JP2013200683A - 状態追跡装置、方法、及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】追跡対象の非通常状態を高速に検出して効果的な対象追跡を可能とする.
【解決手段】追跡対象の状態を表わす状態情報を時刻毎に蓄積した蓄積手段と、状態履歴情報に基づいて、現時刻よりτ時刻後の追跡対象の状態の事前確率分布を予測する予測手段と、観測を取得する取得手段と、予測された追跡対象の状態の事前確率分布を表す複数のパーティクル各々が示す状態から推定される観測の、観測に対する尤もらしさを示す尤度各々と、事前確率分布とに基づき、追跡対象の状態の事後確率分布を推定する事後確率分布推定手段と、事後確率分布に基づいて追跡対象の状態推定値を推定し、推定した追跡対象の状態を表わす状態情報を状態履歴蓄積手段に格納する状態推定手段と、事前確率分布を表す複数のパーティクルのうちの所定のパーティクルの状態と推定された状態推定値との距離に基づいて追跡対象の状態の非通常度を判定する非通常度判定手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、パーティクルフィルタを用いた状態追跡装置、方法、及びプログラムに係り、特に、対象の追跡において当該追跡対象(以下、オブジェクトともいう)の非通常状態を高速に検出するのに好適な状態追跡装置、方法、及びプログラムに関するものである。
時間と共に変化する追跡対象の状態を推定するための技術として、パーティクルフィルタがある。パーティクルフィルタでは、追跡対象の状態の確率分布をパーティクルの分布で表現し、(1)現時刻における状態の事後確率分布を用いて次時刻における状態の事前確率分布を推定し、(2)推定された事前確率分布と、次時刻における実際の観測とを比較することで、事後確率分布を求める。次時刻以降、(1)及び(2)の処理を繰り返すことで、動的に変化する追跡対象の状態を逐次的に推定する。
このように、パーティクルフィルタとは、追跡対象の状態を表すパラメータの事前確率分布の予測と、事後確率分布の推定とを繰り返し行うことで、時々刻々変化するパラメータを推定するものである。このようなパーティクルフィルタは、しばしばオブジェクトの位置及び姿勢の追跡に利用される(例えば、非特許文献1参照)。オブジェクトの位置及び姿勢追跡の場合、追跡対象の状態を表すパラメータは、位置及び姿勢を表すパラメータであり、事後確率分布は、位置及び姿勢のパラメータから推定される観測(例えば、画像)と、実際の観測(カメラ等により取得される画像)とを比較することによって得ることができる。
なお、非特許文献1においては、複雑なダイナミクスを持つ対象の追跡を可能にすることを目的として、パーティクルフィルタの事前分布作成にメモリベース予測を組み込んだメモリベースパーティクルフィルタと呼ばれる技術が記載されている。
このメモリベースパーティクルフィルタにおいてメモリベース予測を用いて事前分布を作成するメモリベース事前確率分布予測は、過去の時刻tにおける状態が将来の時刻T+Δtに再び現れる確率を時間軸上の分布として表した時間的再現確率によって、将来の状態を予測するものであり、追跡対象の過去の状態系列を状態履歴として蓄積し、過去の状態が再度出現する確率をモデル化し、これを用いて、過去の状態系列からのランダムサンプリングによって事前分布を生成する。
このメモリベース事前確率分布予測は、(1)過去の状態が予測対象の時刻に再び現れる確率を時間軸上の確率分布(時間的再現確率)としてモデル化、(2)この時間的再現確率に従った過去の時刻のサンプリング、(3)サンプリングされた時刻における状態推定値を用いた事前分布生成、の三つの段階から構成される。
メモリベースパーティクルフィルタにおいては、メモリベース事前確率分布予測により求めた時間的再現確率に従って、過去の時刻をサンプリングし、サンプリングされた時刻における状態推定値を参照し、参照された過去の状態推定値に不確定性を考慮した分布を重畳し、これらを混合することで事前分布(メモリベース事前分布)を取得し、取得したメモリベース事前分布から空間的なサンプリングをすることにより事前分布を表すパーティクルの集合を取得する。
このように、メモリベースパーティクルフィルタにおいては、従来のパーティクルフィルタが直前の状態の近傍からの空間的なサンプリングにより行う事前分布予測を、時間的再現確率に従った過去からの時間なサンプリングを用いて実現している。
三上弾、大塚和弘、大和淳司、「メモリベースパーティクルフィルタ:状態履歴に基づく事前分布予測を用いた頑健な対象追跡」、電子情報通信学会論文誌D Vol.J93−D No.8 pp.1313−1328
上述したように、パーティクルフィルタは、追跡対象の将来の状態を予測する事前確率分布予測と、事後確率分布予測を繰り返す、確率的な手法であり、パーティクルフィルタでは、確率分布をパーティクルと呼ばれるパーティクルの集合により表現する。
特に、メモリベースパーティクルフィルタにおいては、履歴を活用することで、履歴に基づいて正確にダイナミクスを反映した事前確率分布を予測することができる。
追跡対象の追跡の有用なコンピュータ用アプリケーションの一つとしてサーベイランスがある。このサーベイランスでは、追跡対象が通常とは異なる状態となった非通常状態を検出することが極めて重要である。
しかしながら、通常と異なる状態を示すパターンは、その希少さや、種類の多様性から、学習パターンを大量に収集することが困難であり、その結果、学習および効果的な検出が困難である。
このような問題を、パーティクルフィルタやメモリベースパーティクルフィルタを用いて解決する従来技術は開示されていない。
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、追跡対象の非通常状態を高速に検出することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の状態追跡装置は、追跡対象の状態を表わす状態情報を各時刻について蓄積した状態履歴情報を記憶した状態履歴蓄積手段と、前記状態履歴蓄積手段に記憶された前記状態履歴情報に基づいて、現時刻よりτ時刻後の追跡対象の状態の事前確率分布を予測する事前確率分布予測手段と、前記追跡対象の観測を取得する取得手段と、前記事前確率分布予測手段によって予測された前記追跡対象の状態の事前確率分布を表す複数のパーティクル各々が示す状態から推定される観測の、前記取得手段により取得された観測に対する尤もらしさを示す尤度各々と、前記事前確率分布とに基づいて、前記追跡対象の状態の事後確率分布を推定する事後確率分布推定手段と、前記事後確率分布推定手段で推定された事後確率分布に基づいて前記追跡対象の状態推定値を推定して、前記推定した前記追跡対象の状態を表わす前記状態情報を前記状態履歴蓄積手段に格納する状態推定手段と、前記事前確率分布予測手段により予測された事前確率分布を表す複数のパーティクルのうちの所定のパーティクルの状態と前記状態推定手段により推定された状態推定値との距離に基づいて、前記追跡対象の状態の非通常度を判定する非通常度判定手段と、を備えている。
本発明の状態追跡装置によれば、状態履歴蓄積手段が、追跡対象の状態を表わす状態情報を各時刻について蓄積した状態履歴情報を記憶し、事前確率分布予測手段が、前記状態履歴蓄積手段に記憶された前記状態履歴情報に基づいて、現時刻よりτ時刻後の追跡対象の状態の事前確率分布を予測し、取得手段が、前記追跡対象の観測を取得し、事後確率分布推定手段が、前記事前確率分布予測手段によって予測された前記追跡対象の状態の事前確率分布を表す複数のパーティクル各々が示す状態から推定される観測の、前記取得手段により取得された観測に対する尤もらしさを示す尤度各々と、前記事前確率分布とに基づいて、前記追跡対象の状態の事後確率分布を推定し、状態推定手段が、前記事後確率分布推定手段で推定された事後確率分布に基づいて前記追跡対象の状態推定値を推定して、前記推定した前記追跡対象の状態を表わす前記状態情報を前記状態履歴蓄積手段に格納し、非通常度判定手段が、前記事前確率分布予測手段により予測された事前確率分布を表す複数のパーティクルのうちの所定のパーティクルの状態と前記状態推定手段により推定された状態推定値との距離に基づいて、前記追跡対象の状態の非通常度を判定する。
このように、パーティクルフィルタを用いた対象追跡を行う過程で、事前確率分布を表すパーティクルで状態推定値から予め定められたk番目に近いパーティクルを検索し、検索したパーティクルと状態推定値との距離に基づいて、追跡対象の状態遷移の非通常度を判定することができ、時々刻々と変化する追跡対象における非通常状態を高速に検出することができる。
また、上記目的を達成するために本発明の状態追跡装置は、追跡対象の状態を表わす状態情報が各時刻について蓄積された状態履歴情報に基づいて、現時刻より前の各時刻の状態が、現時刻のτ時刻後の追跡対象の状態として再現される確率を表わす時間的再現確率を推定する時間的再現確率推定手段と、前記時間的再現確率推定手段から出力される前記時間的再現確率と前記状態履歴情報とに基づいて、現時刻よりτ時刻後の追跡対象の状態の事前確率分布を予測する事前確率分布予測手段と、前記追跡対象の観測を取得する取得手段と、前記事前確率分布予測手段によって予測された前記追跡対象の状態の事前確率分布を表す複数のパーティクル各々が示す状態から推定される観測の、前記取得手段により取得された観測に対する尤もらしさを示す尤度各々と、前記事前確率分布とに基づいて、前記追跡対象の状態の事後確率分布を推定する事後確率分布推定手段と、前記事後確率分布推定手段で推定された事後確率分布に基づいて前記追跡対象の状態推定値を推定する状態推定手段と、前記状態推定手段で推定された各時刻における状態推定値を蓄積した前記状態履歴情報を記憶した状態履歴蓄積手段と、前記事前確率分布予測手段により予測された事前確率分布を表す複数のパーティクルのうちの所定のパーティクルの状態と前記状態推定手段により推定された状態推定値との距離に基づいて、前記追跡対象の状態の非通常度を判定する非通常度判定手段と、を備えている。
本発明の状態追跡装置によれば、時間的再現確率推定手段が、追跡対象の状態を表わす状態情報が各時刻について蓄積された状態履歴情報に基づいて、現時刻より前の各時刻の状態が、現時刻のτ時刻後の追跡対象の状態として再現される確率を表わす時間的再現確率を推定し、事前確率分布予測手段が、前記時間的再現確率推定手段から出力される前記時間的再現確率と前記状態履歴情報とに基づいて、現時刻よりτ時刻後の追跡対象の状態の事前確率分布を予測し、取得手段が、前記追跡対象の観測を取得し、事後確率分布推定手段が、前記事前確率分布予測手段によって予測された前記追跡対象の状態の事前確率分布を表す複数のパーティクル各々が示す状態から推定される観測の、前記取得手段により取得された観測に対する尤もらしさを示す尤度各々と、前記事前確率分布とに基づいて、前記追跡対象の状態の事後確率分布を推定し、状態推定手段が、前記事後確率分布推定手段で推定された事後確率分布に基づいて前記追跡対象の状態推定値を推定し、状態履歴蓄積手段が、前記状態推定手段で推定された各時刻における状態推定値を蓄積した前記状態履歴情報を記憶し、非通常度判定手段が、前記事前確率分布予測手段により予測された事前確率分布を表す複数のパーティクルのうちの所定のパーティクルの状態と前記状態推定手段により推定された状態推定値との距離に基づいて、前記追跡対象の状態の非通常度を判定する。
このように、メモリベースパーティクルフィルタを用いた対象追跡を行う過程で、事前確率分布を表すパーティクルで状態推定値から予め定められたk番目に近いパーティクルを検索し、検索したパーティクルと状態推定値との距離を、追跡対象の状態遷移の非通常度の判定に用いることができ、時々刻々と変化する追跡対象における非通常状態を高速にかつ精度良く検出することができる。
また、上記目的を達成するために本発明の状態追跡方法は、追跡対象の状態を表わす状態情報を各時刻について蓄積した状態履歴情報を状態履歴蓄積装置に記憶する状態履歴蓄積ステップと、前記状態履歴蓄積装置に記憶された前記状態履歴情報に基づいて、現時刻よりτ時刻後の追跡対象の状態の事前確率分布を予測する事前確率分布予測ステップと、前記追跡対象の観測を取得する取得ステップと、前記事前確率分布予測ステップによって予測された前記追跡対象の状態の事前確率分布を表す複数のパーティクル各々が示す状態から推定される観測の、前記取得ステップにより取得された観測に対する尤もらしさを示す尤度各々と、前記事前確率分布とに基づいて、前記追跡対象の状態の事後確率分布を推定する事後確率分布推定ステップと、前記事後確率分布推定ステップで推定された事後確率分布に基づいて前記追跡対象の状態推定値を推定して、前記推定した前記追跡対象の状態を表わす前記状態情報を前記状態履歴蓄積装置に格納する状態推定ステップと、前記事前確率分布予測ステップにより予測された事前確率分布を表す複数のパーティクルのうちの所定のパーティクルの状態と前記状態推定ステップにより推定された状態推定値との距離に基づいて、前記追跡対象の状態の非通常度を判定する非通常度判定ステップと、を含む。
また、上記目的を達成するために本発明の状態追跡方法は、追跡対象の状態を表わす状態情報が各時刻について蓄積された状態履歴情報に基づいて、現時刻より前の各時刻の状態が、現時刻のτ時刻後の追跡対象の状態として再現される確率を表わす時間的再現確率を推定する時間的再現確率推定ステップと、前記時間的再現確率推定ステップで出力される前記時間的再現確率と前記状態履歴情報とに基づいて、現時刻よりτ時刻後の追跡対象の状態の事前確率分布を予測する事前確率分布予測ステップと、前記追跡対象の観測を取得する取得ステップと、前記事前確率分布予測ステップによって予測された前記追跡対象の状態の事前確率分布を表す複数のパーティクル各々が示す状態から推定される観測の、前記取得ステップにより取得された観測に対する尤もらしさを示す尤度各々と、前記事前確率分布とに基づいて、前記追跡対象の状態の事後確率分布を推定する事後確率分布推定ステップと、前記事後確率分布推定ステップで推定された事後確率分布に基づいて前記追跡対象の状態推定値を推定する状態推定ステップと、前記状態推定ステップで推定された各時刻における状態推定値を蓄積した前記状態履歴情報を状態履歴蓄積装置に記憶する状態履歴蓄積ステップと、前記事前確率分布予測ステップにより予測された事前確率分布を表す複数のパーティクルのうちの所定のパーティクルの状態と前記状態推定ステップにより推定された状態推定値との距離に基づいて、前記追跡対象の状態の非通常度を判定する非通常度判定ステップと、を含む。
また、上記目的を達成するために本発明のプログラムは、コンピュータを、前記状態追跡装置における各手段として機能させるためのプログラムである。
以上説明したように、本発明によれば、時間と共に変化する追跡対象の状態を時々刻々と推定する追跡対象の追跡中に、当該追跡対象の状態の非通常状態の判定を高速に行うことができる、という効果が得られる。
本発明の実施の形態の状態追跡装置の機能的構成を示すブロック図である。 図1の状態追跡装置における追跡処理内容を示すフローチャートである。 図1の状態追跡装置における事後確認分布推定部の処理内容を示すフローチャートである。 図1の状態追跡装置における事前確認分布予測部の処理内容を示すフローチャートである。 図1の状態追跡装置における非通常度判定部の処理内容を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態の状態追跡装置の機能的構成を示すブロック図である。 図6の状態追跡装置における追跡処理内容を示すフローチャートである。 図6の状態追跡装置における事後確認分布推定部の処理内容を示すフローチャートである。 図6の状態追跡装置における事前確認分布予測部の処理内容を示すフローチャートである。 図6の状態追跡装置におけるダイナミクスモデル化部で生成される時間的再現確率情報のテーブル構成を示す説明図である。 図6の状態追跡装置におけるダイナミクスモデル化部の処理内容を示すフローチャートである。 図6の状態追跡装置におけるダイナミクスモデル化部の他の処理内容を示すフローチャートである。 図6の状態追跡装置におけるダイナミクスモデル化部を構成する時間的再現率推定部の処理内容を示すフローチャートである。 図13の時間的再現率推定部の処理内容を補足する第1の説明図である。 図13の時間的再現率推定部の処理内容を補足する第2の説明図である。 図13の時間的再現率推定部の処理内容を補足する第3の説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[実施例1]
図1においては、第1の実施の形態に係る状態追跡装置10の構成例を示しており、状態追跡装置10は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、CPUによる状態追跡処理を実行するためのプログラムを記憶したROM(Read Only Memory)とを備えたコンピュータで構成されている。このコンピュータは、機能的には、図1に示す各処理部を含んだ構成で表すことができる。
状態追跡装置10は、非通常度判定部7、事前確率分布予測部2、事後確率分布推定部3、状態推定部4、状態履歴蓄積部5、及び観測取得部6を含んで構成されており、メモリベースパーティクルフィルタによるオブジェクト(追跡対象)の位置・姿勢を含む状態を推定する追跡処理を行う。
このような構成からなる状態追跡装置10は、事前確率分布予測部2により、状態履歴蓄積部5に時刻i毎に蓄積された追跡対象の状態履歴情報に基づいて、追跡対象の次時刻の状態の事前確率分布を予測する。
そして、事後確率分布予測部3において、事前確率分布予測部2により予測された事前確率分布と、この事前確率分布を表すパーティクルにより定まる状態の、観測取得部6から入力された現在の追跡対象の観測結果に対する尤度とに基づいて、追跡対象の状態の事後確率分布を推定する。
さらに、状態推定部4において、事後確率分布予測部3により推定された事後確率分布に基づいて状態推定値を推定し、状態履歴蓄積部5において、状態推定部4により推定された状態推定値を蓄積する。
このように、状態履歴蓄積部5では、各時刻において、追跡対象の状態の遷移が蓄積されている。なお、本実施例では、追跡対象の状態を、追跡対象の動きに関する二次元画像内の並進、スケール、xyzの3軸周りの回転と、照明変動の係数との7次元で構成されるベクトルとして説明する。ただし、追跡対象の状態はこれに限るものではない。7次元のうちの1以上の状態をベクトルの要素としてもよいし、その他追跡対象の状態を表す特徴量をベクトルの要素として用いてもよい。
以下、このような構成からなる状態追跡装置10による処理を、図を用いて説明する。
まず、図2を用いて、状態追跡装置10の追跡処理に係る全体処理の説明を行う。
ステップ202では、追跡対象の状態を示すパーティクルの事前確率分布を設定する。なお、追跡対象の状態は、上述したように、本実施例では、追跡対象の動きに関する二次元画像内の並進、スケール、xyzの3軸周りの回転と、照明変動の係数との7次元で構成されるベクトルとして説明する。
次のステップ204で、実際にカメラ等で撮影された画像(観測)を、観測取得部6を介して取得する。
次のステップ206では、テンプレート画像に、事前確率分布を表すパーティクルの状態に従った変形(平行移動及び回転)を加えて、テンプレートの観測(画像)を推定する。そして、推定された観測と上記ステップ204で取得された実際の観測とを比較して尤度を求め、求めた尤度とパーティクルの(初期)状態が示す事前確率分布に基づいて、事後確率分布を推定する。
なお、このステップ206での処理は、事後確率分布推定部3の処理であり、以下、図3を用いて説明する。
事後確率分布推定部3は、事前確率分布予測部2により予測された事前確率分布と、観測尤度とに基づいて事後確率分布を推定する。ここで、観測尤度とは、事前確率分布を表すパーティクルにより定まる状態が、観測(現在のカメラ画像など)に対してどの程度尤もらしいかを表すものである。
図3に示すように、事後確率分布推定部3では、各パーティクルiの状態x(i)(i=1〜N)について以下の処理を繰り返す。ただし、Nは予め定められたパーティクルの数である。
ステップ302では、パーティクルiの状態x(i)により指定される、並進・回転のパラメータに基づいて、テンプレート画像を、並進・回転させた画像を生成する。すなわち、状態x(i)の要素となっている並進・回転のパラメータと同じように、テンプレート画像を並進・回転させる。
ステップ304では、ステップ302で生成された画像と、現在の入力画像とを比較し、尤度を求める。比較方法は特に指定しないが、ユークリッド距離の逆数などが利用可能である。
全てのiについて処理が終わっていれば終了。そうでなければ、iを1インクリメントし、次のパーティクルiの状態についての処理を繰り返す。
そして、ステップ306では、ステップ304で求めた全てのパーティクルの状態に対する尤度に基づいて、事後確率分布を推定する。
このようにして、事後確率分布推定部3による事後確率分布の推定が終了すると、図2におけるステップ208での状態推定値を求める処理を実行する。なお、本発明では、事後確率分布推定方法は特に問わない。
このステップ208での処理は状態推定部4の処理であり、この状態推定部4は、事後確率分布に基づいて状態推定値を求める。例えば、事後確率分布を表す各パーティクルの状態に対して、上記で各々求めた尤度による重みづけ平均を行って、状態推定値を求める。
次のステップ210では、現在の処理が初期状態に基づく初期の処理であるか、事前確率分布予測処理で予測された事前確率分布を用いた処理であるかを判別する。
ここでは、初期状態に基づく初期の処理であり、次のステップ212の処理を行う。
ステップ212では、ステップ208での状態推定部4の処理により求められた状態推定値を、状態履歴蓄積部5において蓄積する。
次のステップ214での処理は、事前確率分布予測部2の処理であり、状態履歴蓄積部5において蓄積された各時刻における状態推定値(状態履歴)を用いて、追跡対象の次時刻の状態の事前確率分布を予測する。すなわち、事前確率分布を表すパーティクルの集合を得る。
このステップ214での事前確率分布予測部2の処理を、図4を用いて説明する。
事前確率分布予測部2では、i=1からNについて以下の処理を繰り返す。ただし、Nは予め定められたパーティクルの数である。
まず、ステップ402では、現在の状態と、状態履歴蓄積部5において状態履歴として蓄積された過去の状態から、時間的再現確率を求める。この時間的再現確率は、1次元の時間軸上に定義される関数である。これは、現在の状態と過去の状態との類似度と、何時刻将来の状態を予測しているか、に基づいて定まる。
次のステップ404では、時間的再現確率に従ったランダムサンプリングによって、現在の次時刻に再現される状態を持つ過去の時刻の何れかを決定する。以降の説明の都合上、ここで決定された時刻をjとする。
そして、ステップ406では、時刻jでの状態x(j)を参照し、不確定性を考慮したノイズ成分を付加する。このノイズ成分は一般に、分散σ、平均0の正規分布に基づく乱数などが用いられる。分散σは予め定めておく、あるいは、状態履歴として蓄積された過去の状態に基づいて定めることもできる。例えば、例えば、対象の移動速度によって過去の類似の状態を参照して決定することや、過去の状態をいくつかの期間にわけた中から1期間を選んで求めること等が考えられる。
全てのiについて処理が終わっていれば終了し、そうでなければ、iを1インクリメントし、次のパーティクルiに対するステップ402からの処理を繰り返す。これにより、追跡対象の次時刻の状態の事前確率分布を表す複数のパーティクルが得られる。
図2に戻り、次のステップ216においては、追跡処理を終了するか否かを判定する。このステップ216での判定は、実際の観測として次フレームの画像が取得されているか否か、または、処理終了を指示する信号が入力されているか否か等により判定することができる。
ステップ216で肯定判定された場合には、処理を終了するが、追跡処理を終了しない場合には、ステップ204へ戻って、ステップ204〜216の処理を繰り返す。
このようにステップ214で否定判定された後に、ステップ204へ移行した場合には、追跡処理となり、ステップ206の事後確率分布の推定に用いられる事前確率分布は、上記ステップ202の初期設定された事前確率分布ではなく、ステップ212で前時刻に予測された事前確率分布が用いられる。
このような対象追跡処理中には、本例の状態追跡装置10では、ステップ210でステップ218の処理に分岐して、ステップ218での非通常度判定処理を行う。
このステップ218での処理は、非通常度判定部7の処理であり、非通常度判定部7は、追跡対象の状態が通常とは異なる度合い(非通常度)を判定する。
すなわち、非通常度判定部7は、事前確率分布予測部2により予測された事前確率分布と、状態推定部4により推定された状態推定値とに基づいて、追跡対象の状態の非通常度を判定する。
この非通常度判定部7における処理を、図5を用いて説明する。
ステップ502での処理において、非通常度判定部7は、状態推定部4の推定結果である状態推定値からk番目に近いパーティクルを、事前確率分布予測部2により予測された事前確率分布を表すパーティクル集合の中から検索する。なお、kは予め定めておくものとする。k=1の場合、最近傍パーティクルを検索することとなる。
ステップ504での処理においては、状態推定値からk近傍のパーティクルの状態までの距離の逆数を、密度とする。この密度が、状態推定値の通常度合いを表わす。密度が高いということは、過去の履歴に基づいて正確な予測が行われていたことに相当し、過去の履歴と比較して通常の動きをしていたことになる。
一方、この密度が低いということは、履歴に基づいた予測で、あまり確率が高くなかった状態周辺が正解であったことを意味し、非通常の状態遷移が起こったものと判定することができる。本実施の形態では、上記の密度を、非通常度として判定する。なお、状態推定値からk近傍のパーティクルの状態までの距離を、非通常度として判定してもよい。
ここで、事前確率分布は、通常のメモリベースパーティクルフィルタによる追跡の中で既に利用されているものであり、非通常度の推定のために推定する必要はない。そのため、処理コストの増加が少なく、高速な非通常度推定が可能である。
[実施例2]
次に、図6〜図16を用いて、本発明の他の実施の形態を詳細に説明する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図11の実施の形態に係る状態追跡装置20は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、CPUによる状態追跡処理を実行するためのプログラムを記憶したROM(Read Only Memory)とを備えたコンピュータで構成されている。このコンピュータは、機能的には、図6に示す各処理部を含んだ構成で表すことができる。
状態追跡装置20は、ダイナミクスモデル化部21、事前確率分布予測部22、事後確率分布推定部23、状態推定部24、状態履歴蓄積部25(図中「状態履歴25」とも記載する)、及び観測取得部26を含んで構成されている。
また、ダイナミクスモデル化部21は、時間的再現確率モデル化パラメータ推定部21a、時間的再現確率モデル化パラメータ記憶部21b、及び時間的再現確率推定部21cを含んで構成されている。
このような構成からなる状態追跡装置20は、前記非特許文献1に記載のメモリベースパーティクルフィルタにより、時間と共に変化する対象の状態を、時々刻々と推定して追跡する。
特に、状態追跡装置20は、時間的再現確率モデル化パラメータ推定部21a、時間的再現確率モデル化パラメータ記憶部21b、及び時間的再現確率推定部21cを含むダイナミクスモデル化部21により、メモリベースパーティクルフィルタにおける事前確率分布予測部22での事前確率分布予測に用いる時間的再現確率を、状態の追跡中にオンラインで逐次に状態履歴蓄積部25に蓄積された状態履歴に基づいて時間的再現確率を更新して、出力する。
すなわち、ダイナミクスモデル化部21は、時間的再現確率モデル化パラメータ推定部21aにより、状態履歴蓄積部25に蓄積された状態履歴情報に基づいて、後述する時間的再現確率テーブルを更新し、時間的再現確率モデル化パラメータ記憶部21bにおいて、時間的再現確率モデル化パラメータ推定部21aにより更新される時間的再現確率テーブル情報を記憶し、時間的再現確率推定部21cにより、時間的再現確率モデル化パラメータ記憶部21bにおいて記憶された時間的再現確率テーブルと状態履歴蓄積部25に蓄積された状態履歴情報に基づいて、事前確率分布予測部22での現在の事前確率分布予測に用いる時間的再現確率を推定して出力する。
状態追跡装置20は、ダイナミクスモデル化部21から出力された時間的再現確率と状態履歴蓄積部25に時刻i毎に蓄積された追跡対象の状態を表す状態履歴情報とに基づいて、事前確率分布予測部22において、追跡対象のτ時刻後の状態の事前確率分布を予測する。
観測取得部26は、追跡対象の状態を推定するための実際の観測を取得する。例えば、画像上の顔を追跡対象とする場合には、カメラで撮影された画像の各画素値を観測として取得する。
そして、事後確率分布予測部3において、事前確率分布予測部22により予測された事前確率分布と、この事前確率分布を表すパーティクルにより定まる状態の、観測取得部26から入力された現在の追跡対象の観測結果に対する尤度とに基づいて、追跡対象の状態の事後確率分布を推定する。
さらに、状態推定部24において、事後確率分布予測部3により推定された事後確率分布に基づいて状態推定値を推定し、状態履歴蓄積部25において、状態推定部24により推定された状態推定値を蓄積する。
以下、このような構成からなる状態追跡装置20による処理を、図を用いて説明する。
まず、図7を用いて、状態追跡装置20の追跡処理に係る全体処理の説明を行う。
ステップ702では、追跡対象の状態を示すパーティクルの初期状態を設定する。なお、追跡対象の状態とは、追跡対象の動きに関する二次元画像内の並進、スケール、xyzの3軸周りの回転と、照明変動の係数との7次元で構成されるベクトルである。
次のステップ704で、実際にカメラ等で撮影された画像(観測)を、観測取得部26を介して取得する。
次のステップ706では、テンプレート画像に、上記ステップ702で設定されたパーティクルの初期状態に従った変形(平行移動及び回転)を加えて、テンプレートの観測(画像)を推定する。
そして、推定された観測と上記ステップ704で取得された実際の観測とを比較して尤度を求め、求めた尤度とパーティクルの初期状態が示す事前確率分布に基づいて、事後確率分布を推定する。
なお、このステップ706での処理は、事後確率分布推定部23の処理であり、以下、図8を用いて説明する。
事後確率分布推定部23は、事前確率分布予測部22により予測された事前確率分布と、観測尤度とに基づいて事後確率分布を推定する。ここで、観測尤度とは、事前確率分布を表すパーティクルにより定まる状態が、観測(現在のカメラ画像など)に対してどの程度尤もらしいかを表すものである。
図8に示すように、事後確率分布推定部23では、各パーティクルiの状態x(i)(i=1〜N)について以下の処理を繰り返す。ただし、Nは予め定められたパーティクルの数である。
ステップ802では、パーティクルiの状態x(i)により指定される、並進・回転のパラメータに基づいて、テンプレート画像を、並進・回転させた画像を生成する。すなわち、状態x(i)の要素となっている並進・回転のパラメータと同じように、テンプレート画像を並進・回転させる。
ステップ804では、ステップ802で生成された画像と、現在の入力画像とを比較し、尤度を求める。比較方法は特に指定しないが、ユークリッド距離の逆数などが利用可能である。
全てのiについて処理が終わっていれば終了。そうでなければ、iを1インクリメントし、次のパーティクルiの状態についての処理を繰り返す。
そして、ステップ806では、ステップ804で求めた全てのパーティクルの状態に対する尤度に基づいて、事後確率分布を推定する。
このようにして、事後確率分布推定部23による事後確率分布の推定が終了すると、図7におけるステップ708での状態推定値を求める処理を実行する。なお、本発明では、事後確率分布推定方法は特に問わない。
このステップ708での処理は状態推定部24の処理であり、この状態推定部24は、事後確率分布に基づいて状態推定値を求める。例えば、事後確率分布を表す各パーティクルの状態に対して、上記で各々求めた尤度による重みづけ平均を行って、状態推定値を求める。
次のステップ710では、現在の処理が初期状態に基づく初期の処理であるか、事前確率分布予測処理で予測された事前確率分布を用いた処理であるかを判別する。
ここでは、初期状態に基づく初期の処理であり、次のステップ712の処理を行う。
次のステップ712では、ステップ708での状態推定部24の処理により求められた状態推定値を、状態履歴蓄積部25において蓄積する。
次のステップ714では、ダイナミクスモデル化部21の時間的再現確率モデル化パラメータ推定部21aにより、状態履歴蓄積部25において蓄積された状態推定値に基づいて、時間的再現確率テーブルの推定及び更新が行われる。なお、このダイナミクスモデル化部21による処理の詳細は、図10〜図12を用いて後述する。
次のステップ716では、時間的再現確率推定部21c及び事前確率分布予測部22の処理であり、時間的再現確率テーブル及び状態履歴蓄積部25において蓄積された状態推定値に基づいて時間的再現確率を推定すると共に、状態履歴蓄積部25において蓄積された状態推定値に基づいて、追跡対象のτ時刻後の状態の事前確率分布を予測する。なお、このステップ716での時間的再現確率推定部21c及び事前確率分布予測部22の処理は、後述の図9を用いて説明する。
次のステップ718においては、追跡処理を終了するか否かを判定する。このステップ718での判定は、実際の観測として次フレームの画像が取得されているか否か、または、処理終了を指示する信号が入力されているか否か等により判定することができる。
ステップ718で肯定判定された場合には、処理を終了するが、追跡処理を終了しない場合には、ステップ704へ戻って、ステップ704〜718の処理を繰り返す。
なお、ステップ718で否定判定された後に、ステップ704へ移行した場合には、ステップ706の事後確率分布の推定に用いられる事前確率分布は、上記ステップ702の初期設定された事前確率分布ではなく、ステップ714で前時刻に予測された事前確率分布を用いる。
このようにステップ718で否定判定された後に、ステップ704へ移行した場合には、追跡処理となり、ステップ706の事後確率分布の推定に用いられる事前確率分布は、上記ステップ702の初期設定された事前確率分布ではなく、ステップ716で前時刻に予測された事前確率分布が用いられる。
このような対象追跡処理中には、本例の状態追跡装置20では、ステップ710でステップ720の処理に移り、ステップ720での非通常度判定処理を行う。
このステップ720での処理は、非通常度判定部27の処理であり、非通常度判定部27は、追跡対象の状態の非通常度を判定する。
すなわち、非通常度判定部27は、事前確率分布予測部22により予測された事前確率分布と、状態推定部24により推定された状態推定値とに基づいて、追跡対象の状態の非通常度を判定する。
この非通常度判定部27における処理は、図5を用いて説明した処理と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
次に、図9を参照して、ステップ716での事前確率分布予測部22の処理について説明する。
事前確率分布予測部22は、状態履歴蓄積部25に蓄積された状態履歴情報と、ダイナミクスモデル化部21により推定された時間的再現確率に基づいて、事前確率分布を表わすパーティクルの集合を取得することにより、事前確率分布を予測する。
パーティクルを識別する変数i=1〜Nについて以下の処理を繰り返す。なお、Nは、予め定められたパーティクルの数である。
ステップ902では、対象となる1つのパーティクルiに関して、ダイナミクスモデル化部21の時間的再現確率推定部21cによって、τ時刻後の状態についての各時刻の時間的再現確率を推定する。
なお、この時間的再現確率は、1次元の時間軸上に定義される関数であり、離散時間毎に得られる確率値を表わしている。時間的再現確率は、現在の状態と過去の各時刻の状態との類似度と、何時刻将来の状態を予測しているか、に基づいて推定される。また、このステップ902での時間的再現確率推定部21cの処理は、後述の図13を用いて説明する。
次のステップ904では、時間的再現確率に従ったランダムサンプリングによって、現在よりτ時刻後に再現される状態を持つ過去の時刻の何れかを決定する。以降の説明の都合上、ここで決定された時刻をjとする。
次のステップ906では、時刻jでの状態履歴蓄積部25に蓄積された状態履歴情報における状態x(j)を参照し、不確定性を考慮したノイズ成分を付加する。
なお、このノイズ成分は一般に、分散σ、平均0の正規分布に基づく乱数などが用いられる。分散σは予め定めておくか、あるいは、状態履歴として蓄積された過去の状態に基づいて定めることもできる。例えば、対象の移動速度によって過去の類似の状態を参照して決定することや、過去の状態をいくつかの期間にわけた中から1期間を選んで求めること等が考えられる。
以上の処理が、全てのi(パーティクル)について終わっていれば終了し、そうでなければ、iを1インクリメントし、次のパーティクルiに対するステップ902からの処理を繰り返す。
次に、図10〜図13を用いて、図6における時間的再現確率モデル化パラメータ推定部21a、時間的再現確率モデル化パラメータ記憶部21b、及び時間的再現確率推定部21cを含むダイナミクスモデル化部21の処理内容について説明する。
時間的再現確率モデル化パラメータ推定部21aでは、状態履歴蓄積部25から状態履歴情報を読み込み、状態履歴情報に基づいて、時間的再現確率をモデル化するためのパラメータとして、時間的再現確率テーブルの各要素を推定する。そして、推定結果を、時間的再現確率モデル化パラメータ記憶部21bに記録する。
図10に示すように、時間的再現確率モデル化パラメータ記憶部21bでは、時間的再現確率テーブル21dが記憶され、予測時間幅がτの場合に、過去の類似の状態の、k時刻先の状態が、τ時刻先の状態と最も類似する度合いが記録されている。
上記図10の例では、1時刻先(τ=1)を予測する場合、1時刻先(k=1)が最も類似する度合いが「10」、2時刻先(k=2)が最も類似する度合いが「5」、そして、N時刻先(k=N)が最も類似する度合いが「2」であったことを示している。
同様に、τ=2の場合には、k=5が「5」、k=2が「7」、k=Nが「3」で、また、τ=3の場合には、k=1が「3」、k=2が「6」、k=Nが「3」となっている。以降、c(τ,k)は、τ時刻先を予測した場合に、過去の類似した状態のk時刻後が最も類似する回数を表すものとする。
なお、「c’(τ,k)=c(τ,k)/Σ_k{c(τ,k)}」により、確率として表現しても構わないが、以降の説明では、時間的再現確率テーブル21dに、c(t,κ)が記憶されているものとして説明を行う。
時間的再現確率モデル化パラメータ推定部21aによる時間的再現確率テーブルを推定する処理としては、本例では第1,第2の2つの手法を用いる。
第1の手法では、時間的再現確率モデル化パラメータ推定部21aにおいて、まず、第1の時刻iにおける追跡対象の状態を示す状態情報と最も類似する状態情報が現れる、第1の時刻iより過去の第2の時刻jを求めると共に、第1の時刻iのτ時刻だけ将来における状態情報と最も類似する状態情報が現れるのが第2の時刻jから何時刻後であるかを求め、第2の時刻jからの経過時刻をkとし、c(τ,k)に1を加算する。kは、第1の時刻iのτ時刻だけ将来における状態情報と、時刻jからj+Mまでの中で最も類似する状態が表れる時刻とする。Mは予め定めた値とする。
次に、この処理を、状態履歴蓄積部25に蓄積された追跡対象の状態履歴情報の全ての時刻iに対して繰り返して、τ時刻に対して経過時刻kが求められた回数を計数する。
さらに、経過時刻kの回数の計数に至るまでの処理を、τ時刻を変化させて繰り返して、各経過時刻kの回数を、τ時刻毎に取得する。
そして、時間的再現確率モデル化パラメータ記憶部21bにおいて、時間的再現確率モデル化パラメータ推定部21aにより取得された各経過時刻kの回数を、τ時刻毎に対応付けた上記図10に例示する構成の時間的再現確率テーブル21dを生成して記憶する。
次に、この第1の手法の説明に関して、図11を用いて、時間的再現確率モデル化パラメータ推定部21aの処理を説明する。
時間的再現確率モデル化パラメータ推定部21aは、状態履歴蓄積部25に蓄積された状態履歴情報に基づいて、時間的再現確率モデル化パラメータを推定し、時間的再現確率モデル化パラメータ記憶部21bを介して記録する。
図11の説明では、以下の変数を説明に用いる。
τ:何時刻先の状態を予測するかを表すパラメータ
i,j:時刻を表すためのインデックス
x(i):時刻iにおける状態
τ=1(すなわち、1時刻だけ将来)の予測から、τ=2,・・・,Nについて、以下の処理を行う。ここで、Nは、何時刻先の状態まで予測するかの最大値であり、予め定めておく。ただし、長期先の予測は一般的に極めて困難であり、N=10程度で打ち切り、N>10については、全て同じ時間的再現確率モデル化パラメータを利用することも可能である。
履歴中の時刻i=0,・・・,Iについて、以下のステップ1102,1104,1106の処理を行う。ただし、「I」は状態履歴蓄積部25に蓄積されている状態履歴情報の最大時刻である。
ステップ1102では、時刻iの状態と最も類似する状態履歴を、過去の履歴j=0,・・・,i−Kから検索する。ただし、Kは直近のデータを検索対象から除外するためのパラメータであり、予め定めておく。
なお、検索する対象として、当該時刻の状態のみで比較しても構わないし、過去のn時刻分の状態情報の時系列を用いた検索をしても構わない。すなわち、時刻iの状態と、時刻jの状態との類似度Sim(i,j)は、以下の(1)式などにより表されるものとする。
以降の説明の都合上、ステップ1102で検索された最も類似した時刻を「J」とする。
ステップ1104では、時刻iのτ時刻将来の状態(x(i+τ))と最も類似する状態が現れるのが、Jの何時刻後であるか調べる。ただし、調べる対象はJの0時刻後からM時刻後までの範囲とする。Mは2N程度が良いと考えられる。ただし、必ずしも「2N」である必要はなく、あまり大きくならなければ良い。以降の説明の都合上、ステップ1104の処理結果を、「J’」とする。
ステップ1106では、時間的再現確率テーブル21dのc(τ,J’)をカウントアップして1つ大きくし、時間的再現確率テーブル21dを更新する。
最終時刻(i=I)まで終了しているか判定を行い、終了していなければ、iを1インクリメントして、次時刻iに対してステップ1102,1104,1106の処理を繰り返す。
最終時刻(i=I)まで終了していれば、予め定められた全てのτについて処理が行われているか判定を行い、終了していなければ、τを1インクリメントして、次のτについて、履歴中の時刻i=0,・・・,Iについてのステップ1102,1104,1106の処理を繰り返す。
第2の手法では、時間的再現確率モデル化パラメータ推定部21aにおいて、まず、第1の時刻iにおける追跡対象の状態を示す状態情報と、第1の時刻iより過去である第2の時刻jにおける追跡対象の状態を示す状態情報との類似度を求めると共に、第1の時刻iのτ時刻後における状態情報と最も類似する状態情報が第2の時刻jから何時刻後に現れるかを求め、第2の時刻jからの経過時刻をkとし、c(τ,k)に1を加算する。kは、第1の時刻iのτ時刻だけ将来における状態情報と、時刻jからj+Mまでの中で最も類似する状態が表れる時刻とする。Mは予め定めた値とする。
次に、この処理を、状態履歴蓄積部25に蓄積された追跡対象の状態履歴情報の全ての時刻i,jの全ての組み合わせに対して繰り返して、τ時刻に対する各経過時刻kのc(τ,k)を求める。
さらに、経過時刻kのカウントを求める各処理を、τ時刻を変化させて繰り返して、各経過時刻kのc(τ,k)を、τ時刻毎に取得する。
そして、時間的再現確率モデル化パラメータ記憶部21bにおいて、時間的再現確率モデル化パラメータ推定部21aにより取得された各経過時刻kのカウントを、τ時刻毎に対応付けた上記図10に例示する構成の時間的再現確率テーブル21dを生成して記憶する。
次に、この第2の手法の説明に関して、図12を用いて、時間的再現確率推定部21aの処理を説明する。
図12の説明においても、図11と同様に、以下の変数を説明に用いる。
τ:何時刻先の状態を予測するかを表すパラメータ
i,j:時刻を表すためのインデックス
x(i):時刻iにおける状態
そして、図11と同様に、τ=1(すなわち、1時刻だけ将来)の予測から、τ=2,・・・,Nについて、以下の処理を行う。ここで、Nは、何時刻先の状態まで予測するかの最大値であり、予め定めておく。ただし、長期先の予測は一般的に極めて困難であり、N=10程度で打ち切り、N>10については、全て同じ時間的再現確率モデル化パラメータを利用することも可能である。
履歴中の時刻i=0,・・・,Iについて、以下の処理を繰り返し行う。ただし、「I」は状態履歴蓄積部25に蓄積されている状態履歴情報の最大時刻である。
履歴中の時刻j=0,・・・,i−Kについて、以下のステップ1202,1204,1206の処理を行う。ただし、「K」は直近のデータを検索対象から除外するためのパラメータであり、予め定めておく。
ステップ1202では、時刻iの状態と、時刻jの状態との類似度を求める。ここで、2つの時刻における状態は、当該時刻の状態のみで比較しても構わないし、過去のn時刻分の情報を用いた検索をしても構わない。
すなわち、時刻iの状態と、時刻jの状態との類似度は、上記(1)式に従って計算される。
ステップ1204では、時刻iのτ時刻後の状態(x(i+τ))と最も類似する状態が、時刻jの何時刻後に現れるか調べ、その時刻を「J」とする。
ステップ1206では、時間的再現確率テーブル21dを、「c(τ,J)←c(τ,J)+Sim(i,j)」により更新する。
設定された全てのjについて行ったか否かを判定し、行われていなければ、jを1インクリメントして、次時刻jについてステップ1202,1204,1206の処理を繰り返す。
全てのjについて行っていれば、設定された全てのiについて行ったか否かを判定し、行われていなければ、iを1インクリメントして、次時刻iと各時刻jの組み合わせについてステップ1202,1204,1206の処理を繰り返す。
設定された全てのiについて行っていれば、設定された全てのτについて行ったか否かを判定し、行われていなければ、τを1インクリメントして、次のτと各時刻iと各時刻jとの組み合わせについてステップ1202,1204,1206の処理を繰り返す。
次に、図13〜図16を用いて、時間的再現確率推定部21cの処理について説明する。
時間的再現確率推定部21cでは、時間的再現確率モデル化パラメータ記憶部21bで記憶された、時間的再現確率テーブル21dと、状態履歴蓄積部25に蓄積された過去の状態履歴情報に基づいて、τ時刻後の事前確率分布予測に適した時間的再現確率の推定を行う。なお、τの値は、例えば、追跡処理のモードに応じて定められる。
図14に示すように、時間的再現確率推定部21cにおける時間的再現確率の推定の基本的な考え方は、現時刻Tの状態から時刻T+τの状態の事前分布を予測する際に、「過去の状態が再び現れる確率」に基づいた予測を行うものである。
図13の処理では、過去の時刻が再現する確率を求めている。すなわち、図15の下側に示すように、過去の時間軸上に、定義される確率分布を求めることとなる。
ここでは、図10の時間的再現確率記録テーブル21dにより定まる、「類似していた場合に、その後のどの時刻が類似するかの度合い」を用いる。例えば、図10の時間的再現確率記録テーブル21dでは、N時刻先までの情報が生成されており、図16の下側において矢印部分で示すように、tからt+Nまで、類似度によって当該度合いを重み付けしながら、各時刻tの時間的再現確率に足し合わせていく。
図13に示すように、対象のパーティクルについて、現在時刻をTとして、時刻「t=1」から「t=T−1」全てについて以下のステップ1302,1304の処理を繰り返す。
ステップ1302では、対象のパーティクルの現在の状態x(T)と、状態推定値の履歴x(t)との類似度を調べる。ただし、複数時刻分の状態の時系列を考慮した類似度を求めても良い。
ステップ1304では、時刻tからt+Nについて、各時刻tの時間的再現確率を、c(τ,n)×類似度だけ大きくする。ただし時間的再現確率は初期状態で全て0となっているものとする。また、nは、tからの時間幅を表すものとする。
ステップ1306では、各時刻の時間的再現確率の総和が1となるように正規化を行う。これによって、上記ステップ902で、対象のパーティクルのτ時刻後の状態についての時間的再現確率が得られる。
以上、各図を用いて説明したように、本例の状態追跡装置20は、ダイナミクスモデル化部21において、時間と共に変化する追跡対象の状態を推定するためのパーティクルフィルタの事前確率分布予測にメモリベース予測を用いたメモリベースパーティクルフィルタにおける事前確率分布予測に用いる時間的再現確率を生成して出力する。
その際、ダイナミクスモデル化部21は、時間的再現確率モデル化パラメータ推定部21a、時間的再現確率モデル化パラメータ記憶部21b、及び時間的再現確率推定部21cを備えており、上記のようにして、時間的再現確率を生成して出力する。
これにより、時間と共に変化する追跡対象の状態を推定するためのパーティクルフィルタの事前確率分布予測にメモリベース予測を用いたメモリベースパーティクルフィルタにおける事前確率分布予測に用いる時間的再現確率を生成して出力する際に、追跡対象の追跡中にオンラインで取得して蓄積した状態履歴に基づいて時間的再現確率モデル化パラメータを時々刻々と更新することができ、追跡対象のダイナミクスを精度良く反映したダイナミクスモデルを得ることができる。
そして、このようなダイナミクスモデル化部21を備えた本例の状態追跡装置20では、追跡対象のダイナミクスを精度良く反映したダイナミクスモデルに基づき得られた時間的再現確率を用いて事前確率分布予測を行うことができるので、メモリベースパーティクルフィルタによる対象の追跡を高精度化することでできる。
さらに、本例の状態追跡装置20、及び図1に示す状態追跡装置10では、時間と共に変化する追跡対象の状態を時々刻々と推定する追跡対象の追跡中に、当該追跡対象の状態遷移の非通常状態の判定を高速に行うことができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、本実施の形態では、図6の状態追跡装置20においては、ダイナミクスモデル化部21を設けて、状態追跡装置20とダイナミクスモデル化部21の各々を同一のコンピュータで実現する場合について説明したが、個々のコンピュータで構成するようにしてもよい。
また、上述の状態追跡装置10、及び状態追跡装置20は、内部にコンピュータシステムを有しているが、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、本例においては、プログラムが予めインストールされている実施形態として説明したが、当該プログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。
なお、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能を、コンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
このように、本発明を実施する形態例を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
1,11 非通常度判定部
2,22 事前確率分布予測部
3,23 事後確率分布推定部
4,24 状態推定部
5,25 状態履歴蓄積部
6,26 観測取得部
10,20 状態追跡装置
21 ダイナミクスモデル化部
21a 時間的再現確率モデル化パラメータ推定部
21b 時間的再現確率モデル化パラメータ記憶部
21c 時間的再現確率推定部
21d 時間的再現確率テーブル

Claims (5)

  1. 追跡対象の状態を表わす状態情報を各時刻について蓄積した状態履歴情報を記憶した状態履歴蓄積手段と、
    前記状態履歴蓄積手段に記憶された前記状態履歴情報に基づいて、現時刻よりτ時刻後の追跡対象の状態の事前確率分布を予測する事前確率分布予測手段と、
    前記追跡対象の観測を取得する取得手段と、
    前記事前確率分布予測手段によって予測された前記追跡対象の状態の事前確率分布を表す複数のパーティクル各々が示す状態から推定される観測の、前記取得手段により取得された観測に対する尤もらしさを示す尤度各々と、前記事前確率分布とに基づいて、前記追跡対象の状態の事後確率分布を推定する事後確率分布推定手段と、
    前記事後確率分布推定手段で推定された事後確率分布に基づいて前記追跡対象の状態推定値を推定して、前記推定した前記追跡対象の状態を表わす前記状態情報を前記状態履歴蓄積手段に格納する状態推定手段と、
    前記事前確率分布予測手段により予測された事前確率分布を表す複数のパーティクルのうちの所定のパーティクルの状態と前記状態推定手段により推定された状態推定値との距離に基づいて、前記追跡対象の状態の非通常度を判定する非通常度判定手段と、
    を備えた状態追跡装置。
  2. 追跡対象の状態を表わす状態情報が各時刻について蓄積された状態履歴情報に基づいて、現時刻より前の各時刻の状態が、現時刻のτ時刻後の追跡対象の状態として再現される確率を表わす時間的再現確率を推定する時間的再現確率推定手段と、
    前記時間的再現確率推定手段から出力される前記時間的再現確率と前記状態履歴情報とに基づいて、現時刻よりτ時刻後の追跡対象の状態の事前確率分布を予測する事前確率分布予測手段と、
    前記追跡対象の観測を取得する取得手段と、
    前記事前確率分布予測手段によって予測された前記追跡対象の状態の事前確率分布を表す複数のパーティクル各々が示す状態から推定される観測の、前記取得手段により取得された観測に対する尤もらしさを示す尤度各々と、前記事前確率分布とに基づいて、前記追跡対象の状態の事後確率分布を推定する事後確率分布推定手段と、
    前記事後確率分布推定手段で推定された事後確率分布に基づいて前記追跡対象の状態推定値を推定する状態推定手段と、
    前記状態推定手段で推定された各時刻における状態推定値を蓄積した前記状態履歴情報を記憶した状態履歴蓄積手段と、
    前記事前確率分布予測手段により予測された事前確率分布を表す複数のパーティクルのうちの所定のパーティクルの状態と前記状態推定手段により推定された状態推定値との距離に基づいて、前記追跡対象の状態の非通常度を判定する非通常度判定手段と、
    を備えた状態追跡装置。
  3. 追跡対象の状態を表わす状態情報を各時刻について蓄積した状態履歴情報を状態履歴蓄積装置に記憶する状態履歴蓄積ステップと、
    前記状態履歴蓄積装置に記憶された前記状態履歴情報に基づいて、現時刻よりτ時刻後の追跡対象の状態の事前確率分布を予測する事前確率分布予測ステップと、
    前記追跡対象の観測を取得する取得ステップと、
    前記事前確率分布予測ステップによって予測された前記追跡対象の状態の事前確率分布を表す複数のパーティクル各々が示す状態から推定される観測の、前記取得ステップにより取得された観測に対する尤もらしさを示す尤度各々と、前記事前確率分布とに基づいて、前記追跡対象の状態の事後確率分布を推定する事後確率分布推定ステップと、
    前記事後確率分布推定ステップで推定された事後確率分布に基づいて前記追跡対象の状態推定値を推定して、前記推定した前記追跡対象の状態を表わす前記状態情報を前記状態履歴蓄積装置に格納する状態推定ステップと、
    前記事前確率分布予測ステップにより予測された事前確率分布を表す複数のパーティクルのうちの所定のパーティクルの状態と前記状態推定ステップにより推定された状態推定値との距離に基づいて、前記追跡対象の状態の非通常度を判定する非通常度判定ステップと、
    を含む状態追跡方法。
  4. 追跡対象の状態を表わす状態情報が各時刻について蓄積された状態履歴情報に基づいて、現時刻より前の各時刻の状態が、現時刻のτ時刻後の追跡対象の状態として再現される確率を表わす時間的再現確率を推定する時間的再現確率推定ステップと、
    前記時間的再現確率推定ステップで出力される前記時間的再現確率と前記状態履歴情報とに基づいて、現時刻よりτ時刻後の追跡対象の状態の事前確率分布を予測する事前確率分布予測ステップと、
    前記追跡対象の観測を取得する取得ステップと、
    前記事前確率分布予測ステップによって予測された前記追跡対象の状態の事前確率分布を表す複数のパーティクル各々が示す状態から推定される観測の、前記取得ステップにより取得された観測に対する尤もらしさを示す尤度各々と、前記事前確率分布とに基づいて、前記追跡対象の状態の事後確率分布を推定する事後確率分布推定ステップと、
    前記事後確率分布推定ステップで推定された事後確率分布に基づいて前記追跡対象の状態推定値を推定する状態推定ステップと、
    前記状態推定ステップで推定された各時刻における状態推定値を蓄積した前記状態履歴情報を状態履歴蓄積装置に記憶する状態履歴蓄積ステップと、
    前記事前確率分布予測ステップにより予測された事前確率分布を表す複数のパーティクルのうちの所定のパーティクルの状態と前記状態推定ステップにより推定された状態推定値との距離に基づいて、前記追跡対象の状態の非通常度を判定する非通常度判定ステップと、
    を含む状態追跡方法。
  5. コンピュータを、請求項1又は請求項2記載の状態追跡装置における各手段として機能させるためのプログラム。
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