以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、本実施形態では画像通信装置の一例としてプリンタ、コピー、ファクシミリ、スキャナ等の各装置の機能を1つの筐体内に収納した複合機を一例として説明していくが、画像通信機能を備えている如何なる画像通信装置であってもよい。また、本実施形態では画像通信装置の画像通信機能として、SIP(Session Initiation Protocol)サーバを使用して相手側装置と接続するIP−FAX機能を用いて説明していくが、画像通信機能はこれに限られるものではない。
〔実施の形態1〕
図1は、本実施形態に係る複合機の運用態様を示す図である。図1に示すように、IPネットワーク101は、SIPサーバ102が接続されている。拠点Aに存在する複合機103、PC104及びIP電話105と、拠点Bに存在する複合機106、PC107及びIP電話108とは、それぞれIPネットワーク101を介して通信可能となっている。
次に、図2は、本実施形態に係る複合機103または複合機106のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る複合機103または複合機106は、CPU(Central Processing Unit)201と、フラッシュROM(Read Only Memory)202と、メインメモリ203と、クロック204と、バスコントローラ205と、PCI(Peripheral Component Interconnect)ブリッジ206と、キャッシュメモリ207とがCPUバス225を介して接続されている。
また、複合機103または複合機106は、原稿用スキャナ208と、原稿スキャナコントローラ209と、プリントコントローラ210と、プリントエンジン211と、排紙用スキャナ212と、排紙スキャナコントローラ213と、ハードディスク214と、HD(Hard Disk)コントローラ215と、LCD表示コントローラ216と、LCD217と、LANコントローラ218と、LAN I/F219とがPCIバス226を介して接続されている。
また、複合機103または複合機106は、キー入力コントローラ220とハードキー221と、タッチパネルコントローラ222と、タッチパネル223とがXバス(内部バス)227を介して接続されている。
そして、複合機103または複合機106は、CPUバス225と、PCIバス226と、Xバス227とが、バスコントローラ205またはPCIブリッジ206を介して接続されている。
CPU201は、フラッシュROM202に記憶された制御処理プログラムやOS(Operating System)を実行処理する。メインメモリ203は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)より構成されており、CPU201のワークエリア等で使用される。
フラッシュROM202は、電源を切ってもデータが消去されず、電気的に書き換え可能なROMであり、電源オン時のシステムの立ち上げや複合機の機能を実現するための各種プログラムが予め書き込まれている。また、フラッシュROM202には、プログラムの実行時に参照されるスイッチやパラメータ等のデータも記憶される。
クロック204は、水晶発振子と分周回路から構成されており、CPU201やバスコントローラ205の動作タイミングを制御するためのクロックを生成している。バスコントローラ205は、CPUバス225とXバス227でのデータ転送を制御する。
PCIブリッジ206は、キャッシュメモリ207を使用して、PCIバス226とCPU201との間のデータ転送を行う。キャッシュメモリ207は、DRAMより構成されており、PCIブリッジ206により使用される。
原稿用スキャナ208は、1次元配列されたLEDアレイを光源としてカラーCCDラインセンサにより紙面画像を読み取り、カラーCCDラインセンサから出力されるR(Red)、G(Green)、B(Blue)の各アナログ画像信号をそれぞれA(Analog)/D(Digital)変換によりデジタル画像データに変換する。原稿スキャナコントローラ209は、原稿用スキャナ208の原稿読み取り動作を制御するとともに、原稿用スキャナ208から入力されるRGBデジタル画像データについて、色差成分(Cb,Cr)と輝度成分(Y)に変換してJPEG(Joint Photographic Experts Group)に準拠した圧縮(符号化)処理を行う。
プリントコントローラ210はプリントエンジン211の動作を制御する。プリントエンジン211は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのトナーを使用して、紙面にカラー画像またはモノクロ画像をプリントする。
排紙用スキャナ212は、原稿用スキャナ208と同様に、紙面画像を読み取り、読み取ったアナログ画像信号をデジタル画像データに変換する。排紙スキャナコントローラ213は排紙用スキャナ212の原稿読み取り動作を制御する。排紙用スキャナの詳細については後述する。
ハードディスク214は、原稿用スキャナ208から入力された画像データや通信により受信した画像データ等を記憶する。HDコントローラ215は、ハードディスク214とのインタフェースとして、ハードディスク214と高速データ転送を行う。
LCD表示コントローラ216は、文字データやグラフィックデータ等をD/A(Digital/Analog)変換するとともに、これらのデータをLCD217に表示するための制御を行う。
LANコントローラ218は、例えばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.3規格に準拠した通信プロトコルを実行して、LAN I/F219を介してイーサネット(登録商標)に接続された他の機器との通信を制御する。
キー入力コントローラ220は、ハードキー221から入力されたシリアルデータからパラレルデータへの変換を行う。タッチパネルコントローラ222は、タッチパネル223上で指等の物体が接触した部分を検出し、その位置情報を取り込む。タッチパネル223はLCD217と重ね合わせて密着している。
次に、排紙用スキャナ212の構成を図3に示す。排紙用スキャナ212はLEDアレイ301とカラーCCDラインセンサ302から構成される。LEDアレイ301から発光された光は、読み取り対象の紙303で反射され、カラーCCDラインセンサ302に入力される。排紙用スキャナ212は、図4に示すように、排紙口の内側に取り付けられる。
次に、複合機103又は複合機106が送信機として機能するときの機能構成図を図5に示す。
画像読取部501は原稿用スキャナ208を使用して原稿画像を読み取ってRGBデジタル画像データを取得する。さらに、画像読取部501は原稿スキャナコントローラ209によりRGBデジタル画像データを色差成分(Cb,Cr)と輝度成分(Y)のデータに変換してJPEG圧縮(符号化)を行う。
画像送信部502は画像読取部501によりJPEG符号化された画像データを、RFC3261で規定されたSIPを使用した呼接続、ITU−T勧告T.38で規定されたIP−FAXプロトコルを実行して他の端末に送信する。例えば、画像送信部502は画像データ送信手段として機能する。
表示制御部503はLCD217に対する各種画面等の表示処理を制御する。具体的には、表示制御部503は各種機能を指定するためのメニュー画面の表示、IP−FAXの送信宛先を入力するための画面の表示等を制御する。
操作部504はハードキー221から入力されたキーデータやタッチパネル223から入力された座標データに基づいて各種の操作処理を制御する。
メッセージ受信部505は他の端末から送信されたSIPのインスタントメッセージを受信する。
次に、複合機103又は複合機106が受信機として機能するときの機能構成図を図6に示す。
画像受信部601はSIPを使用した着呼接続、ITU−T勧告T.38で規定されたIP−FAXプロトコルを実行して他のIP−FAXからJPEG画像データを受信する。例えば、画像受信部601は画像データ受信手段として機能する。
画像記憶部602は画像受信部601で受信したJPEG画像データをハードディスク214に記憶する。例えば、画像記憶部602は記憶手段として機能する。
文字抽出部603は後述するアルゴリズムに従って、画像データから文字を抽出する。例えば、文字抽出部603は文字抽出手段として機能する。
プリント色変換部604はハードディスク214に記憶されたJPEG画像データをJPEGに準拠した伸長(復号化)処理を行い、色差成分(Cb,Cr)と輝度成分(Y)に分離された画像データをRGB画像データに変換し、RGB画像データからY(Yellow)、M(Magenta)、C(Cyan)、K(blacK)のプリント用画像データに変換する。また、プリント色変換部604は、JPEG画像データから変換したRGB画像データを、文字抽出部603とL*a*b*色変換部605が利用できるようにメインメモリ203に記憶しておく。
L*a*b*色変換部605はRGB画像データについて、まず、式(1)によりRGBからCIEXYZへ変換する。なお、式(1)はCCIR709で定義された式である。
続いて、L*a*b*色変換部605はこのCIEXYZから式(2)〜式(7)によりL*a*b*に変換する。なお、式(2)〜式(5)にあるXn、Yn、ZnはD65光源下での値であり、それぞれXn=95.045、Yn=100.000、Zn=108.892の値を持つ。
プリント出力部606はYMCKの画像データをプリントエンジン211を使用して紙303にプリントする。例えば、プリント出力部606は出力手段として機能する。
色差異抽出部607は後述するアルゴリズムに従って、2つの色の差(色差)を求める。例えば、色差異抽出部607は差異抽出手段として機能する。
色差異判定部609は、色差異抽出部607で求めた色差と予めフラッシュROM202に記憶されている所定条件とを比較判定する。ここで、所定条件とは、差異条件として許容できる色差ΔE94の値を示す。例えば、色差異判定部609は差異判定手段として機能する。
画像読取部608は排紙用スキャナ212を使用して紙303にプリントされた画像を読み取り、RGBデジタル画像データを取得し、このRGBデジタル画像データをL*a*b*色変換部605が利用できるようにメインメモリ203に記憶しておく。また、画像読取部608は、このRGBデジタル画像データを色差成分(Cb,Cr)と輝度成分(Y)のデータに変換して、この輝度成分(Y)の画像データのみを文字抽出部603が利用できるようにメインメモリ203に記憶しておく。例えば、画像読取部608は読取手段として機能する。
メッセージ送信部610はSIPのインスタントメッセージを使用して、他の端末へメッセージを送信する。
設定情報記憶部611は受信したカラー画像データをプリントした色が原稿の色と異なるか否かを判断するための色の差異条件となる情報等をフラッシュROM202に記憶する。
次に、図1に示した拠点Bに存在する複合機106が拠点Aに存在する複合機103に、ITU−T勧告T.38で規定されたプロトコルで通信する動作の流れを図7に示すシーケンス図と併せて説明する。
まず、複合機106は、SIPサーバ102に複合機103のFAX番号を含めたINVITEメッセージを送信する(S701)。
すると、SIPサーバ102は既に登録されているFAX番号とIPアドレスとの対応テーブルを参照して(S702)、複合機103にINVITEメッセージを送信する(S703)。
INVITEメッセージを受け取った複合機103は、SIPサーバ102に成功である旨の200OKレスポンスを送信する(S704)。200OKレスポンスを受け取ったSIPサーバ102は、複合機106に200OKレスポンスを送信する(S705)。
200OKレスポンスを受け取った複合機106は、ACKメッセージを複合機103へ送信し、セッションを確立させる(S706)。
そして、複合機106は画像データをITU−T勧告T.38で規定されたプロトコルを実行して複合機103に送信する(S707)。画像データの送信が完了すると、複合機106からBYEメッセージを複合機103に送信する(S708)。すると、複合機103から複合機106に200OKレスポンスが送信され、セッションが終了する(S709)。
次に、図1に示した複合機106が複合機103にカラー画像データを送信するときの動作について図8に示すフローチャートと併せて説明する。
送信者がカラー原稿を原稿用スキャナ208にセットして、複合機103のFAX番号を入力してスタートキーを押す。すると画像読取部501は原稿スキャナコントローラ209を制御して、原稿用スキャナ208から原稿画像を読み取ってRGBデジタル画像データを取得する(S801)。
次に読み取ったRGBデジタル画像データを色差成分(Cb,Cr)と輝度成分(Y)のデータに変換してJPEG符号化を行う(S802)。
そして、画像送信部502はJPEG符号化された画像データを、図7に示した通信手順により複合機103に送信する(S803)。
次に、複合機106から送信されたカラー画像データを受信するときの複合機103の動作について、図9に示すフローチャートと併せて説明する。
複合機103は、画像受信部601が複合機106から送信されたJPEG画像データを受信したか否かを判断する(S901)。受信した場合には、ステップS902に進み、受信しない場合は、ステップS901を繰り返す。
画像記憶部602が受信したJPEG画像データをハードディスク214に記憶する(S902)。
続いて、プリント色変換部604がハードディスク214に記憶されたJPEG画像データを、JPEGに準拠した伸長(復号化)処理を行い、色差成分(Cb,Cr)と輝度成分(Y)に分離された画像データをRGB画像データに変換し、さらに、RGBからYMCKのプリント用画像データに変換する。この時、プリント色変換部604は、JPEG伸長で得られた輝度成分(Y)の画像データを文字抽出部603が利用できるように、色差成分(Cb,Cr)と輝度成分(Y)から変換されたRGB画像データをL*a*b*色変換部605がそれぞれ利用できるようにメインメモリ203に記憶する(S903)。
続いて、プリント出力部606がYMCKに変換された画像データをプリントエンジン211を使用して紙303にプリントする(S904)。
次に、プリントされた紙が排紙口を通過するときに、画像読取部608は排紙用スキャナ212を使用して紙303にプリントされた画像を読み取り、RGBデジタル画像データを取得し、当該RGBデジタル画像データをL*a*b*色変換部605が利用できるようにメインメモリ203に記憶する(S905)。
また、画像読取部608は、このRGB画像データを色差成分(Cb,Cr)と輝度成分(Y)のデータに変換して、この輝度成分(Y)の画像データのみを文字抽出部603が利用できるようにメインメモリ203に記憶する(S906)。
次に、文字抽出部603はプリント色変換部604が記憶した輝度成分(Y)の画像データを、スレッシュレベルとしてフラッシュROM202に予め記憶された所定の輝度値と比較することにより、スレッシュレベル以上であれば白画素(ビットの値が0)、そうでなければ黒画素(ビットの値が1)として2値画像に変換する。そして、この2値画像の中から文字画像を抽出し、この文字画像に対して文字認識を行う(S907)。この文字画像の抽出と文字認識は、例えば東芝レビュー 1997 VOL.52 NO.2に記載された方法を用いる。
ここで、この2値画像の例を図10に示す。図10では、「NEWS」以外の文字は「……」で表現している。図10に示す2値画像では、文字認識により、まず、「N」「E」「W」「S」の各文字が認識される。そして2値画像の中から最初の文字列(図10の例では、「NEWS」)を認識すると、文字抽出部603は画像読取部608が排紙用スキャナ212を使用して紙303にプリントされた画像を読み取って生成した輝度成分(Y)の画像データについて、上記と同様に、2値画像変換、文字画像抽出、文字認識の処理を行い、「N」「E」「W」「S」の各文字が認識される。
続いて、文字抽出部603はプリント色変換部604が記憶した輝度成分(Y)の画像データから認識した文字列と、画像読取部608が記憶した輝度成分(Y)の画像データから認識した文字列とを比較する(S908)。
そして、両文字列が一致しない場合は(S908でNO)、プリント画像の色を原稿の色と比較できない旨のメッセージをメッセージ送信部610が送信元端末である複合機106に送信する(S909)。このとき、メッセージ送信部610はSIPのインスタントメッセージを使用してメッセージを複合機106に送信する。
両文字列が一致した場合には(S908でYES)、文字認識した2値の文字画像に対応したRGB画像データをL*a*b*に色変換する処理に移行する。ここで、後述する条件判定を容易にするために、本実施形態ではRGB画像データをL*a*b*に色変換する手法を採用している。
文字抽出部603はまず、プリント色変換部604が記憶した輝度成分(Y)の画像データから2値化された「N」の文字画像領域(矩形)の画像データと、プリント色変換部604が記憶したRGB画像データの中からこの矩形領域に該当する画像データをL*a*b*色変換部605へ渡す。L*a*b*色変換部605はこの領域の2値画素の中で黒画素(ビットの値が1)に該当する各画素のRGBデータについて、上述した式(1)〜式(7)によりL*a*b*に変換する。ここで、「N」の文字を構成する画素の色が赤の場合、この画素のa*は+の大きな値、b*は+または−の小さな値、L*は40〜60近辺の値を持つ。そして、L*a*b*に変換した画素について、それぞれL*、a*、b*の平均を求める(S910)。このとき、平均値から大きく外れる値を持った画素は省くようにしてもよい。
続いて、文字抽出部603は、画像読取部608が記憶した輝度成分(Y)の画像データから2値化された「N」の文字画像領域(矩形)の画像データと、画像読取部608が記憶したRGB画像データの中からこの矩形領域に該当する画像データをL*a*b*色変換部605へ渡す。L*a*b*色変換部605は同様にして、2値画素の中で黒画素(ビットの値が1)に該当する各画素のRGBデータについてL*a*b*に変換し、これらの画素について、それぞれL*、a*、b*の平均を求める(S911)。
次に、これら2つのL*a*b*の値から色の差異を表す情報である色差を求める処理に移行する。本実施の形態では、この色差として、ΔE94(CIE1994)を使用する。この色差ΔE94を求める計算は色差異抽出部607が実行し、2つのL*a*b*の値を(L1,a1,b1)、(L2,a2,b2)として、ΔE94を式(8)、式(9)で求める(S912)。
続いて、色差異判定部609は求まった色差ΔE94の値を、予めフラッシュROM202に記憶されている所定条件の値と比較する(S913)。
そして、求まった色差ΔE94が差異条件の値よりも大きい場合は(S913でNO)、紙303に印刷されたプリント画像の色が原稿の色と異なる旨のメッセージをメッセージ送信部610が送信元端末である複合機106に送信する(S914)。このとき、メッセージ送信部610はSIPのインスタントメッセージを使用してメッセージを複合機106に送信する。
求まった色差ΔE94が差異条件の値よりも小さい場合には(S913でYES)、受信してハードディスク214に記憶したJPEG画像データを削除する(S915)。求まった色差ΔE94が差異条件の値よりも小さい場合に記憶したJPEG画像データを削除し、色差ΔE94が差異条件の値よりも大きい場合は記憶したJPEG画像データを削除しないことで、印刷した画像が送信者の意図するものでなかったときに、そのJPEG画像データを残しておくことが可能となる。このJPEG画像データを残しておくことにより、カラートナーが不足していた場合にはカラートナーを補充した後に、保存されたJPEG画像データを再度プリントして、上述したプリント画像の色を原稿の色と比較する処理を繰り返すことが可能となる。
以上説明したように、本実施形態に係る複合機により、受信した画像データと該画像データを印刷したものにある一定以上の差異が生じるときは、送信元端末にその旨を送信することにより、画像データの送信者が印刷品質の確認をすることができる。
なお、上記の説明においては、紙303にプリントされた画像を排紙用スキャナ212で読み取る例を説明したが、排紙された紙303を原稿用スキャナ208で読み取っても良い。これにより、排紙口に排紙用スキャナを設けなくても本発明を実施することができる。
なお、上記の説明においては、文字を構成する画素の色を比較して色差ΔE94を求めたが、文字の周辺が白画素である場合に、その白画素も含めた領域に含まれる画素の色の平均を求め、この領域全体の色について比較して色差を求めることもできる。この場合の処理の流れを以下に説明する。
L*a*b*色変換部605がL*、a*、b*の平均値を求めるとき、L*a*b*色変換部605が文字画像領域(矩形)の2値画素の中で白画素(ビットの値が0)に該当する各画素のRGBデータについてもL*a*b*に変換する。ここで、「N」の文字を構成する画素の色が赤の場合、この画素のa*は+の大きな値、b*は+または−の小さな値、L*は40〜60近辺の値を持つ。また、矩形領域内のその他の画素の色が白の場合、この画素のa*とb*は+または−の小さな値、L*は100に近い値を持つ(L*の範囲は0(黒)〜100(白))。そこで、L*a*b*色変換部605は矩形領域内の文字以外の画素が、a*とb*が+または−の小さな値、L*が100に近い値を持つ場合には、この画素の色を白とみなす。そして、矩形領域内の文字以外の画素が全て白であると判断した場合には、L*a*b*色変換部605は矩形領域内の全ての画素について、a*、b*の平均を求める。L*については、白とみなした100に近い値は省いて平均を求める。そして、色差異抽出部507はこれらのL*、a*、b*の平均値を用いて色差ΔE94を求める。
〔実施の形態2〕
実施の形態1では、印刷した画像データと受信した画像データが異なる旨をSIPのインスタントメッセージを使用して送信している。本実施の形態においては、SIPのインスタントメッセージと併せて、さらに送信者のメールアドレスへ通知する場合について説明する。なお、実施の形態1と同様の符号を付す構成要素については実施の形態1と同一又は相当部を示し、説明を省略する。
複合機103又は複合機106が受信機として機能するときの機能構成図を図11に示す。図11の機能構成図では、図6で示した機能構成に、指定されたメールアドレスへのメール送信の制御を行うメール送信部1101が追加されている。
次に、図1に示した複合機106が複合機103にカラー画像データを送信するときの動作について説明する。なお、複合機106が送信するときの動作は、図8に示すフローチャート図を用いて説明する。
送信者がカラー原稿を原稿用スキャナ208にセットして、送信者のメールアドレスと複合機103のFAX番号を入力してスタートキーを押す。すると画像読取部501は原稿スキャナコントローラ209を制御して、原稿用スキャナ208から原稿画像を読み取ってRGBデジタル画像データを取得する(S801)。次に読み取ったRGBデジタル画像データを色差成分(Cb,Cr)と輝度成分(Y)のデータに変換してJPEG符号化を行う(S802)。そして、画像送信部502はJPEG符号化された画像データを、図7に示した通信手順により複合機103に送信する(S803)。
このとき、複合機106は送信者のメールアドレスをITU−T勧告T.38で規定されたプロトコルのNSS (Non−Standard Facilities Set−up)コマンドに含めて複合機103へ送信する。ここで、NSSコマンドはITU−T勧告T.30で定義されたコマンドであるが、ITU−T勧告T.38はITU−T勧告T.30を参照するようになっており、ITU−T勧告T.38はまた ITU−T勧告T.30で規定されたNSS等のHDLC(High−level Data Link Control procedure)フレームをIFP(Internet Facsimile Protocol)パケットに入れ、このIFPパケットをさらにUDPパケットまたはTCPパケットに入れて送信する仕様となっている。TCPパケットのデータ構造を図12に示す。また、NSSコマンドにメールアドレスを含めた例を図13に示す。
次に、複合機106から送信されたJPEG画像データを受信するときの複合機103の動作について、図14に示すフローチャートと併せて説明する。
S1401からS1408の動作は、上述した図9のS901〜S908と同様であるため説明を省略する。そして、両文字列が一致しない場合は(S1408でNO)、プリント画像の色を原稿の色と比較できない旨のメッセージを、メッセージ送信部610が送信元端末である複合機106に送信する(S1409)。このとき、メッセージ送信部610はSIPのインスタントメッセージを使用してメッセージを複合機106に送信する。
そして、当該旨のメッセージをメール送信部1101が受信したNSSコマンドに含まれたメールアドレス宛にメール送信する(S1410)。なお、フローチャートの説明上、S1409でメッセージを送信した後、S1410でメールを送信しているが、どちらを先に送信しても良い。
両文字列が一致した場合には(S1408でYES)、文字認識した2値の文字画像に対応したRGB画像データをL*a*b*に色変換する処理に移行する。
S1411からS1414の動作は、上述した図9のS910〜S913と同様であるため説明を省略する。そして、求まった色差ΔE94が差異条件の値よりも大きい場合は(S1414でNO)、紙303に印刷されたプリント画像の色が原稿の色と異なる旨のメッセージをメッセージ送信部610が送信元端末である複合機106に送信する(S1415)。このとき、メッセージ送信部610はSIPのインスタントメッセージを使用してメッセージを複合機106に送信する。
そして、当該旨のメッセージをメール送信部1101が受信したNSSコマンドに含まれたメールアドレス宛にメール送信する(S1416)。なお、フローチャートの説明上、S1415でメッセージを送信した後、S1416でメールを送信しているが、どちらを先に送信しても良い。
続いて、求まった色差ΔE94が差異条件の値よりも小さい場合には(S1414でYES)、受信してハードディスク214に記憶したJPEG画像データを削除する(S1417)。求まった色差ΔE94が差異条件の値よりも小さい場合に記憶したJPEG画像データを削除し、色差ΔE94が差異条件の値よりも大きい場合は記憶したJPEG画像データを削除しないことで、印刷した画像が送信者の意図するものでなかったときに、そのJPEG画像データを残しておくことが可能となる。このJPEG画像データを残しておくことにより、カラートナーが不足していた場合にはカラートナーを補充した後に、保存されたJPEG画像データを再度プリントして、上述したプリント画像の色を原稿の色と比較する処理を繰り返すことが可能となる。
以上説明したように、本実施形態に係る複合機により、受信した画像データと該画像データを印刷したものにある一定以上の差異が生じるときは、送信元端末及び送信者のメールアドレスにその旨を通知することができる。これにより、画像データの送信者が送信元端末の前にいなくても印刷品質の確認をすることができる。
なお、上記の説明においては、紙303にプリントされた画像を排紙用スキャナ212で読み取る例を説明したが、排紙された紙303を原稿用スキャナ208で読み取っても良い。これにより、排紙口に排紙用スキャナを設けなくても本発明を実施することができる。
なお、上記の説明においては、S1410またはS1416でメール送信するときに、S1405で読み取った画像データをメールに添付して送信しても良い。これにより、画像データの送信者が、印刷された画像データを見て印刷品質の確認をすることができる。
また、複合機103に機器管理者のメールアドレスが登録されている(このメールアドレス情報はフラッシュROM202に記憶)場合には、プリント画像の色が原稿の色と異なる旨のメッセージをこの機器管理者のメールアドレス宛にメールにて送信するようにしてもよい。この場合、機器管理者は色の品質が劣化したことを迅速に知ることができ、トナーの補充や機器の修理、調整を速やかに行うことが可能となる。
〔実施の形態3〕
実施の形態1では、印刷した画像データと受信した画像データが異なる旨を、SIPのインスタントメッセージを使用して送信している。本実施の形態においては、SIPのインスタントメッセージと併せて、さらに読み取った画像データを送信する場合について説明する。なお、実施の形態1と同様の符号を付す構成要素については実施の形態1と同一又は相当部を示し、説明を省略する。
複合機103又は複合機106が受信機として機能するときの機能構成図を図15に示す。図15の機能構成図では、図6で示した機能構成に、画像送信部502が追加されている。
画像送信部502は、図5の送信機として機能するときの機能構成図内で示した画像送信部502と同機能である。画像送信部502はJPEG符号化された画像データを、RFC3261で規定されたSIPを使用した呼接続、ITU−T勧告T.38で規定されたIP−FAXプロトコルを実行して他の端末に送信する。例えば、画像送信部502は画像データ送信手段として機能する。
次に、図1に示した複合機106が複合機103にカラー画像データを送信するときの動作について説明する。なお、複合機106が送信するときの動作は、図8の説明で上述したとおりである(S801〜S803)。
次に、複合機106から送信されたJPEG画像データを受信するときの複合機103の動作について、図16に示すフローチャートと併せて説明する。
S1601からS1608の動作は、上述した図9のS901〜S908と同様であるため説明を省略する。そして、両文字列が一致しない場合は(S1608でNO)、プリント画像の色を原稿の色と比較できない旨のメッセージを、メッセージ送信部610が送信元端末である複合機106に送信する(S1609)。このとき、メッセージ送信部610はSIPのインスタントメッセージを使用してメッセージを複合機106に送信する。
そして、画像送信部502はS1605で読み取った画像データを、ITU−T勧告T.38で規定されたプロトコルを実行して送信元端末である複合機106に送信する(S1610)。なお、フローチャートの説明上、S1609でメッセージを送信した後、S1610で画像データを送信しているが、どちらを先に送信しても良い。
続いて、両文字列が一致した場合には(S1608でYES)、文字認識した2値の文字画像に対応したRGB画像データをL*a*b*に色変換する処理に移行する。
S1611からS1614の動作は、上述した図9のS910〜S913と同様であるため説明を省略する。そして、求まった色差ΔE94が差異条件の値よりも大きい場合は(S1614でNO)、紙303に印刷されたプリント画像の色が原稿の色と異なる旨のメッセージをメッセージ送信部610が送信元端末である複合機106に送信する(S1615)。このとき、メッセージ送信部610はSIPのインスタントメッセージを使用してメッセージを複合機106に送信する。
そして、画像送信部502はS1605で読み取った画像データを、ITU−T勧告T.38で規定されたプロトコルを実行して送信元端末である複合機106に送信する(S1616)。なお、フローチャートの説明上、S1615でメッセージを送信した後、S1616で画像データを送信しているが、どちらを先に送信しても良い。
続いて、求まった色差ΔE94が差異条件の値よりも小さい場合には(S1614でYES)、受信してハードディスク214に記憶したJPEG画像データを削除する(S1617)。求まった色差ΔE94が差異条件の値よりも小さい場合に記憶したJPEG画像データを削除し、色差ΔE94が差異条件の値よりも大きい場合は記憶したJPEG画像データを削除しないことで、印刷した画像が送信者の意図するものでなかったときに、そのJPEG画像データを残しておくことが可能となる。このJPEG画像データを残しておくことにより、カラートナーが不足していた場合にはカラートナーを補充した後に、保存されたJPEG画像データを再度プリントして、上述したプリント画像の色を原稿の色と比較する処理を繰り返すことが可能となる。
以上説明したように、本実施形態に係る複合機により、受信した画像データと該画像データを印刷したものにある一定以上の差異が生じるときは、その旨を送信元端末に送信するとともに、読み取った画像データを送信元端末に送信することができる。これにより、画像データの送信者が、印刷された画像データを見て印刷品質の確認をすることができる。
〔実施の形態4〕
本実施の形態では、図1に示した拠点Bに存在する複合機106から拠点Aに存在する複合機103へ2値画像データを送信し、複合機103にて受信した2値画像データから文字認識によって認識された文字列と、その画像データがプリントされた紙を読み取った画像データから文字認識によって認識された文字列とを比較する。文字列の差異が所定の条件を満足していないと判断した場合には、複合機106へプリント品質が悪いという情報を通知する。
複合機103が受信機として機能するときの本実施形態の機能構成図を図17に示す。複合機103は、画像受信部1701、画像記憶部1702、文字抽出部1703、プリント出力部1704、文字差異判定部1705、画像読取部608、メッセージ送信部610、及び、設定情報記憶部611を有する。
画像受信部1701は、SIPを使用した着呼接続、ITU−T勧告T.38で規定されたIP−FAXプロトコルを実行して他のIP−FAXからMMR圧縮された2値画像データを受信する。画像記憶部1702は、画像受信部1701で受信した2値画像データをハードディスク214に記憶する。
文字抽出部1703は、後述するアルゴリズムに従って、2値画像データから文字を抽出する。プリント出力部1704は、2値画像データをプリントエンジン211を使用して紙303にプリントする。文字差異判定部1705は、受信した2値画像データを文字抽出部1703で抽出した文字列と、画像読取部1706が紙303から読み取った2値画像データを文字抽出部1703で抽出した文字列とを比較する。文字差異判定部1705は、比較により得られる異なる文字数を、予めフラッシュROM202に記憶されている所定条件と比較判定する。ここで、所定条件とは、許容できる異なる文字数を示す。
画像読取部1706は、排紙用スキャナ212を使用して紙303にプリントされた画像を読み取り、RGBデジタル画像データを取得し、このRGBデジタル画像データを色差成分(Cb,Cr)と輝度成分(Y)とのデータに変換する。画像読取部1706は、輝度成分(Y)の画像データを2値化した2値画像データを、文字抽出部1703へ渡す。
メッセージ送信部610は、SIPのインスタントメッセージを使用して、他の端末へメッセージを送信する。設定情報記憶部611は、受信した2値画像データとプリントした画像を読み取って得た2値画像データとから、それぞれ抽出した文字列の差異条件となる情報等をフラッシュROM202に記憶する。
複合機106では、送信者によりモノクロ原稿またはカラー原稿が原稿用スキャナ208にセットされ、複合機103のFAX番号が入力されスタートキーを押される。これにより、画像読取部501が、原稿スキャナコントローラ209を制御して、原稿用スキャナ208から原稿画像を読み取ってRGBデジタル画像データを取得する。次に読み取ったRGBデジタル画像データを、色差成分(Cb,Cr)と輝度成分(Y)のデータに変換して、輝度成分(Y)のデータを2値化してMMR符号化を行う。そして、画像送信部502はMMR符号化された2値画像データを、図7に示した通信手順により複合機103に送信する。
次に、複合機106から送信された2値画像データを受信するときの複合機103の動作について、図18に示すフローチャートと併せて説明する。
複合機103は、画像受信部1701が複合機106から送信された2値画像データ(MMR符号化データ)を受信したか否かを判断する(S1801)。受信した場合には、ステップS1802に進み、受信しない場合は、ステップS1801を繰り返す。
画像記憶部1702が受信した2値画像データをハードディスク214に記憶する(S1802)。
続いて、プリント出力部1704がハードディスク214に記憶された2値画像データ(MMR符号化データ)を、MMR復号化処理を行って、各画素が0か1の値を持つ2値画像データ(生画像データ)に変換する。続いて、プリント出力部1704はこの生画像データを文字抽出部1703に渡すとともに、プリントエンジン211を使用して紙303にプリントする(S1803)。
文字抽出部1703はこの2値の生画像データから、まず、文字部の切り出しと、この切り出された文字が活字か手書き文字かを識別する処理を行う。この処理は、例えば、特開2006−92346に記載された方法を用いる。すなわち、まず、画像の傾きを補正し、レイアウト解析により活字文字から成るブロック、手書き文字から成るブロック、その他(図等)のブロックに分割する(S1804)。
文字抽出部1703が、画像をレイアウト解析によりブロック分割した例を図19に示す。図19中、ブロックA1は活字文字を含むブロック、ブロックB1は手書き文字を含むブロック、ブロックC1はその他のブロックである。なお、ブロックA1中の○は文字を抽象化して表したものである。続いて、文字抽出部1703は活字文字から成るブロックA1について、外郭ゼロ交差特徴(Peripheral Zero−Crossing Code)と正準判別分析(Canonical Discriminant Analysys)により文字を認識する(S1805)。
外郭ゼロ交差特徴とは、2値画像を、全体をぼかした多値画像としてパターン処理したうえで、文字と背景の境界部分の特徴を捉えて認識する方法である。また、正準判別分析は、文字の特徴から文字を判別する方法で、文字の特徴を表す数値テーブルは似た文字同士が区別しやすいように作成されている(電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 Technical report of IEICE. PRMU 98(490) pp.71−78 19981218 社団法人電子情報通信学会)。なお、この文字の特徴を表す数値テーブルは、例えば、ハードディスク214に予め記憶されている。
文字抽出部1703は、また、手書き文字から成るブロックB1に対し、端点、凸部、凹部等の形状の構造を捉える輪郭解析法と、上述した外郭ゼロ交差特徴と正準判別分析を組み合わせて文字を認識する。輪郭解析法は漢字以外の手書き文字の認識に優れ、外郭ゼロ交差特徴と正準判別分析は手書きの漢字の認識に優れる。認識した文字列は、ブロックA1の文字列とブロックB2の文字列とに分けてメインメモリ203に記憶しておく。これにより、後で両者の文字列を比較することができる。
次に、プリントされた紙が排紙口を通過するときに、画像読取部608は排紙用スキャナ212を使用して紙303にプリントされた画像を読み取ってRGBデジタル画像データを取得し、当該RGBデジタル画像データを色差成分(Cb,Cr)と輝度成分(Y)のデータに変換して、この輝度成分(Y)の画像データのみを文字抽出部1703が利用できるようにメインメモリ203に記憶する。次に、文字抽出部1703は画像読取部608が記憶した輝度成分(Y)の画像データをスレッシュレベルとしてフラッシュROM202に予め記憶された所定の輝度値と比較することにより2値画像に変換する。そして、文字抽出部1703は上述したように2値画像の中から文字部を切り出して、この切り出された文字が活字か手書き文字かを識別してブロックに分割し、それぞれのブロックについて文字を認識する(S1806)。
ここで、出力された画像に問題がある例について説明する。例えば、プリントエンジン211に問題があり、図20に示すように画像に縦線が付加されてプリントされたとする。この場合、文字抽出部1703はブロックA1の1行目を「この資料は親製品の機能に関するものである。」と文字認識する。
次に、文字差異判定部1705は、ブロックA1とブロックB1とのそれぞれについて、受信した2値画像データから抽出した文字列と、画像読取部608が紙303から読み取った2値画像データから抽出した文字列とを比較する(S1807)。ブロックA1について、比較結果の異なる文字を図21に枠で囲って示す。この場合、5個の文字が異なっている。ブロックB1については異なる文字は無い。
次に、文字差異判定部1705は、この異なった文字の数を予めフラッシュROM202に記憶されている許容できる文字数以下か否かを判断する(S1808)。許容できる文字数以下の場合には、処理を終了し、許容できる文字数ではない場合には、ステップS1809に進む。
この許容できる文字数が3の場合、異なった文字数が許容できる文字数よりも大きいため、紙303に印刷されたプリント画像の品質に問題がある旨のメッセージをメッセージ送信部610が送信元端末である複合機106に送信する(S1809)。このとき、メッセージ送信部610はSIPのインスタントメッセージを使用してメッセージを複合機106に送信する。
図22から図24は、英文を含む画像の例を示す図である。図22は、文字抽出部1703が、画像をレイアウト解析によりブロック分割した例である。図22中、ブロックA2は活字文字を含むブロック、ブロックB2は手書き文字を含むブロック、ブロックC2はその他のブロックである。なお、ブロックA2中の○は文字を抽象化して表したものである。
図23は、図20と同様に、画像に縦線が付加されてプリントされた例を示す図である。この場合、文字抽出部1703は、ブロックA2の1行目を「The Ouality of Products:」と文字認識する。
図24は、図21と同様に、ブロックA2において、比較結果の異なる文字を枠で囲って示す図である。図24でも、5個の文字が異なっている。ブロックB2については異なる文字は無い。そこで、文字差異判定部1705により、ステップS1808の処理が実行される。
上記の例では、文字差異判定条件として、許容できる文字数を予めフラッシュROM202に記憶させていたが、認識される文字の全文字数に対するパーセンテージを予めフラッシュROM202に記憶させておき、このパーセンテージから許容文字数を算出するようにしてもよい。
また、上記の例では、許容できる異なった文字が横方向について離散的に存在する場合を示したが、横方向に連続して存在する場合に対応するために、異なった文字の連続数を文字差異判定条件として使用することもできる。すなわち、異なった文字の連続数が許容できる値を越えた場合、紙303に印刷されたプリント画像の品質に問題がある旨のメッセージをメッセージ送信部610が送信元端末である複合機106に送信する。
なお、ステップS1807において、類似する複数の文字を同一の文字とみなしてもよい。この場合、文字抽出部1703が、例えば、図25に示すテーブルの情報を記憶している。図25に示すテーブルは、夫々の文字についての類似文字を、類似度毎に第1群、第2群、第3群に分けて記憶している。例えば、“日”という漢字の場合、類似度“1”に対応する文字は、アルファベットの“E”及び漢字の“曰”等である。類似度“2”に対応する文字は、アルファベットの“B”、及び、“F”、並びに、漢字の“田”である。類似度“3”に対応する文字は、アルファベットの“A”、数字の“8”、及び、漢字の“旦”である。
文字抽出部1703は、予めフラッシュROM202に記憶された類似文字許容数に応じて図25に示すテーブルを参照し、許容される類似文字は同一の文字であるものとして文字列を比較する。
なお、本実施の形態の複合機は、さらに、実施の形態2のメール送信部1101、及び、実施の形態3の画像送信部502の何れか、又は、その両方を有してもよい。メール送信部1101は、メッセージ送信部610がメッセージを送信する際に、同様のメッセージをメールにより送信する。この処理は、実施の形態2におけるステップS1416の処理と同様である。画像送信部502は、メッセージ送信部610がメッセージを送信する際に、読み取った画像を送信する。この処理は、実施の形態に3におけるステップS1616の処理と同様である。
なお、上記の説明においては、紙303にプリントされた画像を排紙用スキャナ212で読み取る例を説明したが、排紙された紙303を原稿用スキャナ208で読み取っても良い。これにより、排紙口に排紙用スキャナを設けなくても本発明を実施することができる。
なお、本発明の実施の形態に係る画像通信装置は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)等で実現されてもよい。また、本発明の実施形態に係る画像通信方法は、例えば、CPUがROMやハードディスク装置等に記憶されたプログラムに従い、RAM等のメインメモリをワークエリアとして使用し、実行される。
また、上記各機能は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)、などのレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語などで記述されたコンピュータ実行可能なプログラムにより実現でき、ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM、CD−RW、DVD、SDカード、MOなど、装置が読み取り可能な記録媒体に格納して頒布することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。また、実施の形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本発明の技術的範囲に含まれる。