能である。正反射光に基づく検査を行う場合、画像処理部41は、ウェハ10表面からの正反射光に基づく画像を生成し、検査判定部43は、画像処理部41で生成したウェハ10表面からの正反射光に基づく画像に基づいて、ウェハ10の表面における欠陥(異常)の有無を検査する。
また、検査判定部43は、ウェハ10の画像データから、ウェハ10の表面に形成されたパターンの加工条件(露光装置101による露光時のフォーカス条件およびドーズ条件)を判定することができる。そこで、第1実施形態の表面検査装置1を利用して、検査対象となるウェハ10の表面に形成された繰り返しパターン12の加工条件を判定するフローについて、図7〜図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。以下、加工条件を判定する対象となる繰り返しパターンを検査パターンと称し、検査パターンが形成され
たウェハを検査対象のウェハと称する。なお、本実施形態では、例として特定のピッチのラインアンドスペースパターン(図6参照)が各ショットに形成されたロジックICにおけるパターンの加工条件を判定するフローを示す。
図7に示すように、まず、検査対象のウェハ10上の検査パターンの加工条件を判定するための条件出しを行う(ステップST100)。続いて、条件出しで得られた条件に基づいて検査パターンの加工条件を判定する(ステップST200)。
第1実施形態における条件出しを行うステップ(ステップST100)の詳細について、図8を参照しながら説明する。図8に示すように、まず、ロジックICの製品情報を登録する(ステップST101)。具体的には、チップサイズや、ショットサイズ、ウェハ内の有効チップエリア等が登録される。このとき、ロジックICの製品情報は、不図示の入力部から主制御部45を介して記憶部42に送られ、記憶部42で記憶される。
次に、ショット内の有効エリアを設定して登録する(ステップST102)。例えば、図10に示すように、ショット内で格子状に延びるカッティングエリアや、ショットの外周部に位置してアライメントマーク等が形成されるエリア等を、無効エリア(検査の必要がないチップエリア)として設定する。そして、ショット内でこれらの無効エリアを除いたエリアを、有効エリア(検査が必要なチップエリア)として設定する。このとき、有効エリア等の登録情報は、不図示の入力部から主制御部45を介して記憶部42に送られ、記憶部42で記憶される。
次に、不図示の搬送装置により、加工条件を判定する検査パターンと種類及びレイアウト(パターンのピッチ)が同じで、かつ適切な加工条件(ベストフォーカス量及びベストドーズ量)で加工されたパターンが形成されたウェハ10g(以下、良品ウェハ10gと称する。図11を参照)をステージ15上に搬送する(ステップST103)。なお、搬送の途中、不図示のアライメント機構により良品ウェハ10gの表面に形成されているパターンの位置情報を取得する。そして、良品ウェハ10gをステージ15上に載置した後、良品ウェハ10gの表面上における照明方向とパターンの繰り返し方向とが一致するようにステージ15を回転させる。
次に、照明光の波長、照明光量、露光時間、照明光の入射角(ステージ15のチルト角)、および受光系駆動部38によって、受光側凹面鏡32と撮像装置36の受光角を変化させる範囲(以下、便宜的に設定角度範囲と称する)を設定する(ステップST104)。また、照明光量および露光時間については、照明ユニット22の照明光量と撮像装置36の露光時間を変えて複数設定される。例えば、照明光量は、基準光量(1倍)、基準光量の100倍、および基準光量の10000倍の3種類に設定される。また例えば、撮像装置36の露光時間は、1ミリ秒、100ミリ秒、および10000ミリ秒の3種類に設定される。このように、露光時間も変えることで、ダイナミックレンジを広げた撮像条件を得ることができる。
次に、良品ウェハ10gの回折画像を生成する(ステップST105)。このとき、先のステップST104で設定した照明光の波長、照明光の入射角、および設定角度範囲で、3種類の照明光量と3種類の露光時間の組み合わせについてそれぞれ、良品ウェハ10gの像を撮像する。具体的には、照明系21により照明光を良品ウェハ10gの表面に照射し、撮像装置36が良品ウェハ10gの像を光電変換して画像信号を生成し、主制御部45を介して画像信号を画像処理部41に送る。そして、画像処理部41は、撮像装置36から送られた良品ウェハ10gの画像信号に基づいて、良品ウェハ10gの回折画像を生成する。このとき、設定角度範囲における所定の受光角(受光側凹面鏡32と撮像装置36の受光角)について良品ウェハ10gの回折画像を生成する。
次に、主制御部45は、受光側凹面鏡32と撮像装置36の受光角を設定角度範囲だけ変化させたか否かを判定する(ステップST106)。具体的には、所定の角度量ごとに設定角度範囲だけ受光角(受光側凹面鏡32と撮像装置36の受光角)を変化させたか否かを判定する。言い換えれば、所定の角度量ごとに設定角度範囲だけ受光角を変化させて各受光角で良品ウェハ10gの回折画像を生成したか否かを判定する。判定がNoの場合、受光側凹面鏡32と撮像装置36の受光角を受光系駆動部38で所定の角度量だけ変化させて、ステップST105の処理を繰り返す。これにより、所定の設定角度範囲にわたる複数の受光角で、良品ウェハ10gの回折画像を生成することができる。したがって、所定の照明光の波長、照明光量、および照明光の入射角(ステージ15のチルト角)に対して、良品ウェハ10gの表面から射出した複数の回折次数の光のうち、相異なる回折次数の光に基づく複数の回折画像をそれぞれ得ることができる。
一方、判定がYesの場合、ステップST107に進む。次のステップST107において、画像処理部41は、先のステップST104〜ST106で生成した良品ウェハ10gのそれぞれの回折画像に対し、ディストーション補正およびシェーディング補正を行う。
以下、加工条件の判定(ステップST200)で用いる回折条件の候補として、良品ウェハ10gの表面の回折画像において、信号強度が高く、かつ信号強度の面内均一性が高い回折条件を求めるため、ステップST107までに得られた相異なる回折次数の光に基づく良品ウェハ10gの回折画像を用いて、良品ウェハ10gに形成された各ショット11gの所定位置に対応した撮像装置36の信号強度の平均値を求め、この平均値を用いて求めた良品ウェハ10gの全てのショット11gの所定位置に対応した撮像装置36の信号強度の平均値と分散値とに応じて適当な回折条件を選定するフロー(ステップST108〜ST109)について説明する。
まず、画像処理部41は、ステップST107で補正した良品ウェハ10gの回折画像から、良品ウェハ10gの各ショット11gに存在する有効エリア内での相対座標が同じ領域(以下、有効エリアサンプル領域Gpと称する、図11を参照)に対応する撮像装置36の信号強度の平均値を求め、求めた平均値を用いて良品ウェハ10gの全てのショット11gの有効エリアサンプル領域Gpに対応した撮像装置36の信号強度の平均値と信号強度の分散値を求める(ステップST108)。
このとき、良品ウェハ10gの回折画像の各ショット11gの有効エリアサンプル領域Gpに対応する撮像装置36の1画素もしくは複数の画素(例えば、複数の画素は、撮像装置36に縦横2次元に配置された複数の画素のうち、縦、横それぞれに複数の画素を選択することができる。選択する画素の数は任意の数を選ぶことができ、例えば、縦に2つ、横に2つの画素を選択する。以下の記載では、このような複数の画素領域を記述するに際して縦横の画素数に応じて2×2の画素と略して説明する)ごとの撮像装置36の信号強度の平均値を用いる。具体的には、まず、良品ウェハ10gに形成された各ショットの有効エリアサンプル領域Gpごとに、有効エリアサンプル領域Gpに対応する撮像装置36の2×2の画素(4つの画素)における信号強度の平均値を求める。次に、求めた有効エリアサンプルGpごとの信号強度の平均値を使用して、良品ウェハ10g上の全てのショット11gの有効エリアサンプル領域Gpにおける平均値を求める。一方、求めた有効エリアサンプル領域Gpに対応する撮像装置36の2×2の画素(4つの画素)における信号強度の平均値を使用して、良品ウェハ10g上の全てのショット11gの有効エリアサンプル領域Gpにおける信号強度の分散値(すなわち、信号強度の平均値の分散値)を求める。
また、例示のため、図11に示した有効エリアサンプル領域Gpはショット11g毎に1箇所としたが、ショット11g毎に複数の有効エリアサンプル領域Gpを設定してもよい。この場合、例えば、ショット11gごとに2つの有効エリアサンプル領域Gpを設定すると、良品ウェハ10gの全てのショット11gにおける第1の有効エリアサンプル領域Gpと第2の有効エリアサンプル領域Gpそれぞれの領域ごとに平均値および分散値を求めることができる。ショット11g毎に複数の有効エリアサンプル領域Gpを設定すると一つの場合に比べて、後のステップST109(後述)において、信号強度の分散値が小さな撮像装置36の受光角(すなわち、回折次数)を精度良く求めることが可能となる。言い換えれば、良品ウェハ10gの全面において信号強度の面内均一性が良くなる回折条件を高精度に求めることができる。さらに、良品ウェハ10gの全面において信号強度の平均値が高い受光角(すなわち、回折次数)を高精度に求めることも可能となる。したがって、加工条件の判定(ステップST200)における検査パターンの加工条件の判定精度が向上する。なお、良品ウェハ10g上の全てのショット11gの有効エリアサンプル領域Gpにおける信号強度の平均値および分散値を求めなくてもよく、良品ウェハ10gにおいて、全体的に複数のショット11gの有効エリアサンプル領域Gpにおける信号強度の平均値および分散値を求めてもよい。
そして、画像処理部41は、同一の照明光量および露光時間について、ステップST106で変化させた受光側凹面鏡32と撮像装置36の受光角毎(すなわち、撮像装置36で受光する回折光の次数毎)に、良品ウェハ10gの全てのショット11gの有効エリアサンプル領域Gpにおける信号強度の平均値を算出する。
続いて、画像処理部41は、同一の照明光量および露光時間について、ステップST106で変化させた受光角毎に、良品ウェハ10gの全てのショット11gの有効エリアサンプル領域Gpにおける信号強度の分散値を算出する。
次に、画像処理部41は、ステップST108で算出した各ショットの有効エリアサンプル領域Gpにおける信号強度の平均値と分散値に基づいて、信号強度の平均値が高く、かつ信号強度の分散値が低い受光角を求める。このとき、前述の(1)式に基づけば、受光角を求めることによりウェハからの射出角が決まり(図3及び図4参照)、射出角が決まれば、ステップST104で設定した照明光の波長及び照明光の入射角に基づいて回折次数が決まる。そして、求めた信号強度の平均値が高く、かつ信号強度の分散値が低い受光角、すなわち、射出角及び回折次数と、ステップST104で設定した照明光の波長及び照明光の入射角(ステージ15のチルト角)を合わせて、加工条件の判定(ステップST200)で用いる回折条件の候補とする(ステップST109)。このとき、回折条件の候補は、信号強度の平均値が高く、かつ信号強度の分散値が低い複数の受光角について複数の候補を求めてもよい。その場合、加工条件の判定(ステップST200)で用いる回折条件を選定する際(詳細は後述)に条件の選択性を高めることができ、加工条件の判定(ステップST200)における検査パターンの加工条件の判定精度が向上する。なお、回折条件の候補は、良品ウェハ10gの回折画像のショット内の有効エリアにおいて、撮像装置36の1画素もしくは複数の画素(2×2〜5×5の画素)ごとにそれぞれ求められる。また、画像処理部41は、ステップST104で設定した3種類の照明光量と3種類の露光時間の組み合わせの中から、回折条件の候補における照明光量および露光時間を求める。
以下、FEMウェハ10fを用いて、ステップST109で求めた複数の回折条件の候補から所望の回折条件を選定した所望の回折条件に基づいて、加工条件の判定(ステップST200)で使用する、撮像装置36の信号強度とフォーカスオフセット量及びドーズオフセット量との関係を示すライブラリーデータを求めるフロー(ステップST110〜ST113)について説明する。
なお、FEMウェハ10fは、例えば図12に示すように、複数のショット11fのうち、中心のショットをベストフォーカスおよびベストドーズとし、横方向に並ぶショットごとにフォーカスオフセット量を(例えば、30nm刻みで)変化させるとともに、縦方向に並ぶショットごとにドーズオフセット量を(例えば、30mJ刻みで)変化させて露光し現像したものである。すなわち、相異なる複数のフォーカスオフセット量とドーズオフセット量で加工された複数のショットが形成されたウェハである。
まず、不図示の搬送装置により、先のステップST109まで使用していた良品ウェハ10gに代えて、良品ウェハ10gのピッチと同等のピッチの繰り返しパターンが形成されたFEMウェハ10fをステージ15上に搬送する。そして、先のステップST109で求めた複数の回折条件の候補でそれぞれ、FEMウェハ10fの回折画像を生成する(ステップST110)。
FEMウェハ10fの回折画像を生成するには、照明系21により照明光をFEMウェハ10fの表面に照射し、撮像装置36がFEMウェハ10fの像を光電変換して画像信号を生成し、主制御部45を介して画像信号を画像処理部41に送る。そして、画像処理部41は、撮像装置36から送られたFEMウェハ10fの画像信号に基づいて、FEMウェハ10fの回折画像を生成する。なお撮像の際、FEMウェハ10fにおける中央のショット(ベストフォーカスおよびベストドーズのショット)の信号強度が撮像装置36におけるダイナミックレンジの中央になるように、照明光量の最適化が行われる。
次に、画像処理部41は、複数の回折条件の候補でそれぞれ生成したFEMウェハ10fの回折画像に基づいて、FEMウェハ10fの複数のショットそれぞれに対応する撮像装置36の各画素の信号強度(撮像装置36で受光した回折光に基づく信号強度)と、各ショットに対応するフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量との関係を求める(ステップST111)。具体的には、撮像装置36の信号強度をb、フォーカスオフセット量をf、ドーズオフセット量をdと規定し、まず、各回折条件の候補で生成したFEMウェハ10fの回折画像の各ショットについて、撮像装置36の信号強度とフォーカスオフセット量及びドーズオフセット量との関係を示すサンプルデータS(b,f,d)を求める。このとき、サンプルデータSはショットごと(すなわち、相異なるフォーカスオフセット量及びドーズオフセット量の組合せごと)に求める。例えば、FEMウェハ10f上にN個(複数個)のショットが形成される場合は、N個のサンプルデータSi(bi,fi,di)(但し、i=1,2、…N)を求め、N個のサンプルデータSi(bi,fi,di)(但し、i=1,2、…N)は、ステップST110で生成された各回折条件の候補におけるFEMウェハ10fの回折画像毎に求める。なお、各サンプルデータSは、対象のショット内の有効エリアにおいて、撮像装置36の1画素もしくは複数の画素(2×2〜5×5の画素)ごとにそれぞれ求める。
次に、画像処理部41は、ステップST111で求めたサンプルデータSi(bi,fi,di)(但し、i=1,2、…N)を使用して、複数の回折条件の候補から所望の回折条件を選定する(ステップST112)。具体的には、ステップST111で求めた各回折条件の候補に対応するサンプルデータSi同士で比較して、フォーカスオフセット量の変化に対して撮像装置36の信号強度の変化が大きく、ドーズオフセット量の変化に対して撮像装置36の信号強度の変化が小さい回折条件(以下、第1の判定用回折条件と称する)と、ドーズオフセット量の変化に対して撮像装置36の信号強度の変化が大きく、フォーカスオフセット量の変化に対して撮像装置36の信号強度の変化が小さい回折条件(以下、第2の判定用回折条件と称する)を回折条件の候補の中から選定する。
次に、加工条件の判定(ステップST200)で使用する、撮像装置36の信号強度と
フォーカスオフセット量及びドーズオフセット量の関係を示すライブラリデータを求める(ステップST113)。具体的には、ステップST112で選定した第1の判定用回折条件に対応するサンプルデータSi(bi,fi,di)(但し、i=1,2、…N)に基づいて、撮像装置36の信号強度に対するフォーカスオフセット量及びドーズオフセット量の関係を関数F1(曲面を表す関数)で近似して下記の関係式(2)を求める。但し、第1の判定用回折条件で生成されたFEMウェハ10fの回折画像における各ショットの信号強度(撮像装置36の信号強度)を改めてb1とし、各ショットのフォーカスオフセット量を改めてf1とし、各ショットのドーズオフセット量を改めてd1と表す。
1=F1(f1,d1) …(2)
同様に、ステップST112で選定された第2の判定用回折条件に対応するサンプルデータSiに基づいて、撮像装置36の信号強度に対するフォーカスオフセット量及びドーズオフセット量の関係を関数F2(曲面を表す関数)で近似して下記の関係式(3)を求める。但し、第2の判定用回折条件で生成されたFEMウェハ10fの回折画像における各ショットの信号強度(撮像装置36の信号強度)を改めてb2とし、各ショットのフォーカスオフセット量を改めてf2とし、各ショットのドーズオフセット量を改めてd2と表す。
2=F2(f2,d2) …(3)
そして、画像処理部41は、関係式(2)から、フォーカスオフセット量f1およびドーズオフセット量d1を所定量ずつ変化させて、f1およびd1のそれぞれの組合せに対応する信号強度b1を求め、第1の判定用回折条件におけるライブラリーデータT1(b1j,f1j,d1j)を作成する。また、画像処理部41は、関係式(3)から、フォーカスオフセット量f2およびドーズ量d2を所定量ずつ変化させて、f1およびd1のそれぞれの組合せに対応する信号強度b2を求め、第2の判定用回折条件におけるライブラリーデータT2(b2j,f2j,d2j)を作成する。このとき、フォーカスオフセット量およびドーズオフセット量を変化させる量は小さいほど加工条件の判定(ステップST200)で高精度に判定ができる。例えば、FEMウェハ10fに形成されたショットの個数(N個)よりも多いMステップで変化させる。以下、関係式(2)(3)のそれぞれについて、フォーカスオフセット量およびドーズオフセット量をMステップ変化させたライブラリーデータT1(b1j,f1j,d1j)およびライブラリーデータT2(b2j,f2j,d2j)(但し、j=1,2,…M)を使用することを前提として説明を続ける。なお、2種類のライブラリーデータT1(b1j,f1j,d1j),T2(b2j,f2j,d2j)は、FEMウェハ10fのショット内の有効エリアにおいて、撮像装置36の1画素もしくは複数の画素(2×2〜5×5の画素)ごとにそれぞれ求められる。
このようにして、第1の判定用回折条件におけるライブラリーデータT1(b1j,f1j,d1j)(すなわち、第1の判定用回折条件における回折光の信号強度とフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量との関係を示す特性)と、第2の判定用回折条件におけるライブラリーデータT2(b2j,f2j,d2j)(すなわち、第2の判定用回折条件における回折光の信号強度とフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量との関係を示す特性)が求められる。なお、2種類のライブラリーデータT1(b1j,f1j,d1j),T2(b2j,f2j,d2j)は、基準データとして記憶部42に記憶される。
図7に示すように、条件出し(ステップST100)を行った後、検査パターンに対する加工条件を判定する(ステップST200)。第1実施形態における加工条件の判定を行うステップ(ステップST200)の詳細について、図9を参照しながら説明する。図9に示すように、まず、検査対象のウェハ10の回折画像を生成する(ステップST20
1)。このとき、ステップST112で求められた第1の判定用回折条件と第2の判定用回折条件についてそれぞれ、検査対象のウェハ10の回折画像を撮像装置36により撮像する。
次に、画像処理部41は、検査対象のウェハ10の回折画像に対応する撮像装置36の画素毎の信号強度から、各画素に対応する領域がショット内の有効エリアか否か判定し(ステップST202)、無効エリアに該当する画素を検査対象から除外する。
次に、画像処理部41は主制御部45を介して回折画像のデータを検査判定部43へ送り、検査判定部43は、検査対象のウェハ10の回折画像から、検査対象のウェハ10上の検査パターンに対する露光時のフォーカス条件及びドーズ条件を判定する(ステップST203)。具体的には、まず、第1の判定用回折条件と第2の判定用回折条件のそれぞれの回折条件で、検査対象のウェハ10の表面から射出した回折光を撮像装置36で受光し、所定の画素ごとの信号強度を検出する。そして、撮像装置36により検出した第1の判定用回折条件および第2の判定用回折条件での2種類の信号強度に対して、記憶部42に記憶された2種類のライブラリーデータT1(b1j,f1j,d1j),T2(b2j,f2j,d2j)をそれぞれフィッティングさせることにより、検査パターンのフォーカスオフセット量(フォーカス条件)およびドーズオフセット量(ドーズ条件)を所定の画素ごとに(単数もしくは複数の画素ごとに)求める。
フィッティングを行うには、まず、第1の判定用回折条件におけるライブラリーデータT1(b1j,f1j,d1j)の中から、撮像装置36により検出した第1の判定用回折条件での信号強度に近い(j番目の)信号強度b1jと、このときのフォーカスオフセット量f1jおよびドーズオフセット量d1jとに関するデータを抽出する。次に、第2の判定用回折条件におけるライブラリーデータT2(b2j,f2j,d2j)の中から、撮像装置36により検出した第2の判定用回折条件での信号強度に近い(j番目)の信号強度b2jと、このときのフォーカスオフセット量f2jおよびドーズオフセット量d2jとに関するデータを抽出する。そして、抽出したデータの中から、第1の判定用回折条件でのフォーカスオフセット量f1jおよびドーズオフセット量d1jと、第2の判定用回折条件でのフォーカスオフセット量f2jおよびドーズオフセット量d2jとが同じとなる、第1の判定用回折条件および第2の判定用回折条件での信号強度の組み合わせ(b1j,b2j)を求める。すなわち、この信号強度の組み合わせ(b1j,b2j)に対応するフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量が、検査パターンのフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量として求まる。
これにより、検査対象のウェハ10の全面(有効エリア)について所定の画素ごとにフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量を求めることができ、検査対象のウェハ10の表面に形成された検査パターンの加工条件を判定することが可能になる。
そして、検査判定部43により判定された検査パターンのフォーカスオフセット量及びドーズオフセット量は、図示しない表示装置に表示される(ステップST204)。
このように、第1実施形態によれば、検査判定部43が、既知のフォーカスオフセット量及び既知のドーズオフセット量と信号強度との関係を示すライブラリーデータT1(b1j,f1j,d1j),T2(b2j,f2j,d2j)(すなわち、既知のフォーカス条件及び既知のドーズ条件と撮像装置36の信号強度との関係を示す特性)と、検査パターンからの回折光に応じた信号強度とに基づいて、検査パターンのフォーカス条件及びドーズ条件を判定する。
これにより、専用のマスクパターンではなく、実際のデバイスに用いるパターンを使用
してフォーカス条件およびドーズ条件を判定することができるようになる。さらに、露光装置101の照明条件も制約されないため、露光時のフォーカス条件及びドーズ条件を精度よく判定することが可能になる。また、実際の露光に用いるマスクパターンで露光したウェハ10の画像に基づいて、露光時のフォーカスオフセット量及びドーズオフセット量(フォーカス条件及びドーズ条件)を求めることができる。そのため、専用のマスク基板を用いる場合のように、計測に必要なパラメータの条件出し作業に時間を要さないため、露光時のフォーカス条件及びドーズ条件を短時間で判定することが可能になる。
また、予め記憶部42に記憶しておいたライブラリーデータT1(b1j,f1j,d1j),T2(b2j,f2j,d2j)を使用することにより、第1および第2の判定用回折条件における撮像装置36の信号強度から、検査パターンの露光時のフォーカス条件及びドーズ条件を纏めて判定することができ、検査パターン加工条件を短時間で判定することができる。
また、照明系21が、FEMウェハ10fの表面と検査パターンが形成されたウェハ10の表面とをそれぞれ、第1の判定用回折条件と当該第1の判定用回折条件と異なる第2の判定用回折条件に基づいて照明する。このとき、第1の判定用回折条件として、ドーズの変化に対する信号強度の変化に比べてフォーカスの変化に対する信号強度の変化が大きくなる条件を使用し、第2の判定用回折条件として、フォーカスの変化に対する信号強度の変化に比べてドーズの変化に対する信号強度の変化が大きくなる条件を使用することで、露光時のフォーカス条件及びドーズ条件を精度よく判定することができる。
次に、本願の第2実施形態について説明する。本実施形態の表面検査装置は、第1実施形態の表面検査装置1と同様であるため各部に第1実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
以下、本願の第2実施形態について、検査対象のウェハ10の表面に形成された検査パターンの加工条件を判定するフローについて図13〜図15を参照して説明する。ここで、本実施形態における図14(条件出しを行うステップST300)のフローチャートについて、ステップST301〜ステップST312のそれぞれのステップは、上述の第1実施形態におけるステップST101〜ステップST112のそれぞれのステップ(図8参照)と同様であるため、図14におけるステップST313以降のフローについて説明する。
本実施形態におけるステップST313では、加工条件の判定(ステップST400)で使用する、撮像装置36の信号強度とフォーカスオフセット量及びドーズオフセット量の関係を示す特性を求める。但し、以下、第1実施形態のステップST113で求めた関係式(2)と関係式(3)を連立方程式として、フォーカスオフセット量fおよびドーズオフセット量dについて解くことができる場合を前提として説明する。
まず、関係式(2)と関係式(3)の連立方程式を解いて、第1の判定用回折条件における撮像装置36の信号強度b1及び第2の判定用回折条件における撮像装置36の信号強度b2とフォーカスオフセット量fとの関係を示す特性式(4)と、第1の判定用回折条件における撮像装置36の信号強度b1及び第2の判定用回折条件における撮像装置36の信号強度b2とドーズオフセット量dとの関係を示す特性式(5)を求める。
f=G1(b1,b2) …(4)
d=G2(b1,b2) …(5)
なお、上述の特性式(4)及び特性式(5)において、フォーカスオフセット量fに対
する信号強度b1及びb2の関数をG1(b1,b2)と表し、ドーズオフセット量dに対する信号強度b1及びb2の関数をG2(b1,b2)と表す。また、特性式(4)は、フォーカス基準データとして記憶部42に記憶され、特性式(5)に関するデータは、ドーズ基準データとして記憶部42に記憶される。
これにより、特性式(4)および特性式(5)を利用して、第1の判定用回折条件および第2の判定用回折条件で撮像された検査対象のウェハ10の回折画像の信号強度(撮像装置36で受光した回折光に基づく信号強度)から、検査パターンのフォーカス条件およびドーズ条件を求めることができる。本実施形態では、この特性式(4)および特性式(5)を利用して、加工条件の不明な検査パターンのフォーカス条件およびドーズ条件を判定する。
以下、特性式(4)および特性式(5)を利用して、検査パターンに対する加工条件を判定する(ステップST400)フローについて図15を参照しながら説明する。
まず、検査対象のウェハ10の回折画像を生成する(ステップST401)。このとき、ステップST312(すなわち、前述の第1実施形態のステップST112)で求められた第1の判定用回折条件と第2の判定用回折条件についてそれぞれ、検査対象のウェハ10の回折画像を撮像装置36により撮像する。
次に、画像処理部41は、検査対象のウェハ10の回折画像に対応する撮像装置36の画素毎の信号強度から、各画素に対応する領域がショット内の有効エリアか否か判定する(ステップST402)。このとき、無効エリアに該当する画素を検査対象から除外する。
次に、画像処理部41は主制御部45を介して回折画像のデータを検査判定部43へ送り、検査判定部43は、検査対象のウェハ10の回折画像から、検査対象のウェハ10上の検査パターンに対する露光時のフォーカス条件及びドーズ条件を判定する(ステップST403)。具体的には、まず、第1の判定用回折条件と第2の判定用回折条件のそれぞれの回折条件で、検査対象のウェハ10の表面から射出した回折光を撮像装置36で受光し、所定の画素ごとの信号強度を検出する。そして、検出した第1の判定用回折条件と第2の判定用回折条件での信号強度を特性式(4)および特性式(5)へ代入し、検査パターンのフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量を所定の画素ごとに(単数もしくは複数の画素ごとに)求める。
これにより、検査対象のウェハ10の全面(有効エリア)について所定の画素ごとにフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量を求めることができ、検査対象のウェハ10上の検査パターンの加工条件を判定することが可能になる。
そして、検査判定部43により判定された検査パターンのフォーカスオフセット量及びドーズオフセット量は、図示しない表示装置に表示される(ステップST404)。
このように、第2実施形態によれば、検査判定部43が、既知のフォーカスオフセット量および既知のドーズオフセット量と信号強度との関係を示す特性式(4)および特性式(5)のデータと、検査パターンからの回折光に応じた信号強度とに基づいて、検査パターンのフォーカス条件及びドーズ条件を判定する。そのため、上述の第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、予め記憶部42に記憶した特性式(4)および特性式(5)を使用することで、第1および第2の判定用回折条件における検査対象のウェハ10からの回折光に基づく撮
像装置36の信号強度から、検査パターンの露光時のフォーカス条件およびドーズ条件を纏めて判定することができ、上述の第1実施形態と同様にフォーカス条件及びドーズ条件を短時間で判定することができる。
次に、本願の第3実施形態について説明する。本実施形態の表面検査装置は、第1実施形態の表面検査装置1と同様であるため各部に第1実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。そこで、第1実施形態とは異なる本実施形態における検査パターンの加工条件を判定する方法について説明する。
本願の発明者は、ウェハ10の表面に照射する光の波長と、ウェハ10の表面から射出された(撮像装置36で受光する)回折光の次数と、ウェハ10の表面に形成された繰り返しパターンのピッチが共に等しく、ウェハ10の表面へ入射する光の入射角と、回折光の射出角(回折光の受光角)が異なる複数の回折条件で、FEMウェハ10fから射出した回折光を検出した。その結果、回折条件毎にフォーカスの変化に対する回折光の信号強度の変化の仕方が異なることと、回折条件毎にドーズの変化に対する回折光の信号強度の変化の仕方が異なることを見出した。
したがって、本実施形態では、第1の回折条件に基づいてFEMウェハ10fから射出した回折光の信号強度(撮像装置36の信号強度)のフォーカスの変化に対する特性と、第1の回折条件と、照明光の波長、ウェハから射出する回折光の次数、及び繰り返しパターンのピッチが等しく、照明光の入射角、及び回折光の射出角(回折光の受光角)が異なる第2の回折条件に基づいてFEMウェハ10fから射出した回折光の信号強度のフォーカスの変化に対する特性を用いて、検査パターンのフォーカス条件を求める。一方、上記第1の回折条件に基づいてFEMウェハ10fから射出した回折光の信号強度のドーズの変化に対する特性と、上記第2の回折条件に基づいてFEMウェハ10fから射出した回折光の信号強度のドーズの変化に対する特性を用いて、検査パターンのドーズ条件を求める。
続いて、検査対象のウェハ10の表面に形成された検査パターン(繰り返しパターン12)の加工条件を判定するフローについて、図16〜図18に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、第3実施形態では、第1実施形態と同様にロジックICにおけるパターンの加工条件を判定する方法について説明する。なお、図17のステップST501〜ステップST510は、上述の第1実施形態におけるステップST101〜ステップST110とそれぞれ同様であるため説明を省略する。
本実施形態における検査パターンの加工条件を判定するための条件出し(ステップST500)では、図17に示すように、ステップST510(第1実施形態に係る図8のステップST110と同様のステップ)において複数の回折条件の候補でそれぞれ生成したFEMウェハ10fの回折画像に基づいて、加工条件の判定(ステップST600)で使用する回折条件を選定し、選定した回折条件における回折光の信号強度に対するフォーカスの特性と、選定した回折条件における回折光の信号強度に対するドーズの特性をそれぞれ求めるフロー(ステップST511〜ステップST513)について説明する。
まず、画像処理部41は、複数の回折条件の候補でそれぞれ生成したFEMウェハ10fの回折画像に基づいて、所定のドーズオフセット量に対応する複数のフォーカスオフセット量と、それら複数のフォーカスオフセット量で形成されたFEMウェハ10fの複数のショットそれぞれに対応する撮像装置36の各画素の信号強度(撮像装置36で受光した回折光に基づく信号強度)との関係を示す特性(以下、フォーカスカーブと称する)を求める。このとき、異なるドーズオフセット量ごとに、複数の回折条件の候補にそれぞれ対応した複数のフォーカスカーブを求める。また、画像処理部41は、複数の回折条件の
候補でそれぞれ生成したFEMウェハ10fの回折画像に基づいて、所定のフォーカスオフセット量に対応する複数のドーズオフセット量と、それら複数のドーズオフセット量で形成されたFEMウェハ10fの複数のショットそれぞれに対応する撮像装置36の各画素の信号強度との関係を示す特性(以下、ドーズカーブと称する)を求める。このとき、異なるフォーカスオフセット量ごとに、複数の回折条件の候補にそれぞれ対応した複数のドーズカーブを求めていく(ステップST511)。なお、フォーカスカーブおよびドーズカーブは、FEMウェハ10fの回折画像のショット内の有効エリアにおいて、撮像装置36の1画素もしくは複数の画素(2×2〜5×5の画素)ごとにそれぞれ求められる。
次に、画像処理部41は、先のステップST511で求めたフォーカスカーブを分類し、複数の回折条件の候補の中から、フォーカスの変化に対して(撮像装置36で受光した)回折光の信号強度の変化が大きくドーズの変化に対して回折光の信号強度の変化が小さい回折条件(以下、第3実施形態において、第1のフォーカス判定用回折条件と称する)を求める。また、画像処理部41は、先のステップST511で求めたドーズカーブを分類し、複数の回折条件の候補の中から、ドーズの変化に対して回折光の信号強度の変化が大きくフォーカスの変化に対して回折光の信号強度の変化が小さい回折条件(以下、第3実施形態において、第1のドーズ判定用回折条件と称する)を求める(ステップST512)。なお、第1のフォーカス判定用回折条件および第1のドーズ判定用回折条件は、FEMウェハ10fの回折画像のショット内の有効エリアにおいて、撮像装置36の1画素もしくは複数の画素(2×2〜5×5の画素)ごとにそれぞれ求められる。
そして、画像処理部41は、第1のフォーカス判定用回折条件と回折光の次数、照明光の波長、及びパターンのピッチが同じで、照明光の入射角、回折光の射出角(回折光の受光角)が異なる条件であって、フォーカスカーブの変化の仕方(フォーカスカーブの形状)が異なる回折条件(以下、第3実施形態において、第2のフォーカス判定用回折条件と称する)を求める。また、第1のドーズ判定用回折条件と回折光の次数、照明光の波長、及びパターンのピッチが同じで、照明光の入射角、回折光の射出角(回折光の受光角)が異なる条件であって、ドーズカーブの変化の仕方(ドーズカーブの形状)が異なる回折条件(以下、第3実施形態において、第2のドーズ判定用回折条件と称する)を求める(ステップST513)。なお、第2のフォーカス判定用回折条件および第2のドーズ判定用回折条件は、FEMウェハ10fの回折画像のショット内の有効エリアにおいて、撮像装置36の1画素もしくは複数の画素(2×2〜5×5の画素)ごとにそれぞれ求められる。
具体的には、上述の(1)式を用いて、第1のフォーカス判定用回折条件と回折光の次数、照明光の波長、及びパターンのピッチが同じで、照明光の入射角、回折光の射出角(回折光の受光角)が異なる回折条件を求める。求めた回折条件で、図17に示すステップST510〜ST511と同様の方法により、FEMウェハ10fの回折画像を生成し、フォーカスカーブを求める。求めたフォーカスカーブと第1のフォーカス判定用回折条件におけるフォーカスカーブとの差分を求め、差分(フォーカスカーブの変化量)が大きい条件を第2のフォーカス判定用回折条件として求める。
また、上述の(1)式を用いて、第1のドーズ判定用回折条件と回折光の次数、照明光の波長、及びパターンのピッチが同じで、照明光の入射角、回折光の射出角(回折光の受光角)が異なる回折条件を求める。求めた回折条件で、図17に示すステップST510〜ST511と同様の方法により、FEMウェハ10fの回折画像を生成し、ドーズカーブを求める。求めたドーズカーブと第1のドーズ判定用回折条件におけるドーズカーブとの差分を求め、差分(ドーズカーブの変化量)が大きい条件を第2のドーズ判定用回折条件として求める。
このようにして、検査パターンの加工条件を判定するための条件、すなわち、第1および第2のフォーカス判定用回折条件と、第1および第2のドーズ判定用回折条件が求められる。また、第1のフォーカス判定用回折条件におけるフォーカスカーブ(以下、第1基準フォーカスカーブと称する)に関するデータ(異なるドーズオフセット量ごとに構成された、第1のフォーカス判定用回折条件における回折光の信号強度とフォーカスオフセット量との関係を示す特性)と、第2のフォーカス判定用回折条件におけるフォーカスカーブ(以下、第2基準フォーカスカーブと称する)に関するデータ(異なるドーズオフセット量ごとに構成された、第2のフォーカス判定用回折条件における回折光の信号強度とフォーカスオフセット量との関係を示す特性)は、フォーカス基準データとして記憶部42に記憶に記憶される。
一方、第1のドーズ判定用回折条件におけるドーズカーブ(以下、第1基準ドーズカーブと称する)に関するデータ(異なるフォーカスオフセット量ごとに構成された、第1のドーズ判定用回折条件における回折光の信号強度とドーズオフセット量との関係を示す特性)と、第2のドーズ判定用回折条件におけるドーズカーブ(以下、第2基準ドーズカーブと称する)に関するデータ(異なるフォーカスオフセット量ごとに構成された、第2のドーズ判定用回折条件における回折光の信号強度とドーズオフセット量との関係を示す特性)は、ドーズ基準データとして記憶部42に記憶される。
ここで、フォーカスの変化に対して撮像装置36で受光する回折光の信号強度(信号の平均強度)の変化の仕方が異なる3種類のフォーカスカーブD1〜D3の一例を図19に示す。なお、図19の横軸はベストフォーカスからのフォーカスオフセット量であり、図19の縦軸は回折光の信号強度(平均強度)である。このような、フォーカスの変化に対して異なる信号変化(信号の平均強度の変化)を示す少なくとも2種類のフォーカスカーブ、すなわち第1および第2基準フォーカスカーブに関するデータが、基準データとして記憶部42に記憶される。また、第1および第2基準ドーズカーブについても、フォーカスカーブと同様のドーズカーブが得られる。
図16に示すように、条件出し(ステップST500)を行った後、検査パターンの加工条件を判定する(ステップST600)。第3実施形態における加工条件の判定を行うステップ(ステップST600)の詳細について、図18を参照しながら説明する。図18に示すように、まず、検査対象のウェハ10の回折画像を生成する(ステップST601)。このとき、ステップST513で求められた、第1および第2のフォーカス判定用回折条件、並びに、第1および第2のドーズ判定用回折条件についてそれぞれ、検査対象のウェハ10の回折画像を撮像装置36により撮像する。
次に、画像処理部41は、検査対象のウェハ10の回折画像に対応する撮像装置36の画素毎の信号強度から、各画素に対応する領域がショット内の有効エリアか否か判定し(ステップST602)、無効エリアに該当する画素を検査対象から除外する。
次に、画像処理部41は主制御部45を介して回折画像のデータを検査判定部43へ送り、検査判定部43は、検査対象のウェハ10の回折画像から、検査対象のウェハ10上の検査パターンに対する露光時のフォーカス条件を判定する(ステップST603)。具体的には、まず、第1のフォーカス判定用回折条件と第2のフォーカス判定用回折条件のそれぞれの回折条件で、検査対象のウェハ10の表面から射出した回折光を撮像装置36で受光し、所定の画素ごとの信号強度を検出する。そして、記憶部42に記憶されたフォーカス基準データのうち、検査パターンを露光した際の最適なドーズ量(ドーズオフセット量がゼロのベストドーズ量)に対応したフォーカス基準データ(第1のフォーカス判定用回折条件および第2のフォーカス判定用回折条件における回折光の信号強度とフォーカ
スオフセット量との関係を示す特性)と、撮像装置36により検出した信号強度とを比較して、検査パターンのフォーカスオフセット量を所定の画素ごとに(単数もしくは複数の画素ごとに)求める。このとき、比較するフォーカス基準データに対応する回折条件と、撮像装置36で検出された信号強度に対応する回折条件とは同一の回折条件とする。
フォーカスカーブは曲線(図19参照)であるため、撮像装置36で検出された1つの回折画像の信号強度から、フォーカスオフセット量の候補が複数(条件によっては1つ)算出される。これに対し、カーブのピークもしくはボトムの位置(フォーカスオフセット量)が互いに異なる第1および第2基準フォーカスカーブ(すなわち、少なくとも2種類の基準フォーカスカーブ)を用いることで、算出されるフォーカスオフセット量が1つに決まる。例えば、各回折条件での信号強度とこの条件に対応する基準フォーカスカーブ(信号強度)との差分二乗和が最小になるフォーカスオフセット量を判定する。
なお、複数の画素ごとにフォーカスオフセット量を求める場合も、1ショット全体のデフォーカスと、1ショットのサイズよりも小さい異物によるデフォーカスとを区別する必要がある。そのために、フォーカスオフセット量を求める領域は、1ショットよりも小さい(例えば1/10の)領域にしてもよい。
次に、検査判定部43は、検査対象のウェハ10の回折画像から、検査パターンに対する露光時のドーズオフセット量(ドーズ条件)を判定する(ステップST604)。このとき、本ステップST604で判定するドーズオフセット量を高精度に判定するため、ステップST603で判定したフォーカスオフセット量に最も近いフォーカスオフセット量に対応したドーズ基準データを利用して、検査対象のウェハ10の回折画像の信号強度から、検査パターンに対する露光時のドーズオフセット量を所定の画素ごとに求める。
具体的には、ステップST603で検査パターンのフォーカスオフセット量を求めるときと同じように、まず、第1のドーズ判定用回折条件と第2のドーズ判定用回折条件のそれぞれの回折条件で、検査対象のウェハ10の表面から射出した回折光を撮像装置36で受光し、所定の画素ごとの信号強度を検出する。そして、記憶部42に記憶されたドーズ基準データのうち、先のステップST603で求めたフォーカスオフセット量に最も近いフォーカスオフセット量に対応したドーズ基準データ(第1のドーズ判定用回折条件および第2のドーズ判定用回折条件における回折光の信号強度とドーズオフセット量との関係を示す特性)と、撮像装置36により検出した信号強度とを比較して、検査対象のウェハ10の検査パターンのドーズオフセット量を所定の画素ごとに(単数もしくは複数の画素ごとに)求める。
次に、検査判定部43は、フォーカスオフセット量(フォーカス条件)の再判定を行う(ステップST605)。具体的には、最終的に判定する検査パターンのフォーカスオフセット量を高精度に判定するため、記憶部42に記憶されたフォーカス基準データのうち、先のステップST604で求めたドーズオフセット量に最も近いドーズセット量に対応したフォーカス基準データ(第1のフォーカス判定用回折条件および第2のフォーカス判定用回折条件における回折光の信号強度とフォーカスオフセット量との関係を示す特性)と、撮像装置36により検出した信号強度とを比較して、検査パターンのフォーカスオフセット量を所定の画素ごとに(単数もしくは複数の画素ごとに)求める。
次に、検査判定部43は、ドーズオフセット量(ドーズ条件)の再判定を行う(ステップST606)。具体的には、最終的に判定する検査パターンのドーズオフセット量を高精度に判定するため、記憶部42に記憶されたドーズ基準データのうち、先のステップST605で求めたフォーカスオフセット量に最も近いフォーカスオフセット量に対応したドーズ基準データ(第1のドーズ判定用回折条件および第2のドーズ判定用回折条件にお
ける回折光の信号強度とドーズオフセット量との関係を示す特性)と、撮像装置36により検出した信号強度とを比較して、検査対象のウェハ10の検査パターンのドーズオフセット量を所定の画素ごとに(単数もしくは複数の画素ごとに)求める。
そして、検査判定部43により判定された検査パターンのフォーカスオフセット量及びドーズオフセット量は、図示しない表示装置に表示される(ステップST607)。
これにより、検査対象のウェハ10の全面(有効エリア)について所定の画素ごとにフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量を求めることができ、第1実施形態及び第2実施形態と同様に検査対象のウェハ10上の検査パターンの加工条件(フォーカスオフセット量及びドーズオフセット量)を高精度に判定することが可能になる。
以下、本実施形態で検査パターンの加工条件が第1実施形態及び第2実施形態と同様に高精度に判定できる理由について簡単に説明する。
第1および第2基準フォーカスカーブは、既知のフォーカスオフセット量と信号強度との関係、具体的には、フォーカスオフセット量の変化に対する信号強度の変化を示す。一般的にフォーカスカーブに対するドーズの変化の影響は零ではなく、ドーズオフセット量が変化に伴い、ドーズオフセット量に対応するフォーカスカーブの形状は変化する。例えば、図19に示す或るフォーカスカーブD1は、図20に示すフォーカスカーブD1a〜D1cように、ドーズオフセット量の違い(ドーズオフセットA,B,C)によって形状が異なる。なお、図20におけるフォーカスカーブD1aは、図19におけるフォーカスカーブD1と同じである。そこで、上述のように第3実施形態では、FEMウェハ10fにおける異なるドーズオフセット量ごとに第1および第2基準フォーカスカーブが用意される。また、第1および第2基準ドーズカーブは、既知のドーズオフセット量と信号強度との関係、具体的には、ドーズオフセット量の変化に対する信号強度の変化を示す。フォーカスカーブの場合と同様に、ドーズカーブの形状は、フォーカスオフセット量の違いによって異なるため、上述のようにFEMウェハ10fにおける異なるフォーカスオフセット量ごとに第1および第2基準ドーズカーブが用意される。
以上を踏まえ、検査判定部43が、第1および第2基準フォーカスカーブに基づいてフォーカス条件を判定し(ステップST603)、判定されたフォーカス条件に対応する第1および第2基準ドーズカーブに基づいてドーズ条件を判定する(ステップST604)。さらに、判定されたドーズ条件に対応する第1および第2基準フォーカスカーブに基づいてフォーカス条件を再判定する(ステップST605)。またさらに、再判定されたフォーカス条件に対応する第1および第2基準ドーズカーブに基づいてドーズ条件を再判定(ステップST606)することにより、フォーカス条件(ドーズ条件)を判定する際、ドーズ条件(フォーカス条件)に起因する誤差の影響を受けることがないため、露光時のフォーカス条件及びドーズ条件を高精度に判定することができる。
また、第3実施形態では、照明系21が、FEMウェハ10fの表面と検査パターンが形成されたウェハ10の表面とをそれぞれ、第1および第2のフォーカス判定用回折条件と当該第1の回折条件と異なる第1および第2のドーズ判定用回折条件に基づいて照明する。そのため、第1実施形態および第2実施形態と同様に、露光時のフォーカス条件及びドーズ条件を精度よく判定することができる。
また、第3実施形態では第1実施形態及び第2実施形態と同様に、専用のマスクパターンではなく、実際のデバイスに用いるパターンを使用してフォーカス条件およびドーズ条件を判定することができるようになる。さらに、露光装置101の照明条件も制約されないため、露光時のフォーカス条件及びドーズ条件を精度よく判定することが可能になる。
また、実際の露光に用いるマスクパターンで露光したウェハ10の画像に基づいて、露光時のフォーカスオフセット量及びドーズオフセット量(フォーカス条件及びドーズ条件)を求めることができる。そのため、専用のマスク基板を用いる場合のように、計測に必要なパラメータの条件出し作業に時間を要さないため、露光時のフォーカス条件及びドーズ条件を短時間で判定することが可能になる。
なお、第3実施形態において、検査判定部43が、フォーカス条件の判定(および再判定)を行った後に、ドーズ条件の判定(および再判定)を行っているが、これに限られるものではない。検査判定部43が、ドーズ条件の判定(および再判定)を行った後に、フォーカス条件の判定(および再判定)を行ってもよい。すなわち、検査判定部43が、第1および第2基準ドーズカーブに基づいてドーズ条件を判定し、判定されたドーズ条件に対応する第1および第2基準フォーカスカーブに基づいてフォーカス条件を判定する。さらに、検査判定部43は、判定されたフォーカス条件に対応する第1および第2基準ドーズカーブに基づいてドーズ条件を再判定する。またさらに、検査判定部43は、再判定されたドーズ条件に対応する第1および第2基準フォーカスカーブに基づいてフォーカス条件を再判定する。このようにしても、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
具体的には、前述のステップST603において、検査判定部43は、フォーカス条件の代わりにドーズ条件を判定する。このとき、記憶部42に記憶されたドーズ基準データのうち、検査パターンを露光した際の最適なフォーカス量(フォーカスオフセット量がゼロのベストフォーカス量)に対応したドーズ基準データと、撮像装置36により検出した信号強度とを比較して、検査パターンのドーズオフセット量を所定の画素ごとに求める。また、前述のステップST604において、検査判定部43は、ドーズ条件の代わりにフォーカス条件を判定する。このとき、記憶部42に記憶されたフォーカス基準データのうち、先に求めたドーズオフセット量に最も近いドーズオフセット量に対応したフォーカス基準データと、撮像装置36により検出した信号強度とを比較して、検査パターンのフォーカスオフセット量を所定の画素ごとに求める。
また、前述のステップST605において、検査判定部43は、フォーカス条件の代わりにドーズ条件の再判定を行う。このとき、記憶部42に記憶されたドーズ基準データのうち、先に求めたフォーカスオフセット量に最も近いフォーカスオフセット量に対応したドーズ基準データと、撮像装置36により検出した信号強度とを比較して、検査パターンのドーズオフセット量を所定の画素ごとに求める。そして、前述のステップST606において、検査判定部43は、ドーズ条件の代わりにフォーカス条件の再判定を行う。このとき、記憶部42に記憶されたフォーカス基準データのうち、再判定で求めたドーズオフセット量に最も近いドーズセット量に対応したフォーカス基準データと、撮像装置36により検出した信号強度とを比較して、検査パターンのフォーカスオフセット量を所定の画素ごとに求める。
なお、第3実施形態のステップST513において、画像処理部41で求められた第1および第2基準フォーカスカーブに関するデータは、第1および第2基準フォーカスカーブの近似曲線の式(例えば、4次式)に関するデータであってもよく、第1および第2基準フォーカスカーブの近似曲線の式から求めたフォーカスオフセット量と信号強度の関係を示すデータマップであってもよい。同様に、画像処理部41で求められた第1および第2基準ドーズカーブに関するデータは、第1および第2基準ドーズカーブの近似曲線の式(例えば、4次式)に関するデータであってもよく、第1および第2基準ドーズカーブの近似曲線の式から求めたドーズオフセット量と信号強度の関係を示すデータマップであってもよい。
なお、第3実施形態のステップST513において、第1のフォーカス判定用回折条件
と回折光の次数、照明光の波長、及びパターンのピッチが同じで、照明光の入射角、回折光の射出角(回折光の受光角)が異なる第2のフォーカス判定用回折条件を求めているが、これに限られるものではない。例えば、ステップST504において、複数の照明光の波長を設定し、(1)式に基づいて、ステップST513で、第1のフォーカス判定用回折条件と回折光の次数及びパターンのピッチが同じで、照明光の入射角、回折光の射出角(回折光の受光角)、及び照明光の波長が異なる第2のフォーカス判定用回折条件を求めてもよい。また、同様にステップST513において、第1のドーズ判定用回折条件と回折光の次数及びパターンのピッチが同じで、照明光の入射角、回折光の射出角(回折光の受光角)、及び照明光の波長が異なる第2のドーズ判定用回折条件を求めてもよい。
さらに、第1および第2のフォーカス判定用回折条件は、回折光の次数及びパターンのピッチが同じである必要はなく、第1および第2のドーズ判定用回折条件も、回折光の次数及びパターンのピッチが同じである必要はない。すなわち、第1および第2のフォーカス判定用回折条件は、照明光の入射角、回折光の射出角(回折光の受光角)、及び照明光の波長に加え、回折光の次数及びパターンのピッチが異なってもよく、フォーカスの変化に対する回折光の信号強度の変化の仕方が異なる条件であればよい。同様に、第1および第2のドーズ判定用回折条件は、照明光の入射角、回折光の射出角(回折光の受光角)、及び照明光の波長に加え、回折光の次数及びパターンのピッチが異なってもよく、ドーズの変化に対する回折光の信号強度の変化の仕方が異なる条件であればよい。
なお、第1〜第3実施形態において、受光系駆動部38により、受光側凹面鏡32および撮像装置36が一体的に傾動可能に構成されているが、この構成に限定されることはない。例えば、受光系駆動部38は、受光側凹面鏡32を固定し、回折光の射出角(回折光の受光角)に応じて、撮像装置36を移動させるように構成されてもよい。なおこの場合、受光側凹面鏡32の代わりに平面鏡を用いるようにしてもよい。このように構成すれば、受光側凹面鏡32を移動させる必要がないので、受光系駆動部38の構成を簡便にすることができる。なおこの場合、撮像装置36の位置に応じて、ステージ15の保持面15aの中心と受光側凹面鏡32(もしくは平面鏡)の有効反射面と撮像装置36の撮像面の中心とを結ぶ光軸Axが移動する。そのため、ウェハ10からの射出光に対する受光角が調整可能となる。
なお、第1〜第3実施形態において、チルト機構16により、ステージ15の保持面15aと略平行で、当該保持面15aと照明系21の光軸との交点を通る軸(チルト軸Tc)を中心に、ステージ15が傾動可能に構成され、受光系駆動部38によって、チルト軸Tcを中心に、受光側凹面鏡32および撮像装置36が一体的に傾動可能に構成されているが、この構成に限定されることはない。
例えば、表面検査装置1は、チルト機構16または受光系駆動部38の代わりに、不図示の照明系駆動部を備え、照明系駆動部により、チルト軸Tcを中心に、照明系21が一体的に傾動可能に構成されてもよい。この構成により、照明光の入射角(回折光の射出角)と、回折光に対する受光角とをそれぞれ独立して調整することができる。
なお、不図示の照明系駆動部により、照明系21を、チルト軸Tcを中心に傾動させる場合、照明系21を一体的に傾動させることに限らず、照明ユニット22を固定して、照明系21の照明側凹面鏡26のみを傾動させてもよい。
また、受光側凹面鏡32および撮像装置36(並びに照明系21)を固定し、チルト機構16により、チルト軸Tcを中心にステージ15のみを傾動させるようにしてもよい。
すなわち、照明光を任意の入射角でウェハ10の表面へ入射させて、ウェハ10の表面
からの特定の回折次数の光(正反射光を含む)を撮像装置36で受光することで、撮像装置36により複数の回折条件における回折光を選択に検出することができるように構成されていればよい。
なお、第3実施形態においてステージ15のみを傾動させる場合には、ステップST504において、複数の照明光の波長を設定し、(1)式に基づいて、ステップST513で、第1のフォーカス判定用回折条件と回折光の次数及びパターンのピッチが同じで、照明光の入射角、回折光の射出角(回折光の受光角)、及び照明光の波長が異なる第2のフォーカス判定用回折条件を求める。また、同様にステップST513において、第1のドーズ判定用回折条件と回折光の次数及びパターンのピッチが同じで、照明光の入射角、回折光の射出角(回折光の受光角)、及び照明光の波長が異なる第2のドーズ判定用回折条件を求める。
また前述したように、第1および第2のフォーカス判定用回折条件は、照明光の入射角、回折光の射出角(回折光の受光角)、及び照明光の波長に加え、回折光の次数及びパターンのピッチが異なってもよく、フォーカスの変化に対する回折光の信号強度の変化の仕方が異なる条件であればよい。また同様に、第1および第2のドーズ判定用回折条件は、照明光の入射角、回折光の射出角(回折光の受光角)、及び照明光の波長に加え、回折光の次数及びパターンのピッチが異なってもよく、ドーズの変化に対する回折光の信号強度の変化の仕方が異なる条件であればよい。
なお、第1〜第3実施形態では、照明系21でウェハ10の表面全体を一括で照明し、撮像装置36でウェハ10の表面全体を一括で撮像することにより、ウェハ10の検査スループットを向上させることができるようになるが、ウェハ10の表面全体を一括で照明及び撮像することに限られない。例えば、1ショット若しくはそれよりも小さい領域を照明し、その領域を撮像してもよい。この場合、図1の表面検査装置1に、ステージ15をXY方向に2次元移動させる不図示のXY駆動部を設け、(ウェハ10の1ショット若しくはそれより小さい領域の)照明及び撮像と、ステージ15上に支持されたウェハ10の移動とを同期させて、ウェハ10の表面の1ショット若しくはそれよりも小さい領域の撮像を繰り返すことにより、ウェハ10の全面の画像を作成してもよい。
なお、第1〜第3実施形態において、ウェハ10(良品ウェハ10g、FEMウェハ10を含む)を照明する照明光の波長は、ウェハ表面の下地層の膜厚に影響を受けない波長にしてもよい。具体的には、検査対象のウェハ上の検査パターンを加工する際の露光装置の露光波長に近い方にしてもよい(露光波長と同じ波長が最適)。これは、露光装置で露光する対象のレジスト層の下層に形成された反射防止膜が露光波長の光が入射したときに最大の反射率をもつように設計されているためである。例えば、露光波長とはある程度異なる波長の光を検査で使用すると、ウェハ10の検査対象の層(すなわち、最上層のパターン)へ入射した光は反射防止膜を透過し、検査対象ではない層(反射防止膜より下層)からの反射光を撮像装置36で受光してしまうため、検査パターンが正確に検査されない可能性がある。ところが、露光波長と同じ波長の光で検査すると、検査対象の層へ入射した光は反射防止膜で完全に反射されるため、検査パターンが正確に検査される。
なお、ウェハ表面の下地層の影響を受けやすい場合には、図21に示すように、s偏光による回折光のみを撮像装置36で受光できるように、透過軸を所定の方位に設定した受光側偏光フィルタ33を光路上に挿入してもよい。このようにs偏光で照明すれば、下地層の影響を低減することができる。また、図21の破線で示すように、照明光としてs偏光が得られるように、透過軸を所定の方位に設定した照明側偏光フィルタ27を光路上に挿入してもよい。また、s偏光に限らず、p偏光を利用しても同様の効果を得ることができる。
なお、第1〜第3実施形態における条件出しを行うステップ(ステップST100,ST300,ST500)において、撮像装置36は、1枚のFEMウェハ10fを利用して、ステップST109,ST309,ST509で求めた複数の回折条件の候補でFEMウェハ10fの回折画像を撮像したが、1枚のFEMウェハ10fに限られることはない。例えば、ショットごとのフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量の変化量を小さくした、複数枚のFEMウェハを用いてもよい。これにより、フォーカスの変化およびドーズの変化が細かくなるので、精度を向上させることができる。
なお、第1〜第3実施形態における加工条件の判定を行うステップ(ステップST200,ST400,ST600)において、検査判定部43は、検査パターンに対する露光時のフォーカスオフセット量及び露光時のドーズオフセット量を求めることで加工条件を判定するが、検査判定部43が、求めたフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量を異常でないかどうか検査することで、検査パターンの加工条件を判定してもよい。この場合、検査判定部43は、例えば、求めたフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量が所定の閾値の範囲内であるならば、正常と判定し、求めたフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量が所定の閾値の範囲外であるならば、異常と判定する。
なお、第1〜第3実施形態における加工条件の判定を行うステップ(ステップST200,ST400,ST600)において、検査判定部43は、検査パターンに対する露光時のフォーカス条件およびドーズ条件として、フォーカスオフセット量およびドーズオフセット量を求めることで加工条件を判定するが、所定の基準値に対するオフセット量でなくてもよい。例えば、求めるフォーカス条件およびドーズ条件は、フォーカス量およびドーズ量(絶対値)としてもよい。
なお、第1〜第3実施形態における加工条件の判定を行うステップ(ステップST200,ST400,ST600)において、検査判定部43により判定された検査パターンのフォーカスオフセット量及びドーズオフセット量は、図示しない表示装置に表示されたが、これに限られない。例えば、画像処理部41は、検査判定部43が画素ごとに求めたフォーカスオフセット量をそれぞれ当該画素での信号強度に変換したウェハ10の画像を生成し、図示しない表示装置に表示させてもよい。また、画像処理部41は、検査判定部43が画素ごとに求めたドーズオフセット量をそれぞれ当該画素での信号強度に変換したウェハ10の画像を生成し、図示しない表示装置に表示させてもよい。なお、図示しない表示装置は表面検査装置1に構成されたものを使用してもよく、表面検査装置1の外部(例えば、半導体製造ラインの管理室等)に設けられて接続されたものを使用してもよい。
次に、検査装置の第4実施形態について説明する。検査装置の第4実施形態として顕微鏡装置51を図22に示す。第4実施形態の顕微鏡装置51は、ウェハ10を保持することが可能なステージ55と、対物レンズ61と、ハーフミラー62と、照明系71と、検出部80と、画像処理部91と、記憶部92と、検査判定部93と、ハードウェア制御部94および主制御部95とを備えて構成される。なお、図22で示した一点鎖線は、顕微鏡装置51の光軸Axを模式的に表すものである。ここで光軸Axは、顕微鏡装置51に備えられた各光学素子(照明系71、対物レンズ61、ハーフミラー62、および検出部80に備えられた各光学素子)の回転対象軸と一致する軸であり、かつ、ステージ55の保持面55aの中心を介して結ばれる軸である。また、図22に示した矢印X,Y,Zの方向をそれぞれX軸方向、Y軸方向、Z軸方向として説明する。
ステージ55は、対物レンズ61の光軸Ax(Z軸方向)と略直角な面内(ウェハ10の表面に沿った面内)でウェハ10を移動可能に保持する。なお、ウェハ10は、不図示の搬送装置により外部から搬送されてステージ55上に載置され、真空吸着によりステー
ジ55上の保持面55aで保持される。
対物レンズ61は、ステージ55の保持面55aと対向するように配置される。ハーフミラー62は、照明系71からの照明光を対物レンズ61に向けて反射させ、対物レンズ61からの光を受光系81に向けて透過させる。
照明系71は、照明光を射出する照明ユニット72と、リレーレンズ73と、照明側絞り部材74とを有して構成され、ハーフミラー62および対物レンズ61を介して、ステージ55に保持されたウェハ10の表面の一部に照明光を照射する。なお、照明系71で照明されるウェハ10の表面の照明領域は、例えば、1ショットもしくは複数ショット分の領域に設定される。照明ユニット72は、詳細な図示を省略するが、第1実施形態の照明ユニット22と同様に、光源部と、調光部と、導光ファイバとを有して構成される。リレーレンズ73は、照明ユニット72から射出された照明光を照明側絞り部材74に導く。
照明側絞り部材74は、リレーレンズ73からの照明光が通過する開口部75を有した薄板状に形成され、対物レンズ61の射出瞳面もしくは射出瞳面と共役な面上に配置される。また、照明側絞り部材74は、照明側絞り駆動部76に、光軸Axと垂直な方向に2次元的に移動(対物レンズ61の射出瞳面もしくは射出瞳面と共役な面と平行な軸に沿って移動、例えば図22ではY軸及びZ軸に沿って移動)可能に保持される。照明側絞り駆動部76は、詳細な図示を省略するが、照明側絞り部材74を移動可能に支持するガイドや、照明側絞り部材74を移動させるように駆動するモータ等から構成される。
検出部80は、受光系81と、撮像装置86を有して構成される。受光系81は、検出側絞り部材82と、結像レンズ85とを有して構成され、対物レンズ61およびハーフミラー62を介して、照明光の照射を受けたときのウェハ10からの射出光(反射光や回折光等)を受光する。結像レンズ85は、検出側絞り部材82の開口部83を通過したウェハ10の表面の一部(照明系71による照明領域)から射出した光を撮像装置86の撮像面上に導き、ウェハ10の表面の一部(照明系71による照明領域)の像を結像させる。
検出側絞り部材82は、リレーレンズ73からの照明光が通過する開口部83を有した薄板状に形成され、対物レンズ61の射出瞳面もしくは射出瞳面と共役な面上に配置される。また、検出側絞り部材82は、検出側絞り駆動部84に、光軸Axと垂直な方向に2次元的に移動(対物レンズ61の射出瞳面もしくは射出瞳面と共役な面と平行な軸に沿って移動、例えば図22ではX軸及びY軸に沿って移動)可能に保持される。検出側絞り駆動部84は、詳細な図示を省略するが、検出側絞り部材82を移動可能に支持するガイドや、検出側絞り部材82を移動させるように駆動するモータ等から構成される。
以上の構成により、照明側絞り部材74の移動によって、照明側絞り部材74の開口部75が、対物レンズ61の射出瞳面もしくは射出瞳面と共役な面と平行な軸に沿って移動(図22ではY軸及びZ軸に沿って移動)すると、ウェハ10の表面への照明光の入射角が変化する。すなわち、ウェハ10の表面からの特定の回折次数の光の射出角が変化する。一方、検出側絞り部材82の移動によって、検出側絞り部材82の開口部83が、対物レンズ61の射出瞳面もしくは射出瞳面と共役な面と平行な軸に沿って移動(図22ではX軸及びY軸に沿って移動)すると、ウェハ10の表面から射出した回折光に対する受光角が変化する。これにより、ステージ55の保持面55aの法線(図22におけるZ軸方向の対物レンズ61の光軸Axに沿った線)を基準とする照明光の入射角(回折光の射出角)と、ウェハ10の表面から射出した回折光の受光角とをそれぞれ独立に調整することができる。
したがって、上述の第1〜第3実施形態と同様に、照明光の入射角(射出光の射出角)および射出光に対する受光角を変化させることにより、前述の(1)式に基づいて、ウェハ10に入射させる光の波長、ウェハ10に形成された繰り返しパターンのピッチ、及び撮像装置86で受光する光の回折次数を同一にしたとき、任意の入射角(異なる複数の入射角)でウェハ10の表面へ光を入射させた場合、撮像装置86で受光する光の回折次数を選択することができるようになる。つまり、第1の入射角でウェハ10に入射し、第1の射出角で射出して撮像装置86で受光される光の回折次数と、第1の入射角とは異なる第2の入射角でウェハ10に入射し、第1の射出角とは異なる第2の射出角で射出して撮像装置86で受光される光の回折次数を合わせつつ、回折次数を選択することができる。
なお、第4実施形態における照明光の入射角は、第1実施形態と同様に、ステージ55の保持面55aの法線とウェハ10の表面へ入射する照明光との成す角である。また、第4実施形態における射出角は、第1実施形態と同様に、ステージ55の保持面55aの法線とウェハ10の表面から射出した光との成す角である。また、第4実施形態における受光角は、ステージ55の保持面55aの法線と、ウェハ10の表面から射出するときに検出側絞り部材82の開口部83を通過可能な光との成す角である。
また、照明側絞り部材74の移動によって、照明側絞り部材74の開口部75が、対物レンズ61の射出瞳面もしくは射出瞳面と共役な面上において光軸Axを中心に回転移動すると、ウェハ10へ入射する照明光の入射方向が変化する。つまり、実質的にウェハ方位角度(図2参照)が変化することになる。一方、検出側絞り部材82の移動によって、検出側絞り部材82の開口部83が、対物レンズ61の射出瞳面もしくは射出瞳面と共役な面上において光軸Axを中心に回転移動すると、ウェハ10から射出した回折光が撮像装置86に入射する方向(受光方向)が変化する。これにより、照明側絞り部材74の開口部75と検出側絞り部材82の開口部83とを同期させて回転移動させることで、ウェハ10を回転させることなく、ウェハ方位角度を調整するのと同等の調整を行うことができる。
撮像装置86は、照明系71で照明されたウェハ10の照明領域から射出した回折光に基づいて撮像面上に形成されたウェハ10の一部(照明領域)の像を光電変換して画像信号を生成し、主制御部95に送る。主制御部95は、撮像装置86から送られた画像信号を受け、画像処理部91に送る。画像処理部91は、撮像装置86から送られた画像信号に基づいて、ウェハ10の一部の画像を生成する。また、画像処理部91は、ウェハ10の画像に対して、適宜、ディストーション補正やシェーディング補正等の画像補正を行う。画像処理部91で処理された画像データ(すなわち、撮像装置86で受光したウェハ10の照明領域から射出した回折光に基づく信号強度)は、主制御部95により検査判定部93に送られる。検査判定部93は、ウェハ10の画像データと記憶部92に記憶された良品ウェハの画像データとを比較して、ウェハ10の表面における欠陥(異常)の有無を検査する。また、検査判定部93は、ウェハ10の画像データを利用して、検査パターンの加工条件(露光時のフォーカス条件及びドーズ条件)を判定する。
本実施形態では、ウェハ10の表面の一部が照明系71で照明されるため、撮像装置86で撮像される像は、ウェハ10の表面の一部となる。この場合、照明系71による照明及び撮像装置86による撮像のタイミングに合わせて、ウェハ10を保持したステージ55を所定間隔で順次移動させていくことで、撮像装置86で順次得られるウェハ10の一部の画像信号を画像処理部91で合成し、ウェハ10の表面全体の画像を生成することができる。また、その画像に基づいた画像データ(撮像装置86で受光したウェハ10の表面全体からの回折光に基づく信号強度)を検査判定部93に送ることができる。
なお、ウェハ10の表面全体の画像を生成する一例としては、照明系71でウェハ10
の表面における任意のショット領域を照明し、照明系71による照明及び撮像装置86による撮像のタイミングに合わせて、ウェハ10上で隣接するショット同士の間隔だけ、順次、ステージ55を移動させて、ウェハ10の表面に形成された全てのショットを撮像し、それらのショットの画像を合成すればよい。
以下、照明系71による照明及び撮像装置86による撮像のタイミングに合わせて、ウェハ10を保持したステージ55を所定間隔で順次移動させて画像処理部91で生成したウェハ10の表面全体の画像を合成回折画像と称する。また、合成回折画像に基づいた画像データ(撮像装置86で受光したウェハ10の表面全体からの回折光に基づく信号強度)を合成回折画像データと称する。
主制御部95は、ハードウェア制御部94を介して、照明ユニット72や、ステージ55、照明側絞り駆動部76および検出側絞り駆動部84の作動を制御する。ハードウェア制御部94は、照明ユニット72の光源部と調光部(図示せず)を制御し、照明光の波長および強度を調節する。また、ハードウェア制御部94は、ステージ55の駆動機構部(図示せず)を制御し、ウェハ10上の照明領域を調整する。また、ハードウェア制御部94は、照明側絞り駆動部76を制御し、照明光の入射角(回折光の射出角)および入射方向(すなわち、ウェハ方位角度)を調整する。また、ハードウェア制御部94は、検出側絞り駆動部84を制御し、ウェハ10から射出した回折光に対する受光角および受光方向(すなわち、ウェハ方位角度)を調整する。
以上のように構成される顕微鏡装置51を用いて、ウェハ10の表面に形成された繰り返しパターンの欠陥検査について簡単に説明する。まず、不図示の搬送装置により、ウェハ10をステージ55上に搬送する。このウェハ10の表面には図6に示すように、ピッチがPの繰り返しパターン12(ラインアンドスペースパターン)が形成されている。なお、搬送の途中で不図示のアライメント機構によりウェハ10の表面に形成されているパターンの位置情報を取得しており、ウェハ10をステージ55上の所定の位置に所定の方向で載置することができる。
次に、ウェハ10の表面上における照明方向とパターンの繰り返し方向(ラインアンドスペースパターンの場合、ラインの長手方向に対して直交する方向)とを一致させて、前述の(1)式を満足するように設定を行う。このとき、ハードウェア制御部94により、照明ユニット72の光源部と調光部(図示せず)や、照明側絞り駆動部76および検出側絞り駆動部84等が制御される。
次に、照明系71により照明光をウェハ10の表面に照射する。このような条件で照明光をウェハ10の表面に照射する際、照明ユニット72から射出された所定の波長(例えば、248nmの波長)を有する所定の強度の照明光は、リレーレンズ73を透過して照明側絞り部材74に達する。照明側絞り部材74に達した照明光の一部は、照明側絞り部材74の開口部75を通過してハーフミラー62で反射し、対物レンズ61を透過して所定の入射角および入射方向でウェハ10の表面に照射される。ウェハ10の表面の繰り返しパターンで回折した所定次数の回折光は、対物レンズ61およびハーフミラー62を透過して検出側絞り部材82の開口部83を通過する。検出側絞り部材82の開口部83を通過した回折光は、結像レンズ85により集光されて撮像装置86の撮像面上に達し、ウェハ10の像が結像される。
撮像装置86は、撮像面上に形成されたウェハ10の像を光電変換して画像信号を生成し、主制御部95を介して画像信号を画像処理部91に送る。このとき、主制御部95は、照明系71による照明及び撮像装置86による撮像のタイミングに合わせて、ウェハ10を保持したステージ55を所定間隔で順次移動させる。画像処理部91は、順次、撮像
装置86で検出されるウェハ10の一部の画像信号を合成して、ウェハ10の合成回折画像を生成する。画像処理部91は、主制御部95を介してウェハ10の合成回折画像に基づいた合成回折画像データ(撮像装置86で受光したウェハ10の表面全体からの回折光に基づく信号強度)を検査判定部93に送る。検査判定部93は、画像処理部91から送られたウェハ10の合成回折画像データと、記憶部92に記憶された良品ウェハの合成回折画像データ(すなわち、撮像装置86で受光した良品ウェハの表面全体からの回折光に基づく信号強度)とを比較して、ウェハ10の表面に形成されたパターンにおける欠陥(異常)の有無を検査する。そして、検査判定部93による検査結果が図示しない表示装置に出力表示される。
なお、不図示の表示装置には、検査判定部93による検査結果を表示させるだけでなく、ウェハ10の合成回折画像を表示させても良い。なお、不図示の表示装置は無くても良い。この場合、検査判定部93によるウェハ10の検査結果は、本願のような検査装置や露光装置を統括的に管理するホストコンピュータへ送信するようにしても良い。
また、検査判定部93は、画像処理部91から主制御部95を介して送られた検査対象のウェハ10の合成回折画像データを利用して、検査対象のウェハ10の表面に形成された検査パターン(繰り返しパターン12)の加工条件(露光時のフォーカス条件及びドーズ条件)を判定することができる。そこで、第4実施形態の顕微鏡装置51を利用して、検査パターンの加工条件を判定するフローについて説明する。ここで、本実施形態における判定フローは、第1実施形態における判定フローと同様であるので第1実施形態に係る図7〜図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、本実施形態では、第1実施形態と同様にロジックICにおけるパターンの加工条件を判定する方法について説明する。
図7に示すように、まず、検査パターンの加工条件を判定するための条件出しを行う(ステップST100)。続いて、条件出しで得られた条件に基づいて検査パターンの加工条件を判定する(ステップST200)。
第4実施形態における条件出しを行うステップ(ステップST100)の詳細について、図8を参照しながら説明する。まず、第1実施形態と同様に、ロジックICの製品情報を登録する(ステップST101)。このとき、ロジックICの製品情報は、不図示の入力部から主制御部95を介して記憶部92に送られ、記憶部92で記憶される。
次に、第1実施形態と同様に、ショット内の有効エリアを設定して登録する(ステップST102)。このとき、有効エリア等の登録情報は、不図示の入力部から主制御部95を介して記憶部92に送られ、記憶部92で記憶される。
次に、不図示の搬送装置により、良品ウェハ10g(図11を参照)をステージ55上に搬送する(ステップST103)。なお、搬送の途中、不図示のアライメント機構により良品ウェハ10gの表面に形成されているパターンの位置情報を取得する。そして、良品ウェハ10gをステージ55上に載置した後、良品ウェハ10gの表面上における照明方向及び良品ウェハ10gから射出した回折光の撮像装置86における受光方向と、パターンの繰り返し方向とが一致するように、照明側絞り部材74の開口部75と検出側絞り部材82の開口部83とを回転移動させる。
次に、照明光の波長、照明光量、露光時間、ウェハ10の表面を照明する照明光の入射角(すなわち、ウェハ10の表面から射出する回折光の射出角)、および検出側絞り駆動部84でウェハ10の表面から射出する回折光の受光角を変化させる範囲(第1実施形態と同様に設定角度範囲と称する)を設定する(ステップST104)。なお、回折光の受
光角は検出側絞り部材82(開口部83)を移動させて設定するため、具体的には、設定角度範囲は検出側絞り部材82を検出側絞り駆動部84で移動させる範囲となる。また、照明光量および露光時間については、第1実施形態と同様に、照明ユニット72の照明光量と撮像装置86の露光時間を変えて複数設定される。
次に、良品ウェハ10gの回折画像を生成する(ステップST105)。このとき、先のステップST104で設定した照明光の波長、照明光の入射角、および設定角度範囲で、3種類の照明光量と3種類の露光時間の組み合わせについてそれぞれ、良品ウェハ10gの合成回折画像を生成する。具体的には、照明系71で良品ウェハ10gの表面における任意のショット領域を照明し、照明系71による照明及び撮像装置86による撮像のタイミングに合わせて、良品ウェハ10g上で隣接するショット同士の間隔だけ、順次、ステージ55を移動させていき、画像処理部91で良品ウェハ10gの合成回折画像を生成する。このとき、設定角度範囲における所定の受光角について良品ウェハ10gの回折画像を生成する。
次に、主制御部95は、回折光の受光角を設定角度範囲だけ変化させたか否かを判定する(ステップST106)。具体的には、所定の角度量ごとに設定角度範囲だけ受光角を変化させたか否かを判定する。言い換えれば、所定の角度量ごとに設定角度範囲だけ受光角を変化させて各受光角で良品ウェハ10gの回折画像を生成したか否かを判定する。判定がNoの場合、検出側絞り駆動部84により受光角(すなわち、検出側絞り部材82の開口部83の位置)を所定の角度量だけ変化させて、ステップST105の処理を繰り返す。これにより、所定の設定角度範囲にわたる複数の受光角で、良品ウェハ10gの合成回折画像を生成することができる。したがって、所定の照明光の波長、照明光量、露光時間、および照明光の入射角に対して、良品ウェハ10gからの表面から射出した複数の回折次数の光のうち、相異なる回折次数の光に基づく複数の合成回折画像をそれぞれ生成することができる。
一方、判定がYesの場合、ステップST107に進む。次のステップST107において、画像処理部91は、先のステップST104〜ST106で生成した良品ウェハ10gのそれぞれの合成回折画像に対し、ディストーション補正およびシェーディング補正を行う。
以下、第1実施形態と同様に、ステップST107までに得られた相異なる回折次数の光に基づく良品ウェハ10gの合成回折画像を用いて、良品ウェハ10gに形成された各ショット11gの所定位置に対応した撮像装置86の信号強度の平均値を求め、この平均値を用いて求めた良品ウェハ10gの全てのショット11gの所定位置に対応した撮像装置86の信号強度の平均値と分散値に応じて適当な回折次数を選定し、加工条件の判定(ステップST200)で使用する回折条件の候補を求めるフロー(ステップST108〜ST109)について説明する。
まず、画像処理部91は、ステップST107で補正した良品ウェハ10gのそれぞれの合成回折画像から、第1実施形態と同様に、良品ウェハ10gの各ショット11gの有効エリアサンプル領域Gpに対応する撮像装置86の信号強度の平均値を求め、求めた平均値を用いて良品ウェハ10gの全てのショット11gの有効エリアサンプル領域Gpに対応した撮像装置86の信号強度の平均値と信号強度の分散値を求める(ステップST108)。良品ウェハ10gの全てのショット11gの有効エリアサンプル領域Gpに対応した撮像装置86の信号強度の平均値と信号強度の分散値を求めるとき、第1実施形態と同様に、良品ウェハ10gの回折画像の各ショット11gの有効エリアサンプル領域Gpに対応する撮像装置86の1画素もしくは複数の画素ごとの信号強度の平均値を用いる。
そして、画像処理部91は、第1実施形態と同様に、同一の照明光量および露光時間について、ステップST106で変化させた受光角毎(すなわち、撮像装置86で受光する回折光の回折次数毎)に、良品ウェハ10gの全てのショット11gの有効エリアサンプル領域Gpにおける信号強度の平均値を算出する。
続いて、画像処理部91は、第1実施形態と同様に、同一の照明光量および露光時間について、ステップST106で変化させた受光角毎(すなわち、撮像装置86で受光する回折光の回折次数毎)に、良品ウェハ10gの全てのショット11gの有効エリアサンプル領域Gpにおける信号強度の分散値を算出する。
次に、画像処理部91は、第1実施形態と同様に、ステップST108で算出した有効エリアサンプル領域Gpにおける信号強度の平均値と分散値に基づいて、信号強度の平均値が高く、かつ信号強度の分散値が低い受光角、すなわち、射出角及び回折次数を求める。そして求めた射出角及び回折次数と、ステップST104で設定した照明光の波長及び照明光の入射角を合わせて、加工条件の判定(ステップST200)で用いる回折条件の候補とする(ステップST109)。なお、画像処理部91は、ステップST104で設定した3種類の照明光量と3種類の露光時間の組み合わせの中から、回折条件の候補における照明光量および露光時間を求める。
以下、第1実施形態と同様に、FEMウェハ10fを用いて、ステップST109で求めた複数の回折条件の候補から選定した所望の回折条件に基づいて、加工条件の判定(ステップST200)で使用する、撮像装置86の信号強度とフォーカスオフセット量及びドーズオフセット量との関係を示すライブラリーデータを求めるフロー(ステップST110〜ST113)について説明する。
まず、不図示の搬送装置により、ステップST109まで使用していた良品ウェハ10gに代えて、良品ウェハ10gと同等のピッチの繰り返しパターンが形成されたFEMウェハ10f(図12を参照)をステージ55上に搬送する。そして、ステップST109で求めた複数の回折条件の候補でそれぞれ、FEMウェハ10fの合成回折画像を生成する(ステップST110)。
FEMウェハ10fの合成回折画像を生成するには、先のステップST105と同様に、照明系71でFEMウェハ10fの表面における任意のショット領域を照明し、照明系71による照明及び撮像装置86による撮像のタイミングに合わせて、FEMウェハ10f上で隣接するショット同士の間隔だけ、順次、ステージ55を移動させていき、画像処理部91でFEMウェハ10fの合成回折画像を生成する。
次に、画像処理部91は、第1実施形態と同様に、複数の回折条件の候補でそれぞれ生成した、FEMウェハ10fの合成回折画像に基づいて、FEMウェハ10fの複数のショットそれぞれに対応する撮像装置86の各画素の信号強度と、各ショットに対応するフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量との関係式を求める(ステップST111)。具体的には、撮像装置86の信号強度をb、フォーカスオフセット量をf、ドーズオフセット量をdと規定し、まず、各回折条件の候補で生成したFEMウェハ10fの合成回折画像の各ショットについて、撮像装置86の信号強度とフォーカスオフセット量及びドーズオフセット量との関係を示すサンプルデータSi(bi,fi,di)(但し、i=1,2、…N)を求める。ここで、第1実施形態と同様に、サンプルデータSiは、FEMウェハ10f上にN個のショットがある場合を考える。つまり、撮像装置86の信号強度とフォーカスオフセット量及びドーズオフセット量との関係はN個のショットごとに求める。さらに、サンプルデータSiは、ステップST110で生成された各回折条件の候補におけるFEMウェハ10fの合成回折画像毎に求める。
続いて、第1実施形態と同様に、画像処理部91は、複数の回折条件の候補から以降のフローで使用する所望の回折条件を選定する(ステップST112)。具体的には、ステップST111で求めた各回折条件の候補に対応するサンプルデータSi(bi,fi,di)(但し、i=1,2、…N)に基づいて、第1の判定用回折条件と、第2の判定用回折条件を複数の回折条件の候補の中から選定する。
次に、第1実施形態と同様に、加工条件の判定(ステップST200)で使用する、撮像装置86の信号強度とフォーカスオフセット量及びドーズオフセット量の関係を示すライブラリデータを求める(ステップST113)。具体的には、ステップST112で選定した第1の判定用回折条件に対応するサンプルデータSi(bi,fi,di)(但し、i=1,2、…N)に基づいて、撮像装置86の信号強度に対するフォーカスオフセット量及びドーズオフセット量の関係を関数F1(曲面を表す関数)で近似して関係式(2)を求める。但し、第1の判定用回折条件で生成されたFEMウェハ10fの合成回折画像における、各ショットの信号強度(撮像装置86の信号強度)を改めてb1とし、各ショットのフォーカスオフセット量を改めてf1とし、各ショットのドーズオフセット量を改めてd1と表す。
同様に、ステップST112で選定した第2の判定用回折条件に対応するサンプルデータSiに基づいて、撮像装置86の信号強度に対するフォーカスオフセット量及びドーズオフセット量の関係を関数F2(曲面を表す関数)で近似して関係式(3)を求める。但し、第2の判定用回折条件で生成されたFEMウェハ10fの合成回折画像における、各ショットの信号強度(撮像装置86の信号強度)を改めてb2とし、各ショットのフォーカスオフセット量を改めてf2とし、各ショットのドーズオフセット量を改めてd2と表す。
そして、第1実施形態と同様に、画像処理部91は、関係式(2)から、フォーカスオフセット量f1およびドーズオフセット量d1をMステップ(MはFEMウェハ10fに形成されたショットの個数(N個)よりも多い数である)変化させて、f1およびd1のそれぞれの組合せに対応する信号強度b1を求め、第1の判定用回折条件におけるライブラリデータT1(b1j,f1j,d1j)(但し、j=1,2,…M)を作成する。また、画像処理部91は、関係式(3)から、フォーカスオフセット量f2およびドーズ量d2をMステップ変化させて、f1およびd1のそれぞれの組合せに対応する信号強度b2を求め、第2の判定用回折条件におけるライブラリーデータT2(b2j,f2j,d2j)(但し、j=1,2,…M)を作成する。
このようにして、第1実施形態と同様に、第1および第2の判定用回折条件、並びに、第1および第2の判定用回折条件におけるライブラリーデータT1(b1j,f1j,d1j),T2(b2j,f2j,d2j)が求められる。なお、2種類のライブラリーデータT1(b1j,f1j,d1j),T2(b2j,f2j,d2j)は、基準データとして記憶部92に記憶される。
続いて、図7に示すように、条件出し(ステップST100)を行った後、第1実施形態と同様に、検査パターンに対する加工条件を判定する(ステップST200)。第4実施形態における加工条件の判定を行うステップ(ステップST200)について、図9を参照しながら説明する。図9に示すように、まず、検査対象のウェハ10の合成回折画像を生成する(ステップST201)。このとき、先のステップST112で求められた第1の判定用回折条件と第2の判定用回折条件についてそれぞれ、検査対象のウェハ10の合成回折画像を撮像装置86により撮像する。
次に、画像処理部91は、検査対象のウェハ10の合成回折画像に対応する撮像装置86の画素毎の信号強度から、各画素に対応する領域がショット内の有効エリアか否か判定し(ステップST202)、無効エリアに該当する画素を検査対象から除外する。
次に、検査判定部93は、画像処理部91から送られた検査対象のウェハ10の合成回折画像データから、検査対象のウェハ10上の検査パターンに対する露光時のフォーカス条件を判定する(ステップST203)。具体的には、第1実施形態と同様に、撮像装置86により検出した第1の判定用回折条件および第2の判定用回折条件での2種類の信号強度に対して、記憶部92に記憶された2種類のライブラリーデータT1(b1j,f1j,d1j),T2(b2j,f2j,d2j)をそれぞれフィッティングさせることにより、検査パターンのフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量を所定の画素ごとに(単数もしくは複数の画素ごとに)求める。
これにより、検査対象のウェハ10の全面(有効エリア)について所定の画素ごとにフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量を求めることができ、検査対象のウェハ10上の検査パターンの加工条件を判定することが可能になる。
そして、検査判定部93により判定された検査パターンのフォーカスオフセット量及びドーズオフセット量は、図示しない表示装置に表示される(ステップST204)。
このように、第4実施形態によれば、検査判定部93が、既知のフォーカスオフセット量及び既知のドーズオフセット量と信号強度との関係を示すライブラリーデータT1(b1j,f1j,d1j),T2(b2j,f2j,d2j)(すなわち、既知のフォーカス条件及び既知のドーズ条件と撮像装置36の信号強度との関係を示す特性)と、検査パターンからの回折光に応じた信号強度とに基づいて、検査パターンのフォーカス条件及びドーズ条件を判定する。そのため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
次に、本願の第5実施形態について説明する。本実施形態の顕微鏡装置は、第4実施形態の顕微鏡装置51と同様であるため各部に第4実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。また、本実施形態において、検査対象のウェハ10の表面に形成された検査パターンの加工条件を判定するフローは、前述の第2実施形態の判定フローと同様であるため第2実施形態に係る図13〜図15を参照して説明する。なお、図14(条件出しを行うステップST300)のフローチャートについて、ステップST301〜ステップST312のそれぞれのステップは上述の第4実施形態で説明したステップST101〜ステップST112のそれぞれのステップと同様であるためステップST313以降のフローについて説明する。
本実施形態におけるステップST313では、加工条件の判定(ステップST400)で使用する、撮像装置86の信号強度とフォーカスオフセット量及びドーズオフセット量の関係を示す特性を求める。但し、以下、ステップST313(すなわち、第1実施形態のステップST113)で求めた関係式(2)と関係式(3)を連立方程式として、フォーカスオフセット量fおよびドーズオフセット量dについて解くことができる場合を前提として説明する。
まず、第2実施形態と同様に、関係式(2)と関係式(3)の連立方程式を解いて、第1の判定用回折条件における撮像装置86の信号強度b1及び第2の判定用回折条件における撮像装置86の信号強度b2とフォーカスオフセット量fとの関係を示す特性式(4)と、第1の判定用回折条件における撮像装置86の信号強度b1及び第2の判定用回折条件における撮像装置86の信号強度b2とドーズオフセット量dとの関係を示す特性式(5)を求める。
なお、特性式(4)及び特性式(5)において、フォーカスオフセット量fに対する撮像装置86の信号強度b1及びb2の関数をG1(b1,b2)と表し、ドーズオフセット量dに対する撮像装置86の信号強度b1及びb2の関数をG2(b1,b2)と表す。また、特性式(4)は、フォーカス基準データとして記憶部92に記憶され、特性式(5)に関するデータは、ドーズ基準データとして記憶部92に記憶される。
これにより、特性式(4)および特性式(5)を利用して、第1の判定用回折条件および第2の判定用回折条件で生成された検査対象のウェハ10の合成回折画像の信号強度(撮像装置86で受光した回折光に基づく信号強度)から、検査パターンのフォーカス条件およびドーズ条件(フォーカスオフセット量およびドーズオフセット量)を求めることができる。第5実施形態では、この特性式(4)および特性式(5)を利用して、加工条件の不明な検査パターンのフォーカス条件およびドーズ条件を判定する。
以下、特性式(4)および特性式(5)を利用して、検査パターンに対する加工条件を判定する(ステップST400)フローについて図15を参照しながら説明する。
まず、検査対象のウェハ10の合成回折画像を生成する(ステップST401)。このとき、ステップST312(すなわち、第1実施形態のステップST112)で求められた第1の判定用回折条件と第2の判定用回折条件についてそれぞれ、検査対象のウェハ10の合成回折画像を撮像装置86により撮像する。
次に、画像処理部91は、検査対象のウェハ10の合成回折画像に対応する撮像装置86の画素毎の信号強度から、各画素に対応する領域がショット内の有効エリアか否か判定する(ステップST402)、このとき、無効エリアに該当する画素を検査対象から除外する。
次に、画像処理部91は主制御部95を介して合成回折画像のデータを検査判定部93へ送り、検査判定部93は、検査対象のウェハ10の合成回折画像から、検査対象のウェハ10上の検査パターンに対する露光時のフォーカス条件及びドーズ条件を判定する(ステップST403)。具体的には、まず、第1の判定用回折条件と第2の判定用回折条件のそれぞれの回折条件で、検査対象のウェハ10の表面から射出した回折光を撮像装置86で受光し、所定の画素ごとの信号強度を検出する。そして、検出した第1の判定用回折条件と第2の判定用回折条件での信号強度を特性式(4)および特性式(5)へ代入し、検査パターンのフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量を所定の画素ごとに(単数もしくは複数の画素ごとに)求める。
これにより、検査対象のウェハ10の全面(有効エリア)について所定の画素ごとにフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量を求めることができ、検査対象のウェハ10上の検査パターンの加工条件を判定することが可能になる。
そして、検査判定部93により判定された検査パターンのフォーカスオフセット量及びドーズオフセット量は、図示しない表示装置に表示される(ステップST404)。
このように、第5実施形態によれば、検査判定部93が、既知のフォーカスオフセット量および既知のドーズオフセット量と信号強度との関係を示す特性式(4)および特性式(5)のデータと、検査パターンからの回折光に応じた信号強度とに基づいて、検査パターンのフォーカス条件及びドーズ条件を判定する。そのため、上述の第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、予め記憶部92に記憶しておいた特性式(4)および特性式(5)を使用することにより、第1および第2の判定用回折条件における検査対象のウェハ10からの回折光に基づく撮像装置86の信号強度から、検査パターンの露光時のフォーカス条件およびドーズ条件を纏めて判定することができ、上述の第4実施形態と同様にフォーカス条件及びドーズ条件を短時間で判定することができる。
次に、本願の第6実施形態について説明する。本実施形態の顕微鏡装置は、前述の第4実施形態に係る顕微鏡装置51と同様の構成なため、各部に第4実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
以下、本実施形態において、検査対象のウェハ10の表面に形成された検査パターンの加工条件を判定するフローは、前述の第3実施形態の判定フローと同様であるため第3実施形態に係る図16〜図18に示すフローチャートを参照して説明する。なお、図17(条件出しを行うステップST500)のフローチャートについて、ステップST501〜ステップST510のそれぞれのステップは上述の第4実施形態で説明したステップST101〜ステップST110のそれぞれのステップと同様であるため、ステップST511以降の判定フローについて簡単に説明する。
第6実施形態における検査パターンの加工条件を判定するための条件出し(ステップST500)では、図17に示すように、ステップST510(第4実施形態に係る図8のステップST110と同様のステップ)において複数の回折条件の候補でそれぞれ生成したFEMウェハ10fの合成回折画像に基づいて、加工条件の判定(ステップST600)で使用する回折条件を選定し、選定した回折条件における回折光の信号強度に対するフォーカスの特性と、選定した回折条件における回折光の信号強度に対するドーズの特性をそれぞれ求めるフロー(ステップST511〜ステップST513)について説明する。
まず、画像処理部91は、第3実施形態と同様に、各回折条件の候補でFEMウェハ10fからの回折光を撮像装置86で受光して生成したFEMウェハ10fの合成回折画像に基づいてフォーカスカーブを求める。このとき、異なるドーズオフセット量ごとに、複数の回折条件の候補にそれぞれ対応した複数のフォーカスカーブを求める。また、画像処理部91は、複数の回折条件の候補でそれぞれ生成したFEMウェハ10fの合成回折画像に基づいて、第3実施形態と同様に、各回折条件の候補でFEMウェハ10fからの回折光を撮像装置86で受光して生成したFEMウェハ10fの合成回折画像に基づいてフォーカスカーブを求める。このとき、異なるフォーカスオフセット量ごとに、複数の回折条件の候補にそれぞれ対応した複数のドーズカーブを求める(ステップST511)。なお、フォーカスカーブおよびドーズカーブは、FEMウェハ10fの合成回折画像のショット内の有効エリアにおいて、撮像装置86の1画素もしくは複数の画素(2×2〜5×5の画素)ごとにそれぞれ求められる。
次に、画像処理部91は、第3実施形態と同様に、ステップST511で求めたフォーカスカーブを分類し、複数の回折条件の候補の中から、フォーカスの変化に対して(撮像装置86で受光した)回折光の信号強度の変化が大きくドーズの変化に対して回折光の信号強度の変化が小さい回折条件(以下、第6実施形態において、第1のフォーカス判定用回折条件と称する)を求める。また、画像処理部91は、第3実施形態と同様に、ステップST511で求めたドーズカーブを分類し、複数の回折条件の候補の中から、ドーズの変化に対して回折光の信号強度の変化が大きくフォーカスの変化に対して回折光の信号強度の変化が小さい回折条件(以下、第6実施形態において、第1のドーズ判定用回折条件と称する)を求める(ステップST512)。なお、第1のフォーカス判定用回折条件および第1のドーズ判定用回折条件は、FEMウェハ10fの合成回折画像のショット内の有効エリアにおいて、撮像装置86の1画素もしくは複数の画素(2×2〜5×5の画素
)ごとにそれぞれ求められる。
そして、画像処理部91は、第3実施形態と同様に、上述の(1)式に基づいて、第1のフォーカス判定用回折条件と回折光の次数、照明光の波長、及びパターンのピッチが同じで、照明光の入射角、回折光の射出角(回折光の受光角)が異なる条件であって、フォーカスカーブの変化の仕方(フォーカスカーブの形状)が異なる回折条件(以下、第6実施形態において、第2のフォーカス判定用回折条件と称する)を求める。また、上述の(1)式に基づいて、第1のドーズ判定用回折条件と回折光の次数、照明光の波長、及びパターンのピッチが同じで、照明光の入射角、回折光の射出角(回折光の受光角)が異なる条件であって、ドーズカーブの変化の仕方(ドーズカーブの形状)が異なる回折条件(以下、第6実施形態において、第2のドーズ判定用回折条件と称する)を求める(ステップST513)。なお、第2のフォーカス判定用回折条件および第2のドーズ判定用回折条件は、FEMウェハ10fの合成回折画像のショット内の有効エリアにおいて、撮像装置86の1画素もしくは複数の画素(2×2〜5×5の画素)ごとにそれぞれ求められる。
ここで、第3実施形態と同様に、第1のフォーカス判定用回折条件におけるフォーカスカーブ(以下、第1基準フォーカスカーブと称する)に関するデータ(異なるドーズオフセット量ごとに構成された、第1のフォーカス判定用回折条件における回折光の信号強度とフォーカスオフセット量との関係を示す特性)と、第2のフォーカス判定用回折条件におけるフォーカスカーブ(以下、第2基準フォーカスカーブと称する)に関するデータ(異なるドーズオフセット量ごとに構成された、第2のフォーカス判定用回折条件における回折光の信号強度とフォーカスオフセット量との関係を示す特性)は、フォーカス基準データとして記憶部92に記憶に記憶される。
一方、第1のドーズ判定用回折条件におけるドーズカーブ(以下、第1基準ドーズカーブと称する)に関するデータ(異なるフォーカスオフセット量ごとに構成された、第1のドーズ判定用回折条件における回折光の信号強度とドーズオフセット量との関係を示す特性)と、第2のドーズ判定用回折条件におけるドーズカーブ(以下、第2基準ドーズカーブと称する)に関するデータ(異なるフォーカスオフセット量ごとに構成された、第2のドーズ判定用回折条件における回折光の信号強度とドーズオフセット量との関係を示す特性)は、ドーズ基準データとして記憶部92に記憶される。
図16に示すように、条件出し(ステップST500)を行った後、第3実施形態と同様に、検査パターンの加工条件を判定する(ステップST600)。第3実施形態における加工条件の判定を行うステップ(ステップST600)の詳細について、図18を参照しながら説明する。図18に示すように、まず、検査対象のウェハ10の合成回折画像を生成する(ステップST601)。このとき、先のステップST513で求められた、第1および第2のフォーカス判定用回折条件、並びに、第1および第2のドーズ判定用回折条件についてそれぞれ、検査対象のウェハ10の合成回折画像を撮像装置86により撮像する。
次に、画像処理部91は、第3実施形態と同様に、検査対象のウェハ10の合成回折画像に対応する撮像装置86の画素毎の信号強度から、各画素に対応する領域がショット内の有効エリアか否か判定し(ステップST602)、無効エリアに該当する画素を検査対象から除外する。
次に、検査判定部93は、第3実施形態と同様に、検査対象のウェハ10の合成回折画像から、検査対象のウェハ10上の検査パターンに対する露光時のフォーカス条件を判定する(ステップST603)。具体的には、まず、第1のフォーカス判定用回折条件と第2のフォーカス判定用回折条件のそれぞれの回折条件で、検査対象のウェハ10の表面か
ら射出した回折光を撮像装置86で受光し、所定の画素ごとの信号強度を検出する。そして、記憶部92に記憶されたフォーカス基準データのうち、ベストドーズ量に対応したフォーカス基準データと、撮像装置86により検出した信号強度とを比較して、検査パターンのフォーカスオフセット量を所定の画素ごとに求める。このとき、比較するフォーカス基準データに対応する回折条件と、撮像装置86で検出された信号強度に対応する回折条件とは同一の回折条件とする。
次に、検査判定部93は、第3実施形態と同様に、検査対象のウェハ10の合成回折画像から、検査パターンに対する露光時のドーズオフセット量(ドーズ条件)を判定する(ステップST604)。このとき、本ステップST604で判定するドーズオフセット量を高精度に判定するため、記憶部92に記憶されたドーズ基準データのうち、先のステップST603で判定したフォーカスオフセット量に最も近いフォーカスオフセット量に対応したドーズ基準データを利用して、検査対象のウェハ10の合成回折画像の信号強度から、検査パターンに対する露光時のドーズオフセット量を所定の画素ごとに求める。
次に、検査判定部93は、第3実施形態と同様に、フォーカスオフセット量(フォーカス条件)の再判定を行う(ステップST605)。具体的には、最終的に判定する検査パターンのフォーカスオフセット量を高精度に判定するため、記憶部92に記憶されたフォーカス基準データのうち、先のステップST604で求めたドーズオフセット量に最も近いドーズセット量に対応したフォーカス基準データと、撮像装置86により検出した信号強度とを比較して、検査パターンのフォーカスオフセット量を所定の画素ごとに求める。
次に、検査判定部93は、第3実施形態と同様に、ドーズオフセット量(ドーズ条件)の再判定を行う(ステップST606)。具体的には、最終的に判定する検査パターンのドーズオフセット量を高精度に判定するため、記憶部92に記憶されたドーズ基準データのうち、先のステップST605で求めたフォーカスオフセット量に最も近いフォーカスオフセット量に対応したドーズ基準データと、撮像装置86により検出した信号強度とを比較して、検査対象のウェハ10の検査パターンのドーズオフセット量を所定の画素ごとに求める。
そして、検査判定部93により判定された検査パターンのフォーカスオフセット量及びドーズオフセット量は、図示しない表示装置に表示される(ステップST607)。
これにより、検査対象のウェハ10の全面(有効エリア)について所定の画素ごとにフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量を求めることができ、前述の第3実施形態と同様に検査対象のウェハ10上の検査パターンの加工条件(フォーカスオフセット量及びドーズオフセット量)を高精度に判定することが可能になる。
その他、本実施形態では、前述の第4実施形態及び第5実施形態と同様の効果を得ることができるようになる。
なお、第6実施形態において、検査判定部93が、フォーカス条件の判定(および再判定)を行った後に、ドーズ条件の判定(および再判定)を行っているが、これに限られるものではない。検査判定部93が、ドーズ条件の判定(および再判定)を行った後に、フォーカス条件の判定(および再判定)を行ってもよい。すなわち、検査判定部93が、第1および第2基準ドーズカーブに基づいてドーズ条件を判定し、判定されたドーズ条件に対応する第1および第2基準フォーカスカーブに基づいてフォーカス条件を判定する。さらに、検査判定部93は、判定されたフォーカス条件に対応する第1および第2基準ドーズカーブに基づいてドーズ条件を再判定する。またさらに、検査判定部93は、再判定されたドーズ条件に対応する第1および第2基準フォーカスカーブに基づいてフォーカス条
件を再判定する。このようにしても、第6実施形態と同様の効果を得ることができる。
具体的には、前述のステップST603において、検査判定部93は、フォーカス条件の代わりにドーズ条件を判定する。このとき、記憶部92に記憶されたドーズ基準データのうち、検査パターンを露光した際の最適なフォーカス量(フォーカスオフセット量がゼロのベストフォーカス量)に対応したドーズ基準データと、撮像装置86により検出した信号強度とを比較して、検査パターンのドーズオフセット量を所定の画素ごとに求める。また、前述のステップST604において、検査判定部93は、ドーズ条件の代わりにフォーカス条件を判定する。このとき、記憶部92に記憶されたフォーカス基準データのうち、先に求めたドーズオフセット量に最も近いドーズオフセット量に対応したフォーカス基準データと、撮像装置86により検出した信号強度とを比較して、検査パターンのフォーカスオフセット量を所定の画素ごとに求める。
また、前述のステップST605において、検査判定部93は、フォーカス条件の代わりにドーズ条件の再判定を行う。このとき、記憶部92に記憶されたドーズ基準データのうち、先に求めたフォーカスオフセット量に最も近いフォーカスオフセット量に対応したドーズ基準データと、撮像装置86により検出した信号強度とを比較して、検査パターンのドーズオフセット量を所定の画素ごとに求める。そして、前述のステップST606において、検査判定部93は、ドーズ条件の代わりにフォーカス条件の再判定を行う。このとき、記憶部92に記憶されたフォーカス基準データのうち、再判定で求めたドーズオフセット量に最も近いドーズセット量に対応したフォーカス基準データと、撮像装置86により検出した信号強度とを比較して、検査パターンのフォーカスオフセット量を所定の画素ごとに求める。
なお、第4〜第6実施形態において、ステージ55は、ウェハ10の回転対称軸(ステージ55の中心軸)を中心に、ウェハ10を回転可能に保持してもよい。これにより、ステージ55の回転駆動によりウェハ方位角度を調整することができる。この場合、照明側絞り部材74および検出側絞り部材82はそれぞれ、照明側絞り駆動部76および検出側絞り駆動部84に、光軸Axと垂直な方向に1次元的に移動可能に保持される。すなわち、照明光の入射角を変化させるため、照明側絞り部材74の移動によって、照明側絞り部材74の開口部75が、光軸Axと垂直な方向に直線移動(対物レンズ61の射出瞳面もしくは射出瞳面と共役な面と平行な軸に沿って移動)する。また、受光角を変化させるため、検出側絞り部材82の移動によって、検出側絞り部材82の開口部83が、光軸Axと垂直方向に直線移動(対物レンズ61の射出瞳面もしくは射出瞳面と共役な面と平行な軸に沿って移動)する。
なお、第4〜第6実施形態において、照明側絞り部材74および検出側絞り部材82はそれぞれ、照明側絞り駆動部76および検出側絞り駆動部84に、光軸Axと垂直な方向に2次元的に移動(対物レンズ61の射出瞳面もしくは射出瞳面と共役な面と平行な軸に沿って移動)可能に保持されているが、これに限られるものではない。例えば、開口部の形状(または大きさ)が異なる複数の照明側絞り部材を設けて、複数の照明側絞り部材のうちいずれか一つを選択的に光路上に挿入するようにしてもよい。また、開口部の形状(または大きさ)が異なる複数の受光側絞り部材を設けて、複数の受光側絞り部材のうちいずれか一つを選択的に光路上に挿入するようにしてもよい。なお、複数の照明側絞り部材および複数の受光側絞り部材は、開口幅調整部材として例えば、リボルバー型の保持部材に回転自在に保持される。
なお、第4〜第6実施形態において、照明光としてレーザー光を用いるようにしてもよい。この場合、例えば、図23に示すように、照明ユニット72の代わりにレーザー照射装置720が設けられ、照明側絞り部材74および照明側絞り駆動部76の代わりに照明
光移動部721が設けられる。照明光移動部721は、固定ミラー722と、可動ミラー723と、ミラー駆動部724とを有して構成される。固定ミラー722は、対物レンズ61の射出瞳面もしくは射出瞳面と共役な面における光軸Ax上に設けられ、レーザー照射装置720から射出されて光軸Axに沿って進むレーザー光を垂直方向に反射させる。可動ミラー723は、対物レンズ61の射出瞳面もしくは射出瞳面と共役な面上に設けられ、固定ミラー722で反射したレーザー光をハーフミラー62に向けて反射させる。ミラー駆動部724は、固定ミラー722に対して接近もしくは離間(対物レンズ61の射出瞳面もしくは射出瞳面と共役な面と平行な軸に沿って移動)するように可動ミラー723を移動させる。これにより、可動ミラー723で反射するレーザー光の反射位置が変わるので、対物レンズ61の射出瞳面もしくは射出瞳面と共役な面を通過するレーザー光の位置を変化させることができる。そのため、照明側絞り部材74および照明側絞り駆動部76を用いずに、ウェハ10の表面へのレーザー光(照明光)の入射角を変化させることができる。
この場合、固定ミラー722および可動ミラー723を光軸Ax中心に回転させるミラー回転部(図示せず)を設けてもよい。これにより、可動ミラー723で反射するレーザー光の反射位置が回転変位するため、ウェハ方位角度を調整することができる。また、ミラー回転部を設けずに、ステージ55が、ウェハ10の回転対称軸(ステージ55の中心軸)を中心に、ウェハ10を回転可能に支持してもよい。これにより、ステージ55の回転駆動によりウェハ方位角度を調整することができる。
さらに、照明光として2つのレーザー光を用いるようにしてもよい。入射方向が90度異なる2つのレーザー光を用いるようにすれば、ウェハ上の縦方向の繰り返しパターンと横方向の繰り返しパターンを短時間で検出することができる。
なお、第4〜第6実施形態において、結像レンズ85の代わりにリレーレンズ(図示せず)を設け、撮像装置86により検出側絞り部材82が配置された対物レンズ61の射出瞳面もしくは射出瞳面と共役な面を撮像するようにしてもよい。すなわち、対物レンズ61の射出瞳面もしくは射出瞳面と共役な面において撮像装置86で検出された信号強度を利用して、画像処理部91でウェハ10の合成回折画像を生成し、検査パターンの加工条件を判定するようにしてもよい。
なお、第6実施形態のステップST513において、画像処理部91で求められた第1および第2基準フォーカスカーブに関するデータは、第3実施形態と同様に、近似曲線の式に関するデータであってもよく、データマップであってもよい。また、画像処理部91で求められた第1および第2基準ドーズカーブに関するデータは、第3実施形態の場合と同様に、近似曲線の式に関するデータであってもよく、データマップであってもよい。
なお、第6実施形態のステップST504において、第3実施形態と同様に、複数の照明光の波長を設定し、(1)式に基づいて、ステップST513で、第1のフォーカス判定用回折条件と回折光の次数及びパターンのピッチが同じで、照明光の入射角、回折光の射出角(回折光の受光角)、及び照明光の波長が異なる第2のフォーカス判定用回折条件を求めてもよい。また、同様にステップST513において、第1のドーズ判定用回折条件と回折光の次数及びパターンのピッチが同じで、照明光の入射角、回折光の射出角(回折光の受光角)、及び照明光の波長が異なる第2のドーズ判定用回折条件を求めてもよい。
さらに、第1および第2のフォーカス判定用回折条件は、第3実施形態と同様に、照明光の入射角、回折光の射出角(回折光の受光角)、及び照明光の波長に加え、回折光の次数及びパターンのピッチが異なってもよく、フォーカスの変化に対する回折光の信号強度
の変化の仕方が異なる条件であればよい。また同様に、第1および第2のドーズ判定用回折条件は、照明光の入射角、回折光の射出角(回折光の受光角)、及び照明光の波長に加え、回折光の次数及びパターンのピッチが異なってもよく、ドーズの変化に対する回折光の信号強度の変化の仕方が異なる条件であればよい。
なお、第4〜第6実施形態において、ウェハ10(良品ウェハ10g、FEMウェハ10を含む)を照明する照明光の波長は、第1〜第3実施形態と同様に、検査対象のウェハ上の検査パターンを加工する際の露光装置の露光波長に近い方にしてもよい(露光波長と同じ波長が最適)。
なお、第4〜第6実施形態における条件出しを行うステップ(ステップST100,ST300,ST500)において、撮像装置86は、1枚のFEMウェハ10fを利用して、ステップST109,ST309,ST509で求めた複数の回折条件の候補でFEMウェハ10fの合成回折画像を撮像したが、第1〜第3実施形態と同様に、複数枚のFEMウェハを用いてもよい。
なお、第4〜第6実施形態における加工条件の判定を行うステップ(ステップST200,ST400,ST600)において、検査判定部93は、検査パターンに対する露光時のフォーカスオフセット量及び露光時のドーズオフセット量を求めることで加工条件を判定するが、第1〜第3実施形態と同様に、検査判定部93が、求めたフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量を異常でないかどうか検査することで、検査パターンの加工条件を判定してもよい。
なお、第4〜第6実施形態における加工条件の判定を行うステップ(ステップST200,ST400,ST600)において、検査判定部93は、検査パターンに対する露光時のフォーカス条件およびドーズ条件として、フォーカスオフセット量およびドーズオフセット量を求めることで加工条件を判定するが、第1〜第3実施形態と同様に、求めるフォーカス条件およびドーズ条件は、フォーカス量およびドーズ量(絶対値)としてもよい。
なお、第4〜第6実施形態における加工条件の判定を行うステップ(ステップST200,ST400,ST600)において、検査判定部93により判定された検査パターンのフォーカスセット量及ドーズオフセット量は、図示しない表示装置に表示されたが、これに限られない。例えば、画像処理部91は、検査判定部93が画素ごとに求めたフォーカスオフセット量をそれぞれ当該画素での信号強度に変換した検査対象のウェハ10の画像を生成し、図示しない表示装置に表示させてもよい。また、画像処理部91は、検査判定部93が画素ごとに求めたドーズオフセット量をそれぞれ当該画素での信号強度に変換した検査対象のウェハ10の画像を生成し、図示しない表示装置に表示させてもよい。なお、表示装置は、顕微鏡装置51に構成されたものを使用してもよく、顕微鏡装置51の外部(例えば、半導体製造ラインの管理室等)に設けられて接続されたものを使用してもよい。
なお、上述の第1実施形態および第4実施形態において、記憶部42、記憶部92に記憶するライブラリーデータT1(b1j,f1j,d1j),T2(b2j,f2j,d2j)は、フォーカスオフセット量とドーズオフセット量をMステップで離散的に変化させた際の撮像装置36、撮像装置86の信号強度を使用して作成したが、フォーカスオフセット量及びドーズオフセット量は離散的に変化させなくてもよい。例えば、フォーカスオフセット量とドーズオフセット量を連続的に変化させた際の撮像装置36、撮像装置86の信号強度を使用してライブラリーデータを作成してもよい。この場合、加工条件を判定するステップ(ST200)で、ライブラリーデータT1,T2から、検査対象の基板(検査パターン)
から検出された信号強度により近いデータを参照することができるため、検査パターンの加工条件の判定精度を向上させることができる。
なお、上述の第1〜第6実施形態において、記憶部42および記憶部92は、各実施形態に係る検査装置の内部に設けてもよいし、検査装置の外部に設けてもよい。検査装置の外部に設ける場合は、例えば、各実施形態に係る検査装置の横に設置してもよいし、半導体製造工場内の所定のサーバーに設けてもよい。
なお、上述の第1〜第6実施形態において、ロジックICにおけるパターンの加工条件を判定しているが、これに限られるものではなく、メモリICにおけるパターンの加工条件を同様に判定することも可能である。
なお、上述の第1〜第6実施形態において、条件出しを行うステップと、加工条件の判定を行うステップとを連続的に実行しているが、これに限られるものではない。例えば、条件出しを行うステップだけを予め実行しておき、ウェハ10に対する露光・現像が行われた後に、適宜、加工条件の判定を行うステップを実行するようにしてもよい。
また、上述の表面検査装置1では、検査判定部43で求めたフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量に関するデータを、主制御部45により出力部46を介して露光装置101に出力し、露光装置101の設定にフィードバックすることができる。そこで、上述の表面検査装置1を備えた露光システムについて、図24を参照しながら説明する。この露光システム100は、レジストが塗布されたウェハ10の表面に所定のマスクパターン(繰り返しパターン)の像を投影してウェハ10上のレジストを露光する露光装置101と、露光装置101による露光工程および現像装置(図示せず)による現像工程等を経て、表面に繰り返しパターン12が形成されたウェハ10の検査を行う表面検査装置1とを備えている。
露光装置101は、図24に示すように、マスクMを光ELで照明する照明光学系110と、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ120と、光ELで照明されたマスクMのパターンの像を所定の縮小倍率でウェハ10に投影する投影光学系130と、ウェハ10を保持して移動可能な基板ステージ150と、露光装置101の各要素及び全体の動作を制御する制御装置200とで構成されている。これらの構成により、ウェハ10を保持した基板ステージ150とマスクMを保持したマスクステージ120とを1次元方向に同期移動させて、マスクMのパターンの像をウェハ10に順次投影する動作を繰り返し、ウェハ10の表面に塗布されたレジストを露光していく。
以上の露光装置101による露光工程が実施されると、現像装置(図示せず)による現像工程等を経て、表面検査装置1により、表面に繰り返しパターン12が形成されたウェハ10の表面検査を行う。またこのとき、表面検査装置1の検査判定部43は、前述のようにして、検査対象のウェハ10の表面に形成された検査パターンの露光時のフォーカス条件(フォーカスオフセット量)およびドーズ条件(ドーズオフセット量)を判定し、主制御部45から出力部46および接続ケーブル(図示せず)等を介して、求めたフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量に関するデータを露光装置101に出力する。そして、露光装置101の制御装置200に設けられた補正処理部210は、表面検査装置1から入力されたフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量に関するデータに基づいて、ウェハ10の表面に対する露光時のフォーカス量およびドーズ量が所望の量(例えば、ベストフォーカス量およびベストドーズ量)となるように、露光装置101のフォーカスおよびドーズに関する各種設定パラメータや光学素子の配置状態を補正する。
これにより、本実施形態の露光システム100によれば、第1実施形態に係る表面検査
装置1から入力された露光時のフォーカス条件及びドーズ条件に応じて、露光装置101のフォーカスおよびドーズの設定を補正するため、短時間で精度よく計測されたフォーカス条件及びドーズ条件に基づいた補正が可能となり、露光装置101のフォーカスおよびドーズの設定をより適切に行うことができる。
本実施形態の露光システム100において、表面検査装置1によりフォーカス条件及びドーズ条件を判定し、判定したフォーカス条件及びドーズ条件のデータを露光装置101にフィードバックするフローについて、図25を参照しながら説明する。まず、露光装置101が前述のようにウェハ10の表面に塗布されたレジストを露光する(ステップST701)。露光装置101による露光工程が実施されると、現像装置(図示せず)による現像工程等を経て、表面に繰り返しパターン12が形成されたウェハ10が搬送装置(図示せず)によって表面検査装置1へ搬送される(ステップST702)。次に、表面検査装置1の検査判定部43は、前述のようにして、検査対象のウェハ10の表面に形成された検査パターンの露光時のフォーカス条件(フォーカスオフセット量)およびドーズ条件(ドーズオフセット量)を判定する(ステップST703)。次に、表面検査装置1の検査判定部43は、主制御部45から出力部46および接続ケーブル(図示せず)等を介して、フォーカスオフセット量およびドーズオフセット量に関するデータを、露光装置101に出力する(ステップST704)。露光装置101の補正処理部210は、表面検査装置1から入力されたフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量に関するデータに基づいて、露光装置101のフォーカスおよびドーズに関する各種設定パラメータや光学素子の配置状態を補正する。(ステップST705)。
なお、本実施形態の露光システム100において、第1〜第3実施形態に係る表面検査装置1を用いたが、これに限られるものではない。例えば、表面検査装置1の代わりに第4〜第6実施形態に係る顕微鏡装置51を用いて、検査判定部93で求めたフォーカスオフセット量およびドーズオフセット量に関するデータを、主制御部95により出力部96を介して露光装置101に出力し、露光装置101の設定にフィードバックしてもよい。
続いて、このような露光システム100を用いたデバイス製造方法について説明する。ここでは、一例としてデバイスに半導体材料を使用した半導体デバイスの製造方法について図26を参照しながら説明する。半導体デバイス(図示せず)は、デバイスの機能・性能設計を行う設計工程(ステップST801)、この設計工程に基づいたマスクを製作するマスク製作工程(ステップST802)、シリコン材料からウェハを製作するウェハ製作工程(ステップST803)、露光等によりマスクのパターンをウェハに転写する(露光工程、現像工程等を含む)リソグラフィー工程(ステップST804)、デバイスの組み立てを行う(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程等を含む)組立工程(ステップST805)、デバイスの検査を行う検査工程(ステップST806)等を経て製造される。
ここで、リソグラフィー工程の詳細について、図27を参照しながら説明する。まず、ウェハを用意(ステップST901)し、不図示のスピンコータ等の塗布装置を用いて、ウェハ表面にレジストを所定の厚さとなるように塗布する(ステップST902)。このとき、塗布の終了したウェハに対し、塗布装置内の乾燥装置でレジストの溶剤成分を蒸発させ、成膜を行う。レジストが成膜されたウェハを不図示の搬送装置により露光装置101に搬送する(ステップST903)。露光装置101に搬入されたウェハは、露光装置101に備わっているアライメント装置によりアライメントされる(ステップST904)。アライメントの終了したウェハに、マスクのパターンを縮小露光する(ステップST905)。露光の終了したウェハを露光装置101から不図示の現像装置に移送し、現像を行う(ステップST906)。現像の終了したウェハを表面検査装置1でセットし、前述のように露光装置101による露光時のフォーカス条件およびドーズ条件の判定を行う
(ステップST907)。検査で予め決められた基準以上に不良(異常)が発生しているウェハはリワーク(再生処理)に回され、不良(異常)が基準未満のウェハは、エッチング処理等の後処理をされる。なお、ステップST907で求められた露光装置101のフォーカス条件およびドーズ条件は、露光装置101にフォーカスおよびドーズの設定の補正のためにフィードバックされる(ステップST908)。
本実施形態のデバイス製造方法では、リソグラフィー工程において、前述の実施形態に係る露光システム100を用いてパターンの露光を行う。すなわち、前述したように、露光装置101による露光工程が実施されると、現像装置(図示せず)による現像工程等を経て、表面検査装置1により、表面に繰り返しパターン12が形成されたウェハ10の表面検査を行う。このとき、表面検査装置1によって露光時のフォーカス条件およびドーズ条件(フォーカスオフセット量およびドーズオフセット量)が判定され、露光装置101では、表面検査装置1から入力された露光時のフォーカス条件およびドーズ条件に応じて、露光装置101のフォーカスおよびドーズの設定が補正される。このように、本実施形態のデバイス製造方法によれば、露光時のフォーカス条件およびドーズ条件を短時間で精度よく計測することができるので、露光装置101のフォーカスおよびドーズの設定をより適切に行うことが可能となり、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
なお、本実施形態のデバイス製造方法では、特に半導体デバイスの製造方法について説明したが、本実施形態のデバイス製造方法は、半導体材料を使用したデバイスの他、例えば液晶パネルや磁気ディスクなどの半導体以外の材料を使用したデバイスの製造にも適用することができる。
1 表面検査装置(検査装置)
10 ウェハ(10f FEMウェハ、10g 良品ウェハ)
21 照明系(照明部) 30 検出部
41 画像処理部 42 記憶部
43 検査判定部(演算部)
51 顕微鏡装置(検査装置)
61 対物レンズ 62 ハーフミラー
71 照明系(照明部) 80 検出部
91 画像処理部 92 記憶部
93 検査判定部(演算部)
100 露光システム 101 露光装置

Claims (30)

  1. 既知のフォーカス条件及び既知の露光量条件で形成された基準パターンを有する基板の表面を照明する照明部と、
    前記照明部の照明により、前記基準パターンを有する基板の表面からの回折光に応じた基準信号を検出する検出部と、
    検査パターンが形成された基板の表面が前記照明部により照明され、該検査パターンが形成された基板の表面からの回折光に応じて前記検出部で検出される検査信号と、前記既知のフォーカス条件及び前記既知の露光量条件と前記基準信号の関係を示す特性とに基づいて、該検査パターンのフォーカス条件及び露光量条件を判定する演算部とを備える検査装置。
  2. 前記特性は、前記既知のフォーカス条件と前記基準信号との関係を示し、かつ前記既知の露光量条件に対応したフォーカス特性と、
    前記既知の露光量条件と前記基準信号との関係を示し、かつ前記既知のフォーカス条件に対応した露光量特性とを含む請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記既知のフォーカス条件と前記基準信号との関係は、前記既知のフォーカス条件の変化に対する前記基準信号の変化を示し、
    前記既知の露光量条件と前記基準信号との関係は、前記既知の露光量条件の変化に対する前記基準信号の変化を示す請求項2に記載の検査装置。
  4. 前記演算部は、前記フォーカス特性と前記検査信号とに基づいて、前記検査パターンのフォーカス条件を判定し、前記露光量特性と前記検査信号とに基づいて、前記検査パターンの露光量条件を判定する請求項2または3に記載の検査装置。
  5. 前記演算部は、前記フォーカス特性と前記検査信号とに基づいて、前記検査パターンのフォーカス条件を判定するとともに、判定された前記検査パターンのフォーカス条件に対応する前記露光量特性と前記検査信号とに基づいて、前記検査パターンの露光量条件を判定する請求項2から4のいずれか一項に記載の検査装置。
  6. 前記演算部は、前記露光量特性と前記検査信号とに基づいて、前記検査パターンの露光量条件を判定するとともに、判定された前記検査パターンの露光量条件に対応する前記フォーカス特性と前記検査信号とに基づいて、前記検査パターンのフォーカス条件を判定する請求項2から4のいずれか一項に記載の検査装置。
  7. 前記演算部は、判定された前記検査パターンの露光量条件に対応する前記フォーカス特性と前記検査信号とに基づいて、前記検査パターンのフォーカス条件を再判定する請求項5に記載の検査装置。
  8. 前記演算部は、再判定された前記検査パターンのフォーカス条件に対応する前記露光量特性と前記検査信号とに基づいて、前記検査パターンの露光量条件を再判定する請求項7に記載の検査装置。
  9. 前記演算部は、判定された前記検査パターンのフォーカス条件に対応する前記露光量特性と前記検査信号とに基づいて、前記検査パターンの露光量条件を再判定する請求項6に記載の検査装置。
  10. 前記演算部は、再判定された前記検査パターンの露光量条件に対応する前記フォーカス特性と前記検査信号とに基づいて、前記検査パターンのフォーカス条件を再判定する請求
    項9に記載の検査装置。
  11. 前記照明部は、前記基準パターンを有する基板の表面と前記検査パターンが形成された基板の表面とをそれぞれ、第1の回折条件と該第1の回折条件とは異なる第2の回折条件とに基づいて照明する請求項1から10のいずれか一項に記載の検査装置。
  12. 前記第1の回折条件は、前記既知の露光量条件の変化に対する前記基準信号の変化に比べて前記既知のフォーカス条件の変化に対する前記基準信号の変化が大きくなる条件を含み、
    前記第2の回折条件は、前記既知のフォーカス条件の変化に対する前記基準信号の変化に比べて前記既知の露光量条件の変化に対する前記基準信号の変化が大きくなる条件を含む請求項11に記載の検査装置。
  13. 前記回折条件は、前記基板の表面へ入射する光の入射角と、前記基板の表面へ入射する光の波長と、前記基板の表面から反射して前記検出部へ入射する光の回折次数との少なくとも1つを含む請求項11または12に記載の検査装置。
  14. 前記特性を記憶する記憶部をさらに備える請求項1から13のいずれか一項に記載の検査装置。
  15. 基板の表面にパターンを形成することと、
    請求項1から14のいずれか一項に記載の検査装置で前記パターンのフォーカス条件及び露光量条件を判定することと、を含むデバイス製造方法。
  16. 既知のフォーカス条件及び既知の露光量条件で形成された基準パターンを有する基板の表面を照明し、
    照明により、前記基準パターンを有する基板の表面からの回折光に応じた基準信号を検出し、
    検査パターンが形成された基板の表面を照明し、
    照明により、前記検査パターンが形成された基板の表面からの回折光に応じた検査信号を検出し、
    前記既知のフォーカス条件及び前記既知の露光量条件と前記基準信号との関係を示す特性と、前記検査信号とに基づいて、前記検査パターンのフォーカス条件及び露光量条件を判定する検査方法。
  17. 前記特性は、前記既知のフォーカス条件と前記基準信号との関係を示し、かつ前記既知の露光量条件に対応したフォーカス特性と、
    前記既知の露光量条件と前記基準信号との関係を示し、かつ前記既知のフォーカス条件に対応した露光量特性とを含む請求項16に記載の検査方法。
  18. 前記既知のフォーカス条件と前記基準信号との関係は、前記既知のフォーカス条件の変化に対する前記基準信号の変化を示し、
    前記既知の露光量条件と前記基準信号との関係は、前記既知の露光量条件の変化に対する前記基準信号の変化を示す請求項17に記載の検査方法。
  19. 前記フォーカス特性と前記検査信号とに基づいて、前記検査パターンのフォーカス条件を判定し、前記露光量特性と前記検査信号とに基づいて、前記検査パターンの露光量条件を判定する請求項17または18に記載の検査方法。
  20. 前記フォーカス特性と前記検査信号とに基づいて、前記検査パターンのフォーカス条件
    を判定するとともに、判定された前記検査パターンのフォーカス条件に対応する前記露光量条件と前記検査信号とに基づいて、前記検査パターンの露光量条件を判定する請求項17から19のいずれか一項に記載の検査方法。
  21. 前記露光量特性と前記検査信号とに基づいて、前記検査パターンの露光量条件を判定するとともに、判定された前記検査パターンの露光量条件に対応する前記フォーカス条件と前記検査信号とに基づいて、前記検査パターンのフォーカス条件を判定する請求項17から19のいずれか一項に記載の検査方法。
  22. 判定された前記検査パターンの露光量条件に対応する前記フォーカス特性と前記検査信号とに基づいて、前記検査パターンのフォーカス条件を再判定する請求項20に記載の検査方法。
  23. 再判定された前記検査パターンのフォーカス条件に対応する前記露光量特性と前記検査信号とに基づいて、前記検査パターンの露光量条件を再判定する請求項22に記載の検査方法。
  24. 判定された前記検査パターンのフォーカス条件に対応する前記露光量特性と前記検査信号とに基づいて、前記検査パターンの露光量条件を再判定する請求項21に記載の検査方法。
  25. 再判定された前記検査パターンの露光量条件に対応する前記フォーカス特性と前記検査信号とに基づいて、前記検査パターンのフォーカス条件を再判定する請求項24に記載の検査方法。
  26. 前記基準パターンを有する基板の表面と前記検査パターンが形成された基板の表面とをそれぞれ、第1の回折条件と該第1の回折条件とは異なる第2の回折条件とに基づいて照明する請求項16から25のいずれか一項に記載の検査方法。
  27. 前記第1の回折条件は、前記既知の露光量条件の変化に対する前記基準信号の変化に比べて前記既知のフォーカス条件の変化に対する前記基準信号の変化が大きくなる条件を含み、
    前記第2の回折条件は、前記既知のフォーカス条件の変化に対する前記基準信号の変化に比べて前記既知の露光量条件の変化に対する前記基準信号の変化が大きくなる条件を含む請求項26に記載の検査方法。
  28. 前記回折条件は、前記基板の表面へ光が入射する入射角と、前記基板の表面へ入射する光の波長と、前記基板の表面から反射して前記検出部へ入射する光の回折次数との少なくとも1つを含む請求項26または27に記載の検査方法。
  29. 前記特性を記憶することを含む請求項16から28のいずれか一項に記載の検査方法。
  30. 基板の表面にパターンを形成することと、
    請求項16から29のいずれか一項に記載の検査方法で前記パターンのフォーカス条件及び露光量条件を判定することと、を含むデバイス製造方法。
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