JP2013203817A - 絶縁油改良装置および絶縁油改良カラム並びに絶縁油改良方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡易かつ安価に絶縁油の水分や劣化物等の不純物・添加物を除去するための絶縁油改良装置および絶縁油改良カラム並びに絶縁油改良方法を提供すること
【解決手段】 絶縁油1の不純物・添加物を除去するための絶縁油改良装置であって、金属カルシウム(Ca)と、酸化カルシウム又は水酸化カルシウムの少なくともいずれか一方と、からなる充填材21を有するカラム2と、カラム2内を加熱する加熱手段3と、カラム2に絶縁油1を供給する供給部4と、カラム2を通過した絶縁油1を回収する回収部5と、で主に構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】 絶縁油1の不純物・添加物を除去するための絶縁油改良装置であって、金属カルシウム(Ca)と、酸化カルシウム又は水酸化カルシウムの少なくともいずれか一方と、からなる充填材21を有するカラム2と、カラム2内を加熱する加熱手段3と、カラム2に絶縁油1を供給する供給部4と、カラム2を通過した絶縁油1を回収する回収部5と、で主に構成される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、絶縁油の水分や劣化物等の不純物・添加物を除去するための絶縁油改良装置および絶縁油改良カラム並びに絶縁油改良方法に関する。
従来、変圧器、回路遮断器、コンデンサー等の電気機器には、絶縁や発生する熱の冷却を目的として絶縁油が使用されている。当該絶縁油は使用するうちに、空気中の水分を吸収したり、空気中の酸素によって酸化したりしてその絶縁性能等が経時的に劣化する(例えば、特許文献1参照)。
このように劣化した絶縁油は廃棄等することになるが、当該絶縁油から水分や劣化物等の不純物・添加物を除去することができれば絶縁油をリサイクルすることができ有益である。
そこで本発明は、簡易かつ安価に絶縁油の水分や劣化物等の不純物・添加物を除去するための絶縁油改良装置および絶縁油改良カラム並びに絶縁油改良方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の絶縁油改良装置は、絶縁油の不純物・添加物を除去するためのものであって、金属カルシウムと、酸化カルシウム又は水酸化カルシウムの少なくともいずれか一方と、からなる充填材を有するカラムと、前記カラム内を加熱する加熱手段と、前記カラムに絶縁油を供給する供給部と、前記カラムを通過した絶縁油を回収する回収部と、を具備することを特徴とする。
この場合、前記加熱手段が加熱するカラム内の温度を80〜200℃の所定温度に制御する温度コントローラーを具備する方が好ましい。
また、前記充填材は更にニッケルを有しても良い。
また、前記回収部の絶縁油を前記カラムに循環させる循環手段を具備しても良い。
また、本発明の絶縁油改良カラムは、絶縁油の不純物・添加物を除去するためのものであって、80〜200℃の所定の処理温度において耐熱性を有するカラム本体と、前記カラム本体の内部に配置され、金属カルシウムと、酸化カルシウム又は水酸化カルシウムの少なくともいずれか一方と、からなる充填材と、を具備することを特徴とする。
また、本発明の絶縁油改良方法は、絶縁油の不純物・添加物を除去するためのものであって、金属カルシウムと、酸化カルシウム又は水酸化カルシウムの少なくともいずれか一方と、からなる充填材を有し、80〜200℃の所定温度に加熱されたカラム内に、前記絶縁油を通過させてろ過することを特徴とする。
この場合、前記カラムは、更にニッケルを有しても良い。
また、絶縁油に対し、前記ろ過を複数回繰り返し行うようにしても良い。
本発明の絶縁油改良装置および絶縁油改良カラム並びに絶縁油改良方法は、所定温度に加熱しながらろ過するという簡単な構成で安価に絶縁油の水分や劣化物等の不純物・添加物を除去することができる。
まず、図1ないし図5を用いて、本発明の絶縁油改良装置及びこれに用いる絶縁油改良カラム(以下、カラムという)について説明する。
本発明の絶縁油改良装置は、図1及び図5に示すように、絶縁油1の不純物・添加物を除去するためのものであって、金属カルシウム(Ca)と、酸化カルシウム又は水酸化カルシウムの少なくともいずれか一方と、からなる充填材21を有するカラム2と、カラム2内を加熱する加熱手段3と、カラム2に絶縁油1を供給する供給部4と、カラム2を通過した絶縁油1を回収する回収部5と、で主に構成される。
ここで、不純物・添加物とは、絶縁油1の絶縁性や冷却性等の特性を下げるものを意味し、例えば、一般的なトランス用絶縁油の酸化物である4-ヒドロキシビフェニルや、ヒドロキシビフェニルが酸化されダイオキシン類となったジベンゾフラン等の劣化物や水分等を意味する。
金属カルシウムは、電子移動による還元力を有する金属であり、酸化した劣化物を還元し再生するためのものである。使用量は、絶縁油1に含まれる劣化物や水分の量によって適宜調節して用いれば良い。
酸化カルシウムと水酸化カルシウムはどちらを用いても良いが、酸化カルシウムには吸湿性があり、絶縁油1に含まれる水分を除去できる点で好ましい。使用量は、絶縁油1に含まれる劣化物や水分の量、金属カルシウムの量等によって適宜調節して用いれば良い。例えば、金属カルシウムと酸化カルシウムの比を1:9程度にすることができる。もちろん、この値に限定されるものではない。
また、充填材21としては、更に触媒として作用するニッケルを微量含有しても良い。
充填材21として用いる酸化カルシウム、水酸化カルシウム、金属カルシウム、ニッケルの形状は特に限定されないが、粒子径の小さい粉粒体形状のものが好ましい。また、これらは、均一に混合されたものを用いる方が好ましい。例えば、一般的な造粒機等を用いて製造することができる。
カラム2は、図5に示すように、充填材21を内包できる筒状の容器であって、上部側に供給部4と接続するための供給口を有し、下部側に回収部5と接続するための排出口を有するものである。大きさは、絶縁油1から不純物・添加物を除去するのに必要な滞留時間を確保できる大きさであれば良く、絶縁油1の通過速度や不純物・添加物の分解速度などから適宜決定すればよい。また、カラム2は、加熱手段3によって加熱される処理温度に対し耐熱性を有するもので、例えばステンレス鋼等の金属製のものや、ガラス製のものなどを用いれば良い。
また、カラム2は、充填材21の下部側に、綿球、石英砂、珪藻土のいずれか1以上からなる目詰まり防止材22を配置しても良い。目詰まり防止材22に用いる綿球、石英砂、珪藻土の形状や大きさは、カラム2の排出口が目詰まりを起こすのを防止でき、かつ、絶縁油1から不純物・添加物を除去するのに必要な滞留時間を確保できるものであればどのようなものでも良く、絶縁油1の通過速度や不純物・添加物の分解速度などから適宜決定すればよい。
加熱手段3は、充填材21やカラム2内を通過する絶縁油1を所定温度に加熱するためのものである。加熱手段3としては、カラム2内を加熱できればどのようなものでも良く、電気ヒーター等を用いることができる。また、加熱手段3は、カラム2の外壁に配置して外側から加熱するものであっても、カラム2内に配置して内部から加熱するものであっても良い。また、カラム2の外側又は内側に加熱コイルを配置し、加熱コイルに温水やスチーム、熱媒を供給するものであっても良い。
また、図示しないが、例えば熱電対等の温度検出手段が検出したカラム2又は絶縁油1の温度に基づいて加熱手段3を制御する温度コントローラーを具備しても良い。この場合、絶縁油1の温度は、水分の除去を目的とするのであれば80℃程度でも良いが、劣化物等の化学分解も行うのであれば、180度前後の熱が必要となる。したがって、絶縁油1の温度は、80〜200℃に制御するのが良く、更に好ましくは、180℃に制御するのが良い。
供給部4は、カラム2に絶縁油1を供給するためのもので、例えば、絶縁油1を貯留するバッファータンク41と、バッファータンク41とカラム2の供給口とをつなぐ供給管42と、当該供給管42に設けられカラム2内に供給される絶縁油1の流量を調節する供給流量調節弁43と、で構成すれば良い。バッファータンク41からカラム2へ絶縁油1を流す方法としては、バッファータンク41をカラム2より高い位置に配置し重力で流れ落ちるようにしても良いし、ポンプ等を供給管42に設けて強制的に流すようにしても良い。
また、変圧器等の電気機器400からバッファータンク41に絶縁油1を送るためのバッファータンク用供給管44と、当該バッファータンク用供給管44に設けられ電気機器400からバッファータンク41まで絶縁油1を流すためのポンプ45と、を更に具備しても良い。
また、図2に示すように、電気機器400内の劣化した絶縁油1を確実にバッファータンク41へ送るために、別の絶縁油1を貯留する絶縁油貯留タンク46と、絶縁油貯留タンク46から電気機器400に絶縁油1を送るための電気機器用供給管47と、当該電気機器用供給管47に設けられ絶縁油貯留タンク46から電気機器400まで絶縁油1を流すためのポンプ48と、電気機器用供給管47を開閉するための開閉弁49とを更に具備しても良い。
回収部5は、カラム2を通過した絶縁油1を回収するためのもので、例えば、カラム2より下部側に配置され絶縁油1を貯留する回収タンク51と、回収タンク51とカラム2の排出口とをつなぐ排出管52と、当該排出管52を開閉するための開閉弁53と、で構成すれば良い。また、回収タンク51には、回収した絶縁油1を取り出すための取り出し口54に通じる取り出し用配管55と、当該取り出し用配管55に設けられ回収タンク51から取り出し口54まで絶縁油1を流すためのポンプ56と、取り出し用配管55を開閉するための開閉弁57と、を更に具備しても良い。
また、本発明の絶縁油改良装置は、更に、回収部5の絶縁油1をカラム2に循環させる循環手段6を設けても良い。例えば、図3に示すように、回収タンク51とバッファータンク41とをつなぐ循環用配管61と、当該循環用配管61に設けられ回収タンク51内の絶縁油1をバッファータンク41へ流すためのポンプ62と、循環用配管61を開閉するための開閉弁63と、で構成すれば良い。
また、図4に示すように、取り出し用配管55の開閉弁57(図1参照)を三方弁64とし、当該三方弁64を介して循環用配管65を電気機器400へ接続して、回収タンク51内の絶縁油1を電気機器400へ戻して循環するようにしても良い。
なお、上記説明では、カラム2が一つの場合について説明したが、カラム2は一つである必要はなく、複数のカラム2を直列に配置して処理することも可能である。
次に、本発明の絶縁油改良方法について上述した絶縁油改良装置を用いて説明する。
まず、電気機器400にバッファータンク用供給管44を接続して、電気機器400内の絶縁油1をバッファータンク41内に貯留する。
また、カラム2及びカラム2内の充填材21は、加熱手段3によって80〜200℃、好ましくは180℃に加熱しておく。
次に、供給流量調節弁43を調節し、供給管42を介してバッファータンク41からカラム2内に絶縁油1を供給する。この際、カラム2内の絶縁油の滞留時間は、最適な処理時間となるように供給流量調節弁43および開閉弁53で任意に調節される。
カラム内に供給された絶縁油1は、充填材21を通過する際に、絶縁油1に含まれる不純物・添加物が金属カルシウムによって分解される。また、充填材21として酸化カルシウムを用いている場合には、絶縁油1内の水分が吸湿される。これにより、絶縁油1が改質される。
カラム2内を通過し改良された絶縁油1は、排出管52を介して回収タンク51に回収される。
なお、回収タンク51に回収された絶縁油1は、循環用配管61を介してバッファータンク41に戻し、複数回カラム2内の充填材21を通してろ過しても良い。
実施例
以下に、本発明の絶縁油改良方法を用いて絶縁油を処理した場合とその比較例の結果を示す。
以下に、本発明の絶縁油改良方法を用いて絶縁油を処理した場合とその比較例の結果を示す。
比較例1
トランス油(出光,製品名:出光トランスフォーマーオイルG,初期微量水分7ppm)に対して、500ppmとなるよう水分を添加混合した(以下、含水トランス油という)。次いで、金属カルシウム及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属カルシウム:酸化カルシウム=1:9)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。次に、常温において、含水トランス油20mLを前記カラムの上部から流し、溶離液中の水分量をデジタル式オイル内水分計(VAISALA社製,MM70)で計測した。カラム流通により含水率は10ppmにまで低下した。
トランス油(出光,製品名:出光トランスフォーマーオイルG,初期微量水分7ppm)に対して、500ppmとなるよう水分を添加混合した(以下、含水トランス油という)。次いで、金属カルシウム及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属カルシウム:酸化カルシウム=1:9)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。次に、常温において、含水トランス油20mLを前記カラムの上部から流し、溶離液中の水分量をデジタル式オイル内水分計(VAISALA社製,MM70)で計測した。カラム流通により含水率は10ppmにまで低下した。
比較例2
金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=1:10:89)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。次に、常温において、前記含水トランス油20mLを前記カラムの上部から流し、得られた18mLの溶離液中の水分量をデジタル式オイル内水分計(VAISALA社製,MM70)で計測した。カラム流通により含水率は9ppmにまで低下した。
金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=1:10:89)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。次に、常温において、前記含水トランス油20mLを前記カラムの上部から流し、得られた18mLの溶離液中の水分量をデジタル式オイル内水分計(VAISALA社製,MM70)で計測した。カラム流通により含水率は9ppmにまで低下した。
実施例1
金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=1:10:89)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填し、カラムをリボンヒーターで180℃に加熱した。次いで、前記含水トランス油20mLを前記カラムの上部から流し、得られた19mLの溶離液を常温に冷ました後、水分量をデジタル式オイル内水分計(VAISALA社製,MM70)で計測した。カラム流通により含水率は検出下限値以下にまで低下した。これにより、カラムを加熱することによって、水分除去率が向上することがわかる。
金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=1:10:89)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填し、カラムをリボンヒーターで180℃に加熱した。次いで、前記含水トランス油20mLを前記カラムの上部から流し、得られた19mLの溶離液を常温に冷ました後、水分量をデジタル式オイル内水分計(VAISALA社製,MM70)で計測した。カラム流通により含水率は検出下限値以下にまで低下した。これにより、カラムを加熱することによって、水分除去率が向上することがわかる。
以下の実施例、比較例では、被分解対象物の初期濃度は20ppmとし、分解物比はガスクロマトグラフィ/質量分析法(GC/MS)のクロマト比から求めた。
実施例2
前記含水トランス油中に4-ヒドロキシビフェニルを20ppmとなるよう添加混合した(以下、HB含水トランス油という)。次に、金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=1:10:89)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。このカラム外壁にセットしたリボンヒーターで180℃に加熱し、前記HB含水トランス油20mLをおよそ1時間掛けて通過させた。得られた19mLの回収物をカラムクロマトグラフィーによりトランス油とそれ以外に分離し、分離物をGC/MS(SHIMADZU社製,GCMS-QP2010シリーズ)で成分分析を行った。添加物の4−ヒドロキシビフェニルは認められず、脱ヒドロキシ化及び環還元反応が進行したシクロヘキシルベンゼンが90%、さらに2つの芳香環が共に還元したビシクロヘキサンが10%生成した。また、水分は同様の分析法を用いた結果、検出下限値以下となった。したがって、4-ヒドロキシビフェニルを還元し、効果的に分解できることがわかる。
前記含水トランス油中に4-ヒドロキシビフェニルを20ppmとなるよう添加混合した(以下、HB含水トランス油という)。次に、金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=1:10:89)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。このカラム外壁にセットしたリボンヒーターで180℃に加熱し、前記HB含水トランス油20mLをおよそ1時間掛けて通過させた。得られた19mLの回収物をカラムクロマトグラフィーによりトランス油とそれ以外に分離し、分離物をGC/MS(SHIMADZU社製,GCMS-QP2010シリーズ)で成分分析を行った。添加物の4−ヒドロキシビフェニルは認められず、脱ヒドロキシ化及び環還元反応が進行したシクロヘキシルベンゼンが90%、さらに2つの芳香環が共に還元したビシクロヘキサンが10%生成した。また、水分は同様の分析法を用いた結果、検出下限値以下となった。したがって、4-ヒドロキシビフェニルを還元し、効果的に分解できることがわかる。
実施例3
前記含水トランス油中にジベンゾフランを20ppmとなるよう添加混合した(以下、DBF含水トランス油という)。次に、金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=1:10:89)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。このカラム外壁にセットしたリボンヒーターで180℃に加熱し、前記DBF含水トランス油20mLをおよそ1時間掛けて通過させた。得られた19mLの回収物をカラムクロマトグラフィーによりトランス油とそれ以外に分離し、分離物をGC/MS(SHIMADZU社製,GCMS-QP2010シリーズ)で成分分析を行った。添加物のジベンゾフランは認められず、エーテル結合が開裂し、さらに脱酸素化及び環還元反応が進行したシクロヘキシルベンゼンが85%、さらに2つの芳香環が共に還元したビシクロヘキサンが15%生成した。また、水分は同様の分析法を用いた結果、検出下限値以下となった。したがって、ジベンゾフランを還元し、効果的に分解できることがわかる。
前記含水トランス油中にジベンゾフランを20ppmとなるよう添加混合した(以下、DBF含水トランス油という)。次に、金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=1:10:89)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。このカラム外壁にセットしたリボンヒーターで180℃に加熱し、前記DBF含水トランス油20mLをおよそ1時間掛けて通過させた。得られた19mLの回収物をカラムクロマトグラフィーによりトランス油とそれ以外に分離し、分離物をGC/MS(SHIMADZU社製,GCMS-QP2010シリーズ)で成分分析を行った。添加物のジベンゾフランは認められず、エーテル結合が開裂し、さらに脱酸素化及び環還元反応が進行したシクロヘキシルベンゼンが85%、さらに2つの芳香環が共に還元したビシクロヘキサンが15%生成した。また、水分は同様の分析法を用いた結果、検出下限値以下となった。したがって、ジベンゾフランを還元し、効果的に分解できることがわかる。
比較例3
金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=1:10:89)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。このカラム外壁にセットしたリボンヒーターで160℃に加熱し、前記HB含水トランス油20mLをおよそ1時間掛けて通過させた。得られた19mLの回収物をカラムクロマトグラフィーによりトランス油とそれ以外に分離し、分離物をGC/MS(SHIMADZU社製,GCMS-QP2010シリーズ)で成分分析を行った。添加物の4-ヒドロキシビフェニルが60%回収され、脱ヒドロキシ化及び環還元反応が進行したシクロヘキシルベンゼンが30%、さらに2つの芳香環が共に還元したビシクロヘキサンが10%生成した。また、水分は同様の分析法を用いた結果、検出下限値以下となった。実施例2との比較により、低い温度では4-ヒドロキシビフェニルに対する還元力が低下した。
金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=1:10:89)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。このカラム外壁にセットしたリボンヒーターで160℃に加熱し、前記HB含水トランス油20mLをおよそ1時間掛けて通過させた。得られた19mLの回収物をカラムクロマトグラフィーによりトランス油とそれ以外に分離し、分離物をGC/MS(SHIMADZU社製,GCMS-QP2010シリーズ)で成分分析を行った。添加物の4-ヒドロキシビフェニルが60%回収され、脱ヒドロキシ化及び環還元反応が進行したシクロヘキシルベンゼンが30%、さらに2つの芳香環が共に還元したビシクロヘキサンが10%生成した。また、水分は同様の分析法を用いた結果、検出下限値以下となった。実施例2との比較により、低い温度では4-ヒドロキシビフェニルに対する還元力が低下した。
比較例4
金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=1:10:89)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。このカラム外壁にセットしたリボンヒーターで180℃に加熱し、前記HB含水トランス油20mLをおよそ30分掛けて通過させた。得られた19mLの回収物をカラムクロマトグラフィーによりトランス油とそれ以外に分離し、分離物をGC/MS(SHIMADZU社製,GCMS-QP2010シリーズ)で成分分析を行った。添加物の4-ヒドロキシビフェニルが10%回収され、脱ヒドロキシ化及び環還元反応が進行したシクロヘキシルベンゼンが85%、さらに2つの芳香環が共に還元したビシクロヘキサンが5%生成した。また、水分は同様の分析法を用いた結果、検出下限値以下となった。実施例2との比較により、処理時間が短いと還元量が低下した。
金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=1:10:89)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。このカラム外壁にセットしたリボンヒーターで180℃に加熱し、前記HB含水トランス油20mLをおよそ30分掛けて通過させた。得られた19mLの回収物をカラムクロマトグラフィーによりトランス油とそれ以外に分離し、分離物をGC/MS(SHIMADZU社製,GCMS-QP2010シリーズ)で成分分析を行った。添加物の4-ヒドロキシビフェニルが10%回収され、脱ヒドロキシ化及び環還元反応が進行したシクロヘキシルベンゼンが85%、さらに2つの芳香環が共に還元したビシクロヘキサンが5%生成した。また、水分は同様の分析法を用いた結果、検出下限値以下となった。実施例2との比較により、処理時間が短いと還元量が低下した。
比較例5
金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=0.1:10:89.9)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。このカラム外壁にセットしたリボンヒーターで180℃に加熱し、前記HB含水トランス油20mLをおよそ1時間掛けて通過させた。得られた19mLの回収物をカラムクロマトグラフィーによりトランス油とそれ以外に分離し、分離物をGC/MS(SHIMADZU社製,GCMS-QP2010シリーズ)で成分分析を行った。添加物の4-ヒドロキシビフェニルが20%回収され、脱ヒドロキシ化及び環還元反応が進行したシクロヘキシルベンゼンが77%、さらに2つの芳香環が共に還元したビシクロヘキサンが3%生成した。また、水分は同様の分析法を用いた結果、検出下限値以下となった。実施例2との比較により、触媒として金属ニッケルの量が減ると4-ヒドロキシビフェニルに対する還元力が低下した。
金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=0.1:10:89.9)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。このカラム外壁にセットしたリボンヒーターで180℃に加熱し、前記HB含水トランス油20mLをおよそ1時間掛けて通過させた。得られた19mLの回収物をカラムクロマトグラフィーによりトランス油とそれ以外に分離し、分離物をGC/MS(SHIMADZU社製,GCMS-QP2010シリーズ)で成分分析を行った。添加物の4-ヒドロキシビフェニルが20%回収され、脱ヒドロキシ化及び環還元反応が進行したシクロヘキシルベンゼンが77%、さらに2つの芳香環が共に還元したビシクロヘキサンが3%生成した。また、水分は同様の分析法を用いた結果、検出下限値以下となった。実施例2との比較により、触媒として金属ニッケルの量が減ると4-ヒドロキシビフェニルに対する還元力が低下した。
比較例6
金属ニッケル及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:酸化カルシウム=1:99)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。このカラム外壁にセットしたリボンヒーターで180℃に加熱し、前記HB含水トランス油20mLをおよそ1時間掛けて通過させた。得られた19mLの回収物をカラムクロマトグラフィーによりトランス油とそれ以外に分離し、分離物をGC/MS(SHIMADZU社製,GCMS-QP2010シリーズ)で成分分析を行った。ほぼ原料回収に終わった。また、水分は同様の分析法を用いた結果、検出下限値以下となった。これにより、分解には金属カルシウムが必要であることがわかる。なお、金属カルシウムとニッケルのみの粉体は、ミル壁に酷く吸着し粉体を調製できなかった。したがって、分散体としての酸化カルシウムも必須であることがわかる。
金属ニッケル及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:酸化カルシウム=1:99)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。このカラム外壁にセットしたリボンヒーターで180℃に加熱し、前記HB含水トランス油20mLをおよそ1時間掛けて通過させた。得られた19mLの回収物をカラムクロマトグラフィーによりトランス油とそれ以外に分離し、分離物をGC/MS(SHIMADZU社製,GCMS-QP2010シリーズ)で成分分析を行った。ほぼ原料回収に終わった。また、水分は同様の分析法を用いた結果、検出下限値以下となった。これにより、分解には金属カルシウムが必要であることがわかる。なお、金属カルシウムとニッケルのみの粉体は、ミル壁に酷く吸着し粉体を調製できなかった。したがって、分散体としての酸化カルシウムも必須であることがわかる。
1 絶縁油
2 カラム
3 加熱手段
4 供給部
5 回収部
6 循環手段
21 充填材
22 目詰まり防止材
400 電気機器
2 カラム
3 加熱手段
4 供給部
5 回収部
6 循環手段
21 充填材
22 目詰まり防止材
400 電気機器
本発明は、絶縁油の水分や劣化物等の不純物・添加物を除去するための絶縁油改良装置および絶縁油改良カラム並びに絶縁油改良方法に関する。
従来、変圧器、回路遮断器、コンデンサー等の電気機器には、絶縁や発生する熱の冷却を目的として絶縁油が使用されている。当該絶縁油は使用するうちに、空気中の水分を吸収したり、空気中の酸素によって酸化したりしてその絶縁性能等が経時的に劣化する(例えば、特許文献1参照)。
このように劣化した絶縁油は廃棄等することになるが、当該絶縁油から水分や劣化物等の不純物・添加物を除去することができれば絶縁油をリサイクルすることができ有益である。
そこで本発明は、簡易かつ安価に絶縁油の水分や劣化物等の不純物・添加物を除去するための絶縁油改良装置および絶縁油改良カラム並びに絶縁油改良方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の絶縁油改良装置は、絶縁油の不純物・添加物を除去するためのものであって、金属カルシウムと、酸化カルシウム又は水酸化カルシウムの少なくともいずれか一方と、ニッケルと、からなる充填材を有するカラムと、前記カラム内を加熱する加熱手段と、前記カラムに絶縁油を供給する供給部と、前記カラムを通過した絶縁油を回収する回収部と、を具備することを特徴とする。
この場合、前記加熱手段が加熱するカラム内の温度を80〜200℃の所定温度に制御する温度コントローラーを具備する方が好ましい。
また、前記回収部の絶縁油を前記カラムに循環させる循環手段を具備しても良い。
また、本発明の絶縁油改良カラムは、絶縁油の不純物・添加物を除去するためのものであって、80〜200℃の所定の処理温度において耐熱性を有するカラム本体と、前記カラム本体の内部に配置され、金属カルシウムと、酸化カルシウム又は水酸化カルシウムの少なくともいずれか一方と、ニッケルと、からなる充填材と、を具備することを特徴とする。
また、本発明の絶縁油改良方法は、絶縁油の不純物・添加物を除去するためのものであって、金属カルシウムと、酸化カルシウム又は水酸化カルシウムの少なくともいずれか一方と、ニッケルと、からなる充填材を有し、80〜200℃の所定温度に加熱されたカラム内に、前記絶縁油を通過させてろ過することを特徴とする。
また、絶縁油に対し、前記ろ過を複数回繰り返し行うようにしても良い。
本発明の絶縁油改良装置および絶縁油改良カラム並びに絶縁油改良方法は、所定温度に加熱しながらろ過するという簡単な構成で安価に絶縁油の水分や劣化物等の不純物・添加物を除去することができる。
まず、図1ないし図5を用いて、本発明の絶縁油改良装置及びこれに用いる絶縁油改良カラム(以下、カラムという)について説明する。
本発明の絶縁油改良装置は、図1及び図5に示すように、絶縁油1の不純物・添加物を除去するためのものであって、金属カルシウム(Ca)と、酸化カルシウム又は水酸化カルシウムの少なくともいずれか一方と、からなる充填材21を有するカラム2と、カラム2内を加熱する加熱手段3と、カラム2に絶縁油1を供給する供給部4と、カラム2を通過した絶縁油1を回収する回収部5と、で主に構成される。
ここで、不純物・添加物とは、絶縁油1の絶縁性や冷却性等の特性を下げるものを意味し、例えば、一般的なトランス用絶縁油の酸化物である4-ヒドロキシビフェニルや、ヒドロキシビフェニルが酸化されダイオキシン類となったジベンゾフラン等の劣化物や水分等を意味する。
金属カルシウムは、電子移動による還元力を有する金属であり、酸化した劣化物を還元し再生するためのものである。使用量は、絶縁油1に含まれる劣化物や水分の量によって適宜調節して用いれば良い。
酸化カルシウムと水酸化カルシウムはどちらを用いても良いが、酸化カルシウムには吸湿性があり、絶縁油1に含まれる水分を除去できる点で好ましい。使用量は、絶縁油1に含まれる劣化物や水分の量、金属カルシウムの量等によって適宜調節して用いれば良い。例えば、金属カルシウムと酸化カルシウムの比を1:9程度にすることができる。もちろん、この値に限定されるものではない。
また、充填材21としては、更に触媒として作用するニッケルを微量含有しても良い。
充填材21として用いる酸化カルシウム、水酸化カルシウム、金属カルシウム、ニッケルの形状は特に限定されないが、粒子径の小さい粉粒体形状のものが好ましい。また、これらは、均一に混合されたものを用いる方が好ましい。例えば、一般的な造粒機等を用いて製造することができる。
カラム2は、図5に示すように、充填材21を内包できる筒状の容器であって、上部側に供給部4と接続するための供給口を有し、下部側に回収部5と接続するための排出口を有するものである。大きさは、絶縁油1から不純物・添加物を除去するのに必要な滞留時間を確保できる大きさであれば良く、絶縁油1の通過速度や不純物・添加物の分解速度などから適宜決定すればよい。また、カラム2は、加熱手段3によって加熱される処理温度に対し耐熱性を有するもので、例えばステンレス鋼等の金属製のものや、ガラス製のものなどを用いれば良い。
また、カラム2は、充填材21の下部側に、綿球、石英砂、珪藻土のいずれか1以上からなる目詰まり防止材22を配置しても良い。目詰まり防止材22に用いる綿球、石英砂、珪藻土の形状や大きさは、カラム2の排出口が目詰まりを起こすのを防止でき、かつ、絶縁油1から不純物・添加物を除去するのに必要な滞留時間を確保できるものであればどのようなものでも良く、絶縁油1の通過速度や不純物・添加物の分解速度などから適宜決定すればよい。
加熱手段3は、充填材21やカラム2内を通過する絶縁油1を所定温度に加熱するためのものである。加熱手段3としては、カラム2内を加熱できればどのようなものでも良く、電気ヒーター等を用いることができる。また、加熱手段3は、カラム2の外壁に配置して外側から加熱するものであっても、カラム2内に配置して内部から加熱するものであっても良い。また、カラム2の外側又は内側に加熱コイルを配置し、加熱コイルに温水やスチーム、熱媒を供給するものであっても良い。
また、図示しないが、例えば熱電対等の温度検出手段が検出したカラム2又は絶縁油1の温度に基づいて加熱手段3を制御する温度コントローラーを具備しても良い。この場合、絶縁油1の温度は、水分の除去を目的とするのであれば80℃程度でも良いが、劣化物等の化学分解も行うのであれば、180度前後の熱が必要となる。したがって、絶縁油1の温度は、80〜200℃に制御するのが良く、更に好ましくは、180℃に制御するのが良い。
供給部4は、カラム2に絶縁油1を供給するためのもので、例えば、絶縁油1を貯留するバッファータンク41と、バッファータンク41とカラム2の供給口とをつなぐ供給管42と、当該供給管42に設けられカラム2内に供給される絶縁油1の流量を調節する供給流量調節弁43と、で構成すれば良い。バッファータンク41からカラム2へ絶縁油1を流す方法としては、バッファータンク41をカラム2より高い位置に配置し重力で流れ落ちるようにしても良いし、ポンプ等を供給管42に設けて強制的に流すようにしても良い。
また、変圧器等の電気機器400からバッファータンク41に絶縁油1を送るためのバッファータンク用供給管44と、当該バッファータンク用供給管44に設けられ電気機器400からバッファータンク41まで絶縁油1を流すためのポンプ45と、を更に具備しても良い。
また、図2に示すように、電気機器400内の劣化した絶縁油1を確実にバッファータンク41へ送るために、別の絶縁油1を貯留する絶縁油貯留タンク46と、絶縁油貯留タンク46から電気機器400に絶縁油1を送るための電気機器用供給管47と、当該電気機器用供給管47に設けられ絶縁油貯留タンク46から電気機器400まで絶縁油1を流すためのポンプ48と、電気機器用供給管47を開閉するための開閉弁49とを更に具備しても良い。
回収部5は、カラム2を通過した絶縁油1を回収するためのもので、例えば、カラム2より下部側に配置され絶縁油1を貯留する回収タンク51と、回収タンク51とカラム2の排出口とをつなぐ排出管52と、当該排出管52を開閉するための開閉弁53と、で構成すれば良い。また、回収タンク51には、回収した絶縁油1を取り出すための取り出し口54に通じる取り出し用配管55と、当該取り出し用配管55に設けられ回収タンク51から取り出し口54まで絶縁油1を流すためのポンプ56と、取り出し用配管55を開閉するための開閉弁57と、を更に具備しても良い。
また、本発明の絶縁油改良装置は、更に、回収部5の絶縁油1をカラム2に循環させる循環手段6を設けても良い。例えば、図3に示すように、回収タンク51とバッファータンク41とをつなぐ循環用配管61と、当該循環用配管61に設けられ回収タンク51内の絶縁油1をバッファータンク41へ流すためのポンプ62と、循環用配管61を開閉するための開閉弁63と、で構成すれば良い。
また、図4に示すように、取り出し用配管55の開閉弁57(図1参照)を三方弁64とし、当該三方弁64を介して循環用配管65を電気機器400へ接続して、回収タンク51内の絶縁油1を電気機器400へ戻して循環するようにしても良い。
なお、上記説明では、カラム2が一つの場合について説明したが、カラム2は一つである必要はなく、複数のカラム2を直列に配置して処理することも可能である。
次に、本発明の絶縁油改良方法について上述した絶縁油改良装置を用いて説明する。
まず、電気機器400にバッファータンク用供給管44を接続して、電気機器400内の絶縁油1をバッファータンク41内に貯留する。
また、カラム2及びカラム2内の充填材21は、加熱手段3によって80〜200℃、好ましくは180℃に加熱しておく。
次に、供給流量調節弁43を調節し、供給管42を介してバッファータンク41からカラム2内に絶縁油1を供給する。この際、カラム2内の絶縁油の滞留時間は、最適な処理時間となるように供給流量調節弁43および開閉弁53で任意に調節される。
カラム内に供給された絶縁油1は、充填材21を通過する際に、絶縁油1に含まれる不純物・添加物が金属カルシウムによって分解される。また、充填材21として酸化カルシウムを用いている場合には、絶縁油1内の水分が吸湿される。これにより、絶縁油1が改質される。
カラム2内を通過し改良された絶縁油1は、排出管52を介して回収タンク51に回収される。
なお、回収タンク51に回収された絶縁油1は、循環用配管61を介してバッファータンク41に戻し、複数回カラム2内の充填材21を通してろ過しても良い。
実施例
以下に、本発明の絶縁油改良方法を用いて絶縁油を処理した場合とその比較例の結果を示す。
以下に、本発明の絶縁油改良方法を用いて絶縁油を処理した場合とその比較例の結果を示す。
比較例1
トランス油(出光,製品名:出光トランスフォーマーオイルG,初期微量水分7ppm)に対して、500ppmとなるよう水分を添加混合した(以下、含水トランス油という)。次いで、金属カルシウム及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属カルシウム:酸化カルシウム=1:9)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。次に、常温において、含水トランス油20mLを前記カラムの上部から流し、溶離液中の水分量をデジタル式オイル内水分計(VAISALA社製,MM70)で計測した。カラム流通により含水率は10ppmにまで低下した。
トランス油(出光,製品名:出光トランスフォーマーオイルG,初期微量水分7ppm)に対して、500ppmとなるよう水分を添加混合した(以下、含水トランス油という)。次いで、金属カルシウム及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属カルシウム:酸化カルシウム=1:9)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。次に、常温において、含水トランス油20mLを前記カラムの上部から流し、溶離液中の水分量をデジタル式オイル内水分計(VAISALA社製,MM70)で計測した。カラム流通により含水率は10ppmにまで低下した。
比較例2
金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=1:10:89)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。次に、常温において、前記含水トランス油20mLを前記カラムの上部から流し、得られた18mLの溶離液中の水分量をデジタル式オイル内水分計(VAISALA社製,MM70)で計測した。カラム流通により含水率は9ppmにまで低下した。
金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=1:10:89)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。次に、常温において、前記含水トランス油20mLを前記カラムの上部から流し、得られた18mLの溶離液中の水分量をデジタル式オイル内水分計(VAISALA社製,MM70)で計測した。カラム流通により含水率は9ppmにまで低下した。
実施例1
金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=1:10:89)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填し、カラムをリボンヒーターで180℃に加熱した。次いで、前記含水トランス油20mLを前記カラムの上部から流し、得られた19mLの溶離液を常温に冷ました後、水分量をデジタル式オイル内水分計(VAISALA社製,MM70)で計測した。カラム流通により含水率は検出下限値以下にまで低下した。これにより、カラムを加熱することによって、水分除去率が向上することがわかる。
金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=1:10:89)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填し、カラムをリボンヒーターで180℃に加熱した。次いで、前記含水トランス油20mLを前記カラムの上部から流し、得られた19mLの溶離液を常温に冷ました後、水分量をデジタル式オイル内水分計(VAISALA社製,MM70)で計測した。カラム流通により含水率は検出下限値以下にまで低下した。これにより、カラムを加熱することによって、水分除去率が向上することがわかる。
以下の実施例、比較例では、被分解対象物の初期濃度は20ppmとし、分解物比はガスクロマトグラフィ/質量分析法(GC/MS)のクロマト比から求めた。
実施例2
前記含水トランス油中に4-ヒドロキシビフェニルを20ppmとなるよう添加混合した(以下、HB含水トランス油という)。次に、金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=1:10:89)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。このカラム外壁にセットしたリボンヒーターで180℃に加熱し、前記HB含水トランス油20mLをおよそ1時間掛けて通過させた。得られた19mLの回収物をカラムクロマトグラフィーによりトランス油とそれ以外に分離し、分離物をGC/MS(SHIMADZU社製,GCMS-QP2010シリーズ)で成分分析を行った。添加物の4−ヒドロキシビフェニルは認められず、脱ヒドロキシ化及び環還元反応が進行したシクロヘキシルベンゼンが90%、さらに2つの芳香環が共に還元したビシクロヘキサンが10%生成した。また、水分は同様の分析法を用いた結果、検出下限値以下となった。したがって、4-ヒドロキシビフェニルを還元し、効果的に分解できることがわかる。
前記含水トランス油中に4-ヒドロキシビフェニルを20ppmとなるよう添加混合した(以下、HB含水トランス油という)。次に、金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=1:10:89)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。このカラム外壁にセットしたリボンヒーターで180℃に加熱し、前記HB含水トランス油20mLをおよそ1時間掛けて通過させた。得られた19mLの回収物をカラムクロマトグラフィーによりトランス油とそれ以外に分離し、分離物をGC/MS(SHIMADZU社製,GCMS-QP2010シリーズ)で成分分析を行った。添加物の4−ヒドロキシビフェニルは認められず、脱ヒドロキシ化及び環還元反応が進行したシクロヘキシルベンゼンが90%、さらに2つの芳香環が共に還元したビシクロヘキサンが10%生成した。また、水分は同様の分析法を用いた結果、検出下限値以下となった。したがって、4-ヒドロキシビフェニルを還元し、効果的に分解できることがわかる。
実施例3
前記含水トランス油中にジベンゾフランを20ppmとなるよう添加混合した(以下、DBF含水トランス油という)。次に、金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=1:10:89)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。このカラム外壁にセットしたリボンヒーターで180℃に加熱し、前記DBF含水トランス油20mLをおよそ1時間掛けて通過させた。得られた19mLの回収物をカラムクロマトグラフィーによりトランス油とそれ以外に分離し、分離物をGC/MS(SHIMADZU社製,GCMS-QP2010シリーズ)で成分分析を行った。添加物のジベンゾフランは認められず、エーテル結合が開裂し、さらに脱酸素化及び環還元反応が進行したシクロヘキシルベンゼンが85%、さらに2つの芳香環が共に還元したビシクロヘキサンが15%生成した。また、水分は同様の分析法を用いた結果、検出下限値以下となった。したがって、ジベンゾフランを還元し、効果的に分解できることがわかる。
前記含水トランス油中にジベンゾフランを20ppmとなるよう添加混合した(以下、DBF含水トランス油という)。次に、金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=1:10:89)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。このカラム外壁にセットしたリボンヒーターで180℃に加熱し、前記DBF含水トランス油20mLをおよそ1時間掛けて通過させた。得られた19mLの回収物をカラムクロマトグラフィーによりトランス油とそれ以外に分離し、分離物をGC/MS(SHIMADZU社製,GCMS-QP2010シリーズ)で成分分析を行った。添加物のジベンゾフランは認められず、エーテル結合が開裂し、さらに脱酸素化及び環還元反応が進行したシクロヘキシルベンゼンが85%、さらに2つの芳香環が共に還元したビシクロヘキサンが15%生成した。また、水分は同様の分析法を用いた結果、検出下限値以下となった。したがって、ジベンゾフランを還元し、効果的に分解できることがわかる。
比較例3
金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=1:10:89)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。このカラム外壁にセットしたリボンヒーターで160℃に加熱し、前記HB含水トランス油20mLをおよそ1時間掛けて通過させた。得られた19mLの回収物をカラムクロマトグラフィーによりトランス油とそれ以外に分離し、分離物をGC/MS(SHIMADZU社製,GCMS-QP2010シリーズ)で成分分析を行った。添加物の4-ヒドロキシビフェニルが60%回収され、脱ヒドロキシ化及び環還元反応が進行したシクロヘキシルベンゼンが30%、さらに2つの芳香環が共に還元したビシクロヘキサンが10%生成した。また、水分は同様の分析法を用いた結果、検出下限値以下となった。実施例2との比較により、低い温度では4-ヒドロキシビフェニルに対する還元力が低下した。
金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=1:10:89)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。このカラム外壁にセットしたリボンヒーターで160℃に加熱し、前記HB含水トランス油20mLをおよそ1時間掛けて通過させた。得られた19mLの回収物をカラムクロマトグラフィーによりトランス油とそれ以外に分離し、分離物をGC/MS(SHIMADZU社製,GCMS-QP2010シリーズ)で成分分析を行った。添加物の4-ヒドロキシビフェニルが60%回収され、脱ヒドロキシ化及び環還元反応が進行したシクロヘキシルベンゼンが30%、さらに2つの芳香環が共に還元したビシクロヘキサンが10%生成した。また、水分は同様の分析法を用いた結果、検出下限値以下となった。実施例2との比較により、低い温度では4-ヒドロキシビフェニルに対する還元力が低下した。
比較例4
金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=1:10:89)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。このカラム外壁にセットしたリボンヒーターで180℃に加熱し、前記HB含水トランス油20mLをおよそ30分掛けて通過させた。得られた19mLの回収物をカラムクロマトグラフィーによりトランス油とそれ以外に分離し、分離物をGC/MS(SHIMADZU社製,GCMS-QP2010シリーズ)で成分分析を行った。添加物の4-ヒドロキシビフェニルが10%回収され、脱ヒドロキシ化及び環還元反応が進行したシクロヘキシルベンゼンが85%、さらに2つの芳香環が共に還元したビシクロヘキサンが5%生成した。また、水分は同様の分析法を用いた結果、検出下限値以下となった。実施例2との比較により、処理時間が短いと還元量が低下した。
金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=1:10:89)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。このカラム外壁にセットしたリボンヒーターで180℃に加熱し、前記HB含水トランス油20mLをおよそ30分掛けて通過させた。得られた19mLの回収物をカラムクロマトグラフィーによりトランス油とそれ以外に分離し、分離物をGC/MS(SHIMADZU社製,GCMS-QP2010シリーズ)で成分分析を行った。添加物の4-ヒドロキシビフェニルが10%回収され、脱ヒドロキシ化及び環還元反応が進行したシクロヘキシルベンゼンが85%、さらに2つの芳香環が共に還元したビシクロヘキサンが5%生成した。また、水分は同様の分析法を用いた結果、検出下限値以下となった。実施例2との比較により、処理時間が短いと還元量が低下した。
比較例5
金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=0.1:10:89.9)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。このカラム外壁にセットしたリボンヒーターで180℃に加熱し、前記HB含水トランス油20mLをおよそ1時間掛けて通過させた。得られた19mLの回収物をカラムクロマトグラフィーによりトランス油とそれ以外に分離し、分離物をGC/MS(SHIMADZU社製,GCMS-QP2010シリーズ)で成分分析を行った。添加物の4-ヒドロキシビフェニルが20%回収され、脱ヒドロキシ化及び環還元反応が進行したシクロヘキシルベンゼンが77%、さらに2つの芳香環が共に還元したビシクロヘキサンが3%生成した。また、水分は同様の分析法を用いた結果、検出下限値以下となった。実施例2との比較により、触媒として金属ニッケルの量が減ると4-ヒドロキシビフェニルに対する還元力が低下した。
金属ニッケル、金属カルシウム、及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:金属カルシウム:酸化カルシウム=0.1:10:89.9)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。このカラム外壁にセットしたリボンヒーターで180℃に加熱し、前記HB含水トランス油20mLをおよそ1時間掛けて通過させた。得られた19mLの回収物をカラムクロマトグラフィーによりトランス油とそれ以外に分離し、分離物をGC/MS(SHIMADZU社製,GCMS-QP2010シリーズ)で成分分析を行った。添加物の4-ヒドロキシビフェニルが20%回収され、脱ヒドロキシ化及び環還元反応が進行したシクロヘキシルベンゼンが77%、さらに2つの芳香環が共に還元したビシクロヘキサンが3%生成した。また、水分は同様の分析法を用いた結果、検出下限値以下となった。実施例2との比較により、触媒として金属ニッケルの量が減ると4-ヒドロキシビフェニルに対する還元力が低下した。
比較例6
金属ニッケル及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:酸化カルシウム=1:99)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。このカラム外壁にセットしたリボンヒーターで180℃に加熱し、前記HB含水トランス油20mLをおよそ1時間掛けて通過させた。得られた19mLの回収物をカラムクロマトグラフィーによりトランス油とそれ以外に分離し、分離物をGC/MS(SHIMADZU社製,GCMS-QP2010シリーズ)で成分分析を行った。ほぼ原料回収に終わった。また、水分は同様の分析法を用いた結果、検出下限値以下となった。これにより、分解には金属カルシウムが必要であることがわかる。なお、金属カルシウムとニッケルのみの粉体は、ミル壁に酷く吸着し粉体を調製できなかった。したがって、分散体としての酸化カルシウムも必須であることがわかる。
金属ニッケル及び酸化カルシウムからなる充填剤(配合量は質量比で金属ニッケル:酸化カルシウム=1:99)をガラス製カラム(φ20)に充填高さが10cmとなるように充填した。このカラム外壁にセットしたリボンヒーターで180℃に加熱し、前記HB含水トランス油20mLをおよそ1時間掛けて通過させた。得られた19mLの回収物をカラムクロマトグラフィーによりトランス油とそれ以外に分離し、分離物をGC/MS(SHIMADZU社製,GCMS-QP2010シリーズ)で成分分析を行った。ほぼ原料回収に終わった。また、水分は同様の分析法を用いた結果、検出下限値以下となった。これにより、分解には金属カルシウムが必要であることがわかる。なお、金属カルシウムとニッケルのみの粉体は、ミル壁に酷く吸着し粉体を調製できなかった。したがって、分散体としての酸化カルシウムも必須であることがわかる。
1 絶縁油
2 カラム
3 加熱手段
4 供給部
5 回収部
6 循環手段
21 充填材
22 目詰まり防止材
400 電気機器
2 カラム
3 加熱手段
4 供給部
5 回収部
6 循環手段
21 充填材
22 目詰まり防止材
400 電気機器
Claims (8)
- 絶縁油の不純物・添加物を除去するための絶縁油改良装置であって、
金属カルシウムと、酸化カルシウム又は水酸化カルシウムの少なくともいずれか一方と、からなる充填材を有するカラムと、
前記カラム内を加熱する加熱手段と、
前記カラムに絶縁油を供給する供給部と、
前記カラムを通過した絶縁油を回収する回収部と、
を具備することを特徴とする絶縁油改良装置。 - 前記加熱手段が加熱するカラム内の温度を80〜200℃の所定温度に制御する温度コントローラーを具備することを特徴とする請求項1記載の絶縁油改良装置。
- 前記充填材は更にニッケルを有することを特徴とする請求項1又は2記載の絶縁油改良装置。
- 前記回収部の絶縁油を前記カラムに循環させる循環手段を具備することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の絶縁油改良装置。
- 絶縁油の不純物・添加物を除去するための絶縁油改良カラムであって、
80〜200℃の所定の処理温度において耐熱性を有するカラム本体と、
前記カラム本体の内部に配置され、金属カルシウムと、酸化カルシウム又は水酸化カルシウムの少なくともいずれか一方と、からなる充填材と、
を具備することを特徴とする絶縁油改良カラム。 - 絶縁油の不純物・添加物を除去するための絶縁油改良方法であって、
金属カルシウムと、酸化カルシウム又は水酸化カルシウムの少なくともいずれか一方と、からなる充填材を有し、80〜200℃の所定温度に加熱されたカラム内に、前記絶縁油を通過させてろ過することを特徴とする絶縁油改良方法。 - 前記カラムは、更にニッケルを有することを特徴とする請求項6記載の絶縁油改良方法。
- 絶縁油に対し、前記ろ過を複数回繰り返し行うことを特徴とする請求項6又は7記載の絶縁油改良方法。
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JP2002045436A (ja) * | 2000-08-03 | 2002-02-12 | Noritsu Koki Co Ltd | 有害物質の分解処理方法とその装置 |
JP4398764B2 (ja) * | 2004-03-29 | 2010-01-13 | 健二 鈴木 | ハロゲン化有機物の脱ハロゲン化方法 |
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JP2010259681A (ja) * | 2009-05-10 | 2010-11-18 | Prefectural Univ Of Hiroshima | Pcb含有油の無害化処理方法及びpcb含有油の無害化処理装置 |
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