JP2013200768A - 情報媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の外形が大型化することなく、リーダとの間における通信の衝突を回避することができる情報媒体を提供する。
【解決手段】無線タグ2は、送信データを送信周期毎に無線タグリーダ3に送信する送信処理、無線タグリーダ3に応答データの送信を要求する応答要求指令を送信データに加入する応答要求処理および応答要求指令を含んだ送信データが送信された後の受信期間に応答データの受信を行う受信処理を実行する。送信処理は、受信処理にて応答データが受信されなかったときに次回の送信データを送信するタイミングを送信周期に基づくタイミングとは異なるタイミングに変更するタイミング変更処理を含む。応答要求処理は、無線タグリーダ3との通信が確立する前の通信未確立期間には、全ての送信データに対して応答要求指令が加入され、無線タグリーダ3との通信が確立した後の通信確立期間には、送信データに対して間欠的に応答要求指令が加入される。
【選択図】図1

Description

本発明は、リーダとの間において無線通信によりデータの送受信を行う送受信手段を備えた情報媒体に関する。
例えば無線タグなどの情報媒体を人に所持させておき、その無線タグとリーダとの間において無線通信でデータの送受信を行うことにより、無線タグを所持する人の現在位置(リーダから見た方向)を把握する技術が考えられている。このような技術の適用例として、例えば公共施設や会社などにおいて来場者(来客)毎に入場許可エリアを設定可能なセキュリティシステムが考えられる。この例として、来場者に入場許可エリア情報が設定された無線タグを所持してもらい、不特定の来場者の入場が許可されていない特定のエリアに、入場許可された無線タグを持った来場者が来たときだけ警報を解除し、入場許可されていない無線タグを持った来場者が侵入しようとすると、音や表示などによる警報動作を実施するというセキュリティシステムなどが考えられる。
このようなシステムにおいては、リーダの通信圏内に複数の無線タグが存在するという状況が考えられる。従って、複数の無線タグとリーダとの間において通信が行われる状況を想定する必要がある。複数の無線タグとリーダとの間において通信が行われる場合、通信の衝突が発生する可能性がある。通信に衝突が生じている期間には、リーダと通信できていない無線タグが存在することになり、その無線タグを所持する人の現在位置を把握することができず、その場合には上記システムが正常に機能せず、入場許可された無線タグを持った来場者が来ても警報の解除ができないことになる。そこで、このような通信衝突を回避する技術が必要となる。
特許文献1には、過去の送信タイミングにおける通信トラフィック量を検出し、そのトラフィック量が多いと判断したときに通信タイミングをランダムに変更する通信制御装置が開示されている。上記通信制御装置は、例えばCSMA(Carrier Sense Multiple Access)における送信が完了するまでの経過時間に基づいて通信トラフィック量を検出している。これは、通信トラフィック量が多い場合にはキャリアセンスを行う回数が増えて送信完了までの経過時間が長くなり、通信トラフィック量が少ない場合にはキャリアセンス回数が減って送信完了までの経過時間が短くなることを利用している。このような構成の通信制御装置によれば、周辺に存在する1または複数の移動可能な他の通信装置との間における通信衝突を回避するとともに、送信の遅延を低減することが可能となる。
特開2008−311733号公報
特許文献1に記載の技術においては、複数の通信制御装置の通信タイミングが分散されて収束した状態になっているとき、それらの通信圏内に新たに別の通信機器が進入した場合、次のような問題が生じる。すなわち、この場合、通信圏内に存在する全ての通信制御装置において通信タイミングが再度変更される。そのため、一旦通信タイミングが分散されて衝突が生じない状態にあった各通信制御装置間において再び通信衝突が生じてしまう可能性がある。
さらに、特許文献1に記載の技術を上記したシステムに適用しようとすると、各無線タグが通信トラフィック量を検出する機能を備える必要がある。これは、無線タグがキャリアセンスを行うための機能、つまりリーダと同様の機能を備える必要があるということを意味する。そうすると、当然ながら無線タグの消費電力が増えて電池駆動が困難になる。あるいは、それを回避するために大型の電池を搭載する必要が生じ、その結果、無線タグの外形が大きくなってしまう。
特許文献1に記載の通信制御装置は、車々間通信に用いられるものであり、消費電力が増えても大きな問題は生じないと考えられる。これに対し、上記したシステムにおいては、人が所持する(携帯する)ことを考えると、無線タグが大型化することは好ましくない。まして、無線タグがリーダと同等の消費電力になった場合には、無線タグの各回路部分に比べて非常に大型の電池が必要になり、その結果、無線タグが大型化する。このように大型化された無線タグを所持することは現実的ではない。従って、特許文献1に記載の技術は、そもそも無線タグとリーダとの間の通信衝突を回避する用途に適用することはできない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、装置の外形が大型化することなく、リーダとの間における通信の衝突を回避することができる情報媒体を提供することにある。
請求項1に記載の手段によれば、リーダとの間において無線通信によりデータの送受信を行う送受信手段を備えている。送受信手段は、送信処理、応答要求処理および受信処理を実行する。送信処理は、送信データを送信周期毎にリーダに送信するものである。応答要求処理は、リーダに対して応答データの送信を要求する応答要求指令を送信データに加入するものである。受信処理は、応答要求指令を含んだ送信データが送信された後の受信期間に応答データの受信を行うものである。
リーダとの通信が可能な通信圏内に上記情報媒体が1つだけ存在し、その1つの情報媒体とリーダとの間において通信が行われる際には、その通信が衝突するおそれはない。しかし、通信圏内に複数の情報媒体が存在する場合、それら複数の情報媒体とリーダとの間において行われる通信に衝突が生じる可能性がある。本手段では、次のようにして、このような通信衝突の発生を防止している。
すなわち、送信処理は、受信処理にて応答データが受信されないとき、次回の送信データを送信するタイミングを、送信周期に基づくタイミングとは異なるタイミングに変更するタイミング変更処理を含んでいる。応答要求指令を含んだ送信データが送信された後にリーダからの応答データが受信されない場合、自身の通信が、別の情報媒体の通信と衝突している可能性が高い。このような場合、次回の送信データを送信するタイミングが上述したように変更されることにより、今回衝突した別の情報媒体の通信と再び衝突することが回避される。一方、応答データが受信された場合、通信衝突は生じていない。このような場合、送信処理では、次回の送信データを送信するタイミングが変更されることなく、送信周期毎に送信データが送信される。このような動作が繰り返されることにより、通信圏内に多数の情報媒体が存在する場合でも、各情報媒体は、送信周期毎に(定期的に)、互いの通信が衝突しない送信タイミングでもって、送信データをリーダに送信することが可能となる。
このような通信の衝突は、情報媒体がリーダとの通信を開始した直後に、つまりリーダとの通信が確立されていない期間に高い頻度で発生する。リーダとの通信が確立されていない期間にあっては、受信処理にて応答データが受信されない可能性が高い。一方、リーダとの通信が確立されている期間にあっては、受信処理にて応答データが受信される。そこで、本手段では、応答データが所定回数受信されるまでの期間をリーダとの通信が確立されていない通信未確立期間とし、応答データが所定回数受信された後の期間をリーダとの通信が確立された通信確立期間としている。そして、応答要求処理では、通信未確立期間にあっては、送信処理により送信される全ての送信データに対して応答要求指令が加入される。これにより、通信未確立期間には、受信処理つまり衝突が生じているか否かの判断が、送信周期の毎回において実施される。従って、リーダとの通信が開始された直後に通信衝突が頻繁に発生したとしても、直ちに送信タイミングが変更され、次回の送信データを送信する際には、その通信衝突が回避される。
ただし、常に、送信周期の毎回において通信衝突が生じているか否かの判断(通信衝突判断)が行われると、次のような問題が生じる。すなわち、所定の情報媒体(A)の通信が、別の情報媒体(B)の通信と衝突した場合、情報媒体Aにおいてタイミング変更処理が実施される。そして、変更された送信タイミングによる通信は、情報媒体Bの通信と衝突することはないものの、さらに別の情報媒体の通信と衝突する可能性がある。送信周期の毎回において通信衝突の判断が行われていると、変更された送信タイミングによる通信が、さらに別の情報媒体(C)の通信と衝突した場合、再び情報媒体Aにおいてタイミング変更処理が実施される。この場合、再変更された送信タイミングによる通信は、情報媒体Cの通信と衝突することはないものの、先ほど通信衝突を回避した情報媒体Bを含む他の情報媒体の通信と衝突する可能性がある。
このように送信周期の毎回において通信衝突の判断が実施される場合には、所定の情報端末との通信衝突を回避するべく送信タイミングが変更されると、それに伴って別の情報端末との通信衝突が生じ、その別の情報端末との通信衝突を回避するべく送信タイミングが再度変更されるという状態が連鎖的に継続するおそれがあり、通信圏内に存在する情報媒体同士の通信衝突を完全に回避することが難しい。このような問題は、リーダの通信圏内に存在する情報媒体の数が多くなるほど一層顕在化する。
そこで、応答要求処理では、リーダとの通信が確立された通信確立期間にあっては、送信処理により送信される送信データに対して間欠的に応答要求指令が加入される。これにより、通信確立期間には、受信処理つまり衝突が生じているか否かの判断が、送信周期の何回かに1回だけ実施される。この場合、受信処理が実施されたときに通信衝突が発生してタイミング変更処理が実施されると、次回の送信周期には変更された送信タイミングによる通信が行われる。ただし、その次回の通信の際には応答要求処理ひいては受信処理は実施されない。そのため、その次回の通信が、別の情報媒体の通信と衝突したとしても、そのときにはタイミング変更処理は実施されない。つまり、一旦他の情報媒体との間における通信衝突が回避されるように送信タイミングが変更された後において、送信タイミングがむやみに変更されることが無くなる。従って、本手段によれば、連鎖的な通信衝突を引き起こすことが無いため、通信圏内に存在する情報媒体の数に関わらず、それら情報媒体同士の通信衝突を完全に回避することが可能となる。
さらに、本手段によれば、通信圏内に既に存在する複数の情報媒体同士の通信衝突が発生しないように、それらの送信タイミングが分散された状態(収束状態)において、その通信圏内に新たに別の情報媒体が進入したとしても、全ての情報媒体の送信タイミングが再変更されることは無い。すなわち、通信圏内に新たに1つの情報媒体(D)が進入した場合、その情報媒体Dによる通信は、既に通信圏内に存在する既存の1つの情報媒体(E)の通信と衝突する可能性がある。
情報媒体D、Eの間で通信衝突が生じて情報媒体Dによる通信が正常に実施できなかった場合、情報媒体Dにおいて送信タイミングの変更が行われる。また、情報媒体D、Eの間で通信衝突が生じて情報媒体Eによる通信が正常に実施できなかった場合、情報媒体Eにおいて受信処理が実施されていれば、情報媒体Eにおいて送信タイミングの変更が実施される。あるいは、情報媒体D、Eの間で通信衝突が生じて情報媒体D、Eの通信がいずれも正常に実施できなかった場合、情報媒体Eにおいて受信処理が実施されていれば、情報媒体D、Eにおいて送信タイミングの変更が実施される。このように、収束状態において通信圏内に新たに1つの情報媒体が進入したとしても、送信タイミングの変更は、一部(1または2)の情報媒体においてのみ実施される。このため、本手段によれば、収束状態において通信圏内に新たに別の情報媒体が進入したとしても、多数の情報媒体の送信タイミングが変更されてしまい、それら多数の情報媒体同士の間において通信衝突が再度発生するという事態の発生を未然に防止することができる。
このように、本手段によれば、送受信手段により行われる処理の内容に工夫を加えることにより、通信衝突の発生を完全に回避することができる。つまり、本手段によれば、リーダと同様の機能を備える必要がないため、装置の外形が大型化することなく、リーダとの間における通信の衝突を回避することができる。
請求項2に記載の手段によれば、タイミング変更処理では、次回の送信データを送信するタイミングが、送信周期に基づくタイミングに対して遅延したタイミングに変更される。情報媒体とリーダとの間における通信は、通常は次のように行われる。すなわち、情報媒体から送信データが送信されると、リーダはその送信データを受信する処理を実施する。リーダは、受信した送信データに基づいて、応答データの送信(返信)を含む種々の処理を実施する。
さて、所定の情報媒体(F)の受信処理で応答データが受信されなかったとき、リーダは、情報媒体Fの送信タイミングより少し前に、他の情報媒体(G)からの送信データを受信して応答データを返すという一連の処理を実行していると考えられる。従って、情報媒体Fのタイミング変更処理においては、リーダにおける各情報媒体F、Gに対する上記一連の処理が重複しないように、自身の送信タイミングを変更する必要がある。また、一連の処理に要する時間は、情報媒体ごとに異なるものではなく、概ね同一であると考えられる。
そのため、情報媒体Fの送信タイミングを送信周期に基づくタイミングに対して早くしたタイミングに変更する場合、その早めた時間が短いと、引き続き情報媒体Gの通信と衝突するおそれがある。これに対し、本手段のように、情報媒体Fの送信タイミングを送信周期に基づくタイミングに対して遅くした(遅延した)タイミングに変更する場合、その遅延させる時間が比較的短い時間であっても、情報媒体Gの通信との衝突を回避できる可能性が高くなるという効果が得られる。
無線タグシステムの概略的な構成を示すブロック図 無線タグおよびリーダの間の通信態様を模式的に示す図 リーダの構成を概略的に示すブロック図 無線タグの構成を概略的に示すブロック図 無線タグのデータ送信状態、無線タグリーダのデータ受信状態およびデータ処理状態を示す図 無線タグの制御内容の全体的な流れを示すフローチャート 通信圏外処理の内容を示すフローチャート 通信開始処理の内容を示すフローチャート 通信圏内処理の内容を示すフローチャート 無線タグリーダと複数の無線タグとの間におけるデータの送受信を示す図
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1および図2に示すように、無線タグシステム1は、例えば会社や家などの施設内において無線タグ2を所持(携帯)する人の位置(方向)を特定するといった用途に用いられるものである。無線タグシステム1は、具体的には、背景技術において述べたセキュリティシステムなどに用いられる。無線タグシステム1は、施設の所定箇所に設置される無線タグリーダ3および複数の無線タグ2により構成される。無線タグリーダ3および無線タグ2の間では、電波(電磁波)を用いた無線通信が行われる。
図3に示すように、無線タグリーダ3(リーダに相当)は、制御部11、送信部12、受信部13およびアンテナ14を備えている。制御部11は、CPU、メモリ、タイマなどを備えている。制御部11は、無線タグリーダ3の動作全般を制御する。また、制御部11は、外部のコントローラ15との間において通信を行う。コントローラ15は、無線タグリーダ3から与えられる無線タグ2の位置を表す情報に基づいて、警報動作などセキュリティに関する動作を含む各種の動作の制御を行う。
送信部12は、符号部16、変調部17および増幅部18を備えている。符号部16は、制御部11から出力されるデータを符号化し、変調部17に出力する。変調部17は、符号部16から出力される符号化されたデータに基づいて、図示しないキャリア発振器から出力されるキャリア(搬送波)を変調する。増幅部18は、変調部17から出力される被変調信号を増幅してアンテナ14に出力する。アンテナ14に出力された送信信号は、アンテナ14から電磁波として外部に放射される。受信部13は、復調部19および復号部20を備えている。復調部19は、アンテナ14により受信された受信信号を復調する。復号部20は、復調信号を復号化し、復号化された信号を受信データとして制御部11に出力する。
図4に示すように、無線タグ2(情報媒体に相当)は、アクティブ型のRFIDタグであり、内蔵電源31、制御部32、送信部33、受信部34およびアンテナ35を備えている。内蔵電源31は、例えばコイン型の電池などからなる。内蔵電源31は、制御部32などの各部に対して動作電源を供給する。制御部32は、CPU、メモリ、タイマなどを備えている。制御部32は、無線タグ2の動作全般を制御するものであり、本発明における送受信手段に相当する。制御部32のメモリには、無線タグ2を識別するためのID(固有の識別情報)、後述する各種の処理を実行するためのプログラムなどが記憶されている。制御部32は、通常の動作を実行する通常状態と、タイマなどの割り込みが発生するまで待機するスリープ状態とに設定可能である。
送信部33は、符号部36、変調部37および増幅部38を備えている。符号部36は、制御部32から出力されるデータを符号化し、変調部37に出力する。変調部37は、符号部36から出力される符号化されたデータに基づいて、図示しないキャリア発振器から出力されるキャリアを変調する。増幅部38は、変調部37から出力される被変調信号を増幅してアンテナ35に出力する。アンテナ35に出力された送信信号は、アンテナ35から電磁波として外部に放射される。受信部34は、復調部39および復号部40を備えている。復調部39は、アンテナ35により受信された受信信号を復調する。復号部40は、復調信号を複合化し、複合化された信号を受信データとして制御部32に出力する。
上記構成の無線タグシステム1において、無線タグリーダ3および無線タグ2の間における通信は次のように行われる。すなわち、無線タグ2の制御部32は、自身(無線タグ2)の位置を知らせるため、例えばIDなどの識別情報を含む送信データを無線タグリーダ3に送信する送信処理を実行する。この送信処理は、所定の送信周期毎に行われる。無線タグリーダ3は、通信可能な範囲に存在する無線タグ2から送信される送信データに基づいて、それぞれ固有の識別情報(ID)を取得して無線タグ2の位置(無線タグリーダ3から見た方向)を認識する。なお、本実施形態では、上記通信が可能な範囲のことを通信圏内と称し、上記通信が不可能な範囲のことを通信圏外と称する。
また、無線タグ2の制御部32は、無線タグリーダ3に対して応答データの送信を要求するコード(応答要求指令)を送信データに加入する応答要求処理を実行する場合がある。無線タグ2の制御部32は、応答要求指令が含まれた送信データが送信された後の受信期間には応答データの受信を行う受信処理を実行する。一方、無線タグリーダ3は、応答要求指令が含まれた送信データを受信すると、無線タグ2に対して応答データを返信する。なお、この応答データには、無線タグ2を制御するためのコードなどが含まれる。無線タグ2の制御部32は、その応答データを受信したか否かにより、自身の通信に衝突が生じているか否かを判断することができる。
つまり、無線タグ2の制御部32は、応答要求指令を含む送信データを送信したにもかかわらず、無線タグリーダ3からの応答データが受信されない場合、自身の通信が他の無線タグ2の通信と衝突したと判断する(通信衝突の検知)。なお、ここで言う応答データが受信されない場合とは、データの受信が全く無い場合だけでなく、受信したデータが異常である場合も含まれる。無線タグ2の制御部32は、通信衝突を検知すると、次回の衝突を回避するために、次回の送信データを送信するタイミング(送信周期)を、送信周期に基づくタイミングとは異なるタイミングに変更(調整)するタイミング変更処理を実行する。一方、無線タグ2の制御部32は、通信衝突を検知しなければ、送信周期に基づくタイミングでもって、定期的に送信データの送信を行う。
無線タグリーダ3の通信圏内に複数の無線タグ2が存在する場合、無線タグリーダ3は、複数の無線タグ2との間で上記したような通信を行うことになる。そのため、無線タグリーダ3と、それら複数の無線タグ2との通信に衝突が生じる可能性がある。図5は、無線タグリーダ3の通信圏内にn個の無線タグ2が存在する場合における上記通信の一例を示している。図5において、(a)〜(e)は第1〜第n無線タグのデータ送信状態を示し、(f)は無線タグリーダのデータ受信状態を示し、(g)は無線タグリーダのデータ処理状態を示している。なお、無線タグリーダのデータ処理には、応答データの送信処理も含まれる。
この場合、無線タグリーダと第1無線タグ、第2無線タグおよび第n無線タグとの間における通信は正常に行われているものの、無線タグリーダと第3無線タグおよび第4無線タグとの間における通信には衝突が生じている。すなわち、無線タグリーダが第3無線タグから送信されたデータに関する処理を実行している最中に、第4無線タグからデータが送信されている。そのため、無線タグリーダでは、第4無線タグに関する処理(データ受信およびデータ処理)が正常に行われない。従って、第4無線タグから送信された送信データに応答要求指令が含まれていたとしても、応答データの返信が行われない。無線タグシステム1において上記通信衝突が発生すると、無線タグリーダ3が、無線タグ2の一部(この場合、第4無線タグ)を認識できない事態が生じるおそれがある。
本実施形態では、無線タグ2側で行われる処理の内容に工夫を加えることにより、上述したような無線タグリーダ3と無線タグ2との間における通信衝突の発生を抑制している。以下、無線タグ2側の具体的な処理内容について、図6〜図9のフローチャートを参照しながら説明する。
無線タグ2側の処理の全体的な流れは、図6に示すとおりである。すなわち、起動後の最初に送信タイマの更新などを含む初期設定が実行される(ステップS1)。送信タイマは、送信データを送信する送信周期を決定するための計時を行うタイマである。その後、通信圏外処理が実行される(ステップS2)。図7に示すように、通信圏外処理が開始されると、送信タイマの間隔(初期値)が第1設定値(本実施形態では2秒)に設定され、送信タイマの計時が開始される(ステップT1)。ステップT2では、制御部32がスリープ状態に設定される。ステップT3では、送信タイマの値が0であるか否かが判断される。送信タイマの値が0になると(ステップT3で「YES」)、タイマ割り込みが発生して制御部32が通常状態に設定され、ステップT4に進む。
ステップT4では、無線タグリーダ3に対する送信データの送信が行われる(送信処理)。この際、送信データには応答要求指令が加入される(応答要求処理)。ステップT5では、送信タイマの値が第1設定値に更新され、計時が開始される。ステップT6では、応答データを受信するための受信処理が所定の受信期間だけ実行される。この受信期間は、送信周期に対し十分に短い期間である。ステップT7では、受信処理において、無線タグリーダ3からの応答データが受信されたか否かが判断される。応答データが受信された場合(ステップT7で「YES」)、通信圏外処理が終了される。一方、応答データが受信されない場合(ステップT7で「NO」)、ステップT8に進む。ステップT8では、送信タイマの計時が調整時間だけ停止され、その後再開される(タイミング変更処理)。ステップT8の実行後は、ステップT2に戻る。
上記した調整時間は、例えば乱数などを用いて毎回ランダムな時間に設定される。ただし、その調整時間の上限は、無線タグ2の送信データの送信周期、使用可能とする無線タグ2の個数など、無線タグシステム1の仕様に応じて定めればよい。具体的には、調整時間の上限は、全ての無線タグ2と無線タグリーダ3との通信が送信周期内に互いに衝突することなく実行することが可能な時間に設定すればよい。また、調整時間の下限は、無線タグリーダ3におけるデータ処理に要する時間(無線タグリーダ3の仕様)に応じて定めればよい。
このように、通信圏外処理では、送信周期(2秒)毎に応答要求指令を含む送信データの送信が行われる。従って、通信開始処理が実行されている期間は、送信処理により送信される全ての送信データに対して応答要求指令が加入される通信未確立期間に相当する。そして、応答データが受信されない場合には、送信周期にランダムな遅延がかけられる。つまり、次回の送信データの送信タイミングが、ランダムに設定される調整時間だけ遅延される。無線タグ2が無線タグリーダ3と通信をすることができない通信圏外に存在する場合、このような通信圏外処理が継続的に実行される。そして、無線タグ2を所持する人の移動に伴い、無線タグ2が通信圏内に移動すると、応答データが受信される(ステップT7で「YES」になる)ため、通信圏外処理が終了される。
通信圏外処理が終了すると、通信開始処理が実行される(ステップS3)。図8に示すように、通信開始処理が開始されると、送信回数Xが0にリセットされる(ステップU1)。送信回数Xは、本処理において使用される変数である。ステップU2では、制御部32がスリープ状態に設定される。ステップU3では、送信タイマの値が0であるか否かが判断される。送信タイマの値が0になると(ステップU3で「YES」)、タイマ割り込みが発生して制御部32が通常状態に設定され、ステップU4に進む。
ステップU4では、無線タグリーダ3に対する送信データの送信が行われる(送信処理)。この際、送信データには応答要求指令が加入される(応答要求処理)。ステップU5では、送信タイマの値が第1設定値よりも短い第2設定値(本実施形態では0.5秒)に更新され、計時が開始される。ステップU6では、応答データを受信するための受信処理が受信期間だけ実行される。ステップU7では、受信処理において、無線タグリーダ3からの応答データが受信されたか否かが判断される。応答データが受信されない場合(ステップU7で「NO」)、ステップU8が実行された後、ステップU9に進む。一方、応答データが受信された場合(ステップU7で「YES」)、ステップU8が実行されることなくステップU9に進む。
ステップU8では、送信タイマの計時が前述した調整時間だけ停止され、その後再開される(タイミング変更処理)。ステップU9では、送信回数Xが1だけインクリメントされる。ステップU10では、送信回数Xが調整規定回数(本実施形態では10回)以上であるか否かが判断される。送信回数Xが調整規定回数に達した場合(ステップT10で「YES」)、通信開始処理が終了される。一方、送信回数Xが調整規定回数未満である場合(ステップU10で「NO」)、ステップU2に戻る。
このように、通信開始処理では、通信圏外処理における送信周期よりも短い送信周期(0.5秒)毎に応答要求指令を含む送信データの送信が行われる。従って、通信開始処理が実行されている期間は、送信処理により送信される全ての送信データに対して応答要求指令が加入される通信未確立期間に相当する。そして、応答データが受信されない場合には、通信圏外処理と同様、送信周期にランダムな遅延がかけられる。つまり、この通信開始処理において、無線タグ2の送信タイミングは、他の無線タグ2の通信と衝突しないタイミングに調整される。この通信開始処理は、送信データの送信が調整規定回数(例えば10回)実行されるまで継続される。そして、送信データの送信が調整規定回数だけ実行されて通信開始処理が終了すると、通信圏内処理が実行される(ステップS4)。
図9に示すように、通信圏内処理が開始されると、送信回数Yが0にリセットされる(ステップV1)。送信回数Yは、本処理において使用される変数である。ステップV2では、制御部32がスリープ状態に設定される。ステップV3では、送信タイマの値が0であるか否かが判断される。送信タイマの値が0になると(ステップV3で「YES」)、タイマ割り込みが発生して制御部32が通常状態に設定され、ステップV4に進む。
ステップV4では、無線タグリーダ3に対する送信データの送信が行われる(送信処理)。この際、送信データには応答要求指令が加入される(応答要求処理)。ステップV5では、送信タイマの値が第2設定値に更新され、計時が開始される。ステップV6では、応答データを受信するための受信処理が受信期間だけ実行される。ステップV7では、受信処理において、無線タグリーダ3からの応答データが受信されたか否かが判断される。応答データが受信されない場合(ステップV7で「NO」)、ステップV8およびV9が実行された後、ステップV10に進む。一方、応答データが受信された場合(ステップV7で「YES」)、ステップV8およびV9が実行されることなくステップV10に進む。
ステップV8では、送信タイマの計時が前述した調整時間だけ停止され、その後再開される(タイミング変更処理)。ステップV9では、応答データを前回受信した時点からの経過時間が一定時間(本実施形態では10秒)以内であるか否かが判断される。なお、この経過時間の計時は、送信タイマとは別のタイマを用いて行われている。経過時間が一定時間を超えている場合(ステップV9で「NO」)、通信圏内処理が終了される。つまり、比較的長い時間(10秒)の間、応答データが受信されない場合、通信衝突が生じている可能性よりも、無線タグ2を所持する人の移動に伴い無線タグ2が通信圏外に移動した可能性のほうが高い。そこで、このような場合、通信圏内処理(ステップS4)を終了し、再び通信圏外処理(ステップS2)に移行する。一方、経過時間が一定時間以内である場合(ステップV9で「YES」)、ステップV10に進む。
ステップV10では、制御部32がスリープ状態に設定される。ステップV11では、送信タイマの値が0であるか否かが判断される。送信タイマの値が0になると(ステップV11で「YES」)、タイマ割り込みが発生して制御部32が通常状態に設定され、ステップV12に進む。ステップV12では、無線タグリーダ3に対する送信データの送信が行われる(送信処理)。この際、送信データには応答要求指令が加入されない。ステップV13では、送信タイマの値が第2設定値に更新され、計時が開始される。ステップV14では、送信回数Yが1だけインクリメントされる。ステップV15では、送信回数Yが間欠規定回数(本実施形態では4回)以上であるか否かが判断される。送信回数Yが間欠規定回数に達した場合(ステップV15で「YES」)、ステップV1に戻る。一方、送信回数Yが間欠規定回数未満である場合(ステップV15で「NO」)、ステップV10に戻る。
このように、通信圏内処理では、通信開始処理と同様の送信周期(0.5秒)毎に送信データの送信が行われる。ただし、送信される送信データには、送信周期の5回(=間欠規定回数+1回)に1回にしか応答要求指令が加入されない。そのため、応答データの受信処理、つまり通信衝突の検知についても、送信周期の5回に1回しか実行されない。従って、通信圏内処理が実行されている期間は、送信処理により送信される送信データに対して間欠的に応答要求指令が加入される通信確立期間に相当する。また、通信圏内処理は、応答データが一定時間受信されない状態が継続した場合、無線タグ2が通信圏外に移動したものとして終了される。通信圏内処理が終了されると、再び通信圏外処理が実行される。
以上説明した本実施形態によれば、次のような作用および効果が得られる。
無線タグ2の制御部32は、受信処理にて応答データが受信されないとき、次回の送信データを送信するタイミングを、送信周期に基づくタイミングとは異なるタイミングにランダムに変更するタイミング変更処理を実行する。応答要求指令を含んだ送信データが送信された後に無線タグリーダ3からの応答データが受信されない場合、自身の通信が、別の無線タグ2の通信と衝突している可能性が高い。このような場合、タイミング変更処理が実行されることにより、今回衝突した別の無線タグ2の通信と再び衝突することが回避される。一方、応答データが受信された場合、通信衝突は生じていない。このような場合、タイミング変更処理が実行されることなく、送信周期毎に送信データが送信される。このような動作が繰り返されることにより、通信圏内に多数の無線タグ2が存在する場合でも、各無線タグ2は、送信周期毎に、互いの通信が衝突しない送信タイミングでもって、送信データを無線タグリーダ3に送信することが可能となる。
このような通信の衝突は、無線タグ2が無線タグリーダ3との通信を開始した直後に高い頻度で発生する。そこで、無線タグ2は、無線タグ2が通信圏外に存在すると考えられる場合に実行される通信圏外処理および無線タグ2が通信圏外から通信圏内に移動してから最初に実行される通信開始処理にあっては、送信周期毎に応答要求指令を含む送信データの送信を行う。これにより、通信圏外処理および通信開始処理では、送信周期の毎回において、受信処理つまり通信衝突が生じているか否かの判断が実施される。従って、無線タグリーダ3との通信が開始された直後に通信衝突が頻発したとしても、直ちに送信タイミングが調整され、次回の送信データを送信する際には、その通信衝突が回避される。
ただし、常に、送信周期の毎回において通信衝突が生じているか否かの判断が行われると問題が生じる。以下、上記問題と、本実施形態による上記問題の解決方法について、図10を参照しながら説明する。所定の無線タグ(タグAとする)の通信が、別の無線タグ(タグBとする)の通信と衝突した場合、タグAにおいてタイミング変更処理が実施される。そして、変更された送信タイミングによるタグAの次回の通信は、タグBの通信と衝突することはないものの、さらに別の無線タグの通信と衝突する可能性がある。送信周期の毎回において通信衝突の判断が行われていると、変更された送信タイミングによる通信が別の無線タグ(タグCとする)の通信と衝突した場合、タグAにおいて再びタイミング変更処理が実施される。この場合、再変更された送信タイミングによるタグAの次回の通信は、タグCの通信と衝突することはないものの、先ほど通信衝突が回避されたタグBを含む他の無線タグの通信と衝突する可能性がある。
このように送信周期の毎回において通信衝突の判断が実施される場合には、所定の無線タグ2との通信衝突を回避するべく送信タイミングがランダムに変更されたとしても、それに伴って別の無線タグ2との通信衝突が生じ、その別の無線タグ2との通信衝突を回避するべく送信タイミングが再度ランダムに変更されるという状態が連鎖的に継続するおそれがある。そのため、通信衝突を引き起こす無線タグ2は毎回ランダムになるものの、通信圏内に存在する全ての無線タグ2同士の通信衝突を完全に回避することが難しい。このような問題は、無線タグリーダ3の通信圏内に存在する無線タグ2の数が多くなるほど一層顕在化する。
そこで、本実施形態の無線タグ2は、通信圏内処理にあっては、送信周期の所定回数(間欠規定回数+1回=5回)に1回だけ応答要求指令を含む送信データの送信を行う。これにより、通信圏内処理では、送信周期の所定回数に1回だけ、受信処理つまり通信衝突が生じているか否かの判断が実施される。この場合、図10に示すように、タグAにおいて、受信処理が実施されたときにタグBとの通信衝突が発生してタイミング変更処理が実施されると、次回の送信周期には変更された送信タイミングによる通信が行われる。ただし、その次回の通信の際には受信処理は実施されない。そのため、その次回の通信が別の無線タグであるタグCの通信と衝突したとしても、そのときにはタイミング変更処理は実施されない。
つまり、一旦他の無線タグ(この場合、タグB)との間における通信衝突が回避されるように送信タイミングが変更された後において、送信タイミングがむやみに変更されることがなくなる。なお、図10の例では、タグC側において次回の受信処理が実施される際に、タイミング変更処理が実施されることにより、タグA、B、C間における通信衝突が回避されることになる。従って、本実施形態によれば、連鎖的な通信衝突を引き起こすことなく、各無線タグ2の送信タイミングが徐々に分散されるため、通信圏内に存在する無線タグ2の個数に関わらず、それら無線タグ2同士の通信衝突を完全に回避することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、通信圏内に既に存在する複数の無線タグ2同士の通信衝突が発生しないように、それらの送信タイミングが分散された状態(分散状態)において、その通信圏内に新たに別の無線タグ2が進入したとしても、全ての無線タグ2の送信タイミングが一斉に再変更されることは無い。すなわち、通信圏内に新たに1つの無線タグ(タグDとする)が進入した場合、タグDによる通信は、既に通信圏内に存在する既存の1つの無線タグ(タグEとする)の通信と衝突する可能性がある。
タグD、E間で通信衝突が生じてタグDによる通信が正常に実施できなかった場合、タグDにおいて送信タイミングの変更が行われる。また、タグD、E間で通信衝突が生じてタグEによる通信が正常に実施できなかった場合、タグEにおいて受信処理が実施されていれば、タグEにおいて送信タイミングの変更が実施される。あるいは、タグD、E間で通信衝突が生じてタグD、Eの通信がいずれも正常に実施できなかった場合、タグEにおいて受信処理が実施されていれば、タグD、Eにおいて送信タイミングの変更が実施される。このように、収束状態において通信圏内に新たに1つの無線タグが進入したとしても、送信タイミングの変更は、一部の無線タグ(この場合、タグD、Eの一方または双方)においてのみ実施される。従って、本実施形態によれば、収束状態において通信圏内に新たに別の無線タグ2が進入したとしても、多数の無線タグ2の送信タイミングが変更されてしまい、それら多数の無線タグ2同士の間において通信衝突が再度発生し、無線タグリーダ3が多数の無線タグ2を認識できなくなるという事態の発生を防止できる。
このように、本実施形態によれば、無線タグ2のハードウェア的な構成を従来のものから変更することなく、無線タグ2の制御部32により行われる処理の内容(ソフトウェア)に工夫を加えることにより、複数の無線タグ2と無線タグリーダ3との間における通信衝突の発生を完全に回避することができる。つまり、本実施形態によれば、例えば無線タグリーダ3が備えるキャリアセンスを行うための構成を無線タグ2に追加するといったハードウェア的な改良を行う必要がないため、無線タグ2の外形が大型化することなく、上記通信衝突の発生を回避することができる。
また、無線タグ2は、通信圏内処理では受信処理を間欠的に実行する。このように、間欠的に受信処理が実行されることにより、受信処理を毎回実行する場合に比べて無線タグ2における電力消費量が低減される。従って、内蔵電源31を構成する電池の寿命が長くなるという効果が得られる。
さて、所定の無線タグ2の受信処理において、応答データが受信されなかったとき、無線タグリーダ3は、その所定の無線タグ2が送信データを送信するより少し前に、他の無線タグからの送信データを受信して応答データを返信するという一連の処理を実行していると考えられる。このような点について、図5に示した第3無線タグおよび第4無線タグの通信衝突を例にして説明する。図5の場合、第3無線タグに対する応答データの返信を含むデータ処理が実行されている期間に、第4無線タグから送信データが送信されているため、第4無線タグに関する処理が実施されない。そのため、第4無線タグの受信処理において応答データが受信されない。従って、第4無線タグのタイミング変更処理においては、無線タグリーダ3における第3無線タグおよび第4無線タグに対する上記一連の処理が互いに重複しないように、自身の送信タイミングを変更する必要がある。
第4無線タグの送信タイミングを送信周期に基づくタイミングに対して早くしたタイミングに変更して通信衝突を回避するためには、第4無線タグの一連の処理の終了時点(データ処理の終了時点)が、第3無線タグの一連の処理の開始時点(データ送信の開始時点)よりも早い時点となるように送信タイミングを変更する必要がある。一方、本実施形態のように、第4無線タグの送信タイミングを送信周期に基づくタイミングに対して遅くしたタイミングに変更して通信衝突を回避するためには、第4無線タグの一連の処理の開始時点(データ送信の開始時点)が、第3無線タグの一連の処理の終了時点(データ処理の終了時点)よりも遅い時点となるように送信タイミングを変更する必要がある。
この場合、前述したように、第3無線タグに関するデータ処理の期間と第4無線タグからのデータ送信の期間とが重複している。また、上述した一連の処理に要する時間は、対象となる無線タグ毎に異なるものではなく、概ね同一であると考えられる。従って、第4無線タグの送信タイミングを遅くするほうが、送信タイミングを早くするよりも、その調整時間が短くても、第3無線タグとの通信衝突を回避できる可能性が高くなる。
また、送信タイミングを遅くするほうが、送信タイミングを早くするよりも、制御部32(CPU)の処理を簡単化することができる。すなわち、送信タイミングを早めるということは、送信タイマの値を更新する(タイマの値を書き換える)処理が必要となるため、CPUの処理が煩雑化してしまう。これに対し、送信タイミングの遅らせるということは、送信タイマを一旦停止するという比較的簡単な処理により実現することができる。
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した実施形態に限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
情報媒体としては、無線タグ2などのタグ形状のものに限らずともよい。例えば、カード形状のもの(例えばICカードなど)や、あるいは無線タグ2と同様の機能を備えた携帯型の通信端末(例えば、携帯電話機、スマートフォンなど)であってもよい。
無線タグシステム1としては、無線タグリーダ3を複数備えるものでもよい。その場合、複数の無線タグリーダ3は、それぞれ複数の無線タグ2との間にて無線通信を行い、各無線タグ2の位置(方向)を把握する。そして、コントローラ15は、各無線タグリーダ3により把握された無線タグ2の位置に基づいて、無線タグ2を所持する人の位置を正確に特定することができる。
タイミング変更処理において、次回の送信データを送信するタイミングを送信周期に基づくタイミングに対して早くしたタイミングに変更してもよい。
通信圏外処理における送信周期を決定するための第1設定値、通信開始処理および通信圏内処理における送信周期を決定するための第2設定値、通信開始処理における受信処理の回数を規定するための調整規定回数、通信圏内処理における間欠動作の間隔を規定するための間欠規定回数などは、無線タグシステム1の仕様に応じて適宜変更することが可能である。
図面中、2は無線タグ(情報媒体)、3は無線タグリーダ(リーダ)、32は制御部(送受信手段)を示す。

Claims (2)

  1. リーダとの間において無線通信によりデータの送受信を行う送受信手段を備えた情報媒体であって、
    前記送受信手段は、
    送信データを送信周期毎に前記リーダに送信する送信処理と、
    前記リーダに対して応答データの送信を要求する応答要求指令を前記送信データに加入する応答要求処理と、
    前記応答要求指令を含んだ前記送信データが送信された後の受信期間に、前記応答データの受信を行う受信処理と、
    を実行するものであり、
    前記送信処理は、
    前記受信処理にて前記応答データが受信されなかったとき、次回の前記送信データを送信するタイミングを前記送信周期に基づくタイミングとは異なるタイミングに変更するタイミング変更処理を含み、
    前記応答要求処理では、
    前記応答データが所定回数受信されるまでの通信未確立期間にあっては、前記送信処理により送信される全ての前記送信データに対して前記応答要求指令が加入され、
    前記応答データが所定回数受信された後の通信確立期間にあっては、前記送信処理により送信される前記送信データに対して間欠的に前記応答要求指令が加入されることを特徴とする情報媒体。
  2. 前記タイミング変更処理では、次回の前記送信データを送信するタイミングが前記送信周期に基づくタイミングに対して遅延したタイミングに変更されることを特徴とする請求項1に記載の情報媒体。
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