JP2013194134A - ポリビニルエーテル類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ポリビニルエーテル類の製造方法に関する。
従来、ポリビニルエーテル類の製造方法が種々知られている。例えば、非特許文献1及び2には、(CF3SO2)2NHで表される触媒の存在下に、トリス(トリメチルシリル)シリルビニルエーテルを重合して、ポリビニルエーテル類を得る方法が開示されている。
M.B.Boxer,H.Yamamoto,J.Am.Chem.Soc.2006,128,48−49
B.J.Albert,H.Yamamoto,Angew.Chem.Int.Ed.2010,49,2747−2749
ところが、例えば非特許文献1及び2では、重合度が2〜3程度のポリビニルエーテル類しか得られていない。このような状況下、ポリビニルエーテル類の重合度を高め得る、ポリビニルエーテル類の新規な製造方法が求められている。
本発明は、ポリビニルエーテル類の重合度を高め得る、ポリビニルエーテル類の新規な製造方法を提供することを主な目的とする。
本発明のポリビニルエーテル類の製造方法は、下記一般式(1):
[式中、Rf1及びRf2は、それぞれ独立にフッ素原子、または直鎖もしくは分岐鎖のパーフルオロアルキル基であり、R1〜R3は、それぞれ独立に直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基である。但し、Rf1及びRf2のいずれか一方は、トリフルオロメチル基ではない。]で表される化合物の存在下に、下記一般式(2):
[式中、R4〜R6は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基であり、Mは、1価のカチオンである。]で表される化合物を重合させる重合工程を備える。
本発明のポリビニルエーテル類の製造方法のある特定の局面では、一般式(2)において、Mが、Si(R7)(R8)(R9)[式中、R7〜R9は、それぞれ独立にアルキル基である。]、Li、Na、K、MgX[式中、Xは、ハロゲン原子である。]、またはAl(R10)(R11)[式中、R10及びR11は、それぞれ独立にアルキル基である。]である。
本発明のポリビニルエーテル類の製造方法の他の特定の局面では、一般式(2)において、Mが、Si(R7)(R8)(R9)[式中、R7〜R9は、前記のR7〜R9と同じである。]である。
本発明のポリビニルエーテル類の製造方法のさらに他の特定の局面では、重合工程において、一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物、及び重合開始剤を混合する。
本発明のポリビニルエーテル類の製造方法のさらに別の特定の局面では、重合開始剤が、アルデヒド基を有する化合物である。
本発明のポリビニルエーテル類の製造方法のまた他の特定の局面では、重合工程で得られた重合体において、MをHに置換する工程をさらに備える。
本発明のポリビニルエーテル類の製造方法のまた別の特定の局面では、重合工程において、下記一般式(1a):
[式中、Rf1及びRf2は、それぞれ、一般式(1)のRf1及びRf2と同じである。]で表される化合物及び一般式(1)で表される化合物の少なくとも一方と、一般式(2)で表される化合物とを混合する。
本発明のポリビニルエーテル類の製造方法の他の特定の局面では、重合工程の前に、下記一般式(2a):
[式中、R4及びR5は、それぞれ、一般式(2)のR4及びR5と同じである。]で表される化合物から、一般式(2)で表される化合物(但し、一般式(2)において、R6が水素原子である。)を得る工程をさらに備える。
本発明のポリビニルエーテル類の製造方法の別の特定の局面では、重合工程の前に、下記一般式(2a):
[式中、R4及びR5は、それぞれ、一般式(2)のR4及びR5と同じである。]で表される化合物と、一般式:X1Si(R7)(R8)(R9)[式中、X1は、ハロゲン原子であり、R7〜R9は、それぞれ独立にアルキル基である。]で表される化合物とを、塩基性化合物の存在下に反応させて、下記一般式(2d):
[式中、R4及びR5は、それぞれ一般式(2a)のR4及びR5と同じであり、R7〜R9は、それぞれ独立にアルキル基である。]で表される化合物を得る工程をさらに備える。
本発明のポリビニルエーテル類の製造方法のさらに他の特定の局面では、重合工程の前に、一般式:HSi(R7)(R8)(R9)[式中、R7〜R9は、それぞれ独立にアルキル基である。]で表される化合物と、トリフルオロメタンスルホン酸とを反応させて、下記一般式(2f):
[式中、R7〜R9は、それぞれ前記のR7〜R9と同じである。]で表される化合物を得る工程と、一般式(2f)で表される化合物と、下記一般式(2a):
[式中、R4及びR5は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基である。]で表される化合物とを、塩基性化合物の存在下に反応させて、下記一般式(2d):
[式中、R4及びR5は、一般式(2a)と同じであり、R7〜R9は、それぞれ前期のR7〜R9と同じである。]で表される化合物を得る工程とをさらに備える。
本発明のポリビニルエーテル類の製造方法のまた他の特定の局面では、重合工程の前に、一般式(2c):
[式中、R4及びR5は、それぞれ、一般式(2)のR4及びR5と同じである。]で表される化合物から、一般式(2)で表される化合物(但し、一般式(2)において、R6が水素原子である。)を得る工程をさらに備える。
本発明の下記一般式(2d):
[式中、R4及びR5は、それぞれ、一般式(2a)のR4及びR5と同じであり、R7〜R9は、それぞれ独立にアルキル基である。]で表される化合物を製造する方法では、一般式(2a):
[式中、R4及びR5は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基である。]で表される化合物と、一般式:X1Si(R7)(R8)(R9)[式中、X1は、ハロゲン原子であり、R7〜R9は、それぞれ独立にアルキル基である。]で表される化合物とを、塩基性化合物の存在下に反応させる。
本発明の下記一般式(2d):
[式中、R4及びR5は、それぞれ、一般式(2a)のR4及びR5と同じであり、R7〜R9は、それぞれ独立にアルキル基である。]で表される化合物の製造方法では、一般式:HSi(R7)(R8)(R9)[式中、R7〜R9は、それぞれ独立にアルキル基である。]で表される化合物と、トリフルオロメタンスルホン酸とを反応させて、下記一般式(2f):
[式中、R7〜R9は、それぞれ、前記のR7〜R9と同じである。]で表される化合物を得る工程と、一般式(2f)で表される化合物と、下記一般式(2a):
[式中、R4及びR5は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基である。]
で表される化合物とを、塩基性化合物の存在下に反応させる。
で表される化合物とを、塩基性化合物の存在下に反応させる。
本発明の下記一般式(2e):
[式中、R4及びR5は、それぞれ、一般式(2c)のR4及びR5と同じである。]で表される化合物を製造する方法では、下記一般式(2c):
[式中、R4及びR5は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基である。]で表される化合物と、有機リチウム化合物とを反応させる。
本発明の下記一般式(2d):
[式中、R4及びR5は、それぞれ、一般式(2c)のR4及びR5と同じであり、R7〜R9は、それぞれ、前記のR7〜R9と同じである。]で表される化合物を製造する方法では、下記一般式(2e):
[式中、R4及びR5は、それぞれ、一般式(2c)のR4及びR5と同じである。]で表される化合物と、一般式:X1Si(R7)(R8)(R9)[式中、X1は、ハロゲン原子であり、R7〜R9は、それぞれ独立にアルキル基である。]で表される化合物とを反応させる。
本発明の下記一般式(1):
[式中、Rf1及びRf2は、それぞれ、一般式(1a)のRf1及びRf2と同じであり、R1〜R3は、前記のR1〜R3と同じである。]で表される化合物の製造方法では、下記一般式(1a):
[式中、Rf1及びRf2は、それぞれ独立にフッ素原子または直鎖もしくは分岐鎖のパーフルオロアルキル基である。但し、Rf1及びRf2のいずれか一方は、トリフルオロメチル基ではない。]で表される化合物と、水酸化カルシウムとを反応させて、下記一般式(1b):
[式中、Rf1及びRf2は、それぞれ、一般式(1a)のRf1及びRf2と同じである。]で表される化合物を得る工程と、一般式(1b)で表される化合物と、一般式:X2Si(R1)(R2)(R3)[式中、X2は、ハロゲン原子であり、R1〜R3は、それぞれ独立に直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基である。]で表される化合物とを反応させる工程とを備える。
本発明によれば、ポリビニルエーテル類の重合度を高め得る、ポリビニルエーテル類の新規な製造方法を提供することができる。
以下、本発明のポリビニルエーテル類の製造方法の詳細を説明する。本発明のポリビニルエーテル類の製造方法では、下記一般式(1):
[式中、Rf1及びRf2は、それぞれ独立にフッ素原子、または直鎖もしくは分岐鎖のパーフルオロアルキル基であり、R1〜R3は、それぞれ独立に直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基である。但し、Rf1及びRf2のいずれか一方は、トリフルオロメチル基ではない。]
で表される化合物の存在下に、
下記一般式(2):
で表される化合物の存在下に、
下記一般式(2):
[式中、R4〜R6は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基であり、Mは、1価のカチオンである。]
で表される化合物を重合させる重合工程を備える。
で表される化合物を重合させる重合工程を備える。
本発明の製造方法によれば、下記一般式(3):
[式中、Mは、上記のMと同じである。]
で表される繰り返し単位を有するポリビニルエーテル類が得られる。一般式(3)で表される繰り返し単位の数(重合度)は、2以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。繰り返し単位の数(重合度)は、通常3000以下である。
で表される繰り返し単位を有するポリビニルエーテル類が得られる。一般式(3)で表される繰り返し単位の数(重合度)は、2以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。繰り返し単位の数(重合度)は、通常3000以下である。
一般式(1)において、Rf1及びRf2の少なくとも一方が、直鎖もしくは分岐鎖のパーフルオロアルキル基である場合、パーフルオロアルキル基の炭素数の合計は、3以上であることが好ましい。パーフルオロアルキル基の炭素数が大きくなることにより、一般式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」ということがある。)の酸性度を高めることができる。このため、一般式(2)で表される化合物(以下、「化合物(2)」ということがある。)の重合度を高め得る。一方、パーフルオロアルキル基の炭素数が大きくなりすぎると、立体障害が大きくなり、化合物(1)の反応性が低下する場合がある。このような観点から、化合物(1)において、Rf1及びRf2は、それぞれ独立に、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数2〜12のパーフルオロアルキル基であることが好ましく、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数3〜6のパーフルオロアルキル基であることがより好ましく、炭素数4のパーフルオロアルキル基であることがさらに好ましい。
化合物(1)のR1〜R3は、それぞれ独立に、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。R1〜R3の炭素数がこのような範囲内にあることにより、化合物(1)の反応性を適切に調整することができる。
特に好ましい化合物(1)の具体例としては、Rf1及びRf2が、それぞれC4F9基であり、R1がtert―ブチル基であり、R2及びR3がメチル基であるものが挙げられる。
化合物(1)は、例えば、次のようにして得られる。まず、下記一般式(1a):
[式中、Rf1及びRf2は、それぞれ、上記のRf1及びRf2と同じである。]
で表される化合物(以下、「化合物(1a)」ということがある。)と、水酸化カルシウムとを反応させて、下記一般式(1b):
で表される化合物(以下、「化合物(1a)」ということがある。)と、水酸化カルシウムとを反応させて、下記一般式(1b):
[式中、Rf1及びRf2は、それぞれ、上記のRf1及びRf2と同じである。]
で表される化合物(以下、「化合物(1b)」ということがある。)を得る。次に、化合物(1b)と、一般式:X2Si(R1)(R2)(R3)[式中、X2は、ハロゲン原子であり、R1〜R3は、それぞれ、上記のR1〜R3と同じである。]で表される化合物とを反応させる。これらの工程により、化合物(1)が得られる。
で表される化合物(以下、「化合物(1b)」ということがある。)を得る。次に、化合物(1b)と、一般式:X2Si(R1)(R2)(R3)[式中、X2は、ハロゲン原子であり、R1〜R3は、それぞれ、上記のR1〜R3と同じである。]で表される化合物とを反応させる。これらの工程により、化合物(1)が得られる。
なお、化合物(1a)は、市販品を使用することができる。化合物(1a)の市販品としては、三菱マテリアル電子化成株式会社製のものが挙げられる。
化合物(1b)と一般式:X2Si(R1)(R2)(R3)で表される化合物とを反応させる工程は、化合物(1b)にX2Si(R1)(R2)(R3)の溶液を加えることによって行うことができる。なお、X2は、Cl、BrまたはIであることが好ましい。
化合物(2)のR4〜R6は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましい。この場合、化合物(2)の反応性を高め得る。R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であることがより好ましく、水素原子またはメチル基であることがさらに好ましく、水素原子であることが特に好ましい。また、R6は、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であることがより好ましく、水素原子またはメチル基であることがさらに好ましい。R4〜R6の全てが水素原子である場合、化合物(2)の反応性が高いため、特に好ましい。
化合物(2)のMは、化合物(2)の重合が可能な1価のカチオンであれば、特に限定されない。Mとしては、例えば、Si(R7)(R8)(R9)[式中、R7〜R9は、それぞれ独立にアルキル基である。]、Li、Na、K、MgX[式中、Xは、ハロゲン原子である。]、またはAl(R10)(R11)[式中、R10及びR11は、それぞれ独立にアルキル基である。]などが挙げられる。
化合物(2)において、MがSi(R7)(R8)(R9)である場合、化合物(2)(但し、R6が水素原子である。)は、下記一般式(2d):
[式中、R4及びR5は、それぞれ一般式(2)のR4及びR5と同じであり、R7〜R9は、それぞれ独立にアルキル基である。]
で表すことができる。
で表すことができる。
一般式(2d)で表される化合物(以下、「化合物(2d)」ということがある。)において、R7〜R9は、それぞれ独立に、直鎖または分岐鎖の炭素数1〜9のアルキル基であることが好ましく、直鎖または分岐鎖の炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましく、直鎖または分岐鎖の炭素数1〜4のアルキル基であることがさらに好ましい。このような場合、重合反応系中における化合物(2d)のO−Si結合を安定化することができ、かつ、後述のO−Si結合をO−H結合に変換する反応(脱シリル化反応)を進行させやすくすることができる。
MがMgXである場合、化合物の安定性の観点から、XはBrであることが好ましい。
MがAl(R10)(R11)である場合、化合物の安定性の観点から、R10及びR11は、それぞれ独立にアルキル基であることが好ましい。
化合物(2)の反応性を高める観点から、Mは、Si(R7)(R8)(R9)であることが好ましい。すなわち、化合物(2)は、化合物(2d)であることが好ましい。
本発明において、化合物(2)を重合するためには、例えば化合物(1)と化合物(2)とを混合すればよい。混合方法は特に限定されず、例えば、撹拌装置などを用いる方法などが挙げられる。
本発明においては、化合物(1)及び化合物(2)に加えて、重合開始剤を混合して、化合物(2)を重合させることが好ましい。重合開始剤としては、アルデヒド基を有する化合物などが挙げられる。化合物(2)の重合反応を開始させやすくする観点から、重合開始剤としては、アルデヒド基を有する化合物が好ましい。アルデヒド基を有する化合物のアルデヒド基と化合物(2)の不飽和二重結合とが反応することにより、重合反応が開始される。すなわち、重合開始剤がアルデヒド基を有する化合物である場合、重合開始剤がアルデヒド基を有すれば重合反応を開始させることができるため、アルデヒド基を有する化合物の種類は、特に限定されない。アルデヒド基を有する化合物としては、R12CHO[式中、R12は、1価の芳香族炭化水素基、1価の脂肪族炭化水素基などである。]で表される化合物が挙げられる。芳香族炭化水素基としては、フェニル基などが挙げられる。脂肪族炭化水素基は、直鎖、分岐鎖、環状のいずれであってもよい。また、脂肪族炭化水素基は、特に限定されず、例えば1〜20程度である。アルデヒド基を有する化合物の具体例としては、ベンズアルデヒド、アニスアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどが挙げられる。
アルデヒド基を有する化合物は、化合物(1)及び化合物(2)に添加してもよいし、反応系中で発生させてもよい。例えば、化合物(2)のO−M結合が反応系中でO−H結合に変換されると、化合物(2)はビニルアルコール骨格を有することになる。よって、
化合物(2)は、ケト・エノール互変異性反応により、ケト型のアルデヒド基を有することになる。
化合物(2)は、ケト・エノール互変異性反応により、ケト型のアルデヒド基を有することになる。
例えば、重合開始剤が、R12CHO[式中、R12は、上記のR12と同じである。]で表されるアルデヒド基を有する化合物である場合、本発明に係る製造法によれば、下記一般式(3a):
で表されるポリビニルエーテル類を製造することができる。
本発明の製造方法において、化合物(1)は、化合物(2)を重合させる触媒として機能することができる。よって、化合物(1)は、化合物(2)に対して、触媒量使用すればよい。化合物(1)は、化合物(2)100質量部に対して、0.11質量部〜2.20質量部程度の範囲で用いることが好ましく、0.11質量部〜1.10質量部程度の範囲で用いることがより好ましい。このような範囲で用いることにより、化合物(2)の重合度を高め得る。
重合工程における温度は、特に限定されないが、副反応を抑制し、化合物(2)で表される化合物の重合度を高める観点から、−78℃〜25℃程度の範囲であることが好ましく、−78℃〜0℃程度の範囲であることがより好ましい。重合工程における圧力は、特に限定されず、例えば常圧であってよい。重合工程に要する時間は、5分間〜24時間程度である。
重合工程においては、さらに溶媒を用いてもよい。溶媒としては、特に限定されず、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、トルエンなどを用いることができる。
重合工程においては、上記の化合物(1a)と、化合物(2)とを混合してもよい。例えば、化合物(1a)は、化合物(2d)と反応して、化合物(1)で表される化合物に変換され得る。よって、化合物(1a)と化合物(2d)とを混合することにより、化合物(1)の存在下に、化合物(2d)を重合させ得る。
化合物(1a)は、化合物(2)に対して、触媒量使用すればよい。化合物(1a)は、化合物(2)100質量部に対して、0.11質量部〜2.20質量部程度の範囲で用いることが好ましく、0.11質量部〜1.10質量部程度の範囲で用いることがより好ましい。このような範囲で用いることにより、化合物(2)の重合度を高め得る。
本発明においては、重合工程の前に、下記一般式(2a):
[式中、R4及びR5は、それぞれ、一般式(2)のR4及びR5と同じである。]
で表される化合物(以下、「化合物(2a)」ということがある。)から、化合物(2)(但し、化合物(2)において、R6が水素原子である。)を得る工程をさらに備えていてもよい。この場合、アルデヒドを出発原料として、ポリビニルエーテル類を合成することができる。また、この反応は、モノマーである化合物(2)の製造方法として有用である。
で表される化合物(以下、「化合物(2a)」ということがある。)から、化合物(2)(但し、化合物(2)において、R6が水素原子である。)を得る工程をさらに備えていてもよい。この場合、アルデヒドを出発原料として、ポリビニルエーテル類を合成することができる。また、この反応は、モノマーである化合物(2)の製造方法として有用である。
例えば、化合物(2a)と一般式:X1Si(R7)(R8)(R9)[式中、X1は、ハロゲン原子であり、R7〜R9は、それぞれ、上記のR7〜R9と同じである。]で表される化合物とを、塩基性化合物の存在下に反応させることにより、上記の化合物(2d)が得られる。塩基性化合物としては、特に限定されず、例えばトリエチルアミンなどが挙げられる。また、X1は、Cl、BrまたはIであることが好ましい。化合物(2a)とX1Si(R7)(R8)(R9)との反応性を高める観点からは、X1はIであることが好ましい。なお、X1がClである場合、ClSi(R7)(R8)(R9)とNaIと反応させることにより、容易にISi(R7)(R8)(R9)とすることができる。この反応は、モノマーである化合物(2d)の製造方法として有用である。
また、本発明においては、重合工程の前に、一般式:HSi(R7)(R8)(R9)[式中、R7〜R9は、それぞれ、上記のR7〜R9と同じである。]で表される化合物と、トリフルオロメタンスルホン酸とを反応させて、下記一般式(2f):
[式中、R7〜R9は、それぞれ上記のR7〜R9と同じである。]
で表される化合物(以下、「化合物(2f)」ということがある。)を得る工程と、化合物(2f)と、上記の化合物(2a)とを、塩基性化合物の存在下に反応させて、上記の化合物(2d)を得る工程とをさらに備えていてもよい。この場合にも、アルデヒドを出発原料として、ポリビニルエーテル類を合成することができる。また、この反応は、モノマーである化合物(2d)の製造方法として有用である。なお、塩基性化合物は、上記の塩基性化合物と同じであってよい。
で表される化合物(以下、「化合物(2f)」ということがある。)を得る工程と、化合物(2f)と、上記の化合物(2a)とを、塩基性化合物の存在下に反応させて、上記の化合物(2d)を得る工程とをさらに備えていてもよい。この場合にも、アルデヒドを出発原料として、ポリビニルエーテル類を合成することができる。また、この反応は、モノマーである化合物(2d)の製造方法として有用である。なお、塩基性化合物は、上記の塩基性化合物と同じであってよい。
また、本発明においては、重合工程の前に、下記一般式(2c):
[式中、R4及びR5は、それぞれ、一般式(2)のR4及びR5と同じである。]
で表される化合物(以下、「化合物(2c)」ということがある。)から、上記の化合物(2)を得る工程をさらに備えていてもよい。この場合、テトラヒドロフラン誘導体からポリビニルエーテル類を製造することができる。例えば、化合物(2c)と、ブチルリチウムなどの有機リチウム化合物とを反応させることにより、下記一般式(2e):
で表される化合物(以下、「化合物(2c)」ということがある。)から、上記の化合物(2)を得る工程をさらに備えていてもよい。この場合、テトラヒドロフラン誘導体からポリビニルエーテル類を製造することができる。例えば、化合物(2c)と、ブチルリチウムなどの有機リチウム化合物とを反応させることにより、下記一般式(2e):
[式中、R4及びR5は、それぞれ、一般式(2c)のR4及びR5と同じである。]
で表される化合物(以下、「化合物(2e)」ということがある。)を製造することができる。この反応は、モノマーである化合物(2e)の製造方法として有用である。
で表される化合物(以下、「化合物(2e)」ということがある。)を製造することができる。この反応は、モノマーである化合物(2e)の製造方法として有用である。
さらに、化合物(2e)と上記のX1Si(R7)(R8)(R9)とを反応させることにより、上記の化合物(2d)を得ることができる。この反応は、例えば塩基性化合物の存在下に行うことができる。塩基性化合物としては、上記と同じ塩基性化合物を使用できる。この反応は、モノマーである化合物(2d)の製造方法として有用である。
本発明においては、重合工程で得られた重合体において、MをHに置換する工程をさらに備えていてもよい。これにより、下記一般式(3b):
で表される繰り返し単位を有する、ポリビニルエーテル類を製造することができる。
MをHに置換する方法は、特に限定されない。例えば、Mが、Si(R7)(R8)(R9)で表される化合物であって、アルデヒド基を有する化合物を重合開始剤として用いた場合、重合工程において、下記一般式(3c):
[式中、R12、R7〜R9、及びnは、それぞれ上記のR12、R7〜R9、及びnと同じである。]
で表されるポリビニルエーテル類が得られる。
で表されるポリビニルエーテル類が得られる。
一般式(3c)で表されるポリビニルエーテル類のO−Si結合をO−H結合に変換する脱シリル化反応を行うことにより、下記一般式(3d):
[式中、nは、上記のnと同じnであり、R13は、アルキル基である。]
で表されるポリビニルエーテル類が得られる。脱シリル化反応は、例えば、R13−OH[式中、R13は、上記のR13と同じである。]で表されるアルコール、及び塩酸などの酸を用いて容易に行うことができる。R13は、脱シリル化反応の効率などの観点から、炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基などであることがより好ましい。
で表されるポリビニルエーテル類が得られる。脱シリル化反応は、例えば、R13−OH[式中、R13は、上記のR13と同じである。]で表されるアルコール、及び塩酸などの酸を用いて容易に行うことができる。R13は、脱シリル化反応の効率などの観点から、炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基などであることがより好ましい。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
(合成例1)
撹拌機を備え、容積が30mLのナスフラスコに、Nf2NH(以下、「Nf」は、「n−C4F9基」を示す。)を1モル、蒸留水を10mLを加え、撹拌しながらCa(OH)2水溶液(50モル/L)を10mL加えた。24時間撹拌後、溶媒である水を除去して、(Nf2N)2Caを得た。
撹拌機を備え、容積が30mLのナスフラスコに、Nf2NH(以下、「Nf」は、「n−C4F9基」を示す。)を1モル、蒸留水を10mLを加え、撹拌しながらCa(OH)2水溶液(50モル/L)を10mL加えた。24時間撹拌後、溶媒である水を除去して、(Nf2N)2Caを得た。
(合成例2)
撹拌機を備え、容積が10mLのナスフラスコに(Nf2N)2Caを0.1ミリモル加え、脱気後、窒素雰囲気下で、溶媒としてジクロロメタンを2mL、tert−ブチルジメチルシリルクロライドを0.2ミリモル加えた。1時間撹拌後、溶媒を除去することにより、下記一般式(1c):
撹拌機を備え、容積が10mLのナスフラスコに(Nf2N)2Caを0.1ミリモル加え、脱気後、窒素雰囲気下で、溶媒としてジクロロメタンを2mL、tert−ブチルジメチルシリルクロライドを0.2ミリモル加えた。1時間撹拌後、溶媒を除去することにより、下記一般式(1c):
で表される化合物(Nf2NTBDMS)を得た。
(合成例3)
撹拌機を備え、容積が10mLのナスフラスコに(Nf2N)2Caを0.1ミリモル加え、脱気後、窒素雰囲気下で、溶媒としてジクロロメタンを2mL、トリメチルシリルクロライドを0.2ミリモル加えた。1時間撹拌後、溶媒を除去することにより、下記一般式(1d):
撹拌機を備え、容積が10mLのナスフラスコに(Nf2N)2Caを0.1ミリモル加え、脱気後、窒素雰囲気下で、溶媒としてジクロロメタンを2mL、トリメチルシリルクロライドを0.2ミリモル加えた。1時間撹拌後、溶媒を除去することにより、下記一般式(1d):
で表される化合物を得た。
(合成例4)
窒素雰囲気下、撹拌機を備え、容積が10mLのナスフラスコに、NaIを1ミリモル、アセトニトリルを1mL、tert−ブチルジメチルシリルクロライドを1ミリモル加えて、しばらく撹拌した。その後、トリエチルアミンを1ミリモル、アセトアルデヒドを2ミリモル加えてしばらく撹拌して、tert−ブチルジメチルシリルビニルエーテル(VOTBDMS)を得た。得られたVOTBDMSの1H−NMRチャートを図1に示す。なお、1H−NMRの測定は、200MHz、内部標準:テトラメチルシラン(TMS)、CDCl3溶媒、27℃下の条件で行った。
窒素雰囲気下、撹拌機を備え、容積が10mLのナスフラスコに、NaIを1ミリモル、アセトニトリルを1mL、tert−ブチルジメチルシリルクロライドを1ミリモル加えて、しばらく撹拌した。その後、トリエチルアミンを1ミリモル、アセトアルデヒドを2ミリモル加えてしばらく撹拌して、tert−ブチルジメチルシリルビニルエーテル(VOTBDMS)を得た。得られたVOTBDMSの1H−NMRチャートを図1に示す。なお、1H−NMRの測定は、200MHz、内部標準:テトラメチルシラン(TMS)、CDCl3溶媒、27℃下の条件で行った。
(合成例5)
窒素雰囲気下、撹拌機を備え、容積が10mLのナスフラスコに、NaIを1ミリモル、アセトニトリルを1mL、トリエチルシリルクロライドを1ミリモル加えて、しばらく撹拌した。その後、トリエチルアミンを1ミリモル、アセトアルデヒドを2ミリモル加えてしばらく撹拌して、トリエチルシリルビニルエーテル(VOTES)を得た。得られたVOTESの1H−NMRチャートを図2に示す。なお、1H−NMRの測定条件は、合成例4と同様とした。
窒素雰囲気下、撹拌機を備え、容積が10mLのナスフラスコに、NaIを1ミリモル、アセトニトリルを1mL、トリエチルシリルクロライドを1ミリモル加えて、しばらく撹拌した。その後、トリエチルアミンを1ミリモル、アセトアルデヒドを2ミリモル加えてしばらく撹拌して、トリエチルシリルビニルエーテル(VOTES)を得た。得られたVOTESの1H−NMRチャートを図2に示す。なお、1H−NMRの測定条件は、合成例4と同様とした。
(合成例6)
窒素雰囲気下、撹拌機を備え、容積が10mLのナスフラスコに、トリフルオロメチルスルホン酸を1ミリモル、tert−ブチルジメチルシランを1ミリモル、ジクロロメタンを3mL加え、1時間撹拌した。その後、ジクロロメタンを1.5mL、トリエチルアミンを1.5ミリモル、アセトアルデヒドを1ミリモル混合した混合溶液を、窒素雰囲気下に加え、2時間撹拌して、tert−ブチルジメチルシリルビニルエーテル(VOTBDMS)を得た。得られたVOTBDMSの1H−NMRチャートを図3に示す。なお、1H−NMRの測定条件は、合成例4と同様とした。
窒素雰囲気下、撹拌機を備え、容積が10mLのナスフラスコに、トリフルオロメチルスルホン酸を1ミリモル、tert−ブチルジメチルシランを1ミリモル、ジクロロメタンを3mL加え、1時間撹拌した。その後、ジクロロメタンを1.5mL、トリエチルアミンを1.5ミリモル、アセトアルデヒドを1ミリモル混合した混合溶液を、窒素雰囲気下に加え、2時間撹拌して、tert−ブチルジメチルシリルビニルエーテル(VOTBDMS)を得た。得られたVOTBDMSの1H−NMRチャートを図3に示す。なお、1H−NMRの測定条件は、合成例4と同様とした。
(合成例7)
窒素雰囲気、氷冷下において、攪拌機を備え、容積が200mLの三口フラスコに、THFを175mL、n−ブチルリチウム(1.6Mのヘキサン溶液)を125mL加えた。24時間撹拌後、窒素流入下、tert−ブチルジメチルシリルクロライド(1.25g/mLのTHF溶液)を20mL加えて12時間撹拌した。反応後、蒸留により単離し、tert−ブチルジメチルシリルビニルエーテル(VOTBDMS)を得た。得られたVOTBDMSの1H−NMRチャートを図4に示す。なお、1H−NMRの測定条件は、合成例4と同様とした。
窒素雰囲気、氷冷下において、攪拌機を備え、容積が200mLの三口フラスコに、THFを175mL、n−ブチルリチウム(1.6Mのヘキサン溶液)を125mL加えた。24時間撹拌後、窒素流入下、tert−ブチルジメチルシリルクロライド(1.25g/mLのTHF溶液)を20mL加えて12時間撹拌した。反応後、蒸留により単離し、tert−ブチルジメチルシリルビニルエーテル(VOTBDMS)を得た。得られたVOTBDMSの1H−NMRチャートを図4に示す。なお、1H−NMRの測定条件は、合成例4と同様とした。
(合成例8)
窒素雰囲気、氷冷下において、攪拌機を備え、容積が200mLの三口フラスコに、THFを175mL、n−ブチルリチウム(1.6Mのヘキサン溶液)を125mL加えた。24時間撹拌後、窒素流入下、トリエチルシリルクロライドを25g加えて12時間撹拌した。反応後、蒸留により単離し、トリエチルシリルビニルエーテル(VOTES)を
得た。得られたVOTESの1H−NMRチャートを図5に示す。なお、1H−NMRの測定条件は、合成例4と同様とした。
窒素雰囲気、氷冷下において、攪拌機を備え、容積が200mLの三口フラスコに、THFを175mL、n−ブチルリチウム(1.6Mのヘキサン溶液)を125mL加えた。24時間撹拌後、窒素流入下、トリエチルシリルクロライドを25g加えて12時間撹拌した。反応後、蒸留により単離し、トリエチルシリルビニルエーテル(VOTES)を
得た。得られたVOTESの1H−NMRチャートを図5に示す。なお、1H−NMRの測定条件は、合成例4と同様とした。
(実施例1〜7)
窒素雰囲気下で、攪拌機を備えた容積が10mLのナスフラスコに、合成例1で得た(Nf2N)2Ca、tert−ブチルジメチルシリルクロライド、及びジクロロメタンを加え、1時間撹拌した。次に、重合開始剤としてベンズアルデヒドを加えて、恒温層内で撹拌しながら、モノマーとしてtert−ブチルジメチルシリルビニルエーテルを加えて反応を開始した。モノマーの消費を1H−NMRで確認後、反応を終了した。実施例1〜7において、それぞれの重合反応に使用した各成分の比、モノマー濃度、恒温層の設定温度、反応時間は、表1の通りである。実施例7では、−78℃で重合反応を開始し、1晩放置して、自然に室温まで温度を上昇させた。得られた重合体(ポリ(tert−ブチルジメチルシリルビニルエーテル(PVOTBDMS)))の数平均分子量Mn×10−3、平均重合度(DP)、分子量分布(Mw/Mn)、及び再沈殿精製後の収率(%)を表1に示す。得られた重合体の数平均分子量Mnは、溶媒としてクロロホルム、標準資料としてポリスチレンを用いたサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定した。得られた重合体の1H−NMRチャートを図6に示す。1H−NMRの測定条件は、合成例4と同様とした。
窒素雰囲気下で、攪拌機を備えた容積が10mLのナスフラスコに、合成例1で得た(Nf2N)2Ca、tert−ブチルジメチルシリルクロライド、及びジクロロメタンを加え、1時間撹拌した。次に、重合開始剤としてベンズアルデヒドを加えて、恒温層内で撹拌しながら、モノマーとしてtert−ブチルジメチルシリルビニルエーテルを加えて反応を開始した。モノマーの消費を1H−NMRで確認後、反応を終了した。実施例1〜7において、それぞれの重合反応に使用した各成分の比、モノマー濃度、恒温層の設定温度、反応時間は、表1の通りである。実施例7では、−78℃で重合反応を開始し、1晩放置して、自然に室温まで温度を上昇させた。得られた重合体(ポリ(tert−ブチルジメチルシリルビニルエーテル(PVOTBDMS)))の数平均分子量Mn×10−3、平均重合度(DP)、分子量分布(Mw/Mn)、及び再沈殿精製後の収率(%)を表1に示す。得られた重合体の数平均分子量Mnは、溶媒としてクロロホルム、標準資料としてポリスチレンを用いたサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定した。得られた重合体の1H−NMRチャートを図6に示す。1H−NMRの測定条件は、合成例4と同様とした。
(実施例8〜9)
窒素雰囲気下、攪拌機を備え、容積が10mLのナスフラスコに、Nf2NHを加えた。次に、ジクロロメタンを1mL、開始剤としてベンズアルデヒド加えて、−20℃に設定した恒温層内で撹拌しながら、モノマーとして合成例5で作製したトリエチルシリルビ
ニルエーテル(VOTES)を1ミリモル加えて反応を開始した。モノマーの消費を1H−NMRで確認後、反応を終了した。実施例8〜9において、それぞれの重合反応に使用した各成分の質量比、モノマー濃度、及び反応時間は、表2の通りである。実施例8〜9で得られた重合体(ポリ(トリエチルシリルビニルエーテル(PVOTES)))の数平均分子量Mn×10−3、平均重合度(DP)、分子量分布(Mw/Mn)、及び再沈殿精製後の収率(%)を表2に示す。実施例9においては、収率を測定しなかった。得られた重合体の数平均分子量Mnは、実施例1〜7と同様にして測定した。得られた重合体の1H−NMRチャートを図7に示す。1H−NMRの測定条件は、合成例4と同様である。図7に示す1H−NMRチャートから、ベンズアルデヒドが重合開始剤となって得られたポリ(トリエチルシリルビニルエーテル)と、アセトアルデヒドが重合開始剤となって得られたポリ(トリエチルシリルビニルエーテル)の2種類が得られていることが分かる。なお、表2に示した数平均分子量Mn×10−3、平均重合度(DP)、分子量分布(Mw/Mn)、及び収率(%)は、ベンズアルデヒドが重合開始剤となって得られたポリ(トリエチルシリルビニルエーテル)とアセトアルデヒドが重合開始剤となって得られたポリ(トリエチルシリルビニルエーテル)の混合物についての値である。
窒素雰囲気下、攪拌機を備え、容積が10mLのナスフラスコに、Nf2NHを加えた。次に、ジクロロメタンを1mL、開始剤としてベンズアルデヒド加えて、−20℃に設定した恒温層内で撹拌しながら、モノマーとして合成例5で作製したトリエチルシリルビ
ニルエーテル(VOTES)を1ミリモル加えて反応を開始した。モノマーの消費を1H−NMRで確認後、反応を終了した。実施例8〜9において、それぞれの重合反応に使用した各成分の質量比、モノマー濃度、及び反応時間は、表2の通りである。実施例8〜9で得られた重合体(ポリ(トリエチルシリルビニルエーテル(PVOTES)))の数平均分子量Mn×10−3、平均重合度(DP)、分子量分布(Mw/Mn)、及び再沈殿精製後の収率(%)を表2に示す。実施例9においては、収率を測定しなかった。得られた重合体の数平均分子量Mnは、実施例1〜7と同様にして測定した。得られた重合体の1H−NMRチャートを図7に示す。1H−NMRの測定条件は、合成例4と同様である。図7に示す1H−NMRチャートから、ベンズアルデヒドが重合開始剤となって得られたポリ(トリエチルシリルビニルエーテル)と、アセトアルデヒドが重合開始剤となって得られたポリ(トリエチルシリルビニルエーテル)の2種類が得られていることが分かる。なお、表2に示した数平均分子量Mn×10−3、平均重合度(DP)、分子量分布(Mw/Mn)、及び収率(%)は、ベンズアルデヒドが重合開始剤となって得られたポリ(トリエチルシリルビニルエーテル)とアセトアルデヒドが重合開始剤となって得られたポリ(トリエチルシリルビニルエーテル)の混合物についての値である。
Claims (16)
- 前記一般式(2)において、Mが、Si(R7)(R8)(R9)[式中、R7〜R9は、それぞれ独立にアルキル基である。]、Li、Na、K、MgX[式中、Xは、ハロゲン原子である。]、またはAl(R10)(R11)[式中、R10及びR11は、それぞれ独立にアルキル基である。]である、請求項1に記載のポリビニルエーテル類の製造方法。
- 前記一般式(2)において、Mが、Si(R7)(R8)(R9)[式中、R7〜R9は、それぞれ、前記のR7〜R9と同じである。]である、請求項2に記載のポリビニルエーテル類の製造方法。
- 前記重合工程において、前記一般式(1)で表される化合物、前記一般式(2)で表される化合物、及び重合開始剤を混合する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリビニルエーテル類の製造方法。
- 前記重合開始剤が、アルデヒド基を有する化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリビニルエーテル類の製造方法。
- 前記重合工程で得られた重合体において、前記MをHに置換する工程をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリビニルエーテル類の製造方法。
- 前記重合工程の前に、一般式:HSi(R7)(R8)(R9)[式中、R7〜R9は、それぞれ独立にアルキル基である。]で表される化合物と、トリフルオロメタンスルホン酸とを反応させて、下記一般式(2f):
で表される化合物を得る工程と、
前記一般式(2f)で表される化合物と、下記一般式(2a):
で表される化合物とを、塩基性化合物の存在下に反応させて、下記一般式(2d):
で表される化合物を得る工程と、
をさらに備える、請求項3に記載のポリビニルエーテル類の製造方法。 - 一般式:HSi(R7)(R8)(R9)[式中、R7〜R9は、それぞれ独立にアルキル基である。]で表される化合物と、トリフルオロメタンスルホン酸とを反応させて、下記一般式(2f):
で表される化合物を得る工程と、
前記一般式(2f)で表される化合物と、下記一般式(2a):
で表される化合物とを、塩基性化合物の存在下に反応させる工程と、
を備える、下記一般式(2d):
で表される化合物の製造方法。 - 下記一般式(1a):
で表される化合物と、水酸化カルシウムとを反応させて、下記一般式(1b):
で表される化合物を得る工程と、
前記一般式(1b)で表される化合物と、一般式:X2Si(R1)(R2)(R3)[式中、X2は、ハロゲン原子であり、R1〜R3は、それぞれ独立に直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基である。]で表される化合物とを反応させる工程と、
を備える、下記一般式(1):
で表される化合物の製造方法。
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