JP2013194664A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】所用の機関冷却効果に対する潤滑オイルの過不足を、筒内に直接噴射する燃料によって相殺する。
【解決手段】筒内に燃料を直接噴射供給する燃料供給装置と、燃料供給装置の噴射動作を制御する燃料噴射制御装置と、ピストンの温度状態を検出する温度状態検出装置と、機関運転状態を検出する運転状態検出装置と、を設け、燃料噴射制御装置において、機関運転状態に応じた燃料噴射量を設定し、噴射した燃料の噴霧貫徹力に関わる燃料供給装置の作動条件をピストンの温度状態に応じて設定し(S110〜120)、燃料噴射量の燃料を設定作動条件下で噴射させる、燃料供給装置に対する制御指令を発生する(S122)。
【選択図】 図8

Description

本発明は、内燃機関に関し、詳細には、筒内直噴機関において、機関冷却を考慮して燃料噴射を行う技術に関する。
ピストン等を含む機関内部の冷却は、エンジン冷却水によるほか、潤滑用途に用いられるエンジンオイル(以下「潤滑オイル」という)を兼用して行うのが一般的である。潤滑オイルは、機関出力を受けて作動するオイルポンプによって加圧され、例えば、オイルジェット機構により、ピストンに対してその裏面に向けて供給される。下記特許文献1は、オイルポンプを可変容量式とし、この可変容量オイルポンプの吐出量を機関運転状態に応じて変更する技術を開示している。
特開2003−269163号公報
しかし、前掲特許文献1に記載の技術のように可変容量オイルポンプを採用しても、潤滑オイルによる機関冷却効果がピストン、特にその冠面部分に現れるまでには時間的な遅れが存在するため、機関運転状態の変化によってピストンに対する冷却要求が急変した場合は、この要求に追随することが困難であった。
近年の更なる燃費改善に伴うダウンサイジングターボの採用及び高圧縮比化の進展により、筒内温度環境は益々厳しくなっており、これに伴ってより高度かつ緻密な機関冷却が求められている。ここで、より大型の可変容量オイルポンプを採用したり、潤滑オイルの噴出量を多段階に切替可能なオイルジェット機構を採用したりすることでこれに対処することが考えられるが、前者にはオイルポンプの作動応答性の点で、後者には噴出量変化の線形性の点で問題があり、ノッキング及びプレイグニッションを回避するうえでいずれも充分であるとはいい難いのが実状である。
以上に鑑み、本発明は、潤滑オイルによって機関内部を冷却する内燃機関において、所要の機関冷却効果に対する潤滑オイルの過不足を、筒内に直接噴射する燃料によって補い、的確な機関冷却効果を達成することを目的とする。
本発明に係る内燃機関は、筒内に燃料を直接噴射供給する燃料供給装置と、前記燃料供給装置の噴射動作を制御する燃料噴射制御装置と、ピストンの温度状態を検出する温度状態検出装置と、機関運転状態を検出する運転状態検出装置と、を含んで構成され、前記燃料噴射制御装置は、前記機関運転状態に応じた燃料噴射量を設定する燃料噴射量設定部と、噴射した燃料の噴霧貫徹力に関わる前記燃料供給装置の作動条件を、前記温度状態検出装置が検出した前記ピストンの温度状態に応じて設定する作動条件設定部と、前記燃料噴射量の燃料を設定作動条件下で噴射させる、前記燃料供給装置に対する制御指令を発生する制御指令発生部と、を含んで構成される。
本発明によれば、機関運転状態に応じた量の燃料が筒内に直接噴射されるとともに、燃料供給装置の作動条件の設定により、噴射燃料の貫徹力(噴霧貫徹力)がピストンの温度状態に応じて調整される。
本発明の一実施形態に係る内燃機関の構成図 同上内燃機関における混合気形成を概念的に示す説明図 燃料噴射分割回数と機関冷却効果との関係を示す説明図 燃料噴射時期と機関冷却効果との関係を示す説明図 燃料噴射圧力と機関冷却効果との関係を示す説明図 可変容量ポンプを採用した機関冷却装置の構成及びその動作を示す説明図 機関冷却要求の変化に対する可変容量オイルポンプの動作遅れを示す説明図 燃料噴射制御(多段噴射)の流れを示すフローチャート 燃料噴射制御(噴射時期変更)の流れを示すフローチャート 燃料噴射制御(噴射圧力変更)の流れを示すフローチャート 複数のオイルジェットを備える機関冷却装置の構成及びその動作を示す説明図 オイルジェット作動数の切替前後に生じるオイル噴出量の過不足を示す説明図 本発明の他の実施形態に係る内燃機関要部の構成図 同上実施形態に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の機能ブロック図 燃料機関冷却の禁止を概念的に示す説明図(低負荷低回転域における禁止) 燃料機関冷却の禁止を概念的に示す説明図(高負荷高回転域における禁止)
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関(筒内直噴機関であり、以下「エンジン」という)10の構成を示している。
図示しないエアクリーナによって粉塵等の異物が除去された空気は、スロットル弁12を通過した後、吸気マニホールド14において各気筒に分配され、吸気ポート16から対応する気筒の燃焼室18に流入する。シリンダブロックには気筒毎に燃料インジェクタ20が取り付けられており、燃料インジェクタ20によって筒内に燃料が直接噴射される。筒内に供給された燃料は、吸気ポート16を介して流入した空気との混合気を形成し、シリンダヘッドに取り付けられた点火プラグ22によって所定の点火時期に点火され、燃焼する。燃焼後の排気は、排気ポート24から排出され、排気マニホールド26において他の気筒からの排気と合流した後、図示しない触媒コンバータを通過して、大気中へ放出される。
本実施形態において、エンジン10に供給される燃料は、燃料タンク32から電動式の燃料供給ポンプ(燃料タンク32内に設置されている)によって吸い上げられ、高圧燃料ポンプ34によって高圧に圧縮された後、高圧燃料管36を介して燃料インジェクタ20に供給される。高圧燃料ポンプ34は、エンジン10のカムシャフトと機械的に接続されており、その回転動力を受けて作動する。例えば、ポンプシリンダ内を往復可能にプランジャを配設し、このプランジャをカムによって直接駆動するか、ベルト等の動力媒体を介して駆動する。燃料インジェクタ20の噴射圧力は、高圧燃料ポンプ34の吐出量によって決定される。エンジンコントロールユニット(以下「ECU」という)42から燃料インジェクタ20に燃料噴射制御信号が出力され、燃料インジェクタ20は、この信号が示す噴射時期に所定の噴射期間に亘って作動し、機関運転状態に見合う量の燃料を噴射する。
エンジン10内部(具体的には、ピストン28)の冷却は、ピストン28の下方においてその裏面に向けて設置されたオイルジェット52によってなされる。本実施形態では、可変容量型のオイルポンプ54が設けられ、この可変容量オイルポンプ54によって送出された潤滑オイルが、オイルジェット52からピストン裏面28bに噴き付けられる。
ECU42は、機関運転状態を示す種々の信号を入力し、燃料インジェクタ20及び可変容量オイルポンプ54に対して制御信号を出力する。本実施形態において、ECU42に入力される信号には、エアフローメータ62の吸入空気量検出信号、冷却水温度センサ64の冷却水温度検出信号、クランク角センサ66のクランク角検出信号等が含まれる。ECU42は、クランク角検出信号をもとにエンジン10の回転速度を算出することができる。
図2は、エンジン10における混合気形成を概念的に示している。
本実施形態において、燃料噴射は、先端が筒内に臨む燃料インジェクタ20によって吸気行程中の所定の噴射時期に行われる。燃料インジェクタ20によって噴射された燃料は、図中点線Aで示す吸入空気の流れを受けて拡散しつつ、噴射条件に応じて与えられる貫徹力(噴霧貫徹力)をもって筒内を移動し、噴射方向においてこの噴霧貫徹力に応じた距離にまで到達する。ここで、燃料インジェクタ20の噴射条件には、燃料インジェクタ20の噴射分割回数、噴射時期及び噴射圧力が含まれる。噴射分割回数及び噴射圧力は、噴霧貫徹力に関わる因子であり、定性的な傾向として、噴射分割回数が少ないほど噴霧に対して大きな貫徹力が与えられ、噴射圧力が大きいほど大きな噴霧貫徹力が得られる。
本実施形態では、機関内部の冷却として、先に述べたようにオイルジェット52からピストン裏面28bに潤滑オイルを噴き付けることによるほか、燃料インジェクタ20によって噴射した燃料の一部をピストン冠面28tに付着させ、この付着燃料の気化潜熱を利用して冷却する方法を採用する。具体的には、可変容量オイルポンプ54の吐出量変化には要求吐出量に対する遅れが存在するところ、本実施形態では、この動作遅れに起因する機関冷却効果の遅れを補うように、ピストン冠面28tに対する燃料付着量を調節する。
図3は、燃料噴射分割回数と燃料による機関冷却効果(以下「燃料冷却効果」という)との関係を示している。
燃料インジェクタ20の噴射分割回数とは、エンジン10に要求負荷を生じさせるのに必要な量の燃料を供給する際の、燃料インジェクタ20の駆動回数(換言すれば、電磁ソレノイドに対する通電回数)であり、基本噴射(1段噴射)では要求燃料量を1回の通電動作によって噴射し、2段噴射では2回の、3段噴射では3回の通電動作によって噴射する。先に述べたように噴射分割回数が少ないほど大きな噴霧貫徹力が得られ、他の噴射条件が一定であれば、多段噴射をしない、即ち1段噴射による場合に燃料インジェクタ20の噴口から最も遠い位置にまで燃料を到達させることができる。従って、噴射分割回数を変更することで、噴霧貫徹力を変化させ、ピストン冠面28tに対する燃料付着量を調節することができる。本実施形態に関する説明では、噴射分割回数が1である場合が1段噴射に相当するものとする。
図4は、燃料噴射時期と機関冷却効果との関係を示している。
本実施形態では、燃料噴射を吸気行程中の所定の噴射時期に行う。従って、他の噴射条件、即ち噴射分割回数及び次に述べる噴射圧力が一定であれば、ピストン28が上死点に近い位置にあるときほどより多くの量の燃料をピストン冠面28tに付着させ、より大きな燃料冷却効果を得ることができる。
図5は、燃料噴射圧力と機関冷却効果との関係を示している。
噴射分割回数が一定(例えば、1回)であれば、当然のことながら噴射圧力が高いときほど大きな噴霧貫徹力が得られ、より多くの量の燃料をピストン冠面28tに付着させ、燃料冷却効果を高めることが可能である。噴射圧力によらず、エンジン10に対して機関運転状態に応じた一定の量の燃料を供給する必要があることから、本実施形態では、噴射圧力によらず噴射終了時期をクランク角に関して一定とし、噴射圧力の増分に対して噴射期間(電磁ソレノイドに対する通電期間)を短縮する。
図6は、本実施形態に係る機関冷却装置の構成を示している。
本実施形態では、可変容量型の機関駆動オイルポンプ54を採用し、この可変容量オイルポンプ54によって加圧した潤滑オイルを、1つのオイルジェット52を介してピストン裏面28bに噴き付ける。可変容量オイルポンプ54は、エンジン10の運転状態が高負荷かつ高回転側の領域にあるときほどオイル吐出量を増大させ、オイルジェット52を介してより多くの量の潤滑オイルを噴き付けることができる。
図7は、機関冷却要求の変化に対する可変容量オイルポンプ54の動作遅れを示している。
可変容量オイルポンプ54は、その容量の大きさのため、機関運転状態に応じた冷却要求を達成するための要求吐出量の変化に対して実際のオイル吐出量に遅れが生じ、オイルジェット52からのオイル噴出量Qactにおいて、要求噴出量Qreqの変化に対する遅れが生じる。図7は、時刻t0に生じたオイル噴出量の増加要求に対して実際のオイル噴出量Qactに遅れ(=t1−t0)が存在し、潤滑オイルによる機関冷却効果が一時的に不足することを示すとともに、時刻t2に生じたオイル噴出量の減少要求に対して実際のオイル噴出量Qactに遅れ(=t3−t2)が存在し、潤滑オイルによる機関冷却効果が一時的に超過することを示している。機関冷却効果が不足すれば、筒内温度の過度な上昇を招き、異常燃焼(例えば、ノッキング及びプレイグニッション)の原因となる一方、機関冷却効果が超過すれば、過剰冷却によって筒内温度が低下し、燃料の気化が阻害されて、失火の原因となり得る。
本実施形態では、可変容量オイルポンプ54の動作遅れに起因して生じる、潤滑オイルによる機関冷却効果の過不足を、ピストン冠面28tに対する燃料付着量の調節によって相殺し、全体として的確な機関冷却効果を達成する。
図8は、本実施形態に係る燃料噴射制御の流れを示すフローチャートである。
本実施形態では、潤滑オイルによる機関冷却効果の過不足を、噴射分割回数の変更によって相殺する。
S102では、要求オイル噴出量Qreqを読み込む。要求オイル噴出量Qreqは、エンジン10の要求負荷及び回転速度をもとに算出することができる。具体的には、機関運転状態に応じたピストン冠面28tの温度を推定し、ピストン冠面28tを所定の温度状態に維持するのに必要な潤滑オイルの供給量を、要求オイル噴出量Qreqとして算出する。
S104では、実オイル噴出量Qactを算出する。実オイル噴出量Qactの算出は、可変容量オイルポンプ54の実際の作動状態(例えば、駆動ディーティ又はポンプ回転数)をもとに行うことができる。
S106では、オイル噴出量差分DQを算出する。オイル噴出量差分DQは、要求オイル噴出量に対する実オイル噴出量の過不足分の絶対値(=|Qreq−Qact|)に相当する。
S108では、算出したオイル噴出量差分DQが所定の値DQ1以上であるか否かを判定する。所定の値DQ1以上である場合は、S110へ進み、それ以外の場合は、S116へ進む。
S110では、実オイル噴出量Qactが要求オイル噴出量Qreqに対して不足しているか否かを判定する。不足している場合は、S112へ進み、超過している場合は、S114へ進む。
S112では、実オイル噴射量Qactの不足分に応じた噴射分割回数の減少代を算出する。不足分が大きいときほどこの減少代を大きくする。具体的には、オイル噴出量差分DQ及び潤滑オイル温度(若しくは冷却水温度)をもとにピストン冠面28tに対する要求燃料付着量を算出し、機関運転状態に応じた燃料噴射量のもとで要求燃料付着量を達成するための噴射分割回数の減少代を算出する。例えば、燃料噴射量に対して設定される通常の噴射分割回数が3である場合(3段噴射の場合)に、要求燃料付着量に応じて噴射分割回数の減少代を1又は2に設定する。これにより、燃料インジェクタ20によって噴射された燃料の貫徹力を増大させ、ピストン冠面28tに対する燃料付着量を増大させることができる。
S114では、実オイル噴射量Qactの超過分に応じた燃料インジェクタ20の噴射分割回数の増加代を算出する。超過分が大きいときほどこの増加代を大きくする。先の不足冷却時の場合と同様に、オイル噴出量差分DQ等をもとに要求燃料付着量を算出し、現在の機関運転状態のもとでこれを達成するための噴射分割回数の増加代を算出する。例えば、通常の噴射分割回数が1である場合(基本噴射の場合)に、要求燃料付着量に応じて噴射分割回数の増加代を1又は2に設定する。これにより、多段噴射への切替えによって噴射燃料の貫徹力を低下させ、ピストン冠面28tに対する燃料付着量を減少させることができる。
S116では、噴射分割要求回数を読み込む。噴射分割要求回数は、エンジンの要求負荷及び回転速度等をもとに求められる燃料噴射量に対して設定される、通常の噴射分割回数である。
S118では、噴射分割回数の変更要求があるか否かを判定する。先に述べた噴射分割回数の減少代又は増加代が設定されている場合は、変更要求があるとしてS120へ進み、それ以外の場合は、S122へ進む。
S120では、噴射分割回数を変更する。例えば、実オイル噴射量Qactの不足に対して機関冷却効果を補う場合は、噴射分割回数をその分だけ減少させる。これにより、より大きな噴霧貫徹力が得られ、ピストン冠面28tに対する燃料付着量を増大させて、潤滑オイルによる機関冷却効果の不足分を補うことができる。
S122では、燃料インジェクタ20の噴射パルスを設定し、噴射分割回数の含む所定の噴射条件のもとで燃料噴射を実行する。
このように、本実施形態によれば、潤滑オイルによる機関冷却効果に過不足が生じた場合に、噴射分割回数を増減変更して、噴射燃料の貫徹力(噴霧貫徹力)を調整したことで、機関冷却効果の過不足を補い得るだけの量の燃料をピストン冠面28tに付着させ、その気化潜熱によってピストン28を冷却することができる。従って、潤滑オイルによる機関冷却と燃料機関冷却との併用により、全体として的確な機関冷却効果を達成することができる。
図9は、燃料噴射制御の第1変更例の流れを示すフローチャートである。図8に示す例と同様の処理を行うステップには図8におけると同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
第1変更例では、潤滑オイルによる機関冷却効果の過不足を、燃料噴射時期の変更によって相殺する。
S110で実オイル噴出量Qactが要求オイル噴出量Qreqに対して不足していると判定した場合に、S212では、実オイル噴出量Qactの不足分に応じて噴射時期の進角代を算出する。不足分が大きいときほどこの進角代を大きくし、燃料インジェクタ20に対してピストン28がより近くにある時期に燃料噴射を行うようにする。具体的には、オイル噴出量差分DQ及び潤滑オイル温度(若しくは冷却水温度)をもとにピストン冠面28tに対する要求燃料付着量を算出し、機関運転状態に応じた燃料噴射量のもとで要求燃料付着量を達成するための噴射時期の進角代を算出する。ここで、それに限定するものではないが、本実施形態では、実オイル噴出量Qactが超過している場合に、S110からS216へ処理を進め、噴射時期の変更を行わないこととする。噴射時期を遅角させた結果、噴射期間が圧縮行程にまで差し掛かるようになると、過剰冷却による影響よりも、寧ろ燃料と空気との混合不良による排気の悪化が懸念されるからである。
S216では、噴射時期を読み込む。噴射時期は、エンジン10の要求負荷及び回転速度等の機関運転状態に応じて設定することができる。
S218では、噴射時期の変更要求があるか否かを判定する。先に述べた噴射時期の進角代が設定されている場合は、変更要求があるとしてS220へ進み、それ以外の場合は、S112へ進む。
S220では、噴射時期を変更する。例えば、実オイル噴射量Qactの不足に対して機関冷却効果を補う場合は、噴射時期をその分だけ進角させる。これにより、燃料インジェクタ20に対してピストン20がより近い位置にある時期に燃料が噴射されることになり、ピストン冠面28tに対する燃料付着量を増大させて、潤滑オイルによる機関冷却効果の不足分を補うことができる。
図10は、燃料噴射制御の第2変更例の流れを示すフローチャートである。図8に示す例と同様の処理を行うステップには図8におけると同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
第2変更例では、潤滑オイルによる機関冷却効果の過不足を、燃料噴射圧力の変更によって相殺する。
S110で実オイル噴出量Qactが要求オイル噴出量Qreqに対して不足していると判定した場合に、S312では、実オイル噴出量Qactの不足分に応じて噴射圧力の増大代を算出する。不足分が大きいときほどこの増大代を大きくし、燃料インジェクタ20によって噴射された燃料の貫徹力を増大させて、ピストン冠面28tに対する燃料付着量を増加させる。具体的には、オイル噴出量差分DQ及び潤滑オイル温度(若しくは冷却水温度)をもとにピストン冠面28tに対する要求燃料付着量を算出し、機関運転状態に応じた燃料噴射量のもとで要求燃料付着量を達成するための噴射圧力の増大代を算出する。
S314では、実オイル噴出量Qactの超過分に応じた噴射圧力の減少代を算出する。超過分が大きいときほどこの減少幅を大きくし、噴射燃料の貫徹力を低減させて、ピストン冠面28tに対する燃料付着量を減少させる。オイル噴出量差分DQ等をもとに要求燃料付着量を算出し、現在の機関運転状態のもとでこれを達成するための噴射圧力の減少代を算出する。
S316では、要求噴射圧力を読み込む。要求噴射圧力は、機関運転状態に応じた量の燃料を噴射するために求められる、通常の噴射圧力である。
S318では、噴射圧力の変更要求があるか否かを判定する。噴射圧力の増大代又は減少代が設定されている場合は、変更要求があるとしてS320へ進み、それ以外の場合は、S112へ進む。
S320では、噴射圧力を変更する。例えば、実オイル噴出量Qactの不足に対して機関冷却効果を補う場合は、噴射圧力をその分だけ増大させ、これに伴い、燃料噴射量自体に変動を来さないように噴射期間(噴射パルス幅)を短縮する。これにより、噴霧貫徹力を増大させ、ピストン冠面28tに対する燃料付着量を増大させて、潤滑オイルによる機関冷却効果の不足分を補うことができる。
図11は、機関冷却装置の変更例の構成を示している。
先の例(図6)では、オイルジェット52の数を1つのみとしたが、この変更例では、可変容量オイルポンプ54を採用する一方、オイルジェット52a〜52cの数を3つとし、各オイルジェット52a〜52cの噴出開始圧力を段階的に異ならせて設定している。第1オイルジェット52aが最も低い圧力で作動し、潤滑オイルの供給を開始する一方、第2オイルジェット52bはこれよりも高い圧力で、第3オイルジェット52cは更に高い圧力で作動し、潤滑オイルの供給を開始する。
図12は、オイルジェット作動数の切替前後で生じる実オイル噴出量Qactの過不足を示している。
噴出開始圧力の異なる複数のオイルジェット52a〜52cを設置し、ポンプ吐出量に応じて実際に潤滑オイルを噴出するオイルジェットの数が切り替わるようにすることで、1つのオイルジェット52のみを採用する図7の場合と比較して、要求噴出量Qreqの変化に対する実オイル噴出量Qactの遅れを縮小することができる。しかし、実オイル噴出量Qactの変化が段階的となることから、オイルジェット作動数の切替えに際してその前後で要求噴出量Qreqに対して実オイル噴出量Qactに過不足が生じ、機関冷却効果に一時的な過不足が生じるのを避けることまではできない。オイルジェットの数を更に増やすことで、実オイル噴出量Qactの変化をより線形に近付けることはできるが、その分製造コストがかさむこととなる。
そこで、オイルジェット作動数が切り替わる際に、その切替前後で機関冷却効果に生じる過不足を、ピストン冠面28tに対する燃料付着量を調節することによって相殺し、機関冷却効果を維持しつつ、オイルジェットの数を削減することを可能とする。燃料付着量の調節に用いる方法は、先に図8〜10に示したいずれの方法であってもよい。例えば、オイルジェット作動数が切り替わる時刻t1直前に生じる実オイル噴出量Qactの不足分−δqsに対し、噴射分割回数を減少させることで噴霧貫徹力を増大させ、不足分を補い得るだけの量の燃料をピストン冠面28tに付着させる。そして、オイルジェット作動数の切替直後に生じる実オイル噴出量Qactの超過分+δqsに対し、噴射分割回数を増大させることで噴霧貫徹力を低減させ、燃料付着量を減少させて、超過分を相殺する。
図13は、本発明の他の実施形態に係る内燃機関(筒内直噴機関であり、以下「エンジン」という)100要部の構成を示している。
本実施形態では、筒内に燃料を直接噴射する第1燃料インジェクタ20に加え、シリンダヘッドに取り付けられ、吸気通路内で吸気ポート16に向けて燃料を噴射する第2燃料インジェクタ72が設けられる。第2燃料インジェクタ72によって噴射された燃料と比較して、第1燃料インジェクタ20によって噴射される燃料のピストン冠面28tに対する付着量が多いことから、機関運転状態に応じた燃料噴射量における、第1及び第2燃料インジェクタ20,72間における噴射量配分率Rを変化させることで、潤滑オイルによる機関冷却効果の過不足を相殺する。
図14は、本実施形態に係るエンジン100に備わる燃料噴射制御装置の構成を機能ブロックによって示している。本実施形態において、燃料噴射制御装置は、独立の装置として備わるものではなく、ECU42が有する機能の一部として実現される。
エンジン100の要求負荷(本実施形態では、これを示す指標として吸入空気量Qairを採用する)及び回転速度をもとに、機関運転状態に応じた要求出力を発生させるための燃料噴射量を算出する。算出した燃料噴射量を、噴射量配分率Rに応じて吸気通路内噴射量(MPI噴射量)と筒内噴射量(DI噴射量)とに配分する。噴射量配分率Rは、オイル噴射量差分DQに応じて補正され、オイルジェット52からのオイル噴出量(実オイル噴出量Qact)が不足している不足冷却時では、DI噴射量の配分率Rdiが増大補正され、実オイル噴出量Qactが過剰な過剰冷却時では、MPI噴射量の配分率Rmpiが増大補正される。オイル噴出量差分DQの算出は、先に図8〜10に示したS102〜106と同様の処理によって行うことができる。MPI噴射量は、無効噴射分が加算された後、これに応じた幅のパルス信号に換算され、第2燃料インジェクタ72の噴射パルスとして設定される。これに対し、DI噴射量は、噴射期間に関する補正がなされるとともに、噴射分割回数が設定された後、無効噴射分が加算され、更にこれに応じた幅のパルス信号に換算されて、第1燃料インジェクタ20の噴射パルスとして設定される。噴射期間に関する補正は、高圧燃料管36内の圧力Poilをもとに行われ、噴射分割回数の設定には、図8に示すS110〜120と同様の処理によって算出した噴射分割回数の変更代が反映される。即ち潤滑オイルによる機関冷却効果が不足している場合に、DI噴射量に対して設定される通常の噴射分割回数に対し、その不足分に応じた減少変更がなされる。同様に、噴射パルスの設定では、図9に示すS212と同様の処理によって算出した噴射時期の進角代が反映され、潤滑オイルによる機関冷却効果が不足している場合に、噴射時期に対して進角補正がなされる。その一方で、オイル噴射量差分DQに応じて高圧燃料ポンプ34の吐出量が変更され、潤滑オイルによる機関冷却効果が不足している場合にこのポンプ吐出量を増大させて、第1燃料インジェクタ20の噴射圧力を増大させる。第1燃料インジェククタ20は、DI噴射量の燃料を吸気行程中に噴射し、第2インジェクタ72は、MPI噴射量の燃料を排気行程中に噴射する。
以上の説明に加え、燃料による機関冷却(燃料機関冷却)を禁止する制御を導入してもよい。
図15は、燃料機関冷却の禁止を概念的に示す説明図であり、低負荷低回転域において禁止する場合の例を示している。
機関運転状態によっては噴射分割回数を減少させることができない場合もある。例えば、図中符号Aで示す低負荷低回転域では、冷態始動後に暖機を促進させる必要があるが、そのような状況下で噴射分割回数を減少させたとすれば、噴霧貫徹力の増大によってピストン冠面28tに対する燃料付着量は増大するが、この付着燃料の気化が進まず、排気に悪影響を及ぼすばかりでなく、暖機の促進も阻害されるからである。これに対し、暖機が完了し、ピストン冠面28tからの燃料の気化が充分に期待し得るようになれば、噴射分割回数の減少によって燃料機関冷却を実現することができる。
図16は、高負荷高回転域において燃料機関冷却を禁止する場合の例を概念的に示している。
高負荷高回転域Bでは、機関運転状態に対して必要な量の燃料を供給するために吸気行程全体に亘って燃料噴射を実施するので(図16(b)下側の図)、多段噴射自体の実施を禁止する。排気行程での燃料噴射は、バルブオーバーラップによって未燃燃料が排気通路に流出し、排気性状が悪化する可能性があるため、噴射期間の延長は、圧縮行程側に行うこととなる。ここで、噴射期間全体の延長によって圧縮行程に差し掛かってもなお燃料噴射を継続させたとすれば、圧縮行程中に噴射した燃料と空気との混合を充分に促進させることができず、未燃燃料成分の排出量を増大させ得るからである。これに対し、同量の燃料噴射量であってもより低回転側に属する領域Cにあっては多段噴射を行うだけの時間が確保されるので(同図(b)上側の図)、燃料機関冷却を実施することができる。
10,100…エンジン、12スロットル弁、14吸気マニホールド、16吸気ポート、18燃焼室、20燃料インジェクタ(第1燃料インジェクタ)、22点火プラグ、24排気ポート26排気マニホールド、28ピストン、28tピストン冠面、28bピストン裏面、32燃料タンク、34高圧燃料ポンプ、36高圧燃料管、42エンジンコントロールユニット、52,52a〜52cオイルジェット、54可変容量オイルポンプ、62冷却水温度センサ、64クランク角センサ、72第2燃料インジェクタ。

Claims (3)

  1. 筒内に燃料を直接噴射供給する燃料供給装置と、
    前記燃料供給装置の噴射動作を制御する燃料噴射制御装置と、
    ピストンの温度状態を検出する温度状態検出装置と、
    機関運転状態を検出する運転状態検出装置と、
    を含んで構成され、
    前記燃料噴射制御装置は、
    前記機関運転状態に応じた燃料噴射量を設定する燃料噴射量設定部と、
    噴射した燃料の噴霧貫徹力に関わる前記燃料供給装置の作動条件を、前記温度状態検出装置が検出した前記ピストンの温度状態に応じて設定する作動条件設定部と、
    前記燃料噴射量の燃料を設定作動条件下で噴射させる、前記燃料供給装置に対する制御指令を発生する制御指令発生部と、
    を含んで構成される、内燃機関。
  2. 潤滑オイルによって前記ピストンを冷却する機関冷却装置を更に含んで構成され、
    前記作動条件設定部は、前記潤滑オイルによる機関冷却効果の不足に対して前記噴霧貫徹力を増大させるように、前記作動条件を設定する、請求項1に記載の内燃機関。
  3. 筒内に燃料を直接噴射する燃料インジェクタを少なくとも備える燃料供給装置と、
    前記燃料供給装置の噴射動作を制御する燃料噴射制御装置と、
    ピストンの温度状態を検出する温度状態検出装置と、
    機関運転状態を検出する運転状態検出装置と、
    を含んで構成され、
    前記燃料噴射制御装置は、
    前記機関運転状態に応じた燃料噴射量を設定する燃料噴射量設定部と、
    前記温度状態検出装置が検出した前記ピストンの温度状態に応じて前記燃料供給装置の作動条件を設定し、前記燃料インジェクタによって噴射した燃料のピストン冠面に対する付着量を増減させる作動条件設定部と、
    前記燃料噴射量の燃料を設定作動条件下で噴射させる、前記燃料供給装置に対する制御指令を発生する制御指令発生部と、
    を含んで構成される、内燃機関。
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