JP2013201745A - 圧電振動素子収納用パッケージおよび圧電装置 - Google Patents

圧電振動素子収納用パッケージおよび圧電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 搭載部にろう材が流れ出ることが抑制され得る圧電振動素子収納用パッケージおよび圧電装置を提供すること。
【解決手段】 基部102および枠状部103を備え、枠状部103の内側において基部102に貫通孔108が形成された電子部品収納用パッケージであって、貫通孔108は、基部102の下面
から厚み方向の一部を貫通して、基部102の内部に位置する底部111を有する第1孔部109
と、第1孔部109よりも小径で、第1孔部109の底部111の中央部分から基部102の上面にかけて貫通している第2孔部110とからなり、底部111が第1メタライズ層112aで覆われて
いるとともに、底部111の外周部に、貫通孔108を塞ぐろう材のたまり部118が設けられて
いる電子部品収納用パッケージである。溶融したろう材117がたまり部118にたまるため、ろう材117の搭載部104への流れ出しが抑制され得る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水晶振動素子等の圧電振動素子を気密に収納するための圧電振動素子収納用パッケージ、および、圧電振動素子収納用パッケージに圧電振動素子が気密に収容されてなる圧電装置に関するものである。
圧電振動素子を気密に収容するための圧電振動素子収納用パッケージとして、圧電振動素子が搭載される搭載部を有する基部と、この基部の上に積層された、搭載部を取り囲む枠状部とを有するものが用いられている。
近年、PDA、携帯電話、デジタルカメラ等の小型情報機器や移動体通信機器の薄肉化、軽量化、小型化と自動実装化を背景に、これらに使われる電子部品も小型化、表面実装化が急速に進展している。圧電装置においても、枠状部の上面に蓋体が被せられて圧電振動素子が封止された、いわゆるSMD(表面実装)タイプのものが増えてきている(例えば、特許文献1参照)。
圧電装置においては、蓋体と枠状部とを接合する封止材等から発生するガスや封止材表面に吸着したガスが放出されることがある。このガスが圧電振動素子収納用パッケージ内に残留すると、圧電振動素子の周波数特性を悪化させる可能性がある。
このため、基部を厚み方向に貫通する貫通孔が設けられた圧電振動素子収納用パッケージおよび圧電装置が用いられている。貫通孔は、枠状部上に蓋体が接合された後、真空雰囲気中で、ろう材によって塞がれる。
貫通孔の内面には、あらかじめ、ろう材と接合されるメタライズ層が被着されている。ろう材は、例えばレーザー装置や電子ビーム装置等の加熱手段で加熱されて溶融する。溶融したろう材が、貫通孔の内面のメタライズ層と接合し、貫通孔を塞ぐ。これにより、基部と枠状部と蓋体とで形成される容器内に圧電振動素子が気密に封止される。ここで、ガス排出用の貫通孔は、ろう材が基部から脱落しないように、段付き形状とされている。
特開2008−48144号公報
しかしながら、これら従来の圧電振動素子収納用パッケージにおいては、溶融したろう材の一部が貫通孔内から搭載部まで流れ出て、圧電振動素子の表面に付着する可能性があった。圧電振動素子に付着したろう材は、圧電振動素子の周波数特性を悪化させる可能性がある。また、圧電振動素子が音叉型振動素子の場合には、近接する電極間や配線導体間を短絡させる可能性がある。
本発明は、かかる従来の技術における問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、ガス排出用の貫通孔を基部に有する圧電振動素子収納用パッケージおよび圧電装置であって、貫通孔を塞ぐろう材の一部が搭載部に流れ出ることが抑制された圧電振動素子収納用パッケージおよび圧電装置を提供することにある。
本発明の一つの態様による圧電振動素子収納用パッケージは、平板状の基部および該基部の上面に配置された枠状部を備えており、前記枠状部の内側において前記基部の下面から上面にかけて貫通する貫通孔が形成された電子部品収納用パッケージであって、前記貫通孔は、前記基部の前記下面から前記基部の厚み方向の一部を貫通しているとともに、前記基部の内部に位置する底部を有する第1孔部と、該第1孔部よりも小径であり、該第1孔部の前記底部の中央部分から前記基部の前記上面にかけて貫通している第2孔部とからなり、前記第1孔部の前記底部がメタライズ層で覆われているとともに、前記第1孔部の前記底部の外周部に、前記貫通孔を塞ぐろう材のたまり部が設けられていることを特徴とする。
本発明の一つの態様による圧電装置は、上記構成の圧電振動素子収納用パッケージと、該圧電振動素子収納用パッケージに収容された圧電振動素子と、前記圧電振動素子収納用パッケージの前記枠状部の上面に接合されたる蓋体とを備えており、前記貫通孔がろう材で塞がれて、前記枠状部の内側に前記圧電振動素子が気密に封止されていることを特徴とする。
本発明の一つの態様による圧電振動素子収納用パッケージによれば、第1孔部の底部がメタライズ層で覆われているとともに、第1孔部の底部の外周部に、貫通孔を塞ぐろう材のたまり部が設けられていることから、ガス排出用の貫通孔を塞ぐろう材の一部が、溶融時にたまり部にたまる。そのため、溶融したろう材が搭載部に流れ出ることが抑制された圧電振動素子収納用パッケージを提供することができる。圧電振動素子の表面や絶縁基体の内部に付着することを抑制できる。
本発明の一つの態様による圧電装置によれば、上記構成の圧電振動素子収納用パッケージに圧電振動素子が収容されてなることから、上記圧電振動素子収納用パッケージの場合と同様に、溶融したろう材が搭載部に流れ出ることが抑制された圧電装置を提供することができる。以上のように、周波数特性が変動したり劣化することを低減することが可能な圧電装置、およびそのような圧電装置を作製することが可能な圧電振動素子収納用パッケージを提供できる。
(a)は本発明の実施形態の圧電振動素子収納用パッケージおよび圧電装置を示す上面図であり、(b)は(a)のX−X’線における断面図である。 図1に示す圧電振動素子収納用パッケージおよび圧電装置の変形例における要部を示す断面図である。 図1に示す圧電振動素子収納用パッケージおよび圧電装置の他の変形例における要部を示す断面図である。 図1に示す圧電振動素子収納用パッケージおよび圧電装置の要部を拡大して示す断面図である。 図1に示す圧電振動素子収納用パッケージおよび圧電装置における要部を下面側から見た平面図である。 図1に示す圧電振動素子収納用パッケージおよび圧電装置の他の変形例における要部を模式的に示す断面図である。 図1に示す圧電振動素子収納用パッケージおよび圧電装置の他の変形例における要部を示す断面図である。
本発明の圧電振動素子収納用パッケージについて、添付の図面を参照して説明する。な
お、以下の説明における上下の区別は、実際に圧電振動素子収納用パッケージおよび圧電装置が用いられるときの上下を特定するものではない。
図1(a)は本発明の実施形態の圧電振動素子収納用パッケージを示す上面図であり、図1(b)は図1(a)のX−X’線における断面図である。図1において101は絶縁基
体,102は基部,103は枠状部,104は搭載部,105は圧電振動素子,106は圧電振動素子105が接続される接続導体,107は接合材,108は貫通孔,109は第1孔部,110は第2孔部,111は第1孔部109の底部,112はメタライズ層,113は蓋体,114は金属枠体,115は枠状メタライズ層,116は電極である。なお、図1の例において、メタライズ層112は、第1孔部109の底部に形成されている第1メタライズ層112aと、第1孔部109内の基部の内側面に形
成されている第2メタライズ層112bとを含んでいる。
絶縁基体101に接続導体106,枠状メタライズ層115,金属枠体114,貫通孔108,および
メタライズ層112が配置されて、圧電振動素子収納用パッケージが基本的に構成されてい
る。この圧電振動素子収納用パッケージに圧電振動素子105が気密封止されて圧電装置が
形成される。なお、図1(a)においては見やすくするために蓋体113を省いている。
絶縁基体101は、平板状の基部102上に枠状部103が積層されて形成されている。枠状部103の内側面と、この内側面の内側で露出する基部102の上面とによって、圧電振動素子105を収容し搭載するための凹状の搭載部104が形成されている。
基部102および枠状部103は、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム焼結体,ムライト質焼結体,ガラス−セラミック焼結体等のセラミック材料からなる。例えば、同様のセラミック材料からなる基部102と枠状部103とが同時焼成されて絶縁基体101が作製さ
れている。
絶縁基体101は、例えば全体の外形が、平面視で一辺の長さが2.0〜10mm程度の長方形状であり、厚みが0.3〜2mm程度の板状である。絶縁基体101は、上面に上記のような凹状の搭載部104を有している。
このような絶縁基体101は、基部102および枠状部103がいずれも酸化アルミニウム質焼
結体からなる場合であれば、酸化アルミニウム,酸化珪素,酸化マグネシウムおよび酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダや溶剤,可塑剤等を添加混合して泥漿状にするとともに、これを例えばドクターブレード法やロールカレンダー法等のシート成形法によりシート状となすことにより複数枚のセラミックグリーンシートを得て、次に一部のセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施して枠状に成形するとともに、平板状のセラミックグリーンシート上に枠状のセラミックグリーンシートが位置するように上下に積層し、その積層体を高温で焼成することにより製作される。
絶縁基体101は、それぞれがこのような絶縁基体101となる複数の配線基板領域(図示せず)がセラミック母基板に縦横の並びに配列された、いわゆる多数個取り配線基板(図示せず)として製作し、これを配線基板領域の境界において切断して個片に分割する方法で製作するようにしてもよい。
絶縁基体101(枠状部103)の上面に枠状メタライズ層115が形成されている。枠状メタ
ライズ層115は、搭載部104を取り囲んでおり、この枠状メタライズ層115に金属枠体114がろう付けされている。枠状メタライズ層115は、金属枠体114を絶縁基体101にろう付け等
の手段で接合するためのものである。金属枠体114は、後述する蓋体113を溶接法等の手段で接合して圧電振動素子105を搭載部104内に気密封止するためのものである。搭載部104
内に圧電振動素子105を収容した後、金属枠体114の上面に蓋体113を接合することにより
、蓋体113と金属枠体114と絶縁基体101とからなる容器内に圧電振動素子105が気密封止されて圧電装置(水晶発振器等)となる。
なお、枠状メタライズ層115は、例えばタングステンやモリブデン,マンガン,銅,銀
等の金属材料によって形成されている。枠状メタライズ層115は、例えば、このようなタ
ングステン等の金属材料のペーストを枠状部103を構成する絶縁層となるセラミックグリ
ーンシートの上面に所定パターンに印刷しておき、このセラミックグリーンシートと同時焼成する方法で形成される。この焼成は、枠状部103となるセラミックグリーンシートを
基部102となるセラミックグリーンシート上に積層した後に行なってもよい。
なお、枠状メタライズ層115は、酸化腐食の防止やろう材(図示せず)の接合強度の向
上等のためには、露出した表面に1〜20μm程度の厚みのニッケルめっき層(図示せず)と0.1〜2μm程度の厚みの金めっき層(図示せず)とが順次被着されているのがよい。
金属枠体114は、例えば鉄−ニッケル合金や鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属材料
からなり、蓋体113を絶縁基体101に溶接等の方法で接合するための金属部材として機能する。この金属枠体114は、例えば、厚みが0.1〜0.5mm程度であり、幅が0.15〜0.45mm
程度の四角枠状である。また、金属枠体114を枠状メタライズ層115にろう付けする方法としては、例えば、金属枠体114の下面に予め20〜50μmの厚みの銀ろう(図示せず)を被
着させておき、この銀ろうが被着された下面を枠状メタライズ層115(詳細には枠状メタ
ライズ層115に被着させたニッケルめっき層)上に載置して、これらを治具等で仮固定し
ながら電気炉等で加熱する方法を挙げることができる。この方法により、容易に枠状メタライズ層115に金属枠体114を強固にろう付けすることができる。
蓋体113は、例えば四角板状であり、鉄−ニッケル合金や鉄−ニッケル−コバルト合金
等の金属材料やセラミック材料や樹脂材料からなり、ろう付け法や溶接法(例えばシーム溶接等)の接合法で下面の外周部が金属枠体114に接合される。なお、蓋体113がセラミック材料や樹脂材料から成る場合は、ろう付け法や溶接法によって枠状メタライズ層115に
接合できるようにするために、蓋体113の接合面にメタライズ法やめっき法等の方法によ
り接合用の金属層(図示せず)が形成される。
金属枠体114を枠状メタライズ層115に接合するためのろう材(図示せず)は、例えば、銀−銅共晶組成をベースとする銀ろう(例えば、71〜73質量%銀−27〜29質量%銅、JIS名称:BAg−8)である。BAg−8の場合、融点は780℃程度である。このような
ろう材を使用することにより、800〜850℃程度の熱処理(還元雰囲気)において金属枠体114を枠状メタライズ層115にろう付けすることができる。このろう材は、絶縁基体101の
大きさや形状,用途等に応じて、濡れ性や溶融温度等の調整のために、錫,亜鉛等の金属元素が添加されていてもよい。
上記圧電振動素子収納用パッケージおよび圧電装置において、搭載部104内の圧電振動
素子105は、接続導体106と電気的に接続され、接続導体106等を介して外部の電気回路と
電気的に接続される。すなわち、接続導体106は、搭載部104に収容される圧電振動素子105の電極(図示せず)を接続するための導体として機能する。
接続導体106は、例えば枠状メタライズ層115と同様の材料を用い、同様の方法で絶縁基体101に形成することができる。すなわち、タングステン等の金属材料がメタライズ法等
の方法で絶縁基体101の基部102等に被着されて、接続導体106が形成されている。接続導
体106にも、枠状メタライズ層115と同様にめっき層が被着されていてもよい。
接続導体106に対する圧電振動素子105の電気的な接続は、導電性の接合材107によって
行なわれている。接合材107は、例えば銀等の導電性材料からなる導電性粒子が添加され
てなる導電性接着剤である。
絶縁基体101の下面には、電極116が設けられている。電極116は、例えば絶縁基体101の内部に設けられた配線導体(図示せず)を介して接続導体106と電気的に接続されている
。圧電装置において、電極116は、半田や導電性接着剤等の導電性の接続材を介して外部
の電気回路(図示せず)と電気的に接続される。これにより、接続導体106および電極116等を介して圧電振動素子105が外部の電気回路と電気的に接続される。
基部102には、その基部102の下面から上面にかけて貫通する貫通孔108が形成されてい
る。貫通孔108は、上記のように蓋体113で搭載部104が塞がれているときに、搭載部104から外部への排気を可能とするためのものである。つまり、この貫通孔108は、搭載部104に残留するガス排出用の孔として機能する。
圧電振動素子105が収容される搭載部104内は、圧電振動素子105の振動への影響を抑え
るためには真空度が高い方が好ましい。そのため、上記のようにガス排出用の孔として貫通孔108が形成されている。なお、搭載部104に残留するガスとしては、例えば圧電振動素子105を接続導体106に接続する接合材107を硬化させる加熱処理などにより発生するガス
や、空気中に含まれる水分が蒸発したガスなどが挙げられる。
搭載部104内から貫通孔108を介してガスが排気された後、ろう材117で貫通孔108が塞がれる。これにより、圧電振動素子105が、高い真空度で搭載部104内に気密封止された圧電装置が製作される。ろう材117については、後に詳しく説明する。
貫通孔108は、上下に互いにつながっている第1孔部109と第2孔部110とからなる。第
1孔部109は、基部102の下面から基部102の厚み方向の一部を貫通しているとともに、基
部102の内部に位置する底部111を有する。また、第2孔部110は、第1孔部109よりも小径であり、第1孔部109の底部111の中央部分から基部102の上面にかけて貫通している。
言い換えれば、貫通孔108は、長さ方向の途中で径が異なり、この径の差に応じた環状
等の段状部分を、長さ方向の途中に有している。
また、第1孔部109の底部111が第1メタライズ層112aで覆われているとともに、第1
孔部109の底部111の外周部に、貫通孔108を塞ぐろう材117のたまり部118が設けられてい
る。なお、第1孔部109の内側面には第2メタライズ層112bが付着している。これらの第1,第2メタライズ層112a,112bにろう材117が接合されて、貫通孔108がろう材117で
塞がれる。
なお、メタライズ層112は、第1メタライズ層112aのみであっても、ろう材117が接合
されれば貫通孔108を塞ぐ機能を有する。また、第1メタライズ層112aに加えて第2メタライズ層112bが設けられている場合には、ろう材117とメタライズ層112との接合面積が
大きくなる。そのため、貫通孔108がろう材117で塞がれたときの気密性の向上の上で有効である。
また、第1および第2メタライズ層112a,112bは、それぞれ互いに独立したメタライズ層である必要はなく、一続きに形成されたものであっても構わない。
このようなたまり部118が設けられていることから、貫通孔108を塞ぐろう材117が搭載
部104内に流れ出ることが効果的に抑制され得る。
具体的には、以下の通りである。
貫通孔108をろう材117で塞ぐ工程においては、第1孔部109の内側にボール状のろう材117が挿入され位置決めされる。このろう材117がレーザビーム等の加熱手段により加熱さ
れて溶融する。溶融したろう材117は、その大部分が第1メタライズ層112aの表面に濡れ広がって接合するが、一部のろう材117が搭載部104内に流れようとする場合がある。これに対して、ろう材のたまり部118が設けられているため、このたまり部118に溶融したろう材117がたまり得る。そのため、ろう材117の一部が搭載部104内に流れ出ることが抑制で
きる。この場合、ろう材117が圧電振動素子105の表面や絶縁基体101の内部に付着するこ
とを抑制できる。
つまり、圧電振動素子収納用パッケージを上下反転させて絶縁基体101の下面を上向き
にして、貫通孔108内にろう材117を入れる。ろう材117は、例えば半田、銀ろう、Au−
SnやAu−Ge等の低融点金属からなる。ボール状のろう材117を第1孔部109に入れ、底部111で位置決めした後、ろう材117にレーザビームを照射する。レーザビームによってろう材117が溶融した際に、溶融したろう材117の一部が第2孔部110から搭載部104内に流れ出ようとする。しかし、このようにろう材のたまり部118が形成されていることにより
、搭載部104内に流れ出ようとするろう材117をたまり部118にためておくことができる。
そして、溶融したろう材117は第1孔部109の内周に形成された第1メタライズ層112aの
全体に拡がり、完全に閉塞して固化する。たまり部118にたまっていたろう材117も凝固する。このとき、第1孔部109の内周面および底部111に第1メタライズ層112aが形成され
ていることにより、第1メタライズ層112aと溶融したろう材117とが良好に接合される。そのため、搭載部104内をより確実に気密封止することができる。
ここで、絶縁基体101の貫通孔108に封止用のろう材117を埋設することにより圧電振動
素子収納用パッケージを気密に封止する圧電装置の製造方法について、以下に具体的に説明する。
絶縁基体101の底面を形成する基部102は、例えば、第1孔部109が設けられた平板状の
セラミックグリーンシートと、第2孔部110が設けられた平板状のセラミックグリーンシ
ートとが積層されて作製されている。このとき、下側のセラミックグリーンシートに形成される第1孔部109が、上側のセラミックグリーンシートに形成される第2孔部110よりも直径が大きくなるように形成されている。
上下のセラミックグリーンシートにそれぞれ形成された第1および第2孔部109,110が連通しており、これら2つの孔部からなる貫通孔108の途中には底部111が形成される。底部111が存在することにより、ボール状のろう材117の位置決めが容易となる。
圧電振動素子収納用パッケージの封止工程は、例えば真空チャンバー内で行なわれる。真空チャンバー内で絶縁基体101の上側に蓋体113が接合される。絶縁基体101と蓋体113とで形成された空間に圧電振動素子105が収容される。その後、真空チャンバー内に絶縁基
体101を上下反転させて収容し、貫通孔108の底部111にボール状のろう材117が位置決めされる。そして、真空チャンバー内を真空引きすることにより、絶縁基体101と蓋体113とで形成された搭載部104内から残留するガスが外部に排出される。
ここで、残留するガスは、例えば圧電振動素子105を接続導体106に接続する接合材107
を硬化させる加熱処理などにより発生するガスや、空気中に含まれる水分が蒸発したガスなどであり、このようなガスが搭載部104内に残留すると、圧電装置における信頼性の低
下や発振不良などが発生してしまう可能性がある。よって、貫通孔108を通して搭載部104内のガスを排出する工程は圧電装置として高い信頼性を得るための重要な工程となる。そ
して、真空チャンバーで搭載部104内が所定の状態まで真空引きされてガスの排気が十分
に行われてから、ボール状のろう材117にレーザビームなどを照射して溶融させ、これを
冷却して凝固させることにより圧電振動素子収納用パッケージの搭載部104が気密に封止
される。
なお、ろう材のたまり部118は、例えば第1孔部109の底部111の外周部に設けられた溝
状の凹部等からなる。溝状の凹部は、例えば絶縁基体101(基部102)となるセラミックグリーンシートのうち第1孔部109の底部111に相当する部分を加圧して窪ませることによって設けることができる。また、基部102を、複数のセラミックグリーンシートのうち底部111に相当する部分の一部に開口部を設けておき、この開口部が凹部となるようにしてもよい。
また、第2メタライズ層112bは、基部102の厚み方向の中央部における厚みが、上下端部における厚みよりも大きくなるように形成されていてもよい。
このような構造は、例えば図2に示されている。図2は、図1に示す圧電振動素子収納用パッケージおよび圧電装置の実施の形態の他の例における要部を拡大して示す断面図である。図2において図1と同様の部位には同様の符号を付している。
図2に示されている例では、第1孔部109の厚み方向において、中央部における第2メ
タライズ層112bの厚みが、上下端部における第2メタライズ層112bの厚みよりも大きい。このような構造としたことから、ろう材117が溶融されて貫通孔108を塞ぐ際に、第2メタライズ層112bの厚みの分だけろう材118のボリュームが小さく抑えられる。そのため、、より良好に、貫通孔108をろう材117で塞ぐことが可能となる。
また、図2に示すように、第1孔部109の中心と第2孔部110の中心とが互いにずれているとともに、第1孔部109の底部111が傾斜しているような場合には、第2メタライズ層112bの厚みが部分的に大きい部分で、ろう材117(ボール状のもの)が支えられて、第2孔部110の開口部がろう材117で塞がれる可能性が低減できる。つまり、ろう材117を貫通孔108に搭載した後に、ろう材117と第2孔部110との隙間を大きくでき、搭載部104内のガス
を効率よく真空引きすることが可能となる。
ここで、ろう材117と第2メタライズ層112bとの接触部が、第2メタライズ層112bの
厚みが最も厚い基部102の厚み方向の中央部よりも上方になるように絶縁層の厚み、ろう
材117の径、または第2孔部110の径を設定することにより、貫通孔108にろう材117を容易に搭載することができる。これは、ろう材117を、第2メタライズ層112bの厚みが最も厚い基部102の厚み方向の中央部よりも上方で受けることにより、ろう材117の径よりも実際は小さな径の領域でろう材117を貫通孔108に位置決めできるからである。
また、溶融したろう材117が第2メタライズ層112bから第1メタライズ層112aを越え
て搭載部104側に濡れ拡がることがより効果的に抑制されるという効果もある。これは、
ろう材117と第2メタライズ層112bとの接触部が基部102の厚み方向の中央部よりも上方
であることから、溶融したろう材117が第2メタライズ層112bの表面に沿って濡れ広がっていく際に、その表面が上方に傾斜しているためである。この場合、溶融したろう材117
について、下側(搭載部側)への濡れ広がりが抑制されて第2メタライズ層112bの円周
方向(横方向)への濡れ広がりの方が促進されるからである。
さらに、第1孔部109を塞いで溶融して凝固したろう材117は、その周囲において第2メタライズ層112bに挟まれる状態となり、第1孔部109の内周部において第2メタライズ層112bの厚みが厚い領域がろう材117に食い込んだ状態で接合されるため、ろう材117を強
固に第1孔部109に固定することができる。
なお、第2孔部110の内側面にはメタライズ層が被着されておらず、セラミック部が露
出した状態でろう材117が濡れないことから、溶融したろう材117が第2孔部110の下側(
搭載部104側)に広がりにくい構造となっている。
また、ろう材のたまり部118は、例えば図2および図3に示すように、第1メタライズ
層112aの表面の外周部の少なくとも一部が傾斜することによって設けられていてもよい
。なお、図3は、図1に示す圧電振動素子収納用パッケージおよび圧電装置の実施の形態の他の例における要部を拡大して示す断面図である。図3において図1と同様の部位には同様の符号を付している。図2に示す例においては、第1孔部109の底部111の外周部が傾斜することによって、第1メタライズ層112aの外周部が傾斜している。図3に示す例に
おいては、第1メタライズ層112aの厚みが、第1孔部109の中央部から外周部にかけて次第に薄くなることによって、第1メタライズ層112aの表面が傾斜している。
第1メタライズ層112aの表面の外周部の少なくとも一部が傾斜することによってたま
り部118が設けられている場合には、たまり部118を設けることが容易であり、圧電振動素子収納用パッケージおよび圧電装置としての生産性の向上において有利である。それぞれの例について、以下に説明する。
第1孔部109の底部111の外周部が傾斜した構造は、例えば図1に示すように、基部102
が複数の絶縁層(符号なし)からなり、この絶縁層のうち第2孔部110を取り囲む部分が
、第1孔部109側に傾斜する(曲がる)ことによって実現されている。
この場合には、基部102自体の形状を利用してたまり部118が設けられる。そのため、第1孔部109の底部111の外周部に別途上記のような加工を施すことなく、容易にろう材のたまり部118を形成できる。
なお、底部111の外周部の傾斜の方向は、前述したように絶縁基体101を上下反転させて、貫通孔108の下側の開口(絶縁基体101が上下反転した状態では上側を向いている)からボール状のろう材117を入れて溶融させたときに、ろう材117が重力で移動してたまる方向である。すなわち、底部111の外周部は上側に傾斜している。
つまり、図1(b)で示すように貫通孔108の断面視において、底部111の外周部が第2孔部110側へ傾斜している。このように傾斜していることにより、絶縁基体101を上下反転させて(つまり第1孔部109の下側に第2孔部110が位置する状態で)貫通孔108をろう材117で封止する際に、この傾斜している第1孔部109の底部111の外周部がろう材のたまり部118として機能する。
また、底部111が第2孔部110側へ傾斜している場合、基部102のうち平面視で第1孔部109の外周部と重なる部分も同様にセラミックグリーンシートの端部が第2孔部110の開口
側へ傾斜する。そのため、実質的に圧電振動素子105の裏面(下面)や搭載部104の内面からろう材117を離間させるような構造となる。よって、その離間した分だけ、搭載部104内へのろう材117の流れ込みや圧電振動素子105への付着が抑制される。
貫通孔108の大きさは、例えば第1および第2孔部109、110がともに平面視で円形状で
あるときであれば、第1孔部109の直径が0.25〜0.5mm程度、第2孔部110の直径が0.12
〜0.3mm程度で形成される。小径の第2孔部110の直径が0.3mm以下という小さい孔径
である。これにより、貫通孔118の封止工程においては溶融したろう材117が、その表面張力によって小さな孔である第2孔部110を通過し難い状態となることが期待される。しか
し、ろう材117の一部が搭載部104へ流れ出ようとする場合がある。このような場合においても、第1孔部109の底部111の外周部の少なくとも一部を、基部102の下面側に傾斜させ
てろう材のたまり部118を形成する構造は有効である。
第1孔部109の底部111の外周部を基部102の下面側に傾斜させる構造とするためには、
例えば以下のようにすればよい。すなわち、まず、絶縁基体101の基部102となる直径の異なる貫通孔を有する2層の平板状のセラミックグリーンシート(図示せず)を準備しておく。次に、これら2層のセラミックグリーンシート同士を積層密着させる際に、第2孔部110側(圧電振動素子105が搭載される側)のセラミックグリーンシートと接するように緩衝シート(例えば、薄いシリコンシートや樹脂シートなど)(図示せず)が当接した状態で、適切な条件で上記2層のセラミックグリーンシート同士を互いに加圧密着させる。以上により、貫通孔108について、第1孔部109の底部111の外周部が第2孔部110側へ傾斜した構造にすることができる。
これは、上記積層後の加圧密着時に、第1孔部109の下側に第2孔部110の空間が形成されているため、緩衝シートの一部が第2孔部110の上面の周辺に入り込んで、第2孔部110の上面の周辺(つまり、第1孔部109の底部111の外周部)が第1孔部109側へ垂れるため
である。その後、このような工程により得られた基部102の上側に枠状部103が積層されて絶縁基体101が形成される。
また、この図3に示すような例においては、上記のように、第2メタライズ層112bの
厚みが、基部102の厚み方向の中央部において上下端部よりも厚い構造が併用されていて
もよい。この場合、ろう材117が溶融されて貫通孔108を塞ぐ際に、第2メタライズ層112
bの厚みの分だけろう材117のボリュームを抑制しながら、良好に貫通孔108を塞ぐことが可能となる。
ここで、貫通孔108の形成位置は、搭載部104に形成される圧電振動素子105が搭載され
る接続導体106から離間した位置に形成してもよい。これは、第2孔部110の周辺が下面側に傾斜するような構造としたことにより、接続導体104の平坦性が悪化してしまい、圧電
振動素子105の接続導体106への搭載性が悪化することを避けるためである。また、基部102と枠状部103との接合面となる領域には貫通孔108を形成しないようにしてもよい。これ
は、貫通孔108を形成することにより基部102と枠状部103との密着性が悪化してデラミネ
ーションが発生し、このデラミネーションが発生した箇所を経由して気密不良が発生する可能性があるからである。具体的には、平面視で枠状部103の内側面を超えて外側の領域
に第1孔部109の外周を形成しないようにすればよい。これにより、基部102と枠状部103
との接合面となる領域において積層時の加圧による基部102の変形が抑制される。
また、第1メタライズ層112aの厚みが、第1孔部109の中央から外周部にかけて漸次薄くなっていることによって、第1メタライズ層112aの表面が傾斜していてもよい。図3
で示すように、基部102を構成する2層の絶縁層の第2孔部110が形成される絶縁層の主面に第1メタライズ層112aが形成されている。この第1メタライズ層112aの厚みが、第1孔部109の中央から外周部にかけて漸次薄くなるように形成されている。これにより、底
部111の周辺においてろう材117のたまり部118が形成される。このような構造としたこと
から、ろう材117が溶融されて貫通孔108を塞ぐ際に、ろう材117がこのたまり部118に濡れ広がってから徐々に貫通孔108の第1孔部109を塞ぐことになり、ろう材117が第2孔部110の下側(搭載部104側)に拡がりを抑制しながら、良好に貫通孔108を塞ぐことが可能となる。
このように、第1メタライズ層112aの厚みが、第1孔部109の中央から外周部にかけて漸次薄くなるような構造とするためには、例えば基部102を構成する2層の絶縁層となる
セラミックグリーンシートのうち、第2孔部110が形成されるセラミックグリーンシート
の主面に、外形が第1孔部109の外形よりも若干大きくなるように、かつ中央が周辺より
も厚みが厚くなるように円状メタライズ層を印刷しておき、次にこの円状メタライズ層の中央付近を金型のパンチで打ち抜き、第2孔部110を形成すればよい。このような工程に
より、第1孔部109の中央から外周部にかけて漸次薄くなるような第1メタライズ層112aを形成することができる。
なお、基部102を形成するために2層のセラミックグリーンシートを積層して加圧する
が、このような第2メタライズ層112bは、その底部111が露出していることから、加圧によりその厚み方向につぶされて薄くなるというようなことがない。よって、容易にかつ効果的にろう材117のたまり部118を形成することができる。そして、たまり部118を第2メ
タライズ層112の形状だけで形成できるため、基部102における貫通孔108の周辺の変形を
抑制した絶縁基体101を実現できる。
また、この場合には、第1メタライズ層112aの表面の傾斜が、第1メタライズ層112aの厚みの違いによって形成されている。そのため、例えば上記の例のように基部102の一
部が傾斜する必要はなく、基部102の平坦性が保たれる。この場合には、例えば圧電振動
素子105が接続される接続導体106の近傍に形成しても基部102の変形がほとんどなく、搭
載部104への貫通孔108の形成位置を特定する必要がない。そして、近年の圧電装置の小型化、薄型化が進むことにより絶縁基体101が薄くなっても基部102の変形が抑制されて、ろう材117の広がりによる電気特性の不具合等がより一層効果的に抑制された圧電装置を製
作することが可能な圧電振動素子収納用パッケージ、およびそのような圧電装置を実現できる。
圧電振動素子収納用パッケージは、第1孔部109の中心と第2孔部110の中心とが、平面視において互いにずれていてもよい。この場合には、第1孔部109の底部111の外周部における傾斜の状態が変化する。つまり、平面視における第1孔部109の内側面と第2孔部110の内側面との間の距離が部分的に異なる。つまり、底部111の幅が部分的に異なる。この
とき、平面視における第1孔部109の内側面から第2孔部110の内側面までの距離がより大きい部分において、基部102となるセラミックグリーンシートが変形し易い。そのため、
底部111は、第1孔部109の内側面から第2孔部110の内側面までの距離がより大きい部分
において、基部102の下面側により大きく傾斜する。このような圧電振動素子収納用パッ
ケージは、ろう材のたまり部118について、より大きく設けられた部分があるため、搭載
部104内にろう材117が流れ出ることがより効果的に抑制される。
また、ろう材117で貫通孔108が塞がれるとき、溶融したろう材117は底部111のうち傾斜が比較的大きい部分から、傾斜が比較的小さい部分に向かって徐々に拡がっていく。そのため、ろう材117内やろう材117と底部111との間にボイド(空隙)が発生することを抑制
することもできる。
絶縁基体101が上下反転した状態において、第1孔部109の中心と第2孔部110の中心と
が互いにずれた圧電振動素子収納用パッケージの例における要部の拡大断面図を図2に示す。また、下面から見た要部の拡大平面図を図3に示す。図2および図3において、図1と同様の部位には同様の符号を付している。
図2および図3に示す例において、第1孔部109の中心C1と第2孔部110の中心C2がお互いにずれて形成されている。また、上述したように第1孔部109の内側面から第2孔
部110の内側面までの距離が大きいほど、底部111の傾斜が大きい。言い換えれば、底部111について、その幅が大きい部分ほど、傾斜している範囲が大きく、たまり部118のくぼみがより深い。このとき、底部111の幅がより小さい部分において、貫通孔108に挿入された
ボール状のろう材117は、底部111に加えて、第1孔部109の内側面とも接触することにな
る。この状態で搭載部104内が所定の状態まで真空引きされてガスの排気が十分に行われ
てから、ボール状のろう材117にレーザビームなどが照射されてろう材117が溶融される。
溶融したろう材117は、まず、第1孔部109の内側面から第2メタライズ層112bに沿っ
て拡がっていく。底部111においては、傾斜の大きい第1孔部109の底部111の外周部から
、傾斜の小さい第1孔部109の底部111の外周部に向かって徐々に拡がっていく。そして、第1孔部109の内側面からもろう材117が貫通孔108の全体に拡がっていく。底部111においては、傾斜の大きい第1孔部109の底部111の外周部から傾斜の小さい第1孔部109の底部111の外周部に向かってボイドの発生を抑制して徐々に拡がっていきながら、底部111の外
周部までの距離が小さい部位の第1孔部109の内側面からもボイドの発生を抑制して貫通
孔108全体に拡がっていき、ろう材117の流動性が封止時に段階的に抑制されることになるため、ろう材117のボイド(空隙)が抑制される。この溶融したろう材117を冷却して凝固させることにより、貫通孔108がろう材117で塞がれて圧電振動素子収納用パッケージの内部が気密に封止される。
また、貫通孔108に挿入されたボール状のろう材117の下部は、底部111の幅がより大き
い部分においては傾斜が大きいため底部111と接触し、かつ底部111の幅がより小さい部分においては傾斜が小さいため、底部111と接触せずに第1孔部109の内側面と接触するという状態もあり得る。この状態で真空チャンバー内を真空引きすることにより、貫通孔108
を介して絶縁基体101と蓋体113とで形成されたパッケージ内部に残留するガスがより容易に、搭載部104から外部に排出される。
このとき、図2で示したように底部111の幅がより小さい部位において、底部111とろう材117との間に隙間が形成される。第1孔部109の中心と第2孔部110の中心がお互いにず
れている構造として、適切なろう材117の大きさを選定することにより、この隙間を確実
に設けることができるため、絶縁基体101と蓋体113とで形成されたパッケージの内部から、貫通孔108を介して残留するガスを効率よく外部に排出することができるという効果が
ある。このようなガスが排出される隙間は、上述したように第1孔部109の底部111の外周部の少なくとも一部が(上方向に)傾斜していれば、さらに効果的に形成されやすい構造となる。
ここで、基部102に形成される貫通孔108は、第1孔部109の中心と第2孔部110の中心がずれている方向を、圧電振動素子105の長辺方向に沿った方向とすることがよい。これは
、このような方向とすることにより、貫通孔108の封止工程における最終的にろう材117が拡がる底部111の外周部までの距離が小さい部位において、ろう材117の流動性が最小となるためである。これにより、ろう材117の一部が流れ出ることがさらに効果的に低減され
る。そして、貫通孔108は、ろう材117の圧電振動素子105への付着を抑制するために、平
面視で圧電振動素子105の露出表面に形成される励振電極(図示せず)と重ならない位置
に形成するのがよい。これは、圧電振動素子105の励振電極が蒸着された金からなる薄膜
であり、ろう材117が付着しやすいからである。
次に、図1に示す圧電振動素子収納用パッケージの変形例における要部の断面図を図4に示す。図4において図1と同様の部位には同様の符号を付している。変形例において前述した圧電振動素子収納用パッケージと同様の事項については説明を省略する。なお、図4は、断面視で単に第1孔部109の中心と第2孔部110の中心がずれている状態を示したものであり、わかりやすいように底部111を平らなものとして示している。
適切なろう材117の大きさとしては、確実に貫通孔108に位置決めできるように第1孔部109を形成する絶縁層の厚みよりも半径が小さく、凝固後に基部102の底面に突出しない程
度に貫通孔108を埋めることができるボリュームがあり、かつ、第1孔部109の直径をD1、第2孔部110の直径をD2、ろう材117の直径をD3、第1孔部109の中心C1と第2孔
部110の中心C2とをずらした距離をL1とした場合、(D1−D2)/2>L1>(D
1−D3)/2の条件式を満たすものとすればよい。そして、第1孔部109の中心C1と
第2孔部110の中心C2とをずらした距離L1を(D1−D3)/2とした場合、ろう材117と底面111との隙間がほぼ臨界状態となる。また、L1は最大でも(D1−D2)/2
(第1孔部109の内側面から第2孔部110の内側面までの間隔がなくなる領域が存在する状態)である。この状態ではろう材117のたまりが形成されない部分が生じる、つまりろう
材のたまり部118が形成されないため、好ましくない。よって、適度にろう材のたまり部118が形成されるように、中心をずらした距離は、最小でも第1孔部109の内側面から第1
孔部109の内側面までの距離L2が30μm程度残るような距離であることが望ましい。
上記いずれかの構成の圧電振動素子収納用パッケージに上記構成の圧電振動素子105が
収容されて、圧電装置が作製される。このような圧電装置によれば、上記構成の圧電振動素子収納用パッケージに圧電振動素子105が収容されてなることから、溶融したろう材117が搭載部104に流れ出ることが抑制された圧電装置を提供することができる。すなわち、
ガス排出用の貫通孔108をろう材117で塞ぐ際の封止工程において、レーザビーム等の加熱手段により溶融したろう材117がたまり部118にたまる。そのため、ろう材117の一部がパ
ッケージ内(搭載部104内)に流れ出ることが抑制される。したがって、周波数特性が安
定した圧電装置を提供できる。
搭載部104内が所定の状態まで真空引きされてガスの排気が十分に行われてから貫通孔108の内部で溶融されたろう材117は冷却されて凝固するが、この際にろう材117のたまり部118が形成されることにより、見かけ上貫通孔108のボリュームが、ろう材のたまり部118
が形成されている分だけ減少するため、ろう材117の流動性を少なくして貫通孔108の封止性を向上した圧電装置を実現できる。また、上述したように溶融したろう材117が凝固す
る際にろう材117のボイド(空隙)が発生することを抑制できるため、長期にわたり封止
信頼性に優れた圧電装置を実現できる。
以上の説明では、第1孔部109の底部111が傾斜していることにより、たまり部118が設
けられている例を主に説明したが、これ以外の形態でたまり部118が設けられていてもよ
い。図5に示す例は、底部111の外周部の一部がくぼんでいることによって、たまり部118が設けられた例である。図5において、図1と同様の部位には同様の符号を付している。
このようなくぼみは、例えば、絶縁基板101(基部102)となるセラミックグリーンシートの所定部位を金型等で加圧してくぼませることによって設けることができる。図5に示すたまり部118は、例えば平面視(下面視)において、円環状の底部111の外周に沿って円環状に設けられている。
なお、本発明は上述の実施の形態の一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上述の実施の形態の一例では、絶縁基体101の上面の枠状メタライズ層115に金属枠体114を接合したのち、この金属枠体114に蓋体113を接合した構造としたが、絶縁基体101の上面の枠状メタライズ層115に、金
錫や銀ろう等のろう材を介して蓋体113を直接接合して封止する構造としてもよい。さら
に、上述の実施の形態の一例では、搭載部104に接続導体106を2箇所形成しておき、圧電振動素子105のみを収容した構造としたが、搭載部104に接続導体106を複数形成しておき
、圧電振動素子105と半導体素子やその他の電子部品を一緒に封止する構造としてもよい
101・・・絶縁基体
102・・・基部
103・・・枠状部
104・・・搭載部
105・・・圧電振動素子
106・・・接続導体
107・・・接合材
108・・・貫通孔
109・・・第1孔部
110・・・第2孔部
111・・・底部
112・・・メタライズ層
112a・・・第1メタライズ層
112b・・・第2メタライズ層
113・・・蓋体
114・・・金属枠体
115・・・枠状メタライズ層
116・・・電極
117・・・ろう材
118・・・たまり部
C1・・・第1孔部の中心
C2・・・第2孔部の中心
D1・・・第1孔部の直径
D2・・・第2孔部の直径
D3・・・ろう材の直径
L1・・・中心をずらした距離
L2・・・第1孔部の内側面から第2孔部の内側面までの距離

Claims (7)

  1. 平板状の基部および該基部の上面に配置された枠状部を備えており、前記枠状部の内側において前記基部の下面から上面にかけて貫通する貫通孔が形成された電子部品収納用パッケージであって、
    前記貫通孔は、前記基部の前記下面から前記基部の厚み方向の一部を貫通しているとともに、前記基部の内部に位置する底部を有する第1孔部と、該第1孔部よりも小径であり、該第1孔部の前記底部の中央部分から前記基部の前記上面にかけて貫通している第2孔部とからなり、
    前記第1孔部の前記底部が第1メタライズ層で覆われているとともに、前記第1孔部の前記底部の外周部に、前記貫通孔を塞ぐろう材のたまり部が設けられていることを特徴とする電子部品収納用パッケージ。
  2. 前記第1孔部内の前記基部の内側面に第2メタライズ層が設けられており、該第2メタライズ層は、前記基部の厚み方向の中央部における厚みが、上下端部における厚みよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の電子部品収納用パッケージ。
  3. 前記ろう材のたまり部は、前記第1メタライズ層の表面の外周部の少なくとも一部が傾斜することによって、設けられていることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動素子収納用パッケージ。
  4. 前記第1孔部の前記底部の外周部の少なくとも一部が傾斜することによって、前記第1メタライズ層の前記表面が傾斜していることを特徴とする請求項3に記載の圧電振動素子収納用パッケージ。
  5. 前記第1メタライズ層の厚みが、前記第1孔部の中央から外周部にかけて漸次薄くなっていることによって、前記第1メタライズ層の前記表面が傾斜していることを特徴とする請求項3に記載の電子部品収納用パッケージ。
  6. 前記第1孔部の中心と前記第2孔部の中心とが、平面視において互いにずれていることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載された圧電振動素子収納用パッケージに記載の圧電振動素子収納用パッケージ。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載された圧電振動素子収納用パッケージと、該圧電振動素子収納用パッケージに収容された圧電振動素子と、
    前記圧電振動素子収納用パッケージの前記枠状部の上面に接合された蓋体とを備えており、前記貫通孔がろう材で塞がれて、前記枠状部の内側に前記圧電振動素子が気密に封止されていることを特徴とする圧電装置。
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