JP2013202676A - プラズマ切断方法及びプラズマ切断装置 - Google Patents

プラズマ切断方法及びプラズマ切断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】プラズマ切断によって原板から複数の切断部材を切り出す際の歩留まりを改善する。
【解決手段】このプラズマ切断方法は、プラズマトーチから発生されるプラズマアークによって、原板から複数の切断部材を切り出す方法であり、ピアス工程と切断工程と、を含んでいる。ピアス工程では、切断部材の外周において、プラズマトーチからプラズマアークを発生させた状態でプラズマトーチの原板からの高さを第1高さに維持し、プラズマトーチを原板に対して相対的に水平方向に移動させて切断部材の外周に孔を形成する。切断工程では、プラズマトーチを第1高さより低い第2高さに設定し、切込み部及び切込み部に連続する加工ラインに沿ってプラズマトーチを水平方向に移動させて、連続する切断溝を切断部材の外周に沿って形成する。
【選択図】図7

Description

本発明は、プラズマ切断方法、特に、プラズマトーチから発生させるプラズマアークによって、原板から複数の切断部材(以下、「製品」と記す場合もある)を切り出すプラズマ切断方法に関する。
また、本発明は、以上のようなプラズマ切断方法を実施するためのプラズマ切断装置に関する。
橋梁や建設機械、産業機械等の本体フレームを構成する溶接構造物は、原板から種々の形状の切断部材を切り出すことによって得られる。このような切断部材の切り出しにおいては、プログラムによって任意の形状の切断が可能なプラズマ切断が用いられている(例えば特許文献1)。
原板からプラズマ切断によって切断部材を切り出す際には、次のような工程が実施される。
まず、切断開始点において、プラズマトーチ(以下、単に「トーチ」と記す場合もある)から噴出するプラズマジェットによって孔があけられる(ピアス工程)。このピアス工程では、プラズマジェットが原板の表面から裏面に貫通し、孔(以下、「ピアス孔」と記す)が形成される。
その後、トーチを原板に対して相対的に水平方向に移動させることで、切断溝が形成される。そして、トーチを切断部材の外形形状に従って移動させ、切断溝を切断部材の外形を一周させることで、切断部材が原板から切り出される。
特開2004−195488号公報
以上のようなプラズマ切断のピアス工程においては、切断中の切幅に比較して大きく歪なピアス孔が形成される。このピアス孔によって切断部材の形状が損なわれないように、切断部材外形から外側に所定距離離れた位置にピアス孔を形成するピアス点が設定される。また、プラズマアークが発生した直後は、電流やガスが安定しておらず、安定切断が可能になるまでに1秒前後の時間が必要となる。したがって、ピアス点から切断部材の外形までの間に、切断が安定するまでの助走区間としての切込み部が必要になる。
さらに、ピアス孔周囲には、プラズマジェットが原板を貫通するまでに融かされ吹き上がってきた溶融金属(「ドロス」あるいは「スパッタ」と呼ばれる。但し、溶融金属が飛散して凝固したものについても「スパッタ」と記す場合がある)が凝固したもの(以下、「凝固物」と記す)が盛り上がって付着する。この盛り上がり高さは5mm程度で、ピアス点を中心に板厚程度の広がりをもっている。一方で、切断工程におけるトーチ先端と原板表面との間隔である切断高さは5mm程度である。したがって、ピアス孔周囲にドロスやスパッタの凝固物が付着した部分をプラズマ切断しようとすると、凝固物に衝突しトーチの移動の障害となる。仮にトーチが凝固物に衝突しない場合でも、凝固物を切断すると、これらが切断に悪影響を与えて、切断部材の切断面が乱れる。したがって、切込み部の長さは、凝固物が付着している範囲よりも長く設定する必要がある。
以上のように、ピアス点を切断部材の外周から所定距離離さなければならないこと、切込み部の長さを長く確保する必要があること、の理由により、原板に複数の切断部材を配置して切り出す場合において、隣接する切断部材の間隔を広くあける必要がある。このため、原板面積に対する切断部材の面積の合計面積の割合、すなわち歩留まりが低下する。
ここで、溶接構造物としての切断部材を原板から切り出す方法として、レーザによる切断も従来から用いられている。
しかし、レーザ切断においては、プラズマ切断におけるピアス孔に相当する孔が小さく(1〜5mm程度)、プラズマ切断におけるような技術的課題は発生しない。また、ガス切断については、レーザ切断ほどピアス孔は小さくないが、プラズマ切断に比較すれば孔径は半分程度であり、前述のようなプラズマ切断におけるような技術的課題は発生しない。
前述のように、従来のプラズマ切断方法では、ピアス孔の周囲に放射状に溶融金属が飛散する。このため、切込み部の長さが長くなり、歩留まりが低下する。
そこで、トーチを傾け、溶融金属の飛散方向を一定の方向に向けることが考えられる。また、同様の目的で、プラズマ切断によって吹き上げられた溶融金属を側方から圧縮空気等によって一定の方向に吹き飛ばすことも考えられる。
しかし、以上のような方法では、トーチを傾斜させるための機構や、溶融金属を吹き飛ばすためのノズル機構が必要となる。このため、コストアップの要因になる。また、溶融金属の飛散方向はトーチの傾斜方向やノズルの方向に依存するので、任意の切込み方向に対応させるためには、トーチやノズルを回転させるための機構を付加しなければならない。このような構成は、トーチ周辺の構造が複雑となり、大幅なコストアップの要因となるために、現実的な解決策ではない。
本発明の課題は、プラズマ切断によって原板から複数の切断部材を切り出す際に、歩留まりを改善することにあり、特に、ピアス工程に起因する歩留まり低下を改善することにある。
本発明の第1側面に係るプラズマ切断方法は、プラズマトーチから発生されるプラズマアークによって、原板から複数の切断部材を切り出す方法であり、ピアス工程と切断工程と、を含んでいる。ピアス工程では、切断部材の外周において、プラズマトーチからプラズマアークを発生させた状態で、プラズマトーチの原板からの高さを第1高さに維持し、プラズマトーチを原板に対して所定距離だけ相対的に水平方向に移動させて切断部材の外周に孔を形成する。切断工程では、プラズマトーチを第1高さより低い第2高さに設定し、切込み部及び切込み部に連続する加工ラインに沿ってプラズマトーチを水平方向に移動させて、連続する切断溝を切断部材の外周に沿って形成する。
この方法では、ピアス工程において、従来の方法のようにピアス点にプラズマトーチを固定してピアス孔を形成するのではなく、プラズマトーチからプラズマアークを発生させた状態で、プラズマトーチの高さを第1高さに維持し、このプラズマトーチを原板に対して相対的に水平方向に移動させながらピアス孔を形成するようにしている。
従来のピアス工程においては、図1の模式図で示すように、プラズマジェットによって溶融された金属が吹き上げられる。この溶融金属は、放射状に広がる。具体的には、プラズマトーチを固定してピアス孔を形成する従来方法では、ピアス孔は、ピアス点から同心円状に拡大し、切断溝幅に対して2〜3倍の比較的大きな孔となる。
一方、本件発明者の実験によれば、図2に示すように、プラズマトーチを水平方向に移動させながらピアス孔を形成するようにすれば、プラズマトーチを傾けたり、あるいは溶融金属吹き飛ばし用のノズルを設けたりすることなく、溶融金属の飛散に指向性を持たせられることが判明した。
そして、この方法では、プラズマトーチを切り込み方向に原板の板厚の半分程度の距離を移動させることによって、切断溝幅程度の径のピアス孔にすることができることが判明した。また、切り込み方向と反対側に切断溝幅の2倍程度の幅の範囲に溶融金属の凝固した凝固物が付着し、凝固物の付着量が原板の板厚の半分程度に軽減できることも判明した。より詳細には、通常、ピアス点を中心に板厚の半分程度を半径とする範囲に全方向に花びら状に溶融金属が付着する。しかし、本発明による工法では、ピアス点を起点として、切り込方向と反対方向に、切幅の2倍程度の範囲で長さが板厚の半分程度の長さの短冊状の溶融金属が付着し、結果として付着量が半分に軽減されることがわかった。
そこで本発明では、ピアス工程において、プラズマトーチを原板に対して水平方向に相対移動させながらピアス孔を形成するようにしている。この方法により、従来の方法に比較して溶融金属としてのスパッタ及びドロスの量が抑えられ、原板から複数の切断部材を切り出す際に、隣接する切断部材の間隔を狭くすることができる。したがって、歩留まりを改善できる。
また、ピアス工程では、第1高さを維持して所定距離だけ水平方向に移動させて加工を行っている。したがって、この所定距離の間においては、原板の種々の仕様(板厚、材質)に対応して、歩留まりを最小とするのに適した加工条件で加工を行うことができる。
本発明の第2側面に係るプラズマ切断方法は、第1側面の方法において、ピアス工程におけるプラズマトーチの移動速度と、切断工程におけるプラズマトーチの移動速度とは別に設定可能である。
従来のプラズマ切断方法では、プラズマトーチの水平方向の移動速度は良好な切断品質を得るために最適化された速度に設定されている。したがって、この速度は、切断には適した速度であっても、ピアス工程に最適化された速度ではない。例えば、ピアス工程における水平方向の移動速度は2000mm/min程度の速度であるが、切断工程では、通常、1700mm/min程度の速度に設定される。
そこで、この第2側面の方法では、各工程におけるプラズマトーチの移動速度を最適化させるために、ピアス工程のプラズマトーチの移動速度と切断工程のプラズマトーチの移動速度とが、別に設定可能になっている。
このような方法では、種々のピアス工程に対して、移動速度を最適化することができ、スパッタ飛散をより抑えることができる。
本発明の第3側面に係るプラズマ切断方法は、第1又は第2側面の方法において、ピアス工程では、切断部材の最終切断辺に沿った方向にプラズマトーチを移動させる。
このような切断方法によって、原板において、隣接する切断部材の間に形成される切込み部のスペース(無駄領域)を小さくできる。したがって、歩留まりがさらに改善される。
本発明の第4側面に係るプラズマ切断方法は、第1から第3側面の方法において、ピアス工程では、プラズマアーク開始時には、プラズマトーチを第1高さより低い位置に設定し、その後水平方向への移動とともに第1高さまでプラズマトーチを上方に移動させる。
この方法では、ピアス工程において、プラズマアーク開始時には、プラズマトーチは第1高さより低い位置に設定されており、その後水平方向に移動させながら第1高さまで上昇させられる。
ここでは、より低い位置でプラズマアークが開始されるので、パイロットアークからメインアークへの移行がスムーズになる。このため、プラズマトーチのノズルへのパイロットアークによるダメージを軽減することができ、ノズルの寿命を伸ばすことができる。
本発明の第5側面に係るプラズマ切断方法は、第4側面の方法において、ピアス工程におけるプラズマトーチの上方への移動速度は、全工程における移動速度のうちで最速の速度に設定される。
ピアス工程において、プラズマトーチを素早く上昇させることによって、プラズマトーチへのスパッタの付着をより抑えることができる。
本発明の第6側面に係るプラズマ切断装置は、原板から複数の切断部材を切り出すプラズマ切断装置であって、載置テーブルと、プラズマトーチと、制御部と、を備えている。載置テーブルは切断される原板が載置される。プラズマトーチは、載置テーブルに対して相対的に水平方向及び上下方向に移動可能であり、プラズマアークを発生する。制御部は、プラズマトーチの載置テーブルに対する相対移動、及びプラズマトーチからのプラズマアークの発生を制御する。そして、制御部は、加工ラインのデータを受け取る加工ラインデータ獲得部と、ピアス機能部と、切断機能部と、を有している。ピアス機能部は、切断部材の外周において、プラズマトーチからプラズマアークを発生させた状態で、プラズマトーチの原板からの高さを第1高さに維持し、プラズマトーチを原板に対して所定距離だけ相対的に水平方向に移動させて切断部材の外周に孔を形成する。切断機能部は、プラズマトーチを第1高さより低い第2高さに設定し、切込み部及び切込み部に連続する加工ラインに沿ってプラズマトーチを水平方向に移動させて、連続する切断溝を切断部材の外周に沿って形成する。
この装置では、プラズマトーチを原板に対して水平方向に相対移動させながらピアス孔が形成される。これにより、従来装置に比較してピアス孔の形成時に発生するスパッタの量が抑えられる。したがって、原板から複数の切断部材を切り出す際に、隣接する切断部材の間隔を狭くすることができ、歩留まりを改善できる。
本発明の第7側面に係るプラズマ切断装置は、第6側面の装置において、制御部は、ピアス機能部におけるプラズマトーチの移動速度と、切断機能部におけるプラズマトーチの移動速度とを、別に設定可能である。
この装置では、プラズマトーチの移動速度を、ピアス孔の形成時と切断部材の外周に沿って切断する際とで別に設定可能である。これにより、ピアス孔の形成時及び切断部材の外周の切断時において、各種の原板及び切断部材の形状等の条件に応じて、最適な切断を行うことができる。
本発明の第8側面に係るプラズマ切断装置は、第6又は第7側面の装置において、制御部は、ピアス機能部において、加工ラインデータ獲得部で得られたデータにしたがって、切断部材の最終切断辺に沿った方向にプラズマトーチを移動させる処理を実行する。
ここでは、原板において、隣接する切断部材の間に形成される切込み部のスペースを小さくでき、歩留まりがさらに改善される。
本発明の第9側面に係るプラズマ切断装置は、第6から第8側面のいずれかの装置において、制御部は、ピアス機能部において、プラズマアーク開始時には、プラズマトーチを第1高さより低い位置に設定し、その後水平方向への移動とともに第1高さまでプラズマトーチを上方に移動させる処理を実行する。
ここでは、より低い位置でプラズマアークが開始されるので、パイロットアークからメインアークへの移行がスムーズになる。このため、プラズマトーチのノズルへのパイロットアークによるダメージを軽減することができ、ノズルの寿命を伸ばすことができる。
以上のような本発明では、プラズマ切断によって原板から複数の切断部材を切り出す際に、歩留まりを改善することができる。特に、ピアス工程に起因する歩留まり低下を改善することができる。
従来方法によってピアス工程を実施した場合の溶融金属の飛散状況を模式的に示す図。 本発明の方法によってピアス工程を実施した場合の図1に相当する図。 本発明の一実施形態によるプラズマ切断装置の外観構成図。 プラズマ切断装置の主に制御システムの構成を示す図。 本発明の一実施形態による加工ラインの一例を示す図。 本発明の一実施形態による加工方法の処理手順を示す図。 本発明の一実施形態によるプラズマトーチの軌跡及び速度を示す図。 図6の処理手順を実行した際のプラズマトーチと原板とを模式的に示す図。 従来方法と本発明の方法による溶融金属の飛散状況(凝固物の付着状況)を示す図。 プラズマトーチを移動させてピアス工程を実施した場合の凝固物(図では「スパッタ」と記している)の長さ及び幅を示す図。 本発明の別の実施形態によるプラズマトーチの移動軌跡及び凝固物(図では「スパッタ」と記している)を示す図。 図5〜図8の例によるプラズマトーチの移動軌跡及び凝固物を示す図。 従来方法によるプラズマトーチの移動軌跡及び凝固物(図では「スパッタ」と記している)の示す図。 図11〜13の例による製品間距離の比較を示す図。 従来方法によるピアス工程を実施した場合の製品配列の一例を示す図。 従来方法によるピアス工程を実施した場合の製品配列の別の例を示す図。 本発明の方法によるピアス工程を実施した場合の製品配列の一例を示す図。 図5〜図8の方法によるピアス工程を実施した場合の製品配列を示す図。 従来方法と本発明の方法による歩留まりの相違を比較して示す図。 本発明の方法による製品配置デザインと従来方法による製品配置デザインとの比較例を示す図。 本発明方法による加工ラインの例を示す図。
[プラズマ切断装置の構成]
図3に本発明の一実施形態によるプラズマ切断装置1の全体構成を示す。このプラズマ切断装置1は、原板である鋼板Wが載置される載置テーブル2と、プラズマトーチ3と、コントローラ4と、を備えている。
載置テーブル2の側方にはX軸ガイド部材5が配置されている。X軸ガイド部材5には移動台車6がX軸方向に移動自在に支持されている。移動台車6にはX軸方向と直交するY軸方向に延びるY軸ガイド部材7が固定されている。Y軸ガイド部材7は載置テーブル2の上方に位置している。
プラズマトーチ3は、Y軸ガイド部材7に支持されたキャリッジ8に装着されている。キャリッジ8は、Y軸ガイド部材7に沿ってY軸方向に移動自在である。また、プラズマトーチ3は、キャリッジ8に対してZ軸方向(上下方向)に移動自在である。プラズマトーチ3は、先端部が先細りの略円筒形状のものであって、トーチケーブル等を介してプラズマ電源ユニット10(図4参照)に接続されている。
以上のような構成により、プラズマトーチ3を、載置テーブル2上に載置された原板Wに対して、水平方向(X,Y軸方向)及び上下方向(Z軸方向)の任意の位置に移動させることが可能である。
なお、載置テーブル2の側方には、載置テーブル2の下方に噴出された粉塵を捕集する集塵装置9が配置されている。
コントローラ4は、図4に示すように、加工ラインデータ獲得部12と、ピアス機能部13と、切断機能部14と、を有している。なお、ピアス機能部13及び切断機能部14はプログラムによって構成されている。
コントローラ4には、自動プログラム装置15が接続されている。自動プログラム装置15は、切断部材の形状に応じて、例えば図5に示すような加工ラインのデータをプログラムする装置である。この自動プログラム装置15でプログラムされた加工データがコントローラ4の加工ラインデータ獲得部12に送信される。また、コントローラ4には、移動台車6をX軸方向に移動するためのX軸モータ17と、キャリッジ8をY軸方向に移動するためのY軸モータ18と、プラズマトーチ3をZ軸方向に移動するためのZ軸モータ19と、が接続されている。さらに、コントローラ4には、プラズマ電源ユニット10が接続されており、これによりプラズマアークの発生が制御されるようになっている。
[プラズマ切断方法]
以上のプラズマ切断装置1によって実行される切断方法について、図5〜図8を用いて説明する。図5は、プラズマトーチ3の移動軌跡の平面図である。図6は切断方法の手順を示しており、図7はプラズマトーチの移動軌跡と移動速度を示している。また、図8はプラズマトーチの移動と原板が切断される様子を模式的に示したものである。なお、各位置P0〜P5については、図5及び図7に示す位置である。
このプラズマ切断方法の特徴は、以下の点にある。
(a)ピアス工程の開始点P0から位置P1までプラズマトーチ3を上方に移動させながら水平移動させる点。ただし、上方移動を省略して水平移動のみにすることも可能である。
(b)位置P1から位置P2まで、同じ高さ(第1高さ)を維持したまま同じ加工条件で加工を行う点。
(c)位置P0から位置P2まで切断部材の最終切断辺に平行に(X軸方向に)プラズマトーチ3を移動させている点。
(d)位置P3から位置P4までを助走区間とし、この助走区間においては、切断部材を切断する際の加工条件と同じ条件で加工し、位置P4までに加工条件を安定させている点。
以下、図6に基づいて切断方法を説明する。
まずステップS1では、図8(a)に示すように、プラズマトーチ3をピアス工程の開始点P0に移動し位置決めする。なお、開始点P0のX軸及びY軸方向の位置は予め設定されている。また、開始点P0の高さ位置であるZ軸方向の位置については、原板の高さ位置を検出することによって決定される。原板の高さ位置については、高さ検出センサを用いて検出される。また、プラズマトーチ3の先端を原板に当接させることによって原板の高さ位置を検出することも可能である。
ここで、開始点P0の高さは、切断を行うときのプラズマトーチ3と原板との距離である切断高さと同一または略同一もしくはその切断高さよりも原板寄りでダブルアーク(=異常放電)が起きない高さに設定される。
以上のような高さに設定することによって、少ないパイロット電流によってパイロットアークをメインアークへと移行させることができる。また、プラズマトーチ3において、電極−ノズル間における放電経路の電気抵抗と電極−加工ワーク間における放電経路の電気抵抗との差が縮まるので、パイロットアークからメインアークへの移行をスムーズに行うことができる。したがって、プラズマトーチ3のノズルがパイロットアークによって溶損される度合が軽減され、ノズルの劣化を抑制しその寿命の延長化を図ることができる。
次に、ステップS2において、開始点P0でプラズマを起動する。すなわち、プラズマトーチ3にプラズマガスを流すとともに、プラズマトーチ3の電極に高電圧を印加してパイロットアークを発生させる。そして、ステップS3では、メインアークに移行させる。すなわち、パイロットアークを原板に到達させてパイロットアークをメインアークに移行させる。
次にステップS4では、図8(b)に示すように、プラズマトーチ3を開始位置P0から、Z方向においては第1高さである位置P1に向かって斜め上方に速度F0で移動させる。なお、この速度F0は全工程において最速の速度である。
以上のような位置P0から位置P1への移動によって、上方に飛散するスパッタがプラズマトーチ3のノズルに付着するのを抑えることができ、スパッタによるノズルのダメージを回避することができる。
ステップS5では、図8(c)に示すように、プラズマトーチ3の高さを第1高さに維持したまま、位置P1から位置P2まで水平方向に移動させる。このときのプラズマトーチ3の移動速度は速度F1に設定する。
ステップS5における位置P1及びP2の第1高さは、原板の材料や厚み等の条件に対してピアス孔を良好に加工できるように、最適な高さに設定される。また、他の移動速度や電流等の加工条件も、位置P1からP2において原板に対して最適加工条件となるように設定される。すなわち、この位置P2は、ピアス工程において、最適加工条件を設定するために必須のポイントである。また、位置P1からP2までの距離はピアス孔が貫通するまでの距離に対応している。
次にステップS6では、図8(d)に示すように、プラズマトーチ3の水平方向の位置を維持したまま、高さ位置を位置P2から第2高さ位置としての位置P3まで下降させる。この下降位置P3は切断時の高さである。位置P3は、X軸方向において、切断部材の切断開始辺と同じ位置である。
ステップS7及びステップS8では、図8(e)に示すように、プラズマトーチ3の速度を速度F3に維持し、位置P4から切断部材の切断を開始し、切断部材の外周に沿って連続して移動させ、位置P5において1つの切断部材の切断を終了する。
ここで、位置P3から位置P4は切込み部であって、製品としての切断部材の切断を開始するまでの助走区間である。助走区間では、加工条件を、切断部材を切断する際の条件とまったく同じに設定する。このような助走区間を設けることによって、切断部材の切断開始点P4から安定した加工状態で加工を行うことができる。
またステップS7では、加工条件としてのガスの流量、電流値、切断速度が切断に適した状況になったタイミングで、その時点でのプラズマアークの電圧値を取り込む。この取り込まれた電圧値は、以後、ステップS7及びS8において、目標電圧値として設定される。すなわち、ステップS7及びステップS8において、アーク電圧を高さ情報の信号として検出し、このアーク電圧が目標電圧になるようにプラズマトーチのZ軸方向の位置(高さ位置)が制御される。
ステップS9においては、原板上におけるすべての切断部材の切断が終了したか否かを判断する。すべての切断部材の切断が終了していない場合は、ステップS9からステップS1に戻り、前述の処理を繰り返し実行する。また、すべての切断部材の切断が終了した場合は、このプラズマ切断処理を終了する。
[ピアス工程及び歩留まりの比較]
以上のように、プラズマトーチ3を水平方向に移動させながらピアス工程を実行した場合の作用効果と、プラズマトーチ3を切断部材の最終切断辺に平行に移動させながらピアス工程を実行した場合の作用効果について詳細に説明する。
図9(a)に従来のピアス工程によるピアス孔の形成状況を示し、図9(b)に本発明の一実施形態によるピアス孔の形成状況を示している。
これらの写真から明らかなように、従来方法では、ピアス孔の周囲に放射状に溶融金属が飛散し、広範囲に溶融金属が凝固した凝固物が付着している。このため、隣接する切断部材の間隔を広げる必要がある。一方、本発明の方法では、プラズマトーチの移動方向の上流側(移動方向と逆側)に、細長く凝固物が広がっているが、従来方法に比較して凝固物の広がっている幅が狭いことは明らかである。
<実験例1>
図10に厚みが25mmの原板に対して本発明の方法を用いてピアス孔を形成した場合の実験例を示している。この実験例からも明らかなように、凝固物としてのスパッタの幅及び長さが原板厚みに対して非常に小さくなっていることがわかる。すなわち、板厚25mmの原板に対して、ここでは図示していないが、従来方法によってピアス孔を形成した場合、ピアス点を中心とした凝固物の付着径は25mmとなる。一方、本発明の方法でピアス孔を形成した場合は、図10に示すように、凝固物としてのスパッタの長さは平均で9mm、スパッタの幅は平均で7mmである。
<実験例2:製品間比較>
本発明の切断方法(図11及び図12)による製品間距離と、従来の切断方法(図13)による製品間距離の相違を図11〜図13に示している。図11はピアス工程において、プラズマトーチを切断部材の切断開始辺と同じ方向に移動させた場合である。図12はピアス工程において、プラズマトーチを切断部材の最終切断辺と平行に移動させた場合である。
以上の各方法による切込み長さと製品間距離を図14に示している。この実験から明らかなように、特に、ピアス工程においてプラズマトーチの移動方向を切断部材の最終切断辺に平行にした場合、製品間距離を著しく狭くできることがわかる。
<切断部材の配置>
以上の実験例からも明らかなように、溶融金属、すなわちこの溶融金属が凝固した凝固物の広がり方の相違によって、本発明の方法では、従来方法に比較して原板材料の無駄領域を非常に小さくすることができる。原板から複数の切断部材を切り出す場合の無駄領域の違いを図15〜図18に示している。
図15は従来方法によって複数の切断部材を切り出す場合を示している。従来方法では、前述のように、溶融金属及びその凝固物が広範囲に広がるので、隣接する切断部材の間に広い間隔を確保する必要があり、斜線で示す無駄領域が広い。また、図16に示すように、隣接する切断部材のピアス開始点を両切断部材の間に配置しても、やはり隣接する切断部材の間に広い無駄領域が生じてしまう。
一方、図17に示すように、本発明の一実施形態による方法では、図15の場合に比較して、隣接する切断部材の間隔を狭くすることができる。また、図18に示すように、隣接する切断部材のピアス開始点を両切断部材の間に配置した場合は、無駄領域は非常に少なくなる。
図19(a)に従来方法によって2つの矩形の切断部材を切り出した場合の実際の例を示し、図19(b)に本発明の一実施形態によって同様の切断部材を切り出した場合の実際の例を示している。なお、いずれも原板の厚み及びプラズマの出力は同じである。
また、図20は、従来方法による切断部材(製品)の配置デザイン(ネスティング)と本発明の一実施形態による方法を用いる場合の切断部材のネスティングを比較したものである。
図20から明らかなように、本発明の方法を実施することによって、従来方法に比較して歩留まりを著しく改善することができる。具体的には、本実施形態の方法では、切り出し可能な製品の個数を19個増やすことができ、歩留まりが64%から67%に改善されていることがわかる。日々、多くの部材の切断行っている、典型的なプラズマ切断機のユーザでは、1ヶ月で100トンから200トン程度の原板となる鋼材を切断している。このようなユーザにおいて、歩留まりが3%改善できるということは、1ヶ月あたりで3トンから6トンの鋼材の使用量が節約できることになり、材料コストの大きな改善につながる。
[特徴]
(1)ピアス工程において、プラズマ開始点P0の高さが、切断を行うときのプラズマトーチ3と原板との距離である切断高さと同一または略同一もしくはその切断高さよりも原板寄りでダブルアークが起きない高さに設定されている。このため、少ないパイロット電流によってパイロットアークをメインアークへと移行させることができる。また、パイロットアークからメインアークへの移行をスムーズに行うことができ、プラズマトーチ3のノズルがパイロットアークによって溶損される度合が軽減され、ノズルの長寿命化を図ることができる。
(2)プラズマトーチを水平方向に移動させながら上方に移動させてピアス孔を形成するようにしている。このため、プラズマトーチ3に付着するスパッタの量を抑えることができる。したがって、複数の切断部材の間隔を狭くすることができ、歩留まりを改善できる。また、プラズマトーチの寿命低下を抑えることができる。
(3)ピアス工程において、位置P1から位置P2まで、同じ高さを維持したまま同じ加工条件で加工を行っているので、原板の材料や厚み等の条件に対して最適加工条件でピアス孔を形成することができる。
(4)ピアス工程と切断工程において、原板の板厚等の条件によって移動速度を変更できるので、各種の原板及び切断部材の形状等の条件に応じて、最適な切断を行うことができる。
(5)ピアス工程では、切断部材の最終切断辺に沿った方向にプラズマトーチを移動させながらピアス孔を形成するので、隣接する切断部材の間に形成される切込み部のスペースを小さくできる。したがって、歩留まりがさらに改善される。
(6)ピアス工程におけるプラズマトーチの上方への移動速度は、全工程における移動速度のうちで最速の速度に設定されるので、プラズマトーチへのスパッタの付着をより抑えることができる。
[他の実施形態]
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
(1)前記実施形態では、ピアス工程の開始点を原板に近接した位置P0に設定したが、ピアス工程の開始点を位置P1に設定してもよい。
(2)切断部材への切込み部の加工ライン形状については、前記実施形態に限定されない。前記実施形態の加工ラインも含めて、図21(a)〜(i)に変形例を示す。
なお、切込み部から切断部材の切断開始辺にスムーズに連続して移行するためには、図21(a)(b)(e)(f)(h)が好ましい。また、歩留まりの改善という観点からすれば、図21(a)(c)(d)(e)が好ましい。
1 プラズマ切断装置
2 載置テーブル
3 プラズマトーチ
4 コントローラ
12 加工ラインデータ獲得部
13 ピアス機能部
14 切断機能部
本発明は、プラズマ切断方法、特に、プラズマトーチから発生させるプラズマアークによって、原板から複数の切断部材(以下、「製品」と記す場合もある)を切り出すプラズマ切断方法に関する。
また、本発明は、以上のようなプラズマ切断方法を実施するためのプラズマ切断装置に関する。
橋梁や建設機械、産業機械等の本体フレームを構成する溶接構造物は、原板から種々の形状の切断部材を切り出すことによって得られる。このような切断部材の切り出しにおいては、プログラムによって任意の形状の切断が可能なプラズマ切断が用いられている(例えば特許文献1)。
原板からプラズマ切断によって切断部材を切り出す際には、次のような工程が実施される。
まず、切断開始点において、プラズマトーチ(以下、単に「トーチ」と記す場合もある)から噴出するプラズマジェットによって孔があけられる(ピアス工程)。このピアス工程では、プラズマジェットが原板の表面から裏面に貫通し、孔(以下、「ピアス孔」と記す)が形成される。
その後、トーチを原板に対して相対的に水平方向に移動させることで、切断溝が形成される。そして、トーチを切断部材の外形形状に従って移動させ、切断溝を切断部材の外形を一周させることで、切断部材が原板から切り出される。
特開2004−195488号公報
以上のようなプラズマ切断のピアス工程においては、切断中の切幅に比較して大きく歪なピアス孔が形成される。このピアス孔によって切断部材の形状が損なわれないように、切断部材外形から外側に所定距離離れた位置にピアス孔を形成するピアス点が設定される。また、プラズマアークが発生した直後は、電流やガスが安定しておらず、安定切断が可能になるまでに1秒前後の時間が必要となる。したがって、ピアス点から切断部材の外形までの間に、切断が安定するまでの助走区間としての切込み部が必要になる。
さらに、ピアス孔周囲には、プラズマジェットが原板を貫通するまでに融かされ吹き上がってきた溶融金属(「ドロス」あるいは「スパッタ」と呼ばれる。但し、溶融金属が飛散して凝固したものについても「スパッタ」と記す場合がある)が凝固したもの(以下、「凝固物」と記す)が盛り上がって付着する。この盛り上がり高さは5mm程度で、ピアス点を中心に板厚程度の広がりをもっている。一方で、切断工程におけるトーチ先端と原板表面との間隔である切断高さは5mm程度である。したがって、ピアス孔周囲にドロスやスパッタの凝固物が付着した部分をプラズマ切断しようとすると、凝固物に衝突しトーチの移動の障害となる。仮にトーチが凝固物に衝突しない場合でも、凝固物を切断すると、これらが切断に悪影響を与えて、切断部材の切断面が乱れる。したがって、切込み部の長さは、凝固物が付着している範囲よりも長く設定する必要がある。
以上のように、ピアス点を切断部材の外周から所定距離離さなければならないこと、切込み部の長さを長く確保する必要があること、の理由により、原板に複数の切断部材を配置して切り出す場合において、隣接する切断部材の間隔を広くあける必要がある。このため、原板面積に対する切断部材の面積の合計面積の割合、すなわち歩留まりが低下する。
ここで、溶接構造物としての切断部材を原板から切り出す方法として、レーザによる切断も従来から用いられている。
しかし、レーザ切断においては、プラズマ切断におけるピアス孔に相当する孔が小さく(1〜5mm程度)、プラズマ切断におけるような技術的課題は発生しない。また、ガス切断については、レーザ切断ほどピアス孔は小さくないが、プラズマ切断に比較すれば孔径は半分程度であり、前述のようなプラズマ切断におけるような技術的課題は発生しない。
前述のように、従来のプラズマ切断方法では、ピアス孔の周囲に放射状に溶融金属が飛散する。このため、切込み部の長さが長くなり、歩留まりが低下する。
そこで、トーチを傾け、溶融金属の飛散方向を一定の方向に向けることが考えられる。また、同様の目的で、プラズマ切断によって吹き上げられた溶融金属を側方から圧縮空気等によって一定の方向に吹き飛ばすことも考えられる。
しかし、以上のような方法では、トーチを傾斜させるための機構や、溶融金属を吹き飛ばすためのノズル機構が必要となる。このため、コストアップの要因になる。また、溶融金属の飛散方向はトーチの傾斜方向やノズルの方向に依存するので、任意の切込み方向に対応させるためには、トーチやノズルを回転させるための機構を付加しなければならない。このような構成は、トーチ周辺の構造が複雑となり、大幅なコストアップの要因となるために、現実的な解決策ではない。
本発明の課題は、プラズマ切断によって原板から複数の切断部材を切り出す際に、歩留まりを改善することにあり、特に、ピアス工程に起因する歩留まり低下を改善することにある。
本発明の第1側面に係るプラズマ切断方法は、プラズマトーチから発生されるプラズマアークによって、原板から複数の切断部材を切り出す方法であり、ピアス工程と切断工程と、を含んでいる。ピアス工程では、切断部材の外周において、プラズマトーチからプラズマアークを発生させた状態で、プラズマトーチの原板からの高さを第1高さに維持し、プラズマトーチを原板に対して所定距離だけ相対的に水平方向に移動させて切断部材の外周に孔を形成する。切断工程では、プラズマトーチを第1高さより低い第2高さに設定し、切込み部及び切込み部に連続する加工ラインに沿ってプラズマトーチを水平方向に移動させて、連続する切断溝を切断部材の外周に沿って形成する。また、ピアス工程では、プラズマアーク開始時には、プラズマトーチを第1高さより低い位置に設定し、その後水平方向への移動とともに第1高さまでプラズマトーチを上方に移動させる。そして、ピアス工程におけるプラズマトーチの上方への移動速度は、全工程における移動速度のうちで最速の速度に設定される。
この方法では、ピアス工程において、従来の方法のようにピアス点にプラズマトーチを固定してピアス孔を形成するのではなく、プラズマトーチからプラズマアークを発生させた状態で、プラズマトーチの高さを第1高さに維持し、このプラズマトーチを原板に対して相対的に水平方向に移動させながらピアス孔を形成するようにしている。
従来のピアス工程においては、図1の模式図で示すように、プラズマジェットによって溶融された金属が吹き上げられる。この溶融金属は、放射状に広がる。具体的には、プラズマトーチを固定してピアス孔を形成する従来方法では、ピアス孔は、ピアス点から同心円状に拡大し、切断溝幅に対して2〜3倍の比較的大きな孔となる。
一方、本件発明者の実験によれば、図2に示すように、プラズマトーチを水平方向に移動させながらピアス孔を形成するようにすれば、プラズマトーチを傾けたり、あるいは溶融金属吹き飛ばし用のノズルを設けたりすることなく、溶融金属の飛散に指向性を持たせられることが判明した。
そして、この方法では、プラズマトーチを切り込み方向に原板の板厚の半分程度の距離を移動させることによって、切断溝幅程度の径のピアス孔にすることができることが判明した。また、切り込み方向と反対側に切断溝幅の2倍程度の幅の範囲に溶融金属の凝固した凝固物が付着し、凝固物の付着量が原板の板厚の半分程度に軽減できることも判明した。より詳細には、通常、ピアス点を中心に板厚の半分程度を半径とする範囲に全方向に花びら状に溶融金属が付着する。しかし、本発明による工法では、ピアス点を起点として、切り込方向と反対方向に、切幅の2倍程度の範囲で長さが板厚の半分程度の長さの短冊状の溶融金属が付着し、結果として付着量が半分に軽減されることがわかった。
そこで本発明では、ピアス工程において、プラズマトーチを原板に対して水平方向に相対移動させながらピアス孔を形成するようにしている。この方法により、従来の方法に比較して溶融金属としてのスパッタ及びドロスの量が抑えられ、原板から複数の切断部材を切り出す際に、隣接する切断部材の間隔を狭くすることができる。したがって、歩留まりを改善できる。
また、ピアス工程では、第1高さを維持して所定距離だけ水平方向に移動させて加工を行っている。したがって、この所定距離の間においては、原板の種々の仕様(板厚、材質)に対応して、歩留まりを最小とするのに適した加工条件で加工を行うことができる。
さらに、この方法では、より低い位置でプラズマアークが開始されるので、パイロットアークからメインアークへの移行がスムーズになる。このため、プラズマトーチのノズルへのパイロットアークによるダメージを軽減することができ、ノズルの寿命を伸ばすことができる。そして、ピアス工程において、プラズマトーチを素早く上昇させることによって、プラズマトーチへのスパッタの付着をより抑えることができる。
本発明の第2側面に係るプラズマ切断方法は、第1側面の方法において、ピアス工程におけるプラズマトーチの移動速度と、切断工程におけるプラズマトーチの移動速度とは別に設定可能である。
従来のプラズマ切断方法では、プラズマトーチの水平方向の移動速度は良好な切断品質を得るために最適化された速度に設定されている。したがって、この速度は、切断には適した速度であっても、ピアス工程に最適化された速度ではない。例えば、ピアス工程における水平方向の移動速度は2000mm/min程度の速度であるが、切断工程では、通常、1700mm/min程度の速度に設定される。
そこで、この第2側面の方法では、各工程におけるプラズマトーチの移動速度を最適化させるために、ピアス工程のプラズマトーチの移動速度と切断工程のプラズマトーチの移動速度とが、別に設定可能になっている。
このような方法では、種々のピアス工程に対して、移動速度を最適化することができ、スパッタ飛散をより抑えることができる。
本発明の第3側面に係るプラズマ切断方法は、第1又は第2側面の方法において、ピアス工程では、切断部材の最終切断辺に沿った方向にプラズマトーチを移動させる。
このような切断方法によって、原板において、隣接する切断部材の間に形成される切込み部のスペース(無駄領域)を小さくできる。したがって、歩留まりがさらに改善される。
発明の第側面に係るプラズマ切断装置は、原板から複数の切断部材を切り出すプラズマ切断装置であって、載置テーブルと、プラズマトーチと、制御部と、を備えている。載置テーブルは切断される原板が載置される。プラズマトーチは、載置テーブルに対して相対的に水平方向及び上下方向に移動可能であり、プラズマアークを発生する。制御部は、プラズマトーチの載置テーブルに対する相対移動、及びプラズマトーチからのプラズマアークの発生を制御する。そして、制御部は、加工ラインのデータを受け取る加工ラインデータ獲得部と、ピアス機能部と、切断機能部と、を有している。ピアス機能部は、切断部材の外周において、プラズマトーチからプラズマアークを発生させた状態で、プラズマトーチの原板からの高さを第1高さに維持し、プラズマトーチを原板に対して所定距離だけ相対的に水平方向に移動させて切断部材の外周に孔を形成する。切断機能部は、プラズマトーチを第1高さより低い第2高さに設定し、切込み部及び切込み部に連続する加工ラインに沿ってプラズマトーチを水平方向に移動させて、連続する切断溝を切断部材の外周に沿って形成する。また、ピアス機能部では、プラズマアーク開始時には、プラズマトーチを第1高さより低い位置に設定し、その後水平方向への移動とともに第1高さまでプラズマトーチを上方に移動させる処理を実行する。そして、ピアス機能部におけるプラズマトーチの上方への移動速度は、全機能部における移動速度のうちで最速の速度に設定される。
この装置では、プラズマトーチを原板に対して水平方向に相対移動させながらピアス孔が形成される。これにより、従来装置に比較してピアス孔の形成時に発生するスパッタの量が抑えられる。したがって、原板から複数の切断部材を切り出す際に、隣接する切断部材の間隔を狭くすることができ、歩留まりを改善できる。
本発明の第側面に係るプラズマ切断装置は、第側面の装置において、制御部は、ピアス機能部におけるプラズマトーチの移動速度と、切断機能部におけるプラズマトーチの移動速度とを、別に設定可能である。
この装置では、プラズマトーチの移動速度を、ピアス孔の形成時と切断部材の外周に沿って切断する際とで別に設定可能である。これにより、ピアス孔の形成時及び切断部材の外周の切断時において、各種の原板及び切断部材の形状等の条件に応じて、最適な切断を行うことができる。
本発明の第側面に係るプラズマ切断装置は、第4又は第5側面の装置において、制御部は、ピアス機能部において、加工ラインデータ獲得部で得られたデータにしたがって、切断部材の最終切断辺に沿った方向にプラズマトーチを移動させる処理を実行する。
ここでは、原板において、隣接する切断部材の間に形成される切込み部のスペースを小さくでき、歩留まりがさらに改善される。
以上のような本発明では、プラズマ切断によって原板から複数の切断部材を切り出す際に、歩留まりを改善することができる。特に、ピアス工程に起因する歩留まり低下を改善することができる。
従来方法によってピアス工程を実施した場合の溶融金属の飛散状況を模式的に示す図。 本発明の方法によってピアス工程を実施した場合の図1に相当する図。 本発明の一実施形態によるプラズマ切断装置の外観構成図。 プラズマ切断装置の主に制御システムの構成を示す図。 本発明の一実施形態による加工ラインの一例を示す図。 本発明の一実施形態による加工方法の処理手順を示す図。 本発明の一実施形態によるプラズマトーチの軌跡及び速度を示す図。 図6の処理手順を実行した際のプラズマトーチと原板とを模式的に示す図。 従来方法と本発明の方法による溶融金属の飛散状況(凝固物の付着状況)を示す図。 プラズマトーチを移動させてピアス工程を実施した場合の凝固物(図では「スパッタ」と記している)の長さ及び幅を示す図。 本発明の別の実施形態によるプラズマトーチの移動軌跡及び凝固物(図では「スパッタ」と記している)を示す図。 図5〜図8の例によるプラズマトーチの移動軌跡及び凝固物を示す図。 従来方法によるプラズマトーチの移動軌跡及び凝固物(図では「スパッタ」と記している)の示す図。 図11〜13の例による製品間距離の比較を示す図。 従来方法によるピアス工程を実施した場合の製品配列の一例を示す図。 従来方法によるピアス工程を実施した場合の製品配列の別の例を示す図。 本発明の方法によるピアス工程を実施した場合の製品配列の一例を示す図。 図5〜図8の方法によるピアス工程を実施した場合の製品配列を示す図。 従来方法と本発明の方法による歩留まりの相違を比較して示す図。 本発明の方法による製品配置デザインと従来方法による製品配置デザインとの比較例を示す図。 本発明方法による加工ラインの例を示す図。
[プラズマ切断装置の構成]
図3に本発明の一実施形態によるプラズマ切断装置1の全体構成を示す。このプラズマ切断装置1は、原板である鋼板Wが載置される載置テーブル2と、プラズマトーチ3と、コントローラ4と、を備えている。
載置テーブル2の側方にはX軸ガイド部材5が配置されている。X軸ガイド部材5には移動台車6がX軸方向に移動自在に支持されている。移動台車6にはX軸方向と直交するY軸方向に延びるY軸ガイド部材7が固定されている。Y軸ガイド部材7は載置テーブル2の上方に位置している。
プラズマトーチ3は、Y軸ガイド部材7に支持されたキャリッジ8に装着されている。キャリッジ8は、Y軸ガイド部材7に沿ってY軸方向に移動自在である。また、プラズマトーチ3は、キャリッジ8に対してZ軸方向(上下方向)に移動自在である。プラズマトーチ3は、先端部が先細りの略円筒形状のものであって、トーチケーブル等を介してプラズマ電源ユニット10(図4参照)に接続されている。
以上のような構成により、プラズマトーチ3を、載置テーブル2上に載置された原板Wに対して、水平方向(X,Y軸方向)及び上下方向(Z軸方向)の任意の位置に移動させることが可能である。
なお、載置テーブル2の側方には、載置テーブル2の下方に噴出された粉塵を捕集する集塵装置9が配置されている。
コントローラ4は、図4に示すように、加工ラインデータ獲得部12と、ピアス機能部13と、切断機能部14と、を有している。なお、ピアス機能部13及び切断機能部14はプログラムによって構成されている。
コントローラ4には、自動プログラム装置15が接続されている。自動プログラム装置15は、切断部材の形状に応じて、例えば図5に示すような加工ラインのデータをプログラムする装置である。この自動プログラム装置15でプログラムされた加工データがコントローラ4の加工ラインデータ獲得部12に送信される。また、コントローラ4には、移動台車6をX軸方向に移動するためのX軸モータ17と、キャリッジ8をY軸方向に移動するためのY軸モータ18と、プラズマトーチ3をZ軸方向に移動するためのZ軸モータ19と、が接続されている。さらに、コントローラ4には、プラズマ電源ユニット10が接続されており、これによりプラズマアークの発生が制御されるようになっている。
[プラズマ切断方法]
以上のプラズマ切断装置1によって実行される切断方法について、図5〜図8を用いて説明する。図5は、プラズマトーチ3の移動軌跡の平面図である。図6は切断方法の手順を示しており、図7はプラズマトーチの移動軌跡と移動速度を示している。また、図8はプラズマトーチの移動と原板が切断される様子を模式的に示したものである。なお、各位置P0〜P5については、図5及び図7に示す位置である。
このプラズマ切断方法の特徴は、以下の点にある。
(a)ピアス工程の開始点P0から位置P1までプラズマトーチ3を上方に移動させながら水平移動させる点。ただし、上方移動を省略して水平移動のみにすることも可能である。
(b)位置P1から位置P2まで、同じ高さ(第1高さ)を維持したまま同じ加工条件で加工を行う点。
(c)位置P0から位置P2まで切断部材の最終切断辺に平行に(X軸方向に)プラズマトーチ3を移動させている点。
(d)位置P3から位置P4までを助走区間とし、この助走区間においては、切断部材を切断する際の加工条件と同じ条件で加工し、位置P4までに加工条件を安定させている点。
以下、図6に基づいて切断方法を説明する。
まずステップS1では、図8(a)に示すように、プラズマトーチ3をピアス工程の開始点P0に移動し位置決めする。なお、開始点P0のX軸及びY軸方向の位置は予め設定されている。また、開始点P0の高さ位置であるZ軸方向の位置については、原板の高さ位置を検出することによって決定される。原板の高さ位置については、高さ検出センサを用いて検出される。また、プラズマトーチ3の先端を原板に当接させることによって原板の高さ位置を検出することも可能である。
ここで、開始点P0の高さは、切断を行うときのプラズマトーチ3と原板との距離である切断高さと同一または略同一もしくはその切断高さよりも原板寄りでダブルアーク(=異常放電)が起きない高さに設定される。
以上のような高さに設定することによって、少ないパイロット電流によってパイロットアークをメインアークへと移行させることができる。また、プラズマトーチ3において、電極−ノズル間における放電経路の電気抵抗と電極−加工ワーク間における放電経路の電気抵抗との差が縮まるので、パイロットアークからメインアークへの移行をスムーズに行うことができる。したがって、プラズマトーチ3のノズルがパイロットアークによって溶損される度合が軽減され、ノズルの劣化を抑制しその寿命の延長化を図ることができる。
次に、ステップS2において、開始点P0でプラズマを起動する。すなわち、プラズマトーチ3にプラズマガスを流すとともに、プラズマトーチ3の電極に高電圧を印加してパイロットアークを発生させる。そして、ステップS3では、メインアークに移行させる。すなわち、パイロットアークを原板に到達させてパイロットアークをメインアークに移行させる。
次にステップS4では、図8(b)に示すように、プラズマトーチ3を開始位置P0から、Z方向においては第1高さである位置P1に向かって斜め上方に速度F0で移動させる。なお、この速度F0は全工程において最速の速度である。
以上のような位置P0から位置P1への移動によって、上方に飛散するスパッタがプラズマトーチ3のノズルに付着するのを抑えることができ、スパッタによるノズルのダメージを回避することができる。
ステップS5では、図8(c)に示すように、プラズマトーチ3の高さを第1高さに維持したまま、位置P1から位置P2まで水平方向に移動させる。このときのプラズマトーチ3の移動速度は速度F1に設定する。
ステップS5における位置P1及びP2の第1高さは、原板の材料や厚み等の条件に対してピアス孔を良好に加工できるように、最適な高さに設定される。また、他の移動速度や電流等の加工条件も、位置P1からP2において原板に対して最適加工条件となるように設定される。すなわち、この位置P2は、ピアス工程において、最適加工条件を設定するために必須のポイントである。また、位置P1からP2までの距離はピアス孔が貫通するまでの距離に対応している。
次にステップS6では、図8(d)に示すように、プラズマトーチ3の水平方向の位置を維持したまま、高さ位置を位置P2から第2高さ位置としての位置P3まで下降させる。この下降位置P3は切断時の高さである。位置P3は、X軸方向において、切断部材の切断開始辺と同じ位置である。
ステップS7及びステップS8では、図8(e)に示すように、プラズマトーチ3の速度を速度F3に維持し、位置P4から切断部材の切断を開始し、切断部材の外周に沿って連続して移動させ、位置P5において1つの切断部材の切断を終了する。
ここで、位置P3から位置P4は切込み部であって、製品としての切断部材の切断を開始するまでの助走区間である。助走区間では、加工条件を、切断部材を切断する際の条件とまったく同じに設定する。このような助走区間を設けることによって、切断部材の切断開始点P4から安定した加工状態で加工を行うことができる。
またステップS7では、加工条件としてのガスの流量、電流値、切断速度が切断に適した状況になったタイミングで、その時点でのプラズマアークの電圧値を取り込む。この取り込まれた電圧値は、以後、ステップS7及びS8において、目標電圧値として設定される。すなわち、ステップS7及びステップS8において、アーク電圧を高さ情報の信号として検出し、このアーク電圧が目標電圧になるようにプラズマトーチのZ軸方向の位置(高さ位置)が制御される。
ステップS9においては、原板上におけるすべての切断部材の切断が終了したか否かを判断する。すべての切断部材の切断が終了していない場合は、ステップS9からステップS1に戻り、前述の処理を繰り返し実行する。また、すべての切断部材の切断が終了した場合は、このプラズマ切断処理を終了する。
[ピアス工程及び歩留まりの比較]
以上のように、プラズマトーチ3を水平方向に移動させながらピアス工程を実行した場合の作用効果と、プラズマトーチ3を切断部材の最終切断辺に平行に移動させながらピアス工程を実行した場合の作用効果について詳細に説明する。
図9(a)に従来のピアス工程によるピアス孔の形成状況を示し、図9(b)に本発明の一実施形態によるピアス孔の形成状況を示している。
これらの写真から明らかなように、従来方法では、ピアス孔の周囲に放射状に溶融金属が飛散し、広範囲に溶融金属が凝固した凝固物が付着している。このため、隣接する切断部材の間隔を広げる必要がある。一方、本発明の方法では、プラズマトーチの移動方向の上流側(移動方向と逆側)に、細長く凝固物が広がっているが、従来方法に比較して凝固物の広がっている幅が狭いことは明らかである。
<実験例1>
図10に厚みが25mmの原板に対して本発明の方法を用いてピアス孔を形成した場合の実験例を示している。この実験例からも明らかなように、凝固物としてのスパッタの幅及び長さが原板厚みに対して非常に小さくなっていることがわかる。すなわち、板厚25mmの原板に対して、ここでは図示していないが、従来方法によってピアス孔を形成した場合、ピアス点を中心とした凝固物の付着径は25mmとなる。一方、本発明の方法でピアス孔を形成した場合は、図10に示すように、凝固物としてのスパッタの長さは平均で9mm、スパッタの幅は平均で7mmである。
<実験例2:製品間比較>
本発明の切断方法(図11及び図12)による製品間距離と、従来の切断方法(図13)による製品間距離の相違を図11〜図13に示している。図11はピアス工程において、プラズマトーチを切断部材の切断開始辺と同じ方向に移動させた場合である。図12はピアス工程において、プラズマトーチを切断部材の最終切断辺と平行に移動させた場合である。
以上の各方法による切込み長さと製品間距離を図14に示している。この実験から明らかなように、特に、ピアス工程においてプラズマトーチの移動方向を切断部材の最終切断辺に平行にした場合、製品間距離を著しく狭くできることがわかる。
<切断部材の配置>
以上の実験例からも明らかなように、溶融金属、すなわちこの溶融金属が凝固した凝固物の広がり方の相違によって、本発明の方法では、従来方法に比較して原板材料の無駄領域を非常に小さくすることができる。原板から複数の切断部材を切り出す場合の無駄領域の違いを図15〜図18に示している。
図15は従来方法によって複数の切断部材を切り出す場合を示している。従来方法では、前述のように、溶融金属及びその凝固物が広範囲に広がるので、隣接する切断部材の間に広い間隔を確保する必要があり、斜線で示す無駄領域が広い。また、図16に示すように、隣接する切断部材のピアス開始点を両切断部材の間に配置しても、やはり隣接する切断部材の間に広い無駄領域が生じてしまう。
一方、図17に示すように、本発明の一実施形態による方法では、図15の場合に比較して、隣接する切断部材の間隔を狭くすることができる。また、図18に示すように、隣接する切断部材のピアス開始点を両切断部材の間に配置した場合は、無駄領域は非常に少なくなる。
図19(a)に従来方法によって2つの矩形の切断部材を切り出した場合の実際の例を示し、図19(b)に本発明の一実施形態によって同様の切断部材を切り出した場合の実際の例を示している。なお、いずれも原板の厚み及びプラズマの出力は同じである。
また、図20は、従来方法による切断部材(製品)の配置デザイン(ネスティング)と本発明の一実施形態による方法を用いる場合の切断部材のネスティングを比較したものである。
図20から明らかなように、本発明の方法を実施することによって、従来方法に比較して歩留まりを著しく改善することができる。具体的には、本実施形態の方法では、切り出し可能な製品の個数を19個増やすことができ、歩留まりが64%から67%に改善されていることがわかる。日々、多くの部材の切断行っている、典型的なプラズマ切断機のユーザでは、1ヶ月で100トンから200トン程度の原板となる鋼材を切断している。このようなユーザにおいて、歩留まりが3%改善できるということは、1ヶ月あたりで3トンから6トンの鋼材の使用量が節約できることになり、材料コストの大きな改善につながる。
[特徴]
(1)ピアス工程において、プラズマ開始点P0の高さが、切断を行うときのプラズマトーチ3と原板との距離である切断高さと同一または略同一もしくはその切断高さよりも原板寄りでダブルアークが起きない高さに設定されている。このため、少ないパイロット電流によってパイロットアークをメインアークへと移行させることができる。また、パイロットアークからメインアークへの移行をスムーズに行うことができ、プラズマトーチ3のノズルがパイロットアークによって溶損される度合が軽減され、ノズルの長寿命化を図ることができる。
(2)プラズマトーチを水平方向に移動させながら上方に移動させてピアス孔を形成するようにしている。このため、プラズマトーチ3に付着するスパッタの量を抑えることができる。したがって、複数の切断部材の間隔を狭くすることができ、歩留まりを改善できる。また、プラズマトーチの寿命低下を抑えることができる。
(3)ピアス工程において、位置P1から位置P2まで、同じ高さを維持したまま同じ加工条件で加工を行っているので、原板の材料や厚み等の条件に対して最適加工条件でピアス孔を形成することができる。
(4)ピアス工程と切断工程において、原板の板厚等の条件によって移動速度を変更できるので、各種の原板及び切断部材の形状等の条件に応じて、最適な切断を行うことができる。
(5)ピアス工程では、切断部材の最終切断辺に沿った方向にプラズマトーチを移動させながらピアス孔を形成するので、隣接する切断部材の間に形成される切込み部のスペースを小さくできる。したがって、歩留まりがさらに改善される。
(6)ピアス工程におけるプラズマトーチの上方への移動速度は、全工程における移動速度のうちで最速の速度に設定されるので、プラズマトーチへのスパッタの付着をより抑えることができる。
[他の実施形態]
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
(1)切断部材への切込み部の加工ライン形状については、前記実施形態に限定されない。前記実施形態の加工ラインも含めて、図21(a)〜(i)に変形例を示す。
なお、切込み部から切断部材の切断開始辺にスムーズに連続して移行するためには、図21(a)(b)(e)(f)(h)が好ましい。また、歩留まりの改善という観点からすれば、図21(a)(c)(d)(e)が好ましい。
1 プラズマ切断装置
2 載置テーブル
3 プラズマトーチ
4 コントローラ
12 加工ラインデータ獲得部
13 ピアス機能部
14 切断機能部

Claims (9)

  1. プラズマトーチから発生されるプラズマアークによって、原板から複数の切断部材を切り出すプラズマ切断方法であって、
    前記切断部材の外周において、前記プラズマトーチからプラズマアークを発生させた状態で、前記プラズマトーチの前記原板からの高さを第1高さに維持し、前記プラズマトーチを前記原板に対して所定距離だけ相対的に水平方向に移動させて前記切断部材の外周に孔を形成するピアス工程と、
    前記プラズマトーチを前記第1高さより低い第2高さに設定し、切込み部及び前記切込み部に連続する加工ラインに沿って前記プラズマトーチを水平方向に移動させて、連続する切断溝を前記切断部材の外周に沿って形成する切断工程と、
    を含むプラズマ切断方法。
  2. 前記ピアス工程におけるプラズマトーチの移動速度と、前記切断工程におけるプラズマトーチの移動速度とは別に設定可能である、請求項1に記載のプラズマ切断方法。
  3. 前記ピアス工程では、切断部材の最終切断辺に沿った方向に前記プラズマトーチを移動させる、請求項1又は2に記載のプラズマ切断方法。
  4. 前記ピアス工程では、プラズマアーク開始時には、前記プラズマトーチを前記第1高さより低い位置に設定し、その後水平方向への移動とともに前記第1高さまで前記プラズマトーチを上方に移動させる、請求項1から3のいずれかに記載のプラズマ切断方法。
  5. 前記ピアス工程における前記プラズマトーチの上方への移動速度は、全工程における移動速度のうちで最速の速度に設定される、請求項4に記載のプラズマ切断方法。
  6. 原板から複数の切断部材を切り出すプラズマ切断装置であって、
    切断される原板が載置される載置テーブルと、
    前記載置テーブルに対して相対的に水平方向及び上下方向に移動可能であり、プラズマアークを発生するプラズマトーチと、
    前記プラズマトーチの前記載置テーブルに対する相対移動、及び前記プラズマトーチからのプラズマアークの発生を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    加工ラインのデータを受け取る加工ラインデータ獲得部と、
    前記切断部材の外周において、前記プラズマトーチからプラズマアークを発生させた状態で、前記プラズマトーチの前記原板からの高さを第1高さに維持し、前記プラズマトーチを前記原板に対して所定距離だけ相対的に水平方向に移動させて前記切断部材の外周に孔を形成するピアス機能部と、
    前記プラズマトーチを前記第1高さより低い第2高さに設定し、切込み部及び前記切込み部に連続する加工ラインに沿って前記プラズマトーチを水平方向に移動させて、連続する切断溝を前記切断部材の外周に沿って形成する切断機能部と、
    を有する、
    プラズマ切断装置。
  7. 前記制御部は、前記ピアス機能部におけるプラズマトーチの移動速度と、前記切断機能部におけるプラズマトーチの移動速度とを、別に設定可能である、請求項6に記載のプラズマ切断装置。
  8. 前記制御部は、前記ピアス機能部において、前記加工ラインデータ獲得部で得られたデータにしたがって、切断部材の最終切断辺に沿った方向に前記プラズマトーチを移動させる処理を実行する、請求項6又は7に記載のプラズマ切断装置。
  9. 前記制御部は、前記ピアス機能部において、プラズマアーク開始時には、前記プラズマトーチを前記第1高さより低い位置に設定し、その後水平方向への移動とともに前記第1高さまで前記プラズマトーチを上方に移動させる処理を実行する、請求項6から8のいずれかに記載のプラズマ切断装置。
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