JP2013196259A - データ処理装置、データ処理システムおよびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 印刷ジョブにかかる文書ファイルを作成するデータ処理装置等を実現するためのプログラムを提供すること。
【解決手段】 アプリケーション210からの印刷要求に基づいて中間データ214を作成する中間データ作成手段212と、文書ファイル作成または印刷出力がなされたことを示す情報を中間データに追加する追加手段232と、中間データに情報が含まれているかを判断する情報判断手段230と、情報が追加された中間データに対する判断を情報判断手段に再依頼する再依頼手段234と、文書ファイルが作成されていないことが示され、かつ、文書ファイル作成を要する判断された場合に、中間データに基づいて文書ファイルを作成する文書ファイル作成手段240と、印刷出力がされていないことが示された場合に、中間データに基づく印刷データを画像処理装置に送信する送信手段242とを含む。
【選択図】 図3
【解決手段】 アプリケーション210からの印刷要求に基づいて中間データ214を作成する中間データ作成手段212と、文書ファイル作成または印刷出力がなされたことを示す情報を中間データに追加する追加手段232と、中間データに情報が含まれているかを判断する情報判断手段230と、情報が追加された中間データに対する判断を情報判断手段に再依頼する再依頼手段234と、文書ファイルが作成されていないことが示され、かつ、文書ファイル作成を要する判断された場合に、中間データに基づいて文書ファイルを作成する文書ファイル作成手段240と、印刷出力がされていないことが示された場合に、中間データに基づく印刷データを画像処理装置に送信する送信手段242とを含む。
【選択図】 図3
Description
本発明は、印刷ジョブにかかるデータ処理技術に関し、より詳細には、印刷ジョブにかかる文書ファイルを作成するデータ処理装置、データ処理システム、および該データ処理装置を実現するためのプログラムに関する。
近年のオフィス環境においては、MFP(Multi-Function Peripheral)、レーザプリンタ、プリントサーバなどがネットワークに接続され、複数の画像形成装置が利用可能とされていることが多い。このような複数のロケーションから複数の画像形成装置が利用可能な環境において、印刷要求元のコンピュータ固有の情報等に従って出力先を決定し、決定された出力先の画像形成装置で印刷を実行する、振り分け印刷システムが知られている。
例えば、特開2010−271988号公報(特許文献1)は、ネットワークを介して出力するべき情報を取得し、取得した情報から出力要求元識別値を抽出する手段と、出力要求元識別値に紐付けられた出力先を選択する手段と、選択された出力先で、デフォルト出力先を書換える手段と、出力先に対応したリモートドライバを呼び出して出力先に適合したフォーマットの出力データに変換して、出力先に送付する手段とを含むデータ処理装置を開示する。
また、近年の文書電子化の傾向に伴い、紙媒体への印刷出力を行う際に、PDF(Portable Document Format)など文書ファイルを作成し、電子データとして保管したいという要望もある。
印刷ジョブのPDFファイルを作成する技術としては、特開2008−21081号公報(特許文献2)が知られている。特許文献2は、印刷画像のプレビューを表示し、プレビュー表示画像上で所定の範囲を所定の倍率に拡大縮尺指定し、所定の範囲を所定の倍率に拡大縮尺を行った印刷データを生成する構成を開示する。上記特許文献2の従来技術では、上記プレビュー表示は、印刷画像対象のファイルをPDFに変換することで行われ、印刷データは、プレビュー表示のため変換されたPDFファイルを基に生成される。
その他、PDFファイル作成に関する技術としては、特開2009−59274号公報(特許文献3)が知られている。特許文献3は、HDDと、PDF作成部と、操作部と、認証部と、USBコネクタと、ファイル書込部とを備える複合機を開示する。PDF作成部は、画像データをラスタライズしたデータを格納したPDFファイルを作成可能とされる。複合機は、パーソナルコンピュータから親展プリントのプリントデータを受信したとき、画像データをHDDに記憶させた状態で、操作部によるパスコードの入力を待機する。当該パスコードの認証部による認証に成功した場合にのみ、ファイル書込部は、USBコネクタに接続されるUSBメモリにPDFファイルを記憶させる。
しかしながら、上記特許文献1の従来技術による振り分け印刷システムでは、振り分け印刷と、PDFファイル作成とを共に実行するためには、文書ファイル作成の印刷要求と、振り分け印刷の印刷要求との2回の印刷要求を行う必要がある。このため、利用者にとっては手間がかかり、また処理負荷が余分に発生するという点で、充分なものではなかった。
一方、特許文献2の従来技術のように、1回の印刷要求に応答して、PDFファイル作成および印刷出力を行うこともできる。しかしながら、特許文献2の従来技術では、PDFファイルに変換してから、変換されたPDFファイルをさらに印刷用データに変換する必要がある。このため、印刷用データが2回の変換処理を経て印刷出力されるので、印刷品質が低下してしまうという点で、充分なものではなかった。
本発明は、上記従来技術における問題点に鑑みてなされたものであり、1回の印刷要求により、文書ファイル作成と、印刷出力とを同時に実行することが可能なデータ処理装置、データ処理システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
本発明では、上記課題を解決するために、以下の特徴を有するデータ処理装置を提供する。本データ処理装置は、アプリケーションからの印刷要求に基づいて中間データを作成する中間データ作成手段と、上記印刷要求に対する文書ファイル作成を要するか判断する作成判断手段と、上記文書ファイル作成または印刷出力がなされたことを示す情報を中間データに追加する追加手段と、上記中間データに情報が含まれているかを判断する情報判断手段と、上記追加手段によって情報が追加された中間データに対する判断を情報判断手段に再依頼する再依頼手段と、上記情報判断手段の判断によって文書ファイルが作成されていないことが示され、かつ、上記要否判断手段によって文書ファイル作成を要する判断された場合に、上記中間データに基づいて文書ファイルを作成する文書ファイル作成手段と、上記情報判断手段の判断によって印刷出力がされていないことが示された場合に、上記中間データに基づく印刷データを画像処理装置に送信する送信手段とを含む。
上記構成によれば、1回の印刷要求により、文書ファイル作成と、印刷出力とを同時に実行することができる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明の実施形態は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。なお、以下に説明する実施形態では、データ処理装置の一例として、印刷ジョブを画像形成装置に振り分けると共に、印刷ジョブから文書ファイルを作成する、データ処理装置110を用いて説明する。
図1は、本実施形態によるデータ処理装置110を含む振り分け印刷システム100のネットワーク環境を説明する図である。振り分け印刷システム100では、ネットワーク130には、オフィスなどに配置される複数のクライアント112,114,116,118が接続されている。図1に示すネットワーク130には、さらに、MFP122、レーザプリンタ124,126、インクジェットプリンタ128などの画像形成装置が接続されている。以下、上記MFP122およびプリンタ124〜128を、リモートプリンタとして総称する。
データ処理装置110は、クライアント112〜118とリモートプリンタ122〜128との間で、クライアントからの印刷ジョブを処理し、出力先のリモートプリンタを決定し、決定したリモートプリンタ印刷ジョブを送信する。送信された印刷ジョブの印刷データは、直接またはプリンタサーバ(図示せず。)を経由して、出力先のリモートプリンタに送付される。リモートプリンタは、印刷データを受信して、当該印刷ジョブにかかる印刷処理を実行する。データ処理装置110は、同時に、文書ファイルの出力先を決定し、上記印刷ジョブの文書ファイルを作成する。作成された文書ファイルは、決定された文書ファイル出力先の記憶領域に保存される。
なお、図1に示した実施形態では、クライアント112およびリモートプリンタ122が拠点140を構成し、その他のクライアントおよびリモートプリンタが対応付けられて、それぞれ拠点150および拠点160を構成している。クライアントは、拠点に複数存在してよいし、リモートプリンタも各拠点に複数存在していてよい。図1に示したクライアントおよびリモートプリンタの配置では、例えば、クライアント112から行われた印刷ジョブを、同じ拠点140のリモートプリンタ122に振り分けることができる。
上記ネットワーク130は、特に限定されるものではないが、1000Base−TXのイーサネット(登録商標)などの有線ネットワーク、IEEE802.11などの規格の無線ネットワークを含むことができる。クライアント112〜118、データ処理装置110およびリモートプリンタ122〜128は、ネットワーク130を介して、TCP/IPプロトコルに基づくパケット通信により相互通信を行う。
以下、まず、データ処理装置110のハードウェア構成について説明する。図2は、本実施形態によるデータ処理装置のハードウェア構成図である。データ処理装置110は、シングルコアやマルチコアのマイクロプロセッサ・ユニット(MPU)12と、BIOS(Basic Input Output System)を格納する不揮発性メモリ14と、MPU12によるプログラム処理を可能とする実行記憶空間を提供するメモリ16とを含む。MPU12は、起動時に、不揮発性メモリ14からBIOSを読み出し、システム診断を行うとともに入出力装置26の管理を行う。
MPU12は、内部バス22を介して記憶制御用インタフェース18に接続され、ハードディスク20が、MPU12からの入出力要求に応答してデータの書き込または読み出しを実行する。MPU12は、内部バス22を介してUSBなどのシリアルまたはパラレル・インタフェース24を制御して、キーボード、マウス、プリンタなどの入出力装置26と通信し、ユーザからの入力を受け取る。
データ処理装置110は、さらにVRAM28とグラフィック・チップ30とを含むことができる。グラフィック・チップ30は、MPU12からの指令に応答してビデオ信号を処理し、ディスプレイ装置32へと表示させている。MPU12は、また、内部バス22を介してネットワークI/F(NIC;Network Interface Card)34と接続する。これにより、データ処理装置110を、ネットワーク130を通して、クライアント112〜118およびリモートプリンタ122〜128などの外部装置と通信させている。
データ処理装置110は、不揮発性メモリ14やハードディスク20、その他NV−RAM(図示せず)やSDカード(図示せず)などの記憶装置に格納されたプログラム(図示せず)を読み出し、メモリ16のメモリ領域に展開する。これにより、適切なオペレーティング・システム(OS)のもとで、後述する各機能手段および各処理を実現する。上記OSとしては、Windows(登録商標)、UNIX(登録商標)またはLINUX(登録商標)など、如何なるアーキテクチャを有するOSを採用することができる。
クライアント112〜118は、パーソナルコンピュータやワークステーションなどの汎用コンピュータ、またはタブレット端末、PDA(Personal Digital Assistance)やスマートフォンなどの携帯情報端末として構成することができる。詳細な説明は割愛するが、クライアント112〜118についても、図2に示すハードウェア構成と同様の構成とすることができる。
また、クライアント112〜118は、それぞれ同様の構成を有しており、いわゆるシンクライアントとして実装することができる。シンクライアントは、RDP(Remote Desktop Protocol)などの適切な遠隔接続プロトコルを使用して、ターミナルサーバとして動作するデータ処理装置110に接続し、データ処理装置110上で動作するアプリケーションを実行する。オペレータは、クライアント112〜118上で、アプリケーションによる処理を完了した後、仮想プリンタドライバを指定して印刷要求することにより、後述する振り分け印刷処理フローに印刷ジョブを流すことができる。データ処理装置110は、クライアントからの印刷要求に応答して、決定された出力先に文書ファイルを作成するとともに、決定された出力先のリモートプリンタに印刷出力する。
リモートプリンタ122〜128のハードウェア構成については、特に詳細な説明を行わないが、複合機、レーザプリンタ、インクジェットプリンタに対応するハードウェア構成を備える。図1に示した実施形態では、リモートプリンタ122〜128は、ネットワーク・インタフェース・カード(NIC)を実装し、印刷ジョブの印刷データをネットワーク130を介して受信し、印刷ジョブにかかる画像形成処理を実行する。
以下、図3〜図10を参照しながら、本実施形態による振り分け印刷処理について説明する。図3は、本実施形態による振り分け印刷システム100の機能ブロック図である。データ処理装置110は、アプリケーション210と、スプーラ212と、プリント処理部230と、データ埋込部232と、再印刷部234と、出力先決定部236と、出力先変更部238とを含む。データ処理装置110は、さらに、文書ファイルを作成する文書ファイル作成部240と、リモートプリンタ122〜128に対応したプリンタドライバ242とを含む。
アプリケーション210は、印刷対象文書を作成および編集し、その印刷要求を行うためのアプリケーションである。クライアント112〜118は、RDPプロトコルなどにより、ターミナルサーバとして動作するデータ処理装置110に接続し、アプリケーション210を操作する。アプリケーション210上で印刷対象文書が作成された後、ユーザから仮想プリンタドライバを指定した印刷要求が行われると、アプリケーション210は、Windows(登録商標)環境ではGDI(Graphic Device Interface)などの関数呼び出しを経て、印刷ジョブの中間データを生成し、スプーラ212に渡す。
スプーラ212は、クライアント112〜118から要求された印刷ジョブを順次処理する。スプーラ212は、アプリケーション210から中間データを受領すると、スプールフォルダに中間データ214を一旦格納する。中間データ214は、特定の実施形態であるWindows(登録商標)環境では、EMF(Enhanced Metafile)などの印刷スプールファイル形式のデータとされる。本実施形態においては、GDIなどの描画プログラムおよびスプーラ212が、中間データ作成手段を構成する。
プリント処理部230は、文書ファイル作成指示、印刷振り分け指示、データ埋込処理の呼び出し、出力先決定処理の呼び出し、文書作成処理の呼び出し、およびプリンタドライバの呼び出しを行う。プリント処理部230は、呼び出されると、まず、中間データ214に基づいて、文書ファイル作成指示または印刷振り分け指示を発行する。文書ファイル作成指示を発行するか、印刷振り分け指示を発行するかは、中間データ214に埋め込まれた埋込データ(詳細を後述する。)に基づいて判定される。本実施形態において、プリント処理部230は、中間データ214に情報(埋込データ)が含まれているかを判断する情報判断手段を構成する。
データ埋込部232は、上述した文書ファイル作成指示または印刷振り分け指示に応答して、中間データ214内に処理済みを表す埋込データを埋め込む。説明する実施形態では、データ埋込部232は、文書ファイル作成指示に応答して呼び出され、文書ファイル作成処理済みを示す埋込データを中間データ214に埋め込む。再印刷部234は、埋込データが埋め込まれた中間データ214をプリント処理部230に渡して再印刷させる。本実施形態において、データ埋込部232は、追加手段を構成し、再印刷部234は、再依頼手段を構成する。
再印刷のフローでは、プリント処理部230は、中間データ214内の埋込データに従って、印刷振り分け指示を発行する。なお、説明する実施形態では、文書ファイル作成指示に応答して、文書作成処理済みを示す埋込データが埋め込まれ、続く再印刷フローで、印刷振り分け指示が発行されるものとして説明する。しかしながら、他の実施形態では、印刷振り分け指示に応答して、印刷振り分け処理済みを示す埋込データが埋め込まれ、続く再印刷フローで、文書ファイル作成指示がなされてもよい。
プリント処理部230は、文書ファイル作成指示で、出力先決定部236を呼び出し、文書ファイル出力先の決定を指示する。出力先決定部236は、文書ファイル作成指示においては、事前定義された出力先定義ファイルを参照し、文書ファイル出力先を決定し、出力先変更部238にポート設定を変更させる。この場合、プリント処理部230は、中間データ214を読み出し、文書ファイル作成部240に出力する。文書ファイル作成部240は、プリント処理部230から出力されたデータを、PDFなどの文書ファイルに変換し、文書ファイルを出力先に保存する。また、出力先決定部236は、本実施形態においては、出力先定義ファイルを参照して、印刷要求に対する文書ファイルの作成を要するか判断する作成判断手段としても構成される。すなわち、本実施形態において、文書ファイル作成の要否は、出力先定義データ中に設定されている。
プリント処理部230は、印刷振り分け指示では、出力先決定部236を呼び出し、振り分け印刷出力先の決定を指示する。出力先決定部236は、印刷振り分け指示においては、事前定義された出力先定義ファイルを参照し、印刷出力先を決定し、出力先変更部238にポート設定を変更させる。この場合、プリント処理部230は、中間データ214を読み出して、プリンタドライバ242を呼び出す。プリンタドライバ242は、プリント処理部230から渡されたデータを、出力先のリモートプリンタが解釈可能な印刷データに変換し、ポートモニタを介して出力先のリモートプリンタに送信し、印刷出力を行わせる。プリンタドライバ242は、本実施形態における送信手段を構成する。
上述したプリント処理部230は、例えば特定の実施形態であるWindows(登録商標)システムであれば、上記中間データ214内の埋込データに基づいて、文書ファイル作成指示または印刷振り分け指示を発行するようカスタマイズされた、プリントプロセッサとして実装することができる。また、上記出力先決定部236は、本実施形態におけるファイル出力先決定手段および印刷出力先決定手段であり、出力先変更部238は、本実施形態におけるファイル出力先変更手段および印刷出力先変更手段である。
また、本実施形態においては、印刷要求に文書ファイル作成要求が付随しているものとして、プリント処理部230は、文書ファイル作成指示を一旦発行し、文書ファイル作成用の印刷フローを流している。そして、出力先決定部236が、作成判断手段として、出力先定義ファイルを参照して、文書ファイル作成不要を検出した段階で、当該印刷フローを中止している。しかしながら、他の実施形態では、印刷要求に文書ファイル作成の要否を設定することもできる。この場合は、プリント処理部230が、前もって文書ファイル作成の要否を判断し、必要な場合にのみ文書ファイル作成指示を行うことができる。
なお、図3に示す実施形態では、クライアント112〜118がシンクライアントとして実装されるものとして説明した。しかしながら、他の実施形態では、クライアント112〜118は、それぞれファットクライアントとして実装されてもよい。このようなファットクライアントは、アプリケーション210を含めて上述した機能部210〜242を実装するパーソナルコンピュータまたはワークステーションとして構成することができる。また、図3に示す実施形態では、リモートプリンタ122〜128は、データ処理装置110にネットワーク130を介して直接接続されるものとして説明したが、他の実施形態では、図示しないプリントサーバを経由して、USBやパラレルインタフェースを介して接続されていてもよい。また、説明する実施形態では、スプールファイルを中間データ214と参照しているが、中間データは、リモートプリンタに出力する印刷データの前段階のデータを意味し、他形態の中間データを経てもよい。
図4は、本実施形態による振り分け印刷システムで実行される、振り分け印刷処理を説明するフローチャートである。図4に示す処理は、ステップS100から開始し、ステップS101では、アプリケーション210から印刷要求が行われる。これにより、印刷要求に応答して中間データ214が作成される。
ステップS102では、プリント処理部230は、文書ファイル作成処理済みを示す埋込データが中間データ214内に有るか否かを判定する。印刷要求に応答した1回目の印刷フローでは、埋込データがなしであると判定される。ステップS102で、埋込データがないと判定された場合(NO)は、ステップS103へ処理が進められる。
ステップS103では、プリント処理部230は、データ埋込部232および出力先決定部236を呼び出し、文書ファイル作成指示を行う。出力先決定部236の呼び出しに応答して、ステップS104からの処理が行われ、データ埋込部232の呼び出しに応答して、ステップS109からの処理が行われる。
ステップS104では、出力先決定部236は、プリント処理部230からの呼び出しに応答して、出力先定義ファイルを参照して、文書ファイル出力先を決定する。なお、出力先決定処理については詳細を後述する。ステップS105では、出力先変更部238は、出力先決定部236により決定された文書ファイル出力先にポートを変更し、プリント処理部230へ処理を戻す。
ステップS106では、プリント処理部230は、中間データ214を読み出し、印刷データをポートに渡す。ステップS107では、ポートは、文書ファイル作成部240に対し印刷データを出力し、ステップS108では、文書ファイル作成部240は、入力された印刷データを文書ファイルに変換し、文書ファイル出力先で指定された記憶領域に保存する。
再びステップS103に説明を戻すと、ステップS103による文書ファイル作成指示により、データ埋込部232が呼び出され、ステップS109からの処理が行われる。ステップS109では、データ埋込部232は、プリント処理部230からの呼び出しに応答して、文書ファイル作成処理済みであることを示す埋込データを中間データ214内に埋め込み、再印刷部234へ制御を渡す。ステップS110では、再印刷部234は、埋込データが埋め込まれた中間データ214をプリント処理部230に送信し、再印刷フローを呼び出す。
印刷要求に応答した2回目の印刷フローである再印刷フローでは、中間データ214内には埋込データが埋め込まれているので、ステップS102の判定では、埋込データ有りと判定される。ステップS103で、埋込データ有りと判定された場合(YES)は、プリント処理部230は、出力先決定部236に中間データ214を渡して呼び出し、ステップS111へ処理を進める。
ステップS111では、出力先決定部236は、プリント処理部230からの呼び出しに応答して、中間データ214に含まれる情報と、出力先定義ファイルとを照合して、印刷出力先を決定する。なお、この出力先決定処理についても詳細を後述する。ステップS112では、出力先変更部238は、プリンタドライバ242のポート設定を、出力先決定部236により決定された印刷出力先に変更し、プリント処理部230へ処理を戻す。
ステップS113では、プリント処理部230は、中間データを読み出し、印刷データをプリンタドライバ242に渡す。ステップS114では、プリンタドライバ242は、渡された印刷データを、出力先のリモートプリンタが解釈可能な印刷データに変換し、ポートに出力する。ステップS115では、ポートは、出力先のリモートプリンタに対し印刷データを出力し、ステップS116では、出力先のリモートプリンタは、印刷データに従い印刷出力を行い、ステップS117で本処理を終了させる。
図5は、本実施形態による振り分け印刷システムで実行される出力先決定処理を説明するフローチャートである。図5(A)は、文書ファイル出力先決定処理を説明するフローチャートであり、図5(B)は、印刷出力先決定処理を説明するフローチャートである。また、図6は、本実施形態による振り分け印刷システムで参照される出力先定義ファイルのデータ構造を例示する。なお、図6に示すような出力先定義ファイル250は、例えば管理者や利用者により事前に定義されるデータである。
以下まず、文書ファイル出力先決定処理について、図5(A)および図6を参照しながら説明する。図5(A)に示す処理は、図4に示したステップS104で呼び出されて、ステップS200から開始される。ステップS201では、出力先決定部236は、文書ファイル出力先決定方式を判定する。図6に示す出力先定義ファイル250は、印刷出力先決定に関する第1および第3データ部252,256と、文書ファイル出力先決定に関する第2データ部254とを含み構成される。なお、図6に示す例では、作成する文書ファイルは、PDFファイルとされている。第2データ部254における[PDF作成]セクションには、印刷振り分けと同時に文書ファイルを作成するか否かが指定される。図6の例示では、「PDF作成機能=true」と定義されており、印刷振り分けと同時の文書ファイル作成が指定されている。なお、ここで、文書ファイル作成が要であるとして設定されているものとして説明する。
[PDFフォルダ名]セクションには、文書ファイルの出力先のフォルダ名を生成するルールが定義され、[PDFファイル名]セクションには、文書ファイル名を生成するルールが定義される。上述したステップS201では、出力先決定部236は、出力先定義ファイル250の第2データ部254を参照し、[PDFフォルダ名]および「PDFファイル名」セクションの定義から、文書ファイル出力先の決定方式を判定する。
決定方式としては、図6に例示するように、印刷要求元ユーザ情報(例えばユーザ名)、印刷要求元端末情報(例えばホスト名,IP(Internet Protocol)アドレス,MACアドレス(Media Access Control Address))、印刷内容(例えばキーワード)、印刷設定情報(例えばカラーモード,部数)およびシステム情報(例えば日付)の指定された組み合わせで、フォルダ名およびファイル名を作成する方式を指定することができる。ユーザ名、ホスト名、IPアドレス、MACアドレス、カラーモードおよび部数に関する情報は、中間データ214から取得することができる。上記キーワードも、中間データ214内を文字列検索することにより抽出することができる。日付などのシステム情報は、OSが提供するAPI(Application Programming Interface)関数などを用いて取得することができる。
フォルダ名およびファイル名に関し、文書ファイル出力先決定方式としてユーザ名が指定されているときは、ログインユーザ名を抽出することによってフォルダ名およびファイル名が生成される。ホスト名、IPアドレス、MACアドレスが指定される場合も同様である。文書ファイル出力先決定方式としてキーワードが指定されているときは、登録されたキーワードが中間データから抽出された場合に、そのキーワードからフォルダ名およびファイル名が生成される。文書ファイル出力先決定方式としてカラーモードが指定されているときは、印刷ジョブのモードがカラー・モードであるか、モノクロ・モードであるかによって、「Color」や「Mono」などの名称が生成される。部数が指定される場合も同様である。複数の方式が指定された場合は、各生成される文字列の組み合わせとしてフォルダ名およびファイル名が決定される。
図6の例示では、[PDFフォルダ名]セクションには「日付=true」と定義されており、[PDFファイル名]セクションには、「ユーザ名=true」と定義されている。したがって、文書出力先のフォルダ名およびファイル名は、それぞれ、日付およびユーザ名に基づいて生成される。
ステップS202では、出力先決定部236は、上記文書ファイル出力先決定方式に従って、フォルダ名およびファイル名を生成する。図6の例示では、フォルダ名が日付に基づいて生成され、ファイル名がユーザ名に基づいて生成される。ステップS203では、出力先決定部236は、生成されたフォルダ名、ファイル名、および[PDF出力先パス]セクションで定義される出力先パスを用いて、文書ファイル出力先を決定し、ステップS204で処理を終了する。
図6の例示に従えば、システム情報から日付として「20yy年mm月dd日」が取得され、ログインユーザ名として「Tester1」が取得された場合は、「c:¥PDFWrite¥20yymmdd¥Tester1.pdf」が文書ファイル出力先として決定される。[PDFフォルダ名]および「PDFファイル名」セクションの定義において、方式が指定されていなかった場合や、キーワードが指定されているにもかかわらず中間データからキーワードが抽出できなかった場合など、フォルダ名およびファイル名が生成できない場合は、[PDFデフォルト]セクションで定義されたパス、フォルダ名、ファイル名のルールに従って、文書ファイル出力先が決定される。
なお、上述までは、文書ファイル作成が要であるとして説明したが、文書ファイル作成が不要の場合は、例えば出力先無しとしてポートが決定されず、文書ファイル作成指示に応答した処理が中止され、本処理が終了する。これにより、図4のステップS103で呼び出されステップS104から始まった処理が、文書ファイルを作成せずに終了する。
以下、印刷出力先決定処理について、図5(B)および図6を参照しながら説明する。図5(B)に示す処理は、図4に示したステップS111で呼び出されて、ステップS300から開始される。出力先定義ファイル250の第1データ部252における[印刷出力先決定モード]セクションには、出力先決定方式が定義されている。ステップS301では、出力先決定部236は、出力先定義ファイル250の第1データ部252を参照して、[印刷出力先決定モード]セクションの定義から、印刷出力先決定方式を判定する。
決定方式としては、文書ファイル出力先の場合と同様に、印刷要求元ユーザ情報、印刷要求元端末情報、印刷内容、印刷設定情報およびシステム情報を用いて指定することができる。図6の例示では、「キーワード=true」と定義されているので、キーワードが印刷出力先のポートを判断するための判断キーとして用いられる。印刷出力先のポートは、出力先定義ファイル250の第3データ部256の[キーワード]セクションの対応付け情報に基づいて生成される。
ステップS302では、出力先決定部236は、上記印刷出力先決定方式に従って、第3データ部256から判断キーを検知する。図6の例示では、出力先決定部236は、[キーワード]セクション内で定義されている判断キーのキーワード(「診察室1」および「診察室2」)を中間データ内でキーワード探索し、キーワードを検知する。ステップS303では、出力先決定部236は、検知された判断キーに対応づけられたポートに印刷出力先を決定し、ステップS304で処理を終了する。
図7に示す電子文書270が対象である場合は、ページ内に文字列「診察室1」272が含まれるので、中間データ214でキーワード「診察室1」がヒットし、出力先決定部236は、それを判断キーとしてキーワードに対応付けられたポートに決定する。例示に従えば、キーワード「診察室1」に対応付けられたポート「xxx.xxx.200.1」が印刷出力先として決定される。
また他の例示では、印刷出力先決定方式がユーザ名であるときは、ログインユーザ名を抽出することによって印刷出力先のポートが決定される。例えば、ユーザ名が「Administrator」であれば、ポート(xxx.xxx.200.1)が印刷出力先に決定される。出力先決定方式がホスト名であるとき、例えば、クライアントのコンピュータ名が「PC2」であれば、ポート(xxx.xxx.200.2)が印刷出力先に決定される。出力先決定方式がIPアドレスであれば、クライアントのIPアドレスを抽出することによって出力先のポートが決定される。例えば、クライアントのIPアドレスが「xxx.xxx.100.1」であれば、印刷出力先がポート(xxx.xxx.200.1)に決定される。
同様に、出力先決定方式がMACアドレスであり、例えばクライアントのMACアドレスが「xx:xx:xx:xx:xx:01」であれば、ポート(xxx.xxx.200.1)に印刷出力先が決定される。出力先決定方式がカラーモードであれば、カラーモードまたはモノクロモードを指定する印刷設定から、例えばモノクロ印刷のときはポート(xxx.xxx.200.2)に印刷出力先が決定される。出力先決定方式が部数のときも同様に、例えば部数が「200」のときは、ポート(xxx.xxx.200.2)に印刷出力先が決定される。
第1データ部252のその他のセクションに関しては、[表示ポート]セクションは、後述する印刷出力先選択画面で表示するポートを指定する。[デフォルト]セクションは、初期値として選択されるポートを指定する。
図8および図9は、他の実施形態による出力先決定処理を説明するフローチャートである。図8は、文書ファイル出力先決定処理を説明するフローチャートであり、図9は、印刷出力先決定処理を説明するフローチャートである。図5に示した出力先決定処理との違いは、ポートが決定または変更できなかった場合の例外処理が行われることである。図10は、例外処理において、ユーザ・インタフェースを介して表示される画面を例示する。
図8に示す処理は、図4に示したステップS102で、埋込データなし(NO)と判定され、ステップS103で、文書ファイル作成指示が行われたことに応答して、ステップS401から開始する。ステップS401では、出力先決定部236は、出力先定義ファイル250を参照して、文書ファイル出力先決定方式を判定する。
ステップS402では、出力先決定部236は、上記決定方式に従ってフォルダ名およびファイル名を生成する。ステップS403では、出力先決定部236は、フォルダ名およびファイル名を生成することができたか否かを判定する。ステップS403で、生成することができたと判定された場合(YES)は、ステップS404へ処理を分岐させる。ステップS404では、出力先決定部236は、生成されたフォルダ名およびファイル名と、文書ファイル出力先パスと組み合わせて文書ファイル出力先ポートを決定し、出力先変更部238に処理を渡す。
ステップS405では、出力先変更部238は、決定された文書ファイル出力先にポートを変更する。ステップS406では、出力先変更部238は、ポート変更が成功裡に完了したか否かを判定する。ステップS406で、成功裡に完了したと判定された場合(YES)は、図4に示すステップS106へ処理を進められる。
一方、ステップS406で、ポート変更が成功裡に完了しなかったと判定された場合(NO)は、ステップS407へ処理が分岐される。また、ステップS403の判定で、フォルダ名およびファイル名が生成できなかったと判定された場合(NO)も、ステップS407へ処理が分岐される。ステップS407では、出力先決定部236は、クライアント112〜118のディスプレイ装置などのユーザ・インタフェースを介して、図10(A)に示すような文書ファイル出力先選択画面を表示する。
図10(A)は、PDFを文書ファイルとして、ユーザに対し、文書ファイル出力先の1以上の候補を提示し、候補の中から選択を求める画面である。図10(A)に示す文書ファイル出力先選択画面300は、文書ファイル出力先の選択を求める旨のメッセージ表示302と、プルダウン・メニュー304と、OKボタン306と、キャンセルボタン308とを含む。
プルダウン・メニュー304は、例えば、出力先定義ファイル250の第2データ部254の[PDFデフォルト]に定義されたルールに従って生成された、文書ファイル出力先の候補が列挙される。OKボタン306は、選択された文書ファイル出力先を用いて文書ファイル作成指示に応答した処理を継続する指示を受け付けるボタンである。キャンセルボタン308は、文書ファイル作成指示に応答した処理を中止する指示を受け付けるボタンである。
ステップS408では、図10(A)に示した文書ファイル出力先選択画面300で、キャンセルが指示されたか否かを判定する。ステップS408で、OKボタン306がクリックされたことにより、キャンセルが指示されなかったと判定された場合(NO)は、ステップS409へ処理が進められる。ステップS409では、出力先決定部236は、選択された文書ファイル出力先をポートとして選択し、ステップS404へ処理を進める。
一方、ステップS408で、キャンセルボタン308がクリックされたことによりキャンセルが指示されたと判定された場合(YES)は、ステップS410へ処理が進められる。ステップS410では、出力先決定部236は、図10(B)に示す文書ファイル作成失敗通知画面320を表示する。図10(B)に示す文書ファイル作成失敗通知画面320は、文書ファイル作成処理が失敗した旨のメッセージ表示322と、OKボタン324とを含む。図10(B)のOKボタン324がクリックされると、ステップS411へ処理が進められる。
ステップS411では、出力先決定部236は、文書ファイル作成指示に応答した処理を中止し、ステップS412で、本処理を終了させる。これにより、図4のステップS103で呼び出されステップS104から始まった処理が、文書ファイルを作成せずに終了する。しかしながら、ステップS103で呼び出されたステップS110の再印刷により、文書ファイル作成指示に応答した処理が中止されても、印刷振り分け指示に応答した処理が継続することになる。
図9に示す処理は、図4に示したステップS102で、埋込データ有り(YES)と判定されたことに応答して、ステップS501から開始する。ステップS501では、出力先決定部236は、出力先定義ファイル250を参照して、印刷出力先決定方式を判定する。ステップS502では、出力先決定部236は、上記決定方式に従った判断キーを検知する。ステップS503では、出力先決定部236は、判断キーが検知されたか否かを判定する。ステップS503で、判断キーを検知することができたと判定された場合(YES)は、ステップS504へ処理を分岐させる。
ステップS504では、出力先決定部236は、検知された判断キーに対応付けられた印刷出力先をポートに決定する。ステップS505では、出力先決定部236は、印刷出力先のポートが印刷可能であるか否かを判定する。この判定では、印刷出力先のポートが使用可能なプリンタかどうかを判断するために、出力先決定部236は、SNMP(Simple Network Management Protocol)を使用して、リモートプリンタ122〜128のMIB(Management Information Base)値を取得することによって、紙詰まりや用紙無しなどのリモートプリンタのエラーステータスが発生しているかを検査する。ステップS505で、印刷出力先のポートが印刷可能であることが確認できた場合(YES)には、ステップS506の出力先変更部238の処理に渡す。
ステップS506では、出力先変更部238は、決定された印刷出力先にポートを変更する。ステップS507では、出力先変更部238は、ポート変更が成功裡に完了したか否かを判定する。ステップS507で、成功裡に完了したと判定された場合(YES)は、図4に示すステップS113へ処理を進められる。
一方、ステップS507で、ポート変更が成功裡に完了しなかったと判定された場合(NO)は、ステップS508へ処理が分岐される。また、ステップS503の判定で、判断キーに対応付けられたポートが無い場合や有効な判断キーが存在しない場合など、判断キーを検知できなかったと判定された場合(NO)も、ステップS508へ処理が分岐される。ステップS508では、出力先決定部236は、クライアント112〜118のディスプレイ装置などのユーザ・インタフェースを介して、図10(C)に示すような印刷出力先選択画面を表示する。
図10(C)は、ユーザに対し、印刷出力先の1以上の候補を提示し、候補の中から選択を求める画面である。図10(C)に示す印刷出力先選択画面340は、印刷出力先の選択を求める旨のメッセージ表示342と、プルダウン・メニュー344と、OKボタン346と、キャンセルボタン348とを含む。
プルダウン・メニュー344は、例えば、出力先定義ファイル250の第1データ部252の[表示ポート]に定義された印刷出力先の候補が列挙される。OKボタン346は、選択された印刷出力先を用いて印刷振り分け指示に応答した処理を継続する指示を受け付けるボタンである。キャンセルボタン348は、印刷振り分け指示に応答した処理を中止する指示を受け付けるボタンである。
ステップS509では、図10(C)に示した印刷出力先選択画面340で、キャンセルが指示されたか否かを判定する。ステップS509で、OKボタン346がクリックされたことにより、キャンセルが指示されなかったと判定された場合(NO)は、ステップS510へ処理が進められる。ステップS510では、出力先決定部236は、選択された印刷出力先をポートとして選択し、ステップS504へ処理を進める。
一方、ステップS509で、キャンセルが指示されたと判定された場合(YES)は、ステップS511へ処理が進められる。ステップS511では、出力先決定部236は、印刷振り分け指示に応答した再印刷の処理を中止し、ステップS512で、本処理を終了させる。これにより、図4のステップS102からの分岐でステップS111から開始された処理が、印刷出力を行わずに終了する。この場合、プリント処理部230は、プリンタドライバ242やリモートプリンタ122〜128に印刷データを送信ことなく、印刷ジョブは消える。
以上説明した実施形態によれば、印刷および文書ファイルの品質を損ねることなく、1回の印刷要求により、文書ファイル作成と、印刷出力とを同時に実行することが可能なデータ処理装置、データ処理システムおよびプログラムを提供することができる。
上記構成によれば、印刷ジョブで生成される中間データ214に、文書作成処理または印刷出力処理済みであることを示す埋込データが埋め込まれ、この中間データに基づいて、文書ファイル作成指示および印刷振り分け指示が発行される。上述した各指示に応答した印刷フローでは、中間データ214を用いて、文書ファイル作成または印刷出力が行われる。したがって、作成された文書ファイルをさらに印刷データに変換したり、作成されたリモートプリンタ固有の印刷データをさらに文書データに変換したりすることはしていないので、得られる文書ファイルおよび印刷物の品質の劣化は低減される。
なお、上述までの実施形態では、データ処理装置110を用いて説明したが、単一のコンピュータ上で稼働している場合のみならず、データ処理装置110上の機能部を複数のコンピュータからなるデータ処理システム上で分散して実装することもできる。
また、上記機能部は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)、などのレガシープログラミング言語やオブジェクト指向プログラミング言語などで記述されたコンピュータ実行可能なプログラムにより実現でき、ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、ブルーレイディスク、SDカード、MOなど装置可読な記録媒体に格納して、あるいは電気通信回線を通じて頒布することができる。
これまで本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
12…MPU、14…不揮発性メモリ、16…メモリ、18…記憶制御用インタフェース、20…ハードディスク、22…内部バス、24…シリアルまたはパラレル・インタフェース、26…入出力装置、28…VRAM、30…グラフィック・チップ、32…ディスプレイ装置、34…NIC、100…振り分け印刷システム、110…データ処理装置、112〜118…クライアント、122〜128…リモートプリンタ、130…ネットワーク、210…アプリケーション、212…スプーラ、214…中間データ、230…プリント処理部、232…データ埋込部、234…再印刷部、236…出力先決定部、238…出力先変更部、240…文書ファイル作成部、242…プリンタドライバ、250…出力先定義ファイル、252,254,256…データ部、270…電子文書、272…キーワード文字列、300…文書ファイル出力先選択画面、302,322,342…メッセージ表示、304、344…プルダウン・メニュー、306,324,346…OKボタン、308,348…キャンセルボタン、320…文書ファイル作成失敗通知画面、340…印刷出力先選択画面
Claims (9)
- アプリケーションからの印刷要求に基づいて中間データを作成する中間データ作成手段と、
前記印刷要求に対する文書ファイル作成を要するか判断する作成判断手段と、
文書ファイル作成または印刷出力がなされたことを示す情報を前記中間データに追加する追加手段と、
前記中間データに前記情報が含まれているかを判断する情報判断手段と、
前記追加手段によって前記情報が追加された中間データに対する判断を前記情報判断手段に再依頼する再依頼手段と、
前記情報判断手段の判断によって文書ファイルが作成されていないことが示され、かつ、前記要否判断手段によって文書ファイル作成を要する判断された場合に、前記中間データに基づいて文書ファイルを作成する文書ファイル作成手段と、
前記情報判断手段の判断によって印刷出力がされていないことが示された場合に、前記中間データに基づく印刷データを画像処理装置に送信する送信手段と
を含む、データ処理装置。 - 文書ファイルの出力先を事前定義する出力先設定データを参照して、前記文書ファイルの出力先を決定するファイル出力先決定手段と、
決定された前記文書ファイルの出力先にポートを変更するファイル出力先変更手段と
をさらに含む、請求項1に記載のデータ処理装置。 - 印刷要求元ユーザ情報、印刷要求元端末情報、印刷設定情報、印刷内容およびシステム情報またはこれらの少なくとも1つの情報に応じて、印刷出力先を決定する印刷出力先決定手段と、
決定された前記印刷出力先にポートを変更する印刷出力先変更手段と
をさらに含む、請求項1または2に記載のデータ処理装置。 - ユーザ・インタフェース手段を介して前記文書ファイルの出力先の候補を提示する手段をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
- 文書ファイル作成のキャンセルの指示を受け付けた場合に、ユーザ・インタフェース手段を介して文書ファイル作成の失敗を通知する手段をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
- 前記文書ファイル作成が失敗した場合に、前記文書ファイル作成処理をキャンセルするとともに、前記印刷出力処理を継続することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
- 前記文書ファイルは、PDF(Portable Document Format)形式のファイルであり、前記中間データは、EMF(Enhanced Metafile)形式のデータである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
- アプリケーションからの印刷要求に基づいて中間データを作成する中間データ作成手段と、
前記印刷要求に対する文書ファイル作成を要するか判断する作成判断手段と、
文書ファイル作成または印刷出力がなされたことを示す情報を前記中間データに追加する追加手段と、
前記中間データに前記情報が含まれているかを判断する情報判断手段と、
前記追加手段によって前記情報が追加された中間データに対する判断を前記情報判断手段に再依頼する再依頼手段と、
前記情報判断手段の判断によって文書ファイルが作成されていないことが示され、かつ、前記要否判断手段によって文書ファイル作成を要する判断された場合に、前記中間データに基づいて文書ファイルを作成する文書ファイル作成手段と、
前記情報判断手段の判断によって印刷出力がされていないことが示された場合に、前記中間データに基づく印刷データを画像処理装置に送信する送信手段と
を含む、データ処理システム。 - コンピュータを、
アプリケーションからの印刷要求に基づいて中間データを作成する中間データ作成手段、
前記印刷要求に対する文書ファイル作成を要するか判断する作成判断手段と、
文書ファイル作成または印刷出力がなされたことを示す情報を前記中間データに追加する追加手段、
前記中間データに前記情報が含まれているかを判断する情報判断手段、
前記追加手段によって前記情報が追加された中間データに対する判断を前記情報判断手段に再依頼する再依頼手段、
前記情報判断手段の判断によって文書ファイルが作成されていないことが示され、かつ、前記要否判断手段によって文書ファイル作成を要する判断された場合に、前記中間データに基づいて文書ファイルを作成する文書ファイル作成手段、および
前記情報判断手段の判断によって印刷出力がされていないことが示された場合に、前記中間データに基づく印刷データを画像処理装置に送信する送信手段
として機能させるためのプログラム。
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WO2017029987A1 (ja) * | 2015-08-19 | 2017-02-23 | 株式会社スプラインネットワーク | 印刷データ管理システム、情報処理装置、印刷データ取得プログラム、方法 |
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