JP2013194441A - 建物の外壁構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】外壁に対する水切部材の着脱を容易化することができ、しかも、土台水切を利用することで下地フレームに対する外壁面材の位置合わせを容易に行うことができる建物の外壁構造を提供する。
【解決手段】外壁30は外壁パネル31を含んで構成されており、外壁パネル31は、外壁面材32と下地フレーム33とを有している。下地フレーム33は、外壁面材32の下端に沿って延びている横フレーム材36aを有しており、その横フレーム材36aには土台水切41が取り付けられている。土台水切41は、横フレーム材36aに取り付けられたベース部材42と、ベース部材42に装着されたカバー部材43とを有している。ベース部材42は、横フレーム材36aよりも屋外側に向けて延びている延出部46を有しており、その延出部46の上面は外壁面材32の下端面と対向している。
【選択図】 図2

Description

本発明は、外壁パネルの下端部に土台水切が設けられた建物の外壁構造に関するものである。
住宅等の建物においては、外壁の下端部に水切部材が取り付けられている。例えば、外壁面を形成する外壁面材が土台や下地材などの壁下地に対して固定されている建物において、水切部材が、その上端部が外壁面材と壁下地との間に入り込んだ状態でそれら外壁面材及び土台に対して固定されている構成がある(例えば特許文献1)。この構成では、水切部材が外壁面材の屋内側の位置から下方に向けて延びた状態となっている。
特開2012−21356号公報
しかしながら、水切部材が外壁面材と壁下地との間に入り込んでいる構成では、外壁面材を壁下地に取り付けるよりも前に、水切部材を外壁面材又は壁下地に取り付ける必要があり、外壁面材を壁下地に取り付けた後に、水切部材を外壁に対して後付けするということができない。このため、例えば水切部材が変形したり破損したりした場合、水切部材を取り替えるには水切部材を取り外す前に外壁面材を壁下地から取り外す必要があり、水切部材を取り替える際の作業負担が大きくなってしまう。
本発明は、外壁に対する水切部材の着脱を容易化することができ、しかも、土台水切を利用することで下地フレームに対する外壁面材の位置合わせを容易に行うことができる建物の外壁構造を提供することを主たる目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。
第1の発明の建物の外壁構造は、複数の外壁パネルが横並びに設けられているとともに、各外壁パネルの下端部に沿って延びるように土台水切が設けられている建物の外壁構造であって、前記外壁パネルは、建物躯体に取り付けられる下地フレームと、該下地フレームの屋外側に取り付けられている外壁面材とを有しており、前記土台水切は、前記下地フレームに取り付けられた取付部材と、該取付部材に対して装着された水切部材とを有しており、前記取付部材は、前記下地フレームよりも屋外側に向けて延びている延出部を有しており、該延出部の上面は、前記外壁面材の下端面と対向していることを特徴とする。
第1の発明によれば、土台水切においては、下地フレームに取付部材及び外壁面材を取り付けた後に、水切部材を取付部材に取り付けることが可能となっている。このため、外壁パネルが建物躯体に取り付けられた後において、その外壁パネルに対する水切部材の取り付け位置を上下方向に調整することが可能となる。しかも、取付部材の延出部の上面が外壁面材の下端面と対向しているため、外壁の構築に際して、取付部材を下地フレームに取り付け、その取付部材の延出部に外壁面材を当接させることで、下地フレームに対する外壁面材の上下方向の位置合わせを行うことができる。
以上により、外壁に対する水切部材の着脱を容易化することができ、しかも、土台水切を利用することで下地フレームに対する外壁面材の位置合わせを容易に行うことができる。
第2の発明では、前記取付部材は、前記延出部から上方に向けて延びていることで前記外壁面材の屋外面と対向している対向部を有する。
第2の発明によれば、外壁面材が屋外側に移動することを取付部材の対向部により規制できる。この場合、外壁面材の下端部を下地フレームと取付部材の対向部との間に挿し入れることが、下地フレームに対して外壁面材を仮止めすることになるため、手などで押さえていなくても外壁面材の下端部の位置がずれることを抑制できる。これにより、ビス等により外壁面材を下地フレームに取り付ける作業を容易化できる。
第3の発明では、前記水切部材は、前記外壁面材の下端部を屋外側から覆う状態で該下端部に沿って延びるように設けられている。
第3の発明によれば、水切部材が外壁面材の下端部を屋外側から覆うことができるため、外壁面材の下端面が屋外側に露出することで建物の見栄えが悪くなるということを回避できる。
また、横並びに配置された複数の外壁パネルにおいては、それぞれの外壁面材の下端の高さ位置が同じになっていないことが想定される。これに対して、水切部材は、外壁面材の下端面だけでなく、隣り合う外壁面材の下端をまとめて覆い隠すことが可能となる。この場合、外壁面材の下端の高さ位置の不揃いも見切り部材により覆い隠すことが可能となるため、外壁面材の下端が不揃いであることによって建物の見栄えが低下するということを回避できる。
第4の発明では、前記取付部材は、前記複数の外壁パネルの下地フレームにそれぞれ取り付けられており、前記水切部材は、隣り合う前記外壁パネルに架け渡された状態で、それら外壁パネルの各取付部材に取り付けられている。
第4の発明によれば、水切部材が隣り合う外壁パネルに架け渡されているため、それら外壁パネルの各外壁面材の下端の高さ位置が不揃いであっても、それら下端をまとめて覆い隠すことができる。これにより、外壁面材の下端の高さ位置が不揃いであることによって建物の見栄えが低下するということを回避できる。
なお、取付部材を利用して下地フレームに対する外壁面材の位置合わせを行う構成においては、外壁面材の下端の高さ位置の不揃いが、取付部材の取り付け高さ位置の不揃いに起因すると考えられる。そこで、取付部材に対する水切部材の取り付け位置が上下方向に変位可能な構成とされていることが好ましい。これにより、取付部材の取り付け高さ位置が不揃いでも、各取付部材に対する見切部材の取り付け位置を調整することにより、見切部材を直線状に配置できる。
第5の発明では、柱及び梁材を有する複数の建物ユニットにより構築されたユニット式建物に適用され、前記外壁パネルは、横並びで隣り合う建物ユニットのそれぞれに取り付けられており、前記取付部材は、前記隣り合う建物ユニットにおいて前記外壁パネルの各下地フレームのそれぞれに取り付けられており、前記水切部材は、前記隣り合う建物ユニットに架け渡された状態で、それら建物ユニットの各取付部材に取り付けられている。
第5の発明によれば、水切部材が隣り合う建物ユニットに架け渡されているため、それら建物ユニットの各外壁面材の下端の高さ位置が不揃いであっても、それら下端をまとめて覆い隠すことが可能となる。これにより、外壁面材の下端の高さ位置が建物ユニットごとに不揃いであることによって建物の見栄えが低下するということを回避できる。
第6の発明では、前記取付部材は、前記延出部から上方に向けて延びていることで前記下地フレームと前記外壁面材との間に入り込んでいる入り込み部を有しており、前記入り込み部は、前記下地フレームと前記外壁面材との間において該下地フレームに対して固定されている。
第6の発明によれば、取付部材の入り込み部が下地フレームに固定されているため、下地フレームに対する取付部材の固定部分を外壁面材により屋外側から覆い隠すことができる。
第7の発明では、前記取付部材は、前記入り込み部から屋外側に向けて突起した突起部を有しており、前記外壁面材は、前記突起部に当接していることで前記入り込み部から屋外側に離間している。
第7の発明によれば、突起部により入り込み部と外壁面材との間に隙間が確保されるため、例えばビスが屋外側から入り込み部及び下地フレームに螺着されている場合、入り込み部から屋外側に向けて突出したビス頭部に外壁面材が押し付けられた状態となることを回避できる。ここで、ビス頭部の突出寸法はビスごとに異なりやすく、外壁面材がビス頭部に押し付けられている構成では、外壁面材と下地フレームとの離間距離を一定にならず、屋外側への突出寸法が外壁面材ごとに異なって外壁の屋外面(外壁面)に段差が生じてしまう。これに対して、本構成では、外壁面材と下地フレームとの離間距離を突起部にて所定距離に定めることにより、外壁の屋外面に段差が生じることを回避できる。
なお、突起部により確保された下地フレームと外壁面材との間の隙間は、外壁内の通気層とされることが好ましい。この構成によれば、通気層が下地フレームの屋外側に形成されているため、その通気層が下地フレームの横フレーム材により上下に仕切られた状態になるということがない。
第8の発明では、前記下地フレームは、前記外壁面材の下端部に沿って延びている横フレーム材を有しており、前記取付部材は、前記入り込み部から屋内側に向けて延び且つ前記横フレーム材の上端及び下端の少なくとも一方に引っ掛けられた引っ掛け部を有している。
第8の発明によれば、取付部材の引っ掛け部を下地フレームに引っ掛けることにより、下地フレームに対する取付部材の上下方向の位置合わせを行うことができる。これにより、取付部材の取り付け位置が上下にずれることで取付部材の取り付け位置が上下にずれるということを回避できる。
第9の発明では、前記水切部材は、該水切部材の屋内側にて電気配線を支持する配線支持部を有している。
第9の発明によれば、水切部材を取付部材に取り付けることで電気配線の敷設を行うことができる。このため、建物躯体に取り付けられた状態の外壁パネルに対して水切部材を後付けすることができるという構成において、電気配線の敷設作業を容易化できる。
建物ユニット及び外壁パネルを示す分解斜視図。 外壁における土台水切周辺の縦断面図。 外壁パネル及び土台水切の構成を示す図。 外壁パネルの組み立て手順について説明するための図。 別の土台水切及び外壁面材の分解斜視図。 別の外壁における土台水切周辺の縦断面図。 別の外壁における土台水切周辺の縦断面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、本発明を適用する建物が、複数の建物ユニットが連結されることで構築されたユニット式建物とされている。ユニット式建物においては、基礎の上に建物ユニットが設置されており、外壁は建物ユニットに対して取り付けられている。まず、建物ユニットについて図1を参照しつつ説明する。図1は、建物ユニット20及び外壁パネル31を示す分解斜視図、図2は、外壁30における土台水切41周辺の縦断面図である。
図1に示すように、建物ユニット20は、四隅に配置された柱21と、柱21の上端部(上仕口)に連結された天井大梁22と、柱21の下端部(下仕口)に連結された床大梁23とを有しており、これら柱21、天井大梁22、床大梁23により直方体状の骨格(フレーム)が形成されている。柱21は四角筒状の角形鋼よりなる。また、天井大梁22及び床大梁23は断面コ字状の溝形鋼よりなり、溝部開放側を互いに向き合わせるようにユニット内側に向けて配置されている。
建物ユニット20において長辺部(桁面)に沿って延び且つ相対する一対の天井大梁22の間には、所定間隔で複数の天井小梁25が架け渡されている。同じく長辺部に沿って延び且つ相対する一対の床大梁23の間には、所定間隔で複数の床小梁26が架け渡されている。天井小梁25及び床小梁26は、それぞれ同一の間隔で且つ短辺側(妻側)の天井大梁22及び床大梁23と平行に延びている。天井小梁25及び床小梁26はそれぞれリップ溝形鋼よりなる。天井小梁25によって天井面材28が支持され、床小梁26によって床面材29が支持されている。
建物の外壁30(図3参照)は、外壁パネル31を含んで構成されており、外壁パネル31は、建物ユニット20の側面部に横並びで複数設けられている。外壁パネル31は、外壁面を形成する外壁面材32と、外壁面材32を支持している下地フレーム33とを有しており、外壁面材32は、例えば窯業系サイディング等の外装材により矩形状に形成され、下地フレーム33は、全体として矩形枠状に形成されている。各外壁パネル31は、下地フレーム33が天井大梁22や床大梁23等の建物躯体に固定されることで建物ユニット20に対して取り付けられている。
下地フレーム33は、上下方向に延びる一対の縦フレーム材35と、それら縦フレーム材35の間において左右方向に延びる横フレーム材36とを有している。横フレーム材36は上下方向に複数並べられており、各横フレーム材36は一対の縦フレーム材35を連結している。縦フレーム材35及び横フレーム材36は、断面コ字状の軽量溝形鋼により形成されており、縦フレーム材35は溝開口を内側に向けて配置されている。この場合、隣り合う外壁パネル31は、各縦フレーム材35のウェブ同士がビス等により固定されることで連結されている。
複数の横フレーム材36のうち最下段の横フレーム材36aは、溝開口を下方に向けた状態で一対の縦フレーム材35の下端同士を連結しており、床大梁23の屋外側面に取り付けられている。最上段の横フレーム材36bは、溝開口を上方に向けた状態で一対の縦フレーム材35の上端同士を連結しており、天井大梁22の屋外側面に取り付けられている。最下段の横フレーム材36aは外壁面材32の下端に沿って延びており、最上段の横フレーム材36bは外壁面材32の上端に沿って延びている。
図2に示すように、外壁30においては、外壁パネル31の屋内側に断熱層37が設けられている。断熱層37は、グラスウール等の繊維系断熱材により形成されており、建物ユニット20ごとに天井大梁22と床大梁23との間において外壁パネル31の屋内側面に沿って延びている。断熱層37は、外壁面材32から屋内側に離間して配置されており、その離間部分が通気層38とされている。通気層38は、下地フレーム33の縦フレーム材35に沿って上下方向に延びており、上下方向の中間位置に配置された横フレーム材36には、その横フレーム材36を挟んで上下にある通気層38同士を連通させるための連通孔が形成されている。
下地フレーム33の屋外側には防水紙等の防水シート39が設けられている。防水シート39は、下地フレーム33の枠内空間を屋外側から塞ぐようにその下地フレーム33に沿って延びており、その上下両端が横フレーム材36a,36bにそれぞれ固定されている。防水シート39は、横フレーム材36及び縦フレーム材35の屋外側側面に当接している一方で、外壁面材32と防水シート39との間には隙間が形成されている。この場合、外壁面材32と断熱層37との間において、通気層38が防水シート39により屋内側通気層38aと屋外側通気層38bとに仕切られている。
外壁パネル31において、外壁面材32の下端に沿って延びている横フレーム材36aには土台水切41が取り付けられている。ここでは、土台水切41の構成について図2、図3を参照しつつ説明する。図3は、外壁パネル31及び土台水切41の構成を示す図であり、(a)に土台水切41及び外壁面材32を屋外側から見た正面図を示し、(b)に土台水切41及び外壁面材32の分解斜視図を示す。
図2に示すように、土台水切41は、横フレーム材36aに取り付けられた取付部材としてのベース部材42と、ベース部材42に装着された水切部材としてのカバー部材43とを有しており、ベース部材42及びカバー部材43は、アルミニウム等の金属材料により形成された板材が折り曲げられることで形成されている。なお、ベース部材42及びカバー部材43は、合成樹脂材料により形成されていてもよい。
ベース部材42は、縦断面略コ字状に形成され、上方に向けて開放された溝部が横フレーム材36aに沿って延びる状態で設けられている(図3参照)。ベース部材42は、横フレーム材36aに固定された固定部45と、固定部45から屋外側に向けて延びている延出部46と、カバー部材43を支持する支持部47とを有している。
ベース部材42の溝部内には、外壁面材32の下端部が上方から入り込んでいる。この場合、固定部45は外壁面材32の屋内側において、その外壁面材32と横フレーム材36aとの間に下方から入り込んだ入り込み部となっており、固定部45の板面は外壁面材32の屋内側面と対向している。固定部45は、横フレーム材36aの屋外側面に沿って延びており、ビス51により横フレーム材36aの屋外側フランジに対して固定されている。ビス51は、固定部45及び横フレーム材36aに対して屋外側から螺着されており、ビス頭部51aが固定部45と外壁面材32との間に存在している。
下地フレーム33の屋外側においては、防水シート39が固定部45及び横フレーム材36aにて挟持されている。ベース部材42は、延出部46よりも上方において固定部45から屋外側に向けて突起した突起部49を有しており、その突起部49が外壁面材32の屋内側面に当接することで外壁面材32と防水シート39との間に屋外側通気層38bが確保されている。この場合、突起部49は、外壁面材32を防水シート39から離間させるためのスペーサとして機能していることになる。ちなみに、突起部49は、固定部45を形成する板部の上端を屋外側の下方に向けて湾曲させることで固定部45から屋外側に突起した状態となっており、その湾曲部の下端部分が外壁面材32の屋内側面に当接している。
突起部49は、外壁面材32と防水シート39との間に加えて、外壁面材32と固定部45との間にも隙間を確保しており、その隙間にはビス51のビス頭部51aが収納されている。この場合、外壁面材32と固定部45との離間距離(突起部49の突起寸法)は、固定部45からのビス頭部51aの突出寸法と同じ又はその突出寸法よりも大きくされており、外壁面材32がビス頭部51aに押し付けられた状態にならないようになっている。
ベース部材42の溝部内においては、外壁面材32の下端が延出部46の上に配置されており、外壁面材32の下端面と延出部46の上面とは接近又は当接した状態で対向している。延出部46は、横フレーム材36aの屋外側フランジから屋外側に向けて延びており、その延出寸法は外壁面材32の厚み寸法よりも大きくされている。
ベース部材42の支持部47は、外壁面材32よりも屋外側において延出部46から上方に向けて延びており、その屋内側面が外壁面材32の屋外面と対向している。支持部47と突起部49との離間距離は、外壁面材32の厚み寸法よりも大きくされているが、僅かに大きくされている程度であるため、外壁面材32が横フレーム材36aから離れる側(屋外側)に移動することが支持部47により規制されるようになっている。なお、ベース部材42においては、支持部47が外壁面材32の屋外面に対向する対向部に相当する。
カバー部材43は、外壁面材32の下端部を屋外側から覆い隠すように設けられており、その外壁面材32の下端部に沿って延びている。カバー部材43は、外壁面材32の屋外面の下端部(一部)を覆い隠すとともにその下端部よりも下方に延びる水切部56と、水切部56の下端部から屋内側に折り返された折り返し部57とを有している。水切部56の上部は、ベース部材42の支持部47を挟んで外壁面材32の屋外面と対向しており、外壁面材32の屋外面下部に加えて支持部47を覆い隠している。
水切部56は、上下方向に見て中間部分よりも下方で屋外側に膨らむようにして形成されている。折り返し部57は、水切部56から屋内側の斜め上方に向けて延びており、その上端部は、外壁面材32の仕上面(屋外側面)よりも屋内側に達している。この場合、例えば、外壁面材32の仕上面に付着した雨水がその外壁面材32の下端から下方に落ちても、その雨水は折り返し部57により受け止められるため、接続部61,62の真下に落ちることを抑制できる。
また、折り返し部57には、その折り返し部57を貫通する水抜き孔58が形成されており、その水抜き孔58は、ベース部材42の支持部47よりも屋外側に位置するように水切部56寄りに配置されている。この場合、折り返し部57により受け止められた雨水は、基礎よりも屋外側において水抜き孔58から下方に流れ落ちることになる。これにより、雨水が基礎の上端面に溜まるということを抑制できる。
折り返し部57の上面には、電力ケーブルや信号線などの電気配線59が設置されている。この場合、水切部56の屋内側であって折り返し部57の上方スペースが配線スペースとされており、電気配線59は水切部56に沿って延びた状態で折り返し部57により支持されていることになる。また、折り返し部57においては自由端側が基端側よりも上方にあるため、電気配線59は、単に折り返し部57の上面に載置されることで、その折り返し部57により位置保持された状態となっている。この場合、折り返し部57は、電気配線59を支持する配線支持部に相当する。
カバー部材43は、ベース部材42に対して着脱可能に取り付けられている。ベース部材42に第1接続部61が設けられているとともに、カバー部材43に第2接続部62が設けられており、第1接続部61と第2接続部62とは、互いに組み付けられた組み付け状態となることで互いに接続され、それによって、カバー部材43がベース部材42に装着された状態となる。また、接続部61,62の装着状態を解除することで、カバー部材43をベース部材42から取り外すことができる。
カバー部材43の第2接続部62は、水切部56から屋内側(ベース部材42の支持部47)に向けて突出した上下一対の装着部62aを有している。各装着部62aは、水切部56に沿って左右方向に延びており(図3(b)参照)、それら装着部62aにより溝部が形成されている。上側の装着部62aは、突出方向において中間部分が上側に向けて曲がった形状とされており、下側の装着部62aは、下側に向けて曲がった形状とされている。
ベース部材42の第1接続部61は、支持部47から屋外側に向けて突出した上下一対の被装着部61aを有しており、各被装着部61aは、支持部47に沿って水平方向に延びている(図3(b)参照)。第1接続部61は、屋内側から第2接続部62の溝部内に入り込んだ状態となっており、第2接続部62の装着部62aが第1接続部61の被装着部61aに装着されている。この場合、水平方向において装着部62aと被装着部61aとは相対的にスライド移動可能とされており、カバー部材43は、ベース部材42に取り付けられた状態でそのベース部材42に対して水平方向へのスライド移動が可能となっている。
また、第2接続部62の溝部の最大幅寸法(一対の装着部62aの最大離間距離)が、第1接続部61の一対の被装着部61aの最大上下寸法よりも大きくされており、装着部62aと被装着部61aとの装着状態を保持したまま、第1接続部61が第2接続部62の溝部内にて上下方向に移動可能となっている。つまり、第1接続部61と第2接続部62との間には多少の遊び(隙間)が設けられており、それによって、カバー部材43を、ベース部材42に取り付けた状態でそのベース部材42に対して上下方向に多少移動させることが可能となっている。
カバー部材43は、接続部61,62の接続部分を上方から覆う覆い部64を有している。覆い部64は、第2接続部62の上方において水切部56の上端から屋内側(ベース部材42側)に向けて突出しており、その先端はベース部材42の第1接続部61及び支持部47の上方に位置している。
図3(a)に示すように、ベース部材42は外壁パネル31ごとに設けられている。この場合、外壁30全体においては、ベース部材42が所定間隔で横並びに配置されていることになる。カバー部材43は、複数のベース部材42対して取り付けられており、それによって、外壁30の下端に沿って延びる状態となっている。この場合、カバー部材43は、建物ユニット20同士の境界部であるドッキングラインDL、及び外壁パネル31(外壁面材32)同士の境界部であるモジュールラインMLをそれぞれ跨いだ状態となっている。換言すれば、カバー部材43は、隣り合う建物ユニット20に架け渡すように設けられているとともに、隣り合う外壁パネル31に架け渡すように設けられている。
ここで、外壁30においては、複数の外壁面材32の下端が不揃いになってしまうことがある。例えば、一の建物ユニット20において、隣り合う外壁面材32の下端の高さ位置が異なっている場合や、一の建物ユニット20の各外壁面材32の下端が揃っていても建物ユニット20ごとに外壁面材32の下端の高さ位置が異なっている場合が想定される。外壁面材32の下端が不揃いになっている場合、外壁パネル31ごとのベース部材42の高さ位置も不揃いになっていると想定されるが、上述したように、カバー部材43の取り付け位置はベース部材42に対して上下方向に調整することができるため、各ベース部材42に取り付けられた状態のカバー部材43を水平方向に真っ直ぐに延ばすことができる。したがって、カバー部材43により外壁パネル31の不揃いを覆い隠すことができる。
次に、外壁30の構築手順について図3、図4を参照しつつ説明する。図4は、外壁パネル31の組み立て手順について説明するための図である。なお、図4(b)においては防水シート39の図示を省略している。
外壁パネル31の製作及び建物ユニット20への取り付けは、建物ユニット製造工場等の工場において行われる。まず、複数の縦フレーム材35と複数の横フレーム材36とにより下地フレーム33を形成する。そして、作業台の上に下地フレーム33を寝かせた状態で、防水シート39を下地フレーム33の枠開口を上方から塞ぐようにその下地フレーム33に取り付ける。その後、図4(a)に示すように、ベース部材42を防水シート39の上から下地フレーム33の横フレーム材36aにビス51を用いて固定し、図4(b)に示すように、下地フレーム33を複数横並びに配置し、それら下地フレーム33を縦フレーム材35同士で連結する。
複数の下地フレーム33を連結した後、下地フレーム33ごとに外壁面材32を取り付ける。まず、図4(c)に示すように、一の下地フレーム33に対して、外壁面材32の下端面をベース部材42の延出部46に当接させる。これにより、下地フレーム33に対して墨出しを行わなくても、横フレーム材36aに対する外壁面材32の上下方向の位置合わせを行うことができる。そして、図示しないビスを屋外側から外壁面材32、ベース部材42の固定部45、下地フレーム33の屋外側フランジに螺着し、それによって、外壁面材32を下地フレーム33に対して固定する。
なお、この場合、外壁面材32が下地フレーム33に対して押し付けられた状態となるが、ベース部材42の突起部49が外壁面材32に当接することにより、下地フレーム33(防水シート39)と外壁面材32との間に屋外側通気層38bを確保することができる。
そして、図4(d)に示すように、他の下地フレーム33に対しても、外壁面材32を取り付けていく。ここで、各下地フレーム33の下端は同一直線上に並べられており、それに合わせて各ベース部材42も同一直線上に並べられている。この場合、各外壁面材32は、各ベース部材42により下地フレーム33に対して上下方向の位置合わせが行われているため、それら外壁面材32の下端部も同一直線上に並べられている。つまり、各外壁面材32の下端が揃った状態となっている。
以上のように、複数の外壁パネル31の製作及び連結を行った後、それら外壁パネル31を建物ユニット20に対して取り付ける。そして、建物ユニット20を外壁パネル31ごと建築現場に運搬し、建築現場において設置する。その後、図3(a)に示すように、基礎の上において横並びに配置された複数の建物ユニット20に対して、それら建物ユニット20に架け渡すようにカバー部材43を取り付ける。この場合、カバー部材43は、各建物ユニット20のベース部材42のそれぞれに取り付ける。
ちなみに、ベース部材42は、外壁面材32よりも前に横フレーム材36aに取り付けられ、下地フレーム33に対する外壁面材32の位置合わせに利用されるため、外壁パネル31を構成する部材であるとも言える。ベース部材42が外壁パネル31を構成する部材であってとしても、そのベース部材42に対してカバー部材43を装着することは可能である。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
土台水切41においては、下地フレーム33(横フレーム材36a)にベース部材42及び外壁面材32を取り付けた後に、カバー部材43をベース部材42に取り付けることが可能となっている。このため、外壁パネル31が床大梁23等の建物躯体に取り付けられた後でも、その外壁パネル31の取り付け状態に合わせてカバー部材43を後付けすることができる。しかも、ベース部材42の延出部46の上面が外壁面材32の下端面と対向しているため、外壁30の構築に際して、ベース部材42を下地フレーム33に取り付け、ベース部材42の溝部内に外壁面材32の長手方向の端部を挿し入れた状態で、その外壁面材32をベース部材42の延出部46に当接させることで、下地フレーム33に対する外壁面材32の上下方向の位置合わせを行うことができる。
以上により、外壁30に対する水切部材としてのカバー部材43の着脱を容易化することができ、しかも、土台水切41のベース部材42を利用することで下地フレーム33に対する位置合わせを容易に行うことができる。
外壁面材32の下端部が、横フレーム材36aの屋外側フランジとベース部材42の支持部47との間に挿し入れられた状態となっているため、外壁面材32が横フレーム材36aから屋外側に遠ざかる側に移動することを支持部47により規制できる。この場合、外壁面材32の下端部を支持部47の屋内側(横フレーム材36a側)に挿し入れることが、横フレーム材36aに対して外壁面材32を仮止めすることになるため、手などで押さえていなくても外壁面材32の下端部の位置がずれることを抑制できる。これにより、ビス等により外壁面材32を下地フレーム33に取り付ける作業を容易化できる。
外壁面材32の下端部がカバー部材43の水切部56により屋外側から覆い隠されているため、外壁面材32の下端部が屋外側に露出することで建物の見栄えが悪くなるということを回避できる。
この場合、外壁面材32の下端部及びベース部材42の両方がカバー部材43により屋外側から覆い隠されていることになるため、ベース部材42が屋外側に露出することを回避できる。したがって、外壁面材32が下地フレーム33から遠ざかる方向に移動することをベース部材42の支持部47により規制できる構成において、支持部47によって外壁30の見栄えが損なわれるということを回避できる。
隣り合う外壁パネル31にカバー部材43が架け渡された状態となっているため、外壁パネル31ごとにカバー部材43が非連続な状態となることを回避できる。つまり、外壁パネル31ごとにカバー部材43の取り付け高さ位置が異なるということを抑制できる。また、この場合、隣り合う外壁パネル31の各外壁面材32の下端の高さ位置が不揃いであっても、それら下端をカバー部材43によりまとめて覆い隠すことができる。これにより、外壁面材32の下端の高さ位置が不揃いであることによって建物の見栄えが低下するということを回避できる。
隣り合う建物ユニット20にカバー部材43が架け渡された状態となっているため、建物ユニット20ごとにカバー部材43の取り付け高さ位置が異なるということを回避できる。したがって、カバー部材43が非連続な状態となって外壁30の見栄えが損なわれるということを回避できる。また、この場合、隣り合う建物ユニット20の各外壁面材32の下端の高さ位置が不揃いであっても、それら下端をカバー部材43によりまとめて覆い隠すことができる。これにより、外壁面材32の下端の高さ位置が建物ユニット20ごとに不揃いであることによって建物の見栄えが低下するということを回避できる。
ベース部材42の固定部45は、外壁面材32の屋内側面と横フレーム材36aの屋外側フランジとの間に入り込んだ状態となっているため、下地フレーム33に対するベース部材42の固定部分を外壁面材32により屋外側から覆い隠すことができる。
しかも、ベース部材42においては、固定部45が延出部46から上方に向けて延びているため、固定部45が延出部46から下方に向けて延びている場合とは異なり、固定部45の高さ寸法の分だけ延出部46を横フレーム材36aの下端から上方に配置するという必要がない。この場合、外壁面材32の下端が横フレーム材36aの下端から上方に離間した離間距離を小さくすることができるため、延出部46が下方に向けて延びている場合に比べて、横フレーム材36aと外壁面材32との上下方向の重なり幅を大きく確保することができる。これにより、横フレーム材36aに対して外壁面材32を強固に取り付けることが可能となる。
ベース部材42において固定部45から突起した突起部49により固定部45と外壁面材32との間に隙間が確保されているため、外壁面材32が、その外壁面材32と固定部45との間にあるビス頭部51aに押し付けられた状態となることを回避できる。この場合、突起部49が設けられていない場合、すなわち、外壁面材32がビス頭部51aに押し付けられた状態となっている場合とは異なり、外壁面材32と固定部45(横フレーム材36a)との離間距離が各外壁面材32について一定となるため、外壁30の仕上面に段差が生じることを抑制できる。
下地フレーム33と外壁面材32との間に屋外側通気層38bが形成されているため、このため、仮に横フレーム材36の上側及び下側の各屋内側通気層38aが非連通状態になっていても、屋内側通気層38aにより外壁30内の通気を行うことができる。しかも、ベース部材42の突起部49により屋外側通気層38bが確保されている構成(外壁面材32が下地フレーム33から離間されている構成)において、ベース部材42は、所定間隔で複数設けられているため、屋外側通気層38bは、ベース部材42同士の離間部分を通じて下方に向けて開放されている。したがって、ベース部材42に通気孔などを形成しなくても、屋外側通気層38bにより外壁30内を通気可能な構成と実現できる。
カバー部材43において、折り返し部57の上に電気配線59が敷設されているため、その電気配線59を水切部56により屋外側から覆い隠すことができる。これにより、電気配線59が屋外側に露出することで外壁30の見栄えが損なわれるということを回避できる。しかも、電気配線59を敷設する作業を、折り返し部57の上に載せるという容易な作業とすることができる。
[他の実施形態]
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)カバー部材43とベース部材42との接続部分において、図5に示すように、接続部61,62が上下方向に延びるように設けられていてもよい。この構成によれば、第1接続部61に対して第2接続部62が上下方向にスライド移動することにより、ベース部材42に対するカバー部材43の取り付け位置を上下方向に変更することができる。したがって、外壁パネル31ごとにベース部材42の高さ位置が大きく異なっていても、カバー部材43を水平方向に真っ直ぐに延ばすことができる。つまり、隣り合う外壁面材32の各下端部の高さ位置が大きく異なっていても、その下端部の不揃いをカバー部材43により覆い隠すことができる。
カバー部材43においては、そのカバー部材43のスライド方向(上下方向)において第2接続部62の上方に覆い部64が配置されているため、その覆い部64がベース部材42の第1接続部61の上端に引っ掛かることにより、カバー部材43がベース部材42に対して下方にスライド移動することが阻止された状態となっている。
なお、カバー部材43及びベース部材42において、接続部61,62の一方は上下方向の長さ寸法が小さくされていてもよい。この場合でも、接続部61,62を相対的に上下方向にスライド移動させることは可能である。
(2)上記実施形態では、ベース部材42とカバー部材43とが接続されている接続部分が外壁面材32の下端よりも上方位置に配置されていたが、外壁面材32の下端の側方位置や下方位置に配置されていてもよい。例えば、図6(a)に示すように、ベース部材42の対向部としての支持部47が、延出部46から下方に向けて延び、ベース部材42とカバー部材43とを接続する接続部61,62が、外壁面材32の下方に配置された構成とする。この構成では、カバー部材43において第2接続部62が水切部56の上下方向の中央付近に設けられており、水切部56は第2接続部62よりも上方に突出している。このため、第2接続部62が外壁面材32よりも下方に配置されていても、水切部56が外壁面材32の下端部を屋外側から覆った状態となっている。
カバー部材43において折り返し部57は、外壁面材32の屋内側面よりも屋内側に達している。この場合、例えば雨水が外壁面材32の間の目地部分等を通じて外壁面材32よりも屋内側に浸入し、外壁面材32の屋内側面に沿って流下しても、その雨水を折り返し部57により受け止めることができる。そして、折り返し部57にて受け止められた雨水等は、水抜き孔58から下方に流れ落ちる。
また、カバー部材43においては、水切部56が下端から屋外側に膨らむようにして下方に延びているのではなく、真下に向けて下方に延びている。なお、水切部56は、屋内側に膨らむようにして下方に延びていてもよい。
また、図6(b)に示すように、カバー部材43は、ベース部材42の支持部47ではなく延出部46に対して着脱可能に装着された構成としてもよい。この構成では、カバー部材43の水切部56に係止部71が設けられているとともに、ベース部材42の延出部46に被係止部72が設けられ、それら係止部71と被係止部72とが係止されることで、カバー部材43がベース部材42に装着された状態となる。
係止部71は、水切部56の上端部から屋内側に向けて延びており、カバー部材43は、外壁面材32の下方に設置されている。この場合、水切部56は外壁面材32の下端部を屋外側から覆い隠してはおらず、外壁面材32の下端部が屋外側に露出した状態となっている。なお、この場合、ベース部材42においては、延出部46及び被係止部72が、カバー部材43を支持する支持部に相当する。また、折り返し部57には水抜き孔58が設けられていなくてもよい。
ベース部材42においては、延出部46の先端部が外壁面材32の屋外面よりも屋内側に配置されている。つまり、固定部45からの延出部46の延出寸法が外壁面材32の厚み寸法より小さくされている。この場合でも、延出部46の上面は外壁面材32の下端面と対向しているため、外壁面材32を下地フレーム33に取り付ける際に、延出部46によって下地フレーム33に対する外壁面材32の上下方向の位置合わせを行うことが可能となっている。
(3)ベース部材42には、横フレーム材36aの上端又は下端に引っ掛けられる引っ掛け部が設けられていてもよい。例えば、図6(a)に示すように、ベース部材42に設けられた引っ掛け部74が、横フレーム材36aの上端に引っ掛けられている構成とする。この構成では、引っ掛け部74が固定部45の上端から屋内側に向けて延び、横フレーム材36aの上端に引っ掛けられており、それによって、ベース部材42が横フレーム材36aに対して下方に移動することが規制されている。このため、外壁パネル31の製作時において、下地フレーム33に対してベース部材42を取り付ける際に、引っ掛け部74を横フレーム材36aに引っ掛けた状態とすることにより、下地フレーム33に対して墨出しを行わなくても、上下方向において横フレーム材36aに対するベース部材42の位置合わせを行うことができる。
ベース部材42においては、引っ掛け部74が横フレーム材36aのウェブに対してビス51により固定されている。この場合、ビス51のビス頭部51aは横フレーム材36a側に存在しており、横フレーム材36aと外壁面材32との間には存在していない。このため、ベース部材42には、固定部45と外壁面材32との離間させるための突起部49は設けられていなくてもよい。
なお、下地フレーム33と外壁面材32との間に防水シート39が設けられていない構成としてもよい。
また、図6(b)に示すように、ベース部材42に設けられた引っ掛け部74が、横フレーム材36aの下端に引っ掛けられている構成としてもよい。この構成では、固定部45が、延出部46から上方ではなく下方に向けて延びており、引っ掛け部74が固定部45の下端から屋内側に向けて延びている。引っ掛け部74は、横フレーム材36aの下端に引っ掛けられており、それによって、ベース部材42が横フレーム材36aに対して上方に移動することが規制されている。ちなみに、ベース部材42には、横フレーム材36aの下端に引っ掛けられる引っ掛け部74と、上端に引っ掛けられる引っ掛け部74とが両方とも設けられていてもよい。
ベース部材42においては、固定部45が横フレーム材36aと外壁面材32との間に入り込んだ状態となっていない。この場合、外壁面材32が下地フレーム33に当接しており、外壁面材32と下地フレーム33との間の屋外側通気層38bは形成されていない。固定部45は、外壁面材32の下方においてビス51により横フレーム材36aの屋外側フランジに固定されている。なお、固定部45は、接着剤等により横フレーム材36aに固定されていてもよい。
(4)上記実施形態では、カバー部材43に覆い部64が設けられていたが、覆い部64は、ベース部材42に設けられていてもよい。例えば、覆い部64が、第1接続部61の上方において支持部47の上端から屋外側に向けて延びている構成とする。また、覆い部64は設けられていなくてもよい。
(5)電気配線59が水切部56の屋内側に敷設されている構成であれば、その電気配線59は折り返し部57の上に載置されていてなくてもよい。例えば、図7(a)に示すように、電気配線59を保持する配線保持部76がカバー部材43に設けられている構成とする。この構成では、配線保持部76は、水切部56から屋内側に向けて突出した状態で水切部56の屋内側面に設けられており、その水切部56に沿って延びている。この構成でも、電気配線59が水切部56の屋内側に配置されているため、水切部56により電気配線59を屋外側から覆い隠すことができる。なお、配線保持部76が配線支持部に相当する。
また、図7(b)に示すように、配線保持部76がベース部材42に設けられている構成としてもよい。この構成では、ベース部材42において、支持部47が延出部46から下方に向けて延びており、配線保持部76は、支持部47から下方に向けて延びている。配線保持部76は、溝開口を水切部56側に向けた溝形状の部材とされており、水切部56により覆い隠される大きさ及び形状とされている。電気配線59は、複数のベース部材42の各配線保持部76に架け渡された状態となっており、それによって、水切部56の屋内側において敷設されている。この構成でも、電気配線59が水切部56の屋内側に配置されているため、水切部56により電気配線59を屋外側から覆い隠すことができる。
さらに、水切部56の屋内側に電気配線59が敷設されている構成においては、電気配線59を屋外側に引き出す引き出し孔77が水切部56に設けられていてもよい。この構成によれば、電気配線59が引き出し孔77に挿通されていることでその引き出し孔77において支持されていることになり、電気配線59が配線保持部76から垂れ下がった状態となることを抑制できる。
(6)上記実施形態では、ベース部材42において外壁面材32が入り込む部分の有効幅寸法(支持部47と突起部49との離間距離)が外壁面材32の厚み寸法よりも大きくされていたが、有効幅寸法は外壁面材32の厚み寸法と同じ又はそれよりも小さくされていてもよい。この場合でも、ベース部材42が弾性変形することにより、外壁面材32の下端部を支持部47の屋内側に挿し入れることが可能となる。
(7)上記実施形態では、カバー部材43が接続部61,62によりベース部材42に対して取り付けられていたが、カバー部材43は、ビス等の固定具や接着剤などによりベース部材42に対して取り付けられていてもよい。
(8)ベース部材42は、下地フレーム33の横フレーム材36aではなく、一対の縦フレーム材35の下端に取り付けられていてもよい。この場合、仮に下地フレーム33が横フレーム材36aを有していなくても、ベース部材42を下地フレーム33の下端に取り付けることができ、その結果、カバー部材43を外壁面材32の下端に沿って延びるように取り付けることができる。
(9)建物は、ユニット式建物ではなく、鉄骨軸組工法や枠組壁工法などにより構築された建物であってもよい。この場合でも、建物の外壁が、横並びに設けられた複数の外壁パネルを含んで構築され、それら外壁パネルの下端に沿って延びるように土台水切が設けられていればよい。
20…建物ユニット、22…建物躯体を構成する天井大梁、23…建物躯体を構成する床大梁、30…外壁、31…外壁パネル、32…外壁面材、33…下地フレーム、41…土台水切、42…取付部材としてのベース部材、43…水切部材としてのカバー部材、45…入り込み部としての固定部、46…延出部、47…対向部としての支持部、49…突起部、57…配線支持部としての折り返し部、59…電気配線、74…引っ掛け部、76…配線支持部としての配線保持部。

Claims (9)

  1. 複数の外壁パネルが横並びに設けられているとともに、各外壁パネルの下端部に沿って延びるように土台水切が設けられている建物の外壁構造であって、
    前記外壁パネルは、建物躯体に取り付けられる下地フレームと、該下地フレームの屋外側に取り付けられている外壁面材とを有しており、
    前記土台水切は、前記下地フレームに取り付けられた取付部材と、該取付部材に対して装着された水切部材とを有しており、
    前記取付部材は、前記下地フレームよりも屋外側に向けて延びている延出部を有しており、該延出部の上面は、前記外壁面材の下端面と対向していることを特徴とする建物の外壁構造。
  2. 前記取付部材は、前記延出部から上方に向けて延びていることで前記外壁面材の屋外面と対向している対向部を有する請求項1に記載の建物の外壁構造。
  3. 前記水切部材は、前記外壁面材の下端部を屋外側から覆う状態で該下端部に沿って延びるように設けられている請求項1又は2に記載の建物の外壁構造。
  4. 前記取付部材は、前記複数の外壁パネルの下地フレームにそれぞれ取り付けられており、
    前記水切部材は、隣り合う前記外壁パネルに架け渡された状態で、それら外壁パネルの各取付部材に取り付けられている請求項3に記載の建物の外壁構造。
  5. 柱及び梁材を有する複数の建物ユニットにより構築されたユニット式建物に適用され、
    前記外壁パネルは、横並びで隣り合う建物ユニットのそれぞれに取り付けられており、
    前記取付部材は、前記隣り合う建物ユニットにおいて前記外壁パネルの各下地フレームのそれぞれに取り付けられており、
    前記水切部材は、前記隣り合う建物ユニットに架け渡された状態で、それら建物ユニットの各取付部材に取り付けられている請求項3又は4に記載の建物の外壁構造。
  6. 前記取付部材は、前記延出部から上方に向けて延びていることで前記下地フレームと前記外壁面材との間に入り込んでいる入り込み部を有しており、
    前記入り込み部は、前記下地フレームと前記外壁面材との間において該下地フレームに対して固定されている請求項1乃至5のいずれか1項に記載の建物の外壁構造。
  7. 前記取付部材は、前記入り込み部から屋外側に向けて突起した突起部を有しており、
    前記外壁面材は、前記突起部に当接していることで前記入り込み部から屋外側に離間している請求項6に記載の建物の外壁構造。
  8. 前記下地フレームは、前記外壁面材の下端部に沿って延びている横フレーム材を有しており、
    前記取付部材は、前記入り込み部から屋内側に向けて延び且つ前記横フレーム材の上端及び下端の少なくとも一方に引っ掛けられた引っ掛け部を有している請求項6又は7に記載の建物の外壁構造。
  9. 前記水切部材は、該水切部材の屋内側にて電気配線を支持する配線支持部を有している請求項1乃至8のいずれか1項に記載の建物の外壁構造。
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