JP2013204395A - モルタル壁の補修方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】モルタル壁のクラックの奥に生じた防水シートの断裂部分を効率よく補修でき、モルタル壁の止水性を簡便且つ確実に回復させることができるモルタル壁の補修方法を提供すること。
【解決手段】本発明のモルタル壁の補修方法は、モルタル層17に生じたクラック18を介して、シーリング材19を、該モルタル層17の裏側に配された防水シート13に達するように注入し、シーリング材19により、防水シート13の断裂部分13cを閉塞することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、モルタル壁の補修方法に関し、詳しくは、モルタル壁のクラックの奥に生じた防水シートの断裂部分を効率よく補修可能なモルタル壁の補修方法に関する。
モルタル壁として、例えばモルタル外壁は、耐火性能に優れた外壁として知られており、モルタル外壁は、例えば柱、間柱等の外壁骨組部材に支持させて壁下地用面材を取り付けると共に、壁下地用面材の表面を覆って防水シートを取り付け、さらに防水シートの表面にラス網を取り付けた後に、ラス網に支持させるようにしてモルタルを敷設し、モルタルが硬化したら、これの表面に外壁仕上材を塗布することによって形成されるのが一般的である。
防水シートとしては、アスファルトを紙や不織布等の基材に含浸硬化させてなるアスファルトフェルト等が用いられているが、地震の大きな揺れなどにより建物のモルタル壁にクラックが生じた場合には、該クラックの奥のアスファルトフェルトにも断裂が生じることがあり、アスファルトフェルトによる止水機能が損なわれて、壁内や屋内への漏水が生じ易くなる。
従来、このようなアスファルトフェルトの断裂部分を補修するには、モルタル部分(モルタル層)を剥がして、アスファルトフェルトを補修ないし再施工する必要があるが、モルタル部分(モルタル層)を壊して修理すると手間が掛かる上に工期も長期化する。
一方、コンクリートやモルタルに生じたクラック(ひび割れ)の補修方法として、種々の技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の補修方法では、モルタル等の亀裂部分に予め硬化刺激材を注入し、しかる後に硬化刺激材以外の補修用組成物成分の混練物を注入することで、クラックを閉塞するようになっており、また亀裂部分に硬化刺激材や補修用組成物成分を注入する方法として、自然にしみ込ます方法、流し込み方法、擦り込み塗装方法、コーキングガン等を用いた圧入方法等が採用されるようになっている。
しかしながら、クラックにシーリング材を充填する従来の方法においては、シーリング材を、防水シートの断裂部分に到達させ、該シートに強固に結合させることは困難であり、漏水が再発する恐れがある。
特開平10−265256号公報
従って、本発明の目的は、モルタル壁のクラックの奥に生じた防水シートの断裂部分を効率よく補修でき、モルタル壁の止水性を簡便且つ確実に回復させることができるモルタル壁の補修方法を提供することにある。
本発明は、モルタル層に生じたクラックを介して、シーリング材を、該モルタル層の裏側に配された防水シートに達するように注入し、該シーリング材により、該防水シートの断裂部分を閉塞することを特徴とするモルタル壁の補修方法を提供することにより、上記の目的を達成したものである。
本発明のモルタル壁の補修方法によれば、モルタル壁のクラックの奥に生じた防水シートの断裂部分を効率よく補修でき、モルタル壁の止水性を簡便且つ確実に回復させることができる。
本発明のモルタル壁の補修方法が適用されるモルタル外壁の一例(クラックのない部分)を示す断面図である。 本発明のモルタル壁の補修方法が適用されるモルタル外壁の一例(クラックがある部分)を示す断面図である。 図2に示すモルタル壁に、本発明の第1実施態様により、クラックを介してシーリング材を注入する様子を示す断面図(図2相当図)である。 本発明の第1実施態様により、クラック上に被覆層及び孔を形成したモルタル外壁の一部の斜視図である。 本発明の第1実施態様により、クラック上に被覆層及び孔を形成する手順を説明する説明図である。 本発明の第2実施態様により、クラック上に被覆層及び孔を形成したモルタル外壁の一部の斜視図である。 図2に示すモルタル壁に、本発明の第3実施態様により、クラックを介してシーリング材を注入する様子を示す断面図(図3相当図)である。 本発明の他の好ましい実施態様を示すモルタル壁の斜視図である。
以下、本発明をその好ましい実施態様に基づいて詳細に説明する。
本発明の好ましい第1実施態様に係るモルタル壁の補修方法は、例えば図1に示すような構成のモルタル外壁10に、クラック18が生じた場合の補修方法として採用することができる。
図1に示すモルタル外壁10は、好ましくは標準仕様の防火構造を備えるものであり、外壁骨組部材11に支持させて壁下地用面材12を取り付けると共に、壁下地用面材12の表面を覆ってアスファルトフェルト13(防水シート)を取り付け、さらにアスファルトフェルト13の表面にラス網14を取り付けた後に、ラス網14に支持させるようにしてモルタル15を敷設し、モルタル15が硬化した後、これの表面に外壁仕上材16を塗布することによって形成されるものである。
本実施態様で補修するモルタル外壁10は、図2に示すように、硬化したモルタル15からなるモルタル層17にクラック18が生じていると共に、モルタル層17の裏面17b側に位置するアスファルトフェルト13に断裂した部分13cが生じている。アスファルトフェルト13の断裂部分13cは、モルタル外壁10が地震による大きな揺れを受けてモルタル層17にクラック18が生じるのと同時に生じたものであり、クラック18と重なる位置に該クラック18に沿って延在している。
アスファルトフェルト13に断裂部分13cが存在することにより、アスファルトフェルト13による止水性が損なわれて、壁内や屋内への漏水が生じ易くなる。本実施態様のモルタル壁の補修方法によれば、このようなアスファルトフェルト13の断裂部分を補修して、モルタル壁の止水性を回復させることができる。
アスファルトフェルト13の断裂は、モルタル層17に比較的幅の広いクラック18が生じるときに生じ易い。そのため、例えば、クラック18の幅Wが0.3〜5.0mm、特に0.3〜3.0mm或いは0.5〜2.0mmである場合に、本発明のモルタル壁の補修方法を特に採用することが好ましい。ここでいうクラックの幅Wは、モルタル壁の外面(特にモルタル層17の外面17a)におけるクラックの長手方向と直交する方向の長さである(図2参照)。
第1実施態様のモルタル壁の補修方法においては、図3に示すように、モルタル層17に生じたクラック18を介して、シーリング材19を、該モルタル層17の裏側に配されたアスファルトフェルト13に達するように注入し、そのシーリング材19により、アスファルトフェルト13の断裂部分13cを補修する。
シーリング材19の注入は、シーリング材19が、アスファルトフェルト13の断裂部分13cを挟むその両側部分13a,13bに接触し、それらの両部分13a,13bと結合して、断裂部分13cを閉塞するように行う。
第1実施態様のモルタル壁の補修方法においては、シーリング材19の注入に先立ち、図4に示すように、クラック18を被う被覆層31及び該被覆層31を貫通する孔32を形成する。被覆層31の孔32は、周囲を全周に亘って被覆層31に囲まれたものに限られず、図4に示す孔32のように、クラック18の長手方向において隣り合う被覆層31間に形成された隙間であっても良い。被覆層31の孔32は、クラック18の長手方向の長さL1が15mm以下、特に10mm以下であることが好ましい。
第1実施態様のモルタル壁の補修方法の好ましい操作手順を具体的に説明すると、先ず図5(a)に示すように、クラック18の周辺の外壁仕上材16(塗膜等)を除去し、外壁仕上材16を除去した部分に、クラック18に沿ってマスキングテープ32A(マスキング材)を間欠的に貼り付ける。外壁仕上材16の除去には、例えば、ワイヤブラシ、サンドペーパー、工具等を用いることができる。マスキング材の配置ピッチL2(クラック18の長手方向に沿って測定したマスキング材の中心間距離)は、例えば10〜200mmであり、好ましくは20〜100mmである。マスキングテープ32Aは、例えば、幅が3〜20mmのものを用いる。
次いで、図5(b)に示すように、クラック18に沿って被覆層形成材31Aを塗布する。被覆層形成材31Aとしては、塗布後に硬化して、クラック18の両側に跨がる被覆層31であって、クラック18の内部にシーリング材19を充填する空間を有するものを形成可能なものを特に制限なく用いることができる。被覆層形成材31Aとしては、モルタルやコンクリートの補修材(但し、硬化前は不定形のもの)等を用いることができるが、単独で、クラック18内の全体を埋めるものは含まれない。被覆層形成材31Aとしては、セメントを結合材とするものや、合成樹脂を結合材とするもの等を用いることができる。また、セメント及び合成樹脂を含むものも好ましく、そのような被覆層形成材としては、例えば、菊水化学工業株式会社製のポリマーセメント系鉄筋防錆兼下地調整塗材「BR−AD」等を用いることができる。セメントを含む被覆層形成材(組成物)は、砂等の骨材や水を含むものであっても良いし、砂等を含まずに水を含むものであっても良い。被覆層形成材の塗布方法としては、ロール塗り、刷毛塗り、ヘラ塗り、コテ塗り等、任意の方法を採用できる。
そして、被覆層形成材31Aが硬化したら、マスキングテープ32Aを剥がし、それにより生じた孔32を介して、図3に示すようにして、シーリング材19を注入する。
マスキングテープ32Aの下にも被覆層形成材31Aが入り込み、マスキングテープ32Aを剥がしたのみでは、孔32が形成されない場合には、釘等を突き刺したり、ドリル等の手動又は電動の工具を用いて孔32を開ける。釘や工具等を補足的に使用して孔を開ける場合も、マスキング材を除去して孔を形成する場合に該当する。また、釘や工具等を用いて、孔32の部分のクラック幅を部分的に拡大しても良い。
また、マスキングテープを用いる方法に代えて、連続的に形成した被覆層31に、釘やドリル等の工具を用いて孔32を形成してもよい。マスキングテープを使用して孔32を形成する方法と、釘や工具を用いて孔を形成する方法とを併用することもできる。
シーリング材19の注入には、いわゆるコーキングガン(レバーを引いて内容物を押し出すもの等)を用いることが好ましい。図3には、シーリング材19が内部に収容されたカートリッジ27、該カートリッジ27に装着された吐出ノズル26及びカートリッジ式のコーキングガン(図示省略)からなる注入具25が示されている。吐出ノズル26は、カートリッジ27と脱着不可能に一体化されていても良い。
シーリング材19の注入は、吐出ノズル26を有する注入具25を用いて行うことが好ましい。また、吐出ノズル26を有する注入具25を用いて注入する場合、図3に示すように、吐出ノズル26の先端部に、環状のシール部材33を装着し、ノズル26の周囲からシーリング材19が漏れ出さないようにして注入操作を行うことが好ましい。シール部材33は、シリコンゴム等のゴム製であることが好ましい。
第1実施態様のモルタル壁の補修方法によれば、クラック18を介してシーリング材19を注入し、そのシーリング材19によりアスファルトフェルト13の断裂部分13cを閉塞するため、アスファルトフェルト13の断裂部分13cの補修を簡便にできると共にアスファルトフェルト13による止水性を回復させることができる。
しかも、被覆層31により、シーリング材19を、クラック18のモルタル壁の外面側の開口部を被覆層31で閉鎖して注入するため、シーリング材19がクラック18の奥に効率よく広がり、アスファルトフェルト13の断裂部分13cをシーリング材19により一層確実に閉塞することができる。シーリング材19の注入は、クラック18に沿う方向に複数の孔32を形成し、該方向において隣り合う2つの孔32の一方から注入し、他方の孔32から漏れ出るまで行うことが好ましい。また、注入したシーリング材19が硬化した後には、被覆層31や外壁仕上材16を剥がした部分に、他の部分と同様の外壁仕上材16を塗布して仕上げることが好ましい。注入したシーリング材19が硬化した後に被覆層31を除去して外壁仕上材16の塗布等を行っても良い。外壁仕上材16としては、各種の塗料、リシン、弾性リシン等が挙げられる。塗料としては、アクリル樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料、アクリルシリコン樹脂塗料、フッ素樹脂塗料、各種公知の塗料を特に制限なく用いることができる。塗料は、同種又は異種のものを下塗り、中塗り、上塗り等として、塗り重ねても良い。
シーリング材としては、ウレタン樹脂系のシーリング材、変性シリコーン系のシーリング材等、コンクリートやモルタルのクラックの補修に従来用いられている各種のシーリング材を特に制限なく用いることができるが、ウレタン樹脂系のシーリング材を用いることが、硬化後のシーリング材が適度な弾性を発現し、回復させた止水性がより長期間維持され易くなる点から好ましく、特に湿気硬化型のウレタン樹脂系のシーリング材を用いることが好ましい。
また、シーリング材は、防水シート(アスファルトフェルト等)と接触した状態で硬化することにより、該防水シート(アスファルトフェルト等)と結合可能なものを用いることが好ましい。
特に、アスファルトフェルトの断裂部分を補修する観点から、アスファルトフェルトに対する接着性(結合力)が高いものを用いることが好ましい。例えば、下記の接着性試験による接着性の評価結果が○のものを用いることが好ましい。
<接着性試験>
水平面上に配したアスファルトフェルト上に、厚み2mmのバッカー材で2cm×5cmの矩形状の枠をつくり、枠内にシーリング材を流し込む(シーリング材の厚みも2mm)。3日間養生後に、硬化したシーリング材を、その長手方向の端部を指で摘んで引っ張りアスファルトフェルトから引き剥がした。引き剥がす際に生じるアスファルトフェルトの破損の程度を目視にて観察し、シートの一部に破損が生じた場合を○、硬化したシーリング材が簡単に剥離し、アスファルトフェルトに全く又は殆ど破損が認められない場合を×とした。
アスファルトフェルトとしては、例えば田島応用化工株式会社製の、JIS A 6005(アスファルトルーフィングフェルト)に適合する「アスファルトフェルト430」を用いる。
ウレタン樹脂系のシーリング材としては、例えば、オート化学工業株式会社製の「オートンシーラー101NB(商品名)」等を用いることができる。
また、湿気硬化型のウレタン樹脂系のシーリング材としては、プレポリマー末端のイソシアネート基(NCO)と空気中の水分が反応して硬化する過程で生じる二酸化炭素のよる体積膨張やそれによりシール部表面の膨れを防止する観点から、二酸化炭素の吸収材や潜在性硬化剤が配合されているものを用いることも好ましい。
また、シーリング材は、粘度3〜100Pa・sに調整したものを用いることが、シーリング材の注入後の流落防止の観点から好ましい。
<粘度の測定方法>
B型粘度計を用いて、温度:25℃、使用ローター:No.4、回転数:200rpmの条件で測定した粘度である。
シーリング材の粘度の調整には、従来、シーリング材の希釈に使用されている各種の溶剤を用いることができるが、アスファルトフェルトと接触したときに、アスファルト難溶解性の溶媒を用いることが好ましい。アスファルト難溶解性という表現には、アスファルトフェルトのアスファルトを溶解させないものと、僅かに溶解させるがその程度が小さいものが含まれる。
アスファルト難溶解性の溶媒としては、ジメチルカーボネート(DMC)等のエステル系の溶剤が挙げられ、これらの中でも、地球環境対策として有害物質などを含まないことやウレタンとの相性も良いことからDMCが好ましい。
アスファルトフェルトは、アスファルトを、動植物又は鉱物の繊維でつくった基材シートに含浸させてなるものであり、モルタル壁の防水シートとして従来使用されている各種のものを特に制限なく用いることができる。アスファルトは、非改質でも良いし、アスファルトにポリマー等を添加し機能を向上させた改質アスファルトでも良い。また、基材シートが紙又はフェルト製である場合に、モルタル層にクラックが生じるのと同時にアスファルトフェルトに断裂が生じやすいため、基材シートが紙又はフェルト製である場合に本発明を用いる有用性が高い。
次に、本発明の第2実施態様について説明する。第2実施態様については、第1実施態様と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
第2実施態様のモルタル壁の補修方法においては、図6に示すように、クラック18を被うようにモルタル外壁10の外面に粘着テープ31Bを貼り付け、該粘着テープ31Bを被覆層31とする。そして、その被覆層31に設けた孔32を介してシーリング材19の注入を行う。
第2実施態様においても、クラック18を介してシーリング材19を注入し、そのシーリング材19によりアスファルトフェルト13の断裂部分13cを閉塞するため、アスファルトフェルト13の断裂部分13cの補修を簡便にできると共にアスファルトフェルト13による止水性を回復させることができる。
しかも、粘着テープ31Bからなる被覆層31により、シーリング材19を、クラック18のモルタル壁の外面側の開口部を被覆層31で閉鎖して注入するため、シーリング材19がクラック18の奥に効率よく広がり、アスファルトフェルト13の断裂部分13cをシーリング材19により一層確実に閉塞することができる。
粘着テープ31Bとしては、市販のガムテープや、粘着剤としてモルタル層や仕上材に対する接着性の高いものを採用した粘着テープを用いることができる。
粘着テープ31Bの孔32は、錐や釘等を突き刺して形成してもよく、それ以外の方法によって設けても良い。また、2枚の粘着テープを、両者の端部間に孔が生じるように並べて孔を形成してもよい。
次に、本発明の第3実施態様について説明する。第3実施態様については、第1実施態様と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
第3実施態様においては、図7に示すように、被覆層31を形成せずに、クラック18を介してのシーリング材19の注入を、外径3mm以下の注入管21を用いて行うことによって、シーリング材19を、アスファルトフェルト13の断裂部分13cに確実に到達させる。
図7に示す実施態様における注入管21は、注入具20の一部を構成しており、外径3mm以下の金属製の中空管である。
図7に示す注入具20は、注射器と同様の構成を有しており、注射針に相当する注入管21と、注射筒に相当する加圧装置22とを備えている。加圧装置22は、シーリング材19を注入管21の先端から吐出させるために内部に収容したシーリング材19を加圧可能に構成されている。図7に示す注入具20における注入管21は、接続部23を介して、加圧装置22と脱着可能に結合されているが、注入管21と加圧装置22とは一体成形等によって脱着不可能に形成されていても良い。なお、注入管21の先端は、医療用の注射針とは異なり、先端部が斜めにカットされている必要はない。
注入管21は、クラック18の奥まで挿入可能にする観点等から、外径が3mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがより好ましい。注入管21の外径は1mm以下であっても良い。注入管21の内径は、0.5mm以上、特に1.0mm以上であることが、注入操作の容易等の観点から好ましい。
また、外径が異なる複数の注入管21を用意しておき、現場等において、クラック18の幅Wに応じて、その幅未満の外径を有する注入管21を選択して用いることも好ましい。
また、注入管21は、その長さL3(好ましくは外径が、3mm以下、2mm以下又は1mm以下の部分の長さ)が、モルタル層17の厚みtの50%以上の長さであることが好ましく、より好ましくは該厚みtの75%以上である。注入管21の長さL3の上限値は特にないが、無駄に長いと操作性が低下したり抵抗の増大により注入に必要な押圧力が高まる等の不都合も生じ得るため、モルタル層17の厚みtの200%以内、特に該厚みtの150%以内であることが好ましい。
注入管21は、その長さL3(好ましくは外径が、3mm以下、2mm以下又は1mm以下の部分の長さ)が、100mm以上であることが好ましく、より好ましく50〜200mmである。
注入管21にシーリング材19を送る加圧装置22としては、手動式の加圧装置を用いることが好ましいが、シリンダー等を電気や油圧で駆動する電動式の加圧装置等を用いることもできる。手動式の加圧装置としては、コーキング剤用のコーキングガン(レバーを引いて内容物を押し出すもの)等を用いることもできる。
また、クラック18の幅Wが狭い場合(例えば幅Wが0.3〜3mmの場合、特に2mm以下の場合)、注入管21等を、クラック18の奥まで挿入することが困難な場合がある。そのような場合、図8に示すように、クラック18に、幅を部分的に広げた拡幅部24を形成し、該拡幅部24を介してシーリング材19を注入することも好ましい。このような拡幅部24の形成には、例えばドリルを用いることができる。また、クラック18に形成する拡幅部24の間隔P(図8参照)は、200mm以下であることが好ましく、100mm以下であることが好ましい。ここでいう間隔Pは、クラック18の長手方向に沿う方向の間隔であり、間隔PがXcm以下という場合には、図8に示すように、クラック18に複数の拡幅部24を有し、隣り合う拡幅部24の間隔P(中心点間距離)がXcm以下である場合と、クラック18に一つのみの拡幅部24を有するが、そのクラック18における、拡幅部24が連続して存在しない部分の長さがXcm以内である場合とが含まれる。
拡幅部24は、クラック18の長手方向に直交する方向の長さL4(断面円形の孔である場合は直径に同じ)が、該クラック18の幅W(拡幅部24以外の部分の幅、好ましくは拡幅部24の隣接部位の幅)の1.0倍超5.0倍以下、特に1.0倍超2.0倍以下であることが好ましい。また、拡幅部24の前記長さL4(図8参照)は、3mm超であることが好ましく、使用する注入管21の外径の1倍超であることが好ましい。
シーリング材19をクラック18の奥まで挿入可能にする観点等から、拡幅部24の深さが、モルタル層17の厚みtの25〜100%であることが好ましく、より好ましくは50〜100%である。
シーリング材19の注入は、クラック18が、モルタル層17の厚みtの半分以上がシーリング材で埋まるように行うことが好ましく、モルタル層17の厚みtの全体がシーリング材19で埋まるように行うことがより好ましい。また、注入したシーリング材19が硬化した後には、他の部分と同様の外壁仕上材16を塗布することが好ましい。
第3実施態様におけるシーリング材19の注入は、シーリング材19を、アスファルトフェルト13の断裂部分13cに確実に到達させる観点から、図7に示すように、モルタル層17の厚みtの半分以上の深さdまで挿入可能な注入管21を用いることが好ましい。また、その注入管21を、クラック18内に、モルタル壁の外面の開口部から挿入し、その注入管21の先端を、モルタル層17の厚みtの半分の位置17cより奥に位置させて、シーリング材19を注入することが好ましい。
また、シーリング材19の注入は、注入管21の先端を、モルタル層17の外面17aから該先端までの深さd(図7参照)が、モルタル層17の厚みtの25%〜120%となる位置に配して行うことが好ましく、前記深さdが、前記厚みtの50%〜120%なるように配して行うことがより好ましい。
なお、本発明は上記各実施態様に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、本発明の補修方法によって補修されるモルタル壁は、外壁である必要は必ずしもなく、内壁や仕切り壁等の他、基礎の立上り部の壁等であっても良い。また、シーリング材を、カートリッジ式のコーキングガンに代えて、他の構成の注入具を用いて注入しても良い。また、被覆層形成材の塗布や粘着テープの貼付に先立ち、クラックの周辺における外壁仕上材と共にモルタル層の表層部分を除去しても良い。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(モルタル外壁の試験体の製作)
幅3080mm×高さ3080mmのモルタル外壁の試験体を製作した。具体的には、上下に配置される梁材及び土台材間に4本の柱材を固定し、中央に、窓台及び窓まぐさを配してサッシ取り付け部とし、サッシ取り付け部を除く部分の柱材間に間柱を固定した軸構造体に、サッシを取り付けた後、N50釘により幅11mm、長さ80mmのラス板を30mmの間隔を設けて固定した。これに防水シートとして田島応用化工株式会社製のアスファルトフェルト430を固定し、サッシ周りに、片面防水テープを貼り付けてシーリングを行った。次いで、ラス板上にラス網をステープルで固定した。そして、そのラス網に軽量モルタルを厚みが20mm程度となるように塗りつけ、サッシ周りに三角シーリング処理を行った後、外壁仕上材として菊水化学工業株式会社製の「キクスイ弾性リシンSi」を吹き付け、試験体を得た。
(壁面内せん断試験)
地震によるクラック(亀裂)を再現するために、得られた試験体に対して壁面内せん断試験を行った。試験体は、土台を鉄骨架台に緊結し、上部の水平梁の中央を加力点として水平荷重を加えた。
(クラックが生じたモルタル壁の補修)
壁面内せん断試験により試験体には、複数のクラック(亀裂)が生じた。そのクラックのうち、最大幅が2mm、長さ620mmのものと最大幅が1mm、長さが200mmのものとを選択し、これらを下記の手順で補修した。
補修の手順:クラック周辺の塗膜の除去・清掃→クラックに沿って50mmピッチでマスキングテープの貼着→被覆層形成材としてのポリマーセメント(菊水化学工業株式会社製の「BR−AD」)の塗布→GN50釘(胴部径2.45mm)による注入孔の形成(深さ5mm程度)→ノズルにシリコンゴム製のシール部材(シリコンチューブの切断物)を付けてコーキングガンでシーリング材を注入(隣の注入孔からシーリング材が出てくるのを目安にした)。
(補修したモルタル壁の止水性の評価)
上記のようにして補修したモルタル外壁の試験体について、JIS A1518に準拠した水密性試験を行った。JIS A4706に準じた各等級の各性能加圧散水スケジュールで試験体に対する加圧散水を行い、室内側への漏水の有無を調べた。
その結果、水密等級W−4の負荷においても、補修した亀裂部分からの水の進入は認められず、高い止水性能を有することが確認された。
10 モルタル外壁(モルタル壁)
11 外壁骨組部材
12 壁下地用面材
13,13S,13S アスファルトフェルト(防水シート)
13c 断裂部分
14 ラス網
15 モルタル
16 外壁仕上材
17 モルタル層
18 クラック
19 シーリング材
20,25 注入具
21 注入管
22 加圧装置
23 接続部
24 拡幅部
26 吐出ノズル
31 被覆層
31A 被覆層形成材
31B 粘着テープ
32 被覆層の孔
32A マスキングテープ(マスキング材)
33 シール部材

Claims (10)

  1. モルタル層に生じたクラックを介して、シーリング材を、該モルタル層の裏側に配された防水シートに達するように注入し、該シーリング材により、該防水シートの断裂部分を閉塞することを特徴とするモルタル壁の補修方法。
  2. 前記防水シートがアスファルトフェルトであり、前記シーリング材として、該アスファルトフェルトと結合可能なものを用いることを特徴とする請求項1記載のモルタル壁の補修方法。
  3. 前記モルタル壁の外面に、前記クラックを被う被覆層を形成し、該被覆層に設けた孔を介して該クラック内に前記シーリング材を注入することを特徴とする請求項1又は2項記載のモルタル壁の補修方法。
  4. 前記クラック上にマスキング材を間欠的に貼り付けた後、該クラックに沿って前記被覆層を形成する被覆層形成材を塗布し、次いで、マスキング材を除去して前記孔を形成することを特徴とする請求項3記載のモルタル壁の補修方法。
  5. 前記被覆層の形成に、セメント及び合成樹脂を含む被覆層形成材を用いることを特徴とする請求項3又は4記載のモルタル壁の補修方法。
  6. 前記シーリング材の注入を、吐出ノズルを有する注入器具を用いると共に、該吐出ノズルの先端に環状のシール部材を装着して行うことを特徴とする請求項3〜5の何れか1項記載のモルタル壁の補修方法。
  7. 前記シーリング材が、ウレタン樹脂系のシーリング材であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載のモルタル壁の補修方法。
  8. 前記シーリング材として、粘度3〜100Pa・sに調整したものを用いることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項記載のモルタル壁の補修方法。
  9. 前記シーリング材の注入に、モルタル層の厚みの半分以上の深さまで挿入可能な注入管を用いることを特徴とする請求項1又は2記載のモルタル壁の補修方法。
  10. 前記シーリング材の注入に、外径3mm以下の注入管を用いる請求項1、2又は9記載のモルタル壁の補修方法。
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