JP2013199630A - 粘着剤組成物、粘着剤層および粘着シート - Google Patents

粘着剤組成物、粘着剤層および粘着シート Download PDF

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Abstract

【課題】濡れ性に優れた粘着剤組成物、粘着剤層及びそれを用いてなる粘着シートを提供する。
【解決手段】アクリル系ポリマー(A)と分子量が200〜1000のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)とを含有し、該ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)の含有量が、該アクリル系ポリマー(A)100重量部に対し0.1重量部〜100重量部である、粘着剤組成物、かかる粘着剤組成物からなる粘着剤層、および粘着剤層を基材上に形成してなる粘着シートを提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、濡れ性に優れた粘着シート、およびこれに用いられる粘着剤層、粘着剤組成物に関する。
粘着シートは、プラスチックフィルムや紙等の基材上にゲル状の柔らかい粘着剤層を有しており、粘着剤層は固体でありながら被着体に対して濡れることにより接着力を発揮する。すなわち粘着剤層は被着体に対し十分に濡れることが要求される。その一方で、粘着剤層には剥離に抵抗する程度の凝集力(固さ)が必要となる。したがって、粘着シートは相反する特性としての濡れ性と凝集力とを考慮して設計される。
このため一般に粘着シートは、被着体に貼り合わせる際には加圧され、場合によっては加熱した状態で加圧され、被着体に対し十分密着するよう施工される。このように施工に際し加圧や加熱が可能な場合には、粘着テープの濡れ性が劣るものであっても使用は可能であるが、被着体が微小な部品であったり、加熱に対して不具合が発生するような場合は、そのような施工は困難となる。
また被着体に対する濡れ性が問題となる場合として、被着体と粘着シートとの間に気泡が入ることが考えられる。例えば装飾用のフィルムを貼り合わせる際に、気泡が残ることを防ぐため、粘着剤層に凸状の突起を設けたり、凹状の筋を形成し、気泡を逃がすことが知られているが、これらは粘着シートの濡れ性を本質的に改善するものではない。
粘着シートの濡れ性を改善する方法として、粘着剤層を構成するアクリル系ポリマーを、アルキレンオキサイドを側鎖に有するグラフトポリマー構造とすることが知られている。すなわち特許文献1には、(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド付加物51〜100重量%、及び前記以外の(メタ)アクリル系モノマー0〜49重量%、並びにその他の重合性モノマー0〜49重量%を単量体成分とする(メタ)アクリル系(共)重合体と、架橋剤とを含有してなる粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層を、支持フィルム上に形成してなる表面保護フィルムが開示されている。また特許文献2には、架橋剤が配合されて使用され、粘着剤ポリマーを含む溶剤型再剥離用粘着剤組成物であって、この粘着剤ポリマーが、ガラス転移温度が0℃以上のポリマー構造と、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(A)、アルキレンオキサイド鎖および/または長鎖アルキル基を含有する長鎖部含有モノマー(B)および官能基含有モノマー(C)を必須成分として含み、必要によりその他のモノマー(D)を含む原料モノマー成分から合成されたポリマー構造とを有するグラフトおよび/またはブロックポリマーであることを特徴とする溶剤型再剥離用粘着剤組成物から得られた粘着剤層が、支持基材の少なくとも片面に形成されている再剥離用粘着製品が開示されている。
しかしながら特許文献2に記載の発明においては、4cm×4cmの狭い範囲の接着面性であっても全体がなじむまでに20秒以上を要し、十分な濡れ性を有するものではなかった。
特開2005−200540号公報 特開2009−227737号公報
そこで、本発明の目的は、従来のアクリル系粘着剤における問題点を解消すべく、濡れ性に優れた粘着剤組成物、粘着剤層及びそれを用いてなる粘着シートを提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意検討した結果、アクリル系ポリマーと分子量が200〜1000のポリオキシアルキレンアルキルエーテルとを含有し、該ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの含有量が該アクリル系ポリマー100重量部に対し0.1重量部〜100重量部である粘着剤組成物からなる粘着剤層を基材上に形成してなる粘着シートにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を解決するに至った。
すなわち本発明において粘着剤の濡れ性を向上できる理由は、分子量が200〜1000のポリオキシアルキレンアルキルエーテルを特定量配合することによる。本発明においてポリオキシアルキレンアルキルエーテルを配合することは、エーテル結合の回転エネルギーが低いため分子の回転自由度が高いことと、末端基の極性が低いという理由により濡れ性の向上に寄与していると考えられる。ここで両末端が水酸基のポリオキシアルキレンでは濡れ性の十分な向上は達成されないが、これは水酸基の表面自由エネルギーが高いためであると考えられる。また本発明においてはポリオキシアルキレンの少なくとも片方の末端にアルキル基が結合した構成である必要がある。これは例えば芳香族系の置換基(フェニル基やメチルフェニル基)であってはならない。この理由は芳香族系の置換基は立体障害が大きいため、分子の回転の自由度が低くなってしまうためと考えられる。さらにポリオキシアルキレンアルキルエーテルの分子量は200〜1000である必要がある。分子量が高すぎると凝固点(流動点)が高くなるため、分子の回転の自由度が低くなってしまうため濡れ性を向上させることが困難となると考えられる。
本発明は、アクリル系ポリマー(A)と分子量が200〜1000のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)とを含有し、該ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)の含有量が該アクリル系ポリマー(A)100重量部に対し0.1重量部〜100重量部である粘着剤組成物を提供する。
特に本発明の粘着剤組成物においては、前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)が、ポリオキシプロピレンアルキルエーテルであることが好適である。また前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)を構成するアルキル基が、メチル基、エチル基、ブチル基または2−エチルヘキシル基であることが好適である。
また本発明は、前記アクリル系ポリマー(A)が、少なくとも炭素数4〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート80重量%〜99.9重量%及び官能基含有モノマー0.1重量%〜20重量%を単量体成分としてなることを特徴とする、前記粘着剤組成物を提供する。
また本発明は、前記アクリル系ポリマー(A)100重量部に対し、架橋剤(C)を1重量部〜10重量部含有することを特徴とする、前記粘着剤組成物を提供する。特に前記架橋剤(C)がイソシアネート系架橋剤であることが好適である。
また本発明は、前記粘着剤組成物からなる粘着剤層、および当該粘着剤層を基材上に形成してなる粘着シートを提供する。
本発明の粘着剤組成物、粘着剤層および粘着シートは、従来のアクリル系粘着シートに比べ濡れ性に優れる。このため本発明の粘着シートは、被着体に貼り合わせる際に特に加圧しなくとも被着体に対し十分密着し、気泡等の噛み込みを十分に防止し得る。従って各種粘着シートとして利用が可能である。
図1は実施例における濡れ性の評価方法を説明する概略図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の粘着剤組成物は、アクリル系ポリマー(A)100重量部に対し、分子量が200〜1000のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)0.1重量部〜100重量部を含有する。
(アクリル系ポリマー(A))
本発明においてアクリル系ポリマー(A)は、アクリル系モノマーを含む単量体成分から重合されたものであれば特に限定されず、通常粘着剤組成物に用いられるアクリル系ポリマーを使用することが出来る。このようなアクリル系ポリマー(A)としては、粘着性や凝集性、その他の粘着特性のバランスがとりやすいことから、少なくとも炭素数4〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート80重量%〜99.9重量%及び官能基含有モノマー0.1重量%〜20重量%を単量体成分として含むことが好ましい。
アクリル系ポリマー(A)を構成する炭素数4〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
炭素数4〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの含有割合は、全単量体成分中、80重量%〜99.9重量%であることが好ましく、90重量%〜99重量%であることがより好ましい。
アクリル系ポリマー(A)を構成する官能基含有モノマーは、アクリル系ポリマーに極性や反応性を付与したり、後述する架橋剤と反応して架橋構造の形成に寄与するものであり、例えばカルボキシル基や水酸基等の官能基を含有する官能基含有モノマーを挙げることができる。
官能基含有モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のカルボキシル基含有モノマー;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、[4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]メチルアクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー;を挙げることができる。
また本発明においては、官能基含有モノマーとして、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、N−(1−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、N−(1−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、N−(2−ヒドロキシブチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシブチル)メタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシブチル)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシブチル)メタクリルアミド、N−(4−ヒドロキシブチル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシブチル)メタクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド;
グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有するモノマー、
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルカルボン酸アミド等のアミド基を有するモノマー;
アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有するモノマー;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基を有するモノマー;
ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリレート、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、アリルアセトアセテート、ビニルアセトアセテート等のケト基を有するモノマー;
2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有モノマー;を挙げることができる。これらの官能基含有モノマーは単独で用いても良いし組み合わせて用いることもできる。
官能基含有モノマーの含有量は、全単量体成分中0.1重量%〜20重量%であることが好ましく、1重量%〜10重量%であることがより好ましい。官能基含有モノマーの含有量が0.1重量%未満であると、その添加効果を得難くなり、例えば架橋形成が不十分となり、粘着剤組成物の凝集力が得られず、物品の固定時に粘着シートがズレたり、粘着シートを剥がす際に糊残りを生じる場合がある。一方、官能基含有モノマーの含有割合が20重量%を超えると、アクリル系ポリマーの凝集力が大きくなるため流動性が低下し、濡れ性が低下する場合がある。
本発明においてアクリル系ポリマー(A)を構成する単量体成分には、その他、アクリル系ポリマー(A)のガラス転移点や接着性を調整するための共重合性モノマー等を、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。このような共重合性モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート等の炭素数が4未満のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;
スチレン、置換スチレン(α−メチルスチレン等)、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチルジ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式炭化水素(メタ)アクリレート;
フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートベンジル(メタ)アクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート;
エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレン等のオレフィン系モノマー;
塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン原子含有モノマー;
メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有モノマー;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマー;
N−ビニル−2−ピロリドン、N−(1−メチルビニル)ピロリドン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール、N−ビニルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の複素環を有するモノマー;等を挙げることができる。
本発明においては、共重合性モノマーとして、一分子内に複数の官能基を有するモノマーを、単独で、あるいは二種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。かかる多官能モノマーは、粘着剤の耐熱性や凝集性の向上に役立ち得る。多官能モノマーの具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のモノまたはポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
共重合性モノマーとして、アルコキシシリル基を有するモノマーを、単独で、あるいは二種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。かかるアルコキシシリル基含有モノマーは、粘着剤の耐熱性や凝集性の向上に役立ち得る。アルコキシシリル基含有モノマーの具体例としては、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシアルキルシラン誘導体が挙げられる。
このような共重合性モノマーは、単独で、または二種以上を適宜組み合わせて用いることができる。例えば、全単量体成分中、20重量%以下の範囲(0重量%〜20重量%)で共重合性モノマーを用いることができ、通常は15重量%以下(0重量%〜15重量%)であり、10重量%以下(0重量%〜10重量%)とすることが好ましい。共重合性モノマーを用いる場合における使用量の下限は特に限定されず、該モノマーの使用目的が達成できる量であればよい。通常は、共重合性モノマーの使用量を、全単量体成分中0.001重量%以上とすることが適当である。
本発明に用いられるアクリル系ポリマー(A)は、前記単量体成分を溶液重合、塊状重合、乳化重合、各種ラジカル重合等の公知の重合方法により重合することで製造することができる。また、得られるアクリル系ポリマーは、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれでもよい。
なお、溶液重合においては、重合溶媒として、例えば、酢酸エチル、トルエン等が用いられる。重合溶媒は、これらを混合して用いても良い。具体的な溶液重合例としては、反応は窒素等の不活性ガス気流下で、重合開始剤を加え、通常、50℃〜70℃程度で、2時間以上(例えば、5時間〜30時間程度)の反応条件で行われる。
ラジカル重合に用いられる重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤等は特に限定されず適宜選択して使用することができる。なお、後述するアクリル系ポリマーの重量平均分子量は、重合開始剤、連鎖移動剤の使用量、反応条件により制御可能であり、これらの種類に応じて適宜その使用量が調整される。
重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(和光純薬社製、VA−057)等のアゾ系開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジラウロイルパーオキシド、ジ−n−オクタノイルパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキシド、ジベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキシド、過酸化水素等の過酸化物系開始剤、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムの組み合わせ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムの組み合わせ等の過酸化物と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
前記重合開始剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は全単量体成分100重量部に対して、0.005重量部〜1重量部程度であることが好ましく、0.02重量部〜0.5重量部程度であることがより好ましい。
連鎖移動剤としては、例えば、ラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグルコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール等が挙げられる。連鎖移動剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は全単量体成分100重量部に対して、0.1重量部程度以下である。
また、乳化重合する場合に用いる乳化剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のアニオン系乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー等のノニオン系乳化剤等が挙げられる。これらの乳化剤は、単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
さらに、反応性乳化剤として、プロペニル基、アリルエーテル基等のラジカル重合性官能基が導入された乳化剤が挙げられる。具体的には、例えば、アクアロンHS−10、HS−20、KH−10、BC−05、BC−10、BC−20(以上、いずれも第一工業製薬社製)、アデカリアソープSE10N(ADEKA社製)等が挙げられる。反応性乳化剤は、重合後にポリマー鎖に取り込まれるため、耐水性がよくなり好ましい。乳化剤の使用量は、モノマー成分の全量100重量部に対して、0.3重量部〜5重量部、重合安定性や機械的安定性から0.5重量部〜1重量部がより好ましい。なお、後述のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)に相当する乳化剤を用いて重合を行う場合、得られるポリマー溶液を用いて調製される粘着剤組成物中に含まれる該乳化剤はポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)とみなす。
このようにして得られるアクリル系ポリマー(A)は、その重量平均分子量が5万〜200万、好ましくは10万〜150万、さらに好ましくは30万〜100万であることが望ましい。重量平均分子量が5万未満の場合は、粘着剤組成物の凝集力が小さくなることにより接着固定時にズレを生じたり、剥離時に糊残りを生じる傾向がある。一方、重量平均分子量が200万を超える場合は、ポリマーの流動性が低下し、濡れ性が低下する傾向がある。なお重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定し、ポリスチレン換算により算出することができる。
(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B))
本発明において用いることのできるポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、ポリオキシアルキレンの末端水酸基の片方あるいは両方がアルキル基とエーテル結合を形成している化合物であり、下記一般式(1)または(2)として表わすことができる。
−O−(RO)−H (1)
−O−(RO)−R (2)
ここで一般式(1)はポリオキシアルキレンの一方の末端の水酸基にエーテル結合によりアルキル基Rを導入したポリオキシアルキレンアルキルエーテル(ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルと称する)であり、一般式(2)はポリオキシアルキレンの両末端の水酸基にエーテル結合によりアルキル基RおよびRを導入したポリオキシアルキレンアルキルエーテル(ポリオキシアルキレンジアルキルエーテルと称する)である。
前記一般式(1)および(2)において、RおよびRはC〜C20の脂肪族系炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基等を挙げることが出来る。本発明においてRおよびRは、メチル基、エチル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基であることが好ましい。また前記一般式(2)においては、RおよびRは同一のアルキル基であっても良いし、異なるアルキル基であっても良いが、好ましくはRはメチル基であり、Rはメチル基である。
また前記一般式(1)および(2)において、Rは好ましくはC〜Cのアルキレン基であって、例えばエチレン基(−CHCH−)、プロピレン基(−CHCH(CH)−)、ブチレン基(−CHCH(CHCH)−)、テトラメチレン基(−CHCHCHCH−)等を挙げることが出来る。またRは一種類のアルキレン基であってもよく、二種以上のアルキレン基であってもよい。すなわち、前記一般式(1)および(2)において、(RO)は二種以上のオキシアルキレン基のブロック共重合またはランダム共重合体であってもよい。本発明においてRは、特に凝固点(流動点)が低く、親油性が高い(表面自由エネルギーが低い)という点でプロピレン基であることが好ましい。
また前記一般式(1)および(2)において、nはオキシアルキレン(RO)単位の付加モル数を表わす。本発明において付加モル数nは2〜22、好ましくは3〜18であることが望ましい。オキシアルキレン単位の付加モル数nが2〜22であればポリオキシアルキレンアルキルエーテルは一般的な使用温度(25℃)では液体であるため、濡れ性が良好であるという利点がある。一方付加モル数nが2未満であると沸点が低くなり粘着剤形成時に有機溶剤と蒸発してしまい、安定して濡れ性を発現させることが難しくなる場合があり、付加モル数nが22を超えるとポリオキシアルキレンアルキルエーテルは一般的な使用温度(25℃)では通常固体であり、分子の回転の自由度が低くなってしまうため濡れ性に劣る場合がある。
本発明においてポリオキシアルキレンアルキルエーテルの分子量は200〜1000であり、好ましくは250〜950であり、更に好ましくは300〜900である。分子量が200〜1000の範囲内であればポリオキシアルキレンアルキルエーテルは一般的な使用温度(25℃)では液体であるため、濡れ性が良好であるという利点がある。一方、分子量が200未満であるとポリオキシアルキレンアルキルエーテルは沸点が低くなり粘着剤形成時に有機溶剤と蒸発してしまい、安定して濡れ性を発現させることが難しくなる場合があり、分子量が1000を超えるとポリオキシアルキレンアルキルエーテルは一般的な使用温度(25℃)では通常固体であり、分子の回転の自由度が低くなってしまうため濡れ性に劣る場合がある。
なお本発明においてポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)の分子量とは、個々の分子構造由来の分子量である。また市販品等でオキシアルキレンの付加モル数が複数のものの混合物の場合、数平均分子量をそのものの分子量とする。数平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定し、ポリスチレン換算により算出することができる。
本発明において用いることのできるポリオキシアルキレンアルキルエーテルの具体例としては、
ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとして、ポリオキシエチレンモノメチルエーテル、ポリオキシエチレンモノエチルエーテル、ポリオキシエチレンモノブチルエーテル、ポリオキシエチレンモノ2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシプロピレンモノメチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノエチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノ2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシブチレンモノメチルエーテル、ポリオキシブチレンモノエチルエーテル、ポリオキシブチレンモノブチルエーテル、ポリオキシブチレンモノ2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシテトラメチレンモノメチルエーテル、ポリオキシテトラメチレンモノエチルエーテル、ポリオキシテトラメチレンモノブチルエーテル、ポリオキシテトラメチレンモノ2−エチルヘキシルエーテル等;
ポリオキシアルキレンジアルキルエーテルとして、ポリオキシエチレンジメチルエーテル、ポリオキシエチレンジエチルエーテル、ポリオキシエチレンジブチルエーテル、ポリオキシエチレンジ2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシプロピレンジメチルエーテル、ポリオキシプロピレンジエチルエーテル、ポリオキシプロピレンジブチルエーテル、ポリオキシプロピレンジ2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシブチレンジメチルエーテル、ポリオキシブチレンジエチルエーテル、ポリオキシブチレンジブチルエーテル、ポリオキシブチレンジ2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシテトラメチレンジメチルエーテル、ポリオキシテトラメチレンジエチルエーテル、ポリオキシテトラメチレンジブチルエーテル、ポリオキシテトラメチレンジ2−エチルヘキシルエーテル等を挙げることができる。
この他、本発明においては、2種類以上のオキシアルキレン単位を有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルを用いることができる。2種類以上のオキシアルキレン単位を有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルの具体例としては、例えばポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンモノアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンジアルキルエーテル等を挙げることができる。2種以上のオキシアルキレン単位を有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルを用いる場合における付加モル数nは、その合計をそのものの付加モル数とする。
本発明においては、これらのポリオキシアルキレンアルキルエーテルを単独で用いても良いし組み合わせて用いることもできる。
本発明において用いることのできるポリオキシアルキレンアルキルエーテルの具体例としては、日油社製の商品名「ユニオックスM−400」(数平均分子量400のポリオキシエチレンモノメチルエーテル)、同「ユニオックスM−550」(数平均分子量500のポリオキシエチレンモノメチルエーテル)、同「ユニオックスMM−550」(数平均分子量550のポリオキシエチレンジメチルエーテル);花王社製の商品名「スマックMP−70」(分子量439のポリオキシプロピレンモノメチルエーテル)、同「スマックMP−40」(分子量264のポリオキシプロピレンモノメチルエーテル);ライオン社製の商品名「レオコン1015H」(分子量800のポリオキシプロピレンモノ2−エチルヘキシルエーテル)、同「レオコン1015B」(分子量950のポリオキシプロピレンモノブチルエーテル); 三洋化成社製の商品名「ニューポール50HB−260」(数平均分子量880のポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーのモノメチルエーテル)、同「ニューポール50HB−55」(数平均分子量240のポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーのモノメチルエーテル);青木油脂工業社製の商品名「FINESURF NDB−800」(分子量(T.M.W)450のポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーのモノデシルエーテル)、同「FINESURF NDB−1000」(分子量(T.M.W)550のポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーのモノデシルエーテル)、同「FINESURF NDB−1400」(分子量(T.M.W)700のポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーのモノデシルエーテル);等を挙げることができる。
本発明の粘着剤組成物においては、アクリル系ポリマー(A)100重量部に対し、分子量が200〜1000のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)を0.1重量部〜100重量部含有することを特徴とし、好ましくは0.3重量部〜90重量部であり、更に好ましくは0.5重量部〜80重量部である。ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)の含有量が0.1重量部〜100重量部の範囲内であれば、粘着剤の濡れ性を向上させることができる。一方、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)の含有量が0.1重量部未満であると粘着剤表面に存在できるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)の割合が減るために所望の濡れ性を得ることが困難になり、100重量部を超えると液体であるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)を粘着剤組成物に入れた場合に粘度が低くなってしまい塗工性が悪くなる。
(架橋剤(C))
その他、本発明の粘着剤組成物は、架橋剤(C)を含んでいても良い。
本発明に用いられる架橋剤(C)としては、イソシアネート化合物、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、アジリジン誘導体、および金属キレート化合物等が用いられる。
本発明における架橋剤(C)としては、アクリル系ポリマーとの反応で架橋形成によって、適度な凝集力を得る観点から、イソシアネート系架橋剤を用いるのが好ましい。
架橋剤(C)として用いられるイソシアネート系架橋剤とは、イソシアネート基(イソシアネート基をブロック剤または数量体化等により一時的に保護したイソシアネート再生型官能基を含む)を1分子中に2つ以上有する化合物をいう。
イソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート等が挙げられる。
より具体的には、例えば、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の低級脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート類、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、商品名コロネートL)、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、商品名コロネートHL)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(日本ポリウレタン工業社製、商品名コロネートHX)等のイソシアネート付加物、ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネート、ならびにこれらと各種のポリオールとの付加物、イソシアヌレート結合、ビューレット結合、アロファネート結合等で多官能化したポリイソシアネート等を挙げることができる。これらのうち、脂肪族イソシアネートを用いることが、反応速度および濡れ性の観点から好ましい。
また、エポキシ系樹脂としてはN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンや1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエステルアクリレート、スピログリコールジグリシジルエーテル等、メラミン系樹脂としてはヘキサメチロールメラミン等が挙げられる。アジリジン誘導体としては、例えば市販品としての相互薬工社製、商品名HDU、商品名TAZM、商品名TAZO等が挙げられる。また、金属キレート化合物としては、金属成分としてアルミニウム、鉄、スズ、チタン、ニッケル等、キレート成分としてアセチレン、アセト酢酸メチル、乳酸エチル等が挙げられる。
本発明に用いられる架橋剤(C)の含有量は、アクリル系ポリマー(A)100重量部に対し、1重量部〜10重量部であることが好ましく、2重量部〜6重量部であることがより好ましい。含有量が1重量部よりも少ない場合、架橋剤による架橋形成が不十分となり、粘着剤組成物の凝集力が小さくなる傾向がある。一方、含有量が10重量部を超える場合、ポリマーの凝集力が大きく流動性が低下し、濡れ性が不十分となる傾向がある。
本発明の粘着剤組成物には、その効果を損なわない範囲内であればその他の添加剤を含有していてもよく、例えば、充填剤(無機充填剤、有機充填剤等)、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、界面活性剤、可塑剤、表面潤滑剤、レベリング剤、着色剤(顔料、染料等)等の各種添加剤が配合されていてもよい。
本発明の粘着剤層は、上記粘着剤組成物からなるものであり、粘着剤組成物中に架橋剤が含まれている場合は、架橋してなるものである。また本発明の粘着シートは、かかる粘着剤層を基材上に形成してなるものである。その際、粘着剤組成物の架橋は、粘着剤組成物の塗布後に行うのが一般的であるが、架橋後の粘着剤組成物からなる粘着剤層を支持フィルム等に転写することも可能である。
粘着剤層を形成する方法としては、例えば、基材に前記粘着剤組成物を塗布し、重合溶剤等を乾燥除去し、必要により架橋処理して粘着剤層を基材上に形成する方法、前記粘着剤組成物を剥離処理した剥離ライナー(例えばシリコーン処理した剥離フィルム)等に塗布し、重合溶剤等を乾燥除去し、必要により架橋処理して粘着剤層を形成した後に基材に転写する方法等により作製される。なお、粘着剤組成物の塗布にあたっては、適宜に、重合溶剤以外の一種以上の溶剤を新たに加えてもよい。
基材は、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等)製フィルム、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)製フィルム、塩化ビニル系樹脂製フィルム、酢酸ビニル系樹脂製フィルム、ポリイミド系樹脂製フィルム、ポリアミド系樹脂製フィルム、フッ素系樹脂製フィルム、その他セロハン類等のプラスチックフィルム類;和紙、クラフト紙、グラシン紙、上質紙、合成紙、トップコート紙等の紙類;各種の繊維状物質(天然繊維、半合成繊維または合成繊維のいずれでもよい。例えば、綿繊維、スフ、マニラ麻、パルプ、レーヨン、アセテート繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維等)の単独または混紡等による織布や不織布等の布類;天然ゴム、ブチルゴム等からなるゴムシート類;発泡ポリウレタン、発泡ポリクロロプレンゴム等の発泡体からなる発泡体シート類;アルミニウム箔、銅箔等の金属箔;これらの複合体;等を用いることができる。前記プラスチックフィルム類は、無延伸タイプであってもよく、延伸タイプ(一軸延伸タイプまたは二軸延伸タイプ)であってもよい。
なお、粘着剤層と基材間の密着性を向上させるため、基材の表面(特に、粘着剤層が設けられる側の表面)には、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、下塗り剤の塗布等の公知または慣用の表面処理が施されていてもよい。基材の厚さは目的に応じて適宜選択できるが、一般には凡そ10μm〜500μm、好ましくは凡そ10μm〜200μm程度である。
このように基材あるいは剥離ライナー上に本発明の粘着剤組成物を塗布、乾燥させて粘着剤層を形成する工程において、粘着剤組成物を乾燥させる方法としては、目的に応じて、適宜、適切な方法が採用され得る。好ましくは、上記塗布膜を加熱乾燥する方法が用いられる。加熱乾燥温度は、好ましくは40℃〜200℃であり、さらに好ましくは、50℃〜180℃であり、特に好ましくは70℃〜170℃である。加熱温度を上記の範囲とすることによって、優れた粘着特性を有する粘着剤層を得ることができる。
乾燥時間は、適宜、適切な時間が採用され得る。上記乾燥時間は、好ましくは5秒〜20分、さらに好ましくは5秒〜10分、特に好ましくは、10秒〜5分である。
粘着剤層の形成方法としては、各種方法が用いられる。具体的には、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーター等による押出しコート法等の方法が挙げられる。
粘着剤層の厚さは、特に制限されず、例えば、1μm〜100μm程度である。好ましくは、2μm〜50μm、より好ましくは2μm〜40μmであり、さらに好ましくは、5μm〜35μmである。
本発明の粘着シートは、上記した濡れ性の高い粘着剤層を設けており、従来のアクリル系粘着シートに比べ濡れ性に優れる。被着体への濡れ性は後述する実施例記載の方法により評価することができ、100mmの距離を10秒未満の時間で濡れ広がることが好ましく、より好ましくは7秒以下、更に好ましくは5秒以下である。濡れ時間が10秒未満であれば、被着体に貼り合わせる際に特に加圧しなくとも被着体に対し十分密着し、実質的に気泡等を噛み込むことが無い。
また本発明の粘着シートは、アクリル板やガラス板に対する接着力が0.02N/250mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.05N/250mm以上、更に好ましくは0.10N/250mm以上である(通常2.00N/250mm以下)。
本発明は、得られる粘着剤層が濡れ性に優れるため、各種の粘着シート、例えば電気絶縁用粘着シート、両面用粘着シート、表面保護用粘着シート、マスキング用テープ、再剥離型ラベル等の分野において有用である。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
<重量平均分子量の測定>
作製したポリマーの重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定し、ポリスチレン換算により算出した。
装置:東ソー社製、HLC−8220GPC
カラム:東ソー社製、TSKgel Super HZM−H、H−RC、HZ−H
流量:0.6ml /min、注入量:20μl、カラム温度:40℃、
溶離液:THF、注入試料濃度:0.1重量%
<濡れ性の評価>
試験片:25mm×100mm
被着体:ガラス板(松浪硝子工業社製、商品名:青板切放品(縁磨)100mm×100mm×1.35mm)
測定回数:3回
測定環境:(温度23℃、湿度50%RH)
(1)図1に、濡れ性の測定におけるガラス板と試験片との貼り合わせ前の状態を示す。図1のように、試験片(粘着シート)の粘着剤層面の一部をガラス板に接触させた状態で、角度を20°〜30°にした。
(2)次に、試験片から手を離し、自重のみで貼り合わせ、手を離したと同時に粘着剤層がガラス板の端まで(100mmの距離)濡れ広がる時間を記録した。3回測定した平均値を濡れ時間とし、濡れ時間が10秒未満を合格とした。
<接着力の測定>
作製したそれぞれの粘着シートを幅250mm、長さ150mmのサイズにカットし、イソプロピルアルコールを染み込ませたクリーンウェスで10往復擦って洗浄した清浄なアクリル板(三菱レイヨン社製、商品名:アクリライトL)および前記ガラス板に、2kgのローラを転がして一往復する方法で圧着して接着力評価用サンプルとした。この評価サンプルを、23℃×50%RHの測定環境下に30分放置後、引張試験機を用いて引張速度300mm/分、剥離角度180°の条件で接着力[N/250mm]を測定した。
<アクリル系ポリマー(A)の調製>
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)96重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)4重量部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、溶媒として酢酸エチル178重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を60℃付近に保って約3時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー溶液を調製した。得られたアクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量は42万であった。
<アクリル系ポリマー(B)の調製>
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)96重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)4重量部、アクリル酸(AA)3重量部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、溶媒として酢酸エチル183重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を60℃付近に保って約3時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー溶液を調製した。得られたアクリル系ポリマー(B)の重量平均分子量は42万であった。
<アクリル系ポリマー(C)の調製>
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)96重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)4重量部、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)4重量部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、溶媒として酢酸エチル185重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を60℃付近に保って約3時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー溶液を調製した。得られたアクリル系ポリマー(C)の重量平均分子量は42万であった。
<アクリル系ポリマー(D)の調製>
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)96重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)4重量部、メタクリル酸メチル(MMA)3重量部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、溶媒として酢酸エチル183重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を60℃付近に保って約3時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー溶液を調製した。得られたアクリル系ポリマー(D)の重量平均分子量は42万であった。
<アクリル系ポリマー(E)の調製>
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)31重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)4重量部、アクリル酸エチル(EA)65重量部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、溶媒として酢酸エチル178重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を60℃付近に保って約3時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー溶液を調製した。得られたアクリル系ポリマー(E)の重量平均分子量は42万であった。
実施例1
上記アクリル系ポリマー(A)100重量部(固形分)を用い、分子量439であるポリオキシプロピレンモノメチルエーテル(花王社製、商品名「スマックMP−70」)を25重量部、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートHX」)4重量部、触媒としてジオクチルスズジラウレート(東京ファインケミカル社製、商品名「OL−1」)を0.015重量部、さらにトルエンで固形分濃度が29重量%になるよう希釈後、撹拌して粘着剤組成物溶液を得た。
厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムである東レ社製の「ルミラーS10」上に、前記粘着剤組成物溶液を塗布し、130℃で30秒間乾燥することにより溶剤を除去して粘着剤層(厚さ20μm)を形成した。その後、離型剤で表面処理した離型フィルムで覆い、50℃で1日間養生して粘着シートを得た。
実施例2
分子量439であるポリオキシプロピレンモノメチルエーテル(花王社製、商品名「スマックMP−70」)の配合量を10重量部とした以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
実施例3
分子量439であるポリオキシプロピレンモノメチルエーテル(花王社製、商品名「スマックMP−70」)の配合量を50重量部とした以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
実施例4
分子量439であるポリオキシプロピレンモノメチルエーテル(花王社製、商品名「スマックMP−70」)の配合量を75重量部とした以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
実施例5
分子量439であるポリオキシプロピレンモノメチルエーテル(花王社製、商品名「スマックMP−70」)25重量部の代わりに、分子量264のポリオキシプロピレンモノメチルエーテル(花王社製、商品名「スマックMP−40」)を75重量部配合した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
実施例6
分子量439であるポリオキシプロピレンモノメチルエーテル(花王社製、商品名「スマックMP−70」)25重量部の代わりに、分子量264のポリオキシプロピレンモノメチルエーテル(花王社製、商品名「スマックMP−40」)を1重量部配合した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
実施例7
分子量439であるポリオキシプロピレンモノメチルエーテル(花王社製、商品名「スマックMP−70」)25重量部の代わりに、分子量800のポリオキシプロピレンモノ2−エチルヘキシルエーテル(ライオン社製、商品名「レオコン1015H」)を25重量部配合した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
実施例8
分子量439であるポリオキシプロピレンモノメチルエーテル(花王社製、商品名「スマックMP−70」)25重量部の代わりに、数平均分子量400のポリオキシエチレンモノメチルエーテル(日油社製、商品名「ユニオックスM−400」)を25重量部配合した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
実施例9
分子量439であるポリオキシプロピレンモノメチルエーテル(花王社製、商品名「スマックMP−70」)25重量部の代わりに、数平均分子量880のポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーのモノメチルエーテル(三洋化成社製、商品名「ニューポール50HB−260」)を25重量部配合した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
実施例10
分子量439であるポリオキシプロピレンモノメチルエーテル(花王社製、商品名「スマックMP−70」)25重量部の代わりに、数平均分子量880の数平均分子量550のポリオキシエチレンジメチルエーテル(日油社製、商品名「ユニオックスMM−550」)を10重量部配合した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
実施例11
架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(C/HX)(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートHX」)4重量部の代わりに、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートL」)を4重量部配合した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
実施例12
アクリル系ポリマー(A)100重量部(固形分)の代わりに、アクリル系ポリマー(B)を100重量部(固形分)配合した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
実施例13
アクリル系ポリマー(A)100重量部(固形分)の代わりに、アクリル系ポリマー(C)を100重量部(固形分)配合した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
実施例14
アクリル系ポリマー(A)100重量部(固形分)の代わりに、アクリル系ポリマー(D)を100重量部(固形分)配合した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
実施例15
アクリル系ポリマー(A)100重量部(固形分)の代わりに、アクリル系ポリマー(E)を100重量部(固形分)配合した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
比較例1
分子量439であるポリオキシプロピレンモノメチルエーテル(花王社製、商品名「スマックMP−70」)25重量部の代わりに、両末端が水酸基である数平均分子量400のポリオキシプロピレン(三洋化成社製、商品名「サンニックスPP−400」)を1重量部配合した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
比較例2
分子量439であるポリオキシプロピレンモノメチルエーテル(花王社製、商品名「スマックMP−70」)25重量部の代わりに、両末端が水酸基である数平均分子量2000のポリオキシプロピレン(三洋化成社製、商品名「サンニックスPP−2000」)を10重量部配合した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
比較例3
分子量439であるポリオキシプロピレンモノメチルエーテル(花王社製、商品名「スマックMP−70」)25重量部の代わりに、分子量1900のポリオキシプロピレンモノブチルエーテル(青木油脂工業社製、商品名「BLAUNON BUP−1900」)を1重量部配合した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
比較例4
分子量439であるポリオキシプロピレンモノメチルエーテル(花王社製、商品名「スマックMP−70」)25重量部の代わりに、分子量3300のポリオキシプロピレンモノアルキルエーテル(旭硝子社製、商品名「PREMNOL S 1004F」)を1重量部配合した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
比較例5
分子量439であるポリオキシプロピレンモノメチルエーテル(花王社製、商品名「スマックMP−70」)25重量部の代わりに、分子量5000のポリオキシプロピレンモノアルキルエーテル(旭硝子社製、商品名「PREMNOL S 1005」)を25重量部配合した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
比較例6
分子量439であるポリオキシプロピレンモノメチルエーテル(花王社製、商品名「スマックMP−70」)25重量部の代わりに、分子量775のフェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート(日油社製、商品名「ブレンマー43PAPE−600B」)を3重量部配合した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
比較例7
分子量439であるポリオキシプロピレンモノメチルエーテル(花王社製、商品名「スマックMP−70」)25重量部の代わりに、両末端が水酸基である数平均分子量400のポリオキシエチレン(三洋化成社製、商品名「PEG−400」)を25重量部配合した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
比較例8
分子量439であるポリオキシプロピレンモノメチルエーテル(花王社製、商品名「スマックMP−70」)25重量部の代わりに、両末端が水酸基である数平均分子量2000のポリオキシエチレン(三洋化成社製、商品名「PEG−2000」)を10重量部配合した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
比較例9
分子量439であるポリオキシプロピレンモノメチルエーテル(花王社製、商品名「スマックMP−70」)25重量部の代わりに、分子量1400のポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーのモノ2−エチルヘキシルエーテル(ライオン社製、商品名「レオコン1020H」)を25重量部配合した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
実施例および比較例で作製した粘着シートについて、前記した評価方法により、濡れ性および接着性を評価した。結果を、表1、表2に示した。
Figure 2013199630
Figure 2013199630
上記表1〜表2において添加剤、架橋剤の略号は、以下の市販品を示す。
・MP−70:花王社製の商品名「スマックMP−70」(分子量439のポリオキシプロピレンモノメチルエーテル)
・MP−40:花王社製の商品名「スマックMP−40」(分子量264のポリオキシプロピレンモノメチルエーテル)
・1015H:ライオン社製の商品名「レオコン1015H」(分子量800のポリオキシプロピレンモノ2−エチルヘキシルエーテル)、
・M−400:日油社製の商品名「ユニオックスM−400」(数平均分子量400のポリオキシエチレンモノメチルエーテル)
・50HB−260:三洋化成社製の商品名「ニューポール50HB−260」(数平均分子量880のポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーのモノメチルエーテル)
・MM−500:日油社製の商品名「ユニオックスMM−550」(数平均分子量550のポリオキシエチレンジメチルエーテル)
・PP−400:三洋化成社製の商品名「サンニックスPP−400」(数平均分子量400のポリオキシプロピレン:両末端が水酸基)
・PP−2000:三洋化成社製の商品名「サンニックスPP−2000」(数平均分子量2000のポリオキシプロピレン:両末端が水酸基)
・BUP−1900:青木油脂工業社製の商品名「BLAUNON BUP−1900」(分子量(T.M.W)1900のポリオキシプロピレンモノブチルエーテル)、
・1004F:旭硝子社製の商品名「PREMNOL S 1004F」(分子量3300のポリオキシプロピレンモノアルキルエーテル)
・1005:旭硝子社製の商品名「PREMNOL S 1005」(分子量5000のポリオキシプロピレンモノアルキルエーテル)
・43PAPE:日油社製の商品名「ブレンマー43PAPE−600B」(分子量775のフェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート)・PEG−400:三洋化成社製の商品名「PEG−400」(数平均分子量400のポリオキシエチレン:両末端が水酸基)
・PEG−2000:三洋化成社製の商品名「PEG−2000」(数平均分子量2000のポリオキシエチレン:両末端が水酸基)
・1020H:ライオン社製の商品名「レオコン1020H」(分子量1400のポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーのモノ2−エチルヘキシルエーテル)
・C/HX:日本ポリウレタン工業社製の商品名「コロネートHX」(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体)
・C/L:日本ポリウレタン工業社製の商品名「コロネートL」(トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物)
以上の結果から、アクリル系ポリマー(A)〜(E)100重量部に対し、分子量が200〜1000のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)0.1〜100重量部を含有する粘着剤組成物を用いている実施例の粘着シートでは、良好な濡れ性が得られることが確認された。
一方比較例1,2,7,8はポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)として配合する添加剤の末端がアルキルエーテルではなく水酸基であって、濡れ性に劣る。また比較例2,3,4,5,8,9はポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)の分子量が1000を超えるものであり、濡れ性に劣る。さらに比較例6は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)として配合する添加剤の末端がアルキルエーテルではなくフェニル基(芳香族置換基)であって、濡れ性に劣ることが確認された。

Claims (8)

  1. アクリル系ポリマー(A)と分子量が200〜1000のポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)とを含有し、
    該ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)の含有量が、該アクリル系ポリマー(A)100重量部に対し0.1重量部〜100重量部である、粘着剤組成物。
  2. 前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)が、ポリオキシプロピレンアルキルエーテルであることを特徴とする、請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(B)を構成するアルキル基が、メチル基、エチル基、ブチル基または2−エチルヘキシル基であることを特徴とする、請求項1または2に記載の粘着剤組成物。
  4. 前記アクリル系ポリマー(A)が、少なくとも炭素数4〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート80重量%〜99.9重量%及び官能基含有モノマー0.1重量%〜20重量%を単量体成分としてなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
  5. 前記アクリル系ポリマー(A)100重量部に対し、架橋剤(C)を1重量部〜10重量部含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
  6. 前記架橋剤(C)がイソシアネート系架橋剤であることを特徴とする、請求項5に記載の粘着剤組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層。
  8. 請求項7に記載の粘着剤層を基材上に形成してなる粘着シート。
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