JP2013202917A - 段ボールシート製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】製函機による製函工程における段ボールシートの接合精度を向上させる段ボールシート製造装置を提供する。
【解決手段】製函機により複数の罫線を施しこれらの各罫線の位置で折り曲げて接合することにより段ボール箱を製作するための、段ボールシートを製造する段ボールシート製造装置1であり、片面段ボールシートを製造するシングルフェーサ8と、両面段ボールシートを製造するダブルフェーサと、所定の切断長さLに切断するカッタ装置と、を有し、シングルフェーサが、両面段ボールシートの切断長さが中芯の段ピッチの整数倍となるように段ピッチの値を演算して設定する段ピッチ演算装置と、片面段ボールシートの段ピッチを検出する段ピッチ検出装置と、検出された片面段ボールシートの段ピッチが設定された段ピッチと等しくなるようにシングルフェーサへ送り込まれるライナの張力を調整するブレーキコントローラ44と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、段ボールシート製造装置に係わり、特に、製函機により複数の罫線を施しこれらの各罫線の位置で折り曲げて接合することにより段ボール箱を製作するための、段ボールシートを製造する段ボールシート製造装置に関する。
段ボールシートを製造するための段ボールシート製造装置は、中芯とライナとを貼り合せて片面段ボールシートを製造するシングルフェーサと、この片面段ボールシートに他のライナを貼り合せて両面段ボールシートを製造するダブルフェーサと、両面段ボールシートに、シートの流れ方向に沿って、スリット加工と罫線加工を施すスリッタスコアラ装置と、両面段ボールシートをシートの流れ方向における所定の切断長さに切断するカッタ装置と、を備えている。
このような段ボールシート製造装置においては、シングルフェーサにより片面段ボールシートを製造する際、段(波形状)が形成された中芯の段ピッチが、紙の温度、水分量、ライナに作用するテンション等により、段ピッチの大きさが変化して位相ずれを起こし、これより種々の問題が発生している。
例えば、特許文献1には、段ボールシート製造装置が記載され、この段ボールシート製造装置は、ライナに波形に形成された第1芯紙(第1中芯)を貼り合せる第1シングルフェーサと、この第1芯紙の波形に合致するように所定の波形に形成された第2芯紙(第2中芯)を貼り合せる第2シングルフェーサを備え、この段ボールシート製造装置においては、第1芯紙と第2芯紙の波形の位相ずれが発生した場合には、第1シングルフェーサにより形成された片面段ボールシートの張力を調整して、両者の位相を合致させるようにしている。
特許文献2(段落〔0005〕参照)には、段ボールシートの製函機が記載され、この段ボールシート製函機においては、罫線を入れる位置が段ボールシートの段山と段山の間に付与するか、もしくは段山の位置に付与するかでフォルダグルアーで折り曲げ加工を行なったときに折り曲がり方が異なり、折り曲げ加工不良が発生するので、既存の罫線付与具とは別の第2の罫線付与具を設け、これらの罫線付与具により、段ボールシートに罫線が付与されるようになっている。
特許第2786620号公報 特開2002−36388号公報
段ボールシート製造装置により製造された段ボールシートにおいては、上述したように、シングルフェーサにより片面段ボールシートを製造する際、紙の温度、水分量、ライナに作用するテンション等により、中芯の段ピッチの大きさが変化して位相ずれを起こし、各段ボールシートにおける、段山の位相が揃わないため、その後の製函機による製函工程において、各段ボールシートに加工が行われる各罫線位置での折り曲がり方のばらつきが大きく、それゆえ、製函工程での接合精度が低下し、箱寸法が均一とならないという問題であった。この問題は、未だに解決されておらず、問題の解決が要望されている。
そこで、本発明は、従来からの要請に応じてなされたものであり、片面段ボールシートを製造する際に中芯の段ピッチの位相を調整して、その後の製函機による製函工程において、各段ボールシートに加工が行われる各罫線位置での中芯の段ピッチの位相を揃えることにより、段ボールシートの接合精度が向上し、箱寸法を均一化することが出来る段ボールシート製造装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は、製函機により複数の罫線を施しこれらの各罫線の位置で折り曲げて接合することにより段ボール箱を製作するための、段ボールシートを製造する段ボールシート製造装置であって、所定の段ピッチの段が形成された中芯とライナとを貼り合せて片面段ボールシートを製造するシングルフェーサと、片面段ボールシートに他のライナを貼り合せて両面段ボールシートを製造するダブルフェーサと、両面段ボールシートをシートの流れ方向に沿って所定の切断長さに切断するカッタ装置と、を有し、シングルフェーサが、両面段ボールシートの切断長さが中芯の段ピッチの整数倍となるように段ピッチの値を演算して設定する段ピッチ演算装置と、シングルフェーサから送り出される片面段ボールシートの段ピッチを検出する段ピッチ検出装置と、この段ピッチ検出装置により検出された片面段ボールシートの段ピッチが段ピッチ演算装置により設定された段ピッチと等しくなるようにシングルフェーサへ送り込まれるライナの張力を調整する張力調整装置と、を備えていることを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、シングルフェーサにおいて、両面段ボールシートの切断長さが中芯の段ピッチの整数倍となるように段ピッチが設定されているので、流れ方向において所定長さに切断された各段ボールシートの段山の位相を揃えることができる。さらに、シングルフェーサから送り出される片面段ボールシートの段ピッチを検出し、検出された片面段ボールシートの段ピッチが設定された段ピッチと等しくなるようにシングルフェーサへ送り込まれるライナの張力を調整するようにしている。従って、その後の製函機による折り曲げ加工における段ボールシートの各罫線の位置での段の位相を一定に揃えることができ、製函工程における段ボールシートの接合精度を向上させ、箱寸法を均一化することができる。
本発明において、好ましくは、段ピッチ検出装置が、シングルフェーサの出口側に設けられ片面段ボールシートの表面の画像を検出する画像検出装置と、この画像検出装置により検出された画像を処理して片面段ボールシートの段ピッチを検出する画像処理装置と、を備えている。
このように構成された本発明によれば、片面段ボールシートの表面の画像を検出し、この検出された画像を処理して段ピッチを検出するようにしているので、精度良く、片面段ボールシートの段ピッチを検出することができ、それにより、その後の製函工程において、段ボールシートの接合精度を向上させ、箱寸法を均一化することができる。
本発明において、好ましくは、シングルフェーサは、中芯にライナを押圧して貼り付けるためのプレスロールを備え、画像検出装置は、このプレスローラによりライナ表面に形成されたプレスマークを検出する。
このように構成された本発明によれば、画像検出装置が、プレスローラによりライナ表面に形成されたプレスマークを検出するようにしているので、段ピッチの位相ずれを確実に検出することができ、それにより、その後の製函工程において、段ボールシートの接合精度を向上させ、箱寸法を均一化することができる。
本発明において、好ましくは、画像検出装置は、片面段ボールシートの段山の画像を検出する。
このように構成された本発明によれば、画像検出装置が、片面段ボールシートの段山を検出するようにしているので、段ピッチの位相ずれを確実に検出することができ、それにより、その後の製函工程において、段ボールシートの接合精度を向上させることができ、それにより、その後の製函工程において、段ボールシートの接合精度を向上させ、箱寸法を均一化することができる。
本発明において、好ましくは、画像検出装置は、CCDカメラである。
このように構成された本発明によれば、画像検出装置としてCCDカメラを用いているので、段ピッチの位相ずれを簡易且つ精度良く検出することができる。
本発明において、好ましくは、カッタ装置が、両面段ボールシートを切断する前に、両面段ボールシートの段山の位相を検出する段山位相検出装置と、この段山位相検出装置により検出された両面段ボールシートの段山の位相が、切断予定位置の段山の位相よりずれた場合には、カッタ装置の回転速度を制御して、このずれ量を所定の範囲内に補正する速度制御装置と、を有する。
このように構成された本発明においては、両面段ボールシートを切断する前に、両面段ボールシートの段山の位相が、切断予定位置における段山の位相よりずれた場合には、このずれ量を所定の範囲内において補正しているので、その後の製函工程において、段ボールシートの接合精度を更に向上させることができ、箱寸法を均一化することができる。
本発明において、好ましくは、段山位相検出装置が、両面段ボールシートの表面の画像を検出する画像検出装置と、この画像検出装置により検出された画像を処理して両面段ボールシートの段山の位相を検出する画像検出装置と、を備えている。
このように構成された本発明においては、画像検出装置により、両面段ボールシートの表面の画像を検出し、画像処理装置により、検出された画像を処理しているので、両面段ボールシートの段山の位相を正確に検出することができ、その後の製函工程において、段ボールシートの接合精度を更に向上させ、箱寸法を均一化することができる。
本発明の段ボール製造装置によれば、片面段ボールシートを製造する際に中芯の段ピッチの位相を調整して、その後の製函工程において、各段ボールシートに加工が行われる各罫線位置での中芯の段ピッチの位相を揃えることにより、段ボールシートの接合精度が向上し、箱寸法を均一化することが出来る。
本発明の実施形態による段ボールシート製造装置の全体を示す側面図である。 本発明の実施形態による段ボールシート製造装置のシングルフェーサ、ライナ用原紙掛け及びスプライサを示す側面図である。 片面段ボールシートの一部を示す拡大段面図である。 本発明の実施形態による段ボールシート製造装置のカッタ装置を示す側面図である。 本発明の実施形態による段ボールシート製造装置のシングルフェーサにおける制御フローを示すフローチャートである。 本発明の実施形態による段ボールシート製造装置のカッタ装置における制御フローを示すフローチャートである。 図7(A)は本発明の実施形態による段ボールシート製造装置により製造された両面段ボールシートを示す平面図であり、図7(B)は本発明に実施形態による段ボールシート製造装置により製造された各段ボールシートの側面図である。 図8(A)は、本発明の実施形態による段ボールシート製造装置により製造された後に製函機により加工された両面段ボールシートを示す平面図及びこの平面図のA-A線に沿って見た段面図であり、図8(B)は、各両面段ボールシートにおける各罫線位置での部分断面図である。 製函工程における貼り合せされた段ボールシートの貼合部を示す平面図である。 従来の段ボールシート製造装置と本発明の実施形態による段ボールシート製造装置によりそれぞれ製造された各段ボールシートにおける貼合部のギャップ量のばらつきを示す線図である。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による段ボールシート製造装置を説明する。
最初に、図1により、本発明の実施形態による段ボールシート製造装置の全体構造を説明する。符号1は、段ボールシート製造装置(コルゲータマシン)を示し、この段ボールシート製造装置1は、所定の段ピッチPを持つ段が形成される中芯2とライナ4とを貼り合せて片面段ボールシート6を製造するシングルフェーサ8と、この片面段ボールシート6に他のライナ10を貼り合せて両面段ボールシート12を製造するダブルフェーサ14と、両面段ボールシート12に、流れ方向F1に沿って(即ち、段と直交する方向に沿って)、スリット加工(図7(A)のスリット9参照)と罫線(図7(A)の罫線11a参照)の付与加工を行うスリッタスコアラ13と、両面段ボールシート12をシートの流れ方向F1における所定の切断長さLに切断するカッタ装置14と、この切断された各両面段ボールシートを積み重ねるスタッカー装置18を備えている。
段ボールシート製造装置1は、図1に示すように、更に、シングルフェーサ8に中芯2を供給するための中芯用原紙掛け20と、ライナ4を供給するためのライナ用原紙掛け22と、シングルフェーサ8により製造された片面段ボールシート6をダブルフェーサ14に送り出すテイクアップコンベア24と、ダブルフェーサ14に他のライナ10を供給するためのライナ用原紙掛け26等を備えている。なお、各原紙掛け20,22,26は、紙継ぎ用のスプライサ28,30,32をそれぞれ備えている。
次に、図2及び図3により、シングルフェーサ8及びその周辺機器について説明する。シングルフェーサ8は、中芯2に波形の段を形成するための段ロール34を備えている。この段ロール34は、表面に波形の段が形成された上段ロール34a及びこの上段ロール34aと噛合うように真下に配置された下段ロール34bとから構成され、これらの上段ロール34aと下段ロール34bとの間に中芯2が供給され、波形の段が形成されるようになっている。
上段ロール34aの右側下方には、糊付用ローラ36が配置され、中芯2の段山に糊を塗布するようになっている。上段ロール34aの上方領域においてライナ4が供給される上流側にはプレスロール38が配置され、下流側には、支持ロール40が配置されている。このプレスロール38は、所定の圧力の作用により、中芯2の段山とライナ4とを糊付けにより接合するようになっている。このプレスロール38の押圧力により、ライナ4(片面段ボールシート6)の表面、より具体的には、ライナ4の表面の中芯2の段山と接合される部分には、図3に示すように、比較的薄いプレスマークMが形成される。
また、図2に示すように、ライナ用原紙掛け22のライナ原紙を保持する回転軸42には、ライナ4に張力Tを与えるためにブレーキ装置(図示せず)が接続されており、上段ロール34aの周りにおいて、中芯2とライナ4が張り合わされる際、ライナ4に張力Tが作用するようになっている。このブレーキ装置によるブレーキ力は、ブレーキコントローラ44により調整できるようになっている。
シングルフェーサ8の出口側には、片面段ボールシート6の表面に形成されたプレスマークMを検出する画像検出装置であるCCDカメラ46と、このCCDカメラ46により検出されたプレスマークMの画像を処理する画像処理装置48が設けられている。この画像処理装置48は、CCDカメラ46により検出されたプレスマークMの間隔を計測して、片面段ボールシートの段ピッチPの値(長さ)を求めるようにしている(図3参照)。なお、画像処理装置48は、流れ方向F1に沿って、例えば300mm当たりのプレスマークの数を検出することにより、片面段ボールシート6の段ピッチの値(長さ)を求めてもよい。このように、本実施形態においては、このプレスマークMを検出する画像検出装置(CCDカメラ46)と検出されたプレスマークMの画像を処理する画像処理装置48とにより、片面段ボールシート6の段ピッチPを検出するための段ピッチ検出装置が構成されている。
次に、図4により、カッタ装置16及び周辺機器について説明する。カッタ装置14は両面段ボールシートを所定長さLで切断するための上下方向に配置された一対のカッタ16aとこれらのカッタ16aをそれぞれ駆動する電気モータ16bとを備えている。また、カッタ装置14のカッタ16aの回転速度は、電気モータ16bにより、両面段ボールシートを切断するとき速度一定に制御され(定速度領域)、非切断時には、後述するように、速度が変化するように(可変速領域)制御されるようになっている。
また、カッタ装置16の上流側には、両面段ボールシート12の表面のプレスマークを検出するための第2の画像検出装置であるCCDカメラ50と、このCCDカメラ50により検出されたプレスマークの画像を処理する第2の画像処理装置52が設けられている。このCCDカメラ50は、そのCCDカメラ50の位置におけるプレスマークMを検出し、第2の画像処理装置52により、プレスマークMの位置(段山の位置)を求めるようにしている。
また、コントローラ54が設けられており、コントローラ54により、プレスマークMの位置が両面段ボールシート12のカッタ装置16による設定された切断位置(段山の位置)からずれている場合には、カッタ装置16のカッタ16aを駆動する電気モータ16bの回転速度を調整することにより、このずれ量を補正し、各両面段ボールシートの段山の位置で、両面段ボールシートを所定の切断長さLで切断するようになっている(図7(B)参照)。なお、このずれ量の補正量は、カッタ装置16のカッタ16aの切断精度範囲内で行なわれる。
このように、本実施形態においては、このプレスマークMを検出する第2の画像検出装置(CCDカメラ50)と検出されたプレスマークMの画像を処理する第2の画像処理装置52とにより、両面段ボールシート12の段山の位相を検出するための段山位相検出装置が構成されている。
次に、図5により、シングルフェーサ8(図2参照)における制御フローを説明する。図5において、Sは、各ステップを示している。
先ず、S1において、生産する段ボールシート(両面段ボールシート12)の流れ方向F1における切断長さLを設定する(図7(A)参照)。なお、段ボールシートの段方向は、流れ方向F1に直交する方向である。次に、S2において、切断長さLが中芯の段ピッチPの整数倍となるように段ピッチPを演算して設定する。
次に、S3に進み、演算して得られた段ピッチPの値をシングルフェーサ8のコントローラに入力する。S4に進み、CCDカメラ46により片面段ボールシートの表面のプレスマークMを検出する。S5に進み、検出されたプレスマークMの画像を処理する。S6に進み、処理されたプレスマークMの画像により、プレスマークMの間隔(=検出された段ピッチ)を計測する。
次に、S7に進み、プレスマークMの間隔(=検出された段ピッチ)がS2において設定された段ピッチPの値と等しいか否かを判定する。YESの場合には、S11に進む。NOの場合には、S8に進み、プレスマークMの間隔が段ピッチPの値より大きいか否かを判定する。YESの場合には、S9に進み、ブレーキコントローラ44により、ライナ用原紙掛け22のブレーキ力を増大させて、シングルフェーサに送り込まれるライナの張力Tを増大させる。ライナの張力Tが増大させることにより、段ピッチの値は小さくなり、設定された段ピッチPの値と等しくなる。
反対に、NOの場合には、S10に進み、ブレーキコントローラ44により、ライナ用原紙掛け22のブレーキ力を減少させて、シングルフェーサ8に送り込まれるライナの張力Tを減少させる。ライナの張力Tを減少させると、段ピッチの値は大きくなり、設定された段ピッチPの値と等しくなる。S9及びS10の後、S11に進み、段ボールシートの生産が終了したか否かを判定し、終了していなければ、S1に戻る。
次に、図6により、カッタ装置16(図4参照)における制御フローを説明する。図6において、Sは、各ステップを示している。
先ず、S11において、カッタ装置16の上流側で、CCDカメラ50により、プレスマークMを検出する。次に、S12において、画像処理装置52により検出されたプレスマークMの画像を処理する。次に、S13において、CCDカメラ50の位置でも段ボールシートの段山位相を算出する。次に、S14において、CCDカメラ50の位置の段山位相に対して、段ボールシートの切断予定位置で位相遅れがあるか否かを判定する。位相遅れがある場合には、S15に進み、カッタ装置16の上述した可変速領域において、位相遅れが解消するように、カッタ装置の回転速度を増大させる加速制御を行う。この加速制御により、段ボールシートの切断予定位置での位相遅れが解消され、各段ボールシート(両面段ボールシート12)が、同じ段山位相位置(段山の位置)で、切断される。
次に、S16において、CCDカメラ50の位置の段山位相に対して、段ボールシートの切断予定位置の位相進みがあるか否かを判定し、YESの場合には、S17に進み、カッタ装置16の可変速領域において、位相進みが解消するように、カッタ装置の回転速度を減速させる減速制御を行う。この減速制御により、段ボールシートの切断予定位置での位相進みが解消され、各段ボールシート(両面段ボールシート)が、同じ段山位相位置(段山の位置)で、切断される。
次に、S18に進み、オーダが終了したか否かを判定する。
上述した本発明の実施形態による段ボールシート製造装置によれば、以下の優れた作用効果が奏される。
本発明の実施形態による段ボールシート製造装置においては、先ず、段ボールシートの流れ方向F1における切断長さLが中芯ピッチの整数倍となるように段ピッチPを演算して設定しているので、流れ方向F1における所定の切断長さに切断された各段ボールシート(両面段ボールシート12)の段山の位相を揃えることができる。
更に、CCDカメラ46により、片面段ボールシート6の表面のプレスマークMを検出して、プレスマークMの間隔を計測し、その間隔(=段ピッチ)が、設定された段ピッチPの値よりも大きいときは、ライナ用原紙掛け22のブレーキ力を増大させ、それにより、シングルフェーサに送り込まれるライナ4の張力Tを増大させ、ライナ4の供給量を減少させることにより、プレスマークMの間隔を設定された段ピッチPと等しくなるようにし、逆に、プレスマークMの間隔が設定された段ピッチPの値よりも小さなときは、ライナ4の張力Tを減少させ、ライナ4の供給量を増加させることにより、プレスマークMの間隔を設定された段ピッチPと等しくなるようにしている。その結果、切断された各段ボールシート(両面段ボールシート12)の段の位相を確実に揃えることができる。
また、CCDカメラ46を用いて、プレスローラ38によりライナ表面に形成されたプレスマークMを検出するようにしているので、段ピッチの位相ずれを確実に検出することができる。
なお、上述した本実施形態による段ボールシート製造装置1においては、CCDカメラ46により段ボールシートの表面に生じるプレスマークMを検出するようにしているが、それに代わりに、段ボールシートの表面或いは側面から段山を撮影して片面段ボールシートの段山を検出するようにしてもよい。この場合にも、同様に、片面段ボールシートの段山と段山との間隔が設定された段ピッチと等しくなるように、ライナの張力Tが調整される。
また、画像検出装置としてCCDカメラ46を使用しているので、段の位相ずれを簡易且つ精度良く検出することが出来る。
より具体的に説明すると、先ず、本発明の実施形態による段ボールシート製造装置によれば、図7(A)及び(B)に示すように、カッタ装置により切断された各両面段ボールシート12(1枚目、2枚目、・・・n枚目)において、流れ方向F1に直交する方向に段が形成された中芯2の段位相が同じになっている。
ここで、カッタ装置16により長さLに切断された各両面段ボールシートは、図8(A)に示すように、その後の製函工程において、製函機(図示せず)のクリーザスロッタ装置(図示せず)により、上述した段ボールシート製造装置における流れ方向F1とは直交する流れ方向F2に沿って、罫線11b及び溝15が施される。これらの罫線11b、即ち、第1〜第3の罫線の位置(各罫線位置)は、各両面段ボールシート(1枚目、2枚目、・・・、n枚目)において、同じになる(即ち、同じ位相となっている)。そのため、製函機による折り曲げ工程における各罫線11bの位置での折れ方のばらつきが少なくなる。
その結果、図9に示す貼合部Hのギャップ量G(例えば、所定寸法6mm)のばらつきが、図10に示すように、従来よりも少なくなる。このように、本実施形態による段ボール製造装置により製造された両面段ボールシートにより、段ボール箱を製作する場合には、カッタ装置で各両面段ボールシートが所定長さLに切断された後、製函工程において、段ボールシートの接合精度を向上させることができ、さらに、箱寸法が均一化する。
また、本発明の実施形態の段ボールシート製造装置によれば、両面段ボールシート12を切断する前に、両面段ボールシート12の段山の位相が、切断予定位置の段山の位相よりずれた場合には、このずれ量を所定の範囲内(カッタ装置16の切断精度範囲内)において補正しているので、カッタ装置16により、各両面段ボールシート12を切断長さLで切断するとき、切断部の段ボールシートの段位相を同じ位置(段山の位置)にすることができるので、各段ボールシートにおいて、切断位置を揃えることができる(図7(B)参照)。その結果、その後の製函工程において、段ボールシートの接合精度を更に向上させることができる。
さらに、カッタ装置16により切断された、段ボールシートの切断部の位相が、段の山部分あるいは谷部分(貼合箇所)の位置より大きくずれると、ヒゲ状の切断屑が切断部より垂れ下がる「ヒゲ」の問題が起こる(特開平6−339894号公報の段落〔0003〕及び図9参照)。本発明の実施形態の段ボールシート製造装置によれば、カッタ装置による切断位置を、段の山部分あるいは谷部分に揃えることができるので、「ヒゲ」の発生を効果的に防止することが可能となる。
1 段ボールシート製造装置
2 中芯
4,10 ライナ
6 片面段ボールシート
8 シングルフェーサ
9 スリット
11a,11b 罫線
12 両面段ボールシート
14 ダブルフェーサ
15 溝
16 カッタ装置
16a カッタ
16b 電気モータ
22 ライナ用原紙掛け
38 プレスロール
42 回転軸
44 ブレーキコントローラ
46,50 CCDカメラ
48,52 画像処理装置
54 コントローラ
L 切断長さ
M プレスマーク
P 段ピッチ
T 張力
F1 段ボール製造装置におけるシートの流れ方向
F2 製函機におけるシートの流れ方向

Claims (7)

  1. 製函機により複数の罫線を施しこれらの各罫線の位置で折り曲げて接合することにより段ボール箱を製作するための、段ボールシートを製造する段ボールシート製造装置であって、
    所定の段ピッチの段が形成された中芯とライナとを貼り合せて片面段ボールシートを製造するシングルフェーサと、
    片面段ボールシートに他のライナを貼り合せて両面段ボールシートを製造するダブルフェーサと、
    両面段ボールシートをシートの流れ方向における所定の切断長さに切断するカッタ装置と、を有し、
    上記シングルフェーサが、両面段ボールシートの切断長さが中芯の段ピッチの整数倍となるように段ピッチの値を演算して設定する段ピッチ演算装置と、シングルフェーサから送り出される片面段ボールシートの段ピッチを検出する段ピッチ検出装置と、この段ピッチ検出装置により検出された片面段ボールシートの段ピッチが上記段ピッチ演算装置により設定された段ピッチと等しくなるようにシングルフェーサへ送り込まれるライナの張力を調整する張力調整装置と、を備えていることを特徴とする段ボールシート製造装置。
  2. 上記段ピッチ検出装置が、シングルフェーサの出口側に設けられ片面段ボールシートの表面の画像を検出する画像検出装置と、この画像検出装置により検出された画像を処理して片面段ボールシートの段ピッチを検出する画像処理装置と、を備えている請求項1に記載の段ボールシート製造装置。
  3. 上記シングルフェーサは、中芯にライナを押圧して貼り付けるためのプレスロールを備え、上記画像検出装置は、このプレスローラによりライナ表面に形成されたプレスマークを検出する請求項2記載の段ボールシート製造装置。
  4. 上記画像検出装置は、片面段ボールシートの段山の画像を検出する請求項2記載の段ボールシート製造装置。
  5. 上記画像検出装置は、CCDカメラである請求項2乃至4の何れか1項に記載の段ボールシート製造装置。
  6. 上記カッタ装置が、両面段ボールシートを切断する前に、両面段ボールシートの段山の位相を検出する段山位相検出装置と、この段山位相検出装置により検出された両面段ボールシートの段山の位相が、切断予定位置の段山の位相よりずれた場合には、上記カッタ装置の回転速度を制御して、このずれ量を所定の範囲内に補正する速度制御装置と、を有する請求項1乃至5の何れか1項に記載の段ボールシート製造装置。
  7. 上記段山位相検出装置が、両面段ボールシートの表面の画像を検出する画像検出装置と、この画像検出装置により検出された画像を処理して両面段ボールシートの段山の位相を検出する画像処理装置と、を備えている請求項6に記載の段ボールシート製造装置。
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