JP2014015898A - 内燃機関及び内燃機関の制御方法 - Google Patents

内燃機関及び内燃機関の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ピストン冷却用のオイルジェット機構と減筒運転システムを備えた内燃機関において、減筒運転時に、休止した気筒群のピストンへの冷却用のオイルの供給を停止して、ピストンの必要以上の冷却を回避できて、気筒内の燃焼状況の悪化を防止しつつ、オイルポンプのフリクションを低減して、エンジンの燃費性能を改善することができる内燃機関及び内燃機関の制御方法を提供する。
【解決手段】オイルジェット機構15を、減筒運転時に休止した気筒群に対して冷却用のオイルの供給を停止するように構成すると共に、オイルポンプ14を可変容量ポンプで構成して、減筒運転時には、オイルジェット機構15における制御を休止した気筒群に対して冷却用のオイルの供給を停止する制御とすると共に、オイルポンプ14における制御を休止した気筒群に対する冷却用のオイルの供給量分を減量する制御とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の気筒のピストンにオイルポンプで昇圧したオイルを供給してピストンを冷却するオイルジェット機構と、予め設定した気筒群の排気バルブ及び吸気バルブの開閉を休止する減筒用バルブ休止機構を備えた内燃機関及び内燃機関の制御方法に関する。
現在、内燃機関を使用する自動車エンジンや産業用エンジン等に対する排ガス規制は年々厳しくなっている。これに加えて、近年は、世界的な地球温暖化対策の一つとして、厳しい燃費規制の導入も検討されている。各自動車メーカは、これらの規制に対応するために、エンジン性能であるエンジン排ガス及びエンジン燃費の改善のための様々なデバイスに関する研究及び開発を進めてきている。
内燃機関には、使用する燃料の違いにより大きく分けると、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンがある。近年、ディーゼルエンジンにおいては高圧噴射や高過給等のデバイスの研究及び開発が急速に進んだ。しかし、燃費の改善についてはガソリンエンジンに比べ研究が遅れている。この背景としては、ガソリンエンジンはディーゼルエンジンに比べて熱効率が低いことにより燃費が悪いということがあり、ガソリンエンジンにおいては、これを改善するために熱効率向上の研究及び様々なデバイスの開発が急速に進んだ。この内容としては、燃焼改善のためには吸気排気バルブ機構の可変化が行われ、エンジンのフリクション低減のためには、エンジン本体のフリクション低減化と、これに加えて、各補助装置の可変化によるエンジンのフリクションの低減化が行われており、多岐にわたる。
これに対し、近年、ディーゼルエンジンでも、高圧噴射や高過給などのデバイスの研究及び開発により、排ガス及び燃費等のエンジン性能の改善が急速に進んでいる。しかしながら、ガソリンエンジンとの燃費差は縮まる一方であり、また、厳しい排ガス規制に加えて燃費規制も導入されることからも、ディーゼルエンジンの燃費を改善する研究及び開発が必要となっている。
このディーゼルエンジンの燃費を改善する方法として、大きく二種類の取り組み方がある。その一つはエンジン本体及び補機のフリクションを低減させ、エンジン燃費を改善する方法である。このエンジン本体及びエンジン補機のフリクションの低減はガソリンエンジンでは既に積極的に行われているが、同じデバイスをそのままディーゼルエンジンに導入することで、必ずしも、同様の効果を得られるとは限らない。
このエンジンのフリクションには様々なものがあるが、それらの中でも多くを占めているのがエンジンのポンピングフリクション(ポンピングロス:ポンピング損失)である。このエンジンのポンピングフリクションの低減を行って燃費の改善を図るものとして、既にガソリンエンジンの一部の車両では吸気排気バルブを停止する減筒運転システムが採用されている。この減筒運転システムとは、エンジンの吸気排気バルブを停止させて、エンジンのポンピングロスを低減させることにより、エンジンの燃費改善を狙ったシステムである。
このエンジンのポンピングフリクションについて説明すると、エンジンの図示仕事は一般的に「P−V線図」で示されるが、この「P−V線図」では、エンジン筒内の圧力を、横軸にエンジン筒内容積(cm3)、縦軸にエンジン筒内圧力(MPa)で示している。エンジンのポンピングフリクションは、この「P−V線図」の下側にある領域のことであり、この領域の面積が損失仕事量を示している。つまり、エンジン燃焼後にピストンが上昇して排気バルブが開き、エンジン筒内の排気ガスを押し出す排気行程と、ピストンが下降し吸気バルブを開いてエンジン筒内に新しい空気を導入する吸気行程中に、エンジンが発生するフリクションのことである。
このポンピングフリクションはガソリンエンジンでもディーゼルエンジンでも同様に発生するが、ガソリンエンジンの場合には、ディーゼルエンジンとは異なり、燃料と空気量の混合比を一定にさせる必要がある。このため、ガソリンエンジンでは吸気ラインに吸気スロットルバルブを設ける必要があり、この影響でディーゼルエンジンに比べてポンピングフリクションが大きい。
しかし、近年のガソリンエンジンには吸気バルブの作動量を変化させることで燃料と空気量の混合比を調整させ、この吸気スロットルバルブを取り外す傾向が見られる。これにより、近年ではガソリンエンジンとディーゼルエンジンのポンピングフリクションは近づいている。
更に、この減筒運転システムでは、これらのエンジンの吸気排気バルブを停止させることで、上記の「P−V線図」上で線は略一本線となり、「P−V線図」のポンピングフリクションを示す面積はほぼゼロとなる。そのため、エンジンの燃費を大きく改善することが可能となる。この減筒運転におけるエンジンの吸気排気バルブの停止方法は、既に様々な提案がなされ、電磁バルブを使用する例や、ロッカーアームを二分割し、連結しているピンを油圧などでスライドさせバルブロストモーションをさせる構造などがある。これらは、ガソリンエンジンの一部では既に量産採用されている。
しかしながら、ディーゼルエンジンではこれらの量産採用例は見られない。その理由は過給量の大幅な減少である。ディーゼルエンジンはガソリンエンジンと異なり、エンジンに投入した燃料が必要とする理論空気量に対し、大幅な空気過剰率を確保しないとエンジンの燃焼は悪化する。このため、今日のディーゼルエンジンではターボ過給を行うのが一般となっている。そのため、ディーゼルエンジンに減筒運転システムを採用した場合には、ポンピングフリクションは大幅に低減するが、逆に、排気ガスの流量が大幅に減少することでターボ式過給器の作動点がずれ、その結果、ターボ式過給器が十分な仕事をすることができずにエンジンの過給量が落ち込んでしまう。これにより、エンジンの燃焼が悪化し、総合的な燃費エンジン性能として逆にエンジンの燃費を悪化させる場合も生じる。
この過給量の大幅な減少(落ち込み)についてより詳細に説明すると、今日のディーゼルエンジンに一般的に使用されている過給器は排気エネルギーを利用して作動するターボ式過給器であり、過給量の大幅な減少は、このターボ式過給器の作動領域が大幅に変わってしまうことによるものである。減筒運転の停止気筒はエンジン減筒時の振動増加の影響から、通常4気筒の場合は2気筒を休止、6気筒の場合は3気筒を休止するのが一般的である。例えば、ターボ式過給器が十分に作動していない軽負荷でエンジンの半分の減筒を行うと、エンジンの排ガス流量も約半分となり、ターボマップ上大きく左へシフトする。これを実際に横軸にガス流量、縦軸にターボ入口出口の圧力比で示されたターボコンプレッサーマップ上で考えると、一番下で且つ左端の位置でターボ式過給器として作動しない領域に突入する。従って、この状態から少し燃料を増加してエンジン負荷を上げても、ターボ式過給器による十分な過給が得られずにエンジンの燃費改善を図ることができない。
これを改善するために、内燃機関のディーゼルエンジンに一つ又は複数のターボ式過給器を有するエンジンに、バルブ休止機構を持った減筒システムを組み合わせた場合に、過給量の低下によりエンジン性能のエンジン排ガス性能を悪化させ、更に、目的であるエンジン燃費改善の効果も十分に得られないという問題が発生するが、この問題に対して、本発明者は、この減筒システムに最適化させた過給システムを特願2012−028787、特願2012−104900等で提案し、これらの総合システムにより、内燃機関のディーゼルエンジンにおいてエンジン排ガス及びエンジンの燃費性能の改善が得られるようにしている。
近年、エンジンの低燃費化を狙いダウンサイジング化が、更に、高出力化を狙い高過給化が進み、その結果として、エンジン負荷が増大し、これに伴ってピストン温度が上昇する傾向にあり、エンジンピストンの焼き付きが発生し易くなっている。この対策として近年エンジンにはピストン冷却用にオイル(潤滑油)を噴射してピストンを冷却するためのオイルジェットを備えることが主流となっている。しかし、オイルジェットのオイル流量はエンジンオイルポンプが発生する仕事(オイル圧力と流量)に対して非常に大きなウェイトを占めており、これによりエンジンフリクションが増加するのでエンジン燃費悪化の要因となっている。
一方、減筒運転システムは、一部の気筒の燃料噴射及び吸気排気バルブを停止し、当該ピストンの燃焼を停止するシステムであり、この状態ではピストン温度は低く、オイルジェットからオイルを噴射してピストンを冷却する必要がない。それ以上に、場合によっては、このオイルジェットによってピストン温度を不必要に冷却することで、エンジンフリクションを増加させ、減筒時のエンジン燃費の悪化をもたらす状態も発生する。従って、この減筒運転中に減筒気筒のオイルジェットを停止することは当該システムのエンジン性能、特に排ガス性能の向上と燃費の低減に有効な技術となる。
これに関連して、内燃機関に減筒運転が可能なシステムを備え、各シリンダのピストンの裏面に向けてオイル(潤滑油)を噴射してピストンを冷却する可変気筒内燃機関(減筒システム内燃機関)において、休筒運転における休止気筒へのピストンの温度低下を抑制することにより、休止状態から稼働状態に復帰したシリンダでの燃焼性の向上を図るために、エンジン休止(減筒)運転中、休止気筒へのオイルジェットを減量又は停止することで、休止しているシリンダのピストンの冷却を防止し、休止運転から全筒運転への移行時に休止気筒のピストンの温度上昇を速やかに行うことができる可変気筒内燃機関が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この可変気筒内燃機関のオイルジェットでは、オイルパンに溜められたオイルをオイルポンプでオイルジェットに導いてオイル噴出を行っているが、このオイル噴射に際して、高いオイル圧力を必要としないように、オイルの噴射口の形状をある有効面積をパイプ出口に確保したノズル形状にして、エンジンのオイルを排出し易くしている。
言い換えれば、このオイルジェットからのオイル噴射を停止すると、オイル噴射量即ちオイルポンプから吐出されるオイルの使用量が減少することになり、エンジン全体のオイル圧力は増加し、エンジンオイルポンプの仕事量及びエンジンフリクションが増加する。その結果として、この減筒運転システムとオイルによるピストン冷却システムによるエンジンの燃費の改善効果を得ることはできないばかりか、逆にエンジンの燃費を悪化させる可能性がある。
特開2006−144757号公報
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、ピストン冷却用のオイルジェット機構と減筒運転システムを備えた内燃機関において、減筒運転時に、休止した気筒群のピストンへの冷却用のオイルの供給を停止して、ピストンの必要以上の冷却を回避できて、気筒内の燃焼状況の悪化を防止しつつ、オイルポンプのフリクションを低減して、エンジンの燃費性能を改善することができる内燃機関及び内燃機関の制御方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の内燃機関は、内燃機関の気筒のピストンにオイルポンプで昇圧したオイルを供給して前記ピストンを冷却するオイルジェット機構と、予め設定した気筒群の排気バルブ及び吸気バルブの開閉を休止する減筒用バルブ休止機構を備えた内燃機関において、前記オイルジェット機構を、減筒運転時に休止した気筒群に対して冷却用の前記オイルの供給を停止するように構成すると共に、前記オイルポンプを可変容量ポンプで構成して、減筒運転時には、前記オイルジェット機構における制御を前記休止した気筒群に対して冷却用の前記オイルの供給を停止する制御とすると共に、前記オイルポンプにおける制御を前記休止した気筒群に対する冷却用の前記オイルの供給量分を減量する制御とするように構成される。
この構成によれば、減筒運転システムにより、減筒運転時には、予め設定した気筒群の吸気バルブと排気バルブを停止して、エンジンのポンピングフリクションの低減を行い、燃費改善を図ることができる。また、オイルジェット機構により気筒(シリンダ)のピストンを冷却できると共に、減筒運転時には、休止した気筒群のピストンへのオイル供給を停止するので、オイルジェット噴射によるオイルミストやピストンの必要以上の冷却を回避できて、気筒内の燃焼状況の悪化を防止できる。更に、減筒運転時には休止した気筒群に対する冷却用のオイルの供給量分を減量することで、オイルポンプの供給量と吐出圧力を最適な範囲に維持して、オイルポンプを最適な仕事量で運転することができるので、エンジン燃費性能を改善できる。
また、上記の目的を達成するための本発明の内燃機関の制御方法は、内燃機関の気筒のピストンにオイルポンプで昇圧したオイルを供給して前記ピストンを冷却するオイルジェット機構と、予め設定した気筒群の排気バルブ及び吸気バルブの開閉を休止する減筒用バルブ休止機構を備えた内燃機関の制御方法において、前記オイルジェット機構における制御を、減筒運転時には休止した気筒群に対して冷却用の前記オイルの供給を停止する制御とすると共に、可変容量ポンプで構成された前記オイルポンプにおける制御を、減筒運転時には前記休止した気筒群に対する冷却用の前記オイルの供給量分を減量する制御とすることを特徴とする方法である。
この方法によれば、減筒運転システムにより、減筒運転時には、予め設定した気筒群の吸気バルブと排気バルブを停止して、エンジンのポンピングフリクションの低減を行い、燃費改善を図ることができる。また、オイルジェット機構により気筒のピストンを冷却できると共に、減筒運転時には、休止した気筒群のピストンへのオイル供給を停止するので、ピストンの必要以上の冷却を回避できて、気筒内の燃焼状況の悪化を防止できる。更に、減筒運転時には休止した気筒群に対する冷却用のオイルの供給量分を減量することで、オイルポンプの供給量と吐出圧力を最適な範囲に維持して、オイルポンプを最適な仕事量で運転することができるので、エンジン燃費性能を改善できる。
つまり、内燃機関であるエンジンの燃費を向上させるため、排気バルブと吸気バルブに可変システムのデバイスを備え、このデバイスの作動により、予め設定された気筒群における排気バルブと吸気バルブの停止と更に当該気筒群への燃料噴射の停止により、予め設定した任意の気筒群でエンジンの減筒運転を行い、ベースエンジンに対してエンジンの燃費の改善を図る減筒運転システムと、この基本ベースとなるシステムに、エンジン減筒運転時に休止気筒群への冷却用のオイルジェットを停止するオイルジェット機構を備え、この状態において、エンジンのオイルポンプが最適な仕事量をするように、オイルの吐出量を可変(低減)できるポンプで構成し、これらのエンジンに組み込んだ各デバイスを統合的かつ効率的に制御する構成を構築したことで、エンジン燃費性能の改善が可能となる。
本発明に係る内燃機関及び内燃機関の制御方法によれば、減筒運転システムとオイルジェット機構を備えた内燃機関において、減筒運転時には、休止した気筒群のピストンへのオイル供給を停止して、ピストンの必要以上の冷却を回避して、気筒内の燃焼状況の悪化を防止しつつ、休止した気筒群に対する冷却用のオイルの供給量分を減量することで、オイルポンプの供給量と吐出圧力を最適な範囲に維持して、オイルポンプを最適な仕事量で運転することができ、エンジンの燃費性能を改善することができる。
本発明の実施の形態のディーゼルエンジンの構成を示した図である。 エンジン回転数と燃料量をパラメータとしたブースト圧の基本マップの一例を示す図である。 エンジン回転数とエンジン出力をパラメータとした全筒運転の領域と減筒運転の領域と減筒運転の非作動領域の一例を示す図である。
以下、本発明に係る実施の形態の内燃機関と内燃機関の制御方法について、図面を参照しながら説明する。ここでは、内燃機関が車両搭載のディーゼルエンジンである場合について説明しているが、本発明は、車両搭載のディーゼルエンジンのみならず、産業用や発電用のディーゼルエンジン全般において適用できる。
図1に示す本発明に係る実施の形態の内燃機関(以下エンジンという)1は、エンジン本体11に燃料噴射ノズル12を備えている。この燃料噴射ノズル12は、例えば、ディーゼルエンジンでは、ディーゼル用噴射ノズルであり、ガソリンエンジンではガソリン用インジェクターである。この燃料噴射ノズル12には、それぞれの燃料噴射ノズル12で噴射される燃料量を把握するために燃料噴射量センサ21を設ける。
更に、エンジン制御に使用するエンジン回転数センサ22を備える。このセンサ22も燃料噴射同様にエンジン制御に基本マップ軸として使用する重要且つ一般的なセンサである。なお、その他のセンサでエンジン基本制御には重要なアイテムもあるがここでは説明を省略する。
そして、エンジン1には、エンジン1の運転全般を制御するECU(エンジンコントロールユニット)と呼ばれる制御装置20が設けられている。この制御装置20は、エンジン1の吸気空気の流量を計測する吸気量センサ(MAFセンサ)、エンジン吸気圧力を計測するブースト圧センサ、燃料のフィードバック制御用に実噴射量を計測する燃料噴射量センサ21、エンジン回転数を計測するエンジン回転数センサ22等の各センサからの計測値のデータを入力し、吸気バルブと排気バルブ、ターボ式過給器、EGRバルブ、燃料噴射ノズル12、減筒用バルブ休止機構13の減筒制御用電磁バルブ13a、オイルポンプ14、オイルジェット機構15の休止機構等を制御するための制御信号を出力している。
つまり、このエンジン1では、多くのセンサ21、22等によって計測されたデータを基に、例えば、横軸にエンジン回転数(rpm)、縦軸に燃料噴射量(mm3/st)とするような、様々な基本エンジンマップを所有し、エンジン運転中におけるこれらの各センサ21、22の検出値をこの基本エンジンマップ(例えば、図2のブースト圧マップ等)と比較して、この基本エンジンマップから得られる各種の制御量を算出し、この制御量に基づいてエンジン1に備えられた各アクチュエータを作動させることで、例えば、EGR、ターボVGT、噴射タイミング等を制御して、最適なエンジン状態になるように制御している。
燃料噴射ノズル12における噴射の制御は、予め試験データに基づいて、通電時間と噴射の関係を算出して、各制御マップの基本軸となる燃料噴射制御用のマップデータを作成して制御装置20に記憶しておき、エンジン1の運転時には、制御装置20が、この燃料噴射制御用のマップデータに従って燃料噴射量を調整制御する。
また、エンジン1には、減筒運転が可能なように、各気筒に、例えば油圧で作動する減筒用バルブ休止機構13を設け、更に、この減筒用バルブ休止機構13を作動させるための減筒制御用電磁バルブ13aを備える。この減筒用バルブ休止機構13は、周知技術であり、一般的に油圧などで作動するが、既に量産等されている構造でもあるので、ここでは詳細な説明は省略する。
そして、この減筒用バルブ休止機構13により、休止する気筒の吸気バルブと排気バルブの開閉弁動作を休止して、エンジン1の幾つかの気筒を任意に休止できるように構成する。つまり、減筒運転システムを備えて構成する。また、これらの休止する気筒では、燃料噴射ノズル12からの燃料噴射を停止できるように構成される。
この減筒運転システムでは、エンジン1の運転状態(エンジン回転数、エンジン負荷(若しくは燃料噴射量、若しくはエンジン出力))に応じて、吸気バルブと排気バルブの開閉動作と燃料噴射を停止させて、予め選択された幾つかの気筒を休止させる。この減筒気筒に関しては、設定するエンジンの種類によって、ベース気筒(運転気筒)及び停止気筒(減筒気筒)の様々な組み合わせが考えられる。
図3に、6気筒のエンジン全負荷線に対して3気筒を停止させた場合のエンジン出力(トルク)線図を参考例として示す。図3の参考例で示すと通常の全負荷線に対し約半分の3気筒減筒出力線のエンジン出力(トルク)カーブとなる。
しかし、減筒する気筒数も、また、エンジン1に要求する出力も、車両走行状態により、様々な状態が考えられる。そのため、事前にエンジンテストベンチにおいて、エンジン性能及びエンジン振動などを計測し、計測データを評価して、最適なエンジン制御マップを完成させ、「基本マップによる減筒作動領域」を決定する必要がある。
なお、図3では、アイドル時非作動領域を左下の「0(ゼロ)」近辺に示している。ここでは、近年燃費低減のためにアイドルストップを採用する例も多くみられるが、また、振動も多いため、減筒運転領域としていない。また、図3の下段の出力「0(ゼロ)」近辺に減速時非作動領域が示されている。これにより、減筒運転システムでの懸念事項としてよくある、ブレーキ補助としてのエンジンブレーキ力の低下に関して、ここではエンジン1に取り付けた燃料噴射量計測によりエンジン減速状態を把握して、エンジン1が減筒運転状態から全気筒作動状態に切り替わるようにしている。
これにより、エンジンブレーキ力の低下を、マップに基づいて運転範囲を制御することで改善している。具体的には、この減筒運転基本マップの縦軸である燃料流量が「0(ゼロ)」の状態を非作動とすることで、エンジン減速時つまりエンジンの燃料噴射量が「0(ゼロ)」の状態を検出した場合にエンジン作動を全気筒運転に戻すようにして通常のエンジンブレーキ力を確保している。
この減筒運転により、エンジン1の吸気排気のポンピングフリクション(ポンピング損失)を低減させると同時に、運転している気筒の燃料噴射量が増加して負荷が増加し、これにより、運転気筒の平均有効圧力(PME)が増加して、熱損失の低下により熱効率が上昇するので、結果としてエンジン1の燃費の改善が可能となる。
そして、このエンジン1では、各気筒のピストンにオイルポンプ14で昇圧したオイルを供給してピストンを冷却するオイルジェット機構15を備えて構成される。
このオイルジェット機構15は、ピストンの冷却を目的とした機構で、各気筒毎に、パイプ先端からオイルを噴出するオイルジェット15aと、オイルポンプ14からのオイルをオイルジェット15aに供給する配管15bとを備えて構成される。このオイルジェット15aは、オイルが流通するようにアイボルトなどを用いてエンジンブロックに取り付けられ、このオイルジェット15aから動作中のピストンの裏面にオイルを吹き付けてピストンを冷却する。
そして、本発明においては、このオイルジェット機構15において、減筒運転時に休止した気筒に対しては、休止中は、オイルジェット15aからのオイルの供給及び噴射を停止する休止機構を設けて構成する。この休止機構は、一般的に広く使用されているチェックバルブ等をオイルジェット15aに設けることで構成可能であり、制御装置20等からの制御信号により、ON−OFF用のエアーや供給するオイルの供給圧力を制御することでON−OFF作動するような、シンプルな周知技術の構造体で構成できる。
つまり、エンジン1は、制御装置20のECU制御によりコントロール可能な休止機構付きオイルジェット15aを備え、各気筒にオイルポンプ14から吐出したオイルを各気筒のピストンの裏面に噴射して冷却すると共に、減筒運転で休止している間は、その休止気筒に対しては、この冷却用のオイルの供給を停止できるように構成される。
更に、本発明においては、エンジン1の冷却及び潤滑用にエンジン1にオイル(潤滑油)を供給するオイルポンプ14を、運転状態によってオイル流量を調整できる可変容量ポンプで構成する。この可変容量ポンプは、例えば機械式可変ポンプや電動ポンプ等で構成でき、一部量産されているポンプを使用できる。そして、減筒運転時には、オイルポンプ14で、休止した気筒に対する冷却用のオイルの供給量分を、即ち、休止した気筒へのオイル休止によって余るオイル量分を、減量する運転制御を行うように構成される。
次に、本発明に係る実施の形態の内燃機関の制御方法について説明する。この内燃機関の制御方法は、エンジン1の気筒のピストンにオイルポンプ14で昇圧したオイルを供給してピストンを冷却するオイルジェット機構15と、予め設定した気筒群の排気バルブ及び吸気バルブの開閉を休止する減筒用バルブ休止機構13を備えた内燃機関の制御方法であって、オイルジェット機構15における制御を、減筒運転時には休止した気筒群に対して冷却用のオイルの供給を停止する制御とすると共に、可変容量ポンプで構成されたオイルポンプ14における制御を、減筒運転時には休止した気筒群に対する冷却用のオイルの供給量分を減量する制御とする方法である。
つまり、制御装置20は様々なエンジン制御を同時に行うが、本発明においては、内燃機関であるエンジン1の吸気バルブと排気バルブと燃料噴射の停止により、予め設定したに任意の気筒(又は気筒群)でエンジンの減筒運転を行い、ベースエンジンに対しエンジンの燃費の改善を図る状態において、休止気筒へのオイルジェット15aからの冷却用のオイルの噴射を停止し、制御装置20によりエンジン1に備えたオイルポンプ14を最適な動作状態、すなわち、減筒運転により停止させたオイルジェット15aに供給していたオイル仕事量を削減させたオイルポンプ仕事量に制御することで、エンジンの燃費を総合的に改善する。
従って、上記のエンジン(内燃機関)1及び内燃機関の制御方法によれば、減筒運転システムとオイルジェット機構15を備えたエンジン1において、減筒運転時には、休止した気筒群のピストンへのオイル供給を停止して、ピストンの必要以上の冷却を回避して、気筒内の燃焼状況の悪化を防止しつつ、休止した気筒群に対する冷却用のオイルの供給量分を減量することで、オイルポンプ14の供給量と吐出圧力を最適な範囲に維持して、オイルポンプ14を最適な仕事量で運転することができ、エンジン1の燃費性能を改善することができる。
本発明の内燃機関及び内燃機関の制御方法は、ピストン冷却用のオイルジェット機構と減筒運転システムを備えた内燃機関において、減筒運転時に、休止した気筒群のピストンへの冷却用のオイルの供給を停止して、ピストンの必要以上の冷却を回避できて、気筒内の燃焼状況の悪化を防止しつつ、オイルポンプのフリクションを低減して、エンジンの燃費性能を改善することができるので、自動車に搭載するエンジンや建設機械用や発電用のエンジン等の内燃機関及び内燃機関の制御に利用できる。
1 ディーゼルエンジン(エンジン:内燃機関)
11 エンジン本体
12 燃料噴射ノズル
13 減筒用バルブ休止機構
13a 減筒制御用電磁バルブ
14 オイルポンプ(オイル可変容量機構付き)
15 オイルジェット機構
15a オイルジェット(オイル休止機構付き)
15b 配管
20 制御装置(ECU)
21 燃料噴射量センサ
22 エンジン回転数センサ

Claims (2)

  1. 内燃機関の気筒のピストンにオイルポンプで昇圧したオイルを供給して前記ピストンを冷却するオイルジェット機構と、予め設定した気筒群の排気バルブ及び吸気バルブの開閉を休止する減筒用バルブ休止機構を備えた内燃機関において、
    前記オイルジェット機構を、減筒運転時に休止した気筒群に対して冷却用の前記オイルの供給を停止するように構成すると共に、前記オイルポンプを可変容量ポンプで構成して、減筒運転時には、前記オイルジェット機構における制御を前記休止した気筒群に対して冷却用の前記オイルの供給を停止する制御とすると共に、前記オイルポンプにおける制御を前記休止した気筒群に対する冷却用の前記オイルの供給量分を減量する制御とすることを特徴とする内燃機関。
  2. 内燃機関の気筒のピストンにオイルポンプで昇圧したオイルを供給して前記ピストンを冷却するオイルジェット機構と、予め設定した気筒群の排気バルブ及び吸気バルブの開閉を休止する減筒用バルブ休止機構を備えた内燃機関の制御方法において、
    前記オイルジェット機構における制御を、減筒運転時には休止した気筒群に対して冷却用の前記オイルの供給を停止する制御とすると共に、可変容量ポンプで構成された前記オイルポンプにおける制御を、減筒運転時には前記休止した気筒群に対する冷却用の前記オイルの供給量分を減量する制御とすることを特徴とする内燃機関の制御方法。
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