JP2013204160A - 溶融紡糸装置及び中空状繊維の製造方法 - Google Patents

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【課題】中空糸膜に用いられる中空糸等の中空状繊維を製造するときに、中空状繊維の糸径、及び膜厚を均一にすることができる溶融紡糸装置及び中空状繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】溶融紡糸装置1は、溶融樹脂を連続的に吐出するノズル11を有するヘッド3と、ノズル11から吐出された溶融樹脂と対向する方向に溶融樹脂の温度より低い温度の空気を流すように構成された冷却装置7と、ヘッド3と冷却装置7との間に、且つヘッド3のノズル11を囲むように、その上端がヘッド3に密着して配置されており、該ノズル11から吐出された溶融樹脂の周囲温度を保つための保温筒5と、保温筒5の下端よりも下側に形成されており、上向きに流れる冷却空気が保温筒5内に入らないようにする排気口35とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、溶融紡糸装置及び中空状繊維の製造方法に関し、特に、ポリオレフィン製多孔質中空糸膜を製造するために用いられる溶融紡糸装置及びこのような中空状繊維の製造方法に関する。
従来から、ポリオレフィン製多孔質中空糸膜は化学的安定性、強度特性、柔軟性等に優れていることから、廃水の処理、超純水の製造、空気の浄化等の幅広い分野で利用されている。このようなポリオレフィン製多孔質中空糸膜の製造方法は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを溶融紡糸して中空状繊維を得る紡糸工程と、紡糸工程で得られた中空状繊維を延伸して多孔質化する延伸工程からなる。そして紡糸工程には、通常、溶融したポリオレフィン樹脂をノズルから吐出させる際、この樹脂に対して送風機等で冷却空気を連続的に吹き付けて冷却固化し中空状繊維とする冷却工程が含まれている。そして延伸工程において、径および膜厚が一定で均質な中空状繊維を使用すると、延伸工程における糸切れが起こりにくく均質な多孔質中空糸膜を安定に得ることができるので、紡糸工程において径および膜厚が一定で均質な中空状繊維を製造することが望ましい。
溶融樹脂に冷却空気を吹き付けて冷却固化する際の冷却空気の量や向き等の条件は、得られる中空状繊維の膜厚や直径の均質性に影響を与え、その結果、この中空状繊維を延伸して得られる中空糸膜の性能にも影響を与えるため重要である。そして、溶融樹脂を冷却固化するための装置としては、特許文献1に記載されたものが知られている。
図5は、従来用いられていた溶融紡糸装置101を示す断面図である。図5に示すような溶融紡糸装置101では、冷却装置103の上部に配置されたヘッド105のノズル107から溶融樹脂を下向きに吐出して落下させるようになっている。このとき、ヘッド105のノズル107の周囲は溶融樹脂の熱によって高温になるので、ノズル107の周囲気温と冷却装置103から流れてくる冷却空気の温度との差によってヘッド105付近で熱浮力が生じる。そして、ヘッド105付近で熱浮力が発生すると、ノズル107周辺の暖気がノズル107から離れる方向に流れ、ノズル107付近に冷却空気が流れ込むような気流が発生する。そしてノズル107付近に冷却空気が流れ込むと、ノズル107周辺の温度が低下してしまい、溶融樹脂が部分的に冷却されてしまう。これにより、溶融樹脂に冷却斑が生じてしまうという問題があった。
また、冷却空気がノズル107付近に流れ込むと、ノズル107付近で複雑な気流が生じ、ノズル107付近の気温が低下してノズル吐出樹脂温度や落下中の樹脂の表面温度の、周方向や時間的での変動が生じ、落下中の樹脂粘度や伸張特性の斑によって中空状繊維の糸径、及び膜厚が不均一になってしまう。そして延伸工程において、糸径及び膜厚が不均一な中空状繊維を延伸すると、中空状繊維の横断面に対して、延伸時の中空状繊維に作用している引張力により発生する断面応力値が変化し、側面に形成される孔の形状や大きさが不均一になり、精度の高い中空糸膜を形成することができないという問題があった。
そこで本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、中空糸膜に用いられる中空糸等の中空状繊維を製造するときに、中空状繊維の糸径、及び膜厚を均一にすることができる溶融紡糸装置及び中空状繊維の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、中空状繊維の溶融紡糸装置であって、溶融樹脂を連続的に吐出するノズルを有するヘッドと、ノズルから吐出された溶融樹脂と対向する方向に溶融樹脂の温度より低い温度の流体を流すように構成された冷却装置と、ヘッドと冷却装置との間に、且つノズルを囲むように、その上端がヘッドに密着して配置されており、該ノズルから吐出された溶融樹脂の周囲温度を保つための保温筒と、保温筒の下端よりも下側に形成されており、上向きに流れる流体が保温筒内に入らないようにする排気口とを備えていること特徴とする。
このように構成された本発明によれば、ノズルから吐出された中空状繊維の周囲温度を保つことによって、上向きに流れてきた冷却空気によって、保温筒内の溶融樹脂の周囲温度が急激に変化したり、溶融樹脂の熱移動挙動が変化したりするのを防止することができる。また、これと同時に、保温筒の下端よりも下側に排気口を設けることによって、冷却風が上昇してきたとしても、この冷却空気が保温筒内に入るのを防止することができる。これにより、溶融樹脂の冷却斑を無くすことができる。また、冷却空気が保温筒内に入らないようにすることによって、保温筒内での気流を安定させることができる。これにより、ノズルから吐出した落下中の樹脂の表面温度の周方向や時間的での変動を防止することができる。
また、本発明において、好ましくは、保温筒の下端を覆うように構成され、ヘッドのノズルの直下に所定径の開口を有し、流体が保温筒内に流入するのを防止するためのシャッタを備えている。
このように構成された本発明によれば、シャッタを設けることによって、開口から溶融樹脂を下向きに流しながら冷却空気が保温筒内に入るのをより確実に防止することができる。
また、本発明において、好ましくは、保温筒の表面温度、若しくは内部温度、又はノズルより吐出された溶融樹脂の外表面温度の少なくとも何れかを検出するためのセンサと、保温筒の温度を制御するための温度制御デバイスとを備え、この温度制御デバイスは、センサの検出結果に基づいて保温筒を加熱し、又は冷却するようになっている。
これにより、保温筒内の温度を適切に保つことができ、溶融樹脂の冷却斑をより確実に抑制することができる。
また上述した課題を解決するために、本発明は、溶融紡糸装置を用いて中空状繊維を製造する方法であって、溶融紡糸装置のノズルのヘッドから溶融樹脂を連続的に吐出する工程と、溶融樹脂を、ヘッドと冷却装置との間に、且つノズルを囲むように、その上端がヘッドに密着して配置されており、該ノズルから吐出された溶融樹脂の周囲温度を保つための溶融紡糸装置の保温筒を通過させる工程と、保温筒から流れてきた溶融樹脂と対向する方向に溶融樹脂の温度より低い温度の流体を流すように構成された溶融紡糸装置の冷却装置を通過させて冷却固化する工程と、を備え、溶融紡糸装置は、保温筒の下端よりも下側に形成されており、上向きに流れる流体が保温筒内に入らないようにする排気口を備えていることを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、中空糸膜に用いられる中空糸等の中空状繊維を製造するときに、中空状繊維の糸径、及び膜厚を均一にすることができる。
本発明の実施形態による溶融紡糸装置を示す概略図である。 本発明の実施形態による紡糸ヘッド、保温筒、及び冷却装置を示す断面図である。 本発明の実施形態の第一の変形例による溶融紡糸装置を示す断面図である。 本発明の実施形態の第二の変形例による溶融紡糸装置を示す断面図である。 従来用いられていた溶融紡糸装置を示す断面図である。
本発明の実施形態による、中空糸膜を製造するための方法は、主に、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンの樹脂が融点以上に加熱された溶融樹脂を、環状ノズルから吐出して中空状繊維を得る紡糸工程と、中空状繊維を延伸する延伸工程とを有している。そして、紡糸工程は、環状ノズルより吐出された中空状の溶融樹脂の外周面に冷却気体を吹き付けて冷却固化する冷却工程を有する。
以下、図面を参照して、紡糸工程を実施するために用いられる溶融紡糸装置について詳述する。
図1は、本発明の実施形態による溶融紡糸装置1を示す概略図である。溶融紡糸装置1は、溶融加熱された樹脂を吐出するようになった紡糸ヘッド3と、紡糸ヘッド3の下側に設けられ紡糸ヘッド3から吐出された樹脂の周辺温度を保つための保温筒5と、紡糸ヘッド3から吐出された樹脂を冷却するための冷却装置7と、冷却固化した樹脂の中空状繊維を巻き取るための巻き取り機9とを備えている。このような溶融紡糸装置1は、紡糸ヘッド3から吐出された溶融樹脂を重力に従って落下させ、落下する過程で冷却固化させ、冷却固化した中空状繊維を巻き取るようなっているので、紡糸ヘッド3、保温筒5、及び冷却装置7は、溶融樹脂の落下方向と平行に、即ち、垂直方向に並んで配置されている。
図2は、紡糸ヘッド3、保温筒5、及び冷却装置7を示す断面図である。紡糸ヘッド3は、溶融樹脂を吐出させるための四個のノズル11を備えている。各ノズル11は、下向きに開口し、紡糸ヘッド3の円形底面に配置されている。四個のノズル11は、正方形の頂点を構成するように配置されている。ノズル11の上部には、溶融した樹脂を溜めるための樹脂溜まり13が設けられており、この樹脂溜まり13の上部には、密閉蓋15がシール部材17を介して紡糸ヘッド3の本体に取り付けられている。そして各ノズル11は、環状形状を有しており、ノズル11から吐出される溶融樹脂を環状に整流するようになっている。
冷却装置7は、紡糸ヘッド3の下側に配置されており、紡糸ヘッド3から流れてきた溶融樹脂を囲むように構成された冷却筒19と、冷却筒内に冷却風を送り込むためのクエンチブロワ21と、冷却筒19から上方に向けて延びる延長管23とを備えている。
冷却筒19は、溶融樹脂の落下方向(垂直方向下向き)と平行に延びており、上端及び下端が開口している。冷却筒19は、その中心軸が、紡糸ヘッド3の中心軸と同軸になるように、紡糸ヘッド3の下側に配置されており、紡糸ヘッド3の四個のノズル11から落下してくる溶融樹脂が、冷却筒19に触れずに上端から下端に向けて通過できるような径を有している。そして冷却筒19は、溶融樹脂が冷却筒19内を通過している間に、溶融樹脂にクエンチブロワ21から送られる冷却空気を当てて溶融樹脂を冷却し固化させるようになっている。このような冷却筒19は、外筒25と、多孔構造を有する内筒27とを備える二重管構造を有している。
また、クエンチブロワ21は、冷却筒19の延伸方向と直交方向に、冷却筒19の外筒25と内筒27との間に冷却空気を送り込むように構成されている。そしてクエンチブロワ21から外筒25と内筒27との間に流入した冷却空気は、外筒25と内筒27との間の空間内で、冷却筒19の周方向に行き渡り、内筒27を通過して周方向から内筒27の中心に向けて流れ込む。これにより、冷却装置7は、クエンチブロワ21からの冷却空気を、周方向から溶融樹脂に当てる、所謂ラジアルクエンチを行うようになっている。そして溶融樹脂の落下方向と直交方向に流れて冷却筒19内に流入した冷却空気は、冷却筒内で方向を変えて、より気圧の低い、開口した内筒27の上端方向又は下端方向に流れる。
延長管23は、溶融樹脂の落下方向と平行に、保温筒の下端近傍まで延びている。延長管23は、内筒27とほぼ同一の径を有しており、冷却筒19から上方に向けて流れてきた冷却空気を更に上方に向けて流すように構成されている。これにより、冷却空気が溶融樹脂の落下方向と対向する方向に流れる。
保温筒5は、溶融樹脂の落下方向と平行に延びる管によって構成されている。保温筒5の径は、四個のノズル11から落下する樹脂が、保温筒5と接触しないように、上端から下端に向けて通過できるように寸法決めされている。保温筒5の上端は、紡糸ヘッド3の底面と密着するように配置されており、下端は、冷却装置の延長管23の上端から、上下方向に所定距離離れた位置に配置されている。保温筒5の上端及び下端には、保温筒5と直交方向に延びる上フランジ部29及び下フランジ部31が設けられている。そして上フランジ部29は、シール部材33を介して紡糸ヘッド3の底面に気密的に取り付けられており、保温筒5内部は、下側だけが開口した半密閉状態となっている。
また、保温筒5の下端と、冷却装置7の延長管23との間には、冷却空気を溶融樹脂が落下している空間から排出するための排出口35が設けられている。排出口35は、延長管23の上端と、保温筒5の下フランジ部31との間の隙間によって構成されている。この排気口35は、冷却装置7の冷却筒19を上昇してきた冷却空気が保温筒5に入らないようにする。
尚、本実施形態では、延長管の上端と保温筒の下フランジ部との間に隙間を形成し、これを排気口35として用いているが、本発明によれば、排気口は、保温筒よりも下側であり、且つ冷却空気を延長管内で十分な距離流せるような位置であればどのような位置に形成されていれば良く、例えば、延長管の上端近傍に孔を穿設して隙間を形成し、これを排気口としてもよい。
次に、上述の実施形態による溶融紡糸装置の作用について詳述する。
先ず、溶融加熱された樹脂が紡糸ヘッド3のノズル11から吐出されると、溶融樹脂は、ノズル11の形状に従って、環状断面の形態で下向きに吐出される。下向きに吐出された溶融樹脂は、落下するに従って径が細くなるような形状を採り、保温筒5内部、並びに冷却装置7の延長管23、及び冷却筒19内部を通過して冷却固化され、冷却装置7の下側に設けられた巻き取り装置9で中空状繊維として巻き取られる。保温筒5から吐出された樹脂は、150〜170℃程度の温度となっており、ノズルからの放熱や伝熱、樹脂の温度によって保温筒5内部は、高い部分は紡糸ノズル温度に近い170℃程度、下端の冷却空気と接する部分の温度は冷却空気に近い温度といった、保温筒5内部の高さ方向で温度分布を持ち、その温度分布が維持されている。そして冷却装置7のクエンチブロワ21から冷却筒19内に流れる冷却空気は、15〜30℃程度の温度となっており、保温筒5内部の温度よりも低い。
冷却筒19を上昇してきた冷却空気はその運動エネルギーによって保温筒5内部に進入しようとするが、保温筒5は、下側だけが開口した半密閉構造を有しており、保温筒5内部には暖気が充満しているので、延長管23から上向きに流れる空気は保温筒5内部に入らずに、より気圧の低い排気口35外部に向けて流れる。これにより、保温筒5内部に冷却空気が侵入するのを防止することができ、ノズル11近傍を含む保温筒5内部の温度を比較的高く維持することができる。また、保温筒5が半密閉構造になっているので保温筒5内部には、下側から冷却空気が流入しない。これにより、保温筒5内部に冷却空気が流入して保温筒5内部の気流が乱れるのを防止することができる。
このように、本実施形態による溶融紡糸装置1によれば、保温筒5によって、冷却空気が紡糸ヘッド3のノズル11付近に到達するのを防止することができるので、ノズル11付近で樹脂が部分的に急激に冷却されることによる冷却斑が生じるのを防止することができる。また、保温筒5によって、ノズル11付近で冷却空気の気流が生じるのを防止することができるので、気流によって溶融樹脂の径や厚みが不均一になるのを防止することができる。
次に、本発明による溶融紡糸装置の変形例について詳述する。
図3は、第一の変形例による溶融紡糸装置を示す断面図である。
図3に示すように溶融紡糸装置41は、上述した溶融紡糸装置1に加えて、保温筒5の温度を制御するための温度制御デバイス43と、紡糸ヘッド3のノズル11から落下してきた溶融樹脂の温度を検出するための放射温度センサ45と、保温筒5の温度を測定するための複数の熱電対47とを備えている。複数の熱電対47は、各々、保温筒5の温度、四本の樹脂流れの中央部、即ち保温筒5の中心軸付近の温度、及び樹脂流れと保温筒5との間、即ち保温筒5内部の側面付近の温度を測定するようになっている。
温度制御デバイス43は、放射温度センサ45によって測定された溶融樹脂の温度、及び/又は熱電対47によって測定された保温筒5の温度、若しくは保温筒5内の温度に基づいて保温筒5の温度を制御するようになっている。具体的には、温度制御デバイス43は、冷楳循環回路を有しており、冷楳を循環させることによって保温筒5を加熱し、又は冷却する。
このような温度制御デバイス43は、放射温度センサ45によって測定された溶融樹脂の温度が所定温度よりも低い場合、又は伝熱対47によって測定された保温筒5の温度、若しくは保温筒5内の温度が所定温度よりも低い場合に、保温筒5を加熱して保温筒5内部の温度を上昇させる。さらに、温度制御デバイス43は、放射温度センサ45によって測定された溶融樹脂の温度が所定温度よりも高い場合、又は伝熱対47によって測定された保温筒5の温度、若しくは保温筒5内の温度が所定温度よりも高い場合に、保温筒5を冷却して保温筒5内部を適切な温度に戻すようになっている。また、温度制御デバイス43は、伝熱対47によって測定された保温筒5の中央部の温度と周辺部の温度との間に所定以上の差が生じた場合に、この温度斑を均すように保温筒5を加熱する。
また、第一の変形例による溶融紡糸装置41は、保温筒5の下端の開口を覆うシャッタ49を備えている。シャッタ49は、四個のノズル11の位置に対応させて、四個の開口51を備えている。シャッタ49の開口51の径は、保温筒5の下端における先細り形状となる溶融樹脂の径を考慮して寸法決めされており、溶融樹脂の径よりも僅かに大きい径を有している。このようなシャッタ49を設けることにより、保温筒5の下側から冷却装置7の冷却空気が流入するのを確実に防ぐことができる。また、シャッタ49によって保温筒5の下端を覆うことによって、保温筒の内周面と中心付近の雰囲気温度差で生じた熱対流による保温筒内雰囲気の流出やそれに伴う外気流入、および保温筒5内部からの放熱を抑制することができる。
次に、上述の実施形態による溶融紡糸装置の第二の変形例について詳述する。
図4は、第二の変形例による溶融紡糸装置を示す断面図である。
図4に示すように、溶融紡糸装置61は、紡糸ヘッド3の各ノズル11に対応させて、複数の保温筒63及び冷却装置65を備えている。そして保温筒63の下端に設けられたシャッタ67は、開口径を調整可能な虹彩絞り構造を有している。このように各ノズル11に対応させて、保温筒63及び冷却装置65を設けることによって、虹彩絞り構造を用いてシャッタ67の開口径を調整することができるので、開口径を可能な限り小さくすることができ、より確実に冷却空気が保温筒内部に流入するのを抑制することができる。
また、各保温筒63に各々温度制御デバイス69を設けることによって、それぞれのノズル11から吐出される溶融樹脂毎に温度を測定・制御することができ、且つ一本の樹脂流れの周辺から均一に加熱・冷却を行うことができる。これにより、より確実に温度斑を無くすことができ、均一な中空状繊維を形成することができる。
1,41,61 溶融紡糸装置
3 紡糸ヘッド
5 保温筒
7 冷却装置
11 ノズル
19 冷却筒
21 クエンチブロワ

Claims (9)

  1. 中空状繊維の溶融紡糸装置であって、
    溶融樹脂を連続的に吐出するノズルを有するヘッドと、
    ノズルから吐出された溶融樹脂と対向する方向に溶融樹脂の温度より低い温度の流体を流すように構成された冷却装置と、
    前記ヘッドと前記冷却装置との間に、且つ前記ノズルを囲むように、その上端が前記ヘッドに密着して配置されており、該ノズルから吐出された溶融樹脂の周囲温度を保つための保温筒と、
    前記保温筒の下端よりも下側に形成されており、上向きに流れる流体が前記保温筒内に入らないようにする排気口とを備えている溶融紡糸装置。
  2. 前記保温筒の下端を覆うように構成され、前記ヘッドのノズルの直下に所定径の開口を有し、前記流体が前記保温筒内に流入するのを防止するためのシャッタを備える、請求項1に記載の溶融紡糸装置。
  3. 前記保温筒の表面温度、若しくは内部温度、又は前記ノズルより吐出された溶融樹脂の外表面温度の少なくとも何れかを検出するためのセンサと、
    保温筒の温度を制御するための温度制御デバイスとを備え、
    この温度制御デバイスは、前記センサの検出結果に基づいて前記保温筒を加熱し、又は冷却するようになっている、請求項1又は2に記載の溶融紡糸装置。
  4. 前記ヘッドは、複数のノズルを備えており、
    一つのノズルに対して一つの前記保温筒及び一つの冷却筒が設けられている、請求項1乃至3の何れか1項に記載の溶融紡糸装置。
  5. 前記温度制御デバイスは、熱楳循環回路を備えている、請求項3に記載の溶融紡糸装置。
  6. 前記シャッタは、虹彩絞り構造を有する、請求項2に記載の溶融紡糸装置。
  7. 前記溶融樹脂の外表面温度を測定するための赤外線放射温度計を備えている、請求項3に記載の溶融紡糸装置。
  8. 前記温度制御デバイスは、保温筒の温度を維持するための電気ヒータを備えている、請求項5に記載の溶融紡糸装置。
  9. 溶融紡糸装置を用いて中空状繊維を製造する方法であって、
    前記溶融紡糸装置のノズルのヘッドから溶融樹脂を連続的に吐出する工程と、
    溶融樹脂を、前記ヘッドと前記冷却装置との間に、且つ前記ノズルを囲むように、その上端が前記ヘッドに密着して配置されており、該ノズルから吐出された溶融樹脂の周囲温度を保つための前記溶融紡糸装置の保温筒を通過させる工程と、
    前記保温筒から流れてきた溶融樹脂と対向する方向に溶融樹脂の温度より低い温度の流体を流すように構成された前記溶融紡糸装置の冷却装置を通過させて冷却固化する工程と、を備え、
    前記溶融紡糸装置は、前記保温筒の下端よりも下側に形成されており、上向きに流れる流体が前記保温筒内に入らないようにする排気口を備えていることを特徴とする中空状繊維の製造方法。
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