JP2013193889A - ガラス板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス板の破壊強度を高くするとともに、ガラス板の主表面に付着し易いガラスの微粒子を効果的に抑制するガラス板の製造方法を提供する。
【解決手段】ガラス板の製造方法は、レーザ光を用いてガラス原板を分断してガラス板を採取する工程と、前記ガラス板の断面視において、前記ガラス板の端面と前記ガラス板の主表面とにより形成されるエッジを頂点とし、前記エッジから前記端面に沿って延びる辺を第1の辺とし、前記エッジから前記主表面に沿って延びる辺を第2の辺として定まる三角形の部分を前記ガラス板の角部としたとき、前記角部の表面を、エッチングにより曲面形状にする工程と、を含む。前記第1の辺及び前記第2の辺の長さは前記ガラス板の厚さの1/8以上かつ1/6以下である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ガラス板の端面の加工処理を行うガラス板の製造方法に関する。
従来より、ガラス板の製造では、ガラス原料を熔解してできた熔融ガラスを、ダウンドロー法やフロート法を用いて連続したシート状ガラスに成形する。成形したシート状ガラスは、歪みや反りが生じないように徐冷を行った後、所定の長さに切断されてガラス原板が作製される。このガラス原板は、さらに最終製品のガラス板のサイズになるように分断されてガラス板となる。ガラス板を作製する際、一般に、ダイヤモンドカッターやレーザ光を用いてガラス原板にスクライブ線が入れられた後、スクライブ線に引っ張り応力を集中させてスクライブ線の深さ方向に亀裂が進行するようにガラス原板を破断させる。これにより、所定サイズのガラス板が得られる。
上記ダイヤモンドカッターによってスクライブ線が形成されて分断されたガラス板の端面あるいは端面近傍のガラス板の主表面には、スクライブ線の周囲に発生する細かなクラックが不可避的に存在する。このため、上記クラックを除去しなければ、上記クラックの存在によりガラス板の破壊強度が低くなる(割れ易くなる)といった問題がある。
これに対して、上記レーザ光を用いて分断されたガラス板は、スクライブ線の周囲にクラックが殆ど発生せず、凹凸やクラックの殆どない平滑な端面が得られる。レーザ光を用いてガラス原板を分断する方法として、レーザ光を線上に照射して形成されたスクライブ線に機械的な応力を加えて分割する方法、あるいは熱衝撃のみによりガラス原板の裏面に向けてスクライブ線の底部からクラックを進展させて分断するフルカットなどの方法が知られている。しかし、上記のレーザ光を用いて分断されたガラス板の端面と表裏面との間の角部には、非常に鋭いエッジが形成される。このような鋭いエッジは非常に欠けやすく、耐衝撃性が極端に低い。角部のエッジが欠けるとガラス板の破壊強度が低くなるといった問題がある。
上記の鋭いエッジを機械加工により除去しつつ、微小なクラックや微小なガラス粉(ガラスの微粒子)が発生し難いガラス板(ガラス基板)の端縁構造を有し、フラットパネルディスプレイの製造効率や製品特性の向上に資するガラス板が知られている(特許文献1)。
当該ガラス板は、ガラス板の表裏面(両側の主表面)と端面が交差する端縁の一部または全部に面取り面が形成され、この面取り面の寸法が、ガラス板の板厚方向において18〜75μmである。この構成を用いることにより、フラットパネルディスプレイの製造工程でガラス板が欠損する確率を低減することができる、とされている。また、ガラス板の表裏面(両側の主表面)と端面が交差する端縁の少なくとも一部を面取りすることにより、ガラス板が欠損する確率を低減することができる、とされている。
また、ガラスシートの粒子保持作用の程度を最小にし、かつ仕上げ工程中のガラス粒子の発生を減らしつつガラスシートのエッジを仕上げる方法が知られている(特許文献2)。
当該方法では、ガラスシートを所望のサイズに分割した後、ガラスシートのエッジを、このシートに対してほぼ直角に向けられた回転する研磨ホイールに接触させかつ移動させることによって研磨する。これにより、ガラスシートのエッジに面取り面が形成される。上記研磨ホイールには、高分子担体材料中に分散された研磨材が含まれている。
特開2008−266046号公報 特開平10−180604号公報
上述したガラス板やガラスシートのエッジを仕上げる方法では、いずれもガラス板あるいはガラスシートのエッジに位置する端面と主表面の交わる角部に対して機械加工により面取りを施している。このため、面取りの工程で、面取り面や面取り面に接続した面取り面近傍の端面や主表面の一部分には、微小なクラックが入る場合があり、必ずしもガラス板の破壊強度が高くなるとは限らない。
特に、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイに用いられるガラス板には、ガラス板の破壊強度が高いこと、及びガラス主表面に微小な傷や凸部を作る原因となり、ガラス板の端面に存在するガラスの微粒子を抑制することが望まれている。また、液晶ディスプレイ等に用いるガラス板の板厚は例えば0.7mmから0.1mm程度と薄く、主表面の面積が広いため、機械的破壊強度が低いことは、液晶ディスプレイの製造時の歩留まりの点でも好ましくない。
そこで、本発明は、ガラス板の破壊強度を高くするとともに、ガラス板の主表面に付着し易いガラスの微粒子を効果的に抑制することができるガラス板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、ガラス板の製造方法である。当該方法は、
レーザ光を用いてガラス原板を分断してガラス板を採取する工程と、
前記ガラス板の断面視において、前記ガラス板の端面と前記ガラス板の主表面とにより形成されるエッジを頂点とし、前記エッジから前記端面に沿って延び、前記ガラス板の厚さの1/8以上かつ1/6以下の長さを有する辺を第1の辺とし、前記エッジから前記主表面に沿って延び、前記厚さの1/8以上かつ1/6以下の長さを有する辺を第2の辺として定まる三角形の部分を前記ガラス板の角部としたとき、前記ガラス板の前記角部の表面をエッチングにより曲面形状にする工程と、を含む。
上記ガラス板を採取する工程において、レーザ光を用いて前記ガラス原板にスクライブ線を形成することにより前記ガラス原板を分断してもよい。その際、前記レーザ光による加熱と冷媒による冷却とによる熱衝撃により前記ガラス原板に発生させたクラックを前記ガラス原板の表面から裏面へ進展させて前記ガラス原板を分断してもよい。
さらに、前記角部の研削及び研磨の少なくとも一方を行うことで、前記角部に面取り面を形成する工程を有してもよい。その際、前記角部の表面を曲面形状にする際、前記面取り面、前記面取り面と前記主表面との接続部、および前記面取り面と前記端面との接続部に対して前記エッチングを行う、とよい。
また、前記エッチングは、前記角部にエッチング液を塗布することにより行う、ことが好ましい。
その際、前記エッチングは、例えば、前記エッチング液を含浸させた塗布ローラを用いて前記エッチング液を塗布することにより行われる。
なお、前記エッチングは、前記角部をドライエッチングすることにより行ってもよい。
前記角部に対する前記エッチングの量は、例えば、1〜25μmである、とよい。
前記曲面形状の面における凹凸の平均長さRsmは、例えば10〜35μmであり、最大谷深さRvは、例えば5μm以下である。
前記ガラス板の厚さは、0.2mm以下であってもよい。
前記ガラス板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板であってもよい。
上述のガラス板の製造方法によれば、ガラス板の破壊強度を高くするとともに、ガラス板の主表面に付着し易いガラスの微粒子を効果的に抑制することができる。
(a)は、ガラス板を採取する工程を示す図であり、(b)は、ガラス板の破断面の一例を示す図である。 (a),(b)は、ガラス板に面取り面を形成する工程を説明する図であり、(c),(d)は、形成された面取り面を説明する図である。 (a),(b)は、本実施形態におけるガラス板のウェットエッチングの一例を説明する図であり、(c)は、ウェットエッチング後のガラス板の角部の形状を説明する図である。 (a),(b)は、本実施形態のウェットエッチングの他の例を説明する図である。
[ガラス組成]
以下、本発明のガラス板の製造方法について本実施形態に基づいて詳細に説明する。
本実施形態で製造されるガラス板は、特に限定されないが、例えば、以下の組成比率のガラス板に適用され得る。本実施形態のガラス板の製造方法により製造されるガラス板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス板に好適に用いられる。例えば、Li、Na、及びKのいずれの成分も含有されていないか、あるいは、Li、Na、及びKのいずれか少なくとも1つの成分が含有されているとしても、Li、Na、及びKの内含有する成分の合計量が、0.5質量%以下であるガラス組成を有することが好ましい。ガラス組成は、以下に示すものが好適に例示される。
(a)SiO:50〜70質量%、
(b)B:5〜18質量%、
(c)Al:10〜25質量%、
(d)MgO:0〜10質量%、
(e)CaO:0〜20質量%、
(f)SrO:0〜20質量%、
(g)BaO:0〜10質量%、
(h)RO:5〜20質量%(ただしRはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種であり、ROは、MgO、CaO、SrOおよびBaOのうち含有する成分の合計)、
(i)R’O:0.05質量%を超え0.5質量%以下(ただしR’はLi、NaおよびKから選ばれる少なくとも1種であり、R’OはLiO、NaO及びKOのうち含有する成分の合計)、
(j)酸化錫と、酸化鉄および酸化セリウムなどから選ばれる少なくとも1種の金属酸化物を合計で0.05〜1.5質量%。
なお、上記(i),(j)の組成は必須ではないが、(i),(j)の組成を含むことが好ましい。上記のガラスには、As、SbおよびPbOを実質的に含まず、SnO2が含まれている。
また、本実施形態のガラス板に用いるガラスは、(i)のR’Oの含有が実質的に0質量%である無アルカリガラスであっても構わない。すなわち、本実施形態のガラス板に用いるガラスは、(i)の組成を含むアルカリ微量含有ガラスまたは無アルカリガラスである。
[ガラス板の製造方法]
本実施形態のガラス板の製造方法は、ガラス原板を、レーザ光を用いてスクライブする(スクライブ線を形成する)ことにより分断してガラス板を採取する工程と、ガラス原板から採取されたガラス板の端面とガラス板の主表面とにより形成される角部を、ウェットエッチングにより曲面形状にするエッチング工程と、を含む。
まずガラス原板を作製する際、従来と同様に、ガラス原料を熔解槽中で熔融し、熔融ガラスを作った後、熔解槽の底部に設けられた流出口から清澄槽に向けて熔融ガラスを流す。清澄槽では、熔融ガラスは熔解槽よりも高い温度に昇温され、熔融ガラス中の泡を脱泡させることにより清澄させる。この後、清澄された熔融ガラスは成形炉に流れ、連続したシート状ガラスが形成される。シート状ガラスの成形は、フロート法やダウンドロー法を用いることができる。この後、シート状ガラスは、歪みや反りが生じないように徐冷されたのち、所定の長さ毎に切断されてガラス原板が得られる。
図1(a)は、切断されたガラス原板10を分断して一枚のガラス板14を採取する工程を説明する図である。図示は省略するが、一枚のガラス原板10から複数枚のガラス板が採取される場合もある。ガラス原板10は、矩形形状を成しており、このガラス原板10に対して、レーザ光を用いてスクライブ線12が形成される。スクライブ線12は、例えば板厚0.7mmのガラス原板10に対して、例えば100μm程度の深さで直線状に形成される。なお、レーザ光によるスクライブ線12の形成は、ダイヤモンドカッターを用いて機械的にスクライブ線を形成する場合に発生する数10〜数100μmの長さのクラックが殆ど発生しないので、後工程においてこのクラックを除去する端面加工の必要がなくなる点で有利である。
レーザ光により形成されたスクライブ線12を広げる方向に引張り応力を加えることで、スクライブ線12に沿ってガラス原板10を切断して、ガラス原板10を製品となるガラス板14と、廃棄する端部とに分断する。具体的には、図示されない分断装置によってスクライブ線12に引っ張り応力を作用させることにより、ガラス原板10を分断する。これにより、ガラス板14が採取される。このとき、ガラス板14の破断面(端面)16には、図1(b)に示すように、クラックは殆ど形成されず、発塵源となる凹凸が殆ど存在しない平滑な端面16が得られる。しかし、ガラス板14の破断面16と主表面(図2(a),(b)中のガラス板14の上方向あるいは下方向に向く面)との間の角部Cには、非常に鋭く欠けやすいエッジEが形成される。図1(b)は、ガラス板14の破断面16の一例を示す図である。
図1(b)に示すように、本実施形態においてガラス板14の角部Cとは、ガラス板14の端部の断面視において、ガラス板14の端面16と主表面とにより形成されるエッジEを頂点とし、エッジEから主表面に沿って延びる辺を第1の辺C1とし、エッジEから端面16に沿って延びる辺を第2の辺C2として定まる三角形を仮想したとき、この三角形の部分である。第1の辺C1及び第2の辺C2の長さL1及びL2をガラス板14の厚さTの1/8以上かつ1/6以下とする。本実施形態では、ガラス板14の厚さTは0.7mmであり、第1の辺C1及び第2の辺C2の長さL1及びL2は100μmである。
このようなガラス板14は、図2(a),(b)に示すような研削ホイール18を用いて、ガラス板14の角部Cの研削を行うことで、角部Cに面取り面を形成してもよい。すなわち、角部Cの研削によって形成される面取り面によりエッジEが除去されてもよい。図2(a),(b)は、ガラス板14に面取り面を形成する工程を説明する図である。
研削ホイール18は、ダイヤモンド砥粒を樹脂や金属で固めたダイヤモンドホイールが好適に用いられる。ダイヤモンド砥粒は、例えば、JIS R6001−1987で規定される♯400から♯600程度のものが好適に用いられる。
研削ホイール18のガラス板14の主表面に対する傾斜角度は、角部Cに面取り面22が形成できる範囲であれば、特に限定されない。
研削ホイール18によるガラス板14の角部Cの研削によって形成された面取り面22は、さらに、例えば特開2001−259978号公報に開示されているような、柔軟性及び弾性を有する樹脂結合研磨ホイールを用いて研磨する。
なお、ダイヤモンドホイールによる研削を行わず、研削ホイール18として、上記の柔軟性及び弾性を有する樹脂結合研磨ホイールを用いて、ガラス板14の角部Cを研磨してエッジEを除去し、面取り面22を形成してもよい。
図2(c),(d)は、形成された面取り面を説明する図面である。ガラス板14の角部Cには、面取り面22が形成されている。この面取り面22の面取り量(ガラス板14の端面16に沿った幅)L3は、図1(b)に示す角部Cの端面に沿う辺C2の長さL1よりも小さくなる。
なお、本実施形態では、ガラス原板10をレーザ光を用いてスクライブ線を形成した(レーザスクライブした)後に分割して採取したガラス板14の角部Cを、研削ホイール18及び図示されない研磨ホイールを用いて研削および研磨し、面取り面22を形成している。しかし、ガラス原板10をレーザスクライブした後に分割してガラス板14を採取し、ガラス板14の角部Cに面取り面22を形成せずに、後述するウェットエッチングあるいはドライエッチングにより角部Cの鋭いエッジEを取り除き、ガラス板14の角部Cを曲面形状D(図3(c)参照)に形成してもよい。このとき、ガラス板14の肉厚が0.1mm〜0.7mm程度であれば、角部Cの表面をガラス板14の厚さに応じて1〜25μm程度エッチングすることで、角部Cの表面をエッジEのない曲面形状にすることができる。この場合、研削または研磨などの機械加工によって発生する微小なクラック、凹凸および微粒子の発生を完全になくすことでき、ガラス板14の機械的強度を向上させることが可能になる。
ウェットエッチングやドライエッチングは、機械加工のようなクラックを発生させることがない反面、同じ加工量を加工する場合、機械加工と比較して加工に時間がかかる。しかし、ガラス板14の厚さが例えば0.5mm以下、より好ましくは0.2mm以下の場合、角部Cの加工量が比較的に小さくなるので、エッチングのみにより角部Cの鋭いエッジEを取り除くことが容易になる。したがって、ガラス板14の厚さが例えば0.5mm以下、より好ましくは0.2mm以下の場合、エッチングのみにより、生産性をそれほど低下させることなく効果的にガラス板14の強度を向上させることが可能になる。例えば、ガラス板14の厚さが0.2mmの場合、角部Cの辺C1,C2の長さは、約33μmから約25μm程度になる。この場合、角部Cに対して、1〜25μmのエッチングを行うことで、効果的に角部Cの表面を角のない曲面形状に加工することができる。
なお、面取り面22は、研削ホイール18あるいは研磨ホイールを用いた機械加工により形成されるので、図2(d)に示すように、面取り面22の表面には、研削あるいは研磨時に形成される細かなクラック24や凹凸、ガラスの微粒子26が存在する。
上記のように角部CのエッジEを研削および/または研磨して面取り面22が形成されたガラス板14、または、角部Cに鋭いエッジEが残されたままのガラス板14には、例えばウェットエッチングが施される。これにより、ガラス板14の角部Cの表面は角のない曲面形状となる。ガラス板14の角部Cに面取り面22を有する場合は、面取り面22、面取り面22と主表面との接続部、および面取り面22と端面16との接続部に対してエッチングを行う。これにより、主表面と面取り面22との接続部に存在する角、および面取り面22と端面16との接続部に存在する角がエッチングにより除去され、各面が滑らかに連続した曲面形状になる。この角のない曲面形状の表面を有する角部Cは、図3(c)に示すようなガラス板14の端部の断面視において、表面の微小な凹凸を無視した場合に、変曲点を有さない。
図3(a)は、ガラス板14のウェットエッチングの一例を説明する平面図である。ウェットエッチングを行う処理装置は、一列に並んだ複数のローラ28の列が一定の間隔をあけて2列設けられている。ローラ28は、エッチング液を吸収して保持し、弾性変形が可能なスポンジ状の材料により形成されている。ガラス板14は、この2列のローラ28の間に挿入され、2列のローラ28の間を搬送方向の前方に向けて相対的に移動する。ローラ28と対向するローラ28との間の外周曲面間の距離が、ガラス板14の幅よりも僅かに狭くなっている。このため、ガラス板14が2列のローラ28の間を通過するとき、図3(b)に示すように、ローラ28は、ガラス板14の端面16に押し付けられて弾性変形し、ガラス板14の主表面の端部、面取り面22及び端面16にエッチング液を塗布する塗布ローラとなる。
エッチング液は、例えばフッ酸、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、あるいは、これらのエッチング液を混合したものが用いられる。このようなエッチング液は、ローラ28にエッチング液を含浸させるために図示されないエッチング液供給装置から延びる供給管から常時供給されてもよい。エッチング液の供給方法は特に限定されない。なお、ウェットエッチングを行うとき、ガラス板14の角部Cを除く部分に予めエッチングされない薄膜をマスクとして形成しておき、角部Cをウェットエッチングしてもよい。
このようなウェットエッチングでは、ガラス板14をローラ28の列間に1回あるいは複数回通過させてエッチングを進行させた後、純水あるいはアルカリ溶液でガラス板14を洗浄する。図3(c)は、ウェットエッチング後のガラス板14の角部の表面の形状を説明する図である。図3(c)に示すように、ガラス板14の角部Cの表面は、ガラス板14を採取したときに形成された鋭いエッジEが除去され、ウェットエッチングにより曲面形状Dとなっている。面取り面22の形成の際に発生したクラック24やガラスの微粒子26を収容する凹凸が除去される。このようなウェットエッチングやドライエッチングにおけるエッチング量は、例えば1〜25μm以下であることが、ガラス板14の角部Cを曲面形状とし、面取り面22の表面凹凸を滑らかにし、エッチングにかかる時間を最小限にする点で好ましい。エッチング量が1μmより小さい場合、ガラス板14のエッジEを有する角部Cを十分な曲面形状とすること、面取り面22の両端部の角を丸めること、あるいは面取り面22に形成されるクラック24や凹凸を緩やかな形状にすることは難しい。
本実施形態において、ウェットエッチングによってガラス板14の角部Cに形成される曲面における凹凸の平均長さRsm(JIS B0601−2001)が10〜35μmであり、最大谷深さRv(JIS B0601−2001)が5μm以下となるように、ウェットエッチングが行われる。なお、角部Cにドライエッチングを行う場合も同様である。これにより、面取り面22を形成した場合であっても、面取り面22に形成された微小なクラック24が無くなり、表面凹凸が十分に緩やかで滑らかな形状になる。したがって、微小なクラック24に対する応力の集中が緩和され、ガラス板14の強度が向上する。また、表面凹凸にガラスの微粒子26が収容され難くなる。
こうしてエッチングされたガラス板14は、洗浄された後、ガラス板14の欠陥等の検査が施される。検査工程で合格品とされたガラス板14は梱包されて、例えばガラス板14にTFT(Thin Film Transistor)等を形成するために成膜する業者に搬送される。
以上のように、本実施形態では、ガラス板14の角部Cについて、第1の辺C1のエッジEからの長さ及び第2の辺C2のエッジEからの長さをガラス板14の厚さTの1/8以上かつ1/6以下とする。これにより、角部Cの耐衝撃性を十分に向上させつつ、角部Cの加工量を抑制し、レーザ光によるクライブ後のガラス原板の分断によって得られた平滑な端面16を活用する効果を十分に得ることができる。これに対して、角部Cの第1の辺C1及び第2の辺C2の長さがガラス板14の厚さTの1/8より小さいと、角部Cの領域がガラス板14の肉厚に対して小さく、表面を加工することが困難になる。また、角部Cの第1の辺C1及び第2の辺C2の長さがガラス板14の厚さTの1/6よりも大きいと、角部Cの加工量が増加し、レーザ光によるスクライブによって得られる平滑な端面16を活用する効果が十分に得られない。
また、本実施形態では、ガラス原板10のレーザ光によるスクライブ後の分断により形成されたガラス板14の端面16と角部Cの表面を、最終的にエッチングにより曲面形状にする。したがって、ガラス板14の端面16にはクラックがほぼ存在せず、ガラス板14の面取り面22に凹凸や微小な傷が存在する場合であっても、これらが十分に滑らかな形状になる。このため、凹凸に収容されるガラスの微粒子26が低減し、ガラス板14の主表面へのガラスの微粒子の付着も低減する。また、ガラス板14の破壊強度を高くすることができる。
また、本実施形態では、角部Cのエッチングの前にガラス板14の角部Cの研削を行うことで、エッチングのみでガラス板14の角部Cの表面を曲面形状にする場合と比較して、短時間で角部Cの表面を曲面形状にすることができる。
本実施形態では、ガラス板14の角部Cにエッチング液を塗布することによりエッチングを行う際、エッチング液を含浸させた塗布用のローラ28を用いてエッチング液を塗布するので、角部Cを効率よくエッチングすることができる。
なお、ガラス板14の角部Cに面取り面22を形成することなく、鋭いエッジEを有する角部Cの表面を曲面形状にするようにウェットエッチングする方法として、ローラ28を用いる方法以外の方法を採用することもできる。図4(a),(b)は、本実施形態のウェットエッチングの他の例を説明する図であり、ガラス板14の角部Cに面取り面22を形成することなく、角部Cの表面を曲面形状にするウェットエッチングの例を示す。
図4(a)に示す例では、ガラス板14の角部Cに、エッチング液噴射装置29を用いて、ガラス板14の両側の主表面の側からエッチング液を噴射してガラス板14の角部Cの表面を曲面形状にする。このとき、エッチング液がガラス板14の角部に当たって飛散することを防ぐため、空気流を形成する空気噴射装置32を用いてガラス板14の中央部からエッチングを行おうとする端部に向けて空気流を形成する。また、エッチング液がガラス板14に飛散しないように、カバー30でガラス板14を覆う。空気流は、ウェットエッチングの反応を効率よく行わせるために、空気流の温度が調整されてもよい。
また、図4(b)に示すように、ガラス板14をガラス板保持機構(例えば、吸着装置を用いたガラス保持装置)を用いて鉛直方向に維持して、ガラス板14の端部のみを、容器36中のエッチング液34に浸すことにより、角部Cの表面を曲面形状にすることもできる。
[実施例、比較例]
本実施形態の効果を確認するために、ガラス板14を作製した。
ガラス原板10からレーザ光を用いてスクライブ線を形成した後、ガラス原板10を破断してガラス板14を採取した。ガラス板10は、上述の実施形態で説明したアルカリ微量含有ガラスに該当する組成を有するものを用いた。ガラス板10の板厚は0.7mmであった。
作製されたガラス板14の角部Cの領域を、ダイヤモンドホールを用いて研削することにより面取り面22を形成した。ダイヤモンドホイールは、#500のダイヤモンド砥粒を、金属でボンディングして固めたものを用いた。このとき形成される面取り面22の主表面に対する傾斜角度は45度として、面取り量を95μmとした。この後、柔軟性及び弾性を有する樹脂結合研磨ホイールで、面取り面22の研磨を行った。
実施例として、面取り面22が研磨されたガラス板14に対して、図3(a)に示す方法で、ウェットエッチングを行った。エッチング液としてフッ酸系の薬液を用い、温度40℃の条件で、ローラ28によりエッチング液を塗布した。このとき、角部Cのエッチング量は最大5μmであった。
エッチングの量は、エッチングの条件を変化させることで調整することができる。予め、ガラス板14と同一の組成を有する複数の試験片を、図3(a)に示す方法で、条件を変化させてエッチングすることにより、各条件におけるガラス板14のエッチングの量を求めておく。例えば、端面の一部にマスクを形成した複数の試験片の端面に対して、異なる条件でエッチングを行う。その後、試験片の端面のマスクを施した部分と、それ以外の部分との段差を測定する。これにより、所望のエッチングの量を実現できるエッチングの条件を決定することができる。ここで、エッチングの条件とは、薬液の組成及び温度、ローラ28の材質、ガラス板14の搬送速度、ガラス板14を処理装置に通過させる回数、ローラ28との接触時間などを含む。ドライエッチングの場合も、同様にエッチング量を調整することができる。
実施例では、エッチング終了後、ガラス板14の破壊強度を調べた。ガラス板14のサイズは12mm×80mm×0.7mmであった。
一方、比較例では、ウェットエッチングを行わず、上述した面取り面22の研磨を行ったガラス板の破壊強度を調べた。
破壊強度は、4点曲げ試験法(JIS R 1601)により、ガラス板の破壊強度を求めて評価した。
実施例と比較例の破壊強度は、ガラス板を30枚試験し、ワイブルプロットを作成して、発生確率が0.1%の破壊強度を求めた。この結果、従来例の発生確率0.1%における破壊強度は、実施例の発生確率0.1%における破壊強度の25%以下であった。
これより、本実施形態の効果は明らかである。
以上、本発明のガラス板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
上記実施形態では、角部Cに対してウェットエッチングを行う場合を中心に説明したが、角部Cに対するエッチングはドライエッチングであってもよい。ドライエッチングは、例えばCFガスをプラズマ化させて用いるなど、公知の方法により行うことができる。
10 ガラス原板
12 スクライブ線
14 ガラス板
16 破断面(端面)
18 研削ホイール
22 面取り面
24 クラック
26 微粒子
28 ローラ
29 エッチング液照射装置
30 カバー
32 空気噴射装置
34 エッチング液
36 容器

Claims (6)

  1. ガラス板の製造方法であって、
    レーザ光を用いてガラス原板を分断してガラス板を採取する工程と、
    前記ガラス板の断面視において、前記ガラス板の端面と前記ガラス板の主表面とにより形成されるエッジを頂点とし、前記エッジから前記端面に沿って延び、前記ガラス板の厚さの1/8以上かつ1/6以下の長さを有する辺を第1の辺とし、前記エッジから前記主表面に沿って延び、前記厚さの1/8以上かつ1/6以下の長さを有する辺を第2の辺として定まる三角形の部分を前記ガラス板の角部としたとき、前記ガラス板の前記角部の表面をエッチングにより曲面形状にする工程と、を含むことを特徴とするガラス板の製造方法。
  2. さらに、前記角部の研削及び研磨の少なくとも一方を行うことで、前記角部に面取り面を形成する工程を有し、
    前記角部の表面を曲面形状にする際、前記面取り面、前記面取り面と前記主表面との接続部、および前記面取り面と前記端面との接続部に対して前記エッチングを行う、請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 前記エッチングは、前記角部にエッチング液を塗布することにより行う、請求項1または2に記載のガラス板の製造方法。
  4. 前記エッチングは、前記エッチング液を含浸させた塗布ローラを用いて前記エッチング液を前記角部に塗布することにより行う、請求項3に記載のガラス板の製造方法。
  5. 前記角部に対する前記エッチングの量は、1〜25μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  6. 前記曲面形状の面における凹凸の平均長さRsmは、10〜35μmであり、最大谷深さRvは、5μm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
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