JP2013201988A - サプリメントを内包する蓋体とサプリメント分散媒を充填したボトルからなるボトル入り飲料 - Google Patents

サプリメントを内包する蓋体とサプリメント分散媒を充填したボトルからなるボトル入り飲料 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の成分を含有する安定な顆粒状サプリメントを蓋体に収納し、顆粒を分散するに適した溶液をボトルに充填した新規なボトル入り飲料を提供する。
【解決手段】顆粒の表面が水難溶性の物質で被覆されてなる顆粒剤がボトルの蓋体に収納されており、ボトル内には、せん断変形速度0.01 s-1のときの粘度が10〜300Pa・sである溶液が充填されており、飲用前に顆粒剤を溶液に混合してから飲用に供することを特徴とするボトル入り飲料であって、ボトル内に充填された飲料の1容量部あたり0.02容量部〜0.15容量部の顆粒剤が蓋体に収納されてなるボトル入り飲料。
【選択図】図2

Description

本発明は、顆粒状サプリメントと該サプリメントの分散媒を充填したボトルからなるボトル入り飲料に関する。
栄養補助剤であるサプリメントが、注目され、一般に普及している。サプリメントの剤型は、錠剤、ソフトカプセル、ハードカプセル等が一般的である。剤型は、サプリメントの水溶性、油溶性等の性質や臭いなどの性格によって、適する剤型が異なり、従来は、設定された処方に基づいて配合された組成となっている。複数種類のサプリメントを利用している人も多い。また、既存の処方量によらず、利用者に応じて成分比を変えて、個々人に合わせた処方のニーズもある。乾燥粉体を処方し、分包した場合に水に分散しない場合や、コップなどに付着することがある。
溶けない薬剤を溶けるように工夫する試みは多数行われている。例えば、特許文献1では、マグネシウムやカルシウムなどのミネラルについて、MgCl(塩化マグネシウム)またはMgSO(硫酸マグネシウム)等のMg塩や、CaCl(塩化カルシウム)等のCa塩は、水に易溶であるが、苦味が強いという問題があったのに対して、水に難溶性である水酸化マグネシウムや炭酸カルシウムを水、クエン酸、グリシンからなる分散媒を利用して溶解して、1月以上にわたり苦味が無く安定したミネラル含有溶液を提供できることが開示されている。
また複数の活性成分を同時に摂取するための製剤上の工夫がなされているが、複数の成分の相互反応によって褐変や凝固などの所謂配合禁忌の問題が発生することが指摘されている。配合禁忌の薬物や栄養成分を含む顆粒剤を製造する方法として、配合変化を防止するために、配合禁忌の薬物を含む2種類以上の顆粒剤を別々に製造した後、混合する方法がある。さらに、顆粒剤同士の接触による配合変化を防止し、薬物自身の苦味を抑制するために、顆粒剤の表面に添加剤をコーティングする場合がある(以下、本明細書において、添加剤をコーティングする前の顆粒剤を「原顆粒剤」といい、2種以上の配合禁忌の薬物又は栄養成分を混合した顆粒剤を「混合顆粒剤」という場合がある)。添加剤をコーティングした混合顆粒剤を製造する場合、従来は、配合変化を防止するために、それぞれの原顆粒剤に添加剤をコーティングした後、そのコーティングされた各顆粒剤を混合していた。
特許文献2には、イソプロピルアンチピリン(IPA)とIPAの配合禁忌薬物であるアセトアミノフェンとの混合顆粒剤を製造する方法が開示されている。特許文献2においては、IPAにマスキング剤を配合した原顆粒剤とアセトアミノフェンを配合した原顆粒剤を混合し、混合顆粒剤としている。
また、特許文献3には、原顆粒剤を一旦個別に調製したのち、混合流動層中でコーティングする方法が開示されている。
すなわち、これらの特許文献に示されているように、従来は、原顆粒剤の表面を添加剤によってコーティングすれば、配合禁忌薬物の変性を抑制できると考えられてきた。しかしながら、それだけでは、配合変化の抑制という目的を達成できないことが、既に判明している。その最大の原因は、原顆粒剤を調整する際に使用される原料由来の水分、または、造粒工程に由来する水分にある。そのため、現在では、通常、原顆粒を混練造粒した後、装置内で乾燥させ、水分含量を5%程度に減少させてからコーティングすることが定法とされている。そして、コーティングによって薬物相互の接触を遮断することにより、薬物又は栄養成分相互の反応の抑制を図っていた。
このようにして調製された顆粒剤を摂取するためには通常、水とともに服用する。しかし顆粒剤を口中に含み、次いで水を含んで嚥下する場合、しばしば口腔内に顆粒剤が残留し、さらに追加で水を含むことが必要となる。このため、必要以上の水分を摂取することとなる。また多量の水が必要となり、小児や老齢者などは嚥下困難な場合が生じることとなる。またしばしば、口中に顆粒が残留しないようにするため、一気に飲用しようとする。このため、小児や老齢者にあっては気管への誤飲事故が発生する。
このために、嚥下困難者への飲用補助として、一定の粘度を持つ嚥下補助剤が提案されている(特許文献5、6参照)。
本発明者らは、このような問題を解決するため顆粒剤を飲用しやすい、顆粒剤と飲料を一体化したボトル入り飲料を提案している(特願2011−073815号)。
特開2004−65016号公報 特開2001−19639号公報 特開2005−60276号公報 特表2008−529755公報 特開2002−51729号公報 特開2001−169735号公報
本発明は、複数の成分を含有しても安定な顆粒状サプリメントを蓋体に収納し、顆粒を分散するに適した溶液をボトルに充填した新規なボトル入り飲料であって、最低限の飲料で多くの顆粒状サプリメントを飲用できる飲料を提供することである。さらに、当該顆粒を溶液に分散したときの異味や苦味などの不快味を抑制した飲料の提供を課題とする。
本発明は以下の構成からなる。
(1)顆粒の表面が水難溶性の物質で被覆されてなる顆粒剤がボトルの蓋体に収納されており、ボトル内には、せん断変形速度0.01 s-1のときの粘度が10〜300Pa・sである溶液が充填されており、飲用前に顆粒剤を溶液に混合してから飲用に供することを特徴とするボトル入り飲料であって、ボトル内に充填された飲料の1容量部あたり0.02容量部〜0.15容量部の顆粒剤が蓋体に収納されてなるボトル入り飲料。
(2)ボトルに充填された飲料の容量が30ml〜100mlである(1)記載のボトル入り飲料。
(3)飲用前に顆粒剤を飲料溶液に混合してから飲用に供することを特徴とする(1)又は(2)に記載のボトル入り飲料。
(4)溶液が、ジェランガムを含有する水溶液であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のボトル入り飲料。
顆粒剤の保存安定性が、複数の成分を含むものであっても、高く、かつこの顆粒サプリメントが蓋体に内蔵されており、簡便に飲用することができる。また溶液中に均質に分散させることができ、容器を傾けて注ぎ出したときに、容器に残りが少ないので、顆粒剤を必要な量だけ容易に服用することができる。また溶液状態では保存性が低下するサプリメントや各人用に処方されたサプリメントなどの顆粒剤を飲用直前に本発明の分散媒に混合して服用することができる。
さらに本発明の飲料は、予めサプリメント成分を溶液中に溶解分散したものと異なり、サプリメント成分の安定性を長期間保つことができる。
また、顆粒剤を溶液中に分散させたものを飲用したときに、サプリメントが溶解していないので異味や不快味を感じることがない。
また、気管への誤飲が発生せず、少量の飲料で最大限の顆粒剤を容易に摂取できるため、水分摂取の制限者や小児、老人であっても容易に摂取できる。
飲料に分散した顆粒剤サプリメントの分散状態を観察した図。 分散媒のせん断速度と粘度の関係を示すグラフ。 ポリグリセリン脂肪酸エステルによるコーティングの有無によるビタミンBが飲料に溶解してゆく状態を比較観察した図。 容器の例。 顆粒剤と分散媒を混合した状態の本発明の飲料を示す図。 顆粒剤と飲料の混合状態を観察した第2の試験結果を示す図。
本発明の顆粒剤に用いられる薬物又は栄養成分として、配合禁忌の二種以上の薬物又は栄養成分を用いることができる。配合禁忌の薬物又は栄養成分の組み合わせは、例えば、γアミノ酪酸とビタミンC、高麗ニンジンとエイコサペンタエン酸含有シームレスカプセル化剤、エイコサペンタエン酸含有シームレスカプセル化剤とビタミンC、高麗ニンジンとゼラチン皮膜を有するシームレスカプセル化剤、ビタミンCとゼラチン皮膜を有するシームレスカプセル化剤、または金属塩とエイコサペンタエン酸含有シームレスカプセル化剤等を挙げることができる。なお、本発明の顆粒剤は、種々の薬物や栄養成分を含むこともでき、その種類は制限されない。
原顆粒剤には、薬物又は栄養成分以外に、賦形剤、結合剤、崩壊剤など製剤学上許容される添加剤を含有することができる。賦形剤としては、当該分野で公知のものを幅広く使用することが可能であり、例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、D−マンニトール、粉末還元麦芽糖水あめ、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、D−ソルビトール、マルトース、デンプンおよびデンプン誘導体、アスパルテーム、グリチルリチン酸およびその塩、サッカリンおよびその塩、ステビアおよびその塩、スクラロース、アセスルファムカリウム、リン酸水素カルシウム等が挙げられ、その中でも、乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプンは好ましい。これらの賦形剤は、1種または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
結合剤としては、当該分野で公知のものを幅広く使用することが可能であり、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、デキストリン、デンプンおよびデンプン誘導体、グァーガム、アラビアゴム、トラガント、アルギン酸およびその塩、プルラン、カラギーナン、ゼラチン、寒天、カルボキシビニルポリマー、カルメロースナトリウム等が挙げられ、その中でも、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン及びメチルセルロースは好ましい。これらの結合剤は、1種または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
崩壊剤としては、当該分野で公知のものを幅広く使用することが可能であり、例えば、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。これらの崩壊剤は、1種もしくは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明において、互いに配合禁忌の薬物又は栄養成分や、上記の添加剤等を含む原顆粒剤は、それぞれ別々に製造される。この原顆粒剤の製造においては、各薬物又は栄養成分ごとに同一または類似の造粒方法により製造することができる。
原顆粒剤の製造方法は、特に限定されず、当該分野で公知の方法を幅広く使用することが可能であり、具体的には、押し出し造粒法、転動造粒法、攪拌造粒法、流動層造粒法、転動流動造粒法、混練造粒法等が挙げられる。これらの中でも、混練造粒法は好ましい。
混練造粒を行う造粒機としては、混練翼、解砕翼を備えた装置を使用する造粒機を用いることが好ましい。このような造粒機としては、例えば、品川工業所社が提供する三軸式混練造粒機を挙げることができる。この装置については、特許文献4の公報に開示されており、本発明の製造方法は、この公報に記載の方法に基づいて実施することができる。本発明において、三軸式混練装置による造粒法を用いて製造すると、各顆粒を任意の割合により造粒できる他、製造工程を簡便化できるだけでなく、顆粒剤の各成分を均質に含有する顆粒剤を調製することができ、好ましい。
なお、本発明において、薬物又は栄養成分ごとに、同一または類似の造粒方法によって2種以上の原顆粒剤を別個に製造する場合、互いに配合禁忌の薬物又は栄養成分が別個に造粒されるのであれば、各顆粒剤は配合禁忌でない他の薬物又は栄養成分を含んでいてもよい。
造粒された原顆粒剤の嵩密度(嵩比重)は、特に限定されないが、0.35〜0.75g/mLが好ましく、0.40〜0.65g/mLがさらに好ましく、0.5〜0.63g/mLが特に好ましい。嵩密度が0.35g/mLより小さいと、嵩高くなり、分包量が増大する恐れがある。また、嵩密度が0.75g/mLを超えると、嵩が小さくなり、重質な顆粒が得られ、分包量も減少する。しかし、素原料として、比重の大きいミネラル原料以外の原料粉体物性を考慮すると、0.75g/mL以上の顆粒を調製することは比較的困難である。そのような状況下、嵩密度の大きい顆粒が添加されると、種々の顆粒間での嵩密度差が大きくなり、偏析を引き起こし、一剤化顆粒の混合均一性の担保が難しくなる恐れがある。
また、原顆粒剤の50%粒子径は、特に限定されないが、400〜700μmが好ましく、450〜650μmがさらに好ましく、500〜600μmが特に好ましい。50%粒子径が700μmより大きいと、飲用しにくくなり、400μmより小さいと、コーティング中に顆粒剤同士が凝集する恐れがある。
次に、得られた原顆粒剤の水分の乾燥処理を行う。乾燥処理は、原顆粒剤の水分が2%以下になるまで乾燥することが好ましい。乾燥の方法は特に限定されず、通常の顆粒乾燥に用いる乾燥方法であればどのような方法であっても採用できるが、真空乾燥法及び送風乾燥法は好ましい。真空乾燥法と送風乾燥法は、それぞれ単独で実施しても、併用によってもよい。しかしながら、真空乾燥法を用いると、可能な限り顆粒剤の水分を除去することができるため、特に好ましい。なお、水分含量が2%を超えると、配合禁忌の薬物又は栄養成分の顆粒の分解促進、薬物の融点降下、製剤の着色変化、異臭の発生等の種々の配合変化が生じる恐れがある。
次に、乾燥した各原顆粒剤の表面を、水難溶性のコーティング剤によりコーティングする。被覆するためのコーティング剤としては、HLB 6以下の乳化剤、動物性又は植物性ワックス、極度硬化油から選択される物質が使用できる。例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、シェラック、ツェイン、ショ糖エステル等が使用できる。本実施例では、ポリグリセリン脂肪酸エステルによりコーティングする。なお、コーティングは、配合禁忌の薬物又は栄養成分の顆粒の配合変化を抑制するだけでなく、顆粒中に含まれる薬物の味が飲料に溶出することを抑制する効果も併せ持つ。コーティングのためのポリグリセリン脂肪酸エステルの量は、原顆粒剤100質量部に対して、1〜1000質量部とすることが好ましく、10〜100質量部とすることがさらに好ましく、重量増加抑制とコーティング効果を考慮すると、約20質量部前後とすることが特に好ましい。
原顆粒剤に、例えばポリグリセリン脂肪酸エステルをコーティングする方法としては、上述した品川工業所社製の三軸式混練造粒機を使用することが好ましい。この場合、原顆粒を調製した装置を引き続き、コーティングにおいても用いることができる。すなわち、原顆粒を調製した装置に、コーティングのためのポリグリセリン脂肪酸エステルの所要量を加えて、被覆することができる。コーティングにあたっては、容器内温度を、コーティング剤の融点付近の温度とすることが好ましく、ポリグリセリン脂肪酸エステルの融点付近の温度、約55℃とすることが好ましい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルでコーティングされた顆粒剤の場合、その嵩密度は、0.55〜0.75g/mLであることが好ましく、50%粒子径は450〜650μmであることが好ましい。また、当該顆粒剤中の薬物又は栄養成分含量の標準偏差は、好ましくは5%以内、さらに好ましくは4%以内、特に好ましくは3%以内である。他の水難溶性のコーティング剤であってもこれに準じてよい。
このようにして得られた顆粒剤を混合して複合顆粒を調製してもよいが、上記のようにコーティングされた後の顆粒剤の水分含量が2%以上となってしまうことがあり、そうすると、配合禁忌の薬物や栄養成分を混合した顆粒剤が速やかに相互反応し、褐変化や凝固が進行することがある。このため、コーティング後に、顆粒剤について、再度、乾燥処理を行うことが好ましい。顆粒の乾燥は特に限定されないが、真空乾燥によることが好ましい。真空乾燥装置を用いた場合、2〜8時間の乾燥処理を行うことにより、水分含量を2%以下とすることが好ましい。
次に、顆粒剤をそのまま、あるいは顆粒剤を混合して複合顆粒剤として、容器蓋体に密閉収納し、本発明の顆粒剤を製造することができる。混合は、通常使用される混合装置であれば、特に制限されず、いずれのものも使用することができるが、V型回転式混合装置を使用すると、効率よく均一な複合顆粒製剤を調製することができ、好ましい。
本発明の顆粒剤は、経時保存しても、変化が起こらず、外観もほとんど変化せず、異臭が発生することもない。具体的には、2ヶ月以上、好ましくは4ヶ月以上、より好ましくは6ヶ月以上、40℃、相対湿度75%以上で経時保存しても、配合変化が起こらず、外観の変化も見られない。
<分散媒(飲料溶液)>
本発明に用いる分散媒(飲料溶液)は、せん断変形速度0.01 s-1(0.01 1/sec)のときの粘度が10〜300Pa・sである溶液である。この溶液は、(1)ジェランガム0.017%、サイリウムシードガム0.45重量%水溶液、(2)ジェランガム0.025重量%水溶液、(3)ジェランガム0.04%、ペクチン0.0048重量%水溶液に調整することにより提供できる。
せん断速度が極めて小さい領域においてニュートン流体として振舞う領域となるゼロシア粘度が45〜1500Pa・sであること且つ、せん断速度0.01 s-1のときの粘度が10〜300Pa・sである溶液が適している。分散媒の物性評価は、下記の条件で測定した。
分散媒の物性のせん断速度と粘度関係を試験した。直径5cmのプラスチックシャーレに3mm厚のゲルを作成し試験に用いた。測定時にプレートからはみ出た部分は除いた。
(1)使用装置
TA Instruments社製 粘弾性測定装置 ストレス制御式レオメーター AR−G2
(2)測定条件
使用プレート:直径4cm アルミ製パラレルプレート
Gap : 2000μm
測定モード :定常流粘度測定
せん断速度 :1.0×10-4-1〜1.0×10-1-1
この粘度の分散媒を実現するゲル化・安定剤として、ジェランガム、ペクチン、サイリウムシードガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、ゼラチン、澱粉、デキストリン、セルロース、カゼインナトリウム、グリセリン、エリスリトールなどの糖アルコール類、が挙げられる。
<形態>
容器に収納した上述の分散媒(飲料溶液)と顆粒剤を組み合わせて提供することができる。
ペットボトル等の容器に詰めた分散媒と蓋体に収納した顆粒剤サプリメントをセットにし、飲用時に顆粒剤サプリメントを分散媒に混合して使用する。顆粒剤サプリメントを分包にして、小収納部付き蓋体に収納してもよい。ゲル化剤などの分散媒は、加温撹拌溶解等の処理をして溶液状態で容器に充填する。
例えば公知の収納部付きキャップを備えたボトルなどを使用することができる。キャップの収納部分に顆粒剤を収納し、ボトル容器本体には本発明の分散媒を収納し、服用直前にキャップ内の顆粒剤を分散媒に混合して飲用に供することができる。
分散媒(飲料溶液)の容量としては、サプリメント顆粒を嚥下するのに必要な容量を考慮する必要があるが、水分摂取の制限なども考慮する必要がある。顆粒剤が分散した飲料の場合、飲用に障害の出ない容量としては100ml以下が好ましく、特に好ましくは65ml以下が1回の飲容量としては適している。飲料の容量は少ないほうが好ましいが、嚥下困難者の飲用を考慮すると30ml以上とすることが適切である。飲料には必要に応じて、適宜甘味料や酸味料、香料などを添加することで、小児や幼児も抵抗なく飲用することができる。特に成人を対象とした場合は、65mlの飲料溶液を充填すると、サプリメント顆粒を摂取する場合、一口で飲み込むことができ、気管への誤飲なども生じない。
顆粒剤サプリメントを蓋体に収納し、容器本体部分に分散媒を充填収納し服用時に顆粒剤を分散媒に混合できる飲料の容器の例を図4に示す。分散媒1を収納した容器3と小収納部を備えた蓋体(キャップ)4に顆粒剤(粉体)2を封入した状態を(a)に示す。蓋体4を押し込むことによって蓋体内に備えられた刃体6の先端がシール5を突き破り、顆粒剤2が分散媒1に混合される状態を(b)に示す。(c)は蓋体4の中間部の横断面を示し、この例では、刃体6は十字形をしており、粉体収容空間を確保し、且つ、シール5の開封を大きくする工夫がされている。
顆粒剤と分散媒を混合した状態のボトル容器の例を図5に示す。
顆粒剤サプリメントを蓋体に収納する量は、ボトルに充填する分散媒(飲料溶液)の容量によって決定される。顆粒を容器本体に落下させ、分散媒と混合したとき均等に混合され、飲用する際にボトルに残留しない最適量を収納する。本発明においては飲料溶液の1容量部あたり顆粒剤が0.1容量部以下となるように蓋体に収納する。0.1容量部以上を蓋体に収納すると、飲料溶液と顆粒剤サプリメントを混合したとき、飲料の流動性が低下し、飲料ボトル壁や、底部に付着し、ボトルの口部から出てこない顆粒が増加して、所望の量を摂取することができない。なお飲料容量を増加させることによって、サプリメント容量を増加させることは可能であるが、本発明の目的であるサプリメント摂取のためには、上述したとおり飲料の容量は100mlを上限とすることが好ましく、この場合サプリメント顆粒の容量は10mlが上限となる。
〔試験例1〕
以下に顆粒剤と分散媒を組み合わせた飲料の調製と試験例を示し、本発明をさらに詳しく説明する。
<分散媒の調製>
1.分散媒の配合
ジェランガム、ペクチン、サイリウムシードガム、デキストリン、ph調整剤、ゲル化補助剤及び水からなる素材を配合し、加温・撹拌調整した9種類の分散媒を作成した。配合は表1に記載したとおりである。
2.分散媒の調製
(1)分散媒(b)は、ゲル化剤0.50gを秤量し、80g程度のお湯で80℃10分間撹拌溶解した。ゲル化補助剤として0.05%乳酸カルシウムを添加後、100gに調整し用いた。
(2)分散媒(c)〜(f)は、ゲル化剤(c)0.010g、(d)0.025g、(e)0.050g、(f)0.075gをそれぞれ秤量し、80g程度のお湯で90℃以上10分間撹拌溶解した後、ゲル化補助剤として0.05%乳酸カルシウムを添加後、100gに調整し用いた。
(3)分散媒(g)〜(i)は、ゲル化剤(g)0.10g、(h)0.25g、(i)0.50gをそれぞれ秤量し、80g程度のお湯で80℃、10分間撹拌溶解した後、ゲル化補助剤として0.05%乳酸カルシウムを添加後、100gに調整し用いた。
<顆粒剤サプリメントの調製>
A.原顆粒剤の製造
1)高麗ニンジンエキス原顆粒剤
高麗ニンジンカンソウエキス0.8Kgにエタノール0.07Kgを加え、三軸混練造粒装置(トリプルマスターTMGV−5:品川工業所社製)を用いて混合造粒した。
次いで、あらかじめ調整しておいた、結晶セルロース(セオラスUF−F702:旭化成ケミカルズ社製)0.1499Kgに精製水0.012Kgを加え、同じく三軸混練造粒装置(トリプルマスターTMGV−5:品川工業所社製)を用いて混合したものを0.081Kg加え、さらに造粒し、50℃で一次乾燥を行った。次いで、粒子の解砕処理を行った後、前記装置から取り出し、送風乾燥装置を用いて50℃で12時間乾燥させ、顆粒の水分を2%以下にした。この乾燥顆粒をJIS16メッシュの篩で整粒し、粒度をそろえ、原顆粒剤1Kgを得た。
2)γアミノ酪酸(GABA)原顆粒剤
GABAエキス(オリザ油化社製)0.8Kg及び結晶セルロース(セオラスFD−F20:旭化成ケミカルズ社製)0.2Kgに、エタノール0.1kgを加え、上記トリプルマスターTMGV−5を用いて一次造粒を行った。次いで、50%エタノール100gを加え、二次造粒を行い、さらに水0.05Kgを添加して三次造粒を行った後、1次乾燥を行った。その後、原顆粒剤を装置から取り出し、送風低温乾燥機を用いて、50℃で12時間乾燥させ、顆粒の水分含量を2%以下にした。乾燥終了後、上記と同様に16メッシュの篩で、篩い分けし、整粒し、原顆粒剤1Kgを得た。
3)ビタミンC原顆粒剤
ビタミンC(BASF社製)0.7639Kg及び水溶性セルロース粉末(メトローズSE−60:信越化学社製)0.0316Kgを、前記トリプルマスターTMGV−5を用いて混合した後、造粒液として、精製水0.0405Kgに上記水溶性セルロース0.0045Kgを溶解した液を用いて、混練造粒を行った。造粒後、原顆粒剤を、送風乾燥機を用いて50℃で12時間乾燥させ、水分を2%以下とした、原顆粒剤0.8kgを得た。
4)ビタミンB原顆粒剤
VBミックス(日油製)0.8Kg及び結晶セルロース(セオラスFD−F20:旭化成ケミカルズ社製)0.2Kgに、エタノール0.1kgを加え、上記トリプルマスターTMGV−5を用いて一次造粒を行った後、1次乾燥を行った。その後、原顆粒剤を装置から取り出し、送風低温乾燥機を用いて、50℃で12時間乾燥させ、顆粒の水分含量を2%以下にした。乾燥終了後、上記と同様に16メッシュの篩で、篩い分けし、整粒し、原顆粒剤1Kgを得た。
5)エイコサペンタエン酸(EPA)を内包するシームレスカプセル化剤
国際公開第2009/004999号公報の記載に従って、同公報の実施例1の組成を有するエイコサペンタエン酸を内包するゼラチンシームレスカプセル化剤10Kgを得た。
B.原顆粒剤のコーティング
1)コーティング法
上記1)〜5)で調製した原顆粒剤8質量部に対して、ポリグリセリン脂肪酸エステル(ポエムTR−FB:理研ビタミン社製)2質量部を加え、原顆粒剤を調製した際に用いたトリプルマスターTMGV−5を使用して、コーティングを行った。コーティングにあたっては、容器内温度をポリグリセリン脂肪酸エステルの軟化点付近の温度設定(55℃)とした。冷却後、16メッシュの篩を用いて篩い分けし、整粒した。
2)コーティングされた顆粒剤の特性
こうして得られたコーティングされた顆粒剤は、水分含量が2%以下で、コーティングにより、他の粒子との反応性が抑制されたものとなった。
コーティングした顆粒剤各5gを25mlのメスシリンダーを用い、嵩密度を測定した。
各顆粒剤の嵩密度は以下の通りであった。
高麗人参顆粒剤 : 0.54g/ml
γアミノ酪酸(GABA)顆粒剤 : 0.54g/ml
ビタミンC顆粒剤 : 0.64g/ml
ビタミンB顆粒剤 : 0.59g/ml
エイコサペンタエン酸(EPA)含有シームレスカプセル化剤 : 0.63g/ml
C.混合
コーティングしたγアミノ酪酸(GABA)顆粒剤とビタミンC顆粒剤(実施例1)、コーティングした高麗ニンジン顆粒剤とエイコサペンタエン酸(EPA)含有シームレスカプセル化剤(実施例2)、コーティングしたビタミンC顆粒剤とEPA含有シームレスカプセル化剤(実施例3)の組み合わせで、それぞれを等量用い、V型混合機により混合して複合顆粒剤とした。
なお、EPA含有シームレスカプセル化剤は国際公開第2009/004999号公報の記載に従って、同公報の実施例1の組成を有するエイコサペンタエン酸を内包するゼラチンシームレスカプセル化剤10kgを調製した。
コーティングしたビタミンB原顆粒剤は、複合顆粒とせず、そのままビタミンB顆粒剤(実施例4)とした。
<分散性の評価>
(1)分散処理、流出処理
直径34mmのガラス製バイアルに50mmの高さ(40ml)まで、(a)〜(i)の分散媒を充填し冷却した後、1.7gの前記実施例1のGABA顆粒剤とビタミンC顆粒剤との複合顆粒を入れて上下に激しく10回振って混合した。取り出しは容器を傾け、ゲルを流出させた。
(2)評価
混合状態の評価及び流出させて実施例1のGABA顆粒剤とビタミンC顆粒剤との複合顆粒を取り出した後のバイアル容器に残った複合顆粒の状態の評価を次の基準で行った。
評価結果を表2に示す。混合状態は、混合直後、5分後、10分後、15分後の状態を評価した。これは、服用直前に粉体を分散させて飲用するという使用形態を想定した評価である。混合状態の例を図1に示す。
a)混合状態評価
0:溶液中にまったく分散されない、混ざらない
1:溶液と混ざるが沈殿している
2:溶液と混ざり、沈殿は見られない
3:溶液中に均質に分散している
b)取り出し後の状態評価
0:傾けても取り出すことが出来ない
1:傾けると出てくるが、残存が多い
2:傾けると出てきて、残存があまりない
c)総合評価
混合直後、5分後、10分後、15分後の混合状態評価値と取り出し後の状態評価値を合計して、以下の基準により総合評価した。
×:0〜5 (水と変わらない、または水よりも評価が低い)
△:6〜9 (水よりは優れているが課題を残す)
○:10〜14(課題の解決にとても優れている)
<分散媒の物性評価>
分散媒の物性のせん断速度と粘度関係を試験した。直径5cmのプラスチックシャーレに3mm厚のゲルを作成し試験に用いた。測定時にプレートからはみ出た部分は除いた。 測定結果を図2に示す。
(1)使用装置
TA Instruments社製 粘弾性測定装置 ストレス制御式レオメーター AR−G2
(2)測定条件
使用プレート:直径4cm アルミ製パラレルプレート
Gap : 2000μm
測定モード :定常流粘度
せん断速度 :1.0×10-4-1〜1.0×10-1-1
5.結果
表2において、総合評価「○」である(b)と(d)と(g)に着目して、分散媒の物性を確認したところ、せん断変形速度0.01 s-1のときの粘度が10〜300Pa・sである溶液が含まれることが明らかとなった。特に、ジェランガム0.025重量%水溶液や、ジェランガム0.04%、ペクチン0.0048重量%水溶液が適していることが分かる。
<顆粒剤の保存試験と評価>
上記<顆粒剤サプリメントの調製>Cで調製した実施例1〜3の顆粒剤をボトルの蓋体に収納し、ボトルに表1に記載したbの溶液を充填して、40℃、湿度75%の環境下に2週間置いて、配合変化、外観の変化、異臭の発生等を観察した(本発明品)。同様に、原顆粒を混合しただけ(比較試験例1)、原顆粒の水分調整を行なわずコーティングを実施したもの(水分量約5質量%)(比較試験例2)、溶液中に実施例1〜3の顆粒剤をあらかじめ撹拌混合したもの(比較試験例3)を調製して経過を毎日観察した。観察結果を下記、表3に示す。
表3に示される結果から明らかなように、本発明品は、2週間経過しても、配合変化、外観の変化、異臭の発生等が生じなかった。
<顆粒剤を分散媒に分散したときの外観及び味覚試験>
直径24mmのガラス製バイアルに、<分散媒の調製>2.の分散媒(b)を30mmの高さ(10ml)まで入れて、上記<顆粒剤サプリメントの調製>Cで調製した実施例4のビタミンB顆粒剤を0.5g添加し、上下に5回振って混合し、混合直後、5分後、10分後、15分後に外観と苦味を評価した。混合5分後、10分後、15分後には、評価前に上下に2回振り混ぜた。
比較例として、実施例4のビタミンB顆粒剤をポリグリセリン脂肪酸エステルでコーティングする前の顆粒を用いて、同様に試験した。
外観評価は以下の基準により評価した。
◎:ほとんど着色がない。
○:少し着色した。
△:着色した。
×:濃く着色した。
苦味は5名の官能評価専門パネラーに、以下の基準により評価させた。評価結果の平均
値を四捨五入して評価値とした。
3:ビタミン特有の苦味を感じない。
2:ビタミン特有の苦味をやや感じる。
1:ビタミン特有の苦味をかなり感じる。
0:ビタミン特有の苦味を強く感じる。
外観評価の結果を表4に、苦味の評価の結果を表5に、外観写真を図3に示す。
顆粒剤をポリグリセリン脂肪酸エステルでコーティングすることにより、分散媒と混合したときの成分の溶出を防ぎ、成分の味が溶液中に広がることを抑制することで、飲用時の異味を感じなくすることが確認できた。
〔試験例2〕
次のビタミン類を中心とする配合したコーティングなしのマルチビタミン顆粒を調製し、顆粒剤と分散媒の組み合わせによる分散性を評価した。
<顆粒剤サプリメントの調製>
1.マルチビタミンの組成
配合比率(重量%)
・VBミックス (日油(株)) 25.0
・カロチン(顆粒)(協和発酵工業(株)) 10.0
・ビタミンC (日油(株)) 55.0
・ビタミンD3粉末(BASFジャパン(株)) 1.0
・d−αトコフェロールパウダー(エーザイ(株)) 9.0
2.顆粒の調製
(1)使用機器
<造粒>
攪拌造粒機;ハイスピードミキサー
LFS−GS−2J(深江パウテック(株)製)
<乾燥>
流動層造粒装置:流動層造粒コーティング装置 MP−01((株)パウレック製)
(2)製造
カロチンビーズ以外の原料をハイスピードミキサー中に仕込み、原料重量に対して10%の水を添加してアジテーター300rpm、チョッパー3000rpmで3分間練合を行った。
その後得られた練合物を流動層造粒装置で、給気温度70℃で乾燥することにより顆粒を得た。得られた顆粒とカロチンビーズをビニール袋で混合し、マルチビタミン顆粒を作製した。
(3)顆粒剤粒径の組成
篩振とう機(筒井理化学機械株式会社製 機器名称:MICRO VIBROSIFTER M−2)による測定で、次の比率の粒度分布をもつ顆粒製剤を製造した。
1.00mm超の粒子 : 0.3%、
0.71〜1.00mmの粒子 : 16.4%、
0.50〜0.71mmの粒子 : 21.9%、
0.30〜1.50mmの粒子 : 40.4%、
0.25〜0.30mmの粒子 : 6.6%、
0.18〜0.25mmの粒子 : 9.5%、
0.15〜0/18mmの粒子 : 2.3%、
0.15mm未満の粒子 : 2.6%
(4)平均嵩比重
得られたマルチビタミン顆粒の平均嵩比重は、0.57であった。
3.分散性の評価
(1)分散処理、流出処理
直径24mmのガラス製バイアルに30mmの高さまで(a)〜(i)の分散媒を充填し冷却した後、0.5gの前記マルチビタミン顆粒を入れて上下に激しく10回振って混合した。取り出しは容器を傾け、ゲルを流出させた。
(2)評価
混合状態の評価及び流出させたマルチビタミン顆粒粉末を取り出した後のバイアル容器に残ったマルチビタミン顆粒の状態の評価を次の基準で行った。評価結果を表6に示す。
混合状態は、混合直後、5分後、10分後、15分後の状態を評価した。これは、服用直前に粉体を分散させて飲用するという使用形態を想定した評価である。混合状態の例を図6に示す。
<混合状体評価>
0:溶液中にまったく分散されない、混ざらない
1:溶液と混ざるが沈殿している
2:溶液と混ざり、沈殿は見られない
3:溶液中に均質に分散している
<取り出し後の状態評価>
0:傾けても取り出すことが出来ない
1:傾けると出てくるが、残存が多い
2:傾けると出てきて、残存があまりない
<総合評価>
×:0〜5 (水と変わらない、または水よりも評価が低い)
△:6〜9 (水よりは優れているが課題を残す)
○:10〜14(課題の解決にとても優れている)
〔試験例3〕
1. 分散媒(飲料溶液)と顆粒剤の最適組み合わせ容量の決定
表2に示した(g)の組成の溶液(ジェランガム0.025重量%水溶液や、ジェランガム0.04%、ペクチン0.0048重量%水溶液)を飲料溶液として、この溶液に顆粒剤を分散させて、顆粒剤を分散させるために必要な溶液量決定するための試験を行った。以下この溶液を試験溶液と呼ぶ。
(1)顆粒剤
実施例3として調製したビタミンC顆粒剤とEPA含有シームレスカプセルの複合顆粒(嵩密度0.66g/ml)、実施例1で示したコーティングしたビタミンC顆粒(嵩密度0.66g/ml)をそれぞれ試験資料として用いた。この顆粒剤を秤量し、嵩密度を乗じて顆粒剤の容量を求めた。顆粒剤の一定容量と試験溶液をそれぞれ、蓋つきガラス瓶に下記の表7に示す試験液中の顆粒含有率となるように採取した。
(2)分散性評価
ガラス瓶を上下に激しく10回振って混合し、顆粒の分散状態を観察した。分散状態は、次の基準で目視確認により評価した。
[評価基準]
◎:均一に分散している、容器内への付着もほとんどない
○:均一に分散している、容器内への付着が少しある
△:均一に分散しているが、容器内への付着が多い
×:均一に分散していない

下記表8にビタミンC顆粒剤、表9にアスコルビン酸顆粒とEPAシームレスカプセルの複合顆粒の分散状態の評価結果を示す。
(3)評価結果
表7〜9で明らかなように、顆粒剤を均一に分散させるためには、試験溶液1容量部に対して顆粒剤が0.1容量部以下の場合均一な顆粒分散液となることが確認できた。
2.飲用試験
(1)試験方法
上記1.の試験で調製した試験溶液を実際にパネルを用いて、飲用評価試験を実施した。顆粒剤が飲用に際して、口腔内に残留しないか、あるいは容易に一口で飲み込めるか、5名の官能評価員により採点した。なお、評価基準は次の通りとした。
[評価基準]
(1)飲料としての飲みやすさ
3:簡単に飲みきることができる
2:飲みきることができる
1:何とか飲むことができる
0:飲みきることができない
(2)顆粒の飲みやすさ
3:全く気になることなく飲める
2:あまり気にならずに飲める
1:飲めるが口の中や喉での残り感が気になる
0:飲み込めないほど口や喉に残る
(3)総合評価
3:適している
2:概ね適している
1:あまり適していない
0:適さない

5名のパネラーの平均点が2.5点以上を◎、1.5〜2.4点を○、0.5〜1.4点を△、0.5点以下を×として表した。下記表10にビタミンC顆粒剤、表11に複合顆粒剤の飲用の評価結果を示す。
表10、表11から一口で飲みほすことのできる顆粒分散液の最大量は100ml以下であることが確認できた。また65ml以下とすることで誤飲などの問題が発生しなくなるものと考えられた。
また、表7、表10、表11を対比することで、各容量の飲用量に顆粒剤を均質に分散させることができ、誤飲が発生しないようにして、一口で飲み干すことのできる顆粒剤の最大配合(分散)容量は、液量が65mlの場合、試験液1容量部に対して約0.094容量部、50mlの場合に試験液1容量部に対して約0.122容量部であることがわかった。

Claims (4)

  1. 顆粒の表面が水難溶性の物質で被覆されてなる顆粒剤がボトルの蓋体に収納されており、ボトル内には、せん断変形速度0.01 s-1のときの粘度が10〜300Pa・sである溶液が充填されており、飲用前に顆粒剤を溶液に混合してから飲用に供することを特徴とするボトル入り飲料であって、ボトル内に充填された飲料の1容量部あたり0.02容量部〜0.15容量部の顆粒剤が蓋体に収納されてなるボトル入り飲料。
  2. ボトルに充填された飲料の容量が30ml〜100mlである請求項1記載のボトル入り飲料。
  3. 飲用前に顆粒剤を飲料溶液に混合してから飲用に供することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のボトル入り飲料。
  4. 溶液が、ジェランガムを含有する水溶液であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のボトル入り飲料。
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