JP2013195556A - 現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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寿男 小池
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晃弘 川上
Yoshiko Ogawa
嘉子 小川
Yuji Ishikura
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Abstract

【課題】表面に規則的な凹凸形状を有する現像剤担持体を有する現像装置で、トナーと現像ローラとの非静電付着力を低減して現像性を良好に保つ。
【解決手段】静電潜像を担持する感光体2と一定の間隙を持って対抗配置され、表面に周期的に配列された複数の凸部42a及び該凸部を取り囲む凹部42bを持つ金属からなる一成分現像剤を担持する現像ローラ42を有する現像装置4において、前記現像ローラ42は、表面に蒸着皮膜、化成処理、樹脂コーティングのうちのいずれか1つから選択された処理を施した。蒸着皮膜としてはDLC、化成処理としてはMo酸処理、樹脂コーティングとしてはPTFE分散樹脂のコーティングが好適である。
【選択図】図13B

Description

本発明は、現像装置、画像形成装置及びプロセスユニットに係り、特に現像剤が現像剤担持上に薄層形成され、現像領域へ搬送される現像装置、この現像現像を備えた複写機、ファクシミリ、プリンタ及びこれらの機能のうち少なくとも2つの機能を備えたデジタル複合機などの画像形成装置、及び前記現像装置を備えたプロセスユニットに関する。
最近では、小型で低コスト化に向いている一成分現像装置を用いたカラー形成装置においても、高速化に加え、高画質化の要求が強くなっている。そのため一成分現像装置でも、トナーの小粒径化による高画質化が必要となっている。トナーの小粒径化に対しては重合トナーによる小粒径化が主流であるが、粉砕トナーでも粒径6μm以下の小粒径トナーが実用化されている。しかし、小粒径トナーはストレスにより凝集体ができやすく、規制ブレードと現像ローラにニップ部で凝集体が発生してニップ部に滞留し、やがてブレードにトナー固着となるという現象が発生しやすい。
これに対し例えば特許文献1(特許第14502146号公報)では、現像ローラを周期的に配列された複数の凸部及び該凸部を取り囲む凹部を持つ金属からなる構成とし、規制ブレードの条件を、凸部の表面のトナーはクリーニングするような条件に設定し、ブレードが入り込まない凹部のみにトナー層を形成するようにしている。この構成では、ブレードと接触する凸部のトナーはクリーニング条件になっているのでトナー凝集体が滞留せず、凹部のトナーはブレードとの強い圧力がかからないのでトナーがブレードに固着しない。
前記特許文献1に記載された構成でも、小粒径のトナーを用いても固着が発生しない現像装置が得られるが、さらに検討を進めると、
1)非接触現像では、トナーと現像ローラの付着力が大きくなるとAC電圧の振幅を大きくしなければ現像性が低下するが、振幅を大きくすると感光体の非画像部の電位と現像バイアスの最大になる電位との差が大きくなり、その部分で放電が発生して画像のノイズとなる。そのためトナーと現像ローラとの付着力を小さくする必要がある。
2)トナーと現像ローラとの付着力はトナーの帯電量による寄与が大きく、例えば平均のトナーQ/Mが−30(μC/g)〜−40(μC/g)程度になるようにすると良い。しかしトナー帯電量を制御していても、トナーと現像ローラの非静電付着力が大きいと所望の現像性が得られない。
などの問題があり、特に経時でトナーの劣化により非静電付着力が大きくなり、現像ローラ上トナー層のM/AやQ/Mはほとんど初期と変わらなくても現像性が低下することが分かった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、表面に規則的な凹凸形状を有する現像剤担持体を有する現像装置で、トナーと現像ローラとの非静電付着力を低減して現像性を良好に保つことにある。
前記課題を解決するため、本発明は、静電潜像を担持する像担持体と一定の間隙を持って対抗配置され、表面に周期的に配列された複数の凸部及び該凸部を取り囲む凹部を持つ金属からなる一成分現像剤を担持する現像剤担持体を有する現像装置において、前記現像剤担持体は 表面に蒸着皮膜、化成処理、樹脂コーティングのうちのいずれか1つから選択された処理が施されていることを特徴とする。
本発明によれば、表面に規則的な凹凸形状を有する現像剤担持体を有する現像装置で、トナーと現像ローラとの非静電付着力を低減して現像性を良好に保つことができる。
本発明の実施形態1の現像装置の概略構成図である。 実施形態1に係る複写機の概略構成図である。 実施形態1の現像装置の1つ目の斜視説明図である。 実施形態1の現像装置の2つ目の斜視説明図である。 実施形態1の現像装置の断面説明図である。 実施形態1の現像装置の一部を断面図で示す斜視図である。 下ケースの図示を省略した現像装置の一方の端部近傍の拡大斜視図である。 図7の状態から現像ローラの図示を省略した現像装置の拡大斜視図である。 下ケースの図示を省略した現像装置の他方の端部近傍の拡大斜視図である。 図9の状態から現像ローラの図示を省略した現像装置の拡大斜視図である。 現像ローラの斜視説明図である。 現像ローラの側面図である。 現像ローラの表面形状の説明図である。 アルミニウムそのままのサンプルとアルミニウムに各種処理を施したサンプルについて非静電付着力を測定した結果を示す図である。 形状係数SF−1及び形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。 トナーの形状を模式的に示す図である。 供給ローラの斜視説明図である。 供給ローラの側面図である。 ドクタブレードの斜視説明図である。 ドクタブレードの側面図である。 パドルの斜視説明図である。 パドルの側面図である。 ドクタブレードが腹当て状態の現像装置のドクタ部の拡大説明図である。 ドクタブレードが先端当て状態の現像装置のドクタ部の拡大説明図である。 凸部と凹部とが成す角が90[°]未満である現像ローラの表面の拡大断面図である。 凸部と凹部とが成す角の一部が90[°]未満である現像ローラの表面の拡大断面図である。 凸部と凹部とが成す角が90[°]以上である現像ローラの表面の拡大断面図である。 凸部と凹部とが成す角が90[°]である現像ローラの表面の拡大断面図である。 凸部と凹部とが成す角の一部が鈍角である現像ローラの表面の拡大断面図(腹当て状態)である。 凸部と凹部とが成す角の一部が鈍角である現像ローラの表面の拡大断面図(先端当て状態)である。 凸部の頂面が有する2組の平行線が表面移動方向と平行な現像ローラの表面の拡大図である。 現像ローラに対するドクタブレードの接触状態の説明図、(a)は、ブレードを現像ローラの接線方向に接触させた状態の説明図、(b)は、(a)の状態からブレードフォルダを法線方向に移動させた状態の説明図、(c)は、(b)の状態からブレードフォルダを接線方向に移動させた状態の説明図である。 実験1の実験結果を示すグラフである。 エッジ当ての状態の拡大説明図である。 実験2の実験結果を示すグラフである。 材料の違いによるドクタブレードの削れ量を比較するグラフである。 現像装置の交換を報知する報知システムのフローチャートである。 交換時期が近づいた現像装置のドクタブレードと現像ローラとの拡大説明図である。 実施形態2のプリンタの要部の概略断面図である。 同プリンタが備える4つのプロセスカートリッジのうちの1つの拡大断面図である。 同プロセスカートリッジの軸方向端部近傍の拡大断面図である。 同プロセスカートリッジが備える現像装置の軸線方向に沿った断面図である。
〔実施形態1〕
以下、本発明を画像形成装置としての複写機(以下、複写機500という)に適用した
、本発明の1つ目の実施形態(以下、実施形態1という)について説明する。
図2は、実施形態1の複写機500の概略構成図である。複写機500は、複写装置本
体(以下、プリンタ部100という)、給紙テーブル(以下、給紙部200という)及び
プリンタ部100上に取り付けるスキャナ(以下、スキャナ部300という)から構成さ
れる。
プリンタ部100は、4つのプロセスユニットとしてのプロセスカートリッジ1(Y,
M,C,K)、複数の張架ローラに張架されて図2中の矢印A方向に移動する中間転写体
としての中間転写ベルト7、露光手段としての露光装置6、定着手段としての定着装置1
2等を備えている。
4つのプロセスカートリッジ1の、符号の後に付されたY,M,C,Kという添字は、
イエロー,マゼンタ,シアン,黒用の仕様であることを示している。4つのプロセスカー
トリッジ1(Y,M,C,K)は、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の
構成になっているので、以下、K,Y,M,Cという添字を省略して説明する。
プロセスカートリッジ1は、潜像担持体である感光体2、帯電手段である帯電部材3、
現像手段である現像装置4、及び、クリーニング手段である感光体クリーニング装置5を
一体的に支持してユニット状とした構成となっている。各プロセスカートリッジ1は、そ
れぞれの不図示のストッパーを解除することにより、複写機500本体に対して着脱可能
となっている。
感光体2は、図中の矢印で示すように、図中の時計周り方向に回転する。帯電部材3は
、ローラ状の帯電ローラであり、感光体2の表面に圧接されており、感光体2の回転によ
り従動回転する。作像時には、帯電部材3には図示しない高圧電源により所定のバイアス
が印加され、感光体2の表面を帯電する。実施形態1のプロセスカートリッジ1は、帯電
手段として、感光体2の表面に接触するローラ状の帯電部材3を用いているが、帯電手段
としてはこれに限るものではなく、コロナ帯電などの非接触帯電方式を用いても良い。
露光装置6は、スキャナ部300で読み込んだ原稿画像の画像情報又はパーソナルコンピュータ等の外部装置から入力される画像情報に基づいて、感光体2の表面に対して露光し、感光体2の表面に静電潜像を形成する。プリンタ部100が備える露光装置6は、レーザーダイオードを用いたレーザービームスキャナ方式を用いているが、露光手段としてはLEDアレイを用いるものなど他の構成でも良い。
感光体クリーニング装置5は、中間転写ベルト7と対向する位置を通過した感光体2の
表面上に残留する転写残トナーのクリーニングを行う。
4つのプロセスカートリッジ1は、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの
各色ごとのトナー像を感光体2上に形成する。4つのプロセスカートリッジ1は、中間転
写ベルト7の表面移動方向に並列に配設され、それぞれの感光体2上に形成されたトナー
像を中間転写ベルト7に順に重ね合わせるように転写し、中間転写ベルト7上に可視像を
形成する。
図2において、各感光体2に対して中間転写ベルト7を挟んで対向する位置には一次転
写手段としての一次転写ローラ8が配置されている。一次転写ローラ8には不図示の高圧
電源により一次転写バイアスが印加され、感光体2との間で一次転写電界を形成する。感
光体2と一次転写ローラ8との間で一次転写電界が形成されることにより、感光体2の表
面上に形成されたトナー像が中間転写ベルト7の表面に転写される。中間転写ベルト7を
張架する複数の張架ローラのうちの1つが不図示の駆動モータによって回転することによ
って中間転写ベルト7が図中の矢印A方向に表面移動する。表面移動する中間転写ベルト
7の表面上に各色のトナー像が順次重ねて転写されることによって、中間転写ベルト7の
表面上にフルカラー画像が形成される。
4つのプロセスカートリッジ1が中間転写ベルト7と対向する位置に対して、中間転写
ベルト7の表面移動方向下流側には、張架ローラの1つである二次転写対向ローラ9aに
対して中間転写ベルト7を挟んで対向する位置に二次転写ローラ9が配置され、中間転写
ベルト7との間で二次転写ニップを形成する。二次転写ローラ9と二次転写対向ローラ9
aとの間に所定の電圧を印加して二次転写電界を形成する。給紙部200から給紙され、
図1中の矢印C方向に搬送される転写材である転写紙Pが二次転写ニップを通過する際に
、中間転写ベルト7の表面上に形成されたフルカラー画像が、二次転写ローラ9と二次転
写対向ローラ9aとの間に形成された二次転写電界によって転写紙Pに転写される。
二次転写ニップに対して転写紙Pの搬送方向下流側に、定着装置12が配置されている
。二次転写ニップを通過した転写紙Pは定着装置12に到達し、定着装置12における加
熱及び加圧によって転写紙P上に転写されたフルカラー画像が定着され、画像が定着され
た転写紙Pは複写機500の装置外に出力される。
一方、二次転写ニップで転写紙Pに転写されず中間転写ベルト7の表面上に残留したト
ナーは、転写ベルトクリーニング装置11によって回収される。
図2に示すように、中間転写ベルト7の上方には、各色トナーを収容するトナーボトル
400(Y,M,C,K)が複写機500本体に対して着脱可能に配置されている。
各色トナーボトル400に収容されたトナーは、各色に対応する不図示のトナー補給装
置によって、各色の現像装置4に供給される。
図1は、実施形態1の現像装置4の概略構成を示す模式図であり、図2中の紙面奥側か
ら見た断面図である。
図3及び図4は、現像装置4の斜視説明図であり、それぞれ異なる方向の斜め上方から
現像装置4を見た斜視説明図である。
現像装置4の外形を形成する現像ケーシング41は、上ケース411、中ケース412
及び下ケース413が組み合わさることで形成される。中ケース412はトナー収容部4
3を形成し、上ケース411にはトナー収容部43と外部とを連通する現像剤補給部であ
るトナー補給口55が形成されている。また、上ケース411には、現像ローラ42と上
ケース411との隙間をシールする入口シール47が設けられている。
図5は、図1と同じ方向から見た現像装置4の断面説明図であり、図6は、現像装置4
の一部を拡大した斜視図であり、その一部をZ−X断面図で示す説明図である。
中ケース412には、現像ローラ42、供給ローラ44、ドクタブレード45、パドル
46、供給スクリュ48及びトナー残量センサ49等が設けられている。
現像装置4には、内部と外部とを連通する開口部56が長手方向(図中Y軸方向)に沿
って設けられている。開口部56内にはトナーを内部から外部(感光体と対向する現像領
域α)まで担持搬送する円筒状の現像ローラ42が設けられている。
図7は、下ケース413の図示を省略した現像装置4の一方の端部(図2中の奥側端部
)近傍の拡大斜視図であり、図8は、図7の状態から現像ローラ42の図示を省略した現
像装置4の拡大斜視図である。
図9は、下ケース413の図示を省略した現像装置4の他方の端部(図2中の手前側端
部)近傍の拡大斜視図であり、図10は、図9の状態から現像ローラ42の図示を省略し
た現像装置4の拡大斜視図である。
現像装置4では、供給ローラ44が図1中の矢印C方向(図1中の時計回り方向)に回
転して表面移動することにより、トナー収容部43内のトナーTを現像ローラ42に対向
する領域である供給ニップβに搬送し、現像ローラ42の表面にトナーを供給する。現像
ローラ42は、供給されたトナーを表面上に担持して、図1中の矢印B方向(図1中の時
計回り方向)に回転して表面移動することにより、現像ローラ42上のトナーを所定量に
規制するドクタブレード45との対向部までトナーを搬送する。ドクタブレード45は現
像ローラ42との対向部で、現像ローラ42の表面移動方向に対してカウンター方向(ド
クタブレード45の先端がドクタブレード45の基部よりも現像ローラ42の回転方向上
流側になるように)に当接し、ドクタブレード45との対向部で所定量に規制されたトナ
ーは、現像ローラ42の回転によって感光体2との対向部である現像領域αに到達する。
また、供給ニップβでは、供給ローラ44の表面は下方から上方に向かって移動し、現
像ローラ42の表面は上方から下方に向かって移動する。なお、本実施形態の現像装置4
では、供給ニップβで、供給ローラ44と現像ローラ42とは接触している。
現像領域αでは、現像バイアス電源142から現像ローラ42に印加された現像バイア
スと感光体2表面上の潜像との電位差によって形成される現像電界に応じて、現像ローラ
42の表面上のトナーTが感光体2の表面に移動し、感光体2の表面上の静電潜像部分に
トナーが付着し、現像が行われる。感光体2は、現像ローラ42に対して非接触で、図1
中の矢印D方向に回転する。このため、現像領域αにおいて、現像ローラ42の表面移動
方向と感光体2の表面移動方向とは同方向となる。
また、現像バイアス電源142は、現像領域αに搬送されたトナーによる潜像の現像の
ために、現像ローラ42から感光体2へトナーを向かわせるための第1電圧と、感光体2
から現像ローラ42へトナーを向かわせるための第2電圧とを備えた交番電圧を現像ロー
ラ42に印加する電圧印加部である。
詳細は後述するが、現像ローラ42の表面には凸部42aの高さや凹部42bの深さが
実質的に一定の規則的な凹凸形状を外周面の全周に渡って有している。
現像領域αで現像に寄与せず、現像領域αを通過した現像ローラ42の表面上のトナー
Tは、供給ニップβにおける現像ローラ42の回転方向上流側の部分で供給ローラ44に
よって回収され、現像ローラ42表面のリセットがなされる。つまり、供給ローラ44は
、回収ローラとしての役割も有している。
現像ローラ42の表面上に規則的に形成された凹部42bに担持されたトナーTは回収
され難い。そして、現像領域αを通過したトナーTが供給ニップβを通過し、現像ローラ
42に担持されたままとなると、トナーTが現像ローラ42に固着してトナーフィルミン
グが発生する。トナーフィルミングが発生すると、現像ローラ42上のトナーTの単位重
量当たりの帯電量や現像ローラ42の単位面積当たりのトナー量が不安定になり、現像時
の濃度ムラの発生の原因となる。
実施形態1の現像装置4では、現像ローラ42と供給ローラ44とが対向する供給ニッ
プβでは、現像ローラ42の表面移動方向と供給ローラ44の表面移動方向とが逆方向と
なっている。これにより、供給ニップβにおける現像ローラ42の表面と供給ローラ44
の表面との線速差が大きくなり、供給ニップβでの供給ローラ44による回収性能の向上
を図ることができる。よって、トナーが現像ローラ42に担持されたままとなることを抑
制し、現像ローラ42の表面にトナーが固着することを抑制でき、現像剤担持体の表面に
現像剤が固着することに起因する現像時の濃度ムラの発生を抑制することができる。
また、実施形態1の現像装置4では、現像ローラ42と供給ローラ44との線速比は、
現像ローラ42の表面移動速度:供給ローラ44の表面移動速度=1:0.85となって
いるが、線速比としてはこの値に限るものではない。
また、図1に示すように、現像装置4では供給ローラ44をトナー収容部43の上部に
配置し、供給ローラ44の少なくとも一部がパドル46の回転を停止した状態のトナー収
容部43内のトナーTの剤面よりも上方となるようになっている。そして、供給ニップβ
に対して供給ローラ44の表面移動方向下流側の領域(以下、供給ニップ下流側領域と呼
ぶ。)がトナーTの剤面よりも上方となっている。特許文献1の図4に記載の構成のよう
に、供給ニップ下流側領域にトナーが充填されていると、供給ニップ下流側領域に充填さ
れた状態のトナーが新たなトナーが供給ニップ下流側領域に入ってくることを阻害し、供
給ニップβにおける現像ローラ42からのトナーの回収効率を低下させるおそれがある。
一方、実施形態1の現像装置4は図1に示すように、供給ニップ下流側領域がトナーTの
剤面よりも上方となっているため、供給ニップ下流側領域にはトナーが充填されておらず
、供給ニップ下流側領域に存在するトナーによって、供給ニップβにおける現像ローラ4
2からのトナーの回収を阻害されることがなく、効率的にトナーの回収を行うことができ
、トナーのリセット性を向上できる。
次に、現像ローラ42について説明する。
図11は、現像ローラ42の斜視説明図であり、図12は、現像ローラ42の側面図で
ある。また、図13Aは、現像ローラ42の表面形状の説明図である。図13A(a)は、現像ローラ42全体の概略図、図13A(b)は、図13A(a)に示した現像ローラ42の表面の一部の拡大図、図13A(c)は図13A(b)中のL11又はL13で示す断面での現像ローラ42の表面層42f(図31参照)の断面図であり、図13A(d)は、図13A(b)中のL12又はL14で示す断面での現像ローラ42の表面層42fの断面図である。
現像ローラ42は、現像ローラ軸421に表面にトナーを担持する現像ローラ円筒部4
20を設けた構成であり、現像ローラ円筒部420に対して軸方向外側である軸方向両端
部近傍の現像ローラ軸421には、スペーサー422が設けられている。
現像ローラ42は、現像ローラ軸421を中心に回転可能に設けられており、現像ロー
ラ軸421の軸方向が現像装置4の長手方向(図中Y軸方向)と平行になるように配置さ
れている。現像ローラ42の現像ローラ軸421の軸方向両端は中ケース412の側壁部
412sに対して回転可能に取り付けられている。現像ローラ42の表面の一部は開口部
56から現像装置4の外部に露出し、この露出した表面が下方から上方に表面移動してト
ナーを搬送するように、現像ローラ42は図1中の矢印B方向に回転する。
また、現像ローラ42は、軸方向両端部近傍に設けられたスペーサー422が感光体2
の表面に接触することにより、現像領域αにおける現像ローラ円筒部420の表面と感光
体2の表面との距離(現像ギャップ)を一定に保っている。
現像ローラ42は、基材42gとこの基材42gの外周面に形成された表面層42fと
からなる(図31参照)。基材42gは、5056アルミニウム合金や6063アルミニ
ウム合金等のアルミニウム系やSTKM等の鉄系等の金属材料スリーブからなる。
現像ローラ42は、基材42gである金属材料スリーブの表面に凹凸加工を施し、凹凸加工を施した金属材料スリーブに対して、ニッケル鍍金を実施することで、現像ローラ42の腐食の防止や、トナーの帯電性補助を行う表面層42fを形成している。
現像ローラ42の現像ローラ円筒部420は、図13A(a)に示すように、その表面の構造の相違に基づき、主として、2つの部分(溝形成部420a、非溝形成部420b)に分けられる。
溝形成部420aは、現像ローラ42の軸方向において中央部を含む部分であり、トナ
ーを適切に担持させるために凹凸加工がその表面に施されている。実施形態1においては
、凹凸加工として所謂転造加工が用いられ、凸部42aは互いに巻き方向の異なる螺旋状
の第1溝L1及び第2溝L2に囲まれて形成されている。巻き方向の異なる螺旋状の溝を形成することで、現像ローラ42の表面には網目上の凹凸が形成される。転造加工としては、従来公知の加工方法を採用することができる。また、第1溝L1及び第2溝L2は、それぞれ現像ローラ42の軸方向に対して所定角度(実施形態1では、L1及びL2ともに45[°]であるが、これに限定されるものではない)で傾斜している。
第1溝L1及び第2溝L2は、いずれもそれらの傾斜方向に所定の周期幅で周期的に形成されることで、凸部42aが軸方向のピッチ幅W1で形成される。また、第1溝L1及び第2溝L2の各傾斜角及び周期幅は、いずれも互いに異ならせることもできる。また、凸部42aの頂面42tの軸方向長さW2はピッチ幅W1の1/2以上の大きさとなるように形成する。
実施形態1の現像ローラ42では、凸部42aの軸方向のピッチ幅W1は80[μm]
であり、凸部42aの頂面42tの軸方向長さW2は40[μm]である。さらに、凹部
42bから凸部42aの頂面42tまでの高さである凹部深さW3は10[μm]である
。ピッチ幅W1、頂面42tの軸方向長さW2及び凹部深さW3の値は一例であり、この
値に限られるものではない。
現像ローラ42としては、その表面層42fがトナーを正規帯電させる材料であること
ことが望ましい。フィルミングによって低帯電トナーが生まれた場合においても、ジャン
ピングしたトナーTによってたたき出された低帯電トナーが、凸部42aや凹部42bの
フィルミングがおきていない部分で帯電できるため、低帯電トナーを減少させることがで
き、画像濃度が安定化する。実施形態1の現像ローラ42では、ニッケル鍍金を施すこと
により、その表面層42fがトナーを正規帯電させる材料となっている。
また、現像ローラ42としては、その表層材料がドクタブレード45(ブレード部材4
50)よりも硬い材質であることが望ましい。これにより、現像ローラ42の表面の凸部
42aがドクタブレード45によって削れ難くなるため、凸部42aとドクタブレード4
5で囲まれる凹部42bの体積が変わりにくくなり、M/A値(現像ローラ表面上の単位
面積当りのトナーの担持量)が安定する。
また、現像ローラ42の凸部42aの高さとして、使用するトナーTの重量平均粒径よ
りも大きいことが望ましい。平均的な大きさのトナーTが凹部42b内に収まるため、粒
径の選択が起こりにくくなり、経時でのM/A値(現像ローラ表面上の単位面積当りのト
ナーの担持量)が安定する。
一方、前述の構成では、現像ローラはアルミあるいは鉄系のローラの表層にニッケル鍍金を施し、現像ローラ42の腐食の防止や、トナーの帯電性補助を図っている。ニッケル鍍金は、確かに現像ローラ42の腐食の防止や、トナーの帯電性補助には効果があるが、アルミの表層に対して特にトナーとの非静電付着力を下げる効果はない。そのためいくつかの蒸着皮膜をコートし、トナーとの非静電付着力を評価した。トナーとの非静電付着力の測定法は以下の通りである。
1.評価したい材質を測定基板に張り付け、未帯電トナーをこの基板に付着させる。
2.さらにこの基板を固定したホルダーを遠心分離機のローターに設置する。
3.ローターを回転させるとトナーに遠心力が作用し、遠心力がトナーと感光体間の付着力よりも大きくなると、トナーは感光体から分離して受け基板に移動する。
4.遠心分離操作を終了後、受け基板に付着したトナーの粒径を光学顕微鏡及び画像処理装置を用いて計測する。
5.この結果からトナーに作用する遠心力を算出する。
この評価で、AlそのままのサンプルとAlにCrN、TiN、DLCの蒸着皮膜を施したサンプルについて非静電付着力を測定した結果を図13B(a)に示す。ここでDLCはダイアモンドライクカーボン(Diamond−like Carbon)皮膜である。この図から分かるようにCrN皮膜は非静電付着力を減らす効果はほとんどなかったが、TiN皮膜及びDLC皮膜は効果がある。
実際この2種の蒸着皮膜を施した現像ローラ42は、アルミのローラにニッケル鍍金したものに比較して経時の現像性低下が少なくなった。特にDLC皮膜は効果が大きかった。なおトナーとの非静電付着力の値は使用するトナーによって異なる。
トナーとの非静電付着力を低減する効果があるものとして、蒸着皮膜のほかに表面に化成処理を施すという方法が考えられる。そのためAlにZr塩処理,Mo酸処理及びCr酸処理を施したサンプルのトナーとの非静電付着力を測定した。Zr塩処理はアルミ缶用塗装下地として用いられているものである。またアルミニウムや亜鉛に対して行うクロム酸塩を使用した表面処理はクロメートと呼ばれ、耐食性の改善や塗料との密着性の改善のために良使用される。
6価クロムを含むクロメートは特に耐食性に優れているが、6価クロムが規制されたため代替品が開発されている。代替品の1つのMo酸処理は、クロメート処理と同様にアルミニウム表面の耐食性向上、塗装の下地剤又は黒染め剤として使用される。図13B(b)に、これらの処理を施したサンプルのトナーとの非静電付着力の測定結果を示す。この図から分かるようにZr塩処理ではほとんど効果がないが、Mo酸処理及びCr酸処理では非静電付着力を減らすのに大きな効果があることが分かった。
また、アルミの表層に樹脂をコートすることによりトナーの帯電性を制御することができるが、その樹脂に潤滑性の高い粉体を分散させることにより、トナーとの非静電付着力を低減できる可能性がある。
そのため、Alにカーボン分散樹脂、PTFE分散樹脂及びMoS2分散樹脂をコーティングしたときのトナーとの非静電付着力を測定した結果を図13B(c)に示す。この図から分かるように、3つの樹脂とも非静電付着力を低減する効果があることが分かる。別評価で耐久性を確認したところ、PTFE分散樹脂の方がMoS2分散樹脂より耐久性は高い結果となった。
高画質化を図る場合、トナー粒径が問題となる。その際、600dpi以上の微少ドットを再現するために、トナーの体積平均粒径は3〜8μmが好ましい。体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)は1.00〜1.40の範囲にあることが好ましい。(Dv/Dn)が1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
高画質化を図る場合、トナー形状も問題となる。その際、トナーの形状係数SF−1は100〜180、形状係数SF−2は100〜180の範囲にあることが好ましい。図13Cは、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図で、同図(a)は形状係数SF−1の場合の、同図(b)は形状係数SF−2の場合の例である。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。この形状係数SF−1は、トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)/AREA}×(100π/4) ・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)/AREA}×(100π/4) ・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
本発明に係るトナーの形状は略球形状であり、以下の形状規定によって表すことができる。
図13Dは、本実施形態におけるトナーの形状を模式的に示す図である。図13Dにおいて、略球形状のトナーTを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本実施形態におけるトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図13F(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図13D(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。
また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
次に、供給ローラ44について説明する。
図14は、供給ローラ44の斜視説明図であり、図15は、供給ローラ44の側面図で
ある。現像装置4の内部のトナー収容部43の上方の現像ローラ42側には、円筒状の供
給ローラ44が設けられている。供給ローラ44は、その軸部である供給ローラ軸441
を中心に円筒状の発泡材が巻きついた構成であり、この円筒状の発泡材が表面にトナーを
担持する供給ローラ円筒部440となる。
供給ローラ44は、供給ローラ軸441を中心に回転可能に構成され、当該軸は中ケー
ス412の側壁部412sに対して回転可能に取り付けられている。供給ローラ44は、
供給ローラ円筒部440の外周面の一部は、現像ローラ42の現像ローラ円筒部420の
外周面と供給ニップβで接触するように配置されており、図1及び図5に示すように、供
給ローラ軸441は、現像ローラ軸421よりも上方に配置されている。
また、上述したように、供給ローラ44は現像ローラ42と対向する箇所である供給ニ
ップβで現像ローラ42の表面移動方向に対して逆方向に表面が移動するように回転する
。さらに、現像装置4は、図1に示すように、供給ニップβの位置が、現像ローラ42に
対するドクタブレード45の当接位置に対して、上方に位置する配置となっている。
供給ローラ44は供給ローラ円筒部440に発泡材料を用いており、現像ローラ4
2に接触する表面層は表面に多数の微小孔が分散しているスポンジ層となっている。供給
ローラ44の表面層をスポンジ状にすることで、凹部42bの底まで供給ローラ44が届
きやすくなるため、現像ローラ42上トナーのリセット性が向上する。
また、供給ローラ44の現像ローラ42に対する食い込み量(「現像ローラ42の半径
」+「供給ローラ44の半径」−「現像ローラ42と供給ローラ44との軸間距離」)は
、現像ローラ42の凸部42aの高さよりも大きくなるように設定している。凸部42a
の高さよりも供給ローラ44の食い込み量を大きくすることで、凹部42bにおけるトナ
ーのリセット性を向上できる。なお、供給ローラ44の現像ローラ42に対する食い込み
量が凸部42aの高さに対して大きすぎると、トナーが凹部42bに押し込まれてしまい
、凝集の原因となるため、食い込み量が大きくなりすぎないように設定する必要がある。
供給ローラ44の供給ローラ円筒部440に用いる発泡材料は、103〜1014[Ω
]の電気抵抗値に設定されている。
供給ローラ44には、供給バイアス電源144によって供給バイアスが印加され、供給
ニップβで予備帯電されたトナーを現像ローラ42に押し付ける作用を補助する。供給ロ
ーラ44は図1及び図5中の時計回りの方向に回転し、表面に付着させた現像剤を現像ロ
ーラ42の表面に塗布供給する。
また、供給バイアス電源144が供給ローラ44に印加する電圧としては、現像ローラ
42に印加された交番電圧に対して、トナーの正規帯電極性(実施形態1のトナーTでは
マイナス極性)に対して逆極性(プラス極性)の直流電圧を印加する。このとき、現像ロ
ーラ42に印加する電圧よりも供給ローラ44に印加する電圧の方がトナーの正規帯電極
性に対して逆極性(プラス極性)となる。これにより、現像ローラ42に対して供給ロー
ラ44側にトナーTを引き付ける方向の電界を供給ニップβに形成し、現像ローラ42上
トナーのリセット性を向上することができる。なお、供給バイアス電源144を備える構
成では、直流電源を別途必要となり、コスト高となるため、現像装置4の仕様に応じて、
供給バイアス電源144を設けない構成としても良い。
次に、ドクタブレード45について説明する。
図16は、ドクタブレード45の斜視説明図であり、図17は、ドクタブレード45の
側面図である。
図5〜図10に示すように、現像ローラ42の下方で下ケース413の内側となる中ケ
ース412には、ドクタブレード45が設けられている。
ドクタブレード45は、規制部材を構成する薄い板状の金属部材であるブレード部材4
50と、ブレード部材450の一端が固定されている金属製の台座部452とを有する。
そして、ブレード部材450の他端(先端)側が現像ローラ42に接触するように構成されている。ブレード部材450の現像ローラ42に対する接触状態は、先端が接触する先端当て状態(後述するエッジ当て)、及び、先端よりも根元側の面部が接触する腹当て状態のいずれでも良い。しかし、先端当て状態の方が、凸部42aの頂面42tに存在するトナーをすり切ることができ、凹部42bに存在するトナーのみを現像領域αに搬送することで、現像領域αに搬送するトナー量が安定するため、より好ましい。
ドクタブレード45のブレード部材450は台座部452に対して複数のリベット45
1によって固定されている。台座部452はブレード部材450よりも厚い金属で構成さ
れており、ブレード部材450を現像装置4の本体(中ケース412の側面部)に固定す
るための基板として機能している。台座部452の長手方向端部にはピン穴454が設け
られており、一方は真円形状の主基準穴454aであり、もう一方は主基準穴454a方
向に長径を有する楕円形状の従基準穴454bである。主基準穴454aに不図示のピン
が入ることで台座部452の現像装置4本体に対する位置が決定し、従基準穴454bで
支えられる。ブレード部材450が固定された台座部452が、現像装置4本体(中ケー
ス412)にドクタ固定ネジ455で固定されることによってブレード部材450が現像
装置4に固定されることになる。
ドクタブレード45のブレード部材450は、SUS304CSPやSUS301CS
P、又はリン青銅等の金属板バネ材料を用い、自由端側を現像ローラ42表面に10〜
100[N/m]の押圧力で当接させたもので、その押圧力下を通過したトナーを所定量
に規制すると共に摩擦帯電によって電荷を付与する。さらにブレード部材450には、摩
擦帯電を補助するために、ドクタバイアス電源145からバイアスが印加されても良い。
また、ドクタブレード45のブレード部材450としては、導電性を有するものである
ことが望ましい。ブレード部材450が導電性であることにより、Q/M値(単位体積当
りの帯電量)が大きなトナーTの帯電量を下げることができ、トナーTのQ/M値の均一
化を図ることができる。これにより、トナーTの現像ローラ42に対する張り付きを防ぐ
ことができる。
また、ドクタバイアス電源145ブレード部材450に印加する電圧としては、現像ロ
ーラ42に印加された交番電圧に対して、±200[V]の範囲で直流電圧を印加できる
構成とし、使用環境により直流電圧の値を制御できる構成としても良い。これにより、環
境変動によるM/A値(現像ローラ表面上の単位面積当りのトナーの担持量)の変動を抑
制することができる。
次に、パドル46について説明する。
図18は、パドル46の斜視説明図であり、図19は、パドル46の側面図である。
現像装置4内には、トナーが収容される空間としてトナー収容部43が設けられており
、このトナー収容部43内にはパドル46が現像ケーシング41に対して回転可能に取り
付けられている。
パドル46は、その軸部であるパドル軸461と、マイラー等の弾性シート材からなる
薄い羽部材としてのパドル羽460とを備える。パドル軸461は、向かい合う2つの平
面部を有し、この2つの平面部にパドル羽460がそれぞれ取り付けられている。2枚の
パドル羽460は、パドル軸461を中心に互いに反対方向に突出するように、パドル軸
461の平面部に固定されている。
パドル羽460の付け根部分には穴が複数の穴がパドル軸461の軸方向に平行になる
ように並べて設けられており、パドル軸461は、その軸方向に平行になるように複数
の凸部が並べて設けられている。そして、パドル羽460の穴にパドル軸461の凸部を
挿入して、熱カシメすることによって、パドル軸461に対してパドル羽460を固定す
る。
パドル46は、パドル軸461の軸方向が現像装置4の長手方向(図中Y軸方向)と平
行になるように配置されている。パドル軸461の軸方向両端は中ケース412の側壁部
412sに対して回転可能に取り付けられている。
パドル46は、パドル軸461から伸びるパドル羽460の先端がトナー収容部43の
内壁面に接触する程度の長さにパドル羽460の突出量が設定されている。図1及び図5
等に示すように、トナー収容部43の底面部43bはパドル46の回転方向に沿った円弧
状であり、パドル46の回転に伴う摺擦動作でパドル羽460がトナー収容部43の底面
部43bに引っかからないようになっている。
トナー収容部43の現像ローラ42側には底面部43bから垂直に立ち上がる側壁面部
43sが形成されており、この側壁面部43sはパドル軸461の中心と同等若しくは若
干低い程度のところでX軸に平行なローラに向かう方向に水平になり、段部50を形成し
ている。
側壁面部43sとパドル軸461との距離は、底面部43bとパドル軸461との距離よりも短く設定されている。そのため、底面部43bを摺擦してきたパドル羽460は側壁面部43sに突き当たり、より大きく撓むことになる。その後、段部50にパドル羽460の先端部が差し掛かるとパドル羽460を押さえるものがなくなり、パドル羽460の先端部は開放されることで上方に跳ね上がる。このようなパドル羽460の動きによってトナーは上方へと跳ね上げられ撹拌、搬送、供給される。
段部50は、X−Y平面に平行な水平面で、現像装置4の長手方向(図中Y軸方向)に
延在するように形成されている。実施形態1の現像装置4では、段部50が幅方向の全域
に設けられているが、パドル羽460が跳ね上がるようになっていれば、現像装置4内の
一部分に設けられていても良い。
供給スクリュ48は、供給スクリュ軸481と、この供給スクリュ軸481に固定され
た螺旋状の羽部である供給スクリュ羽部480となるスクリュ部材である。供給スクリュ
軸481を中心に回転可能に設けられており、供給スクリュ軸481の軸方向が現像装置
4の長手方向(図中Y軸方向)と平行になるように配置されている。供給スクリュ軸48
1の軸方向両端は中ケース412の側壁部412sに対して回転可能に取り付けられてい
る。
供給スクリュ48の軸方向端部は、現像装置4の長手方向端部に形成されたトナー補給
口55の下方に位置している。そして、供給スクリュ48が回転することによって螺旋状
の供給スクリュ羽部480がトナー補給口55から補給されたトナーを長手方向における
現像装置4の中央部方向に搬送する。
上ケース411の開口部56を形成する縁部分には、入口シール47としてマイラー等
のシート部材が長手方向に沿って貼着されている。入口シール47は略矩形のシートであ
ってその短手の一端が上ケース411の縁部分に貼着され、他端は自由端とされている。
入口シール47の自由端側は現像装置4の内部方向に突出されており、さらに、現像ロー
ラ42に接触するように設けられている。入口シール47は、現像ローラ42の回転方向
上流側が上ケース411に固定されており、現像ローラ42の回転方向下流側が自由端と
され、現像ローラ42に対して、入口シール47の面部分が接触するように配置している
。また、上ケース411の現像装置4の内部側は供給ローラ44の上部形状に沿うように
湾曲形状をしており、上ケース411の湾曲形状の表面と供給ローラ44の表面との隙間
は、1.0[mm]である。
図7〜図10に示すように、現像装置4の開口部56の長手方向両端部にあたる中ケー
ス412の一部にはサイドシール59が貼着されている。サイドシール59は、現像ロー
ラ42の軸方向両端近傍に設けられたスペーサー422よりも軸方向における内側で、且
つ、現像ローラ42にドクタブレード45が接触する軸方向の端部が重なる領域に設けら
れている。このようなサイドシール59によって現像ケーシング41における開口部56
の長手方向端部からトナーが漏れ出ることを防止している。
また、中ケース412に設けられたトナー残量センサ49は、トナー収容部43内のト
ナーの量を検知するものである。
次に、現像装置4内でのトナーの動きについて説明する。
トナー補給口55から現像装置4内に補給されたトナーは、供給スクリュ48によって
トナー収容部43に供給され、パドル46によって撹拌される。また、パドル46の跳ね
上げによって現像ローラ42及び供給ローラ44の方向に跳ね上げ、搬送される。供給ロ
ーラ44に供給されたトナーは、供給ローラ44が現像ローラ42と接触する供給ニップ
βで現像ローラ42の表面に受け渡される。現像ローラ42の表面に受け渡されたトナー
のうち現像領域αに搬送する所定量を超えた分のトナーは、ドクタブレード45によって
現像ローラ42の表面から掻き落とされる。
ドクタブレード45との対向部を通過した現像ローラ42の表面に残ったトナーは、そ
のまま現像ローラ42の回転による表面移動方によって搬送され、感光体2と対向する現
像領域αに到達する。現像に用いられることなく現像領域αを通過したトナーは、入口シ
ール47が接触する位置を通過し、供給ローラ44との対向位置である供給ニップβにま
で搬送される。現像ローラ42によって供給ニップβに到達したトナーは、供給ローラ4
4によって現像ローラ42の表面から掻き取られ、供給ローラ44によって搬送される。
次に、実施形態1に係る複写機500に用いるトナーについて説明する。複写機500
で用いるトナーとしては、高速のトナー搬送に対応できるよう流動性の高いトナーを用い
ている。具体的には、加速凝集度が40[%]以下のトナーを用いている。この加速凝集
度とは、トナーの流動性を示す指数である。
トナーの加速凝集度の測定方法を以下に示す。
<測定装置>
・ホソカワミクロン製 パウダテスタ
<測定方法>
・測定対象サンプルを恒温槽に放置(35±2[℃],24±1[h])
・パウダテスタを用いて測定
・目開きの異なる三種の篩を使用(例えば、75[μm],44[μm],22[μ
m])
・篩ったときのトナー残量から算出、以下の計算により、凝集度を求める。
{(上段の篩に残ったトナー重量)/(試料採取量)}×100
{(中段の篩に残ったトナー重量)/(試料採取量)}×100×3/5
{(下段の篩に残ったトナー重量)/(試料採取量)}×100×1/5
上記三つの計算値の合計をもって加熱凝集度[%]とする。
トナーの加速凝集度は上述のように目開きの異なる三種類のメッシュを目開きの大きい
順に積み重ね、最上段に粒子をおき、一定の振動でふるい、各メッシュ上のトナー重量か
ら求める指数である。
また、実施形態1では、平均円形度が0.90以上のトナー(0.90〜1.00のト
ナー)を用いている。
実施形態1では、下記式(3)より得られた値を円形度aと定義する。この円形度はト
ナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、表面
形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
円形度a=L0/L・・・・式(3)
(L0:粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長、L:粒子の投影像の周囲長)
平均円形度が0.90〜1.00の範囲では、トナー粒子の表面は滑らかであり、トナ
ー粒子同士、トナー粒子と感光体2との接触面積が小さいために転写性に優れる。
平均円形度が0.90〜1.00の範囲では、トナー粒子に角がないため、現像装置4
内での現像剤(トナー)の撹拌トルクが小さく、撹拌の駆動が安定するために異常画像の
発生を防止できる。
また、ドットを形成するトナーの中に、角張ったトナー粒子がいないため、転写で転写
媒体に圧接する際に、その圧がドットを形成するトナー全体に均一にかかり、転写中抜け
が生じにくい。
さらに、トナー粒子が角張っていないことから、トナー粒子そのものの研磨力が小さく
、感光体2や、帯電部材3等の表面を傷つけたり、摩耗させたりすることを防止できる。
次に円形度の測定方法について説明する。円形度は、東亜医用電子製フロー式粒子像分
析装置FPIA−1000を用いて測定することができる。
具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150[ml]中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5[ml]加え、さらに測定試料を0.1〜0.5[g]程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜10000[個/μl]として前記装置によりトナーの形状、粒度を測定する。
600[dpi]以上の微少ドットを再現するためには、トナーの重量平均粒径(D4
)として3〜8[μm]が好ましい。この範囲では、微小な潜像ドットに対して、十分に
小さい粒径のトナー粒子を有していることから、ドット再現性に優れる。重量平均粒径(
D4)が3[μm]未満では、転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下といった
現象が発生しやすい。
重量平均粒径(D4)が8[μm]を超えると、文字やラインの飛び散りを抑えること
が難しい。また、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)は
1.00〜1.40の範囲にあることが好ましい。(D4/D1)が1.00に近いほど
粒径分布がシャープであることを示す。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、
トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、
また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
次に、トナー粒子の粒度分布の測定方法について説明する。コールターカウンター法に
よるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコー
ルターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。以下に測定方法に
ついて述べる。
まず、電解水溶液100〜150[ml]中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5[ml]加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1[%]NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、さらに測定試料を2〜20[mg]加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100[μm]アパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの重量、個数を測定して、重量分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52[μm]未満;2.52〜3.17[μm]
未満;3.17〜4.00[μm]未満;4.00〜5.04[μm]未満;5.04〜
6.35[μm]未満;6.35〜8.00[μm]未満;8.00〜10.08[μm
]未満;10.08〜12.70[μm]未満;12.70〜16.00[μm]未満;
16.00〜20.20[μm]未満;20.20〜25.40[μm]未満;25.4
0〜32.00[μm]未満;32.00〜40.30[μm]未満の13チャンネルを
使用し、粒径2.00[μm]以上ないし40.30[μm]未満の粒子を対象とする。
実施形態1で用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエ
ステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー
材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーであり、重合トナ
ーと呼ばれる。以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
<ポリエステル>
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)及び3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、又は(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、及びこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)及び3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、及び(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物又は低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させても良い。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボ
キシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好
ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。 多
価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネ
ート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280[℃
]に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエス
テルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸
価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりや
すく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性が良く低温定着性が向上する
。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。
また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量
が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると
低温定着性が悪化するため好ましくない。
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変
性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反
応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合
物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)
を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるもので
ある。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメ
チレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメ
チルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シ
クロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソ
シアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(
α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート
類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロ
ックしたもの;及びこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸
基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5
/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/
1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモ
ル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量
が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化
合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40[wt%]、好ましくは1〜30
[wt%]、さらに好ましくは2〜20[wt%]である。0.5[wt%]未満では、
耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利に
なる。また、40[wt%]を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有さ
れるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好まし
くは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステ
ルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、及びB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);及び脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレン
テトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、
ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、ア
ミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる
。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン
類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得ら
れるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)の
うち好ましいものは、B1及びB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)
中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[
NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5
、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。
[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分
子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。また、ウレア変性ポリエステル中に
は、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していても良い。ウレア結合含有量とウレタン
結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜2
0/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が1
0[%]未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール
(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサ
イドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280[℃]に加熱し、必要により減
圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜
140[℃]にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基
を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を
0〜140[℃]にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
多価イソシアネート化合物(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)及びエーテル類(テトラヒドロフランなど)などの多価イソシアネート化合物(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、及びそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量で良い。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性及び複写機500に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。なお、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでも良い。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶しているこ
とが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルと
ウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜
95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、
特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5[%
]未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立
の面で不利になる。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点
(Tg)は、通常45〜65[℃]、好ましくは45〜60[℃]である。45[℃]未
満ではトナーの耐熱性が悪化し、65[℃]を超えると低温定着性が不十分となる。
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため
、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な
傾向を示す。
<着色剤>
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニ
グロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カ
ドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイ
エロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイ
エロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5
G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL
、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウ
ムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセー
レッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブ
リリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(
F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカン
ファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレ
ッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、
トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10
B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB
、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルー
ン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クローム
バーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブル
ー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブ
ルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブル
ー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブル
ー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジ
オキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン
、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグ
リーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フ
タロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそ
れらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量[%]、
好ましくは3〜10重量[%]である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、又はマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
<荷電制御剤>
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無
、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるもの
ではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範
囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲が良い。10重量部を超える場合
にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラ42との静電
的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
<離型剤>
離型剤としては、融点が50〜120[℃]の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着装置12の定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及び及びパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもで
きるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
<外添剤>
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好
ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2[μm]であるこ
とが好ましく、特に5×10−3〜0.5[μm]であることが好ましい。また、BET
法による比表面積は、20〜500[m2/g]であることが好ましい。この無機微粒子
の使用割合は、トナーの0.01〜5[wt%]であることが好ましく、特に0.01〜
2.0[wt%]であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウ
ム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、
酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、
ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭
酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中で
も、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するの
が好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2[μm]以下のものを使用して撹拌
混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより
、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置4内部の撹拌混合によっても、トナー
から流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られ
て、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり
特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多
くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。
しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5[
wt%]の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特
性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示す
が、これに限られるものではない。
<トナーの製造方法>
(1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。有機溶媒は、沸点が100[℃]未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒及び塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
(2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。水系
媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレ
ングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチ
ルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶
媒を含むものであっても良い。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、
好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態
が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でな
い。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適
宜加える。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホ
ン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコ
ール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキ
ルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベン
ジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウ
ムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アル
コール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)
グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアン
モニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその
効果を挙げることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性
界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パ
ーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル
(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[
ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン
酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオ
ロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜
C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミ
ド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド
、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウ
ム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノ
パーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フ
ロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダ
インDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−
120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エク
トップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A
、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、
F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級
若しくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピル
トリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化
ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−
121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−2
02(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)
、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネ
オス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられ
る。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90[%]の範囲に
なるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1[μm
]、及び3[μm]、ポリスチレン微粒子0.5[μm]及び2[μm]、ポリ(スチレ
ン―アクリロニトリル)微粒子1[μm]、商品名では、PB−200H(花王社製)、
SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研
社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロ
キシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸又は無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、又はビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、又はその複素環を有するものなどのホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩
擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒
径を2〜20[μm]にするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用
した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000[rpm]、好ましく
は5000〜20000[rpm]である。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の
場合は、通常0.1〜5[分]である。分散時の温度としては、通常、0〜150[℃]
(加圧下)、好ましくは40〜98[℃]である。
(3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリ
エステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。この反応は、分子鎖の架橋及び/又は
伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構
造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは
2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150[℃]、好ましくは40〜98[℃
]である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチル
チンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
(4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー
母体粒子を得る。有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の撹拌状態で昇温し
、一定の温度域で強い撹拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作
製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な
物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなど
の方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による
分解などの操作によっても除去できる。
(5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、次いで、シリカ微粒子
、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。荷電制御剤の打ち込み、
及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。これにより
、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有
機溶媒を除去する工程で強い撹拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形
状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間
で制御することができる。
上述したように、実施形態1の現像装置4が備える現像ローラ42の表面上には、凸部
の高さや凹部の深さ(W3)が一定で規則的なパターンからなる凹凸が形成されている。
従来の一成分現像装置としては、現像ローラの表面にサウンドブラスト処理等の粗面処理を施して表面に凹凸形状を形成したものがある。このように、現像ローラの表面に粗面処理を施すことにより、現像ローラがトナーを担持し、搬送する性能を向上させていた。しかしながら、粗面処理によって現像ローラの表面上に形成される凹凸は、凸部の高さ、凹部の深さ及び凹凸のパターンが不規則となる。凹部のパターンや深さが不規則であると、現像ローラ表面上のトナー担持量が安定せず、感光体上の潜像を現像したときに濃度ムラとなることがあった。一方、実施形態1の現像装置4では、凹部の深さ(W3)が一定で、その形成パターンが規則的であるため、現像ローラ42表面上のトナー担持量が安定し、現像時の濃度ムラの発生を抑制することができる。
図1及び図20に示すように、実施形態1の現像装置4では、図中矢印B方向が回転方
向である現像ローラ42がドクタ部において上方から下方に移動する。このような場合に
は、トナーTに働く自重によってトナーには下方向の力(Fg)が加わるため、ドクタブ
レード45の応力(Fb)によるトナーに対する圧縮力を減少させることができる。よっ
て、現像ローラ42の凸部42aにおける現像ローラ42の表面移動方向下流側の部分(
図20中の42cの部分)にトナーが凝集することを抑制できる。これにより、フィルミ
ングの発生を抑制することができ、現像ローラ42上でのQ/M値やM/A値の変動を抑
制することができる。
また、現像装置4で用いる現像剤であるトナーとして、加速凝集度が40[%]以下と
なるトナーを用いることで、現像ローラ42の凸部42aにおける現像ローラ42の表面
移動方向下流側の部分(図20中の42cの部分)でのトナーの凝集をより緩和すること
が可能となる。なお、図20で示すドクタ部では、ドクタブレード45が現像ローラ42
の表面に対して腹当て状態となっている。ドクタブレード45の現像ローラ42の表面に
対する当接状態としては、図21に示すように、先端当て状態である方が、凸部42aの
頂面42tに存在するトナーTをすり切ることができ、より好ましい。
図22に示すように、現像ローラ42の凸部42aと凹部42bとの成す角γが90[
°]未満の場合は、凹部42bの全体に供給ローラ44が当接する確率が減少してしまう
。また、図23のように、一部でも凸部42aと凹部42bとの成す角が90[°]未満
の場合も、凹部42bの全体に供給ローラ44が当接する確率が減少してしまう。
これに対して、実施形態1の現像装置4が備える現像ローラ42は、図24に示すよう
に、現像ローラ42の凸部42aと凹部42bとが成す角γが90[°]以上としている
。図24に示すように、角γが90[°]以上の場合は、供給ローラ44が現像ローラ4
2上のトナーに当たる確率が増加するため、リセット性が向上する。
図25は、凸部42aと凹部42bとが成す角γのうち、凸部42aにおける現像ロー
ラ42の表面移動方向下流側の角γ(以下、「凸部下流角γ1」と呼ぶ)と、凸部42a
における現像ローラ42の表面移動方向上流側の角γ(以下、「凸部上流角γ2」と呼ぶ
)とがともに90[°]の構成の説明図である。
図25に示すように、ドクタブレード45の応力は図中矢印Fb方向に作用する。現像
ローラ42が図中矢印Bで示す方向に表面移動するため、凹部42bに担持されたトナー
Tは、ドクタブレード45の応力によって図25中の矢印Faで示す方向の圧縮力が作用
する。このため、凸部42aにおける現像ローラ42の表面移動方向下流側の壁面に接触
するトナーが入れ替わらないと、特定のトナーに対して繰り替えし圧縮力が作用すること
となり、トナーが凝集するおそれがある。
これに対して、実施形態1の現像装置4が備える現像ローラ42は、図26に示すように、凸部42aと凹部42bとが成す角γのうち、少なくとも凸部下流角γ1が鈍角となるように形成している。凸部下流角γ1が鈍角であることにより、凸部42aにおける現像ローラ42の表面移動方向下流側の壁面に接触するトナーに対して、供給ローラ44による掻き出しが行われやすくなり、トナーの入れ替わりを促すことができる。この壁面に接触するトナーが入れ替わることで、特定のトナーに対して繰り替えし圧縮力が作用することを防止し、トナーが凝集することを防止することができる。
なお、図26で示す現像ローラ42表面の拡大断面図では、ドクタブレード45が現像
ローラ42の表面に対して腹当て状態となっている。ドクタブレード45の現像ローラ4
2の表面に対する当接状態としては、図27に示すように、先端当て状態である方が、凸
部42aの頂面42tに存在するトナーTをすり切ることができ、より好ましい。
現像ローラ42の表面にひし形上の凸部42aを形成する構成において、図28に示す
ように、凸部42aのひし形状の頂面42tが有する2組の平行線のうちどちらか一方が
現像ローラ42の表面移動方向と平行である場合には、凸部42aにおける現像ローラ4
2の表面移動方向下流側の部分(図28中の42cの部分)でトナーが圧縮されやすくな
るため、フィルミングが増加する傾向にある。
これに対して、実施形態1の現像装置4が備える現像ローラ42は、図13A(b)に示すように、凸部42aのひし形状の頂面42tが有する2組の平行線のいずれもが、現像ローラ42の表面移動方向に対して角度がある形状である。凸部42aのひし形状の頂面42tが有する2組の平行線(凸部42aのひし形状の頂面42tの辺)と当接するドクタブレード45の摺擦方向とに角度があるため、凸部42aにおける現像ローラ42の表面移動方向下流側の部分(図13A(b)中の42cの部分)でトナーが圧縮され難くなる。実施形態1の現像装置4では、凸部42aのひし形状の頂面42tの辺と現像ローラ42の表面移動方向とが成す角の角度は、45[°]となっている。
次に、実施形態1の現像装置4の特徴部について説明する。
実施形態1の現像装置4は、規制部材であるドクタブレード45(ブレード部材450
)の材料が金属製である。
特許文献1や特許文献2に記載の現像装置では、一定の規則的な凹凸形状が形成された
現像ローラに接触する規制部材としてゴム製のものを用いていた。しかしながら、ゴム製
の規制部材を用いた構成では、製造時の組み付け公差や経時使用のブレードの削れによっ
て、規制部材の突き出し量が変化すると、現像ローラ上のトナー量がばらつくことがあっ
た。具体的には、現像ローラ上のトナーが極端に少なくなって、画像濃度が薄くなったり
、逆に、現像ローラ上トナー量が多くなってしまい、帯電不良が発生して、画像の地肌部
が汚れる地汚れが発生したりすることがあった。
これに対して、実施形態1の現像装置4のように、ドクタブレード45として、金属製
のブレードを用いることにより、ドクタブレード45の突き出し量がある程度の範囲で変
化しても、現像ローラ42上のトナー量を安定させることができる。
〔実験1〕
次に、ドクタブレード45として、金属製のブレードを用いた場合と、ゴム製のブレー
ドを用いた場合とについて、ドクタブレード45の突き出し量の変化に対する現像ローラ
42上のトナー量の安定性を比較した実験1について説明する。
ここで、図29を用いてドクタブレード45の突き出し量を変化させる方法について説
明する。
まず、現像ローラ42に対して初期接触位置Q1における接線方向(図29中の上下方向)にドクタブレード45が延在するように、ドクタブレード45をエッジ当ての状態で現像ローラ42に接触させる。ここで、エッジ当てとは、ドクタブレード45の対向面45bと先端面45aとの間の稜線を形成するエッジ部が現像ローラ42の表面に接触する状態である。
ここで稜線を形成するエッジ部において、稜線は丸みを帯びていても良いし、面取りさ
れていても良い。すなわち、エッジ部は、ドクタブレード45の対向面45bと、先端面
45aとを延長させた面が交差する箇所近傍を示す。
具体的には平板状のドクタブレード45の自由端側の先端の現像ローラ42側の角部(
丸みがあっても良いし、面取りされていても良い)が現像ローラ42の凸部42aに接触
するようになっていれば良い。
ここで、ドクタブレード45を接触させる方法としては、平板状のブレード部材を折り
曲げて、その曲げ部分を接触させる方法もあるが、トナーをすり切る効果については上述
のようにブレード部材の自由端側の先端を接触させる方法のほうが、効果が高く望ましい
次に、ドクタブレード45の根元を支持するブレードフォルダ45c(台座部452)
を初期接触位置Q1における現像ローラ42の法線方向(図29(a)中の矢印X方向)
に沿って現像ローラ42側に移動させる。これにより、図29(b)に示すように、ドク
タブレード45における現像ローラ42に対して接触する位置が根元側に移動しつつ、ド
クタブレード45が撓み、ドクタブレード45が、腹当てで撓んだ状態で接触する。ここ
で、腹当てとは、ドクタブレード45における現像ローラ42と対向する対向面45bが
接触し、且つ、エッジ部が接触していない状態である。また、このときの現像ローラ42
の表面上におけるドクタブレード45の接触位置Qは、初期接触位置Q1から図29中の
上方に変異する。
図29(b)に示す状態からブレードフォルダ45cを初期接触位置Q1における法線
方向に対して直交する方向(図29中の上下方向)に沿って現像ローラ42から離れる方
向(図29中の矢印Z方向)に移動させると、突き出し量が徐々に少なくなる。そして、図29(c)に示すように、ドクタブレード45が撓んだままの状態でエッジ当ての状態となる。図29(c)に示す状態からさらに突き出し量が徐々に少なくするようにZ方向にブレードフォルダ45cを移動させると、ドクタブレード45が現像ローラ42から離間するまでは、ドクタブレード45の撓み量が小さくなりつつ、エッジ当ての状態は維持される。
前記ドクタブレード45がブレードホルダ45cに固定されている部分45dは、ドクタブレード45が現像ローラ42に接触している位置(部分)Qよりも現像ローラ42の回転方向(図示矢印42r方向)下流側に位置している。すなわち、ドクタブレード45の自由端の先端(先端面45a)が現像ローラ45の回転方向に対して突き当たる(対向する)ようになっている。この突き当たる方向がドクタブレード45のエッジ当て方向となる。
ドクタブレード45が、金属製(りん青銅)の金属ブレードである場合と、ウレタンゴ
ム製のゴムブレードである場合とについて、図29を用いて説明した突き出し量を変化さ
せる方法によって突き出し量を変化させたときの、現像ローラ42上トナー搬送量の変化
を測定した実験結果を図30に示す。
図30に示すグラフでは、ドクタブレード45が腹当ての状態からエッジ当ての状態と
なった、図29(c)に示す状態におけるドクタブレード45の位置をゼロとした。そし
て、このゼロの位置よりもブレードフォルダ45cを図29中の矢印Z方向に移動させた
ときの変位を−(マイナス)とし、図29中の矢印Z方向とは逆方向に移動させたときの
変位を+(プラス)として示している。すなわち、図30中の図中右側ほど突き出し量が
多い条件となる。
図30中の破線で示すグラフは、ゴムブレードを用いた場合の実験結果であり、実線で
示すグラフは、金属ブレードを用いた場合の実験結果である。
図30に示すように、ドクタブレード45の位置が、+(プラス)方向にあるときには
、金属ブレード、ゴムブレード共に位置がプラスに大きくなるにつれて、トナー搬送量が
増加する。
これに対して、ドクタブレード45の位置が、−(マイナス)方向にあるときには、金
属ブレードの場合(実線)は、図30に示すように安定した搬送量を示す領域がある。一
方、従来の現像装置で用いられていたゴムブレードの場合(破線)、−(マイナス)方向
の位置のときは、現像ローラ42上にほとんどトナーが搬送されなかった。
図30を用いて説明した実験1によって、表面に規則的な凹凸形状を有する現像ローラ
42に対する突き出し量について、ゴム製よりも金属製のドクタブレード45の方が現像
ローラ42上のトナー量が所望量となる突き出し量の範囲が広いことが分かった。
よって、本発明のようにドクタブレード45として金属製のブレードを用いることによ
り、ドクタブレード45の取り付け時の、図29中のZ方向の設計公差の余裕度が上がる
ため、組み付け性が向上する。さらに、メカ公差の余裕度が上がり、部品を低コスト化で
きる。
図31は、エッジ当ての状態におけるドクタブレード45と現像ローラ42との接触位
置Qの拡大説明図である。
図30を用いて説明したように、ドクタブレード45として金属ブレードを用いた場合
に、トナー量が安定する領域が得られるのは、ドクタブレード45の先端であるエッジ部
45eが現像ローラ42に接触するためである。具体的には図31に示すように、エッジ
部45eが当たる場合は、トナーTがドクタブレード45によりすり切られるように薄層
化するため、現像ローラ42の規則的な凹凸形状の凹部42bに埋まったトナーTのみが
搬送されることとなる。このため、現像ローラ42表面のトナー量を凹部42bの体積に
応じた所望量とすることができ、現像ローラ42によるトナーの搬送量を安定させること
ができる。また、金属ブレードであれば、ある程度の剛性を有しているため、その弾性に
よって現像ローラ42の凹部42bに食い込んで、凹部42b内のトナーを掻き出す可能
性がゴムのような樹脂のものよりも低く、現像ローラ42によるトナーの搬送量を安定さ
せることができる。
〔実験2〕
次に、ドクタブレード45に金属ブレードを用いて、図29中の初期接触位置Q1にお
ける法線方向の移動距離X1の値を変化させたときのエッジ当てを維持できるドクタブレ
ード45の位置の範囲を測定した実験2について説明する。
図32は、実験2の実験結果を示すグラフである。
図32のグラフでは、ドクタブレード45が接触位置Qにおいて、現像ローラ42表面
の接線方向にあるときのドクタブレード45の位置をゼロとして、図29(a)から図2
9(b)へのブレードフォルダ45cの移動距離X1の値を横軸としている。また、図3
2のグラフでは、図29(b)に示す状態からブレードフォルダ45cを図中矢印Z方向
に移動させ、図29(c)の状態になったときを縦軸のゼロとしている。そして、図29
(c)に示す状態からさらにブレードフォルダ45cを図中矢印Z方向に移動させ、ドク
タブレード45が現像ローラ42の表面から離間するまでの図中Z方向のブレードフォル
ダ45cの移動距離を縦軸としている。
図32に示すグラフより、移動距離X1がゼロ以上のときは、初期接触位置Q1におけ
る現像ローラ42表面の法線方向の移動距離X1が大きいほど、ドクタブレード45がエ
ッジ当てを維持することができる範囲を広げることができる。移動距離X1がゼロ以上の
ときはドクタブレード45は、現像ローラ42との接触によって撓んだ状態となるように
配置される。このように配置されることにより、ドクタブレード45の取り付けに際し、
図29中の上下方向の設計公差の余裕度が上がるため、組み付け性が向上する。さらに、
メカ公差の余裕度が上がり、部品を低コスト化できる。
〔実験3〕
次に、ドクタブレード45に用いる金属ブレードとして、その材料がりん青銅である場
合と、ステンレス(SUS)である場合とで、スジ画像の発生の有無を確認した。本実験
においては、現像ローラ42表層(表面層42f)のビッカース硬度をりん青銅よりも大
きく、ステンレスよりも小さく設定している。具体的には表面層がアルミニウムで形成さ
れている現像ローラ42を使用した。なお、ビッカース硬度の測定方法としては、JIS
Z 2244に規定の方法を用いることができる。
本実験で用いたりん青銅のビッカース硬度は80[Hv]である。ドクタブレード45
としてこれよりも低い硬度の金属ブレードを用いれば、本実験のりん青銅を用いたドクタ
ブレード45と同様に固着を抑制する効果があると考えられる。また、硬度に関しては、
本実験ではビッカース硬度を採用しているが、材質、形状に応じて、ブリネル硬度、ロッ
クウェル硬度を計測する方法で比較しても良い。
実験3では、それぞれの材料からなるドクタブレード45を図29(c)に示す状態で
配置し、実施形態1の複写機500を用いてベタ画像の画像形成を行ってスジ画像の発生
の有無を確認した。実験3の結果、金属ブレードの材料としてりん青銅を用いた場合はス
ジ画像が発生せず、SUSを用いた場合はスジ画像が発生した。
ここで、実験3で用いたドクタブレード45を確認したところ、スジ画像が発生したS
US製のドクタブレード45にはトナーが固着しており、スジ画像が発生しなかった、り
ん青銅製のドクタブレード45にはトナー固着がほとんど確認されなかった。
図33は、実験3で用いた各材料のドクタブレード45について、現像ローラ42の回
転時間に対するドクタブレード45の削れ量を測定した結果を示すグラフである。図33
中の破線で示すグラフはSUS製のブレードを用いた場合の削れ量を示し、実線で示すグ
ラフはりん青銅製のブレードを用いた場合の削れ量である。
図33より、りん青銅はSUSに比べて削れやすいことが分かる。
りん青銅製のドクタブレード45を用いた場合、トナーが軽度に固着を起こしても、そ
のトナーの固着が成長する前に、現像ローラ42との摺擦によってドクタブレード45ご
と固着したトナーが削られるため、固着が成長せず、画像上問題になるスジが発生しない
ものと考えられる。
現像ローラ42の表層部分(表面層42f)の硬度がドクタブレード45の当接部分の
硬度よりも硬く設定されていると、ドクタブレード45を削る作用が生じ、上述したよう
に固着を解消しやすくなると言う効果が生じる。
ここで、現像ローラ42の表層の硬度を高くするためにニッケル鍍金等を施しても良い。また、現像ローラ42の表層の硬度を高くした場合においても、ステンレスよりも、りん青銅のほうが削れやすいため、トナー固着に対してはりん青銅を利用することがより望ましいと考えられる。また、りん青銅よりも低い硬度(ビッカース硬度80[Hv]以下)の金属であれば固着を抑制する効果があると考えられる。
実験3について説明したように、実施形態1の現像装置4でスジ画像の発生を防止する
構成として、現像ローラ42との摺擦によってドクタブレード45ごと軽度の固着状態の
トナーが削られる構成であるため、ドクタブレード45の幅方向全域で削られる必要があ
る。
実施形態1の現像ローラ42は、感光体2に供給するトナーを担持する表面である溝形成部420aの表面上における幅方向(表面移動方向に直交する方向)についてのいずれの位置においても、現像ローラ42の表面移動方向一周分の間に、凸部42aの高さ方向についての最上部となる表面である頂面42tが一箇所以上存在する。
このような条件を満たす構成として、現像ローラ42のある位置(L11の位置等)に
おける表面上の凹凸形状は、幅方向に凸部42aと凹部42bとが周期的な列状に配置さ
れ、この位置に対して表面移動方向について隣り合う位置(L12の位置等)の凹凸形状
は、規則的な列状の配置が半周期分ずれた配置である(図13A参照)。言い換えると、列L11及び列L13に対して、回転方向について隣り合うL12及びL14の列は、幅方向の凹凸の周期を半周期分シフトさせた形状となっている。さらに、頂面42tの軸方向長さW2はピッチ幅W1の1/2以上の大きさとなるように形成している。このような形状を現像ローラ42の回転方向に繰り返すような表面形状となっている。
このような構成により、ドクタブレード45において、現像ローラ42のL11の位置が接触したときに、頂面42tが接触しなかった箇所は、L12の位置が接触するときに頂面42tが接触する。このような構成により、現像ローラ42が一周する間に、ドクタブレード45の幅方向についての全域に渡って一度は現像ローラ42の頂面42tを接触させる構成を実現できる。このように、ドクタブレード45の幅方向の位置がいずれの位置においても、現像ローラ42が一周する間に頂面42tが接触することとなり、効率よくドクタブレード45を削る事が可能となり、トナー固着に起因するスジ画像の発生をより確実に防止することができる。
現像ローラ42の表面を感光体2に接触させて現像を行な構成では、現像ローラ42と感光体2とがともに、弾性がないため、現像ローラ42や感光体2の精度により、感光体2と現像ローラ42が接触しない部分が発生する。その場合、感光体2と現像ローラ42が接触していない部分だけトナーが現像せず、画像欠損が起こる。これを防止するために、実施形態1の現像装置4では、感光体2に対して現像ローラ42がギャップを形成するように配置し、現像バイアス電源142によって、現像ローラ42に直流バイアスに交流バイアスを重畳させた電圧を印加するしている。これにより、トナーTを現像ローラ42から感光体2にジャンピングさせて潜像を現像する構成とし、現像ローラ42の感光体2に対する位置の精度に関わらず、画像欠損を防止することができる。
また、実施形態1における画像形成装置である複写機500としては、現像装置4の駆
動状況に応じて予め設定された寿命を迎えた現像装置4の交換を使用者に報知する報知シ
ステムを備えても良い。
図34は、現像装置4の交換を報知する報知システムのフローチャートである。また、
図35は、交換時期が近づいた現像装置4が備えるドクタブレード45と現像ローラ42
との拡大説明図である。
図34に示すように、現像装置4の駆動時間をカウントし(S1)、予め定められた駆動時間を迎えたと判断されると(S1でY)、現像装置4は寿命が来たものとして、使用者に対し交換又は、当該現像装置に寿命が来たことをランプ、若しくは液晶画面等の報知機器を介して報知する(S3)ものである。ここで、寿命と判断するパラメータに関しては、現像ローラ42の駆動時間、通紙枚数、現像装置への通電時間等が考えられる。
図35に示すように、実施形態1の現像装置4が備える現像ローラ42にエッジ当てさ
れているドクタブレード45は現像ローラ42によって当接部分(図35中の破線「45
d」で示す部分)が削られてゆく。ここで、ドクタブレード45の厚さに関して、寿命に
よる交換報知が行われたときに先端面45aが残っているように設定されていることが望
ましい。つまり、寿命と判断するためのパラメータが寿命時期に達しても先端面45aが
残っていられるようにパラメータに対して余裕を持って厚みが設定されている。削られる
ことで先端面45aがなくなってしまうと、それ以降はドクタブレード45と現像ローラ
42との接触位置が変化してしまうおそれがある。また、鋭角になったドクタブレード4
5の先端が現像ローラ42に食い込むおそれもある。そのため、ドクタブレード45の先
端面45aが残っている状態で交換することが望ましい。
〔実施形態2〕
以下、本発明を画像形成装置としてのプリンタ(以下、プリンタ600という)に適用
した、本発明の2つ目の実施形態(以下、実施形態2という)について説明する。
図36は、実施形態2のプリンタ600の要部の概略断面図である。図36に示すよう
に、プリンタ600は、4つのプロセスユニットとしてのプロセスカートリッジ1、複数
の張架ローラに張架されて図36中の矢印A方向に移動する中間転写体としての中間転写
ベルト7、露光手段としての露光装置6、及び、定着手段としての定着装置12等を備え
ている。
各プロセスカートリッジ1は、潜像担持体としてのドラム状の感光体2と、帯電手段と
しての帯電部材3と、現像剤としてのトナーTを用いて感光体2上の潜像を現像する現像
装置4と、感光体クリーニング装置5とを一体的に支持してユニット状とした構成となっ
ている。各プロセスカートリッジ1は、それぞれの不図示のストッパーを解除することに
より、プリンタ600本体に対して着脱可能となっている。
感光体2は、図中の矢印で示すように、図中の時計周り方向に回転する。帯電部材3は
、ローラ状の帯電ローラであり、感光体2の表面に圧接されており、感光体2の回転によ
り従動回転する。作像時には、帯電部材3には図示しない高圧電源により所定のバイアス
が印加され、感光体2の表面を帯電する。実施形態2のプロセスカートリッジ1は、帯電
手段として、感光体2の表面に接触するローラ状の帯電部材3を用いているが、帯電手段
としてはこれに限るものではなく、コロナ帯電などの非接触帯電方式を用いても良い。
露光装置6は、感光体2の表面に対して画像情報に基づいて露光し、感光体2の表面に
静電潜像を形成する。プリンタ600が備える露光装置6は、レーザーダイオードを用い
たレーザービームスキャナ方式を用いているが、露光手段としてはLEDアレイを用いる
ものなど他の構成でも良い。
感光体クリーニング装置5は、中間転写ベルト7と対向する位置を通過した感光体2の
表面上に残留する転写残トナーのクリーニングを行う。
4つのプロセスカートリッジ1は、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの
各色ごとのトナー像を感光体2上に形成する。4つのプロセスカートリッジ1は、中間転
写ベルト7の表面移動方向に並列に配設され、それぞれの感光体2上に形成されたトナー
像を中間転写ベルト7に順に重ね合わせるように転写し、中間転写ベルト7上に可視像を
形成する。
図36において、各感光体2に対して中間転写ベルト7を挟んで対向する位置には一次
転写手段としての一次転写ローラ8が配置されており、一次転写ローラ8には不図示の高
圧電源により一次転写バイアスが印加され、感光体2との間で一次転写電界を形成する。
感光体2と一次転写ローラ8との間で一次転写電界が形成されることにより、感光体2の
表面上に形成されたトナー像が中間転写ベルト7の表面に転写される。中間転写ベルト7
を張架する複数の張架ローラのうちの1つが不図示の駆動モータによって回転することに
よって中間転写ベルト7が図中の矢印A方向に表面移動する。表面移動する中間転写ベル
ト7の表面上に各色のトナー像が順次重ねて転写されることによって、中間転写ベルト7
の表面上にフルカラー画像が形成される。
4つのプロセスカートリッジ1が中間転写ベルト7と対向する位置に対して、中間転写
ベルト7の表面移動方向下流側には、張架ローラの1つである二次転写対向ローラ9aに
対して中間転写ベルト7を挟んで対向する位置に二次転写ローラ9が配置され、中間転写
ベルト7との間で二次転写ニップを形成する。二次転写ローラ9と二次転写対向ローラ9
aとの間に所定の電圧を印加して二次転写電界を形成することにより、図36中の矢印B
方向に搬送される転写材である転写紙Pが二次転写ニップを通過する際に、中間転写ベル
ト7の表面上に形成されたフルカラー画像が転写紙Pに転写される。
二次転写ニップに対して転写紙Pの搬送方向下流側に、定着装置12が配置されている
。二次転写ニップを通過した転写紙Pは定着装置12に到達し、定着装置12における加
熱及び加圧によって転写紙P上に転写されたフルカラー画像が定着され、画像が定着され
た転写紙Pはプリンタ600の装置外に出力される。
一方、二次転写ニップで転写紙Pに転写されず中間転写ベルト7の表面上に残留したト
ナーTは、転写ベルトクリーニング装置11によって回収される。
次に、図37〜図39を用いて、プロセスカートリッジ1が備える現像装置4について
説明する。図37及び図38は、4つのプロセスカートリッジ1のうちの1つの拡大断面
図であり、図37は現像ローラ42の軸方向中央部近傍の断面図であり、図38は、軸方
向端部近傍のサイドシール59が配置された位置における断面図である。また、図39は
、現像装置4において、鉛直方向に略直線状に配置された、トナーTを搬送するトナー搬
送部材106、トナー撹拌部材108及び供給ローラ44の回転軸近傍の断面説明図であ
る。
現像装置4は、現像剤であるトナーTを収容するトナー収容室101と、トナー収容室
101の下方に設けられたトナー供給室102とから構成され、トナー収容室101とト
ナー供給室102とを仕切るように仕切り部材110が設けられている。仕切り部材11
0には、図39に示すように、複数の開口部が設けられている。この仕切り部材110の
複数の開口部として、トナー収容室101内のトナーTをトナー供給室102へ供給する
供給口111と、トナー供給室102内のトナーTをトナー収容室101に戻す返送口1
07とが設けられている。
トナー供給室102の下部には、現像剤担持体である現像ローラ42が設けられている
。また、トナー供給室102には、現像ローラ42の表面にトナーTを供給する現像剤供
給部材である供給ローラ44が現像ローラ42の表面に当接するように設けられている。
さらに、トナー供給室102には、供給ローラ44によって現像ローラ42の表面上に供給され、感光体2と現像ローラ42との対向部に向かうトナーTの量(層厚)を規制する規制部材としてのドクタブレード45が現像ローラ42の表面に当接して設けられている。
現像ローラ42は、感光体2に対して非接触で配置されており、図示しない高圧電源か
ら所定のバイアスが印加される。
トナー収容室101内にはトナー収容室101内のトナーTを感光体2の回転軸に平行
な方向(図37中の紙面に直交する方向)に搬送するトナー搬送部材106が設けられて
いる。
また、トナー収容室101に収容するトナーTは、重合法で作成したものを用いている
。このトナーTは、例えば、平均粒径が6.5[μm]で、円形度が0.98、安息角3
3[°]、外添剤としてチタン酸ストロンチュームを含有しているトナーTである。なお
、実施形態2のプリンタ600に用いるトナーTとしては、これに限るものではない。
トナー収容室101内に設けられたトナー搬送部材106は、図39に示すように搬送
スクリュ形状部106aと搬送板形状部106bとを組み合わせた回転軸を有した部材で
ある。トナー搬送部材106は、搬送スクリュ形状部106aの回転動作によりトナー収
容室101内のトナーTをトナー搬送部材106の回転軸に平行な略水平方向(図39中
の矢印H方向)に搬送できる構成となっている。現像装置4では、トナー搬送部材106
の回転軸に平行な方向にトナーTを搬送する搬送スクリュ形状部106aを備えた構成で
あるが、現像剤搬送部材としてはこれに限ったものでなく、搬送ベルトやコイル状の回転
体等の搬送機能を有するものを用いることができる。さらにこれらの搬送機能を有するも
のと、羽根のような板部材や針金を曲げて構成したパドルのようなもの等のほぐし機能を
有するものを組み合わせたものでも良い。
また、実施形態2の現像装置4では、トナー収容室101から供給ローラ44に向けて
、トナーTをトナー搬送部材106の回転軸に直交し、且つ、略鉛直下方にトナーTを搬
送する構成となっている。トナーTの搬送方向としては、トナー搬送部材106の回転軸
に直交し、且つ、略水平方向に搬送する構成としても良い。
仕切り部材110の鉛直下方のトナー供給室102内にはトナー撹拌部材108が配置
されている。トナー撹拌部材108は、図39に示すように撹拌スクリュ形状部108a
と撹拌板形状部108bとを組み合わせた回転軸を有した部材である。トナー撹拌部材1
08は、撹拌スクリュ形状部108aの回転動作によりトナー供給室102内のトナーT
をトナー撹拌部材108の回転軸に平行な略水平方向(図39中の矢印I又はJ方向)
に搬送できる構成となっている。
図39に示すように、トナー撹拌部材108の撹拌スクリュ形状部108aは、軸方向について供給口111を挟んで外側に向かう方向(図39中の矢印I方向)にトナーTを搬送するように螺旋状の羽部が設けられている。さらに、トナー撹拌部材108の撹拌スクリュ形状部108aは、軸方向について2つの返送口107よりも外側と内側とは螺旋状の羽部が逆巻きになっている。このため、供給口111からトナー供給室102に供給されたトナーTはトナー撹拌部材108の撹拌スクリュ形状部108aの回転によって軸方向外側(矢印I方向)に搬送され、返送口107よりも外側に到達したトナーTは羽部が逆巻きの撹拌スクリュ形状部108aによって返送口107に向かって(矢印J方向に)搬送される。返送口107を挟んで軸方向の外側と内側とでは、撹拌スクリュ形状部108aによるトナーTの搬送方向が逆であり、返送口107に向かうようにトナーTに搬送力を付与するため、返送口107の下方ではトナーTが軸方向両側から集められ、山状に押し上げられる。これにより、トナー収容室101から供給口111又は返送口107を通過してトナー供給室102に供給されたトナーTが過剰である場合は、返送口107で山状に押し上げられたトナーTがトナー供給室102から返送口107を通ってトナー収容室101に戻される。また、トナー撹拌部材108は、トナー供給室102にあるトナーTを撹拌し、さらに下部にある供給ローラ44や現像ローラ42にトナーTを供給する役割を持つ。
供給ローラ44の表面には空孔(セル)を有した構造の発泡材料が被覆されており、ト
ナー供給室102内に供給されたトナーTを効率よく付着させて取り込むと共に、現像ロ
ーラ42との当接部での圧力集中によるトナーTの劣化を防止している。なお、この発泡
材料は103〜1014[Ω]の電気抵抗値に設定される。供給ローラ44には、供給バ
イアスが印加され、現像ローラ42との当接部ある供給ニップβで予備帯電されたトナー
Tを現像ローラ42に押し付ける作用を補助する。供給ローラ44は図37中の矢印で示
すように図37中の反時計回りの方向に回転し、表面に付着させたトナーTを現像ローラ
42の表面に塗布するように供給する。
供給ニップβに対して現像ローラ42の表面移動方向下流側の現像ローラ42の表面に
接触するように、規制部材であるドクタブレード45が配置されている。供給ローラ44
から現像ローラ42の表面に供給されたトナーTは、現像ローラ42の回転によってドク
タブレード45が接触する位置に搬送される。
ドクタブレード45としては、SUS304CSPやSUS301CSP又はリン青銅等の金属板バネ材料を用いることができ、その自由端側を現像ローラ42の表面に10〜100[N/m]の押圧力で当接させたもので、現像ローラ42上のトナーTに対してその押圧力下を通過させることで、トナー層を薄層化すると共に、摩擦帯電によってトナーTに電荷を付与する。また、ドクタブレード45には、トナーTの摩擦帯電を補助するために、図示しないバイアス電源によりバイアスが印加される。
感光体2は現像ローラ42と非接触であり、図37中の時計回りの方向に回転している
。このため、現像ローラ42と感光体2とが対向する現像領域αにおいては、現像ローラ
42の表面移動方向と感光体2の表面移動方向とが同方向となる。
現像ローラ42上の薄層化されたトナー層は、現像ローラ42の回転によって現像領域
αへ搬送され、現像ローラ42に印加されたバイアスと感光体2上の静電潜像によって形
成される潜像電界に応じて、感光体2の表面に移動して感光体2の表面上の静電潜像が現
像される。
現像領域αで現像に用いられず、現像ローラ42上に残されたトナーTが再びトナー供
給室102内へと戻る箇所には、現像剤除電部材である下シール部材としての除電シール
109が現像ローラ42に当接して設けられ、トナーTが現像装置4の外部に漏れ出ない
ように封止される。除電シール109には、除電能力を補助するため図示しないバイアス
電源よりバイアスが印加される。
上述した現像装置4において、現像ローラ42上のトナーTを用いた感光体2上の潜像
の現像は、次のように行われる。供給ニップβで現像ローラ42の表面上に供給されたト
ナーTは、現像ローラ42の回転に伴って、供給ニップβから現像領域αに向けて搬送さ
れ、その途中にあるドクタブレード45を通過し、所定量に規制される。所定量に規制さ
れたトナーTは、さらに、現像領域αまで搬送され、現像ローラ42と感光体2上の静電
潜像との間の現像電界によって、感光体2の表面上の静電潜像部分に付着し、これにより
現像が行われる。現像電界には、トナーが感光体2の方向に向かう電圧と現像ローラ42
に戻ってくる電圧が交互に繰り返されるようなACバイアスをもちいる。実施形態2では
、f=500〜10000[Hz]、Vpp=500〜3000[V]、Duty=50
〜90[%]の矩形波を用いた。その後、現像に寄与しなかったトナーTは、現像ローラ
42の回転によってさらに搬送され、トナーTが再びトナー供給室102に戻り、繰り返
し利用される。
実施形態2の現像装置4においても、上述した実施形態1で説明した現像ローラ42の表面に蒸着皮膜、化成処理、樹脂コーティングのうちのいずれか1つから選択された処理を施す本発明の特徴部を備えた構成を適用することができる。
以上のように、本実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
1)本実施形態では、静電潜像を担持する感光体2と一定の間隙を持って対抗配置され、表面に周期的に配列された複数の凸部42a及び該凸部を取り囲む凹部42bを持つ金属からなる一成分現像剤を担持する現像ローラ42を有する現像装置4において、前記現像ローラ42は、表面に蒸着皮膜、化成処理、樹脂コーティングのうちのいずれか1つから選択された処理を施した。これにより、トナーと現像ローラ42との非静電付着力を低減することが可能となり、現像性を良好に保つことができる。
2)本実施形態では、現像ローラ42に担持されるトナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあるようにした。これにより、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることが可能となり、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
3)本実施形態では、現像ローラ42に担持されるトナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあるようにした。これにより、高品位の画像を提供することができる。
4)本実施形態では、現像ローラ42に担持されるトナーは、形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあるようにした。これによりドット再現性及び転写効率が向上し、高品位な画質を得ることができる。
1 プロセスカートリッジ(プロセスユニット)
2 感光体(像担持体)
4 現像装置(現像剤担持体)
42 現像ローラ()42a 凸部
42b 凹部
500 複写機(画像形成装置)
T トナー
特許第4502146号公報

Claims (10)

  1. 静電潜像を担持する像担持体と一定の間隙を持って対抗配置され、表面に周期的に配列された複数の凸部及び該凸部を取り囲む凹部を持つ金属からなる一成分現像剤を担持する現像剤担持体を有する現像装置において、
    前記現像剤担持体は 表面に蒸着皮膜、化成処理、樹脂コーティングのうちのいずれか1つから選択された処理が施されていること
    を特徴とする現像装置。
  2. 請求項1に記載の現像装置において、
    前記蒸着被膜はダイアモンドライクカーボンであること
    を特徴とする現像装置。
  3. 請求項1に記載の現像装置において、
    前記化成処理がMo酸処理であること
    を特徴とする現像装置。
  4. 請求項1に記載の現像装置において、
    前記樹脂コーティングが潤滑性の高い粉体を分散させたものであること
    を特徴とする現像装置。
  5. 請求項1に記載の現像装置において、
    前記樹脂コーティングの樹脂がPTFE分散樹脂であること
    を特徴とする現像装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の現像装置において、
    前記現像剤担持体に担持されるトナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあること
    を特徴とする現像装置。
  7. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の現像装置において、
    前記現像剤担持体に担持されるトナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあること
    を特徴とする現像装置。
  8. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の現像装置において、
    前記現像剤担持体に担持されるトナーは、形状が長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1≧r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあること
    を特徴とする現像装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の現像装置と、
    静電潜像担持体と、
    を1つのユニットとして共通の保持体に保持させ、画像形成装置本体に対して一体的に着脱可能としたことを特徴とするプロセスユニット。
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