JP2013197125A - 冷却構造およびそれを用いた電子機器 - Google Patents

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賢一 稲葉
Minoru Yoshikawa
実 吉川
Hitoshi Sakamoto
仁 坂本
Akira Komichiguchi
暁 小路口
Arihito Matsunaga
有仁 松永
Masaki Chiba
正樹 千葉
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Abstract

【課題】
沸騰冷却方式を用いた冷却構造において、冷却構造を大きく傾斜して配置した場合には冷却性能が低下する。
【解決手段】
本発明の冷却構造10は、冷媒20、冷媒20を貯蔵し、第1の接続口35と第2の接続口36を側面に備えた受熱容器31を含む受熱部30、受熱部30の鉛直上方に配置した第1の凝縮部41、受熱部30の鉛直下方に配置した第2の凝縮部42、第1の接続口35と第1の凝縮部41と第2の凝縮部42とを接続する第1の接続管51、第2の接続口36と第1の凝縮部41と第2の凝縮部42とを接続する第2の接続管52、を備える。ここで、第1の接続口35と第2の接続口36は水平方向に略対向し、第1の接続口35は第2の接続口36に対して鉛直上方に位置する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、装置内で冷媒を循環させる冷却構造およびそれを用いた電子機器に関し、特に、冷媒の相変化を利用して発熱体を冷却する機能を備えた冷却構造およびそれを用いた電子機器に関する。
冷媒の気化と凝縮のサイクルによって熱の輸送・放熱を行う沸騰冷却器が電子機器等に用いられている。沸騰冷却器が搭載された電子機器は、用途に応じて電子機器を傾けて使用する場合がある。従って、沸騰冷却器には、傾いた状態においても動作することが求められる。
例えば、特許文献1には、冷却器が傾斜してもサイフォンとして機能する冷却システムが開示されている。特許文献1の冷却システムの断面図を図11に示す。図11において、特許文献1の冷却システム900は、内部に液相状の冷媒が配置された受熱ジャケット910と、冷却ファン960によって冷却される凝縮器920と、受熱ジャケット910と凝縮器920とを接続する配管930、940とを備える。
このように構成された冷却システム900は、発熱体で発生した熱が受熱ジャケット910に伝達され、内部の液相状の冷媒が気相状に相変化し、配管930内を上昇して凝縮器920内に導かれる。そして、気相状の冷媒は凝縮器920内で冷却されて液相状に相変化し、重力によって配管940内を降下し、再び受熱ジャケット910内に導かれる。発熱体で発生した熱が冷媒によって外部に放熱されることから、発熱体が冷却される。
ここで、特許文献1に係る冷却システム900は、図11に示すように、受熱ジャケット910の内部にL字状の気化促進板950が配置されている。L字状の気化促進板950を配置することにより、冷却システム900が搭載されている電子機器が反時計回り方向に傾斜した場合でも、液相状の冷媒は気化促進板950の立ち上げ部分に接触することが可能となる。そのため、冷却システム900が傾斜した場合であっても、発熱体で発生した熱は液相状の冷媒に効率よく伝達され、気相状に相変化した冷媒は配管930内を上昇して凝縮器920まで導かれる。
特開2011−047616号公報
しかし、特許文献1の冷却システム900は、電子機器の傾斜が大きくなると、液相状の冷媒が受熱ジャケット910から流出してしまうため、冷却性能が低下する、という課題がある。
本発明の目的は、上述した、沸騰冷却方式を用いた冷却構造において、冷却構造を大きく傾斜して配置した場合には冷却性能が低下する、という課題を解決するために、冷却構造を大きく傾斜して配置した場合であっても、冷却性能の低下を抑制することができる冷却構造およびそれを用いた電子機器を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明に係る冷却構造は、冷媒と、冷媒を貯蔵し、第1の接続口と第2の接続口を側面に備えた受熱容器を含む受熱部と、受熱部の鉛直上方に配置した第1の凝縮部と、受熱部の鉛直下方に配置した第2の凝縮部と、第1の接続口と第1の凝縮部と第2の凝縮部とを接続する第1の接続管と、第2の接続口と第1の凝縮部と第2の凝縮部とを接続する第2の接続管と、を備える。ここで、第1の接続口と第2の接続口は水平方向に略対向し、第1の接続口は第2の接続口に対して鉛直上方に位置する。
上記目的を達成するために本発明に係る電子機器は、上記の冷却構造と、受熱容器と熱的に接続する発熱体と、を備える。
本発明によれば、沸騰冷却方式を用いた冷却構造において、冷却構造を大きく傾斜して配置した場合であっても、冷却性能の低下を抑制することができる。
本発明の第1の実施形態に係る冷却構造10の、(a)正面図、(b)A−A線で切断して下から見た時の断面図、(c)側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る冷却構造10を回転させた時の正面図である。 本発明の第1の実施形態に係る冷却構造10を傾倒させた時の側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る電子機器60の側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る別の冷却構造10Bの正面図である。 本発明の第2の実施形態に係る沸騰冷却装置100の、(a)正面図、(b)A−A線で切断して下から見た時の断面図、(c)側面図である。 本発明の第2の実施形態に係る沸騰冷却装置100をY軸を中心に回転させた時の正面図である。 本発明の第2の実施形態に係る沸騰冷却装置100をX軸を中心に回転させた時の側面図である。 本発明の第3の実施形態に係る沸騰冷却装置100Bの、(a)正面図、(b)A−A線で切断して下から見た時の断面図、(c)側面図である。 本発明の第3の実施形態に係る別の沸騰冷却装置100Cの正面図である。 特許文献1の冷却システム900の断面図である。
(第1の実施形態)
本発明に係る第1の実施形態について説明する。本実施形態に係る冷却構造の正面図を図1(a)に、図1(a)のA−A線で切断して下から見た時の断面図を図1(b)に、側面図を図1(c)に示す。図1(a)、(b)、(c)において、本実施形態に係る冷却構造10は、冷媒20、受熱部30、第1の凝縮部41、第2の凝縮部42、第1の接続管51および第2の接続管52を備える。
冷媒20は、沸点が40℃程度のハイドロフルオロエーテルやハイドロフルオロカーボンなどの媒質である。本実施形態において、冷媒20の量は、冷媒20の気液界面が後述する受熱部30の第1の接続口35の中心と第2の接続口36の中心との間に位置するように設定されている。
受熱部30は、第1の接続口35および第2の接続口36が水平方向に対向する位置に形成された受熱容器31によって構成される。本実施形態において、受熱容器31は、鉛直方向に伸びる平面32、平面32と対向する平面33、および、対向位置に接続口35、36が形成された曲面34を備えた円柱状に形成されている。本実施形態において、平面32の外側に発熱体が配置され、受熱容器31の内部に液相状および気相状の冷媒20が配置される。そして、発熱体からの熱が受熱容器31内部の液相状の冷媒20に伝達されることにより、液相状の冷媒20が気相状に相変化すると共に、発熱体が冷却される。
また、本実施形態において、曲面34に形成された接続口35と接続口36とは、図1(a)、(c)に示すように、鉛直方向(重力方向)にずれている。受熱容器31内部で気相状に相変化した冷媒20は、圧力増加に伴って、上方に位置する接続口35から接続管51へ流出する。なお、冷媒20の気液界面が受熱部30の第1の接続口35の中心と第2の接続口36の中心との間に位置し、第1の接続口35の中心と第2の接続口36の中心とが鉛直方向にずれていることから、下方に位置する第2の接続口36は液相状の冷媒20によってほぼ満たされる。この場合、気相状の冷媒20がよりスムーズに上方に位置する第1の接続口35から流出する。
ここで、冷媒の量は、冷却構造10の使用条件(最大傾斜角度等)等によって適切に設定することができる。そして、接続口35、36は、冷媒の量に応じた基準高さから鉛直方向にずらして形成する。例えば、冷媒20の量を、冷媒20の気液界面が受熱容器31の鉛直方向の略中間に位置するように設定した場合、第1の接続口35の中心が受熱容器31の鉛直方向高さの中間位置よりも所定の距離だけ上方に位置し、第2の接続口36の中心が受熱容器31の鉛直方向高さの中間位置よりも所定の距離だけ下方に位置するように、接続口35、36を形成すれば良い。
第1の凝縮部41および第2の凝縮部42は、受熱部30の上方と下方とに配置され、図示しない冷却ファンによって空冷される。本実施形態では、図1に示すように、第1の凝縮部41が受熱部30の上方に配置され、第2の凝縮部42が受熱部30の下方に配置されている。受熱容器31内部で気相状に相変化した冷媒20は、第1の接続口35および第1の接続管51を経由して、受熱部30の上方に配置された第1の凝縮部41内に導かれる。第1の凝縮部41内に導かれた気相状の冷媒20は、第1の凝縮部41を通過するのに伴って冷却されて凝縮し、気相状から液相状へ相変化する。液相状へ相変化した冷媒20は反対側の第2の接続管52に導かれ、重力によって第2の接続管52内を下方に滴下する。
第1の接続管51は、第1の接続口35を、第1の凝縮部41と第2の凝縮部42とに連通させる。一方、第2の接続管52は、第2の接続口36を、第1の凝縮部41と第2の凝縮部42とに連通させる。本実施形態では、図1に示すように、接続管51は中央領域が受熱部30の上方に位置する第1の接続口35に接続され、第2の接続管52は中央領域が受熱部30の下方に位置する第2の接続口36に接続されている。また、接続管51、52はそれぞれ、上方端部が第1の凝縮部41に、下方端部が第2の凝縮部42に接続されている。
上記のように構成された冷却構造10は、発熱体からの熱が受熱部30内の液相状の冷媒20に伝達され、液相状の冷媒20が気相状に相変化すると共に発熱体が冷却される。気相状に相変化した冷媒20は、上方に位置する第1の接続口35から第1の接続管51に流出し、第1の接続管51内を上昇して受熱部30の上方に配置された第1の凝縮部41内に導かれる。
第1の凝縮部41内に導かれた気相状の冷媒20は、第1の凝縮部41内を通過することによって冷却されて凝縮し、気相状から液相状に相変化する。そして、液相状に相変化した冷媒20は、流入したのと反対側の第2の接続管52へ流出し、重力によって下方に滴下する。従って、本実施形態に係る冷却構造10は、液体ポンプなどを使用することなく冷媒が冷却構造10内を循環し続け、発熱体で発生した熱を外気へ放熱し、発熱体を冷却する。
次に、冷却構造10が傾斜した場合の冷却構造10の動作について説明する。冷却構造10を図1(a)の状態から反時計回りに回転させた時の正面図を図2(a)に、時計回りに回転させた時の正面図を図2(b)に示す。また、冷却構造10を図1(a)の状態から奥側に傾倒させた時の側面図を図3(a)に、手前側に傾倒させた時の側面図を図3(b)に示す。なお、図2および図3において、気相状の冷媒20の動きを斜線を施した矢印で、液相状の冷媒20の動きを黒ベタの矢印で、液相状の冷媒20の液面高さを一点鎖線で示す。
図2(a)において、冷却構造10を図1(a)の状態から反時計回りに回転させた場合、受熱部30内において気相状に相変化した冷媒20は、斜線矢印で示すように、上方に位置する第1の接続口35から第1の接続管51に流出する。第1の接続管51に流出した気相状の冷媒20は、第1の接続管51内を上昇し、そのまま流れに乗って第1の凝縮部41内に導かれる。第1の凝縮部41内に導かれた気相状の冷媒20は、第1の凝縮部41内を通過することによって冷却されて凝縮し、気相状から液相状に相変化する。そして、液相状に相変化した冷媒20は、黒ベタ矢印で示すように、重力によって、流入したのと反対側の第2の接続管52から下方に滴下する。
一方、図2(b)において、冷却構造10を図1(a)の状態から時計回りに回転させた場合、受熱部30内において気相状に相変化した冷媒20は、斜線矢印で示すように、上方に位置する第2の接続口36から第2の接続管52に流出し、第2の接続管52から第1の凝縮部41内に導かれる。第1の凝縮部41内に導かれた気相状の冷媒20は、冷却されて液相状に相変化し、黒ベタ矢印で示すように、重力によって、流入したのと反対側の第1の接続管51から下方に滴下する。
さらに、冷却構造10を時計回りまたは反時計回りに180°回転させて天地を反対にした場合、受熱部30内において気相状に相変化した冷媒20は、上方に位置する第2の接続口36から第2の接続管52に流出し、上方に位置する第2の凝縮部42内に導かれる。第2の凝縮部42内に導かれた気相状の冷媒20は、冷却されて液相状に相変化し、重力によって、流入したのと反対側の第1の接続管51から下方に滴下する。
次に、図3(a)において、冷却構造10を図1(a)の状態から奥側に傾倒させた場合、受熱部30内において気相状に相変化した冷媒20は、斜線矢印で示すように、上方に位置する第1の接続口35および第1の接続管51を経由して第1の凝縮部41内に導かれる。そして、第1の凝縮部41内において冷却されて液相状に相変化した冷媒20は、黒ベタ矢印で示すように、流入したのと反対側の第2の接続管52側に流出し、重力によって下方に滴下する。
さらに、図3(b)において、冷却構造10を図1(a)の状態から手前側に傾倒させた場合、冷却構造10は奥側に傾倒させた場合(図3(a))と同様に動作し、冷媒20は冷却構造10内を循環する。
さらに、冷却構造10を手前にまたは奥に180°回転させて天地を反対にした場合、冷却構造10を時計回りまたは反時計回りに180°回転させて天地を反対にした場合と同じ状態になり、冷媒20は冷却構造10内を循環する。
従って、本実施形態に係る冷却構造10は、冷却構造10をいかなる方向に大きく傾斜して配置した場合であっても、冷却性能が低下することを抑制することができる。
ここで、冷却構造10の内部に、発熱体からの熱を液相状の冷媒20に効率よく伝達するための拡大伝熱体を配置することが望ましい。拡大伝熱体としては、例えば、複数のピン状フィンや複数のプレート状フィンを適用することができる。本実施形態において、拡大伝熱体として、複数のピン状フィンを発熱体と接する平面32に配置した。さらに、本実施形態において、このピン状フィンを平面32と対向する面の近傍まで達する高さに設計した。拡大伝熱体を配置面から配置面と対向する面近傍まで配置することにより、冷却構造10が回転または傾倒して、液相状の冷媒20が発熱体が接している平面32と離れて位置するようになっても、発熱体からの熱を拡大伝熱体を介して効率よく液相状の冷媒20へ伝達することができる。
なお、上述の冷却構造10は、動作時に発熱する発熱体を備えると共に大きく傾斜して使用される、プロジェクタ等の電子機器に配置することができる。一例として、冷却構造10が配置された電子機器の側面図を図4に示す。図4において、本実施形態に係る電子機器60は、冷却構造10、CPUなどの発熱体61が配置された基板62および冷却ファン63を備える。電子機器60内において、発熱体61の基板62と反対側の面と、冷却構造10の受熱容器31の平面32とが、熱的に接している。また、冷却ファン63によって冷却構造10の凝縮部41、42が空冷されている。
そして、発熱体61から発せられた熱が平面32を介して液相状の冷媒20によって受熱されることにより、発熱体61が冷却される。一方、発熱体からの熱により液相状から気相状に相変化して冷媒20は、上方に位置する凝縮部に導かれ、凝縮部において冷却されて凝縮し、気相状から液相状に相変化する。
本実施形態に係る電子機器60は、内部に配置した冷却構造10において、受熱部30の上方と下方とに凝縮部41、42が配置すると共に受熱部30の側面に水平方向に対向させ、鉛直方向にずらして接続口35、36を形成したことから、電子機器60がいかなる方向に傾斜しても、冷却構造10が冷媒20を効率よく循環させ、冷却構造10による冷却性能が低下することを抑制することができる。
また、上述の冷却構造10では、受熱部30を構成する受熱容器31を円柱状に形成したが、これに限定されない。例えば、受熱容器31を直方体状に形成し、水平方向に対向する2つの辺にそれぞれ鉛直方向にずらして接続口35、36を形成することもできる。受熱容器31を直方体状に形成する場合、発熱体を受熱容器31の下面に配置することもできる。発熱体を受熱容器の下面に配置した冷却構造の正面図を図5に示す。
図5の冷却構造10Bは、受熱部30Bの上方と下方とに凝縮部41B、42Bを配置し、受熱部30Bの水平方向に対向する2つの面にそれぞれ鉛直方向にずらして接続口35B、36Bを形成した。図5に示した冷却構造10Bは、発熱体の上に受熱部30Bを配置し、発熱体が搭載されている基板の上側と下側とに凝縮部41B、42Bを配置した。そして、基板に形成された貫通穴等に接続管51B、52Bを挿通し、接続管51B、52Bの中央領域を受熱部30Bの接続口35B、36Bに接続し、両端をそれぞれ凝縮部41B、42Bに接続することにより、冷却構造10Bが形成される。
上記のように形成した冷却構造10Bも、受熱部30Bの上方と下方とに凝縮部41B、42Bが配置されると共に接続口35B、36Bを鉛直方向にずらして形成したことから、前述の冷却構造10と同様に動作する。しなわち、冷却構造10Bをいかなる方向に傾斜させた場合でも冷媒20Bを循環させることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態について説明する。本実施形態に係る沸騰冷却装置の正面図を図6(a)に、図6(a)のA−A線で切断して下から見た時の断面図を図6(b)に、側面図を図6(c)に示す。図6(a)、(b)、(c)において、本実施形態に係る沸騰冷却装置100は、受熱部200、2つの凝縮部310、320、2つの接続管410、420、2つのヘッダー510、520および図示しない冷媒を備える。
受熱部200は、内部に複数のピン状のフィン210および図示しない冷媒が配置された、6つの面201〜206から成る箱体である。受熱部200を形成する箱体において、面201に複数のピン状のフィン210が配置され、面201の外側に発熱体が接している。本実施形態において、複数のピン状のフィン210は、面201と対向する面206近傍まで達する高さに形成されている。そして、発熱体からの熱がフィン210を介して液相状の冷媒に伝達されることにより、発熱体が冷却されると共に冷媒が液相状から気相状に相変化する。
また、受熱部200を形成する箱体において、発熱体と接する面201と水平位置に隣接する対向面202、204には、接続管410、420と接続するための接続用口202a、204aが形成されている。本実施形態において、接続用口202aと接続用口204aとは、中央高さから所定の距離だけZ軸方向に互いにずれている。接続用口202aと接続用口204aとがZ軸方向にずれていることから、沸騰冷却装置100をY軸またはX軸を中心に回転させた場合でも、接続用口202aまたは接続用口204aのどちらか一方が他方よりも上方に位置する。沸騰冷却装置100をY軸またはX軸を中心に回転させた場合の動作については後述する。
さらに、本実施形態において、上方に位置する接続用口202aを、発熱体が接している面201側に形成し、下方に位置する接続用口204aを面201から離して(面206側に)形成した。液相状の冷媒は、発熱体が接している面201側でより活発に気相状に相変化することから、上方に位置する接続用口202aを面201側に配置することにより、面201側で気相状に相変化した冷媒は速やかに接続用口202aに導かれる。従って、冷媒の循環を促進することができる。
凝縮部310、320は受熱部200の上方および下方に、X軸方向が長手方向になるように配置される。そして、凝縮部310、320の長手方向の両端には、ヘッダー510およびヘッダー520がそれぞれ接続されている。凝縮部310、320はそれぞれ、冷媒が通過するチューブ312、322の外側に複数のフィン311、321を配置することによって形成される。凝縮部310、320が図示しない冷却ファンによって空冷されていることから、気相状の冷媒がチューブ312、322の内部を通過することにより、熱がフィン311、321を介して外部空間に放熱され、冷媒が冷却されて凝縮し、気相状から液相状に相変化する。
接続管410、420はそれぞれ、一端が受熱部200の接続用口202a、204aに接続され、他端がヘッダー510、520に接続される。本実施形態において、接続用口202aが接続用口204aよりも上方に位置することから、接続管410の他端はヘッダー510の中間位置よりもやや高い位置でヘッダー510と接続され、接続管420の他端はヘッダー520の中間位置よりもやや低い位置でヘッダー520と接続される。
冷媒は、沸点が40℃程度の、ハイドロフルオロエーテルやハイドロフルオロカーボンなどの媒質である。本実施形態において、冷媒の量は、沸騰冷却装置100が動作している時に、受熱部200の容積のほぼ半分を液相状の冷媒が占めるように設計されている。気相状の冷媒の容積のほぼ半分を液相状の冷媒が占めると共に、接続用口202aと接続用口204aとが中央高さからZ軸方向に互いにずれていることから、下方に位置する接続用口が液相状の冷媒によって満たされる。従って、受熱部200内において気相状に相変化した冷媒は、液相状の冷媒で満たされていない側の接続用口から凝縮部へスムーズに流出する。
そして、受熱部200内に位置する液相状の冷媒は、発熱体からの熱がフィン210を介して伝熱されることによって液相状から気相状へと相変化する。気相状に相変化した冷媒は、受熱部200内を上昇し、接続用口202a、204aのうち気相状の冷媒を上方に導く接続用口から接続管へ流出する。接続管に流出した気相状の冷媒は、そのまま接続管内を上昇してヘッダーまで移動し、さらにヘッダー内を上昇して凝縮部まで導かれる。
凝縮部まで導かれた気相状の冷媒は、凝縮部の円筒部の内部を通過することによって冷却されて凝縮し、気相状から液相状へと相変化する。液相状に相変化した冷媒は、重力によって気相状の冷媒が流入するのと反対側のヘッダーから下方へ滴下する。
以上のように構成された沸騰冷却装置100は、液体ポンプなどを使用することなく冷媒が沸騰冷却装置100内を循環し続け、発熱体で発生した熱を外気へ放熱し、発熱体を冷却する。
次に、沸騰冷却装置100をY軸またはX軸を中心に回転させた場合の沸騰冷却装置100の動作について説明する。まず、沸騰冷却装置100をY軸を中心に回転させた場合について説明する。沸騰冷却装置100をY軸を中心に回転した場合の冷媒の動きを図7に示す。なお、図7(a)は沸騰冷却装置100を標準の向きに配置した状態、図7(b)は沸騰冷却装置100を標準状態からY軸を中心に回転させ、沸騰冷却装置100を斜めに配置した状態、図7(c)は沸騰冷却装置100を標準状態からY軸を中心に90度回転させて配置した状態である。また、図7に、気相状の冷媒の動きを斜線を施した矢印で、液相状の冷媒の動きを黒ベタの矢印で、液相状の冷媒の液面高さを一点鎖線で示す。
図7(a)において、沸騰冷却装置100を標準の向きに配置した場合、受熱部200内において気相状に相変化した冷媒は、斜線矢印に示すように、上方に位置する接続用口202aから接続管410へ流出し、ヘッダー510を介して凝縮部310へと導かれる。ここで、下方に位置する接続用口204aは液相状の冷媒によりほぼ満たされている。
そして、凝縮部310へ導かれた気相状の冷媒は、凝縮部310のチューブ312の内部を通過することによって冷却されて凝縮し、気相状から液相状へと相変化し、黒ベタ矢印に示すように、反対側のヘッダー520に導かれ、重力によってヘッダー520から液相状の冷媒の中に滴下する。
次に、図7(b)に示すように、沸騰冷却装置100を標準状態からY軸を中心に回転させ、沸騰冷却装置100を斜めの状態で配置した場合、受熱部200内において気相状に相変化した冷媒は、斜線矢印に示すように、上方に位置する接続用口204aから接続管420へ流出し、接続管420およびヘッダー520を経由して凝縮部310まで導かれる。ここで、下方に位置する接続用口202aは液相状の冷媒により満たされている。
凝縮部310へ導かれた気相状の冷媒は、凝縮部310内で冷却されて凝縮し、気相状から液相状へと相変化する。液相状に相変化した冷媒は、黒ベタ矢印に示すように、反対側のヘッダー510に導かれ、重力によって液相状の冷媒の中に滴下する。
さらに、図7(c)に示すように、沸騰冷却装置100を標準状態からY軸を中心に90度回転させて配置した場合、受熱部200内において気相状に相変化した冷媒は上方に位置する接続用口204aから接続管420へ流出する。そして、ヘッダー520に到達した気相状の冷媒は、凝縮部310側流路と凝縮部320側流路との高さが略等しいことから、凝縮部310側と凝縮部320側とに分かれる。
そして、凝縮部310に導かれた気相状の冷媒は、凝縮部310内で冷却されて凝縮し、気相状から液相状へと相変化する。液相状に相変化した冷媒は、黒ベタ矢印に示すように、重力によってそのまま液相状の冷媒の中に滴下する。同様に、凝縮部320に導かれた気相状の冷媒は、凝縮部320内で冷却されて気相状から液相状へ相変化し、黒ベタ矢印に示すように、重力によってそのまま液相状の冷媒の中に滴下する。
従って、本実施形態に係る沸騰冷却装置100は、沸騰冷却装置100をY軸中心に回転させて配置した場合でも、常に気相状の冷媒が一方向に流れ、冷媒が沸騰冷却装置100内を循環し続ける。
次に、沸騰冷却装置100をX軸を中心として回転させた場合について説明する。沸騰冷却装置100をX軸を中心として回転させた場合の冷媒の動きを図8に示す。なお、図8(a)は沸騰冷却装置100を標準の向きに配置した状態、図8(b)は沸騰冷却装置100を標準状態からX軸を中心に時計回りに回転し、図6(a)において沸騰冷却装置100を奥側に傾けた状態、図8(c)は沸騰冷却装置100を標準状態からX軸を中心に反時計回りに回転し、図6(a)において沸騰冷却装置100を手前側に傾けた状態である。また、図8に、気相状の冷媒の動きを斜線を施した矢印で、液相状の冷媒の動きを黒ベタの矢印で、液相状の冷媒の液面高さを一点鎖線で示す。
図8(a)において、沸騰冷却装置100を標準状態で配置した場合、図7(a)で説明したのと同様に、受熱部200内において気相状に相変化した冷媒は、接続用口202aおよびヘッダー510を経由して凝縮部310へと導かれる。そして、気相状の冷媒は、凝縮部310内で冷却されて液相状に相変化し、重力によって反対側のヘッダー520から液相状の冷媒の中に滴下する。
次に、図8(b)に示すように、沸騰冷却装置100をX軸を中心に時計回りに回転して奥側に傾けた場合、受熱部200内において気相状に相変化した冷媒は、斜線矢印で示すように、上方に位置する接続用口へと移動し、接続管およびヘッダーを経由して凝縮部310まで導かれる。そして、凝縮部310内において冷却されて液相状へ相変化した冷媒は、気相状の冷媒が通過しない反対側のヘッダーに導かれ、重力によって液相状の冷媒の中に滴下する。
さらに、図8(c)に示すように、沸騰冷却装置100をX軸を中心に反時計回りに回転して手前側に傾けた場合、受熱部200内において気相状に相変化した冷媒は、上方に位置する接続用口202aから接続管410へ移動し、接続管410およびヘッダー510を経由して、凝縮部310へ導かれる。そして、凝縮部310へ導かれた気相状の冷媒は、凝縮部310内で冷却されて凝縮し、液相状へ相変化して反対側のヘッダー520に導かれ、重力によって液相状の冷媒の中に滴下する。
なお、沸騰冷却装置100を図8(c)の状態からさらに反時計回りに回転して手前側に傾けた場合、液相状の冷媒が発熱体から離れた状態となる。本実施形態に係る沸騰冷却装置100において、フィン210を面201と対向する面206近傍まで達する高さに形成したことから、液相状の冷媒が発熱体から離れた場合でも、発熱体から発せられた熱はフィン210を介して液相状の冷媒に伝達される。従って、液相状の冷媒が発熱体から離れた場合でも、発熱体を冷却することができる。
従って、本実施形態に係る沸騰冷却装置100は、沸騰冷却装置100をX軸中心に回転させて配置した場合でも、常に気相状の冷媒が一方向に流れ、冷媒が沸騰冷却装置100内を循環し続ける。
さらに、沸騰冷却装置100を標準状態からY軸またはX軸を中心に180度回転させて天地を反対にした場合、冷媒の流れは、図7(a)および図8(a)の時の逆向きになる。すなわち、受熱部200内において気相状に相変化した冷媒は、上方に位置する接続用口204aから接続管420およびヘッダー520を経由して凝縮部320内に導かれ、凝縮部320内において冷却された液相状の冷媒は反対側のヘッダー510から液相状の冷媒の中へ滴下する。すなわち、沸騰冷却装置100を標準状態からY軸またはX軸を中心に180度回転させて配置した場合でも、発熱体を冷却することができる。
以上のように、本実施形態に係る沸騰冷却装置100は、受熱部200の上方と下方に凝縮部310、320をそれぞれ配置すると共に、受熱部200の対向面に凝縮部310、320にそれぞれ連通する接続用口202a、204aを鉛直方向にずらして形成した。2つの接続用口を鉛直方向にずらして形成することにより、沸騰冷却装置100が標準状態および標準状態からY軸またはX軸を中心に回転させた状態においても、受熱部200において気相状に相変化した冷媒は、その時に上方に位置する接続用口から凝縮部へ流出する。そして、受熱部200の上方と下方とに凝縮部310、320を配置されていることから、その時に上方に位置する凝縮部で冷媒を冷却することができる。
従って、沸騰冷却装置100の配置状態に関わらずに、冷媒に一方向の流れが生じ、液体ポンプなどを使用することなく冷媒が沸騰冷却装置100内を循環し続け、発熱体から発せられた熱を放熱することができる。すなわち、本実施形態に係る沸騰冷却装置100は、沸騰冷却装置100を大きく傾斜して配置した場合であっても、冷却性能の低下を抑制することができる。
また、本実施形態において、接続用口202a、204aを中央高さ位置から所定の距離だけ鉛直方向にずらし、冷媒の量を受熱部200の容積のほぼ半分を液相状の冷媒が占めるように設計した。この場合、下方に位置する接続用口が液相状の冷媒によって満たされ、気相状の冷媒は、液相状の冷媒で満たされていない側の接続用口側にスムーズに流出する。従って、冷媒の循環を促進することができる。
さらに、本実施形態に係る沸騰冷却装置100において、標準状態において上方に位置する接続用口202aを、下方に位置する接続用口204aよりも発熱体が接している面201側に形成した。上方に位置する接続用口を発熱体側に形成する場合、発熱体側でより速やかに気相状に相変化している冷媒を、そのまま接続用口202aから凝縮部へ流出させることができる。従って、冷媒の循環をよりいっそう促進することができる。
さらに、本実施形態に係る沸騰冷却装置100において、フィン210の高さを反対側の面206の近傍まで達する高さに設計した。これにより、受熱部200内において液相状の冷媒が発熱体の反対側に位置する場合でも、発熱体から発せられた熱をフィン210を介して液相状の冷媒に伝達することができる。従って、液相状の冷媒が発熱体の反対側に位置する場合でも、発熱体を冷却することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態について説明する。本実施形態に係る沸騰冷却装置の正面図を図9(a)に、図9(a)のA−A線で切断して下から見た時の断面図を図9(b)に、側面図を図9(c)に示す。図9(a)、(b)、(c)において、本実施形態に係る沸騰冷却装置100Bは、受熱部200B、凝縮部310B、320B、接続管410B、420B、長尺ヘッダー610B、620B、短尺ヘッダー710B、720B、接続チューブ811B、812B、821B、822Bおよび図示しない冷媒を備える。以下、第2の実施形態に係る沸騰冷却装置100と異なる部分を中心に説明する。
受熱部200Bは、内部に複数のプレート状のフィン220Bおよび図示しない冷媒が配置された、6つの面201B〜206Bから成る箱体である。面201Bに複数のプレート状のフィン220Bが配置され、面201Bの外側に発熱体が接している。面201Bと隣接する対向する1組の面202B、204Bには、接続用口202aB、204aBが形成され、この接続用口202aB、204aBに受熱部側接続管231B、232Bが嵌入されている。
図9に示すように、接続用口202aBと接続用口204aBとは、互いにZ軸方向にずれている。すなわち、受熱部側接続管231Bと受熱部側接続管232Bとは、互いにZ軸方向にずれている。
凝縮部310B、320Bは受熱部200Bの上方および下方に配置され、凝縮部310B、320Bの両端は長尺ヘッダーと短尺ヘッダーとにそれぞれ接続されている。凝縮部310B、320Bの内部を気相状の冷媒が通過することにより、冷媒が冷却されて凝縮し、気相状から液相状に相変化する。
凝縮部310B、320Bは受熱部200Bの上方および下方に配置し、受熱部200Bの接続用口202aB、204aBを互いにZ軸方向にずらしたことにより、沸騰冷却装置100BをY軸またはX軸を中心に回転させた場合でも、常に気相状の冷媒が一方向に流れ、冷媒が沸騰冷却装置100B内を循環し続ける。
接続管410B、420Bは、受熱部200Bと長尺ヘッダー610B、620Bとをそれぞれ接続する。接続管410B、420Bは、冷媒との反応性が低い材料によって形成され、例えば、アルミニウム等の硬度の低い金属で形成される。本実施形態において、受熱部200Bの受熱部側接続管231B、232Bの接続面と、長尺ヘッダー610B、620Bのヘッダー側接続管611B、621Bの接続面とをそれぞれ当接させ、この当接面の周りを接続管410B、420Bで覆うことにより、受熱部200Bと長尺ヘッダー610B、620Bとがそれぞれ接続される。
長尺ヘッダー610B、620Bは、中空の長尺部材であり、側面の一端にはヘッダー側接続管611B、621Bを接続するための接続口が、同じ側面の他端には凝縮部310B、320Bを接続するための接続口が形成されている。さらに、長尺ヘッダー610B、620Bのヘッダー側接続管が接続される側の端面には、接続チューブを接続するための2つの接続口が形成されている。
短尺ヘッダー710B、720Bは、中空の短尺部材であり、凝縮部310B、320Bを接続するための接続口と、接続チューブを接続するための2つの接続口と、が形成されている。さらに、本実施形態において、短尺ヘッダー710B、720Bにはそれぞれ、冷媒の注入および脱泡等を行うための真空引きノズル711B、721Bが接続されている。
接続チューブ811B、812Bは、長尺ヘッダー610Bと短尺ヘッダー720Bとを接続する管状部材である。また、接続チューブ821B、822Bは、長尺ヘッダー620Bと短尺ヘッダー710Bとを接続する管状部材である。
冷媒は、第2の実施形態で説明したものと同様であるため、詳細な説明は省略する。すなわち、本実施形態においても、冷媒の量は、受熱部200Bの容積のほぼ半分を液相状の冷媒が占めるように設定されている。
上記のように構成された沸騰冷却装置100Bは、受熱部200B内において発熱体からの熱がプレート状のフィン220Bを介して液相状の冷媒に伝熱されることにより、冷媒が液相状から気相状へ相変化し、上方に位置する接続用口および受熱部側接続管を介して一方の長尺ヘッダーへ導かれる。そして、気相状の冷媒は、長尺ヘッダー内を上昇して凝縮部とへ導かれ、凝縮部の円筒部を通過することによって冷却されて凝縮し、気相状から液相状へと相変化する。液相状に相変化した冷媒は、重力によって気相状の冷媒が流入するのと反対側のヘッダーから下方へ滴下する。
以上のように、本実施形態に係る沸騰冷却装置100Bは、液体ポンプなどを使用することなく冷媒が沸騰冷却装置100B内を循環し続け、発熱体で発生した熱を外気へ放熱し、発熱体を冷却する。さらに、本実施形態に係る沸騰冷却装置100Bは、受熱部200Bの上方と下方とに凝縮部310B、320Bを配置すると共に受熱部200Bの対向面に凝縮部310B、320Bにそれぞれ連通する接続用口202aB、204aBを互いにZ方向にずらして形成したことから、沸騰冷却装置100Bの天地を反転させた場合でも他方の凝縮部で冷媒を冷却することができると共に、沸騰冷却装置100BをY軸またはX軸を中心に回転させた場合でも気相状の冷媒に一方向の流れを生じさせることができる。
また、本実施形態においても、冷媒の量を受熱部200Bの容積のほぼ半分を液相状の冷媒が占めるように設計すると共に、接続用口202aB、204aBを中心高さから所定の距離だけ鉛直方向にずらして形成した。この場合、下方に位置する接続用口は液相状の冷媒によって満たされ、気相状の冷媒は、液相状の冷媒で満たされていない側の接続用口側にスムーズに流出する。
すなわち、本実施形態に係る沸騰冷却装置100Bは、沸騰冷却装置100Bを大きく傾斜して配置した場合であっても、冷却性能の低下を抑制することができる。
さらに、本実施形態に係る沸騰冷却装置100Bにおいて、受熱部200Bに受熱部側接続管231B、232Bを形成し、凝縮器300Bにヘッダー側接続管611B、621Bを形成した。受熱部側接続管231B、232Bとヘッダー側接続管611B、621Bとの接続は、それぞれの接続面を当接させて周りを接続管410B、420Bで覆うだけで良く、受熱部200Bと凝縮器300Bとを容易且つ高気密に接続することができる。
ここで、本実施形態において、凝縮部、長尺ヘッダーおよび短尺ヘッダーを1組の凝縮器300Bとして取り扱うことができる。凝縮部、長尺ヘッダーおよび短尺ヘッダーを1組の凝縮器300Bとして取り扱える場合、受熱部200Bの上方と下方にそれぞれ凝縮器300Bを回転対称に配置して2つの凝縮器300Bを接続チューブを用いて接続し、さらに、凝縮器のヘッダー側接続管と受熱部200Bの受熱部側接続管とを、それぞれ接続管410B、420Bを用いて接続することにより、沸騰冷却装置100Bを形成することができる。
従って、沸騰冷却装置100Bの組み立てが容易になると共に部品点数を必要最小限に抑制することができ、沸騰冷却装置100Bの製造コストを低減することができる。
なお、上述の実施形態では、長尺ヘッダーおよび短尺ヘッダーの対向する端面同士を2本の接続チューブによって接続したが、これに限定されない。例えば、長尺ヘッダーおよび短尺ヘッダーの互いに離れた端面側を長尺の接続チューブで接続することもできる。この場合の沸騰冷却装置の正面図を図10に示す。図10において、長尺ヘッダー610C、620C、および短尺ヘッダー710C、720Cは、互いに離れた端面側が、長尺の接続チューブ813C、823Cを用いてそれぞれ接続されている。図10に示した沸騰冷却装置100Cも、上述の沸騰冷却装置100Bと同様に動作する。
なお、上述の沸騰冷却装置100、100B、100Cは、CPU等の発熱体が配置された基板および凝縮を冷却する電子機器等に配置することができる。また、上述の実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
10、10B 冷却構造
20、20B 冷媒
30、30B 受熱部
31 受熱容器
32、33 平面
34 曲面
35、36、35B、36B 接続口
41、42、41B、42B 凝縮部
51、52、51B、52B 接続管
60 電子機器
61 発熱体
62 基板
63 冷却ファン
100、100B、100C 沸騰冷却装置
200、200B 受熱部
202a、204a、202aB、204aB 接続用口
210 フィン
220B フィン
231B、232B 受熱部側接続管
300B 凝縮器
310、320、310B、320B 凝縮部
311、321、311B、321B フィン
312、322、312B、322B チューブ
410、420、410B、420B 接続管
510、520 ヘッダー
610B、620B、610C、620C 長尺ヘッダー
710B、720B、710C、720C 短尺ヘッダー
811B、812B、821B、822B、813C、823C 接続チューブ
900 冷却システム
910 受熱ジャケット
920 凝縮器
930、940 配管
950 気化促進板
960 冷却ファン

Claims (13)

  1. 冷媒と、
    前記冷媒を貯蔵し、第1の接続口と第2の接続口を側面に備えた受熱容器を含む受熱部と、
    前記受熱部の鉛直上方に配置した第1の凝縮部と、
    前記受熱部の鉛直下方に配置した第2の凝縮部と、
    前記第1の接続口と前記第1の凝縮部と前記第2の凝縮部とを接続する第1の接続管と、
    前記第2の接続口と前記第1の凝縮部と前記第2の凝縮部とを接続する第2の接続管と、
    を備え、
    前記第1の接続口と前記第2の接続口は水平方向に略対向し、前記第1の接続口は前記第2の接続口に対して鉛直上方に位置する、冷却構造。
  2. 前記冷媒の気液界面は、前記第1の接続口の鉛直方向の中心位置と前記第2の接続口の鉛直方向の中心位置との間に位置する、請求項1記載の冷却構造。
  3. 前記冷媒の気液界面は、前記受熱容器の鉛直方向高さの略中間位置に位置し、
    前記第1の接続口の中心は、前記受熱容器の鉛直方向高さの中間位置よりも所定の距離だけ上方に位置し、
    前記第2の接続口の中心は、前記受熱容器の鉛直方向高さの中間位置よりも所定の距離だけ下方に位置する、
    請求項2記載の冷却構造。
  4. 前記受熱容器は鉛直方向に平行な第1の受熱面を備え、前記第1の受熱面は発熱体と熱的に接続する請求項1乃至3のいずれか1項記載の冷却構造。
  5. 前記第1の接続口と前記第2の接続口は、前記第1の受熱面に垂直な方向の異なる位置に位置しており、前記第1の接続口と前記第1の受熱面の距離は、前第2の接続口と前記第1の受熱面の距離に比べて小さい、請求項4記載の冷却構造。
  6. 前記受熱容器は鉛直方向に垂直な第2の受熱面を備え、前記第2の受熱面は発熱体と熱的に接続する請求項1乃至3のいずれか1項記載の冷却構造。
  7. 前記第1または第2の受熱面の内側に、複数のフィンが配置されている、請求項4乃至6のいずれか1項記載の冷却構造。
  8. 前記受熱容器は前記第1または第2の受熱面と対向する天面を備え、
    前記フィンは、前記第1または第2の受熱面から前記天面近傍まで達する高さに形成されている、
    請求項7記載の冷却構造。
  9. 前記フィンはピン状およびプレート状のいずれかである請求項7または8記載の冷却構造。
  10. 前記接続管は、水平方向に延伸し、前記第1および第2の接続口と第1および第2垂直接続管とをそれぞれ接続する第1および第2水平接続管と、鉛直方向に延伸し、前記第1および第2水平接続管と前記第1および第2の凝縮部とをそれぞれ接続する第1および第2の垂直接続管と、を備える、請求項1乃至9のいずれか1項記載の冷却構造。
  11. 前記垂直接続管は、前記第1の凝縮部と接続される長尺ヘッダー、前記第2の凝縮部と接続される短尺ヘッダー、および、前記長尺ヘッダーと前記短尺ヘッダーとを連結する連結部材、を備える、請求項10記載の冷却構造。
  12. 前記凝縮部と、前記招集区部に接続された長尺ヘッダーおよび短尺ヘッダーとは、凝縮器を形成する、請求項11記載の冷却構造。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項記載の冷却構造と、
    前記受熱容器と熱的に接続する発熱体と、
    を備える電子機器。
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