JP2013199450A - ジメチルシクロヘキセニルアルケノン - Google Patents

ジメチルシクロヘキセニルアルケノン Download PDF

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Abstract

【課題】香料として有用なハーブ様の香気を有し、かつ、他の香料と調合することで甘さを強調することが可能な化合物及びその化合物を含む香料組成物を提供すること。
【解決手段】式(I)で示されるジメチルシクロヘキセニルアルケノン及び該ジメチルシクロヘキセニルアルケノンを含む香料組成物。
【化1】
Figure 2013199450

(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2はメチル基又はエチル基を示す。化合物(I)の波線の結合は、シス型もしくはトランス型またはシス型とトランス型の混合物を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なジメチルシクロヘキセニルアルケノン、およびそれを含む香料組成物に関する。
香りは製品等の嗜好性や高級感、安心感、効果への期待感などを演出する重要な要素である。さらに特徴ある香りは製品識別効果、顧客吸引力を与える。一方、製品への賦香は、香りのバランスや持続性などを制御するために、複数の香料素材を混合した香料組成物を用いて行われるのが一般的である。香料組成物を構成する香料素材は他の香料素材との調和性がよいことが求められる。
シクロヘキセニル環と不飽和ケトン構造を有する香料素材としては、トリメチルシクロヘキセニルブテノンであるイオノン(α−イオノン、β−イオノン)、イリトン、イソダマスコン等が知られている。イオノン、イリトンはスミレ(バイオレット)様、イソダマスコンはバラ様の香気がある(非特許文献1)。その他に、非特許文献2には、特定のトリメチルシクロヘキセニルアルケノンが、バイオレット様の香調を有する香料として記載されている。一方、非特許文献3には、特定のジメチルシクロヘキセニルアルケノンが、植物の増殖促進剤として記載されている。また、ペリラ(シソ)様の香調を有する香料としては、ペリラアルデヒドが知られている(非特許文献1)。
Figure 2013199450
香料素材は、極めて大雑把には、構造が類似していれば類似の香調を有するが、例外も多く、特に複数の置換基を組み合わせて変化させた場合、その香調がどのように変化していくかは予測しがたく、また、他の香料素材との調和性も予測しがたいものである。
印藤元一著 合成香料 化学と商品知識 増補改訂版 2005年、301〜305ページ、190ページ Jitkow et al., Journal of the American Chemical Society 1941, 63, pp.1979-1984 Kugatova-Shemyakina, G. P., Vestnik Akademii Nauk SSSR 1965, 35(8), pp.40-44
本発明の課題は、ハーブ様の香気を有し、かつ、他の香料と調合することで甘さを強調することが可能な香料素材及びそれを含む香料組成物を提供することにある。
本発明者らは、特定構造のジメチルシクロヘキセニルアルケノンが、ハーブ様、特にペリラ様の香気を有し、かつ、他の香料と調合することで甘さを強調することが可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、式(I)で示されるジメチルシクロヘキセニルアルケノン(以下、「式(I)の化合物」と呼ぶことがある)である。
Figure 2013199450
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2はメチル基又はエチル基を示す。化合物(I)の波線の結合は、シス型もしくはトランス型またはシス型とトランス型の混合物を示す。)
また、本発明は、式(I)で表されるジメチルシクロヘキセニルアルケノンを含む香料組成物である。
本発明のジメチルシクロヘキセニルアルケノンは、香料として有用なハーブ様の香気を有する。また、本発明のジメチルシクロヘキセニルアルケノンは、他の香料と調合することで甘さを強調することが可能である。
[式(I)で示されるジメチルシクロヘキセニルアルケノン]
本発明のジメチルシクロヘキセニルアルケノンは、式(I)で示される構造を有する。
Figure 2013199450
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2はメチル基又はエチル基を示す。化合物(I)の波線の結合は、シス型もしくはトランス型またはシス型とトランス型の混合物を示す。)
式(I)において、波線の結合は、前記のとおり、シス型もしくはトランス型またはシス型とトランス型の混合物を示す。すなわち、二重結合に対してシス型およびトランス型である、以下の式(A)で示す構造のシス型もしくは(B)で示す構造のトランス型またはシス型とトランス型の両方の混合物を含む。
Figure 2013199450
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2はメチル基又はエチル基を示す。)
式(I)において、R1は、匂いの強さの観点から、水素原子が好ましい。また、式(I)において、R2は、匂いの強さの観点から、メチル基が好ましい。
式(I)の化合物としては、R1が水素原子であり、R2がメチル基のもの;R1が水素原子であり、R2がエチル基のもの;R1がメチル基であり、R2がメチル基のもの;R1がメチル基であり、R2がエチル基のもの;が挙げられる。なかでも、匂いの強さの観点から、式(I)において、R2がメチル基であり、R1が水素原子又はメチル基であるのが好ましく、R2がメチル基であり、R1が水素原子であるのがより好ましい。
[ジメチルシクロヘキセニルアルケノンの製造方法]
本発明の式(I)で表されるジメチルシクロヘキセニルアルケノンは、一般的な有機化学反応を用いて合成することができ、その製造方法に制限はない。本発明の式(I)で表されるジメチルシクロヘキセニルアルケノンを製造する方法としては、例えば、式(II)で表される2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エニルカルボアルデヒド(以下、「式(II)の化合物」と呼ぶことがある)と、式(III)で表される化合物を用いて交差アルドール付加反応を行う工程を有する方法を用いて製造することができる。
Figure 2013199450
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2はメチル基又はエチル基を示す。化合物(I)の波線の結合は、シス型もしくはトランス型またはシス型とトランス型の混合物を示す。)
なお、式(II)で表される2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エニルカルボアルデヒドは、市販されているトリプラール(IFF社商品名)等として入手することができる。または、式(II)の化合物は、公知文献に基づき、製造してもよい。
本発明の製造方法において、まず、式(II)の化合物と、式(III)で表される化合物とを用いて塩基触媒存在下、交差アルドール付加反応を行い、式(I)で表される本発明のジメチルシクロヘキセニルアルケノンを得る。
本発明の製造方法において、式(III)で表される化合物としては、得られる式(I)の化合物の匂いの強さの観点から、アセトン又は2−ブタノンが好ましい。
本発明の製造方法において、塩基触媒としては、アルカリ金属の水酸化物やアミンを用いることができるが、反応を促進するため、アルカリ金属の水酸化物を用いることが好ましい。前記アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化カリウムが好ましい。
本発明の製造方法において、交差アルドール付加反応を収率よく進める観点から、更に塩基触媒を溶解できる溶媒を添加することが好ましい。塩基触媒を溶解できる溶媒としては、水、炭素数1〜3のアルコール等が挙げられ、炭素数1〜3のアルコールが好ましい。前記炭素数1〜3のアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノールおよびi−プロパノールが挙げられ、メタノール又はエタノールが好ましく、メタノールがより好ましい。
式(II)の化合物と、式(III)の化合物の比率は、式(III)の化合物の自己重合による収率低下を防ぐ観点から、式(II)の化合物:式(III)の化合物(モル比)=1:1〜1:2が好ましい。
式(III)の化合物は、その自己重合による収率低下を防ぐ観点から、塩基を溶解した溶媒中に式(II)の化合物を添加した後に滴下して加えることが好ましい。
反応温度は反応速度を上げ、また、重合による収率低下を防ぐ観点から、20〜50℃が好ましい。反応時間は、例えば1〜5時間である。
本発明の製造方法において、交差アルドール反応の後に後処理工程を更に含むことにより、純度の高い式(I)の化合物を得ることができる。
後処理工程としては、まず中和を行うことが好ましい。中和はいずれの酸を用いてもよいが、例えば有機酸が挙げられる。また、中和後の除去が簡便であるという観点から、有機酸としては、酢酸又は氷酢酸が好ましく、氷酢酸がより好ましい。
後処理工程において、次に水洗と乾燥を行い、必要に応じて、蒸留及びカラムによる精製を行って、純度の高い式(I)の化合物を得ることが好ましい。
水洗は、得られた生成物を有機溶媒に溶解し、その溶液を水と接触させることにより行うことができる。有機溶媒としては、例えば、酢酸エチル、ベンゼン、エーテル等が挙げられるが、エーテルが好ましい。
有機溶媒の乾燥は、溶液に無水硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウム等の塩等を添加することによって行うことができる。
[香料組成物]
本発明の香料組成物は、式(I)で示されるジメチルシクロヘキセニルアルケノンを含む。式(I)の化合物の含有量は、香料組成物中、好ましくは0.01〜99質量%、より好ましくは0.1〜15質量%、更に好ましくは0.3〜5質量%である。式(I)で示されるジメチルシクロヘキセニルアルケノンを0.01〜99質量%含むことにより、香料組成物の香調の甘さをより強調することができる。
また、本発明の香料組成物は、式(I)の化合物以外に、その他の香料として、通常用いられる他の香料成分や、所望組成の調合香料を含み、例えば、フローラル調、フルーティ調、ハーバル調、スパイシー調、グリーン調、ウッディ調、バルサミック調の香気を付与することができる。
本発明の香料組成物において、式(I)の化合物と組み合わせて用いることができるその他の香料としては、アルコール類、炭化水素類、フェノール類、エステル類、カーボネート類、アルデヒド類、ケトン類、アセタール類、エーテル類、カルボン酸、ラクトン類、ニトリル類、シッフ塩基類、天然精油や天然抽出物等の香料成分を挙げられる。
前記その他の香料としては、アルコール類、フェノール類、エステル類、カーボネート類、アルデヒド類、ケトン類、アセタール類、エーテル類、ラクトン類、ニトリル類、天然精油や天然抽出物が好ましく、中でも、アルコール類、エステル類およびアルデヒド類がより好ましい。
アルコール類としては、テルペン系アルコール、芳香族アルコール、脂肪族アルコール等が挙げられる。これらの中でもテルペン系アルコール、芳香族アルコールが好ましい。
テルペン系アルコールとしては、リナロール、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、ターピネオール、α−ターピネオール、ジヒドロミルセノール、ファルネソール、ネロリドール、セドロール、メントール、ボルネオール等が挙げられる。
芳香族アルコールとしては、フェニルエチルアルコール、ベンジルアルコール、ジメチルベンジルカルビノール、フェニルエチルジメチルカルビノール、フェニルヘキサノール等が挙げられる。
脂肪族アルコールとしては、エチルリナロール、シス−3−ヘキセノール、1−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−ヘキサノール、アンバーコア(花王株式会社商品名)、サンダルマイソールコア(花王株式会社商品名)、マグノール(花王株式会社商品名)等が挙げられる。
炭化水素類としては、リモネン、α−ピネン、β−ピネン、テルピネン、セドレン、ロンギフォレン、バレンセン等が挙げられる。
フェノール類としては、グアヤコール、オイゲノール、イソオイゲノール、チモール、パラクレゾール、バニリン、エチルバニリン等が挙げられる。
エステル類としては、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、吉草酸エステル、ヘキサン酸エステル、ヘプタン酸エステル、ノネン酸エステル、安息香酸エステル、桂皮酸エステル、サリチル酸エステル、ブラシル酸エステル、チグリン酸エステル、ジャスモン酸エステル、グリシド酸エステル、アントラニル酸エステル等が挙げられる。
これらのエステル類の中でも、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、サリチル酸エステル、ジャスモン酸エステルが好ましく使用される。
酢酸エステルとしては、ヘキシルアセテート、シス−3−ヘキセニルアセテート、リナリルアセテート、シトロネリルアセテート、ゲラニルアセテート、ネリルアセテート、テルピニルアセテート、ノピルアセテート、ボルニルアセテート、イソボルニルアセテート、アセチルオイゲノール、アセチルイソオイゲノール、o−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、トリシクロデセニルアセテート、ベンジルアセテート、フェニルエチルアセテート、スチラリルアセテート、シンナミルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルフェニルアセテート、3−ペンチルテトラヒドロピラン−4−イルアセテート、パラクレジルフェニルアセテート等が挙げられる。
ジャスモン酸エステルとしては、メチルジャスモネート、メチルジヒドロジャスモネート等が挙げられる。
ギ酸エステルとしては、リナリルホルメート、シトロネリルホルメート、ゲラニルホルメート等が挙げられる。
プロピオン酸エステルとしては、シトロネリルプロピオネート、トリシクロデセニルプロピオネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、エチル2−シクロヘキシルプロピオネート、ベンジルプロピオネート、スチラリルプロピオネート等が挙げられる。
酪酸エステルとしては、シトロネリルブチレート、ジメチルベンジルカルビニルn−ブチレート、トリシクロデセニルイソブチレート等が挙げられる。
吉草酸エステルとしては、メチルバレレート、エチルバレレート、ブチルバレレート、アミルバレレート、ベンジルバレレート、フェニルエチルバレレート等;ヘキサン酸エステルとしては、メチルヘキサノエート、エチルヘキサノエート、アリルヘキサノエート、リナリルヘキサノエート、シトロネリルヘキサノエート等が挙げられる。
ヘプタン酸エステルとしては、メチルヘプタノエート、アリルヘプタノエート等が挙げられる。
ノネン酸エステルとしては、メチル2−ノネノエート、エチル2−ノネノエート、エチル3−ノネノエート等が挙げられる。
安息香酸エステルとしては、メチルベンゾエート、ベンジルベンゾエート、3,6−ジメチルベンゾエート等が挙げられる。
桂皮酸エステルとしては、メチルシンナメート、ベンジルシンナメート等が挙げられる。
サリチル酸エステルとしては、メチルサリシレート、n−ヘキシルサリシレート、シス−3−ヘキセニルサリシレート、シクロヘキシルサリシレート、ベンジルサリシレート等が挙げられる。
さらに、ブラシル酸エステルとしては、エチレンブラシレート等が挙げられる。
チグリン酸エステルとしては、ゲラニルチグレート、1−ヘキシルチグレート、シス−3−ヘキセニルチグレート等が挙げられる。
グリシド酸エステルとしては、メチル2,4−ジヒドロキシ−エチルメチルフェニルグリシデート、4−メチルフェニルエチルグリシデート等が挙げられる。
アントラニル酸エステルとしては、メチルアントラニレート、エチルアントラニレート、ジメチルアントラニレート等が挙げられる。
さらにその他のエステルとしては、メチルアトラレート、アリルシクロヘキシルグリコレート、フルーテート(花王株式会社商品名)、ポワレネート(花王株式会社商品名)、ペラナット(花王株式会社商品名)、メルサット(花王株式会社商品名)、イロチル(花王株式会社商品名)等が挙げられる。
カーボネート類としては、リファローム(IFF社商品名,シスー3−ヘキセニルメチルカーボネート)、ジャスマシクラット(花王株式会社商品名)、フロラマット(花王株式会社商品名)等が挙げられる。
アルデヒド類としては、n−オクタナール、n−ノナナール、n−デカナ−ル、n−ドデカナ−ル、2−メチルウンデカナール、10−ウンデセナール、シトロネラール、シトラール、ヒドロキシシトロネラール、トリプラール、シクロベルタール(花王株式会社商品名)、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フェニルプロピルアルデヒド、シンナミックアルデヒド、ジメチルテトラヒドロベンズアルデヒド、ブルゲオナール(Givaudan社商品名、3−(p−tert−ブチルフェニル)-プロパナール)、リラール(IFF社、商品名)、ポレナールII、(花王株式会社商品名,2−シクロヘキシルプロパナール)、リリアール(Givaudan社商品名,p−tert−ブチル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド)、p−イソプロピル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド、フロラロゾン(IFF社商品名,p−エチル−α,α−ジメチルヒドロシンナミックアルデヒド)、α−アミルシンナミックアルデヒド、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘリオトロピン、ヘリオナール(IFF社商品名,α−メチル−3,4−メチレンジオキシヒドロシンナミックアルデヒド)等が挙げられる。
ケトン類としては、α−イオノン、β−イオノン、γ−イオノン、α−メチルイオノン、β−メチルイオノン、γ−メチルイオノン、ダマセノン、メチルヘプテノン、4−メチレン−3,5,6,6−テトラメチル−2−ヘプタノン、アセトフェノン、アミルシクロペンタノン、ジヒドロジャスモン、ローズケトン、カルボン、メントン、樟脳、アセチルセドレン、イソロンギフォラノン、ヌートカトン、ベンジルアセトン、アニシルアセトン、メチルβ−ナフチルケトン、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン、マルトール、ムスコン、シベトン、シクロペンタデカノン、カロン(Firmenich社商品名,7−メチル−3,5−ジヒドロ−2H−ベンゾジオキセピン−3−オン)、ラズベリーケトン等が挙げられる。
アセタール類としては、アセトアルデヒドエチルフェニルプロピルアセタール、シトラールジエチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドグリセリルアセタール、エチルアセトアセテートエチレングリコールアセタール、ボアザンブレンフォルテ(花王株式会社商品名)、トロエナン(花王株式会社商品名)等が挙げられる。
エーテル類としては、セドリルメチルエーテル、エストラゴール、アネトール、β−ナフチルメチルエーテル、β−ナフチルエチルエーテル、リモネンオキサイド、ローズオキサイド、ネロールオキサイド、1,8−シネオール、ローズフラン、アンブロキサン(花王株式会社商品名)、ハーバベール(花王株式会社商品名)、ガラクソリド(IFF社商品名,ヘキサメチルヘキサヒドロシクロペンタベンゾピラン)等が挙げられる。
カルボン酸類としては、安息香酸、フェニル酢酸、桂皮酸、ヒドロ桂皮酸、酪酸、2−ヘキセン酸等が挙げられる。
ラクトン類としては、γ−デカラクトン、δ−デカラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ノナラクトン、γ−ウンデカラクトン、δ−ヘキサラクトン、γ−ジャスモラクトン、ウイスキーラクトン、クマリン、シクロペンタデカノリド、シクロヘキサデカノリド、アンブレットリド、11−オキサヘキサデカノリド、ブチリデンフタリド等が挙げられる。
ニトリル類としては、ゲラニルニトリル、シトロネリルニトリル、ドデカンニトリル等が挙げられる。
シッフ塩基類としては、オーランチオール、リガントラール等が挙げられる。
天然精油や天然抽出物としては、オレンジ、レモン、ライム、ベルガモット、バニラ、マンダリン、ペパーミント、スペアミント、ラベンダー、カモミル、ローズマリー、ユーカリ、セージ、バジル、ローズ、ロックローズ、ゼラニウム、ジャスミン、イランイラン、アニス、クローブ、ジンジャー、ナツメグ、カルダモン、セダー、ヒノキ、ベチバー、パチュリ、レモングラス、ラブダナム等が挙げられる。
これらのその他の香料の含有量は、調合香料の種類、目的とする香気の種類及び香気の強さ等により適宜選択することができるが、香料組成物中、それぞれ好ましくは0.0001〜99.99質量%、より好ましくは0.001〜80質量%であり、香料組成物中、合計で好ましくは5〜99.99質量%、より好ましくは50〜99.9質量%である。
本発明の香料組成物は、本発明のジメチルシクロヘキセニルアルケノン及びその他の香料素材を含ませるベースとして、それ自身は匂いを持たない油剤を含むことができる。このような油剤は、香料成分を均一に混合させ、製品に配合しやすく、適度な強度の香りを賦香しやすくすることができる。前記油剤の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジエチル等のエステル、流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル等の界面活性剤等が挙げられる。
これらのなかでも、全ての香料成分の溶解性の観点から、前記油剤としては多価アルコールおよびエステルが好ましく、ジプロピレングリコールおよびミリスチン酸イソプロピルがより好ましい。かかる油剤の含有量は、香料組成物中、好ましくは0.01〜95質量%、より好ましくは0.1〜50質量%、さらに好ましくは1〜30質量%である。
本発明の香料組成物は、式(I)の化合物の香気に加え、さらに甘さが強調されるという効果も奏する。このような香料組成物は、例えば、化粧料や洗浄剤組成物等の賦香に好適に使用することができる。
〔賦香成分としての使用〕
本発明は、式(I)の化合物を賦香成分として使用する方法である。当該化合物の使用方法としては、単独で又は他の成分と組み合わせて、石鹸、化粧品、毛髪化粧料、洗剤、柔軟剤、スプレー製品、芳香剤、香水、入浴剤等のトイレタリー製品のベースに含ませることができる。
なかでも、本発明の式(I)の化合物は、甘さが強調された香調が好ましく用いられる化粧料及び洗浄剤組成物に用いることが好ましい。
以下の実施例及び比較例等において行った測定法の詳細を以下にまとめて示す。
〔化合物の同定〕
以下の実施例および比較例で得られた各化合物の構造を、核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)により同定した。核磁気共鳴スペクトルは、1H用には400MHzで、テトラメチルシランを内部標準として用い、Varian社製の製品名「Mercury 400」装置で測定した。
〔香気評価〕
調香・香料評価業務を7年経験した熟練者1名により、におい紙法により香調を判定した。におい紙(幅6mm長さ150mmの香料試験紙)の先端約5mmを、試料に浸漬し、評価した。匂い強度は、無臭を0、きわめて強いものを5とする相対評価で表した。
[実施例1]
4−(2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エニル)ブタ−3−エン−2−オン(I−1)(以下、化合物(I−1)と呼ぶことがある)の製造
Figure 2013199450
フラスコに水酸化カリウム(0.3g)とメタノール(4.5g)と2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エニルカルボアルデヒド(II)(5.0g、36ミリモル)を入れ、攪拌しながら35℃でアセトン(III−1)(2.5g、43ミリモル)を20分で滴下し、さらに3.5時間攪拌した。反応液に氷酢酸(0.1g)を加えて中和して、得られた混合物からメタノールとアセトンを減圧留去した。残留物をエーテルで抽出し、エーテル相を水洗し、次いでNaCl飽和水溶液により水洗した。エーテル相に無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、硫酸マグネシウムを濾過により除去した。得られたエーテル相を濃縮し、得られた残留物を単蒸留して生成物(2.4g)を得た。得られた生成物をシリカゲルカラム(n−ヘキサン/酢酸エチル=90/10(v/v))を用いて精製した。精製した生成物を蒸留して、標題の化合物(I−1)を得た(1.4g)。得られた化合物(I−1)の純度は93%であった。
また、化合物(I−1)の1H−NMRの測定結果、及び香気評価を以下に示す。
1H-NMR(CDCl3, 400MHz, δppm) : 0.94(d, J=6.8, 3H), 1.54(m, 1H), 1.67(s, 3H), 1.76(m, 1H), 1.87-2.05(m, 4H), 2.26(s, 3H), 5.21(m, 1H), 6.09(d, J=16.0Hz, 1H), 6.71(dd, J=16.0Hz, 8.6Hz, 1H)
香気:ぺリラを想起させるハーバル-スパイシーな香気と共にアニスやイオノンの様なフローラルな甘さを有する。
匂い強度:4。
[実施例2]
1−(2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エニル)−ペンタ−1−エン−3−オン(I−2)(以下、化合物(I−2)と呼ぶことがある)および4−(2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エニル)−3−メチルブタ−3−エン−2−オン(I−3)(以下、化合物(I−3)と呼ぶことがある)の製造
Figure 2013199450
フラスコに水酸化カリウム(0.5g)とメタノール(7.7g)と2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エニルカルボアルデヒド(II)(9.9g、70ミリモル)を入れ、攪拌しながら35℃で2−ブタノン(III−2)(7.1g、98ミリモル)を1時間で滴下し、さらに1.5時間攪拌した。反応液に氷酢酸(0.2g)を加えて中和して、得られた混合物からメタノールと2−ブタノンを減圧留去した。残留物をエーテルで抽出し、エーテル相を水洗し、次いでNaCl飽和水溶液により水洗した。エーテル相に無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、硫酸マグネシウムを濾過により除去した。得られたエーテル相を濃縮し、得られた残留物を単蒸留して生成物(8.6g)を得た。得られた生成物をシリカゲルカラム(n−ヘキサン/酢酸エチル=97/3(v/v))で精製した。精製した生成物を蒸留して、化合物(I−2)(1.4g)と化合物(I−3)(1.1g)を得た。得られた化合物(I−3)の純度は94%であり、化合物(I−2)の純度は83%であった。
また、化合物(I−2)と化合物(I−3)の1H−NMRの測定結果、及び香気評価を以下に示す。
1−(2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エニル)−ペンタ−1−エン−3−オン(I−2)
1H-NMR(CDCl3, 400MHz, δppm) : 0.93(d, J=6.8Hz, 3H), 1.10(t, J=7.2Hz, 3H), 1.53(m, 1H), 1.66(s, 3H), 1.70-2.07(m, 5H), 2.58(q, J=7.3Hz, 2H), 5.20(s, 1H), 6.11(d, J=15.6Hz, 1H), 6.74(dd, J=15.8Hz, 8.6Hz, 1H)
香気:ぺリラを想起させるハーバル-スパイシーな香気と共にウッディな香気とイオノンの様の甘さを有する。
匂い強度:2。
4−(2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エニル)−3−メチルブタ−3−エン−2−オン(I−3)
1H-NMR(CDCl3, 400MHz, δppm) : 0.90(d, J=6.8Hz, 3H), 1.51(m, 1H), 1.68(s, 3H), 1.69(m, 1H), 1.80(m, 3H), 1.90-2.07(m, 3H), 1.75(m, 1H), 2.32(s, 3H), 5.23(s, 1H), 6.45(d, J=9.8Hz, 1H)
香気:ぺリラを想起させるハーバル-スパイシーな香気と共にグリーンな香気とイオノン様の甘さを有する。
匂い強度:3。
[比較例1]
1−(2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エニル)ヘキサ−1−エン−3−オン(X)(以下、化合物(X)と呼ぶことがある)の製造
Figure 2013199450
フラスコに水酸化カリウム(0.6g)とメタノール(9.1g)と2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エニルカルボアルデヒド(II)(10.4g)を入れ、攪拌しながら35℃で2−ペンタノン(III−3)(9.7g)を2時間で滴下し、さらに8時間攪拌した。反応液に氷酢酸(0.2g)を加えて中和して、得られた混合物からメタノールと2−ペンタノンを減圧留去した。残留物をエーテルで抽出し、エーテル相を水洗し、ついでNaCl飽和水溶液により水洗した。エーテル相に無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、硫酸マグネシウムを濾過により除去した。得られたエーテル相を濃縮し、得られた残留物を単蒸留して生成物(10.1g)を得た。得られた生成物をシリカゲルカラム(n−ヘキサン/酢酸エチル=95/5(v/v))を用いて精製した。精製した生成物を蒸留して、標題の化合物(X)(1.9g)を得た。得られた化合物(X)の純度は77%であった。
また、化合物(X)の1H−NMRの測定結果、及び香気評価を以下に示す。
1H-NMR(CDCl3, 400MHz, δppm) : 0.93(d, J=6.8Hz, 3H), 0.94(t, J=7.6Hz, 3H), 1.26(m, 2H), 1.50-1.78(m, 5H), 1.84-2.04(m, 4H), 2.53(t, J=7.4Hz, 2H), 5.20(s, 1H), 6.11(d, J=16.0Hz, 1H), 6.73(dd, J=16.0Hz, 8.4Hz, 1H)
香気:グリーンな香気と共にパンジェント(pungent)な低級脂肪酸様の香気を有する。
匂い強度:3。
[香料組成物]
実施例1で得られた化合物(I−1)を用いて、実施例3〜5に示す香料組成物を調製した。得られた香料組成物について、下記香気評価を行った。なお、表1〜3中の数値は質量部である(以下同じ)。
〔香気評価(香料組成物)〕
調香・香料評価業務を7年経験した熟練者1名により、におい紙法により香調を判定した。におい紙(幅6mm、長さ150mmの香料試験紙)の先端約5mmを、試料に浸漬し、評価して、判定を行った。
[実施例3および比較例2、3]
下記に示す組成を有する香料組成物を調製した。
Figure 2013199450
1)リファローム:IFF社(商品名)、化合物名:シスー3−ヘキセニルメチルカーボネート、
2)カロン:Firmenich社(商品名)、化合物名:7−メチル−3,5−ジヒドロ−2H−ベンゾジオキセピン−3−オン)、
3)フロラロゾン:IFF社(商品名)、化合物名:p−エチル−α,α−ジメチルヒドロシンナミックアルデヒド)、
4)ヘリオナール:IFF社(商品名)、化合物名:α−メチル−3,4−メチレンジオキシヒドロシンナミックアルデヒド)、
5)ブルゲオナール:Givaudan社(商品名)、化合物名:3−(p−tert−ブチルフェニル)-プロパナール)、
6)リリアール:Givaudan社(商品名)、化合物名:p−tert−ブチル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド、
7)アンバーコア:花王株式会社(商品名)、化合物名:1−(2−tert−ブチルシクロヘキシルオキシ)−2−ブタノール、
8)サンダルマイソールコア:花王株式会社(商品名)、化合物名:2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール
比較例2で得られた香料組成物は、フレッシュで甘さを持つアクアティック−フローラル様の調合香料であった。一方、本発明の式(I)の化合物を2質量%含む実施例3で得られた香料組成物は、匂いの透明感が増すと共にフローラルな甘さが強調された調合香料であった。また、ペリラアルデヒドを2質量%含む比較例3で得られた香料組成物は、強いペリラ様のスパイシーな匂いが強調され、フレッシュな甘さが損なわれた調合香料であった。
[実施例4および比較例4、5]
下記に示す組成を有する香料組成物を調製した。
Figure 2013199450
1)ポレナールII:花王株式会社(商品名)、化合物名:2−シクロヘキシルプロパナール、
2)ポワレネート:花王株式会社(商品名)、化合物名:エチル2−シクロヘキシルプロピオネート、
3)メルサット:花王株式会社(商品名)、化合物名:エチル3,5,5−トリメチルヘキサノエート、
4)フルーテート:花王株式会社(商品名)、化合物名:エチルトリシクロ[5.2.1.02、6]デカン−2−カルボキシレート、
5)ペラナット:花王株式会社(商品名)、化合物名:2−メチル吉草酸2−メチルペンチルエステル
6)イロチル:花王株式会社(商品名)、化合物名:
7)サンダルマイソールコア:花王株式会社(商品名)、化合物名:2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール
比較例4で得られた香料組成物は、もぎたての果実を想起させるオレンジ様の調合香料になったのに対し、実施例4で得られた香料組成物は、本発明の式(I)の化合物を1質量%含むことにより、オレンジの果肉のようなジューシーな甘さが強調された調合香料であった。また、ペリラアルデヒドを1質量%含む比較例5で得られた香料組成物は、強いペリラ様のスパイシーな匂いが加わり、オレンジ様のジューシーな甘さが損なわれた調合香料であった。
[実施例5および比較例6、7]
下記に示す組成を有する香料組成物を調製した。シトラスフローラルタイプの洗剤用の香料組成物を調製した。
Figure 2013199450
1)シクロベルタール:花王株式会社(商品名)、化合物名:3,6(4,6)−ジメチル−3−シクロヘキセニル−1−カルボキシアルデヒド、
2)マグノール:花王株式会社(商品名)、エチルノルボニルシクロヘキサノールを主成分とする混合物、
3)ポワレネート:花王株式会社(商品名)、化合物名:エチル2−シクロヘキシルプロピオネート、
4)フルーテート:花王株式会社(商品名)、化合物名:エチルトリシクロ[5.2.1.02、6]デカン−2−カルボキシレート
5)トロエナン:花王株式会社(商品名)、化合物名:5−メチル−5−プロピル−2−(1−メチルブチル)−1,3−ジオキサン、
6)リラール:IFF社(商品名)、化合物名:4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボアルデヒド、
7)アンバーコア:花王株式会社(商品名)、化合物名:1−(2−tert−ブチルシクロヘキシルオキシ)−2−ブタノール、
8)ボアザンブレンフォルテ:花王株式会社(商品名)、化合物名:エトキシメチル シクロドデシル エーテル、
9)サンダルマイソールコア:花王株式会社(商品名)、化合物名:2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール、
10)50%IPM:50%ミリスチン酸イソプロピル(IPM)溶液を示す。
11)アンブロキサン:花王株式会社(商品名)、化合物名:[3aR−(3aα,5aβ,9aα,9bβ)]−ドデカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチルナフト[2,1−b]フラン、
比較例6で得られた香料組成物は、パウダリーな甘さを持つシトラスフローラル様の調合香料になったのに対し、実施例5で得られた組成物は、本発明の式(I)の化合物を2質量%含むことにより、天然の花が持つクリーミーで濃厚な甘さが強調された調合香料であった。また、ペリラアルデヒドを2質量%含む比較例7で得られた香料組成物は、ペリラ様のスパイシーな匂いが加わり、パウダリーな甘さが損なわれた調合香料であった。
前記実施例および比較例に示すように、本発明の式(I)の化合物は、香料として有用なハーブ様香気、特にハーバル−スパイシー様香気、なかでもペリラ様の香気を有することが確認できた。また、本発明の式(I)の化合物は、他の香料と調合することで、香料組成物の甘さを強調することができることが確認できた。
本発明の式(I)の化合物は、香料として有用なハーブ様の香気を有するため、香料素材として用いることができる。また、本発明の式(I)の化合物は、他の香料と調合することで甘さを強調することもできる。以上から、本発明の式(I)の化合物を含む香料組成物は、化粧料及び洗浄剤組成物等の賦香成分として使用できる。

Claims (7)

  1. 式(I)で示されるジメチルシクロヘキセニルアルケノン。
    Figure 2013199450
    (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2はメチル基又はエチル基を示す。化合物(I)の波線の結合は、シス型もしくはトランス型またはシス型とトランス型の混合物を示す。)
  2. 請求項1に記載のジメチルシクロヘキセニルアルケノンを含む香料組成物。
  3. アルコール類、フェノール類、エステル類、カーボネート類、アルデヒド類、ケトン類、アセタール類、エーテル類、ラクトン類、ニトリル類、天然精油および天然抽出物のうち1種以上をさらに含む請求項1又は2に記載の香料組成物。
  4. 請求項2又は3に記載の香料組成物を含む化粧料。
  5. 請求項2又は3に記載の香料組成物を含む洗浄剤組成物。
  6. 請求項1に記載のジメチルシクロヘキセニルアルケノンを賦香成分として使用する方法。
  7. 式(II)で表される化合物と、式(III)で表される化合物とを用いて交差アルドール付加反応を行う工程を有する、請求項1に記載の式(I)で表されるジメチルシクロヘキセニルアルケノンの製造方法。
    Figure 2013199450
    (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2はメチル基又はエチル基を示す。化合物(I)の波線の結合は、シス型もしくはトランス型またはシス型とトランス型の混合物を示す。)
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