JP2009137788A - フラットパネルディスプレイ用のガラス基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】フラットパネルディスプレイの製造工程に含まれる熱処理工程で端面部又は排気孔形成部を起点とした破損を可及的に低減し得る破損強度を有するガラス基板を提供する。
【解決手段】端面部に研磨加工が施され、板厚が1.3〜4.0mmのフラットパネルディスプレイ用のガラス基板において、ガラス基板と同一条件で製造された複数枚のガラス基板の各々に対して、端面部から中央部に向かって26mm離間した位置に発熱体を密着させて、熱応力を生じさせて端面部を破損させ、破損した端面部を含むガラス片の破面を破面解析し、破面解析により求められた複数枚のガラス基板の各々の破損強度データをワイブルプロット処理したときに、そのワイブルプロットの近似線における破損確率10%に対応した破損強度が、500kgf/cm2以上となるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、フラットパネルディスプレイ用のガラス基板に関する。
周知のように、プラズマディスプレイ(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED(表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED)を含む))等のフラットパネルディスプレイ(FPD)は、表面に微細な電極や隔壁等の素子或いは構造体を形成した二枚のガラス基板を対向させて製作される。
この種のガラス基板は、オバーフローダウンドロー法(フュージョン法)やスリットダウンドロー法などのダウンドロー法や、フロート法に代表される公知の方法により成形された大型のガラス元板を、四辺が所定寸法の矩形をなすように切断した後、端面部に仕上げ処理としてR面取りなどの研磨加工を施こすことにより得られる。
そして、このように端面に研磨加工が施されたガラス基板の中から、二枚のガラス基板を順次選択し、一方のガラス基板を前面板、他方のガラス基板を背面板として、それぞれのガラス基板に対して種々の素子や構造体が形成される。その後、前面板と背面板とを張り合わせて周囲をフリットガラス等で封着されると共に、前面板と背面板とで囲繞される内部空間の気体が排出され、当該内部空間が真空にされる。このため、背面板となるガラス基板には、周縁部に気体を排出するための排気孔が形成される。
そして、上述のようにガラス基板に対して種々の素子や構造体を形成する際、または前面板と背面板とを張り合わせる際には、熱処理が行われる。
しかしながら、かかる熱処理を行う場合に、ガラス基板の周縁部から熱が放熱されやすいため、ガラス基板の中央部とガラス基板の周縁部(端面部を含む)との間に温度差が生じてしまう。そのため、この温度差により生じる熱応力によりガラス基板の端面部を起点として破損が生じたり、或いはガラス基板が背面板である場合には排気孔形成部を起点として破損が生じる場合がある。
このようなガラス基板の破損は、ガラス基板に対して種々の素子や構造体を形成する際など、FPDの製造工程に含まれる熱処理工程で起こり得るものであり、破損が生じた場合には、当該熱処理工程以前の全ての工程が無駄となり、その時間的・経済的な損害は非常に大きなものとなる。このような破損の原因は、熱処理時の温度条件等によるところはあるものの、その多くがガラス基板自体の強度不足に起因するものである。そのため、FPDの製造工程のできるだけ早い段階でガラス基板の強度を正確に評価することが、時間的・経済的な無駄を低減する上で重要となる。
なお、FPDの製造工程に含まれる熱処理工程でガラス基板に生じる熱応力を問題とするものではないが、下記の特許文献1には、PDPの画像表示部と非表示部との間の温度差により生じる熱応力によるパネルの破損の有無を早期に評価することを目的として、次のような手法が開示されている。すなわち、プラズマディスプレイ素子の制御駆動回路を具備しないプラズマディスプレイパネル(種々の素子や構造体を形成した前面板と背面板とを張り合わせたもの)のガラス面にヒーター部により強制的に熱を加え、想定する画像表示による発熱により生じる熱応力を再現して破損の有無を評価し、破損がない場合に後続工程にそのプラズマディスプレイパネルを供給するという手法が開示されている。
特開2002−267585号公報
しかしながら、上記の特許文献1に開示の手法であっても、前面板と背面板とを張り合わせたパネルの状態で破損評価が行われるため、前面板と背面板のいずれか一方に破損が生じ、他方に破損が生じていない場合にまで、両者を不良品として取り扱わざるを得ないので依然として無駄が大きくなる。また、パネルの状態では、既に前面板と背面板には、種々の素子や構造体が形成されていることからも、破損が生じた場合には、このような処理工程についても無駄が生じ得る。
そのため、このような問題に的確に対処するには、ガラス基板に端面研磨を行った後、あるいは排気孔を形成した後に、そのガラス基板単体の破損強度の評価を行い、破損強度が正常なガラス基板のみを後続の工程に供給するようにすることが重要となるが、このような観点から有効な対策が講じられていないのが実情である。これは、どの程度の破損強度を有するガラス基板であれば、後続の熱処理工程で破損を来たすことなく、正常に熱処理を行い得るのかを定量的に評価することが困難とされていたためである。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、フラットパネルディスプレイの製造工程に含まれる熱処理工程で端面部又は排気孔形成部を起点とした破損を可及的に低減し得る破損強度を有するガラス基板を提供することを技術的課題とする。
上記課題を解決するために創案された本発明に係る第1のフラットパネルディスプレイ用のガラス基板は、端面部に研磨加工が施され、板厚が1.3〜4.0mmのフラットパネルディスプレイ用のガラス基板において、前記ガラス基板と同一条件で製造された複数枚のガラス基板の各々に対して、端面部から中央部に向かって26mm離間した位置に発熱体を密着させ、該発熱体により熱を加えることにより、熱応力を生じさせて端面部を破損させ、該破損した端面部を含むガラス片の破面を破面解析し、該破面解析により求められた前記複数枚のガラス基板の各々の破損強度データをワイブルプロット処理したときに、そのワイブルプロットの近似線における破損確率10%に対応した破損強度が、500kgf/cm2以上となることに特徴づけられる。なお、「同一条件で製造された」とは、ガラス基板の成形条件、および端面部の研磨条件が同一であることを意味する。また、「破面解析」とは、ASTM C1256−93に準拠したものであり、具体的にはガラス片の破面に観測される破壊の起点から、この破壊の起点の周囲に形成される滑らかな鏡面域とその外側に形成されるやや粗いミスト域との境界までの距離(ミラー半径)に基づいて、破損強度を算出するものである(以下、同様)。
このような構成によれば、フラットパネルディスプレイの製造工程に含まれる熱処理工程で加えられる熱により生じる熱応力によって、ガラス基板が端面部を起点として破損するという事態を確実に低減することが可能となる。この理由は、次の通りである。すなわち、ガラス基板の端面部から中央部に向かって離間した位置に発熱体を密着させて加熱することにより、熱処理工程でガラス基板の端面部に生じる熱応力を再現することができる。そして、発熱体により強制的に熱応力を生じさせてガラス基板の端面部を破損させ、その端面部を含むガラス片を破面解析することにより、熱処理工程で破損が生じやすい端面部の破損強度を算出することができる。しかしながら、このようにして求められた破損強度は、個々のガラス基板毎にばらつきが大きく、この破損強度から直接的にガラス基板の破損強度を正確に評価することは通常困難となる。そこで、本願発明者等はこのガラス基板の破損強度データがワイブル分布を示すという知見に基づき、当該破損強度データをワイブルプロット処理することにより、個々のデータのばらつきを考慮した破損強度の定量的な評価を実現するに至った。そして、本願発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、端面部から中央部に向かって26mm離間した位置に発熱体を密着させてガラス基板の端面部を熱応力により破損させたときに得られる破損強度データをワイブルプロット処理した場合に、そのワイブルプロットの近似線における破損確率10%に対応した破損強度が、500kgf/cm2以上の値を示すガラス基板であれば、フラットパネルディスプレイの製造工程に含まれる熱処理工程で加えられる熱により生じる熱応力によって、ガラス基板の端面部を起点とする破損の発生する割合が可及的に低減することを見出した。
上記課題を解決するために創案された本発明に係る第2のフラットパネルディスプレイ用のガラス基板は、周縁部に直径が1.5〜3.5mmの排気孔が設けられ、板厚が1.3〜4.0mmのフラットパネルディスプレイ用のガラス基板において、前記ガラス基板と同一条件で製造された複数枚のガラス基板の各々に対して、排気孔の中心から中央部に向かって26mm離間した位置に発熱体を密着させ、該発熱体により熱を加えることにより、熱応力を生じさせて排気孔形成部を破損させ、該破損した排気孔形成部を含むガラス片の破面の破面解析し、該破面解析により求められた前記複数枚のガラス基板の各々の破損強度データをワイブルプロット処理したときに、そのワイブルプロットの近似線における破損確率10%に対応した破損強度が、395kgf/cm2以上の値を示すことに特徴づけられる。なお、「同一条件で製造された」とは、ガラス基板の成形条件、および排気孔の穿孔条件が同一であることを意味する。
このような構成によれば、フラットパネルディスプレイの製造工程に含まれる熱処理工程で加えられる熱により生じる熱応力により、排気孔形成部を起点としてガラス基板が破損するという事態を確実に低減することが可能となる。この理由は、次の通りである。すなわち、端面部を起点とする破損強度の評価に関しては、上記の段落[0013]で述べたように、破面解析で得られた破損強度データをワイブルプロット処理することにより、個々のデータのばらつきを考慮した破損強度の定量的な評価を実現することが可能であることを説明したが、これは排気孔形成部の破損強度を評価する場合についても同様に当てはまる。そして、本願発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、排気孔の中心から中央部に向かって26mm離間した位置に発熱体を密着させてガラス基板の排気孔形成部を熱応力により破損させたときに得られる破損強度データをワイブルプロット処理した場合に、そのワイブルプロットの近似線における破損確率10%に対応した破損強度が、395kgf/cm2以上の値を示すガラス基板であれば、フラットパネルディスプレイの製造工程に含まれる熱処理工程で加えられる熱により生じる熱応力によって、ガラス基板の排気孔形成部を起点とする破損の発生する割合が可及的に低減することを見出した。
以上のガラス基板と同一条件で製造されたフラットパネルディスプレイ用のガラス基板であれば、フラットパネルディスプレイの製造工程に含まれる熱処理工程において、端面部を起点とする破損、又は排気孔形成部を起点とする破損が発生する割合を可及的に低減することができる。すなわち、製造条件を同一に維持している限りにおいては、その製造条件で製造されたガラス基板に対して、新たに発熱体を密着させて強制的に破損を生じさせ、破面解析及びワイブルプロット処理を行わなくとも、同一条件で製造されたガラス基板は、上述の破損強度を満足するものとなることから、フラットパネルディスプレイの製造工程に含まれる熱処理工程で、端面部や排気孔形成部を起点とする破損を来たす割合を極めて少なくすることが可能となる。
以上のガラス基板は、プラズマディスプレイまたはフィールドエミッションに用いられることにより、その効果を最大限に発揮できるものであると共に、このガラス基板を用いて、FPD、特にPDPを製作すれば、品質の優れたパネルを得ることができる。なお、この場合、ガラス基板は、30〜380℃の温度範囲における線膨張係数が、60〜130×10-7/℃であることが好ましい。
以上のように本発明に係るフラットパネルディスプレイ用のガラス基板であれば、フラットパネルディスプレイの製造工程に含まれる熱処理工程で加えられる熱により生じる熱応力によって、端面部又は排気孔形成部を起点としてガラス基板が破損するという事態を確実に低減することが可能となる。したがって、熱処理工程以前にガラス基板に対して施した処理が無駄になる割合も確実に低減することでき、時間的・経済的な観点からも非常に有利となる。
以下、本発明に係るガラス基板について説明する。
本発明の一実施形態に係るガラス基板は、FPDのうちPDPやFEDを対象とするものであり、短辺寸法が600〜3000mm及び長辺寸法が700〜5000mmの矩形をなし、板厚が1.3〜4.0mmとされている。これは、板厚が1.3mmよりも薄いガラス基板は、PDPやFEDからなるパネルに使用した場合の強度上の問題があるためであり、板厚が4.0mmよりも厚いガラス基板は、不当な重量増を招き当該パネルの軽量化の要請に応じることができないためである。
さらに、当該ガラス基板は、前面板と背面板のいずれにも使用することができ、いずれに使用する場合でも四辺にR面取り(研磨加工)が施され、背面板に使用する場合には更に直径が1.1〜3.5mmの排気孔が周縁部に形成される。
本実施形態に係るガラス基板を前面板と背面板に使用する場合に共通する特徴は、端面部が以下に示すような破損強度を有している点にある。すなわち、このガラス基板は、同一条件で製造された複数枚のガラス基板の各々に対して、端面部から中央部に向かって26mm離間した位置に発熱体を密着させ、この発熱体により熱を加えることにより、熱応力を生じさせて端面部を破損させ、破損した端面部を含むガラス片の破面を破面解析し、この破面解析により求められた複数枚のガラス基板の各々の破損強度データをワイブルプロット処理したときに、そのワイブルプロットの近似線における破損確率10%に対応した破損強度が、500kgf/cm2以上となる。
この破損強度は、次のようにして求められる。すなわち、図1に示すように、ガラス基板を研磨加工が施された端面部1aを含む所定の大きさに切断して、試験用サンプル1を製作し、その試験用サンプル1の端面部1aから中央部に向かって26mm離間した位置に、発熱体としてのラバーヒーター2を貼り付ける。次いで、その試験用サンプル1を、テーブル3に立設された複数の樹脂ブロック4の上に、ラバーヒーター2を貼り付けた面を上側にした状態で載置する。この状態で、ラバーヒーター2により試験用サンプル1を加熱し、ラバーヒーター2の貼付部位と端面部1aとの間に温度差を付与し、その温度差による熱応力により端面部1aを破損させる。そして、その破損した端面部1aを含むガラス片を、ASTM C1256−93に準拠し、図2に示すように、ガラス片の破面に観測される破壊の起点Xから、この破壊の起点の周囲に形成される滑らかな鏡面域Yとその外側に形成されるやや粗いミスト域Zとの境界までの距離(ミラー半径r)に基づいて、破損強度を算出する。具体的には、以下の式により破損強度σが求められる。
σ=K/r1/2[kgf/cm2]・・・・(1)
ここで、上記の式(1)中のKは、対象物の物性で決定されるミラー定数と呼ばれるものであり、本実施形態に係るガラス基板では220となる。
この破面解析から求められる破損強度σの値は、ガラス基板毎にバラツキが大きく、その値から直接的にガラス基板の破損強度を定量的に評価することは困難となることから、本実施形態では、10枚以上の試験用サンプル1に対して、上述の手順により破損強度σを求め、その求められた複数の破損強度σをワイブルプロット処理することでガラス基板の破損強度を評価するようにしている。
詳述すると、このワイブルプロット処理は、次のようして行われる。すなわち、求められた破損強度σを、値が小さいものから順に配列し、先頭から順にデータ番号(1,2,3・・・)を付す。そして、求められた破損強度σから求められるlnσを横軸に、破損確率F(=m/(n+1);mはデータ番号,nはデータ総数)から求められるln{ln[1/(1−F)]}を縦軸にプロットし、図3に例示するようなワイブルプロットを行う。そして、このワイブルプロットを例えば最小二乗法により直線近似し近似線Aを算出し、この近似線Aにおける破損確率10%に対応した破損強度を逆算する。本実施形態では、この逆算した破損強度が、500kgf/cm2以上の値を示すようになっている。
そして、このようにして求められた破損確率10%に対応した破損強度が500kgf/cm2のガラス基板であれば、FPDの製造工程に含まれる熱処理工程で加えられる熱により生じる熱応力によって、ガラス基板の端面部を起点とする破損の発生する割合を可及的に低減することが可能となる。
また、本実施形態に係るガラス基板を背面板として使用する場合の特徴は、さらに排気孔形成部の破損強度が以下に示す値を示す点にある。すなわち、当該ガラス基板は、同一条件で製造された複数枚のガラス基板の各々に対して、排気孔の中心から中央部に向かって26mm離間した位置に発熱体を密着させ、この発熱体により熱を加えることにより、熱応力を生じさせて排気孔形成部を破損させ、その破損した排気孔形成部を含むガラス片の破面を破面解析し、この破面解析により求められた複数枚のガラス基板の各々の破損強度データをワイブルプロット処理したときに、そのワイブルプロットの近似線における破損確率10%に対応した破損強度が、395kgf/cm2以上の値を示す。
この破損強度は、次のようにして求められる。すなわち、図4に示すように、ガラス基板を排気孔1bが近傍に形成された端面部1aを含む所定の大きさに切断して試験用サンプル1を製作し、その試験用サンプル1の排気孔1bの中心から中央部に向かって26mm離間した位置にラバーヒーター2を貼り付ける。次いで、その試験用サンプル1を、テーブル3に立設された複数の樹脂ブロック4の上に、ラバーヒーター2を貼り付けた面を上側にした状態で載置する。この状態で、ラバーヒーター2により試験用サンプル1を加熱し、ラバーヒーター2の貼付部位と排気孔1bとの間に温度差を付与し、その温度差による熱応力により排気孔1b形成部を破損させる。そして、その破損した排気孔1b形成部を含むガラス片に対して、上記と同様に、ASTM C1256−93に準拠した破面解析を行い、その破面解析で求められた破損強度データに対してワイブルプロット処理を実行し、破損確率10%に対応した破損強度を算出する。本実施形態では、この破損確率10%に対応した破損強度が、395kgf/cm2以上の値を示すようになっている。
そして、このようにして求められた破損確率10%に対応した破損強度が395kgf/cm2のガラス基板であれば、FPDの製造工程に含まれる熱処理工程で加えられる熱により生じる熱応力によって、ガラス基板の排気孔1b形成部を起点とする破損の発生する割合を可及的に低減することが可能となる。
しかも、以上の破損確率を満足するガラス基板と同一の製造条件に維持している限りにおいては、その製造条件で製造された他のガラス基板に対して、新たにラバーヒーター2を密着させて強制的に破損を生じさせ、破面解析及びワイブルプロット処理を行わなくとも、同一条件で製造されたガラス基板は、上記の破損強度を満足するものとなる。したがって、同一条件で製造された他のガラス基板も、FPDの製造工程に含まれる熱処理工程で、端面部1aや排気孔1b形成部を起点とする破損を来たす割合が極めて小さくなる。
また、以上の実施の形態を応用したFPD用の製造方法としては、同一の製造条件で製造された複数枚のガラス基板の各々に対して、その破損強度評価部位から離間した位置に発熱体を密着させ、該発熱体で前記ガラス基板を加熱することにより、前記破損強度評価部位に熱応力を生じさせて破損させ、該破損した破損強度評価部位を含むガラス片の破面を破面解析すると共に、該破面解析により求められた前記複数枚のガラス基板の各々の破損強度データをワイブルプロット処理し、そのワイブルプロットの近似線における所定の破損確率に対応した破損強度を求め、その求めた破損強度に基づいて前記複数枚のガラス基板の破損強度の適否を判断し、該破損強度が不適正であると判断した場合には前記製造条件を変更調整することが挙げられる。なお、ここでいう破損強度評価部位とは、例えば、端面部1aや排気孔1b形成部を意味する。
本発明の有用性を実証すべく、対比試験を行った。かかる対比試験は、端面部における上述のワイブルプロット処理で求められた近似線における10%に対応する破損確率の値が異なるガラス基板と同一条件で製造されたガラス基板が、実際のFPDの製造工程で行われる加熱炉内での加熱処理で、端面部を起点として破損する破損率を求めることによって行った。その試験条件は、次の通りである。
フロート法により成形した板厚1.8mmで、短辺寸法が1700mmおよび長辺寸法が2000mmのガラス基板の四辺全ての端面部に対してR面取り(研磨加工)を施した。具体的には、ダイヤモンド砥粒を固着した研磨ホイールにより、ガラス基板の辺に沿う送り速度を10m/分、回転速度を4000rpm、冷却水の供給量を10リットル/分として、ガラス基板の端面部にR面取りを施した。この際、実施例1においては、研磨ホイールのダイヤモンド砥粒の平均粒径を、試料1〜3に対して同一の49μmとして、試料毎にそれぞれ同一ロット(フロート法による製造条件が同一である製品群)のガラス基板80枚に対して上記の条件に従って研磨を施した。他方、比較例1においては、研磨ホイールのダイヤモンド砥粒の平均粒径を、試料4,5では52μm、試料6では57μmとして、試料毎にそれぞれ同一ロットのガラス基板80枚に対して上記の条件に従って研磨を施した。
そして、図5に示すように、上記の試料1〜6に対応したガラス基板Gのそれぞれを、一方の短辺中央部と長辺中央部において、前記研磨加工が施された端面部1aを含む辺が500mm、該端面部1aと直交する辺が600mmとなる矩形状に切断し、試料毎に50枚(短辺中央部25枚+長辺中央部25枚)の試験用サンプル1を作製した。次にこの各試験用サンプル1の研磨加工された端面部1aから26mm離間した位置にラバーヒーター2を貼り付け、20±5℃/分の昇温速度で加熱して熱応力で端面部1aを破損させ後、上述の破面解析およびワイブルプロット処理を行い、そのワイブルプロットの近似線から破損確率10%に対応した破損強度を算出した。
また、これに合わせて、試料1〜6のそれぞれに対応した残り30枚のガラス基板Gに対して、加熱炉内で実際に加熱処理を行い、破損の有無を検査した。具体的には、ガラス基板Gをガラスセッター上に載置し、全長20mの加熱炉内を短辺が進行方向と平行となるようにして通過させ、ガラス基板Gの端面部1aを起点とする破損の有無を検査し、破損率(破損枚数/30×100%)を算出した。なお、この加熱炉内での加熱処理は、常温から600℃まで60℃/分で昇温し、600℃に達した段階で20分間保持した後、常温まで30℃/分で冷却するという温度条件で行った。
以上の結果を下記の表1に示す。
Figure 2009137788
上記の表1によれば、ワイブルプロット処理により求められる破損確率10%に対応した破損強度が500kgf/cm2未満となる試料4〜6(比較例1)では、加熱炉内における実際の破損率が3%以上となり、実際にガラス基板Gの端面部1aを起点とした破損が生じるという結果を得た。これに対して、ワイブルプロット処理により求められる破損確率10%に対応した破損強度が500kgf/cm2以上となる試料1〜3(実施例1)では、加熱炉内における実際の破損率が0%となり、実際にガラス基板Gの端面部1aを起点とした破損が生じないという良好な結果を得た。したがって、端面部1aにおいて、ワイブルプロット処理により求められる破損確率10%に対応した破損強度が500kgf/cm2であるガラス基板Gであれば、種々の素子や構造体を形成する際、または前面板と背面板とを張り合わせる際などに行われる熱処理工程で、端面部1aを起点とする破損が確実に低減されることから、経済的・時間的な無駄を可及的に無くし、歩留まりの向上を図ることが可能となる。
そして、実施例1(試料1〜3)と、フロート法によりガラス基板Gを成形する条件及びその成形されたガラス基板Gの端面部1aを研磨する条件を同一に維持するように管理することで、FPDの製造工程に含まれる熱処理工程において、実質的に破損を来たすことがないガラス基板Gを安定して製造し続けることが可能となる。
次に、排気孔形成部における上述のワイブルプロット処理で求められた近似線における10%に対応する破損確率の値が異なるガラス基板と同一条件で製造されたガラス基板が、実際のFPDの製造工程で行われる加熱炉内での加熱処理で、排気孔形成部を起点として破損する破損率を求めた。試験条件は、次の通りである。
フロート法により成形した板厚1.8mmで、短辺寸法が1700mmおよび長辺寸法が2000mmのガラス基板の周縁部に直径2mmの排気孔を形成した。具体的には、先端部にダイヤモンド砥粒を固着させたドリルにより、ガラス基板の厚み方向の送り速度を0.5mm/秒、回転速度を20000rpm、冷却水の供給量を5リットル/分として、排気孔を形成した。この際、実施例2においては、ドリルのダイヤモンド砥粒の平均粒径を、試料7では49μm、試料8,9では52μmとして、試料毎にそれぞれ同一ロットのガラス基板70枚に対して上記の条件で排気孔を形成した。他方、比較例2においては、ドリルのダイヤモンド砥粒の平均粒径を、試料10,11では57μm、試料12では67μmとして、試料毎にそれぞれ同一ロットのガラス基板70枚に対して上記の条件で排気孔を形成した。
そして、図6に示すように、上記の試料7〜12に対応したガラス基板Gのそれぞれを、排気孔1bが近傍に形成された辺が500mm、その辺と直交する辺が600mmとなる矩形状に切断し、試料毎に50枚(右短辺側25枚+左短辺側25枚)の試験用サンプル1を作製した。次にこの各試験用サンプル1の排気孔1bの中心から26mm離間した位置にラバーヒーター2を貼り付け、20±5℃/分の昇温速度で加熱して熱応力で排気孔1b形成部を破損させた後、上述の破面解析およびワイブルプロット処理を行い、そのワイブルプロットの近似線から破損確率10%に対応した破損強度を算出した。
また、これに合わせて、試料7〜12のそれぞれに対応した残り20枚のガラス基板Gに対して、上述した同様の温度条件で、加熱炉内で実際に加熱処理を行い、破損の有無を検査し、破損率(破損枚数/20×100%)を算出した。
その結果を下記の表2に示す。
Figure 2009137788
上記の表2によれば、ワイブルプロット処理により求められる破損確率10%に対応した破損強度が395kgf/cm2未満となる試料10〜12(比較例2)では、加熱炉内における実際の破損率が5%以上となり、実際にガラス基板Gの排気孔1b形成部を起点とした破損が生じるという結果を得た。これに対して、ワイブルプロット処理により求められる破損確率10%に対応した破損強度が395kgf/cm2以上となる試料7〜9(実施例2)では、加熱炉内における実際の破損率が0%となり、実際にガラス基板Gの排気孔1b形成部を起点とした破損が生じないという良好な結果を得た。したがって、排気孔1b形成部において、ワイブルプロット処理により求められる破損確率10%に対応した破損強度が500kgf/cm2であるガラス基板Gであれば、種々の素子や構造体を形成する際、または前面板と背面板とを張り合わせる際などに行われる熱処理工程で、排気孔1b形成部を起点とする破損が確実に低減されることから、経済的・時間的な無駄を可及的に無くし、歩留まりの向上を図ることが可能となる。
そして、実施例2(試料7〜9)と、フロート法によりガラス基板Gを成形する条件及び排気孔を形成する条件を同一に維持するように管理することで、FPDの製造工程に含まれる熱処理工程において、実質的に排気孔形成部を起点とする破損を来たすことがないガラス基板Gを安定して製造し続けることが可能となる。
なお、ガラス基板Gが背面板として利用される場合には、端面部1aを起点とした破損と、排気孔1b形成部を起点とした破損の双方が起こり得るので、ワイブルプロット処理により求められる破損確率10%に対応した破損強度が、排気孔1b形成部で395kgf/cm2以上となることに加え、端面部1aで500kgf/cm2以上となるようにすることが好ましい。
本発明の実施形態におけるガラス基板の端面部の破損強度を算出する際の試験条件を説明する図である。 端面部を含むガラス片の破面を模式的に示す図である。 ワイブルプロット処理の結果の一例を示す図である。 本発明の実施形態におけるガラス基板の排気孔の破損強度を算出する際の試験条件を説明する図である。 本発明の実施例におけるガラス基板の端面部の破損強度を算出する際の試験用サンプルの切り出し領域を説明する図である。 本発明の実施例におけるガラス基板の排気孔の破損強度を算出する際の試験用サンプルの切り出し領域を説明する図である。
符号の説明
1 試験用サンプル
1a 端面部
1b 排気孔
2 ラバーヒーター
3 テーブル
4 樹脂ブロック
X 破損起点
Y 鏡面域
Z ミスト域

Claims (4)

  1. 端面部に研磨加工が施され、板厚が1.3〜4.0mmのフラットパネルディスプレイ用のガラス基板において、
    前記ガラス基板と同一条件で製造された複数枚のガラス基板の各々に対して、端面部から中央部に向かって26mm離間した位置に発熱体を密着させ、該発熱体により熱を加えることにより、熱応力を生じさせて端面部を破損させ、該破損した端面部を含むガラス片の破面を破面解析し、該破面解析により求められた前記複数枚のガラス基板の各々の破損強度データをワイブルプロット処理したときに、そのワイブルプロットの近似線における破損確率10%に対応した破損強度が、500kgf/cm2以上となることを特徴とするフラットパネルディスプレイ用のガラス基板。
  2. 周縁部に直径が1.5〜3.5mmの排気孔が設けられ、板厚が1.3〜4.0mmのフラットパネルディスプレイ用のガラス基板において、
    前記ガラス基板と同一条件で製造された複数枚のガラス基板の各々に対して、排気孔の中心から中央部に向かって26mm離間した位置に発熱体を密着させ、該発熱体により熱を加えることにより、熱応力を生じさせて排気孔形成部を破損させ、該破損した排気孔形成部を含むガラス片の破面の破面解析し、該破面解析により求められた前記複数枚のガラス基板の各々の破損強度データをワイブルプロット処理したときに、そのワイブルプロットの近似線における破損確率10%に対応した破損強度が、395kgf/cm2以上の値を示すことを特徴とするフラットパネルディスプレイ用のガラス基板。
  3. 請求項1又は2に記載のガラス基板と同一条件で製造されたフラットパネルディスプレイ用のガラス基板。
  4. プラズマディスプレイまたはフィールドエミッションディスプレイに用いられる請求項1〜3のいずれか一項に記載のフラットパネルディスプレイ用のガラス基板。
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