JP2013199166A - 車両挙動制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の挙動を制御するための車両挙動制御システムが、階層化された複数の制御装置から構成される場合に、下位階層の制御装置における構成を簡素化しながら、3レベル構成を有する場合と同等の検査機能を確保すること。
【解決手段】上位階層のHVECU10の車両挙動制御機能監視部18は、車両挙動制御機能部14が、挙動目標値及び分担目標値を正しく算出しているか否かを監視する。その車両挙動制御機能部14は、下位階層のECU30〜50の各サブ制御機能部34,44,54が正しく機能しているか否かを監視する。このように、下位階層の各ECUのサブ制御機能部に対する監視機能を、上位階層のHVECU10に集約することができるので、下位階層の各ECUにおいて、監視機能を省略して構成を簡素化しながら、システム全体として、各ECUに監視部を設けた場合と同等の監視機能を確保することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の挙動を制御する車両挙動制御システムに関する。
例えば、特許文献1及び特許文献2には、制御装置内を3つのレベルに分離した車両駆動ユニットの制御装置が記載されている。第1のレベルでは、制御機能が計算される。具体的には、例えば、この第1のレベルにおいて、内燃期間の空気供給量、燃料供給量、点火角などが制御される。第2のレベルでは、第1のレベルの制御機能の正しい動作が、選択された入出力信号に基づいて検査される。第3のレベルでは、第2のレベルにおいて実行されたモニタリングの検査が行われる。具体的には、例えば、モニタリングステップの作業が正しいか否かが検査される。
特許第3955328号公報 特許第3957749号公報
制御装置が、上述した3つのレベルに分離された構成(以下、3レベル構成という)を備えることにより、制御対象である車両駆動ユニットの確実な運転を保証することが可能となる。しかしながら、例えば、車両の挙動を制御するための制御システムが、階層化された複数の制御装置から構成される場合に、すべての制御装置において上述した3レベル構成を採用すると、各制御装置の構成が煩雑となったり、各制御装置に求められる機能が複雑化したりするという問題がある。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、車両の挙動を制御するための車両挙動制御システムが、階層化された複数の制御装置から構成される場合に、下位階層の制御装置における第2のレベルを省略して構成を簡素化しながら、従来と同等の検査機能を発揮可能な車両挙動制御システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の車両挙動制御システムは、
少なくとも、車両の挙動に関する挙動目標値を算出するとともに、後述の複数の下位階層制御装置の各々に対して、挙動目標値を実現する上で、当該下位階層制御装置の各々が分担すべき挙動制御量に相当する分担目標値を決定し出力する上位階層制御装置と、
上位階層制御装置から分担目標値を入力し、その分担目標値に従って、対応する車載機器の動作状態を制御する複数の下位階層制御装置と、を備え、
上位階層制御装置は、挙動目標値及び分担目標値を算出する算出部と、算出部における挙動目標値及び分担目標値の算出が正常に行われているか否かを監視する監視部とを有するのに対し、複数の下位階層制御装置の少なくとも1つは、分担目標値に従って、対応する車載機器の動作状態を制御する制御部は有するが、当該制御部による前記車載機器の動作状態の制御が正常に行われているか否かを監視する監視部は有しておらず、
上位階層制御装置は、さらに、監視部を有していない下位階層制御装置の分担目標値を、センサによる検出値と比較可能な物理量に変換する変換部、及び、物理量とセンサによって実際に検出された実測値との比較結果に基づいて、下位階層制御装置の制御部が正常に動作しているか否かを判定する判定部とを有することを特徴とする。
上述したように、上位階層制御装置の監視部は、上位階層制御装置の算出部が、挙動目標値及び分担目標値を正しく算出しているか否かを監視する。さらに、上位階層制御装置は、変換部及び判定部を有しているので、下位階層制御装置の制御部が正しく機能しているか否かをも監視することができる。このように、下位階層制御装置の制御部の監視機能を、上位階層制御装置に集約することができるので、下位階層制御装置において、制御部の監視機能を省略して構成を簡素化しながら、システム全体として、各制御装置に監視部を設けた場合と同等の監視機能を確保することができる。
請求項2に記載したように、上位階層制御装置の監視部は、算出部が算出する挙動目標値と同等の監視用挙動目標値を算出するとともに、挙動目標値と監視用挙動目標値との対比結果に基づいて、算出部において、挙動目標値及び分担目標値の算出が正常に行われているか否かを監視するようにしても良い。また、請求項3に記載したように、上位階層制御装置の監視部は、算出部が算出する分担目標値と同等の監視用分担目標値を算出するとともに、分担目標値と監視用分担目標値との対比結果に基づいて、算出部において、挙動目標値及び分担目標値の算出が正常に行われているか否かを監視するようにしても良い。
上位階層制御装置の算出部は、まず、車両の挙動目標値を算出し、その後、算出した挙動目標値を実現するために下位階層制御装置の各々が分担すべき挙動制御量に相当する分担目標値を算出する。このため、監視部が、算出部とは別個に、挙動目標値に対応する監視用挙動目標値、及び/又は、分担目標値に対応する監視用分担目標値を算出して、それぞれ対比することにより、算出部における挙動目標値及び分担目標値の算出が正しく行われているか否かを判定することができる。
請求項4に記載したように、監視部が監視用挙動目標値もしくは分担目標値を算出するために、上位階層制御装置には、各種のセンサからの検出信号が入力され、その各種のセンサの少なくとも1つは二重系センサであり、その二重系センサの各々のセンサから別個の通信系統を介して、上位階層制御装置の算出部及び監視部にそれぞれ検出信号が入力されるように構成しても良い。このような構成を採用することにより、一方の通信系統を介して入力された検出信号に何らかの異常が生じていた場合、監視部により異常との判定がなされることになるので、結果的に、二重系センサ及び通信系統の異常も併せて監視することができる。また、通信異常だけで、監視部による監視機能が破綻してしまうことを防止することができる。
請求項5に記載したように、車両挙動制御システムへの電源ラインに直列に2個のリレーが設けられ、上位階層制御装置の算出部及び監視部は、当該監視部により異常が生じたと判定されたときに、2個のリレーのそれぞれに、別個の通信系統を介して、リレーオフ信号を出力するように構成しても良い。監視部により異常が生じたと判定されたときには、リンプホームモードにより、各車載機器の機能を制限したり、各車載機器の制御を完全に停止させたりする。車載機器の制御を完全に停止させる場合に、上述した構成を採用することにより、該当する車載機器への電源供給を確実に停止させることが可能となる。
請求項6に記載したように、上位階層制御装置の算出部に対して動作電源を供給する第1の電源回路と、当該第1の電源回路とは別個に設けられ、上位階層制御装置の監視部に対して動作電源を供給する第2の電源回路とを設けても良い。このような構成を採用すれば、電源回路の異常によって、算出部による制御機能と、監視部による監視機能とが、同時に機能不全となる事態の発生を回避する可能性を高めることができる。
請求項7に記載したように、上位階層制御装置の監視部は、プロセッサを有し、当該プロセッサが所定の監視プログラムを実行することにより、算出部における挙動目標値及び分担目標値の算出が正常に行われているか否かを監視するものであり、上位階層制御装置は、さらに、監視部のプロセッサが、監視プログラムを正常に実行しているか否かを監視するプロセッサ監視部を備えることが好ましい。このように、プロセッサ監視部を備えることにより、上位階層制御装置を、3レベル構成とすることができる。
請求項8に記載したように、上位階層制御装置の算出部は、いずれかの下位階層制御装置に異常が生じていると判定された場合、当該下位階層制御装置が分担すべき挙動制御量を、他の下位階層制御装置に振り分けるように、他の下位階層制御装置の分担制御量を算出することが好ましい。これにより、いずれかの下位階層制御装置に異常が生じた場合であっても、継続して、挙動目標値に合致するように車両の挙動を制御することが可能になる。
請求項9に記載したように、上位階層制御装置の算出部と監視部とは、異なるプロセッシングユニットに実装されても良い。これにより、算出部と監視部との独立性を担保することができ、上位階層制御装置による制御の安全性を高めることが可能となる。そして、この場合、請求項10に記載したように、プロセッサ監視部が、算出部が実装されたプロセッシングユニットと、監視部が実装されたプロセッシングユニットに対して、それぞれ個別に設けられることが好ましい。これにより、それぞれのプロセッシングユニットが正常にプログラムを実行している否かを確実に監視することができる。
請求項11に記載したように、プロセッシングユニットの環境温度を検出する温度センサと、温度センサによって検出される温度が所定温度以上となると、少なくとも算出部が実装されたプロセッシングユニットの動作周波数を低下させ、それにより、算出部が実装されたプロセッシングユニットの動作周波数を、監視部が実装されたプロセッシングユニットの動作周波数よりも低下させる周波数変更部と、を備えることが好ましい。プロセッシングユニットの環境温度が上昇して熱暴走の虞が生じた場合、プロセッシングユニットの動作周波数を低下させて、プロセッシングユニットからの発熱量を減少させることにより、熱暴走の発生を抑止することができる。ただし、算出部が実装されたプロセッシングユニットと、監視部が実装されたプロセッシングユニットとも、一律に動作周波数を低下させてしまうと、制御性と安全性とが同時に機能縮退してしまう。そのため、算出部が実装されたプロセッシングユニットの動作周波数が、監視部が実装されたプロセッシングユニットの動作周波数よりも低下するように、少なくとも算出部が実装されたプロセッシングユニットの動作周波数を低下させる。これにより、環境温度が上昇した場合であっても、少なくとも安全性の機能退縮を抑制することが可能になる。
請求項12に記載したように、上位階層制御装置は、複数コアのプロセッシングユニットから構成され、下位階層制御装置は、上位階層制御装置よりもコア数の少ないプロセッシングユニットから構成されても良い。下位階層制御装置に、制御部の動作を監視する監視部を設ける必要が無いためである。そして、このような構成を採用することにより、下位階層制御装置として、廉価なプロセッシングユニットを用いることが可能になる。
上記請求項12のように、上位階層制御装置が複数コアのプロセッシングユニットから構成される場合、請求項13に記載したように、車両挙動制御システムは、プロセッシングユニットの環境温度を検出する温度センサと、温度センサによって検出される温度が所定温度以上となると、上位階層制御装置の算出部及び監視部の動作周波数を低下させて発熱を抑制する周波数変更部とを備え、監視部は、周波数変更部による動作周波数の低下に応じて、処理周期を短くすることが好ましい。このような構成を採用することにより、請求項11と同様に、プロセッシングユニットからの発熱量を減少させて熱暴走の発生を抑止しつつ、安全性の機能退縮を抑制することができる。
請求項14に記載したように、下位階層制御装置の少なくとも1つは、対応する車載機器の動作状態を制御する制御部、プロセッサが所定の監視プログラムを実行することにより制御部による制御が正常に行われているか否かを監視する監視部、及び監視部のプロセッサが監視プログラムを正常に実行しているかを監視するプロセッサ監視部を備えても良い。システム構成上、下位階層制御装置の中には、上位階層制御装置と同等以上の安全性を求められることもあり得る。この場合、上述したように下位階層制御装置に3レベル構成を採用することにより、そのような要求に応えることも可能となる。
請求項15に記載したように、下位階層制御装置は、自身の監視部による監視結果を、上位階層制御装置に送信する送信部を有することが好ましい。これにより、下位階層制御装置に異常が生じた状況を上位階層制御装置が把握することができるので、リンプホームモードによる非常時の処置を的確に行うことが可能になる。
請求項16に記載したように、上位階層制御装置は、下位階層制御装置の各々に対する分担制御量を算出することに加え、自身も、下位階層制御装置の1つとして、対応する車載機器の動作状態の制御を実行するようにしても良い。すなわち、上位階層制御装置と、下位階層制御装置とを、別個のプロセッシングユニットとしてシステムを構成するばかりでなく、上位階層制御装置と下位階層制御装置とを共通のプロセッシングユニットを用いて実現したシステム構成を採用することもできる。
第1実施形態による、車両の前後方向の挙動を制御するための挙動制御システムにおける、制御系の階層構造を示す図である。 車両挙動制御機能部によって実行される、挙動目標値及び分担目標値を算出するための処理を示すフローチャートである。 車両挙動制御機能監視部によって実行される、監視処理を示すフローチャートである。 車両挙動制御機能部によって実行される、異常サブシステムの特定とフェールセーフのための処理を示すフローチャートである。 第2実施形態による挙動制御システムの制御系の構成を示すブロック図である。 第3実施形態による挙動制御システムの制御系の構成を示すブロック図である。 第4実施形態による挙動制御システムの制御系の構成を示すブロック図である。 第5実施形態による挙動制御システムの制御系の構成を示すブロック図である。 第6実施形態による挙動制御システムにおいて、車両挙動制御機能監視部によって実行される監視処理を示すフローチャートである。 第7実施形態による挙動制御システムの制御系の構成を示すブロック図である。 第8実施形態による挙動制御システムの制御系の構成を示すブロック図である。 第9実施形態による挙動制御システムの制御系の構成を示すブロック図である。 第10実施形態による挙動制御システムの制御系の構成を示すブロック図である。 第11実施形態による挙動制御システムの制御系の構成を示すブロック図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態による車両挙動制御システムに関して、図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、車両の走行駆動源として、エンジンと電動モータとを有するハイブリッド車両に対して、車両挙動制御システムを適用した例について説明するが、その適用対象は、エンジンのみを有する車両や、モータのみを有する電動車両であっても良い。また、以下に示す実施形態では、車両挙動制御システムにより、車両の前後方向の挙動を制御する場合について説明するが、併せてもしくは単独で、車両の横方向の挙動や、上下方向の挙動を制御するものであっても良い。
公知のように、ハイブリッド車両は、走行駆動源として、エンジンと、エンジンの出力軸上に配設された電動モータとしてのモータジェネレータ(MG)とを有する。モータジェネレータは、車両に搭載された電池(バッテリ)から電源供給を受けて動作し、エンジンの駆動力をアシストすることが可能なものである。また、モータジェネレータは、車両が減速するときには、車輪側からの回転駆動により発電を行い、電池を充電する(エネルギー回生)。このような構成において、エンジンとモータジェネレータとの間にクラッチを設けて、エンジンとモータジェネレータを切り離すことができるようにすれば、モータジェネレータの駆動力のみにて車両を走行させるようにすることも可能となる。
なお、ハイブリッドシステムとして、いわゆるパラレル方式による構成を備える例について簡単に説明したが、その他の方式(スプリット方式、シリーズ・パラレル方式など)によるハイブリッドシステムを用いることも可能である。
本実施形態においては、上述したハイブリッド車両の制御系として、図1に示すように、ハイブリッド(HV)ECU10、エンジンマネジメントシステム(EMS)ECU30、モータジェネレータ(MG)ECU40、及び電池ECU50を備えている。ただし、図1に示す構成は単なる一例であって、例えば、これらのECUに加え、ブレーキECUや、トランスミッションECUなどを設けても良い。ブレーキやトランスミッションの制御により、前後方向の車両の挙動が変化するためである。
本実施形態においては、制御系を構成する各ECUが階層化されている。具体的には、HVECU10が、上位階層に置かれ、他のEMSECU30,MGECU40,及び電池ECU50は下位階層に置かれている。このような階層構造において、詳しくは後述するが、HVECU10が、車両の前後方向の挙動に関する目標値(挙動目標値)を算出するとともに、下位階層に置かれた各サブシステムのECUに対して、挙動目標値を実現する上で、各サブシステムが分担すべき挙動制御量に相当する分担目標値を決定し出力する。そして、下位階層の各ECUは、上位階層のHVECU10からそれぞれ分担目標値を入力し、その分担目標値に従って、対応する制御対象機器(車載機器)の動作状態を制御する。
HVECU10は、上位階層に置かれ、高い安全性が求められるものである。例えば、ISO26262に規定されたASIL(Automotive Safety Integrity Level)で言えば、CレベルもしくはDレベルの安全性が求められる。このため、HVECU10は、図1に示すように、3レベル構成を有している。第1のレベル12には、車両挙動制御機能部14が配置されている。この車両挙動制御機能部14は、プロセッシングユニットにて実行可能なプログラムにより構成される。車両挙動制御機能部14は、例えば、アクセルセンサ、ブレーキセンサ、シフトポジションセンサなどの各種のセンサから情報を入力し、原則として運転者の運転操作に対応するように車両の挙動を制御するための挙動目標値を算出する。具体的には、HVECU10の車両挙動制御機能部14は、車両の挙動を安定させつつ運転者の運転操作に対応するように、車両の前後方向の挙動目標値として、目標車軸トルクを算出する。さらに、車両挙動制御機能部14は、算出された目標車軸トルクに基づいて、EMSECU30が分担すべき分担目標値(目標エンジントルク)、及びMGECU40が分担すべき分担目標値(目標モータトルク)を算出する。
ここで、下位階層の電池ECU50は、電池の容量を管理するとともに、その電池の容量に基づいて、モータジェネレータが発生可能なモータトルクを算出して、HVECU10に出力するものである。HVECU10の車両挙動制御機能部14は、電池ECU50により算出されたモータジェネレータの発生可能なモータトルクを考慮して、EMSECU30及びMGECU40の各々の分担目標値を算出する。このため、エンジンによる燃料消費量を抑制しつつ、狙いとする挙動目標値に従って、車両の挙動を制御することが可能となる。
さらに、車両挙動制御機能部14は、算出された挙動目標値と、実際に車両の前後方向に発生した挙動を検出する挙動センサによる検出値とを対比することにより、車両の目標とする挙動と実際の挙動との間にずれが生じているか否かを判定する機能を有する。これにより、挙動制御システムにより挙動制御が正常に実行されているか、それともシステムになんらかの不具合が生じているかを判別することが可能になる。なお、挙動目標値と検出値との対比に際しては、挙動制御における応答遅れが考慮される。
ここで、挙動目標値として目標車軸トルクが算出されている場合、実際の車軸トルクをセンサによって検出することは困難であるため、目標車軸トルクを、センサによって測定可能な物理量と対比可能な物理量に変換する。例えば、目標車軸トルクを、車両の前後方向の目標加速度に変換する。この変換は、目標車軸トルクが与えられたときに、車両に生じる前後方向の加速度を算出する車両モデルを予め構築しておくことで、容易に行うことができる。そして、挙動センサとして車両の前後方向の加速度を検出する加速度センサを用いる。このようにすることで、挙動目標値と実際の検出値とを対比することが可能になる。なお、挙動目標値を、目標加速度の形式で算出しておき、EMSECU30及びMGECU40の分担目標値を算出するために、その目標加速度を目標車軸トルクに変換しても良い。
車両の挙動目標値を示す指標として、上述した加速度の他、車両の鉛直軸回りの旋回速度を示すヨーレートや、ステアリングホイールの操舵量とタイヤの歪などを用いることも可能である。ヨーレート、或いはステアリングホイールの操舵量とタイヤの歪を用いる場合には、前後方向及び左右方向の目標加速度から、使用する指標(ヨーレート、或いはステアリングホイールの操舵量とタイヤ)を算出するための車両モデルを予め構築しておき、その車両モデルを用いて、車両の目標とする挙動に対応する目標指標を算出する。逆に、車両に実際に生じているヨーレート、或いはステアリングホイールの操舵量とタイヤの歪を検出し、その検出値から前後方向及び左右方向の目標加速度に対応する指標に変換して比較するようにしても良い。
また、車両挙動制御機能部14は、下位階層の各ECUにより制御されるサブシステムに何らかの異常が生じていないかを判定するために、下位階層の各ECUへの分担目標値を、センサにより検出可能な物理量に変換した上で、センサによる検出値と対比する。この対比の際にも、制御上の応答遅れが考慮される。
例えば、分担目標値をセンサにより検出可能な物理量に変換するため、予め用意された各車載機器(制御対象機器)のモデルを用いることができる。例えばエンジンの分担目標値をセンサにより検出可能な物理量に変換するには、目標とするエンジントルクを発生するようにエンジンが動作したときにおけるエンジン回転数が出力されるように、エンジンモデルを構築すれば良い。そして、実際のエンジン回転数を回転数センサによって検出し、変換したエンジン回転数と対比する。これにより、EMSECU30によって、エンジンの制御が正常に行われているかどうかを判定することができる。すなわち、エンジンの制御に何らかの異常が発生した場合には、エンジン回転数の変動が発生するので、エンジン回転数の対比から、EMSECU30によって制御が正常に実行されているか否かを判定することができる。なお、対比するための物理量として、エンジンの筒内圧、吸入空気量などを用いても良い。
また、モータジェネレータについては、エンジンと同様に、目標モータトルクを発生するようにモータジェネレータが動作したときにおけるモータ回転数が出力されるように、MGモデルを構築すれば良い。もしくは、モータジェネレータに関しては、分担目標値をモータ電流に変換しても良い。このようにして分担目標値がセンサによって検出可能な物理量に変換されると、回転数センサや電流センサなどにより検出したモータ回転数やモータ電流の実際の検出値と対比することが可能となり、MGECU40が、モータジェネレータを正常に制御できているかいなかを判定することができる。なお、モータ電流を用いる場合、そのモータ電流を磁束電流とトルク電流とに分解し、各々に関して、検出値との比較を行なうようにしても良い。
以上、分担目標値をセンサによって測定可能な物理量に変換することにより、下位階層のECUが制御を正常に実行しているか否かを判定する例について説明したが、分担目標値が与えられない電池ECU50に関しても、電池の充電状態に基づき、制御が正しく行われているか否かを判定することができる。具体的には、電池に関しては、制御状態を判定するためのパラメータとして、SOC(State of Charge)やSOH(State of Health)を用いることができる。電池の制御になんらかの異常が生じた場合、予期されないSOCやSOHの変化として現れるためである。
そして、車両挙動制御機能部14は、下位階層のいずれかのECUによる制御に異常が生じていると判定した場合、当該ECUによる制御を停止させ、かつ当該ECUが分担すべき挙動制御量を、他のECUに振り分けるように、他のECUの分担制御量を再算出して、該当するECUに出力する。これにより、下位階層のいずれかのECUの制御に異常が生じた場合であっても、継続して、挙動目標値に合致するように車両の挙動を制御することが可能になる。
HVECU10の第2のレベル16には、図1に示すように、車両挙動制御機能監視部18が配置されている。この車両挙動制御機能監視部18も、車両挙動制御機能部14と同様に、プロセッシングユニットにて実行可能なプログラムにより構成される。この車両挙動制御機能監視部18は、車両挙動制御機能部14により、挙動目標値及び分担目標値の算出が正常に行われているか否かを監視するものである。具体的には、車両挙動制御機能監視部18は、車両挙動制御機能部14と同じセンサ信号を入力して、車両挙動制御機能部14と同様の監視用挙動目標値を算出し、車両挙動制御機能部14が算出した挙動目標値と対比する。そして、車両挙動制御機能監視部18は、挙動目標値と監視用挙動目標値との間に乖離が生じているか否かに基づいて、車両挙動制御機能部14が、挙動目標値及び分担目標値の算出を正常に実行しているか否かを判定する。すなわち、挙動目標値と監視用挙動目標値とが一致していれば、挙動目標値及び分担目標値の算出が正常に行われていると判定し、差が生じていれば、挙動目標値及び分担目標値の算出が正常に行われていないと判定する。この判定結果は、車両挙動制御機能部14に出力される。
なお、車両挙動制御機能監視部18が、監視用挙動目標値を算出する際、車両挙動制御機能部14と全く同じ演算処理を行なっても良いし、簡略化した演算処理により監視用挙動目標値を算出しても良い。演算処理を簡略化した場合には、挙動目標値と監視用挙動目標値とを対比する際に、その簡略化による誤差分が考慮される。すなわち、挙動目標値と監視用挙動目標値との差異が誤差分内に収まっていれば、車両挙動制御機能部14は、挙動目標値及び分担目標値を正常に算出していると判定する。
HVECU10の第3のレベル20には、図1に示すように、プロセッシングユニット監視部22が配置されている。このプロセッシングユニット監視部22は、プロセッシングユニットによって実行可能なプログラムによって構成されたり、ASIC(特定用途向け集積回路)によって構成されたりする。プロセッシングユニット監視部22は、車両挙動制御機能監視部18をなすプログラムを実行するプロセッシングユニットが、そのプログラムを正常に実行しているか否かを監視するためのものである。例えば、プロセッシングユニット監視部22は、車両挙動制御機能監視部18をなすプログラムが、プロセッシングユニットにおいて正しい手順で実行されているかを、車両挙動制御機能監視部18からチェックポイントごとに出力される信号に基づいて判定する。あるいは、プロセッシングユニット監視部22は、良く知られているウオッチドックタイマと同様に、プロセッシングユニットから定期的に信号が出力されているか否かにより、車両挙動制御機能監視部18をなすプログラムが正常に実行されているか否かを判定するようにしても良い。プロセッシングユニット監視部22は、車両挙動制御機能監視部18の異常を検出した場合、その旨を車両挙動制御機能監視部18に出力したり、車両挙動制御機能監視部18をリセットしたりする。
図1に示すように、EMSECU30及びMGECU40は、HVECU10の下位の階層に置かれ、要求安全度に関しては、HVECU10よりも低い(例えば、EMSECUはASILでBレベル又はCレベル、またMGECUはASILでCレベル)。また、上述したように、EMSECU30により制御対象であるエンジンの制御が正常に実行されているか否か、及びMGECU40によりモータジェネレータの制御が正常に実行されているかは、HVECU10によって判定される。このため、EMSECU30及びMGECU40は、HVECU10のように3レベル構成を有していない。具体的には、制御機能監視部が設けられておらず、第1のレベル32、42としてのサブ制御機能部34、44と、そのサブ制御機能部34、44をなすプログラムを実行するプロセッシングユニットが、そのプログラムを正常に実行しているかどうかを監視する、第3のレベル36、46としてのプロセッシングユニット監視部38、48とからなっている。
なお、EMSECU30のサブ制御機能部34は、エンジン回転数などの情報に基づき、エンジンが分担目標値としての目標エンジントルクを発生するように、スロットルバルブ開度や燃料供給量などを調節してエンジンの運転状態を制御する。また、MGECU40のサブ制御機能部44は、モータジェネレータの回転数や回転位置などの情報に基づき、モータジェネレータが目標モータトルクを発生するように、モータジェネレータの動作状態を制御する。
また、電池ECU50は、上位階層のHVECU10と同等の安全度(ASILでCレベル又はDレベル)が要求されるものではあるが、上述したように、上位階層のHVECU10により、制御状態が監視されている。このため、電池ECU50においても、3レベル構成は有しておらず、第1のレベル52としてのサブ制御機能部54と、第3のレベル56としてのプロセッシングユニット監視部58とからなっている。
次に、図2〜図4のフローチャートを参照しつつ、HVECU10の車両挙動制御機能部14及び車両挙動制御機能監視部18により実行される制御処理について詳しく説明する。なお、図2及び図4のフローチャートは、車両挙動制御機能部14によって実行される制御処理を表しており、図3のフローチャートは、車両挙動制御機能監視部18によって実行される制御処理を表している。
図2のステップS200では、各種のセンサ等から、挙動目標値を算出するための信号を入力する。そして、ステップS210において、入力した挙動目標値算出用信号が正常であるか否かを判定する。この判定処理では、例えば、挙動目標値算出用信号が異常な変化を示したり、車両が走行中であるにも係わらず一定時間以上変化しなかったりすると、挙動目標値算出用信号が異常であると判定される。挙動目標値算出用信号が正常と判定されるとステップS220の処理に進み、異常と判定されるとステップS260の処理に進む。
ステップS220では、入力した挙動目標値算出用信号を用いて、運転者の運転操作に対応するように車両の挙動を制御するための挙動目標値を算出する。さらに、その算出した挙動目標値を、車両挙動制御機能監視部18に送信する。この送信時には、正常判定された挙動目標値算出用信号も併せて送信される。そして、ステップS230では、挙動目標値の算出が正常に行われているか否かに関する監視結果を、車両挙動制御機能監視部18から受信する。なお、車両挙動制御機能監視部18における処理は後述する。
続くステップS240では、挙動目標値の算出が正常に行われている旨の監視結果であったか、それとも、挙動目標値の算出に異常がある旨の監視結果であったかを判定する。正常である旨の監視結果であれば、ステップS250の処理に進み、異常がある旨の監視結果であれば、ステップS260の処理に進む。
ステップS250では、挙動目標値を実現する上で、下位階層のECUの各々が分担すべき挙動制御量に相当する分担目標値を算出する。一方、ステップS260では、挙動目標値算出用信号に異常があったり、挙動目標値の算出に異常が生じている状況であるため、下位階層のECUの各々の挙動制御量として、リンプホームモードによる暫定目標値を算出する。この暫定目標値は、例えば、車両が退避走行を行うことが可能なように、予め定められたものである。
ステップS270では、異常サブシステムの特定とフェールセーフ処理を実行する。このステップS270の処理に関しては、後に、図4のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
次に、車両挙動制御機能監視部18によって実行される制御処理に関して、図3のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS300では、車両挙動制御機能部14から、正常判定された挙動目標値算出用信号と、車両挙動制御機能部14において算出された挙動目標値を受信する。続く、ステップS310では、受信した挙動目標値算出用信号に基づき、監視用挙動目標値を算出する。
そして、ステップS320において、受信した挙動目標値と、算出した監視用挙動目標値とを対比して比較する。このとき、両方の目標値が一致していると判定されると、車両挙動制御機能部14において、挙動目標値が正常に算出されたとみなすことができるので、ステップS330において、挙動目標値及び分担目標値の算出は正常である旨の判定を行う。なお、挙動目標値が正常に算出されたのであれば、分担目標値も正常に算出されると推測することができる。一方、両方の目標値が相違している場合、車両挙動制御機能部14での挙動目標値の算出になんらかの異常が生じている可能性があるので、ステップS340において、挙動目標値の算出に異常が生じている旨の判定を行う。ステップS350では、ステップS330又はS340における判定結果を、挙動目標値の算出に関する監視結果として、車両挙動制御機能部14に送信する。
次に、図4のフローチャートに基づいて、車両挙動制御機能部14において実行される異常サブシステムの特定とフェールセーフのための処理について説明する。
まず、S400において、車両挙動制御機能部14は、各サブシステムごとに算出した分担目標値を、センサによって測定可能な物理量と対比可能な物理量に変換する。ステップS410では、その変換した物理量と対比される物理量を検出するセンサから検出値を入力する。そして、ステップS420では、変換した物理量と、センサ検出値とを対比することにより、該当するサブシステムが正常であるか否かを判定する。
ステップS420の判定処理において、すべてのサブシステムが正常と判定されると、ステップS430の処理に進み、図2のフローチャートのステップS250にて算出した分担目標値を、各サブシステム(下位階層の各ECU)に出力する。しかし、ステップS420の判定処理において、いずれかのサブシステムに異常があると判定された場合には、ステップS440〜S470のいずれかの処理に進む。
例えば、モータジェネレータを制御するサブシステムに異常があると判定された場合には、ステップS440の処理に進んで、モータジェネレータを停止させる。さらに、ステップS445において、MGECU40が分担すべき挙動制御量を、他のEMSECU30に振り分けるように分担制御量を再算出して、該当するEMSECU30に出力する。また、ステップS420の判定処理において、エンジンを制御するサブシステムに異常があると判定された場合、ステップS450の処理に進んで、エンジンを停止させる。さらに、ステップS455において、EMSECU30が分担すべき挙動制御量を振り分けるように、他のMGECU40の分担制御量を再算出して、MGECU40に出力する。
車両挙動制御システムが、上述したように、他のサブシステム(例えば、ブレーキ制御システム、トランスミッション制御システムなど)を備えており、そのいずれかのサブシステムに異常があるとの判定がなされた場合には、ステップS460の処理に進んで、異常が生じたサブシステムを停止させる。さらに、ステップS465の処理において、その停止させたサブシステムが分担すべき挙動制御量を、他のECUに振り分けるように、他のECUの分担制御量を再算出して、該当するECUに出力する。
また、ステップS420の判定処理において、複数のサブシステムに異常があると判定された場合には、ステップS470に進んで、全サブシステムに対して、目標値として、所定のフェールセーフ値を出力する。
以上、説明したように、本実施形態の車両挙動制御システムによれば、上位階層のHVECU10だけを3レベル構成とし、下位階層の各ECUには、制御機能監視部をもうけていないので、下位階層の各ECUの構成を簡素化することができる。その一方で、上位階層のHVECU10が、下位階層の各ECUの制御が正常に行われているか否か、すなわち、各サブシステムが正常に作動しているか否かを監視する機能を有している。従って、システム全体として、各ECUに制御機能監視部を設けた場合と同等の監視機能を確保することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態による車両挙動制御システムについて図5を参照しつつ説明する。なお、図5において、上述した第1実施形態の車両挙動制御システムと同じ構成については、同じ参照番号を付与することにより、説明を省略する。
上述した第1実施形態では、上位階層のHVECU10のみが3レベル構成を有し、下位階層のECU30〜50は、いずれも制御機能監視部を備えていなかった。しかしながら、下位階層のECU30〜50(すなわち、サブシステム)に、上位階層のHVECU10と同等以上の安全性が求められるものが含まれる場合、その下位階層のECUを3レベル構成としても良い。
例えば、図5には、上位階層のHVECU10と同等の安全性が要求される下位階層の電池ECU50が3レベル構成を有する例が示されている。すなわち、電池ECU50が、第1のレベル52のサブ制御機能部54と、第2のレベル60のサブ制御機能監視部62と、第3のレベル56のプロセッシングユニット監視部58とから構成されている。このように構成することで、下位階層のECUの中に、上位階層のHVECU10と同等以上の安全性が求められるものが存在する場合であっても、そのような要求に応えることが可能になる。
ここで、下位階層の少なくとも1つのECUを3レベル構成とした場合、図5に示すように、上位階層のHVECU10と、3レベル構成を有する下位階層の電池ECU50とに、それぞれ機能監視協調部24,64を設けても良い。これら機能監視協調部24,64は、互いに、制御機能監視部18,62の監視結果を通信し合うものである。これにより、一方のECUに異常が生じた場合、その異常発生状況を他方のECUが確実に把握することができるようになる。そのため、例えば、サブシステムを制御する下位階層の電池ECU50に異常が生じた場合などに、上位階層のHVECU10は、リンプホームモードによる非常時の処置を的確に行うことが可能になる。
なお、機能監視協調部24,64が通信し合うのは、制御機能監視部18,62の監視結果に限られず、プロセッシングユニット監視部22,58の監視結果も含まれていても良い。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態による車両挙動制御システムについて図6を参照しつつ説明する。なお、図6において、上述した第1実施形態の車両挙動制御システムと同じ構成については、同じ参照番号を付与することにより、説明を省略する。
図6に示す車両挙動制御システムは、上位階層のECUに求められる機能と、下位階層のECUに求められる機能の軽重に鑑み、上位階層のECUにおいて、下位階層のECUよりも高性能なプロセッシングユニットを採用したものである。すなわち、図6に示す構成では、上位階層のHVECU10は、複数コアのプロセッシングユニットから構成され、下位階層の各ECU30〜50は、上位階層のHVECU10よりもコア数の少ないプロセッシングユニットから構成されている。
より具体的には、図6に示した例では、上位階層のHVECU10がデュアルコアのプロセッシングユニット11から構成され、下位階層のEMSECU30,MGECU40,及び電池ECU50が、それぞれシングルコアのプロセッシングユニット33,43,53から構成されている。
このような構成を採用することにより、下位階層のECUとして、廉価なプロセッシングユニットを用いることが可能になる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態による車両挙動制御システムについて図7を参照しつつ説明する。なお、図7において、既述の第1〜第3実施形態の車両挙動制御システムと同じ構成については、同じ参照番号を付与することにより、説明を省略する。
上記の第3実施形態による車両挙動制御システムでは、上位階層のECUとして、高性能な複数コアのプロセッシングユニットを用いたが、本実施形態の車両挙動制御システムでは、図7に示すように、上位階層のHVECU10において、車両挙動制御機能部14が実装されるプロセッシングユニット13と、車両挙動制御機能監視部18が実装されるプロセッシングユニット17とを分け、それぞれ専用のプロセッシングユニットを設けたものである。このような構成を採用することにより、車両挙動制御機能部14と車両挙動制御機能監視部18との独立性を担保することができ、上位階層のHVECU10による制御の安全性を高めることが可能となる。つまり、プロセッシングユニットを分けることで、プロセッシングユニットの異常により、制御機能と監視機能とが同時に機能縮退や機能不全となってしまう事態の発生を回避することができ、安全性を高めることができる。
なお、車両挙動制御機能部14と車両挙動制御機能監視部18とに対して、それぞれ専用のプロセッシングユニットを設けた場合、図7に示すように、車両挙動制御機能部14が実装されたプロセッシングユニット13と、車両挙動制御機能監視部18が実装されたプロセッシングユニット17に対して、それぞれプロセッシングユニット監視部28,22を個別に設けることが好ましい。これにより、それぞれのプロセッシングユニット13,17が正常にプログラムを実行している否かを確実に監視することができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態による車両挙動制御システムについて図8を参照しつつ説明する。なお、図8において、既述の第1〜第4実施形態の車両挙動制御システムと同じ構成については、同じ参照番号を付与することにより、説明を省略する。
第1〜第4実施形態の車両挙動制御システムは、上位階層のHVECU10が、車両の挙動目標値を算出するとともに、下位階層に置かれた各サブシステムのECU30、40に対して、その挙動目標値を実現する上で、各サブシステムが分担すべき挙動制御量に相当する分担目標値を決定し出力するものであった。
しかしながら、上位階層のHVECU10は、挙動目標値の算出及び各サブシステム分担制御量の算出に加え、自身も、下位階層のサブシステムのECUの1つとして、対応する制御対象機器の動作状態の制御を実行するようにしても良い。すなわち、上位階層のECUと、下位階層のECUとを、別個のプロセッシングユニットとしてシステム構成するばかりでなく、上位階層のECUと下位階層のECUとを共通のプロセッシングユニットを用いて実現したシステム構成を採用することもできる。
例えば、図8は、上位階層のHVECU10が、サブシステムとしてのモータジェネレータ制御システムのECUとしての機能も兼ね備えた構成を示している。すなわち、上位階層のECUとして果たすべき機能である車両挙動制御機能部14及び車両挙動制御機能監視部18と、下位階層のECUとして果たすべき機能であるサブ制御機能44とが、共通のプロセッシングユニット15に実装されている。
なお、図8において、41は、上位階層のECUとしての機能と、下位階層のECUとしての機能を区分けするために、ハード的もしくはソフト的に設けられた仕切りを意味する。また、図8では、車両挙動制御機能部14が、各サブシステムの制御動作が正常に行われているかを監視する機能を備えるため、下位階層のECUとしての機能から、サブ制御機能監視部が省略されている。しかしながら、結局、同じプロセッシングユニット内に処理されるのであるから、上位階層のECU内に制御機能を取り込んだサブシステムについては、下位階層のECUの機能として、サブ制御機能監視部を設けても良い。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態による車両挙動制御システムについて図9のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、図9のフローチャートにおいて、図3のフローチャートと同じ処理については、説明を省略もしくは簡略化する。
上述した第1実施形態の車両挙動制御システムでは、図3のフローチャートを用いて説明したように、車両挙動制御機能監視部18が、車両挙動制御機能部14が算出する挙動目標値と同等の監視用挙動目標値を算出して、両目標値を対比することにより、車両挙動制御機能部14が、挙動目標値及び分担目標値を正常に算出しているか否かを判定した。
ここで、車両挙動制御機能部14は、まず、車両の挙動目標値を算出し、その後、算出した挙動目標値を実現するために各サブシステム(のECU)が分担すべき挙動制御量に相当する分担目標値を算出する。従って、車両挙動制御機能監視部18は、挙動目標値に対応する監視用挙動目標値に限らず、分担目標値に対応する監視用分担目標値を算出するようにしても、車両挙動制御機能部14における挙動目標値及び分担目標値の算出が正しく行われているか否かを判定することができる。
そのため、図9のフローチャートに示す処理では、ステップS910で監視用挙動目標値を算出した後、ステップS920において、各サブシステムの監視用分担目標値を算出する。そして、ステップS930において、分担目標値と監視用分担目標値とを対比し、一致していれば、車両挙動制御機能部14において、挙動目標値及び分担目標値の算出が正常に行われ、相違していれば、その算出が正常に行われなかったと判定する。
なお、車両挙動制御機能監視部18は、監視用挙動目標値と監視用分担目標値とをともに算出して、挙動目標値及び分担目標値とそれぞれ対比するようにしても良い。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態による車両挙動制御システムについて図10を参照しつつ説明する。なお、図10において、既述の第1〜第5実施形態の車両挙動制御システムと同じ構成については、同じ参照番号を付与することにより、説明を省略する。
本実施形態による車両挙動制御システムは、図10に示すように、挙動目標値を算出するための信号の少なくとも1つ(例えば、アクセルセンサ)を二重系センサ70とし、その二重系センサ70の各々のセンサ部から別個の通信系統を介して、車両挙動制御機能部14及び車両挙動制御機能監視部18にそれぞれ検出信号が入力されるように構成されている。このような構成を採用することにより、一方の通信系統を介して入力された検出信号に何らかの異常が生じていた場合、車両挙動制御機能監視部18により異常との判定がなされることになる。従って、二重系センサ及び通信系統の異常も併せて監視することができるようになることに加え、通信異常だけで、車両挙動制御機能監視部18による監視機能が破綻してしまうことを防止することができる。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態による車両挙動制御システムについて図11を参照しつつ説明する。なお、図11において、既述の第1〜第5実施形態の車両挙動制御システムと同じ構成については、同じ参照番号を付与することにより、説明を省略する。
本実施形態による車両挙動制御システムは、図11に示すように、車両挙動制御システムにおける電源ライン(システム全体に影響する電源ライン、もしくは個々のサブシステムの電源ライン)に電源リレー72が設けられている。この電源リレー72は、直列に接続された2個のリレースイッチを有する。この2個のリレースイッチは、車両挙動制御機能部14及び車両挙動制御機能監視部18から別個の通信系統を介して出力されるリレーオフ信号により、それぞれオフされるように構成されている。
車両挙動制御機能監視部18により、車両挙動制御機能部14において挙動目標値及び分担目標値の算出が正しく行われない状況が継続していることが判定された場合や、車両挙動制御機能部14により、いずれかのサブシステムの制御が異常である旨が判定された場合に、リンプホームモードにより、各サブシステムの機能を制限したり、異常の程度によっては、サブシステムやシステム全体の制御を完全に停止させたりする。サブシステムやシステム全体の制御を完全に停止させる場合に、上述した構成を採用することにより、該当するシステムへの電源供給を確実に停止させることが可能となる。
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態による車両挙動制御システムについて図12を参照しつつ説明する。なお、図12において、既述の第1〜第5実施形態の車両挙動制御システムと同じ構成については、同じ参照番号を付与することにより、説明を省略する。
本実施形態による車両挙動制御システムは、図12に示すように、上位階層のHVECU10において、車両挙動制御機能部14に対して動作電源を供給する第1の電源回路74と、車両挙動制御機能監視部18に対して動作電源を供給する第2の電源回路76とを有する。なお、プロセッシングユニット監視部22への動作電源の供給は、第1の電源回路74と第2の電源回路76のいずれかによって行われれば良い。
このような構成を採用することにより、電源回路の異常によって、車両挙動制御機能部14による制御機能と、車両挙動制御機能監視部18による監視機能とが、同時に機能不全となる事態の発生を回避する可能性を高めることができる。
(第10実施形態)
次に、本発明の第10実施形態による車両挙動制御システムについて図13を参照しつつ説明する。なお、図13において、既述の第1〜第5実施形態の車両挙動制御システムと同じ構成については、同じ参照番号を付与することにより、説明を省略する。
本実施形態の車両挙動制御システムにおいては、図13に示すように、上位階層のHVECU10がデュアルコアのプロセッシングユニットにより構成されている。そのプロセッシングユニットは、各コア単位で動作周波数を変更可能なものである。そして、HVECU10は、プロセッシングユニットの動作環境温度を検出する温度検知部78と、温度検知部78によって検出された温度が所定温度以上に上昇した場合に、車両挙動制御機能部14が実装されたコアの動作周波数、及びプロセッシングユニット監視部22が実装されたプロセッシングユニットの動作周波数を低下するように変更可能な周波数変更部80を備えている。
従って、プロセッシングユニットの動作環境温度が所定温度以上に上昇して熱暴走の虞が生じた場合、プロセッシングユニットの動作周波数を低下させて、プロセッシングユニットからの発熱量を減少させることにより、熱暴走の発生を抑止することができる。
ただし、車両挙動制御機能部14が実装されたコアの動作周波数と、車両挙動制御部が実装されたコアの動作周波数とを一律に低下させてしまうと、制御性と安全性とが同時に機能縮退してしまう。そこで、本実施形態では、車両挙動制御機能部14が実装されたコアの動作周波数だけを低下させ、車両挙動制御機能監視部18の動作周波数はそのまま変更しないこととした。これにより、動作環境温度が上昇した場合に、プロセッシングユニットによる発熱量を低減しながら、少なくとも安全性の機能退縮を抑制することが可能になる。
なお、上述した例において、車両挙動制御機能監視部18が実装されたコアの動作周波数を、車両挙動制御機能部14が実装されたコアの動作周波数よりも高い範囲で、低下させるようにしても良い。これにより、プロセッシングユニットの発熱量をより一層低減することができる。
また、上述した例では、HVECU10がデュアルコアのプロセッシングユニットにより構成されたが、2つの別個のプロセッシングユニットにより構成されても良い。要するに、車両挙動制御機能部14が実装されたコア(プロセッシングユニット)の動作周波数が、車両挙動制御機能監視部18が実装されたコア(プロセッシングユニット)の動作周波数よりも低下するように、少なくとも車両挙動制御機能部14が実装されたコア(プロセッシングユニット)の動作周波数が低下可能な構成であれば採用することができる。
(第11実施形態)
次に、本発明の第11実施形態による車両挙動制御システムについて図14を参照しつつ説明する。なお、図14において、既述の第1〜第5実施形態及び第10実施形態の車両挙動制御システムと同じ構成については、同じ参照番号を付与することにより、説明を省略する。
上述した第10実施形態の車両挙動制御システムでは、上位階層のHVECU10において、車両挙動制御機能部14が実装されたコア(プロセッシングユニット)の動作周波数と、車両挙動制御機能監視部18が実装されたコア(プロセッシングユニット)の動作周波数とが、独立して変更可能な構成を前提とするものであった。
しかしながら、本実施形態では、HVECU10の動作周波数は、全体としてしか変更できない構成を前提としながら、第10実施形態と同等の効果を奏し得るようにしたものである。
本実施形態においても、第10実施形態と同様に、HVECU10は、プロセッシングユニットの動作環境温度を検出する温度検知部78と、温度検知部78によって検出された温度が所定温度以上に上昇した場合に、HVECU10を構成するプロセッシングユニットの動作周波数を低下するように変更可能な周波数変更部80を備えている。このため、周波数変更部80によって動作周波数が低下させられると、車両挙動制御機能部14,車両挙動制御機能監視部18、及びプロセッシングユニット監視部22のすべての動作周波数が一律に低下することになる。
そこで、本実施形態においては、車両挙動制御機能監視部18は、周波数変更部80によって動作周波数が低下されたことに応じて、図3に示すような監視機能プログラムの実行処理周期を短くする。このような構成を採用することにより、第10実施形態と同様に、プロセッシングユニットからの発熱量を減少させて熱暴走の発生を抑止しつつ、安全性の機能退縮を抑制することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形しつつ実施することができる。
例えば、上述した各実施形態では、上位階層のHVECU10において、車両挙動制御機能部14が、下位階層の各ECUにより制御されるサブシステムに何らかの異常が生じていないかを判定していた。しかしながら、この判定機能は、車両挙動制御機能監視部18が担っても良いし、専用の判定部が設けられても良い。
10…HVECU
14…車両挙動制御機能部
18…車両挙動制御機能監視部
22…プロセッシングユニット監視部
30…EMSECU、
40…MGECU
50…電池ECU
34,44,54…サブ制御機能部

Claims (16)

  1. 車両の挙動を制御する車両挙動制御システムであって、
    少なくとも、車両の挙動に関する挙動目標値を算出するとともに、後述の複数の下位階層制御装置の各々に対して、前記挙動目標値を実現する上で、当該下位階層制御装置の各々が分担すべき挙動制御量に相当する分担目標値を決定し出力する上位階層制御装置と、
    前記上位階層制御装置から分担目標値を入力し、その分担目標値に従って、対応する車載機器の動作状態を制御する複数の下位階層制御装置と、を備え、
    前記上位階層制御装置は、前記挙動目標値及び分担目標値を算出する算出部と、前記算出部における挙動目標値及び分担目標値の算出が正常に行われているか否かを監視する監視部とを有するのに対し、前記複数の下位階層制御装置の少なくとも1つは、前記分担目標値に従って、対応する車載機器の動作状態を制御する制御部は有するが、当該制御部による前記車載機器の動作状態の制御が正常に行われているか否かを監視する監視部は有しておらず、
    前記上位階層制御装置は、さらに、監視部を有していない前記下位階層制御装置の分担目標値を、センサによる検出値と比較可能な物理量に変換する変換部、及び、前記物理量とセンサによって実際に検出された実測値との比較結果に基づいて、前記下位階層制御装置の制御部が正常に動作しているか否かを判定する判定部とを有することを特徴とする車両挙動制御システム。
  2. 前記上位階層制御装置の監視部は、前記算出部が算出する挙動目標値と同等の監視用挙動目標値を算出するとともに、前記挙動目標値と前記監視用挙動目標値との対比結果に基づいて、前記算出部において、前記挙動目標値及び前記分担目標値の算出が正常に行われているか否かを監視することを特徴とする請求項1に記載の車両挙動制御システム。
  3. 前記上位階層制御装置の監視部は、前記算出部が算出する分担目標値と同等の監視用分担目標値を算出するとともに、前記分担目標値と前記監視用分担目標値との対比結果に基づいて、前記算出部において、前記挙動目標値及び前記分担目標値の算出が正常に行われているか否かを監視することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両挙動制御システム。
  4. 前記監視部が前記監視用挙動目標値もしくは前記分担目標値を算出するために、前記上位階層制御装置には、各種のセンサからの検出信号が入力され、その各種のセンサの少なくとも1つは二重系センサであり、その二重系センサの各々のセンサから別個の通信系統を介して、前記上位階層制御装置の算出部及び監視部にそれぞれ検出信号が入力されることを特徴とする請求項2又は3に記載の車両挙動制御システム。
  5. 前記車両挙動制御システムへの電源ラインに直列に2個のリレーが設けられ、前記上位階層制御装置の算出部及び監視部は、当該監視部により異常が生じたと判定されたときに、前記2個のリレーのそれぞれに、別個の通信系統を介して、リレーオフ信号を出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の車両挙動制御システム。
  6. 前記上位階層制御装置の算出部に対して動作電源を供給する第1の電源回路と、当該第1の電源回路とは別個に設けられ、前記上位階層制御装置の監視部に対して動作電源を供給する第2の電源回路とを備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の車両挙動制御システム。
  7. 前記上位階層制御装置の監視部は、プロセッサを有し、当該プロセッサが所定の監視プログラムを実行することにより、前記算出部における挙動目標値及び分担目標値の算出が正常に行われているか否かを監視するものであり、
    前記上位階層制御装置は、さらに、前記監視部のプロセッサが、前記監視プログラムを正常に実行しているか否かを監視するプロセッサ監視部を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の車両挙動制御システム。
  8. 前記上位階層制御装置の算出部は、いずれかの下位階層制御装置に異常が生じていると判定された場合、当該下位階層制御装置が分担すべき挙動制御量を、他の下位階層制御装置に振り分けるように、他の下位階層制御装置の分担制御量を算出することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の車両挙動制御システム。
  9. 前記上位階層制御装置の算出部と監視部とは、異なるプロセッシングユニットに実装されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の車両挙動制御システム。
  10. 前記プロセッサ監視部は、前記算出部が実装されたプロセッシングユニットと、前記監視部が実装されたプロセッシングユニットに対して、それぞれ個別に設けられることを特徴とする請求項9に記載の車両挙動制御システム。
  11. 前記プロセッシングユニットの環境温度を検出する温度センサと、
    前記温度センサによって検出される温度が所定温度以上となると、少なくとも前記算出部が実装された前記プロセッシングユニットの動作周波数を低下させ、それにより、前記算出部が実装されたプロセッシングユニットの動作周波数を、前記監視部が実装されたプロセッシングユニットの動作周波数よりも低下させる周波数変更部と、を備えることを特徴とする請求項9又は10に記載の車両挙動制御システム。
  12. 前記上位階層制御装置は、複数コアのプロセッシングユニットから構成され、前記下位階層制御装置は、上位階層制御装置よりもコア数の少ないプロセッシングユニットから構成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の車両挙動制御システム。
  13. 前記プロセッシングユニットの環境温度を検出する温度センサと、
    前記温度センサによって検出される温度が所定温度以上となると、前記上位階層制御装置の算出部及び監視部の動作周波数を低下させて発熱を抑制する周波数変更部と、を備え、
    前記監視部は、前記周波数変更部による動作周波数の低下に応じて、処理周期を短くすることを特徴とする請求項12に記載の車両挙動制御システム。
  14. 前記下位階層制御装置の少なくとも1つは、対応する車載機器の動作状態を制御する制御部、プロセッサが所定の監視プログラムを実行することにより前記制御部による制御が正常に行われているか否かを監視する監視部、及び前記監視部のプロセッサが前記監視プログラムを正常に実行しているかを監視するプロセッサ監視部を備えることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の車両挙動制御システム。
  15. 前記下位階層制御装置は、自身の監視部による監視結果を、上位階層制御装置に送信する送信部を有することを特徴とする請求項14に記載の車両挙動制御システム。
  16. 前記上位階層制御装置は、前記下位階層制御装置の各々に対する分担制御量を算出することに加え、自身も、下位階層制御装置の1つとして、対応する車載機器の動作状態の制御を実行することを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の車両挙動制御システム。
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