以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
本発明の実施の形態では、本発明に係る遊技機を、発射装置により遊技盤面上に発射される遊技球を外部と遮断した、いわゆる封入球式のパチンコ遊技機に適用した例について説明する。なお、以下においては、図11のフローチャートを適宜参照しつつ、パチンコ遊技機の構成および動作を説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るパチンコ遊技機は、遊技機本体(筺体)100を有している。また、本実施の形態では、遊技機本体100に隣接させて現金対応の玉貸機すなわち現金サンドと、プリペイドカードの挿入口をもつCRサンドとの機能を併せ持つ、CRユニット200を設けている。紙幣投入口201または硬貨投入口202から現金を投入することにより、遊技機設置設備側すなわち島300から所定個数の貸球が供給ノズル203、投入口6、投入通路64を経て受皿4に払い出される。例えば500円なら125個の貸球が払い出される(図11のステップ001を参照)。
CRサンドとして用いる場合、カードを挿入すると、遊技機本体100の操作部110の第1表示部111にカードの残度数がデジタル表示され、貸出ボタン120を一回押すごとに500円分の125個の球が島300から遊技機本体100内の払出装置3、払出通路34を経て受皿4に払い出される。返却ボタン130を押すと、CRサンドからカードが返却される。以上、図11のステップ002〜006を参照。
図1に示すように、操作部110の自動供給ボタン150または手動供給ボタン160を押すと、受皿4の奥行方向内方に設ける排出装置5が作動し、受皿4の球が島300に強制排出される。この排出する球数に等しい数だけクレジット度数が増加し、操作部110の第3表示部113に表示される。自動供給の場合、クレジットが10以下であると、最大250になるまで受皿4からの排出球を自動的にカウントし、クレジットを増加させる。手動供給の場合、手動供給ボタン160を押している間だけ或は押した回数に所定の倍数を乗じた数だけ排出球をカウントし、同じく最大250の範囲内でクレジットを増加させる。なお、自動供給でクレジットが0になり、排出装置5を3秒間駆動しても球のカウントがなくクレジットが上がらない場合、手動供給に切り替えている。以上、図11のステップ007〜013を参照。
図1の遊技機本体100内に封入した封入遊技球は総数25個であるが、クレジット度数に応じたのべ個数の封入遊技球を用いて遊技をすることができる。発射ハンドル10の操作によりソレノイド式の発射装置1から球を打ち出し、フロントガラス2Aの内方に設ける遊技盤2に球を流下させる。そして、入賞球あるいはアウト球となった遊技球を再び発射装置1に循環させる。このように封入遊技球が循環する閉回路Nは、払出装置3、受皿4、排出装置5を経路中に含む開回路O側とは独立している。閉回路Nと開回路Oが独立であるとは、通常の遊技状態で、両回路の遊技球が互いに干渉せず混ざり合ったりしないことをいう。
また、遊技機本体100には、トラブル発生時のエラー符号を表示する第2表示部112と、クレジット度数の残分に見合う数の球を受皿4に払い出す清算ボタン140とが設けられている。さらに、遊技機本体100には、各ボタン120、130、140、150、160の操作時にボタン部分の点燈と同期させて点燈させる補助表示燈121、131、141、151、161が設けられている。加えて、遊技機本体100には、灰皿9と、受皿4の球を遊技者の手元側のドル箱に入れる押ボタン式の球抜操作具40とが配設されている。
また、遊技機本体100は、遊技盤2の前部を覆う扉式のフロントカバー170と、枠上部飾りランプ171、払出ランプ172、トラブルランプ173、左右対称の各種演出用ランプ174〜178の各種ランプ類と、演出用ステレオスピーカ179とを含んで構成されている。
遊技機本体100は、上下のヒンジ部181、182を介して、固定枠180に対して扉状に開くよう構成されている。遊技機本体100には、ドア鍵の正回しで遊技機本体100の戸開きを許し、逆回しでフロントカバー170の戸開きを許す鍵穴部183が設けられている。
図2に示すように、遊技機本体100は、平面的に見て中央が前方に張り出すように丸みを帯びている。払出装置3の球タンク30は、その上部開口を図示しない島側の遊技球供給口に臨ませている。
図3に示すように、投入口6は、ジョウゴ形を呈し、下部出口から延びる投入通路64を払出通路34の下流部途中に合流させている。したがって、受皿4に接続される遊技球通路の出口は一箇所のみとなっている。
図4に示すように、操作部110は、遊技者の見下ろし視線に対応させて後傾姿勢にしている。丸みを帯びた部分に設けられる各補助表示燈121〜161は、サイドからもその点燈状況が判るようになっている。
図5に示すように、遊技機本体100の裏側には、可変図柄表示装置等の主に遊技盤周りの制御対象をコントロールする主基板191、操作部110、払出装置3、排出装置5等をコントロールする払出基板192、これら基板上のCPUやROMの改ざんを防止する施錠機構付き基板保護装置193、外部端子板500、これに具備する電源スイッチ197、CRサンドとの接続基板198などの各種部品を備える。
また、遊技機本体100の裏側には、払出通路34の上流側を、投入通路64と合流する下流側通路343と、島300に開放する回収通路70側とに切り替えて連通させる切替機構7が設けられている。また、払出通路34の上流側には、上流側パイプ部341が設けられている。上流側パイプ部341と切替機構7とを連通する通路は、コイル状のフレキシブル通路342とされている。さらに、遊技機本体100の裏側には、内蔵する発射装置1に封入球を送る球送り装置12、これに封入球を導く上流通路13等を備える封入球の球循環装置11が設けられている。
図6に示すように、遊技盤2には、発射装置1から打ち出す封入遊技球を盤面に導くガイドレール20、液晶画面上に3列の数字・記号や各種演出用絵柄を可変表示させる可変図柄表示装置21、その可変表示を起動する始動入賞口22が設けられている。ここで、始動入賞口22は、電動チューリップ23で構成されており、遊技球が入賞し易い開状態と遊技球が入賞し難い閉状態とに変化可能となっている。通常時において始動入賞口22は、閉状態とされている。
また、遊技盤2には、可変図柄表示装置21上で数字等が3列全て揃う大当りが発生した時に開放するアタッカ24、始動入賞口22を開成する抽選を起動する通過ゲート25、左右の一般入賞口26、アウト口27が設けられている。
可変図柄表示装置21は、10インチの液晶大画面21aを有し、透明樹脂板からなる遊技盤2の裏面から図柄を透かして見せるようにしている。図示は省略したが、遊技盤2上には、液晶大画面21aの部分も含めて、多数の釘が打たれている。
さらに、遊技盤2の上部には、特別図柄表示装置28、普通図柄表示装置29、4個の特別図柄保留表示装置28a、4個の普通図柄保留表示装置29aがそれぞれ配置されている。特別図柄表示装置28は、7セグメントLEDで構成され、普通図柄表示装置29、特別図柄保留表示装置28aおよび普通図柄保留表示装置29aは、それぞれLEDで構成されている。
図7に示すように、遊技盤2の裏には、各入賞口23、26およびアタッカ24への入賞球を集める集合樋220が設けられている。
集合樋220に集められた球は、入賞球検知スイッチb3を通過した後、球循環装置11の盤面排出球通路14に落ちる。アウト口27の球は、流下樋229からそのまま盤面排出球通路14に落ちる。
テンカウントスイッチb2は、アタッカ24への入賞球が10個になるとアタッカ24を閉じる機能を有するとともに、アタッカ24の最大開放時間30秒開放させる機能を有する。なお、アタッカ24および一般入賞口26への入賞球1個当りの賞球数は、例えば13個、始動入賞口23への入賞球1個当りの賞球数は、例えば5個に設定している。また、始動入賞口22へ入賞した遊技球は、始動口スイッチb1によって検知される。
次に、図8を参照して、球循環装置11の詳細について説明する。
図8に示すように、ベース11Aには、発射ソレノイド1Mを有する発射装置1、前後一対の発射球検知スイッチ15、遊技盤面に達せずに戻ってくる球を検知する戻り球検知スイッチ16、球搬送モータ17Mおよび搬送スクリュー17Sを有する球搬送装置17が設けられている。ベース11Aに展開機構11Bを介して折り畳みおよび展開自在としたカバー11Cには、球送りソレノイド12Mおよびスライダ12Sを有する球送り装置12、上流通路13、上流通路13から球送り装置12に至る球を検知する球通路スイッチ18、盤面排出球通路14、これに連通する下流通路19が設けられている。
図8において、球の流れは、以下の通りである。
すなわち、(1)上流通路13内の球は、球送り装置12に流れる。(2)球送り装置12に流れた球は、球送りソレノイド12Mの動作により、発射装置1に送られる。(3)発射装置1に送られた球は、発射ソレノイド1Mの動作により、発射球検知スイッチ15を通過して盤面へ発射される。(4)盤面排出球通路14に落ちたアウト球または入賞球は、Aから下流通路19を通ってBへ流れる。(5)Bへ流れた球は、球搬送装置17のスクリュー下端位置Cに導かれ、球搬送モータ17Mの動作によりスクリュー上端位置Dまで上昇する。(6)Dまで上昇した球は、Eから上流通路13に戻る。(7)盤面に達しない戻り球は、戻り球検知スイッチ16を通過して、FからGを通り、盤面排出球と合流してBへ流れる。
球通路スイッチ18が一定時間球を検知できなかった場合は、循環経路内での球詰りの発生とみなし、エラー状態となる。球送り装置12および発射装置1は、発射ハンドル10の回動操作により駆動され、発射球検知スイッチ15で発射球が検知され、かつ戻り球検知スイッチ16で戻り球が非検知の場合、クレジット度数をカウントダウンするようにしている(図11のステップ014〜019を参照)。クレジットが0になると、封入球の発射装置1、球送り装置12、球搬送装置17が停止し、遊技が終了する(同ステップ020を参照)。
図8において、球送り装置12の詳細な動作説明は、以下の通りである。
すなわち、(1)上流通路13を流れてきた球は、スライダ12Sにより静止する。(2)球送りソレノイド12Mの吸引動作により、スライダ12Sが上昇する。(3)スライダ12Sの上昇により、球がスライダ12Sの内部に入る。(4)球送りソレノイド12Mへの通電を停止することにより、スライダ12Sは下降し通常状態に戻り、内部の球が排出される。
また、図8において、球搬送装置17の詳細な動作説明は、以下の通りである。
すなわち、(1)下流通路19を通った球は、球搬送装置17の搬送スクリュー17Sの下端部Cに導かれる。(2)スクリュー17Sの回転により球は上昇する。(3)出口Dまで上昇した球はスクリュー17Sの歯によって押し出され、上流通路13に流れる。スクリュー17Sは、発射装置1の作動中、常に回転している。
なお、払出装置3は、いわゆるロータリー式球送出装置を採用しており、一般的な既知の払出装置と同様の構成であるため、その構成および動作の説明を省略する。
図9に示すように、受皿4の底部には、ドル箱へ球を抜くための球抜口41が開口されており、これを開閉するように球抜スライダ42が設けられている。スライダ42の裏面に突設するピン43は、球抜操作具40の進退により軸441回りに揺動するクランク44の長孔442に受入れられている。球抜操作具40を押し込むと、スライダ42が移動して球抜口41が開き、受皿4の底部の勾配により遊技球は球抜口41の下方からこれに連なる下方通路45を経てドル箱内に落とされる。球抜操作具40の押込み時、クランク44の小突起443により球抜き検知スイッチ46が作動される。
受皿4の奥には、仕切り470により球一個の通過のみ許容させた4区画の球吸込口47が開口されており、この球吸込口47の下方に、仕切りをもつ4列の傾斜状ガイドレール48が設けられている。そして、このレール48に流下させる遊技球を排出装置5に導いている。球吸込口47を一つ一つが球一個の通過のみ許容する区画構造にしているのは、不正球の挿入等のゴト行為を防止するためである。
図10に示すように、排出装置5には、払出装置3で用いたものと同じロータリー式球送出装置8が採用されている。その遊技球の取込口81に連なるガイド体810は、ガイドレール48の下端爪49に嵌め込まれている。排出装置5に用いた球送出装置8では、排出口83の出口を、そのまま島300に開放させている。また、回転ディスク82の逆転により、排出口83の上流側に滞留する遊技球を返却口84から返却できるようにしており、返却口84から延びる返却通路87の出口870を、球抜口41の下方近傍にある下方通路45に隣接して配置している。
球抜スライダ42には、ガイド棒421が一体化して設けられている。また、球抜スライダ42は、一端にガイド棒421を受け入れたスプリング422によって閉方向に付勢されている。
図10に示す排出装置5の正転によるクレジットアップ動作は、以下の通りである。
すなわち、(1)受皿4に遊技球が投入されると、受皿4の勾配により遊技球は吸込口47へ流下する。(2)遊技球は吸込口47を通過後、ガイドレール48を経て取込口81に達する。(3)遊技球は回転ディスク82の溝820またはその上方に貯えられる。(4)遊技球数のカウントによるクレジットアップを行う際、回転ディスク82が左回転(正転)するようにモータ821に電流が供給される。(5)回転ディスク82の溝820に入り込んだ遊技球は、ディスク82の回転に伴い移動し、図示しない上流側検知スイッチの上部を通過する。(上流側検知スイッチにより所定の遊技球数がカウントされると、モータ821を停止する。)(6)上流側検知スイッチを通過した遊技球は、島300へと落下する。この途中には、図示しない下流側検知スイッチが設けられていて、この2つのスイッチによりカウントされた遊技球数がクレジットとなる。
図9に示すように、排出装置5の逆転による残留球およびガイドレール48上の球の返却は、以下の通りである。
すなわち、(1)球抜操作具40を押し込むと、クランク44が回転する。(2)クランク44の回転により球抜き検知スイッチ46が作動し、回転ディスク82が右回転(逆転)するように、モータ821に電流が供給される。(3)回転ディスク82の溝820に入り込んだ遊技球は、ディスク82の回転に伴い移動し、返却口84から返却通路87へ落下する。(4)遊技球は返却通路87の勾配により流下し、受皿4の下方(ドル箱)へつながる下方通路45と合流し、返却が行われる。
以上、ドル箱への球返却は、受皿4の貯球が増えたとき任意に行え(図11のステップ023)、また、遊技終了時に清算ボタン140を押してクレジット分を受皿4に払い出した後、引き続いて行うことにより、受皿4の球を全て手元に回収できる(同ステップ024〜027)。なお、一旦クレジット分を受皿4に払い出した後、思い直して遊技を再開する場合、球抜操作具40を操作しないで、自動供給ボタン150または手動供給ボタン160を押すことにより、島300側に遊技球を排出させて、再びクレジットをアップさせることができる。
ここで、本実施の形態に係る切替機構7は、公知の切替機構と同様の構成であるため、その詳細な構成および動作については説明を省略する。
図11のステップ022では、入賞があると、その都度、賞球を受皿4に払い出すようにしたが、ステップ022に代え、ステップ122、123に示すように、賞球によりクレジットのアップを優先させ、クレジットが上限値250に達したとき、これを越える分の賞球を受皿4に払い出すようにしてもよい。
また、受皿4および払出の開回路Oを一切備えず、全てをクレジットで管理するようにしてもよい。
次に、図12を参照して、本実施の形態に係るパチンコ遊技機の電気的構成について説明する。
図12に示すように、本実施の形態に係るパチンコ遊技機は、主に、遊技の制御を行う主制御回路基板60と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御回路基板400とから構成される。
主制御回路基板60は、メインCPU61、メインROM62(読み出し専用メモリ)、メインRAM63(読み書き可能メモリ)を備えている。
メインCPU61には、メインROM62、メインRAM63等が接続されており、このメインROM62に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインROM62には、メインCPU61によりパチンコ遊技機の動作を制御するためのプログラム、例えば、図14、図15に示す処理をメインCPU61に実行させるためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
メインRAM63は、メインCPU61の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施形態においては、メインCPU61の一時記憶領域としてメインRAM63を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
また、この主制御回路基板60は、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、出力ポート65、入力ポート66、コマンド出力ポート67を備えている。また、初期リセット回路64は、メインCPU61に接続されている。出力ポート65は、メインCPU61からの出力信号を各種のデバイスに送信するものである。入力ポート66は、各種のデバイスからの入力信号をメインCPU61に送信するものである。コマンド出力ポート67は、メインCPU61からのコマンドを副制御回路基板400に送信するものである。また、主制御回路基板60は、バックアップコンデンサ68を備えている。このバックアップコンデンサ68は、電断時において、例えば、メインRAM63に対して速やかに電源を供給することにより、メインRAM63に記憶されている各種データを保持することに用いられる。
また、主制御回路基板60には、各種の装置が接続されている。
例えば、主制御回路基板60からの信号に応じる各種の装置としては、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置28、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の保留個数を表示する特別図柄保留表示装置28a、普通図柄ゲームにおける識別図柄としての普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示装置29、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示の保留個数を表示する普通図柄保留表示装置29a、始動入賞口22の電動チューリップの開閉動作を行う始動口ソレノイド22a、アタッカ24を駆動させ、大入賞口を開放状態または閉鎖状態とする大入賞口ソレノイド24a等が接続されている。
また、主制御回路基板60には、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ501にデータ送信するために用いる外部端子板500が接続されている。外部端子板500には、ホールコンピュータ501およびホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示するといった機能を有するデータ表示器502が接続されている。
また、主制御回路基板60には、例えば、テンカウントスイッチb2、各入賞口23、26に入賞した遊技球をそれぞれ検知する一般入賞口スイッチ23a、26a(図7において図示を省略している)、通過ゲート25を遊技球が通過したことを検知する通過ゲートスイッチ25a、始動口スイッチb1がそれぞれ接続されている。
また、主制御回路基板60には、払出基板192が接続されている。
さらに、コマンド出力ポート67には、副制御回路基板400が接続されている。この副制御回路基板400は、主制御回路基板60から供給される各種のコマンドに応じて、可変図柄表示装置21における表示制御、演出用ステレオスピーカ179から発生させる音声に関する制御、装飾ランプ等を含むランプの制御等を行う。
なお、本実施形態においては、主制御回路基板60から副制御回路基板400に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路基板400から主制御回路基板60に対して信号を供給できないように構成している。
副制御回路基板400は、サブCPU401、プログラムROM402、ワークRAM403、可変図柄表示装置21における表示制御を行うための表示制御回路404、演出用ステレオスピーカ179から発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路405、装飾ランプ等を含むランプの制御を行うランプ制御回路406から構成されている。副制御回路基板400は、主制御回路基板60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
サブCPU401は、このプログラムROM402に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU401は、主制御回路基板60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路基板400の制御を行う。
プログラムROM402には、サブCPU401によりパチンコ遊技機の遊技演出を制御するためのプログラムや各種のテーブルが記憶されている。
なお、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段として、メインROM62、プログラムROM402を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM403等に記録されるものでもよい。さらにまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
ワークRAM403は、サブCPU401の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する。なお、本実施形態においては、サブCPU401の一時記憶領域としてワークRAM403を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
表示制御回路404は、可変図柄表示装置21の表示制御を行う回路であり、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データをバッファするフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等から構成されている。
表示制御回路404は、サブCPU401から供給されるデータに応じて、可変図柄表示装置21に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。表示制御回路404は、サブCPU401から供給される画像表示命令に応じて、識別図柄を示す識別図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等、各種の画像データ等、可変図柄表示装置21に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。
そして、表示制御回路404は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングでこの画像信号を可変図柄表示装置21に供給することにより、可変図柄表示装置21に画像が表示される。つまり、表示制御回路404は、可変図柄表示装置21に遊技に関する画像を表示させる制御を行うこととなる。
また、音声制御回路405は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する。)等から構成されている。
この音源ICは、演出用ステレオスピーカ179から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU401から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMPに供給する。AMPは、音声信号を増幅させ、演出用ステレオスピーカ179から音声を発生させる。
ランプ制御回路406は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROM等から構成されている。
また、主制御回路基板60には、CRユニット200が接続されている。
次に、図13、図14を参照して、主制御回路基板60から副制御回路基板400に送信されるコマンドデータの構造について説明する。
このコマンドデータは、例えば可変図柄表示装置21、各種ランプ、効果音等の変更が必要なときに、1バイト分が11ビット(スタートビット:1ビット、制御データ(D0〜D7):8ビット、偶数パリティビット:1ビット、ストップビット:1ビット)で構成されるデータにより、後述するコマンド種別に応じて2バイト、3バイト、4バイト、5バイトまたは6バイト分シリアル通信で送信される。送信コマンドの構成は、図13に示す通りである。
また、コマンド種別としては、図14に示すように、「80H」〜「F0H」の13種類の種別がある。「80H」は、デモ表示コマンドであり、例えばパラメータ1によってデモ表示指定情報が送信内容として表される。「81H」は、特別図柄演出開始コマンドであり、例えばパラメータ1〜5によって特別図柄演出開始時遊技状態指定情報、特別図柄演出開始時特別停止図柄指定情報、特別図柄演出パターン番号指定情報が送信内容として表される。「82H」は、特別図柄演出停止コマンドであり、例えばパラメータ1、2によって特別図柄演出終了指定情報が送信内容として表される。「83H」は、特別図柄当り開始インターバル表示コマンドであり、例えばパラメータ1、2によって特別図柄当り開始時遊技状態指定情報、特別図柄当り開始時停止図柄指定情報が送信内容として表される。「84H」は、大入賞口開放中表示コマンドであり、例えばパラメータ1〜3によって大入賞口開放中表示時遊技状態指定情報、大入賞口開放中表示指定情報が送信内容として表される。「85H」は、ラウンド間表示コマンドであり、例えばパラメータ1〜3によってラウンド間表示指定情報が送信内容として表される。「86H」は、特別図柄当り終了インターバル表示コマンドであり、例えばパラメータ1〜3によって特別図柄当り終了時遊技状態指定情報、特別図柄当り終了時特別停止図柄指定情報、特別図柄当り終了後演出状態指定情報が送信内容として表される。「B0H」は、不正検知関連コマンドであり、例えばパラメータ1、2によって不正検知情報が送信内容として表される。「B1H」は、入賞関連コマンドであり、例えばパラメータ1〜4によって入賞時特別図柄保留個数指定情報、特別図柄1入賞時演出指定情報、特別図柄2入賞時演出指定情報が送信内容として表される。「B2H」は、保留関連コマンドであり、例えばパラメータ1、2によって変動開始時特別図柄保留個数指定情報が送信内容として表される。「D0H」は、初期化コマンドであり、例えばパラメータ1によって初期化要因指定情報が送信内容として表される。「D1H」は、電断復帰コマンドであり、例えばパラメータ1〜5によって電断復帰時遊技状態指定情報、電断復帰時特別図柄保留個数指定情報、電断復帰時特別停止図柄指定情報、電断復帰時内部状態指定情報、電断復帰時残り時短状態変動回数指定情報が送信内容として表される。「F0H」は、基板テスト用コマンドであり、例えばパラメータ1によって基板テスト画面指定情報が送信内容として表される。
本実施の形態では、上述の各種コマンドデータの改変を防止するために、主制御回路基板60と外部端子板500との間、および外部端子板500とホールコンピュータ501やデータ表示器502等の外部機器との間を光通信ケーブルで接続するようにしている。
ところで、一般的なパチンコ遊技機においては、遊技盤面の釘調整により、遊技球が始動入賞口に向かい易い場合と、そうでない場合とを容易に調整し得る。このため、釘調整の度合いによってパチンコ遊技機全体の入賞率が各パチンコ遊技機ごとに異なることとなる。したがって、遊技者の技量あるいは熟練度によって、その入賞率に違いが生じるという問題があった。
そこで、本実施の形態に係るパチンコ遊技機は、発射球数に応じて始動入賞口22の電動チューリップ23の開成確率を可変とする機能を有する。つまり、本実施の形態に係るパチンコ遊技機は、発射球数に対して始動入賞口22への入賞球数が少ない場合に始動入賞口22の電動チューリップの開成確率を高確率とし、容易に始動入賞可能とすることで入賞率の補正を行う、一種の補正機能を有するといえる。これにより、特殊な技能による釘調整を必要とせず、かつ実際の遊技において遊技者の技量に大きく左右されず、予定の入賞率に沿った結果を生じさせることができる。
ここで、上記補正機能による効果を以下に説明する。すなわち、入賞率を遊技場の運営者側で任意にきめ細かく設定可能であり、また営業目標等に基づいて自由に入賞率の設定を変更することができる。また、入賞率を制御できるので、技術介入性を低減させることができ、遊技者の技量に関わらず遊技を楽しむことができる。さらに、技量の高い熟練の遊技者による過大な技術介入性を低減することができる。加えて、釘調整が不要となるので、遊技場側の釘調整作業負担の軽減に寄与し、ひいては遊技場の人件費の削減につながるとともに作業負担も軽減される。また、釘調整による故障を防止でき、ひいては故障による修理費用や新規遊技機の入替費用の削減につながるとともに、故障による遊技機の稼働率の低下を防止することができる。
次に、上述の補正機能に関する構成および動作について説明する。
図15に示すように、発射装置1は、プランジャ式ソレノイドを励磁して遊技球を発射させる構造であるが、駆動源としてロータリーソレノイドやモータを使用する構造でもよい。発射装置1から発射された遊技球を検出する発射球検知手段として、第1発射球検知スイッチ15a、第2発射球検知スイッチ15bが設けられている。ここで、第1発射球検知スイッチ15aは、図8に示した発射球検知スイッチ15のうち、発射装置1に近い発射球検知スイッチであり、第2発射球検知スイッチ15bは、図8に示した発射球検知スイッチ15のうち、第1発射球検知スイッチ15aよりも発射方向下流側に設けられた発射球検知スイッチである。これら2つの発射球検知スイッチは、遊技球が確実に発射されたかどうかを判別するためのもので、発射装置1に駆動信号が出力され、かつ第1発射球検知スイッチ15aが検出信号を出力した後、第2発射球検知スイッチ15bが検出出力を検出して初めて遊技球が発射されたと判別する。したがって、初めに第2発射球検知スイッチ15bが検出信号を出力し、その後、第1発射球検知スイッチ15aが検出信号を出力したような場合にはエラーとなり、遊技球が発射されたものとしない。
また、遊技球が第1発射球検知スイッチ15a、第2発射球検知スイッチ15bを順番どおり通過しても、弾発力が弱く遊技領域に達しなかった戻り球を検出するために戻り球検知スイッチ16が設けられている。
また、上述の補正機能に関わる電気的構成として、図12に示すように、主制御回路基板60には、第1発射球検知スイッチ15a、第2発射球検知スイッチ15bおよび戻り球検知スイッチ16が接続されている。さらに、主制御回路基板60には、設定切替装置90が接続されている。設定切替装置90は、図示しない設定キースイッチと設定切替スイッチとを含んで構成されており、キー穴に挿入された設定キーが正規のものであるか否かを設定キースイッチで判別し、挿入された設定キーが決められた方向に回転させられることにより設定切替スイッチが切り替わる構成となっている。設定切替スイッチの切り替えにより、各種入賞の発生確率を記憶させた入賞確率テーブルを切り替え可能となっている。また、本実施の形態においては、図示を省略しているが、主制御回路基板60には、各遊技の進行過程で使用する乱数を発生する乱数発生器が接続されている。
主制御回路基板60は、電源スイッチがオンするとメモリやレジスタの初期化処理を行った後、割込信号(リセットパルス)が発生すると、遊技制御で使用する乱数の更新処理等の割込処理を順次実行する。
以下、図16を参照して、主制御回路基板60による遊技処理手順について説明する。
図16に示すように、初めに、発射球に応じて発生する乱数の値が所定値となる確率(以下、所定値確率という)を決定する(ステップ201)。この所定値確率は、遊技中「特定条件」が成立したか否かで決定されるが、ここで特定条件は、例えば、普通図柄表示装置29の可変表示が特定態様で停止する確率(停止確率)が高い遊技状態であれば成立し、停止確率が低い遊技状態であれば成立しないものとする。すなわち、停止確率が高い状態であるか否かを判定し、その結果に応じて所定値確率を予め設定されている複数の確率の中から選択することにより、所定値確率を決定する。
次に、発射球があるか否かを判定する(ステップ202)。ここで、遊技者の操作で発射装置1から発射された遊技球に応じて、第1発射球検知スイッチ15aと第2発射球検知スイッチ15bの両方から検出出力があるとき、発射球ありと判定される。このとき、第1の乱数抽出を行う(ステップ203)。すなわち、乱数発生器から所定のタイミングで1つの乱数値を抽出する。この乱数抽出のタイミングは、上記2つの発射球検知スイッチからの検出出力があったとき、あるいは一定時間経過後でもよい。そして、抽出した乱数値が所定値(当り)であるか否かを判定し(ステップ204)、"YES"(当り)のとき、計数手段としての入賞条件カウンタを「+1」加算し(ステップ205)、"NO"(外れ)であれば、入賞条件カウンタは変化しない。
ここで、入賞条件カウンタの機能について説明すると、前述のように遊技者の技量に左右されない入賞確率の調整を行うためには、遊技球の発射タイミングによる乱数抽出の結果、当りの場合に、例えば始動入賞口22を開成するという特典を与えることが考えられる。しかしながら、パチンコ遊技機に限らず、弾球遊技機においては、弾発された遊技球が遊技領域に設けられた何等かの部材に接触して初めて実際に遊技が行われたといえるものであるから、上記のような特典の与え方は、遊技者の技量に応じて利益が得られるという遊技の基本に照らして奇異なものとなり、結果的に遊技者に不信感を与えることになりかねない。
そこで、乱数判定の結果が当りならば、その結果をカウンタに蓄積しておき、実際に遊技球が遊技領域内に設けられた通過ゲート25を通過したことを条件として、始動入賞口22を開成するための条件となる普通図柄を可変表示させ、それが特定態様となって停止する確率を上記カウンタの計数値に応じて変化させ、その停止確率の下で始動入賞口22の開成を制御すれば、遊技者に上記のような不信感を抱かせることはなくなる。このような理由から、発射球による第1の乱数抽選の結果が当りである場合、それを記憶(「+1」)させる構成としている。
なお、本実施の形態においては、乱数抽選が1回当たるごとに入賞条件カウンタを「1」加算しているが、1回当たるごとに「2」加算してもよいし、逆に2回当たるごとに「1」加算するようにしてもよい。また、単純に乱数抽選を行わず、発射球を検出したときに「1」加算するようにしてもよい。
次に、発射球の中には、上記2つの発射球検知スイッチは通過したが、弾発力が弱い等の理由により、遊技領域に達しないまま戻って来るものがあり、この戻り球は戻り球検知スイッチ16で検知される。したがって、図16の処理で、戻り球の有無を判定し(ステップ206)、戻り球があったときは、次回発射する遊技球について乱数抽出を行うと重複することになるので、次回発射時の乱数抽出を中止する(ステップ207)。なお、上記2つの発射球検知スイッチによる発射球の検出後、所定時間経過しても戻り球がない場合に今回の乱数抽選を行うようにしてもよい。
そして、遊技領域に打ち出された遊技球が通過ゲート25を通過して、通過ゲートスイッチ25aを通過したとき(ステップ208)、普通図柄表示装置29を作動開始し(ステップ209)、通過ゲートスイッチ25aが遊技球を検出したタイミングで乱数発生器から第2の乱数を抽出する(ステップ210)。なお、この乱数抽出は、普通図柄表示装置29を作動開始前に行ってもよい。
次に、上記入賞条件カウンタの値が所定値より大きいか否かを判定する(ステップ211)。この所定値は、例えば、使用するカウンタの計数範囲の中心値とする。上記判定の結果、所定値より大きければ、普通図柄表示装置29に入賞図柄が停止する確率が高確率となるように、乱数の発生範囲および当りとなる数値を特定した入賞確率データを選択し(ステップ212)、上記判定結果が所定値以下であれば、低確率の入賞確率データとする(ステップ213)。
このようにして決定された入賞確率データと上記第2の乱数の値とを照合判定し(ステップ214)、その結果が当りであれば、普通図柄表示装置29に入賞図柄を停止表示させ(ステップ215)、外れの場合には、外れ図柄を停止表示させる(ステップ216)。
以上のように、発射球による乱数値が所定値となる確率と、始動入賞口22を開状態にさせる普通図柄表示装置29が特定態様となって停止する確率とを、所定の条件に基づいて選択することによって変化させ、始動入賞口22への入賞の確率を調整する。
そして、入賞図柄が停止表示されると、遊技者に特典を与える意味で始動入賞口22を一定時間開成する(ステップ217)。開成された始動入賞口22に遊技球が入賞して始動口スイッチb1が検出信号を出力すると(ステップ218)、前記入賞条件カウンタを「1」減算する(ステップ219)。この減算は、計算処理上「−1」を加算することと同じである。
ここで、上記のように「+1」(加算)することは、結果的に始動入賞口22を開成する条件が整ってくることになるが、逆に「1」減算することは、始動入賞口22を開成する条件の達成から遠ざかることになる。なお、上記では、始動入賞口22に遊技球が1個入賞すると入賞条件カウンタを「1」減算しているが、遊技球が2個入賞して「1」減算、あるいは1個入賞して「2」減算としてもよい。その後一定時間経過したとき(ST220)、始動入賞口22は閉成する(ステップ221)。なお、図16では、始動入賞口22の閉成を一定時間経過したときとしているが、始動入賞口22に入賞球があったときは一定時間経過前であっても、始動入賞口22を閉成作動させることが可能である。
以上のような始動入賞口22の変換その他の動作を含む遊技制御処理において、上記の所定値確率や停止確率を決定するための乱数抽選は、抽出した乱数の値がある特定値に当たるか否かということであるが、乱数抽選を常に同じ範囲あるいは同じ特定値で行っていると、遊技者に抽選の結果を予測され、上記のような確率に基づく遊技制御の目的が達成できなくなる。そこで、例えば、割込信号の発生ごとに前回の特定値(例えば「当り」となる乱数値)に一定値(例えば+1)を加算した値に変える、すなわち更新することで、乱数抽選をより効果的なものとすることができる。
図17は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機において、上記のような考えに基づいて行われる各種乱数の更新処理を示している。
図17に示すように、初めに、特別図柄表示装置28の可変表示を特定態様(大当り)で停止させるか否かを決定する大当り判定用の乱数を、一定の範囲内で更新する(ステップ301)。この乱数は、始動入賞口22に遊技球が入賞したときに抽出される。
次に、現在の遊技状態が高確率状態か否かを判定する(ステップ302)。この判定は、主制御回路基板60のメインRAM63において指定された番地に特定条件(高確率状態)を示すフラグが立っている(セットされている)か否かで判断される。このフラグは、前記入賞条件カウンタの計数値が所定値を越えたときセットされるように定められる。このカウンタは、前記のように、発射球の検出に応じて発生した乱数値が所定値であるごとに(+1)加算し、始動入賞球を検出するごとに(−1)減算するものであり、その計数値が所定値を越えたとき、フラグがセットされ(高確率状態)、その計数値が所定値を越えないときは、セット解除(低確率状態)となっている。
上記判定(ステップ302)で低確率状態(フラグセット解除)の場合には、各種入賞の発生確率を記憶させた入賞確率テーブルに設定されている6種類の発射球に応じて抽出した乱数が所定値となる確率データの中から、設定切替装置90がどのものを指定しているかの確認を行う(ステップ303)。
その確認後、指定された低確率用の乱数範囲のデータを選択する(ステップ304)。この低確率用の乱数範囲のデータとは、発射球に応じて抽出された乱数が所定値となる確率を、乱数の更新の範囲を広くとることによって低くするように設定されたデータで、前記6種類設定されている確率値ごとに相違する。
一方、上記ステップ302の判定で高確率状態(フラグセット)の場合には、発射球の当り確率を、乱数更新の範囲を狭くすることによって高くするように設定されたデータを選択する(ステップ305)。以上のようにして乱数更新範囲内で、乱数更新が続けられる(ステップ306)。
上記のように乱数更新範囲を変化させることにより、確率を調整させることができる。さらに、入賞確率テーブルに設定されている確率値は「当り乱数の数/乱数の更新範囲」で表され、通常分母に比べて分子が小さいので分母の乱数の更新範囲を変化させることによって、より緻密な確率の調整が可能となる。
次に、普通図柄を特定態様で停止させるか否かを決定するための判定用乱数の更新を行う。すなわち、通過ゲート25を遊技球が通過したときに発生する乱数の定められた範囲内で乱数の更新が行われる(ステップ307)。
また、「大当り」の場合の特別図柄が停止するまでの演出効果として、通常時における特別図柄の停止過程と異なる停止過程を生じさせる乱数の定められた範囲内で乱数の更新が行われ(ステップ308)、大当りの場合の停止時に表示される特別図柄に対応する乱数の定められた範囲内での乱数の更新を行う(ステップ309)。
さらに、当りの場合の停止時に表示される普通図柄に対応する乱数の定められた範囲内での乱数の更新を行い(ステップ310)、はずれの場合の停止時に表示される普通図柄に対応する乱数の定められた範囲内での乱数の更新を行う(ステップ311)。
以上で一回の乱数更新処理が終了し、以上の手順を繰り返す。その間に、所定の検出信号の発生により対応する乱数更新処理から乱数が抽出される。
上記図16および図17に示すように、始動入賞口22の動作を制御して入賞率を調整するが、この中で入賞条件カウンタと普通図柄が特定態様で停止する確率の関係について図18に基づいて説明する。
図18は、入賞条件カウンタ値の推移に対応する普通図柄停止確率を設定した2種類の確率データの切り替えの推移を示している。
前記入賞条件カウンタは8ビットのカウンタで、「0〜255」の領域を取りうるもので、電源投入時または大当り発生時に、初期値として「128」が設定されるものとする。
ここで、図16のステップ204において当りとなった場合には、入賞条件カウンタの値は、初期値「128」から「1」加算されて「129」となる。このとき、確率データは低確率から高確率のものに切り替わる。具体的な確率の値は、入賞確率テーブルとして設定され、主制御回路基板60の記憶部に格納されている。入賞条件カウンタの値が「128」以下になると、再度低確率の確率データに切り替わる。
図19は、上記のようにパチンコ遊技機が遊技を行った際の差玉数の推移を示す。図中、実線部分は希望する予想値を表し、破線部は本発明の実施例による結果を表している。
図示のように、実施例によれば、予想値に近い軌跡を描くことができる。その理由は、低確率のデータが設定されている場合は、入賞条件カウンタ値が低いとき、すなわち発射球による乱数判定で当りが少ないときになるので、普通図柄表示装置29の停止時の表示態様が入賞となって始動入賞口22が開状態になる確率は少なくなる。故に、差玉数のマイナスが増える。図19では、予想値から離れる方向に軌跡を描き始める。
しかしながら、発射球による乱数判定は確率に基づいて行われているので、必ず乱数判定が当りとなる機会が生じ、入賞条件カウンタの値が増加して、高確率の入賞確率データが設定されるようになる。このとき、低確率の入賞確率データが設定されていた場合とは反対に、差玉数はプラス方向に動く。この動きが予想値に近づく方向に転換する軌跡を描き始める。
したがって、この二つ動作を合わせれば破線で示すような軌跡となる。さらに、発射球の1個の当りと始動入賞口22への1個の入賞とが等価となって相殺されるようになっているので、結果的に発射球の乱数抽出に使用される確率に沿うように差玉数が制御される。
次に、図12、図20〜図23を参照して、本実施の形態に係るパチンコ遊技機の特徴的な部分について説明する。
図12に示すように、パチンコ遊技機を構成する主制御回路基板60、副制御回路基板400、払出基板192、外部端子板500、ホールコンピュータ501、データ表示器502、CRユニット200およびその他の周辺装置は、必要な情報を入出力するために相互間を通信ケーブルで接続されている。従来のパチンコ遊技機では、通信ケーブルとして電気ケーブルが用いられていた。
本実施の形態では、特に上述した通信ケーブルのうち、主制御回路基板60と外部端子板500との間、外部端子板500とホールコンピュータ501との間、および外部端子板500とデータ表示器502との間に用いられる通信ケーブルに、単芯の光ファイバケーブル901が用いられる。各光ファイバケーブル901は、いずれも単方向のみに通信可能とされている。また、本実施の形態におけるホールコンピュータ501およびデータ表示器502は、本発明に係る外部機器を構成する。
光ファイバケーブル901は、セキュリティ度が高く、外部からの不正な電磁気的または機械的手段に対し安全性が高い。すなわち、従来の電気ケーブルでは、電磁波や電気信号印加による不正行為または配線の付け替え等の不正行為を防止することは困難であったが、光ファイバケーブルではそのような不正行為を未然に抑止することが可能である。
詳細には、主制御回路基板60の出力端子60bと外部端子板500の入力端子500aは、光ファイバケーブル901およびコネクタ902、903を有する光ケーブルユニット900で接続されている。また同様に、外部端子板500の出力端子500bとホールコンピュータ501の入力端子501aとの間、外部端子板500の出力端子500cとデータ表示器502の入力端子502aとの間は、それぞれ光ケーブルユニット900で接続されている。
コネクタ902は、その内部に、各機器の各出力端子60b、500b、500cから出力される電気信号を光信号に変換して光ファイバケーブル901に伝送する電気・光信号変換器(図示省略)を有する。また、コネクタ903は、その内部に、光ファイバケーブル901を伝送されてきた光信号を電気信号に変換して各機器の各入力端子500a、501a、502aに入力する光・電気信号変換器を有する。このため、本実施の形態では、主制御回路基板60、外部端子板500、ホールコンピュータ501およびデータ表示器502のいずれにも電気・光信号変換器や光・電気信号変換器等のモジュールを組み込む必要がない。換言すれば、本実施の形態に係る光ケーブルユニット900を用いるだけで、電気・光信号変換器や光・電気信号変換器等のモジュールが組み込まれていない既存の構成の機器等を用いることができる。したがって、各機器間を光通信とするために別途各機器に専用のモジュールを組み込む必要がないので、安価かつ簡易な構成で各機器間を光通信で接続させることが可能となる。
ところで、通信ケーブルとして複数の光ファイバケーブル901を用いる場合であっても、これら光ファイバケーブル901のいずれかに断線等の不具合が生じた際に、いずれの光ファイバケーブル901が断線しているか、つまり非通信状態となっているかをメンテナンス等の観点から容易に確認できる必要がある。そこで、本実施の形態では、この点を考慮して光ケーブルユニット900を以下のように構成した。
図21に示すように、光ケーブルユニット900は、光ファイバケーブル901と、送信側のコネクタ902と、受信側のコネクタ903とを含んで構成されている。
図22(a)、(b)に示すように、光ファイバケーブル901は、コア911およびクラッド912から構成される光ファイバ910と、光ファイバ910を覆う被覆920とを有している。
コア911は、例えばポリメチルメタクリレート樹脂等で構成されている。クラッド912は、例えばフッ素樹脂等で構成されている。したがって、光ファイバ910は、いわゆるプラスチック光ファイバと呼ばれるもので、石英系光ファイバに比べて、成型加工性、部材の軽量化、低コスト化、可撓性、耐衝撃性等において優れた特徴を有する。例えば、プラスチック光ファイバは、石英系光ファイバと比べると、光の伝送損失が大きいため長距離の光伝送には向かないが、上記のプラスチックの性質により、光ファイバのコアを数10μm以上とするようないわゆる大口径化を図ることができる。この大口径化により、光ファイバの分岐や接続に用いる各種周辺部品や機器の、光ファイバとの接続精度を上げる必要がなくなる。そのため、プラスチック光ファイバは、周辺部品や機器との接続容易性、端末加工容易性、高精度の調芯が不要になるメリットがある。
また、本実施の形態に係るクラッド912は、コア911内を伝達される通信光としての可視光を、内部で散乱してその外周面から外部に射出する散乱構造を有する。この散乱構造とは、クラッド912を構成している材料が屈折率揺らぎ、特には密度揺らぎを示している構造である。つまり、部分的に屈折率が異なり、特には密度が異なる不均一な構造を有する状態を意味する。その一例としては、クラッド912の外表面に凹凸等を形成した構造である。すなわち、クラッド912は、その外表面の少なくとも一部に粗面加工が施されている。したがって、通信光としての可視光の大部分は、コア911内を全反射しながら伝達されてゆくが、残りの部分が可視光の波長とクラッド912の外表面の凹凸面に対する入射角度とに応じて乱反射したり外部に透過する。これにより、外部に透過した可視光の一部が視認可能となり、この可視光の一部をもって通信状態を目視可能とすることができる。なお、クラッド912の外表面に限らず、クラッド912の内表面、あるいはクラッド912とコア911の界面に粗面加工を施してもよい。
被覆920は、透明なプラスチック樹脂等で構成されており、光ファイバ910を外部から目視できるようになっている。このため、上述したようなクラッド912から外部に射出される可視光の一部が視認可能となる。
また、被覆920の外表面には、外光を反射する鏡面加工が施されている。ここでいう鏡面加工とは、一部の光を反射し、一部の光を透過するハーフミラー等のフィルムを外表面に貼り付ける等の加工である。これにより、光ファイバ910内を伝達する通信光を目視可能な構成とした場合であっても、同通信光に対する外光の影響を排除することができる。したがって、通信光に対して行われる、例えばコマンドゴト等の不正を防止することができる。
図21に示すように、送信側のコネクタ902は、透明なプラスチック樹脂等で構成されており、内部が透けて見えるようになっている。
図23に示すように、送信側のコネクタ902は、通信用の第1光源902aと、可視化用の第2光源902bと、ダイクロイックミラー902cと、集光レンズ902dとを含んで構成されている。
通信用の第1光源902aとしては、例えばVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER)やLD(レーザダイオード)等の半導体レーザを用いることができる。また、可視化用の第2光源902bとしては、例えば赤色LED等の半導体レーザを用いることができる。
第1光源902aから射出された通信用の光は、ダイクロイックミラー902cを透過し、第2光源902bから射出された可視化用の光は、ダイクロイックミラー902cで反射し、これによって通信用の光と可視化用の光とが重ねられる。この光束は、集光レンズ902dにより集光されて光ファイバ910の一端面からコア911に入射され、上述した通信光となる。したがって、上述した通信光としての可視光とは、厳密には通信用の光と可視化用の光とが重ねられ光束からなるものであり、特に外部から目視可能な光は第2光源902bから射出された可視化用の光である。
なお、本実施の形態では、通信用の光と可視化用の光を重ね合わせることにより通信光としたが、これに限らず、第1光源902aから射出される光自体を可視光としてもよい。この場合、第2光源902bは不要である。
受信側のコネクタ903は、光ファイバ910の他端面から射出された第1光源902aからの光を受光して光電変換するための受光素子903aと、受光素子903aからの電気信号をデータに変換して出力する復調回路903bとを備える。さらに、本実施の形態では、光ファイバ910の他端面から射出された光のうち、第1光源902aからの光のみを選択的に透過するフィルタ903cを受信側のコネクタ903に設けてもよい。
以上のように、本実施の形態に係るパチンコ遊技機は、光ケーブルユニット900を用いたことで通信速度が速く信頼性の高い情報伝達を行うことが可能となるとともに、静電気等による外来ノイズの影響を抑制することができるので主制御回路基板60等の誤動作を減少させることができる。さらに、放熱による基板の故障や電線の断線や接続不良等の故障の発生率を低下させることができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機は、主制御回路基板60と外部端子板500との間、外部端子板500とホールコンピュータ501およびデータ表示器502との間を接続する光ケーブルユニット900が、その通信状態を目視可能に構成されているので、特別な器具等を用いなくとも容易に各機器間の通信状態を把握することができる。このため、上記光ケーブルユニット900を用いるだけで通信状態の可視化が低コストで実現可能になる。さらに、上記光ケーブルユニット900のみをパチンコ遊技機から取り外して他のパチンコ遊技機に取り付けることも可能であり、これによりパチンコ遊技機の種類を問わず再利用によるコスト削減を図ることができる。
また、主制御回路基板60と外部端子板500との間、外部端子板500とホールコンピュータ501およびデータ表示器502との間を光ケーブルユニット900で接続したので、従来の電気ケーブルと比べて不正基板等を介在させることが困難となり、パチンコ遊技機の公正を維持することができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機は、光ファイバ910内を伝達する通信光を可視光とし、被覆920およびコネクタ902、903の少なくともいずれか一方を透明な部材で構成したので、光ファイバ910内を伝達する通信光を目視可能とすることができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機は、光ファイバ910内を伝達する通信光を可視光とし、被覆920を透明な部材で構成するとともにクラッド912の外表面の少なくとも一部に粗面加工を施したので、クラッド912の粗面加工を施した箇所から光ファイバ910内を伝達する通信光の一部を外部に意図的に漏らすことができる。これにより、光ファイバ910内を伝達する通信光がより容易に目視可能となる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機は、主制御回路基板60と外部機器との電気的接続を禁止することにより厳格な法の順守を行うことができる。さらに、主制御回路基板60から出力を光ケーブルユニット900を用いて単方向のみとし、かつ上述のように通信状態を目視可能としたので、厳格な法の順守を行いながら、目視による通信状態のチェックが行えるとともに、不正基板を介在させる、いわゆるぶら下がり等に係る改造を困難とし、またパチンコ遊技機が動作中にも各通信状態を容易に把握することができる。また、光通信による接続としたので、上述した不正ゴト(例えば、コマンドゴト等)を防止できるばかりか、安定した通信を確保することができる。これにより、電気的安定化による不良率とそれに伴う修理等の負担を軽減することができ、結果として低コスト化につながる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機は、封入式の遊技機であり、かつ盤面遊技球と払出遊技球とを完全分離した構成である。このため、上述した光通信と、不正球等の混入のない精度の高い盤面遊技球とを用いることで、機械的・電気的な不具合を減少させることができ、遊技場でのパチンコ遊技機の調整や修理の必要性を減少させることができる。したがって、コスト低減のみならず、点検や運用の管理を行いやすいという利点を有する。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機は、入賞率の補正機能を有するとともに、設定切替装置90により入賞確率テーブルを切り替え可能としたので、実質的な配当率設定機能を実現することが可能となる。これにより、配当率の設定による調整が可能となるので、遊技球が極度に入賞し辛い厳格な釘調整等、公正を欠く運営を排除することができる。また、設定により配当率を調整できるので釘調整を不要とすることもできる。釘調整が不要となることで、型式試験を行ったときと同様の遊技機を遊技場に提供することができる。このため、型式試験の厳格運用につながるとともに、遊技場での公正な営業が可能となる。さらに、入賞率の制御が可能となるので、遊技者の技量を反映しつつも、型式試験のときと同様の入賞率でパチンコ遊技機を稼働させることができる。
なお、本実施の形態では、主制御回路基板60と外部端子板500との間、外部端子板500とホールコンピュータ501およびデータ表示器502との間を光ケーブルユニット900で接続したが、これに限らず、例えば主制御回路基板60と副制御回路基板400との間や、主制御回路基板60と払出基板192との間も光ケーブルユニット900で接続するようにしてもよい。この他、主制御回路基板60に接続される各種機器との間も光ケーブルユニット900で接続するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、図12において、主制御回路基板60とCRユニット200との間を双方向通信可能な構成としているが、これに限らず、例えば主制御回路基板60からCRユニット200に向かう信号線を設けなくともよい。この場合、CRユニット200に貸出ボタンを設けることにより、貸出情報を主制御回路基板60に送信する構成とするのが好ましい。また、このように構成した場合には、CRユニット200と主制御回路基板60との間は、単方向の通信のみ可能となるので、ここに用いられる信号線として本実施の形態における光ケーブルユニット900を用いてもよい。
また、光ケーブルユニット900は、以下に説明する構成としてもよい。
図24に示すように、光ケーブルユニット900は、受信側のコネクタ903が光検出器904を有している。本例では、光ケーブルユニット900が単方向のみ通信可能なため、受信側のコネクタ903にのみ光検出器904を設けた。
この光検出器904は、光ファイバ910内を伝達する通信光の位置を取り出す光抽出部905と、光抽出部905に接続され、光抽出部905から取り出された通信光の一部を検知する光検出部906と、光検出部906の検出結果を表示する表示部907とを含んで構成されている。
光抽出部905は、コネクタ903の筺体を内部に貫通する孔である。これにより、コネクタ903の内部の通信光を外部に取り出すことができる。この場合、コネクタ903の内部においては、例えば光ファイバ910の端部でクラッド912が粗面加工されている。また、被覆920は透明であるか、あるいは存在しないように構成されている。
光検出部906は、例えばフォトダイオード等の受光素子からなり、光抽出部905を介して漏れ出す通信光を受光する。すなわち、通信光を検出する。
表示部907は、例えばLED等の光源を有しており、光検出部906で通信光が検出された場合にこれを信号処理してLEDを点灯させる。したがって、光検出部906で通信光が検出されない場合には、LEDは点灯されない。
この構成により、本例では、光ファイバ910内を伝達する通信光の通信状態を、表示部907を介して目視可能とすることができる。この場合、光ファイバ910内を伝達する通信光が可視光でなくとも通信光の通信状態を目視可能である。
また、図25に示すように、光ファイバ910の一部に粗面加工を施し、この粗面加工が施された箇所を筺体930で覆う構成としてもよい。この場合であっても被覆920は透明な部材で構成されている。また、筺体930の上部、すなわち後述するカバー931によって閉塞される面には、粗面加工が施された箇所を視認するための窓部(図示省略)が設けられている。
また、筺体930は、開閉可能なカバー931を備え、窓部をカバー931の開閉に応じて外部に開放あるいは閉塞することができるようになっている。これにより、通信状態の目視による確認が必要でない場合は、カバー931を閉塞することで外光の影響を排除することができる。また、このカバー931の開閉を必要に応じて制限するようにしてもよい。具体的には、カバー931を筺体930に対して施錠したり、パスワード等の入力がないと開放できないような構成とすることにより、遊技場関係者しかカバー931を開放できないようにすることも可能である。この場合、不正な方法により施錠を解除すると警報を発する構成を付加してもよい。これにより、コマンドゴト等の不正を防止することができる。
また、図26に示すように、コネクタ903自体に開閉可能なカバー940を設けるとともに、このカバー940で閉塞されるコネクタ903の上部所定箇所にコネクタ903の内部を視認可能な窓部941を設けた構成としてもよい。なお、カバー940は、透明部材で構成するとともに、ハーフミラー等の加工を施し、外光の影響を排除するようにしてもよい。これにより、外光の影響を排除することで、コマンドゴトを防止することができる。また、この場合においても、上述の例と同様、カバー940をコネクタ903に対して施錠したり、パスワード等の入力がないと開放できないような構成とすることも可能である。この場合、必ずしもカバー940を透明とする必要はない。
また、図26に示す例において、通信状態の確認時にのみ、窓部941に別途、受光素子を内蔵した光検出器を取り付け、この光検出器により光ファイバケーブル901の通信状態を確認するようにしてもよい。この場合、光ファイバ910内を伝達する通信光は、必ずしも可視光としなくともよい。また、光検出器としては、例えば図24に示した光検出器904と同様のものを用いることができる。
また、図27に示すように、光ファイバケーブル901を駆動装置950によって強制的に曲げ状態とし、この曲がり部分に設置された光検出器960によって曲げ部分から漏れ出す通信光の一部を検出するように構成してもよい。この場合、被覆920は透明な部材で構成する。
駆動装置950としては、例えばラックアンドピニオン機構やプーリ機構等を用いることができ、駆動源としてモータ951を備えたものを用いることができる。また、光検出器960としては、例えば図24で説明した光検出器904と同様のものを用いることができる。また、駆動装置950は、所定時間ごとに繰り返し駆動される。あるいは遊技場関係者が遊技機本体100内を開放したときのみ、これに連動して駆動するようにしてもよい。なお、通信光として可視光が用いられるのであれば、光検出器960を設けず、目視により確認するようにしてもよい。
また、図28に示すように、光ファイバケーブル901をその途中で分岐装置970により分岐し、分岐装置970に接続された光ファイバケーブル971を介して分岐後の通信光の一部を検査用として表示装置972により表示させるようにしてもよい。分岐装置970は、例えば各種光学部材を用いて光ファイバケーブル901を伝送される通信光の一部を取り出し、あるいは反射させて光ファイバケーブル971に分岐させる。分岐装置970としては、例えば、光透過性導波体やハーフミラー、光導波路等の各種光学部材を用いることができる。また、表示装置972としては、フォトダイオード等の受光素子を備え、この受光素子からの電気信号に応じてLEDを点灯させる構成を用いることができる。あるいは、光ファイバケーブル971の先端部分を直接外部から視認可能に構成し、同先端部分から外部に射出される通信光を目視可能としてもよい。
また、本実施の形態では、上述の入賞率の補正機能に関して、第1発射球検知スイッチ15aおよび第2発射球検知スイッチ15bの検出結果を用いて発射球ありと判定した場合に第1の乱数抽出を行うようにしたが(図16のステップ203)、これに限らず、例えば、図29(a)に示すように、ガイドレール20から盤面に遊技球が到達する直前に発射球を検出する発射球検出スイッチ980を設けて、この発射球検出スイッチ980で発射球が検出されたことを条件に第1の乱数抽出を行うようにしてもよい。発射球検出スイッチ980は、詳細には、ガイドレール20から盤面に発射された発射球が再度ガイドレール20内に進入するのを防止する進入防止機構981よりも発射方向上流側(発射装置側)に設けられる。これにより、実際に盤面に発射された発射球を確実に検出することができ、また戻り球の有無を判別する必要もないので、上述した補正機能を正確に働かせることができる。この場合、図16のステップ206、207を省略してもよい。
また、図29(b)に示すように、発射球検出スイッチ980を進入防止機構981よりも発射方向下流側に設けてもよい。この場合であっても同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、主制御回路基板60とホールコンピュータ501やデータ表示器502等の外部機器との間を、外部端子板500を介して接続しているが、これに限らず、例えばホールコンピュータ501やデータ表示器502等の外部機器をCRユニット200に接続した構成としてもよい。この場合、大当り情報等の必要な情報は、主制御回路基板60からCRユニット200に情報を送信する通信ケーブルを通じてCRユニット200に送信され、CRユニット200から外部機器に送信される。この場合にも、CRユニット200と外部機器との間を接続する通信ケーブルに、本実施の形態に係る光ケーブルユニット900を用いてもよいことは言うまでもない。
また、本実施の形態では、発射装置1を遊技盤2に対して正面から見て右下方に設けた例について説明したが、これに限らず、例えば発射装置1を遊技盤2に対して左上方に設けてもよい。このような設置例によれば、盤面に発射された発射球がガイドレール20内に戻る戻り球(いわゆるファール球)を防止することができる。また、この場合、アウト口27に遊技球を検知するセンサを設けるのが好ましい。さらに、アウト口27で捕集された遊技球および入賞球を右上の発射装置1に揚送する揚送経路上に、遊技球を研磨する研磨ユニットを設けてもよい。研磨ユニットは、例えば搬送ベルトと布製の研磨ベルトとから構成され、遊技球の汚れを落とすよう構成されている。研磨ユニットの構成は、これに限らず、遊技球をクリーニング可能な種々の構成を用いることができる。
また、本実施の形態では、本発明に係る遊技機をパチンコ遊技機に適用した例について説明したが、これに限らず、例えばパチスロ機やゲーミングマシン等の他の遊技機にも適用可能である。
以上説明したように、本発明に係る遊技機は、遊技機の公正を維持しつつ、通信状態の可視化を低コストで実現可能とし、かつ遊技機の種類を問わず再利用によるコスト削減を図ることができ、パチンコ機またはパチスロ機等の遊技機に有用である。