JP2013203094A - 検測車動揺状態補正方法及び装置、並びに検測方法及び装置 - Google Patents

検測車動揺状態補正方法及び装置、並びに検測方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】走行台車に直接接触している検出アームを用いることなく車体動揺を検出し、正確な検測を行えるようにする。
【解決手段】本発明では、検測レール10L,10Rに沿って走行する台車30に搭載された検測車両20を用いて車両の運行に関する周辺構造物の状態を測定する。走行中における検測車両の台車に対する動揺状態を台車両側の車軸上の車体下面に設けられた複数個の2次元センサ2a,2bを用いて測定する。検測車両の台車に対する動揺状態に基づいて検測車両によって測定された検測結果を補正する。検測車両の動揺状態を2次元センサを用いて非接触で測定し、それに基づいて検測結果を補正する。これによって、検測車走行時における車体動揺(ローリング等)の影響を受けることなく正確な検測を行うことができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両の運行に関する周辺構造物を測定する検測車のローリング等の動揺を補正する検測車動揺状態補正方法及び装置、並びに検測方法及び装置に関する。
鉄道の安定輸送には車両の軌道、架線、電気供給用サードレール等のような車両の運行に関する周辺構造物である電車線路設備等の測定管理が必要である。これらの測定には、測定装置を搭載した専用の検測車を用いているが、走行時に検測車の車輪フランジにより車体動揺(ローリング等)が発生していた。測定装置を搭載した検測車で得られた測定値は、左右の検測車の傾きに応じて測定値を補正することが必要になるので、検測車は、車体と走行台車との間に水平状態にある基準状態の車体に対して車体高さの変化を検出する車体高さ変位量検出器を搭載している。この車体高さ変位量検出器は、通常、車体側に検出器本体を取付け、回動する検出アームを走行台車(台車軸箱)側に回動可能に接触させて検出している。車体高さ変位量検出器は走行台車と車体との間に設けられ、検出アームが走行台車に直接接触している関係で、レールと車輪との間で発生する衝撃を検出アームが軸箱を介して直接受けてしまう。そのため、従来は、車体側の検出器の検出アームを台車軸箱に左右方向の回動を許容するヒンジを介してリンク結合した2段の連結アームによりその衝撃を吸収したものが特許文献1に記載されている。
特開2008−249365号公報
特許文献1に記載のようなヒンジを介してリンク結合した2段の連結アーム接続の検出アームは、レールと車輪との間の衝撃に対して検出アームを左右方向に自由度を持つヒンジにより緩和するものであるが、在来線での引込線への進入や軌道設備の条件により、車体と走行台車との間にねじれ現象が発生することがある。このようなねじれは、左右方向に自由度を持つヒンジでは吸収しきれないため、大きなねじれが発生すると急激な負荷が検出アームにかかり、2段の連結アーム構造の検出アームが破損するおそれがあった。
本発明は、上述の点に鑑みなされたものであって、走行台車に直接接触している検出アームを用いることなく車体の動揺状態を検出し、正確な検測を行うことのできる検測車動揺状態補正方法及び装置、並びに検測方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明に係る検測車動揺状態補正方法の第1の特徴は、レールに沿って走行する台車に搭載された検測車両を用いて車両の運行に関する周辺構造物の状態を測定するステップと、走行中における前記検測車両の前記台車に対する動揺状態を前記台車両側の車軸上の車体下面に設けられた複数個のセンサを用いて測定するステップと、前記検測車両の前記台車に対する動揺状態に基づいて検測車両によって測定された検測結果を補正するステップとを備えたことにある。この発明は、検測車両の動揺状態をセンサを用いて非接触で測定し、それに基づいて検測結果を補正するようにしたものである。これによって、本発明は検測車走行時における車体動揺(ローリング等)の影響を受けることなく正確な検測を行うことができる。
本発明に係る検測車動揺状態補正方法の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の検測車動揺状態補正方法において、前記センサが前記台車の車軸までの距離を検出し、検出された前記距離に基づいて前記検測車両の動揺状態を測定し、前記検測結果を補正することにある。これは、非接触方式のセンサを用いて台車の車軸までの距離を検出することによって、検測車両の動揺(ローリング等)を測定するようにしたものである。
本発明に係る検測車動揺状態補正装置の第1の特徴は、レールに沿って走行する台車に搭載され、車両の運行に関する周辺構造物の状態を測定する検測車両と、走行中における前記検測車両の前記台車に対する動揺状態を前記台車両側の車軸上の車体下面に設けられた複数個のセンサを用いて測定する動揺状態測定手段と、前記動揺状態測定手段によって測定された前記検測車両の動揺状態に基づいて前記検測車両によって測定された検測結果を補正する補正手段とを備えたことにある。これは、前記検測車動揺状態補正方法の第1の特徴に対応した検測車動揺状態補正装置の発明である。
本発明に係る検測車動揺状態補正装置の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の検測車動揺状態補正装置において、前記動揺状態測定手段が前記センサを用いて前記台車の車軸までの距離を検出し、検出された前記距離に基づいて前記検測車両の動揺状態を測定し、前記補正手段は前記動揺状態に基づいて前記検測結果を補正することにある。これは、前記検測車動揺状態補正方法の第2の特徴に対応した検測車動揺状態補正装置の発明である。
本発明に係る検測方法は、前記第1又は第2の特徴に記載の検測車動揺状態補正方法を用いて、レールに沿って走行する台車上に搭載された検測車両によって測定された周辺構造物の状態の測定結果を補正することにある。これは、前記第1又は第2の特徴に記載の検測車動揺状態補正方法を用いた検測方法の発明である。
本発明に係る検測装置は、前記第1又は第2の特徴に記載の検測車動揺状態補正装置を用いて、レールに沿って走行する台車上に搭載された検測車両によって測定された周辺構造物の状態の測定結果を補正することにある。これは、前記第1又は第2の特徴に記載の検測車動揺状態補正装置を用いた検測装置の発明である。
本発明によれば、走行台車に直接接触している検出アームを用いることなく車体の動揺状態を検出し、正確な検測を行うことができるという効果がある。
検測装置を搭載した検測車を上側から見た概略図である。 車軸上の車体に載置される2次元センサと検測車の車両との関係を示す図である。 2次元センサと車軸との関係を示す図である。 車体の動揺で発生するローリングの概略とその角度算出法を示す図である。
図1は、検測装置を搭載した検測車を上側から見た概略図である。検測車20は、平行する2本の走行レール10L,10R上を走行する2つの台車30,40上に搭載されている。図1では、走行レール10L,10R及び検測車20を点線で示してある。台車30は、2本の車軸31,32と、その両端に設けられた4つの車輪33〜36と、車軸31,32を回動可能に固定した台車フレーム枠37,38とから構成される。台車40も同様に2本の車軸41,42と、その両端に設けられた4つの車輪43〜46と、車軸41,42を回動可能に固定した台車フレーム枠47,48とから構成される。検測車20の車両内の車軸31又は32又は41又は42上に摩耗・偏位測定装置などの検測装置1が配置されている。この実施の形態では、車軸32上に検測装置1が配置されている場合が示されている。
車軸31,32,41,42の両端側には軸箱体31a,31b,32a,32b,41a,41b,42a,42bがそれぞれ台車フレーム枠37,38,47,48を介して取り付けられている。2次元センサ2a,2bは、車軸32上の車体下面に載置されている。2次元センサ2a,2bは、検測車20が走行レール10L,10Rと平行な状態を保てず、走行レール10L,10Rに対してある角度をもって傾斜してしまうローリングの影響を測定するものである。
検測装置1が検測車20の車両内の車軸31の上側に設けられている場合には、2次元センサ2a,2bは車軸31の上側の車体下面に載置される。また、検測装置1が検測車20の車両内の車軸41の上側に設けられている場合は、2次元センサ2a,2bは車軸41の上側の車体下面に載置される。検測装置1が検測車20の車両内の車軸42の上側に設けられている場合は、2次元センサ2a,2bは車軸42の上側の車体下面に載置される。
図2は、車軸上の車体に載置される2次元センサと検測車の車両との関係を示す図であり、図1の車軸32と2次元センサ2bと検測車20の一部を拡大して示した図である。図2に示すように、2次元センサ2bは、車軸32の上側であって検測車20の車体の下面側の平坦部に載置されている。2次元センサ2bは、車軸32の上側表面に対して点線矢印2eのようにレーザ光を照射すると共に車軸32からの反射光2rを受光し、その照射状態を検出するように取り付けられている。なお、2次元センサ2aも、上記に説明した2次元センサ2bと同様に配置されている。
図3は、2次元センサと車軸との関係を示す図である。2次元センサ2bは、半導体レーザ素子21と、出射用集光レンズ22と、受光用集光レンズ23と、CMOS型受光素子24とから構成される。半導体レーザ素子21は、所定波長のレーザ光を出射する。出射用集光レンズ22は、半導体レーザ素子21から出射されたレーザ光を車軸32に集光照射する。受光用集光レンズ23は、車軸32に照射されたレーザ光の位置をCMOS型受光素子24上に結像する。CMOS型受光素子24は、ラインセンサで構成され、車軸32上のレーザ光の照射位置を受光する。検測車20のローリングによって2次元センサ2bの位置が上下動することによって、CMOS型受光素子24上におけるレーザ光の受光位置も移動するので、受光位置に基づいて車軸32の位置が検出される。なお、2次元センサ2aと車軸32との関係も、上記と同様である。
図4は、車体の動揺で発生するローリングの概略とその角度算出法を示す図である。ローリングとは、図4に示すように、検測車20が走行レール10L,10Rに接した面に対し、その重心位置が高いため、旋回するとその遠心力によって、検測車20が外側に傾斜することである。図4では、検測車20が走行レール10Lの外側に角度θx傾斜している状態が示されている。この傾斜角度θxに連動して2次元センサ2a,2bと車軸32との位置関係も図4のようになる。2次元センサ2aは、車軸32までの距離を検出し、それを左センサ測定値H1として出力する。2次元センサ2bは、車軸32までの距離を検出し、それを右センサ測定値H2として出力する。検測装置1は、左センサ測定値H1、右センサ測定値H2、及び左右センサ設置間距離Lに基づいて、検測車20のローリング角θxを算出する。2次元センサ2aによって求められた左センサ測定値H1と、2次元センサ2bによって求められた右センサ測定値H2との位置関係は、図4に示すような三角関数の関係にある。従って、ローリング角θxは、図4の演算式によって求めることができる。すなわち、ローリング角θxは、arctan{(H1−H2)/L}にて求めることができる。
検測装置1は、上述のようにして算出したローリング角θxを補正率とし、この補正率をそれぞれの測定データに演算処理することにより、車体動揺(ローリング等)を除去した静的(停止状態と同等)な測定を行うことができる。この実施の形態によれば、従来のように走行台車に直接接触している検出アームを用いることなく車体動揺を検出し、正確な検測を行うことができるようになる。なお、2次元センサの代わりに、3次元センサを使用して2次元分のデータを用いてもよい。
1…検測装置、
10L,10R…走行レール、
20…検測車、
21…半導体レーザ素子、
22…出射用集光レンズ、
23…受光用集光レンズ、
24…CMOS型受光素子、
2a,2b…2次元センサ、
30,40…台車、
31,32,41,42…車軸、
31a,31b,32a,32b…軸箱体、
41a,41b,42a,42b…軸箱体、
33〜36,43〜46…車輪、
37,38,47,48…台車フレーム枠、
H1…左センサ測定値、
H2…右センサ測定値

Claims (6)

  1. レールに沿って走行する台車に搭載された検測車両を用いて車両の運行に関する周辺構造物の状態を測定するステップと、
    走行中における前記検測車両の前記台車に対する動揺状態を前記台車両側の車軸上の車体下面に設けられた複数個のセンサを用いて測定するステップと、
    前記検測車両の前記台車に対する動揺状態に基づいて検測車両によって測定された検測結果を補正するステップと
    を備えたことを特徴とする検測車動揺状態補正方法。
  2. 請求項1に記載の検測車動揺状態補正方法において、前記センサは、前記台車の車軸までの距離を検出し、検出された前記距離に基づいて前記検測車両の動揺状態を測定し、前記検測結果を補正することを特徴とする検測車動揺状態補正方法。
  3. レールに沿って走行する台車に搭載され、車両の運行に関する周辺構造物の状態を測定する検測車両と、
    走行中における前記検測車両の前記台車に対する動揺状態を前記台車両側の車軸上の車体下面に設けられた複数個のセンサを用いて測定する動揺状態測定手段と、
    前記動揺状態測定手段によって測定された前記検測車両の動揺状態に基づいて前記検測車両によって測定された検測結果を補正する補正手段と
    を備えたことを特徴とする検測車動揺状態補正装置。
  4. 請求項3に記載の検測車動揺状態補正装置において、前記動揺状態測定手段は、前記センサを用いて前記台車の車軸までの距離を検出し、検出された前記距離に基づいて前記検測車両の動揺状態を測定し、前記補正手段は前記動揺状態に基づいて前記検測結果を補正することを特徴とする検測車動揺状態補正装置。
  5. 請求項1又は2に記載の検測車動揺状態補正方法を用いて、レールに沿って走行する台車上に搭載された検測車両によって測定された周辺構造物の状態の測定結果を補正することを特徴とする検測方法。
  6. 請求項3又は4に記載の検測車動揺状態補正装置を用いて、レールに沿って走行する台車上に搭載された検測車両によって測定された周辺構造物の状態の測定結果を補正することを特徴とする検測装置。
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