JP2013192093A - 登録要求ユニット推定数からディスカバリスロット・サイズを決定する局側光終端装置、プログラム及び方法 - Google Patents

登録要求ユニット推定数からディスカバリスロット・サイズを決定する局側光終端装置、プログラム及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Register_REQの衝突の程度に応じて、次サイクルにおけるより好適なディスカバリスロット・サイズを決定することが可能な局側光終端装置(OLT)を提供する。
【解決手段】本OLTは、所定時間帯にONUより受信したRegister_REQから、登録要求に成功したONUである要求成功ユニットを検知する要求成功ユニット検知手段と、所定時間帯におけるRegister_REQを含む受信信号を微分する受信信号微分手段と、微分された受信信号から、衝突によって重畳したRegister_REQを識別し、登録要求を行ったONUの数である登録要求ユニット数を推定する登録要求ユニット推定手段と、推定された登録要求ユニット数と、検知された要求成功ユニットの数との差から、登録要求が未成功であるONUの数である残ユニット数を算出し、この残ユニット数を用いて次サイクルでのディスカバリスロットのサイズを決定するスロットサイズ決定手段とを有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、PON(Passive Optical Network)システムにおいて、局側光終端装置(OLT:Optical Line Terminal)が、加入者ユニット(ONU:Optical Network Unit)を認識するためのディスカバリプロセス(discovery process)技術に関する。
FTTH(Fiber To The Home)サービスを経済的に提供する手段として、1本の光幹線路を複数の加入者で共有するPONシステムが公知である。PONシステムでは、1台のOLTが、光幹線路、光カプラ及び光分岐路を介して複数のONUを収容する。
現在のPONシステムは、上り方向(ONU→OLT)通信に、単一波長を用いて各ONUからの光信号を時間軸上で多重する時分割多元接続(TDMA:Time Division Multiple Access)方式を採用することが一般的である。ここで、OLTは、各ONUの発光タイミング及び発光時間を指示することによって、共有される光幹線路上で複数のONUからの上り信号が衝突する事態を回避している。
しかしながら、ONU接続時やOLT起動時には、OLTは接続されたONUの存在を認識していない。従って、ONUを認識するために行われるディスカバリプロセスでは、複数のONUによってOLTに送信される登録要求信号(Register_REQ)の送信タイミングを、OLTが逐一指示することは不可能である。
そのため、OLTは、このディスカバリプロセスの開始にあたり、ONUに向けてブロードキャストする登録問合せ信号(Discovery_GATE)に、最大遅延時間としてのディスカバリスロット(discovery slot)のサイズを含める。ONUは、取得したディスカバリスロットのサイズから既定のRegister_REQ長を差し引いた範囲内で、ランダムな時間だけRegister_REQの送信を遅延させる。これにより、光幹線路におけるRegister_REQ同士の衝突が抑制される。
ここで、OLTは、一定時間(例えば1秒)毎に、ディスカバリプロセス(の1サイクル)のための時間を設ける。この1サイクルに要する時間は、受信すべきRegister_REQの遅延範囲を左右するディスカバリスロットのサイズ(ディスカバリスロット・サイズ)に依存する。
その結果、ディスカバリスロット・サイズが大きすぎると、ディスカバリプロセスのための帯域使用率が高くなる。これにより、上り通信(上位ネットワークに向けての通信)のスループットが減少してしまう。一方、ディスカバリスロット・サイズが小さすぎると、Register_REQ同士の衝突が多発し、ディスカバリプロセスのための時間を多数サイクル(多数回)設けねばならなくなる。これにより、ディスカバリプロセス所要時間(OLTが接続された全ONUの存在を認識するのに要する時間)が増大し、接続を完了させて通信を可能にするリンクアップが遅くなってしまう。
この問題に関し、非特許文献1では、ONUの台数nに応じた最適なディスカバリスロット・サイズWを、次式
Figure 2013192093
として提示している。ここで、MはRegister_REQ長であり、EはOLTとONUとの距離に応じたRTT(Round Trip Time)である。
式(1)を用いれば、確かにONUの台数に応じた最適なディスカバリスロット・サイズを決定することができる。しかしながら、ONU接続時やOLT起動時には、OLTにとって、配下にあるONUの台数nは未知である。従って、式(1)を使用できない。さらに、ONU接続時には、当該ONUのみがディスカバリの対象となる。そのため、OLTは、如何なるタイミングで何台のONUがディスカバリ対象になるかを知り得ない。
このため、実際のOLTの運用では、配下のONUの可能最大数を想定してディスカバリスロット・サイズの固定値を決定している。次いで、この固定されたサイズにRTTを加算した時間を、ディスカバリウインドウ(discovery window)として一定時間毎に確保するのが一般的である。例えば、IEEE802.3ah規格にて標準化された、現在普及しているGE-PON(Gigabit Ethernet-Passive Optical Network)では、1台のOLTに接続可能なONUの最大数を64台としている。この場合、例えばONU64台(n=64)に適したディスカバリスロット・サイズを確保すればよい。
さらに、非特許文献2では、ディスカバリプロセスの1サイクルでRegister_REQの衝突を観測した際、次サイクルのディスカバリスロット・サイズを増加させ、Register_REQの衝突を観測しなくなった際、次サイクルのディスカバリスロット・サイズを減少させる技術が開示されている。この技術では、ディスカバリスロット・サイズの初期値、加算値、減算値及び最大値を予め設定し、1サイクル中に衝突を観測したか否かの判定で一律、加算値を加えるか減算値を減じるかの処理を行う。
Glen Kramer、"Ethernet Passive OpticalNetworks"、McGraw-Hill Communications Engineering、Chapter 13、2005年 S. Bhatia、R. Bartos、"Performanceof the IEEE 802.3 EPON Registration Scheme Under High Load"、Proceedings of the SPIE Optics East Conference on Performance、112-122ページ、2004年
しかしながら、上述した従来技術を用いても尚、ディスカバリプロセス所要時間の増大を抑制して速やかにリンクアップさせることが依然課題として残っている。
例えば、1台のOLTに接続されるONUの最大数を想定し、ディスカバリスロット・サイズの固定値を決定する上記従来の方法にも限界が存在する。現在、次世代のPONシステムである10GE-PON等、更なる高速なEPON(Ethernet Passive Optical Network)において、ロスバジェットを拡大して1つの光幹線路をできるだけ多くのONUで共有させ、1台のOLTに接続可能なONUの台数を増加させるための研究開発が盛んに行われている。ここで、ONU台数を増加させるのは、次世代のPONシステム実現に向けての大きなハードルとなっているOLTの機器コストや光ファイバの敷設コストを低減させるためである。
このような動向からして、将来、1台のOLTに数百台以上又は千台以上のONUが接続される可能性が高い。この膨大な数のONU台数に基づいてディスカバリスロット・サイズを従来通りに決定すると、ディスカバリプロセスの1サイクルに要する時間が増大し、結果として、上り通信のスループットの低下がより深刻となる。一方、このスループットの維持を優先して、ディスカバリスロット・サイズを抑えると、膨大な台数のONUがディスカバリの対象となり、Register_REQの衝突が頻発してリンクアップに多大な時間を費やしてしまう。
さらに、非特許文献2の方法の場合、次サイクルのディスカバリスロット・サイズの変化量は、予め設定された加算値又は減算値で一律確定してしまう。そのため、衝突が少ない状況ではディスカバリスロット・サイズを大きく設定し過ぎて、スループットに悪影響を与えてしまう。一方、衝突が頻発する状況ではディスカバリスロット・サイズが不足し、加算を繰り返すために多数のサイクルを経る必要が生じる。その結果、リンクアップが遅れてしまう。
特に、上述した将来の動向としてディスカバリ対象となり得るONUの台数が膨大である場合、非特許文献2の方法では、変化させたディスカバリスロット・サイズが最適値から逸脱する程度が、より深刻化する。
そこで、本発明は、Register_REQの衝突の程度に応じて、次サイクルにおけるより好適なディスカバリスロット・サイズを決定することが可能な局側光終端装置、プログラム及び方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、複数の加入者ユニット(Optical Network Unit)と共にPON(Passive Optical Network)を構成し、ディスカバリスロット(discovery slot)のサイズを含む登録問合せ信号を当該加入者ユニットに向けて同報通信して、当該加入者ユニットから登録要求信号を受信する局側光終端装置(Optical Line Terminal)であって、
所定時間帯に受信した登録要求信号から、登録要求に成功した加入者ユニットである要求成功ユニットを検知する要求成功ユニット検知手段と、
所定時間帯における登録要求信号を含む受信信号を微分する受信信号微分手段と、
微分された受信信号から、衝突によって重畳した登録要求信号を識別し、登録要求を行った加入者ユニットの数である登録要求ユニット数を推定する登録要求ユニット推定手段と、
推定された登録要求ユニット数と、検知された要求成功ユニットの数との差から、登録要求が未成功である加入者ユニットの数である残ユニット数を算出し、この残ユニット数を用いて次サイクルでのディスカバリスロットのサイズを決定するスロットサイズ決定手段と
を有する局側光終端装置が提供される。
この本発明の局側光終端装置によれば、所定時間帯における登録要求信号を含む受信信号の高周波成分を遮断し、高周波成分を遮断されたこの受信信号を受信信号微分手段に出力する低域通過フィルタ手段を更に有することも好ましい。
また、本発明の局側光終端装置の一実施形態として、
登録要求ユニット推定手段は、微分された受信信号の中に、
当該登録要求信号の立ち上がりに相当する立ち上がりピークと、
立ち上がりピークの位置から登録要求信号の長さ分の時間経過後の位置にあり、登録要求信号の立ち下がりに相当する立ち下がりピークと
の組を検出した際、検出された当該組の数から、登録要求ユニット数を推定することも好ましい。尚、立ち上がりピーク及び立ち下がりピークの組の判定条件として、両ピークにおける信号強度の差の絶対値が所定閾値以内であることを更に付加することも可能である。
さらに、本発明の局側光終端装置の他の実施形態として、
所定時間帯における登録要求信号を含む受信信号の高周波成分を遮断し、高周波成分を遮断されたこの受信信号を受信信号微分手段に出力する低域通過フィルタ手段を更に有しており、
登録要求ユニット推定手段は、
本サイクルでのディスカバリスロットのサイズ内において、複数の登録要求信号の開始タイミングが、低域通過フィルタ手段のサンプル間隔内で衝突する確率を算出し、
この確率を用いて当該サンプル間隔内で衝突した登録要求信号の数の期待値を求めて、登録要求を行った加入者ユニットの数の補正分を算出し、
検出された当該組の数にこの補正分を加算したものを、登録要求ユニット数と推定することも好ましい。
また、このサンプル間隔内での衝突を考慮する実施形態において、登録要求ユニット推定手段は、ディスカバリスロットのサイズをW(単位はTQ(Time Quanta))とし、登録要求信号の長さをM(単位はTQ)とし、サンプル間隔をT(単位はナノ秒)とし、A=(W−M)×16/Tとし、検出された当該組の数をn’とした上で、登録要求ユニット数nを、
Figure 2013192093
として推定することも好ましい。
また、本発明の局側光終端装置の他の実施形態として、光信号である登録要求信号を含む受信信号をO/E(Optical/Electrical)変換した上で、この受信信号から雑音成分を除去することによって低域通過フィルタ手段として機能する狭帯域O/E変換手段を更に有することも好ましい。
本発明によれば、さらに、複数の加入者ユニットと共にPONを構成し、ディスカバリスロットのサイズを含む登録問合せ信号を当該加入者ユニットに向けて同報通信して、当該加入者ユニットから登録要求信号を受信する局側光終端装置に搭載された、次サイクルでのディスカバリスロットのサイズを決定するためのプログラムであって、
所定時間帯に受信した登録要求信号から、登録要求に成功した加入者ユニットである要求成功ユニットを検知する要求成功ユニット検知手段と、
所定時間帯における登録要求信号を含む受信信号を微分する受信信号微分手段と、
微分された受信信号から、衝突によって重畳した登録要求信号を識別し、登録要求を行った加入者ユニットの数である登録要求ユニット数を推定する登録要求ユニット推定手段と、
推定された登録要求ユニット数と、検知された要求成功ユニットの数との差から、登録要求が未成功である加入者ユニットの数である残ユニット数を算出し、この残ユニット数を用いて次サイクルでのディスカバリスロットのサイズを決定するスロットサイズ決定手段と
してコンピュータを機能させるディスカバリスロット・サイズ決定プログラムが提供される。
本発明によれば、さらにまた、複数の加入者ユニットと共にPONを構成し、ディスカバリスロットのサイズを含む登録問合せ信号を当該加入者ユニットに向けて同報通信して、当該加入者ユニットから登録要求信号を受信する局側光終端装置における、次サイクルでのディスカバリスロットのサイズを決定する方法であって、
所定時間帯に受信した登録要求信号から、登録要求に成功した加入者ユニットである要求成功ユニットを検知する第1のステップと、
所定時間帯における登録要求信号を含む受信信号を微分する第2のステップと、
微分された受信信号から、衝突によって重畳した登録要求信号を識別し、登録要求を行った加入者ユニットの数である登録要求ユニット数を推定する第3のステップと、
推定された登録要求ユニット数と、検知された要求成功ユニットの数との差から、登録要求が未成功である加入者ユニットの数である残ユニット数を算出し、この残ユニット数を用いて次サイクルでのディスカバリスロットのサイズを決定する第4のステップと
を有するディスカバリスロット・サイズ決定方法が提供される。
本発明の局側光終端装置、並びにディスカバリスロット・サイズ決定プログラム及び方法によれば、Register_REQの衝突の程度に応じて、次サイクルにおけるより好適なディスカバリスロット・サイズを決定することができる。その結果、上り通信のスループットの維持・向上とリンクアップ時間の短縮化との両立が可能となる。
本発明による局側光終端装置を含むPONシステムの一実施形態を概略的に示す説明図である。 OLTと複数のONUとの間における、Discovery_GATE及びRegister_REQの送受信、並びにRegister_REQの衝突を示す説明図である。 ディスカバリウインドウ中に受信された受信信号を、低域通過フィルタ処理及び微分処理した経過を示すグラフである。 登録要求ユニット数nの推定精度をより向上させるための推定方法を説明するための概略図である。 本発明によるOLTの実施形態を示す機能構成図である。 本発明による次サイクルでのディスカバリスロット・サイズ決定方法の一実施形態を示すフローチャートである。
以下では、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明による局側光終端装置を含むPONシステムの一実施形態を概略的に示す説明図である。
図1に示すPONシステムによれば、OLT(局側光終端装置)1は、例えば設備局に設置されており、幹線光ファイバ(光幹線路)3、光カプラ4、並びに分岐光ファイバ(光分岐路)30−1、30−2、・・・、及び30−m(mは接続されたONU2の台数)を介して、複数のONU(加入者ユニット)2を収容する。このように、OLT1は、設備局の上流に存在する上位ネットワークと、ONU2に接続されるユーザネットワークとの間で通信を制御する。
また、PONシステムは、上り方向(ONU2→OLT1)通信に、単一波長を用いて各ONU2からの光信号を時間軸上で多重するTDMA方式を採用する。さらに、幹線光ファイバ3で上り/下りの双方向通信を行うため、WDM技術を適用している。
ここで、ONU2の接続時やOLT1の起動時において、OLT1は、接続されたONU2の存在を認識するため、一定時間(例えば1秒)毎に所定の時間帯を確保し、ディスカバリプロセス(の1サイクル)を行う。
ディスカバリプロセスの1サイクルでは、
(a)最初に、OLT1は、初期値としてのディスカバリスロットのサイズ(ディスカバリスロット・サイズ)Wをパラメータとして含むDiscovery_GATE(登録問合せ信号)を、ONU2に向けてブロードキャスト(同報通信)する。
(b)次いで、ONU2は、取得したディスカバリスロット・サイズWから既定のRegister_REQ(登録要求信号)長(Register_REQの長さ)を差し引いた範囲内で、ランダムな時間だけ遅延させて、Register_REQをOLT1に送信する。
(c)OLT1は、所定時間帯(ディスカバリウインドウの時間)にONU2から受信したRegister_REQを含む受信信号を微分し、衝突によって重畳したRegister_REQを識別する。さらに、Register_REQを識別した数から、登録要求を行ったONU2の数(登録要求ユニット数)nを推定する。
(d)OLT1は、さらに、推定された登録要求ユニット数nと、登録要求が成功した要求成功ユニットの数nregとの差から、登録要求が未成功である加入者ユニットの数である残ユニット数nrestを算出し、この残ユニット数nrestを用いて、次サイクルでのディスカバリスロット・サイズWcorを決定する。
(e)最後に、OLT1は、決定したディスカバリスロット・サイズWcorをパラメータとして含む次サイクルでのDiscovery_GATEを作成する。
図2は、OLT1と複数のONU2との間における、Discovery_GATE及びRegister_REQの送受信、並びにRegister_REQの衝突を示す説明図である。
図2によれば、最初に、OLT1は、開始時刻とディスカバリスロット・サイズWとを含むDiscovery_GATEを、複数のONU2に向けてブロードキャストする。各ONU2は、OLT1からの距離に応じた伝送遅延をもって到着したDiscovery_GATEを受信する。
次いで、各ONU2は、Discovery_GATEより取得した開始時刻から、ランダムな時間だけ経過した時点で(ランダム遅延させて)、Register_REQをOLT1に送信する。ここで、遅延させるランダムな時間は、Discovery_GATEより取得したディスカバリスロット・サイズWから、Register_REQ長を差し引いた時間範囲内で、その都度ランダムに決定される。尚、Register_REQ長は、各PONシステム(GE-PON、10GE-PON)において、オーバヘッド分を含め、標準的な値が定められた不変値となっている。
このランダム遅延によって、OLT1に到着した複数のRegister_REQが互いに重畳する現象である衝突を回避することが図られている。例えば、ONU2が2台である場合、各ONU2における「伝送遅延×2+ランダム遅延」の値の差の絶対値がRegister_REQ長を超えていれば衝突は回避される。しかしながら、Register_REQ長以下であれば、両ONU2のRegister_REQは衝突してしまう。即ち、一般に複数のONU2の下、設定されたディスカバリスロット・サイズWの値、各ONU2での伝送遅延(若しくはRTT)、及び登録要求を行った(Register_REQを送信した)ONU2の台数等によって決まる確率をもって、衝突は発生してしまう。
OLT1は、ディスカバリスロット・サイズWにRTTを加算した時間であるディスカバリウインドウの間、到着するRegister_REQを受信し続ける。次いで、この時間に受信した受信信号の中からRegister_REQの単波形を検出し、その数をカウントして登録要求に成功したONU2の数(要求成功ユニット数)nregとする。ここで、図2に示されたような互いに重畳した複数のRegister_REQからなる波形はカウントされない。
ここで、OLT1は、到着したRegister_REQの数、即ち登録要求を行ったONU2の数(登録要求ユニット数)nを求めるべく、重畳した複数のRegister_REQを含む受信信号を微分して、重畳したRegister_REQの数を識別する。
図3は、ディスカバリウインドウ中に受信された受信信号を、低域通過フィルタ処理及び微分処理した経過を示すグラフである。
図3(A)に、受信信号の波形グラフを示す。縦軸は信号強度である。この受信信号は、OLT1のWDM光カプラ100(図5)を介して受信された光信号が、O/E変換部102(図5)でO/E(Optical/Electrical)変換された電気信号である。
図3(A)によれば、受信信号において、複数のRegister_REQが衝突して重畳しており、ある1つのRegister_REQが衝突した瞬間に受信信号強度が高くなり、当該Register_REQの受信が終了した瞬間に受信信号強度は低下する。その結果、この受信信号は、高周波の雑音が重畳することも相まって、複雑な強度変化を示す信号となっている。
ここで、本発明では、このディスカバリプロセス1サイクル分の受信信号を微分することによって、各Register_REQの信号の立ち上がりと立ち下がりを抽出し、Register_REQの数n’をカウントして、登録要求ユニット数nを推定する。ここで、微分とは、ある時刻の受信信号強度と、当該時刻から単位時間経過後の受信信号強度との差を算出する処理である。
しかしながら、図3(A)に示した受信信号を単に微分しただけでは、Register_REQを識別する精度は得られない。図3(B)に、受信信号を単純に微分処理した信号の波形グラフを示す。縦軸は信号強度の時間微分である。図3(B)に示すように、受信信号は、微分処理することによって、多数のスパイクが現れた波形となり、ここからRegister_REQの立ち上がり/立ち下がりピークを抽出することは困難である。
このように単純な微分処理ではRegister_REQのピークが抽出困難である理由は、主に以下の通りである。
(a)ONU2のOLTからの距離が長くなるほど、Register_REQの受信信号強度は、より低減し、場合によっては、雑音の信号強度の変動幅よりも小さくなる。その結果、Register_REQの立ち上がり/立ち下がりピークと雑音のピークとが区別し難くなる。
(b)サンプル間隔が微小であることから(例えば1ns(ナノ秒))、ビット0とビット1との間の信号強度の差分が微分信号に現れたり、レーザのON/OFF動作の際に徐々に信号強度が高くなる/低くなる現象が微分信号に影響したりする。その結果、Register_REQの受信信号強度の変動が観測され難くなる。
これに対し、受信信号を単純に微分処理するのではなく、最初に低域通過フィルタ(LPF:Low Pass Filter)処理を行い、その後、微分処理を行った結果を、図3(C)及び(D)に示す。
図3(C)に、LPF処理を行った受信信号の波形グラフを示す。縦軸は信号強度である。因みに、LPF処理は、受信信号を低域通過フィルタ部110(図5)に通すことによって行われる。図3(C)に示すように、LPF処理を行った受信信号では、雑音成分の除去(高周波成分の減衰)及びサンプル間隔の増大(サンプリングが荒くなること)が実現している。
次に、図3(D)に、LPF処理を行った受信信号を更に微分処理した際の波形グラフを示す。縦軸は信号強度の微分である。同図によれば、微分波形中に、Register_REQの立ち上がりピーク及び立ち下がりピークが明確に現れている。
ここで、Register_REQ長は、上述したように一定値に設定されている。従って、
(a)1つのRegister_REQの立ち上がりに相当する立ち上がりピークと、
(b)この立ち上がりピークの位置からRegister_REQ長分の時間経過後の位置にあり、当該Register_REQの立ち下がりに相当する立ち下がりピークと
の組を検出した際、当該組をカウントする。このカウントされた組の数n’が、受信したRegister_REQの数となる。図3(D)の信号例では、衝突(重畳)した2つのRegister_REQが分離・識別されて、2つのピークの組が抽出され、その結果、合計3つのピークの組、即ち3つのRegister_REQがカウントされる。尚、立ち上がりピーク及び立ち下がりピークの組の判定(カウント)条件として、両ピークにおける信号強度の差の絶対値が所定閾値以内であることを更に付加することも可能である。
このように微分処理を行った受信信号から、受信したRegister_REQの数n’が決定される。この数n’を、登録要求を行ったONU2の数(登録要求ユニット数)nとし、この推定された登録要求ユニット数nと、登録要求に成功した要求成功ユニットの数nregとから、登録要求が未成功である加入者ユニットの数である残ユニット数nrest、即ち、
Figure 2013192093
を算出する。
ここで、この残ユニット数nrestを用いて、次サイクルでのディスカバリスロット・サイズWcorを決定することができる。例えば、上述した式(1)を用いて、
Figure 2013192093
として次サイクルでのディスカバリスロット・サイズWcorが算出される。ここで、MはRegister_REQ長であり、EはOLTとONUとの距離に応じたRTTである。尚、残ユニット数nrestがゼロの場合は、次サイクルでのディスカバリスロット・サイズWcorは、式(3)を用いずに初期値とする。
以上説明したように、本発明によれば、Register_REQを含む受信信号を微分し、衝突によって重畳したRegister_REQを分離・識別して、登録要求ユニット数nを推定する。次いで、この推定された数nから次サイクルでのディスカバリスロット・サイズWcorを決定する。即ち、Register_REQの衝突の程度に応じて、次サイクルにおけるより好適なディスカバリスロット・サイズWcorを決定することができる。その結果、上り通信のスループットの維持又は向上とリンクアップ時間の短縮化との両立が可能となる。
次に、登録要求ユニット数nの推定精度をより向上させる推定方法を説明する。この推定方法は、LPF処理及び微分処理を行った受信信号において、LPF処理におけるサンプル間隔(1周期)内で、複数のRegister_REQの開始タイミングが衝突する可能性を考慮するものである。この場合、LPF処理を行った受信信号には、これら複数のRegister_REQの立ち上がりが重畳して現れてしまい、微分処理を行っても立ち上がりピークは分離されない。
図4は、登録要求ユニット数nの推定精度をより向上させるための推定方法を説明するための概略図である。
最初に、図4(A)を用い、1つの例として、サンプル間隔をディスカバリスロット・サイズWの選択間隔と同じ16ns(1TQ)とした場合における、2つのRegister_REQの開始タイミングがこのサンプル間隔内で衝突する確率を説明する。
図4(A)には、ディスカバリスロット・サイズをW(単位:TQ)とし、Register_REQ長をM(単位:TQ)とした際に、W−Mの中で、1つのサンプル間隔(1TQ)内に、2台のONU2からのRegister_REQの開始タイミングが入る(衝突する)様子が示されている。ここで、1台のONU2からのRegister_REQの開始タイミングがこのサンプル間隔内に入る確率は、1/(W−M)である。従って、2台のONU2からのRegister_REQの開始タイミングがこのサンプル間隔内に入る確率は、
Figure 2013192093
となる。ここで、mは、Register_REQを送信するONU2の台数である。
次いで、図4(B)を用い、式(4)の場合を一般化して、サンプル間隔をT(単位:ns)とした場合における、このサンプル間隔内で2つのRegister_REQの開始タイミングが衝突する確率を説明する。サンプル間隔Tは、そのオーダの一例として64ns(=4TQ)に設定されることも可能である。
図4(B)には、(ディスカバリスロット・サイズW−Register_REQ長M)(単位:TQ)の中で、1つのサンプル間隔(Tns)内に、2台のONU2からのRegister_REQの開始タイミングが入る(衝突する)様子が示されている。ここで、
Figure 2013192093
とすると、1台のONU2からのRegister_REQの開始タイミングがこのサンプル間隔内に入る確率は、1/Aである。従って、2台のONU2からのRegister_REQの開始タイミングがこのサンプル間隔内に入る確率は、式(4)を一般化して、
Figure 2013192093
となる。
ここで、式(6)で表される確率の事象は、(ディスカバリスロット・サイズW−Register_REQ長M)(1サイクル)内で、A回繰り返される、と近似する。実際には、最初のサンプル間隔内で衝突した2台のONU2のRegister_REQは、以後のサンプル間隔内にはもう出現せず、以後のサンプル間隔での確率は正確には従属事象扱いとなる。しかしながら、計算の簡略化のため、及び近似の誤差が補正値としては十分に小さいことから、上記の近似を採用する。
これにより、2台のONU2からのRegister_REQの開始タイミングが、(ディスカバリスロット・サイズW−Register_REQ長M)(1サイクル)内のいずれかのサンプル間隔内で衝突する、という現象に関わるONU2の台数は、
Figure 2013192093
となる。
さらに、3〜m台のONU2からのRegister_REQの開始タイミングが、いずれかのサンプル間隔(Tns)内で衝突する、という現象に関わるONU2の台数を考慮する。即ち、サンプル間隔内で衝突したRegister_REQの数の期待値(確率×台数(確率変数)の総和)を考慮する。具体的には、登録要求ユニット数(登録要求を行ったONU2の数)nは、n’をカウントしたRegister_REQの数として、
Figure 2013192093
となる。
ここで、mは、OLT1にとって未知の値である。一方、n’はOLT1にとって既知の値である。実際には、mは概ねn’に等しい場合(m≒n’)がほとんどであるから、式(8)のmをn’に置き換えることにより、登録要求ユニット数nを求める式として、

Figure 2013192093
を得る。
尚、3台以上のONU2のRegister_REQの開始タイミングがT(ns)内で衝突する確率は、2台の衝突の確率に比べて非常に小さい。そこで、登録要求ユニット数nを求める式として、計算結果にほとんど影響を与えない式(9)の第3項以降を省略して、次式
Figure 2013192093
を用い、計算負荷を抑制することも好ましい。
このように、式(9)又は式(10)を用いて、カウントしたRegister_REQの数n’から、より推定精度の高い登録要求ユニット数nを算出する。その結果、この推定された数nから次サイクルでの更により好適なディスカバリスロット・サイズWcorを決定することができる。その結果、上り通信のスループットを維持・向上させつつ、より早期のリンクアップが可能となる。
図5は、本発明によるOLT1の実施形態を示す機能構成図である。ここで、図5(A)及び図5(B)は、互いに異なる実施形態を示す。
図5(A)の実施形態によれば、OLT1は、上位ネットワークと、ONU2に接続されるユーザネットワークとの間で通信を制御する。OLT1は、WDM光カプラ100と、上位ネットワーク・インタフェース101と、O/E変換部102と、スプリッタ103と、制御フレーム分離部104と、上りフレーム転送部105と、下りフレーム転送部106と、E/O変換部107と、スイッチ108と、プロセッサ・メモリとを備えている。ここで、プロセッサ・メモリは、プログラムを実行することによってその機能を実現させる。
また、プロセッサ・メモリは、機能構成部として、低域通過フィルタ部110と、受信信号微分部111と、登録要求ユニット推定部112と、要求成功ユニット検知部113と、スロットサイズ決定部114と、制御フレーム生成部115とを有する。
同じく図5(A)によれば、WDM光カプラ100は、複数のONU2から光カプラ4及び幹線光ファイバ3を介して転送された上り光信号を、O/E変換部102に出力する。また、E/O変換部107から入力した下り光信号を、複数のONU2に向けて転送する。
上位ネットワーク・インタフェース101は、上りフレーム転送部105から出力された信号を、上位ネットワークに転送し、上位ネットワークから転送された信号を下りフレーム転送部106に出力する。
O/E変換部102は、WDM光カプラ100から入力した上り光信号を、上り電気受信信号(上り受信信号)に変換する。また、スプリッタ103は、O/E変換部102で変換された上り受信信号を、制御フレーム分離部104及び低域通過フィルタ部110のそれぞれに出力する。尚、スプリッタ103と低域通過フィルタ部110との間にスイッチ108が設置されることも好ましい。スイッチ108は、Register_REQの受信タイミング(ディスカバリウインドウの時間)で、上り受信信号を低域通過フィルタ部110に転送するべく、ONとなる。
制御フレーム分離部104は、スプリッタ103から入力した上り受信信号を、上位ネットワークに向かう上りデータフレームと、Register_REQ等の制御フレームとに分離・分別する。次いで、制御フレーム分離部104は、上りデータフレームを上りフレーム転送部105に出力し、制御フレームのうちRegister_REQを要求成功ユニット検知部113に出力する。上りフレーム転送部105は、入力した上りデータフレームを、上位ネットワーク用のフレーム構造に変換して上位ネットワーク・インタフェース101に出力する。
低域通過フィルタ部110は、O/E変換された上り受信信号に対し、LPF処理(雑音成分を除去し、サンプル間隔を荒くする処理)を行い、同処理後の上り受信信号を、受信信号微分部111に出力する。
受信信号微分部111は、LPF処理された上り受信信号に対し、微分処理(ある時刻の受信信号強度と、当該時刻から単位時間経過後の受信信号強度との差を算出する処理)を行い、同処理後の上り受信信号を、登録要求ユニット推定部112に出力する。
登録要求ユニット推定部112は、微分処理された上り受信信号から、立ち上がり/立ち下がりピークの組を抽出し、上り受信信号中の(衝突したものも含めた)Register_REQの数n’をカウントして、登録要求ユニット数nを推定する。この際、
(a)n=n’、
(b)上述した式(9)、又は
(c)上述した式(10)
を用いて、カウントしたRegister_REQの数n’から登録要求ユニット数nを算出する。
要求成功ユニット検知部113は、ディスカバリプロセスとして、制御フレーム分離部104から受け取ったRegister_REQの解析を行い、当該サイクルで応答(登録要求)に成功したONU2を検知する。また、登録要求に成功したONU2の数である要求成功ユニット数nregを決定する。
スロットサイズ決定部114は、登録要求ユニット推定部112から登録要求ユニット数nを入力し、さらに、要求成功ユニット検知部113から要求成功ユニット数nregを入力する。次いで、これら取得した登録要求ユニット数nと要求成功ユニット数nregとの差から、残ユニット数nrest=n−nreg(式(2))を算出・推定する。
次いで、スロットサイズ決定部114は、算出・推定した残ユニット数nrestから、次サイクルでのディスカバリスロット・サイズWcorを算出する。この算出には、例えば、上述した式(3)を用いることが可能である。その後、スロットサイズ決定部114は、算出したディスカバリスロット・サイズWcorを制御フレーム生成部115に出力する。
制御フレーム生成部115は、ディスカバリスロット・サイズのパラメータを、算出されたディスカバリスロット・サイズWcorとしたDiscovery_GATEを生成し、下りフレーム転送部106に出力する。
下りフレーム転送部106は、上位ネットワーク・インタフェース101から転送された上位ネットワークからの下り信号と、制御フレーム生成部115によって生成された下り制御フレーム(Discovery_GATE)とを時間軸上で多重する。次いで多重化されたフレームをPONシステム用のフレーム構造にして、E/O変換部107に出力する。また、E/O変換部107は、下りの電気信号を下りの光信号にE/O(Electrical/Optical)変換し、この下り光信号をWDM光カプラ100に出力する。
次いで、図5(B)の実施形態を説明する。図5(B)の実施形態では、図5(A)の実施形態と比較して機能構成が部分的に異なるのみであり、以下、その相違点を中心に説明する。
図5(B)に示したOLT1’では、図5(A)のスプリッタ103、スイッチ108及び低域通過フィルタ部110の代わりに、光スプリッタ120、光スイッチ121及び狭帯域O/E変換部130が採用されている。
光スプリッタ120は、WDM光カプラ100から出力された上り光信号を、O/E変換部102と、狭帯域O/E変換部130(光スイッチ121)とのそれぞれに出力する。また、狭帯域O/E変換部130は、この上り光信号をO/E変換した後、LPF処理、即ち変換された上り電気信号の雑音成分を除去しサンプル間隔を荒くする処理、を行う。
尚、光スプリッタ120と光ローパスフィルタ部131との間に光スイッチ121が設置されることも好ましい。光スイッチ121は、Register_REQの受信タイミング(ディスカバリウインドウの時間)で、上り光信号を光ローパスフィルタ部131に転送するべく、ONとなる。
図6は、本発明による次サイクルでのディスカバリスロット・サイズ決定方法の一実施形態を示すフローチャートである。
(S60)最初に、OLT1は、開始時刻及びディスカバリスロット・サイズWをパラメータ値に含むDiscovery_GATEを、ONU2に向けてブロードキャストする。
(S61)次いで、OLT1は、ディスカバリウインドウ内で、ONU2からのRegister_REQを待ち受け、受信する。
(S62)登録要求に成功した(Register_REQが他の信号と重畳していない)ONU2、即ち要求成功ユニットを検知する。
(S63)ONU2からの上り受信信号に対し、LPF処理を行う。
(S64)LPF処理された上り受信信号に対し、微分処理を行う。
(S65)微分された上り受信信号から、Register_REQに相当する立ち上がり/立ち下がりピークの組を抽出し、この組の数n’をカウントする。
(S66)LPF処理のサンプル間隔内でのRegister_REQの衝突を考慮した補正分を算出し、組の数n’にこの補正分を加算して得たnを、登録要求ユニット数と推定する。ここで、算出する補正分は、上述した式(9)の右辺第2項以降、又は式(10)の右辺第2項とすることができる。
(S67)推定された登録要求ユニット数nから残ユニット数nrestを算出し、この残ユニット数nrestから次サイクルのディスカバリスロット・サイズWcorを決定する。
(S68)ディスカバリスロット・サイズのパラメータ値をWcorとしたDiscovery_GATEを生成する。
以上で、ディスカバリプロセスにおける、次サイクルでのディスカバリスロット・サイズ決定方法の1サイクルが終了する。尚、次サイクルが開始した際、
(S69)OLT1は、開始時刻及びディスカバリスロット・サイズWcorをパラメータ値に含むDiscovery_GATEを、ONU2に向けてブロードキャストする。
以上詳細に説明したように、本発明の局側光終端装置、並びにディスカバリスロット・サイズ決定プログラム及び方法によれば、Register_REQの衝突の程度に応じて、次サイクルにおけるより好適なディスカバリスロット・サイズWcorを決定することができる。その結果、上り通信のスループットの維持・向上とリンクアップ時間の短縮化との両立が可能となる。
特に、10GE-PON等の次世代のPONシステムで想定される、OLT1台当たりに数百台以上又は千台以上のONUが接続される状況においても、本発明によれば、上り通信のスループットを維持・向上させつつ、Register_REQの衝突を抑制して、より早いリンクアップを実現することができる。
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
1、1’ OLT(局側光終端装置)
100 WDM光カプラ
101 上位ネットワーク・インタフェース
102 O/E変換部
103 スプリッタ
104 制御フレーム分離部
105 上りフレーム転送部
106 下りフレーム転送部
107 E/O変換部
108 スイッチ
110 低域通過フィルタ部
111 受信信号微分部
112 登録要求ユニット推定部
113 要求成功ユニット検知部
114 スロットサイズ決定部
115 制御フレーム生成部
120 光スプリッタ
121 光スイッチ
130 狭帯域O/E変換部
2 ONU(加入者ユニット)
3 幹線光ファイバ
30−1、30−2、30−m 分岐光ファイバ
4 光カプラ

Claims (8)

  1. 複数の加入者ユニット(Optical Network Unit)と共にPON(Passive Optical Network)を構成し、ディスカバリスロット(discovery slot)のサイズを含む登録問合せ信号を当該加入者ユニットに向けて同報通信して、当該加入者ユニットから登録要求信号を受信する局側光終端装置(Optical Line Terminal)であって、
    所定時間帯に受信した登録要求信号から、登録要求に成功した加入者ユニットである要求成功ユニットを検知する要求成功ユニット検知手段と、
    前記所定時間帯における登録要求信号を含む受信信号を微分する受信信号微分手段と、
    微分された受信信号から、衝突によって重畳した登録要求信号を識別し、登録要求を行った加入者ユニットの数である登録要求ユニット数を推定する登録要求ユニット推定手段と、
    推定された登録要求ユニット数と、検知された要求成功ユニットの数との差から、登録要求が未成功である加入者ユニットの数である残ユニット数を算出し、該残ユニット数を用いて次サイクルでのディスカバリスロットのサイズを決定するスロットサイズ決定手段と
    を有することを特徴とする局側光終端装置。
  2. 前記所定時間帯における登録要求信号を含む当該受信信号の高周波成分を遮断し、高周波成分を遮断された該受信信号を前記受信信号微分手段に出力する低域通過フィルタ手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の局側光終端装置。
  3. 前記登録要求ユニット推定手段は、微分された受信信号の中に、
    当該登録要求信号の立ち上がりに相当する立ち上がりピークと、
    前記立ち上がりピークの位置から該登録要求信号の長さ分の時間経過後の位置にあり、該登録要求信号の立ち下がりに相当する立ち下がりピークと
    の組を検出した際、検出された当該組の数から、当該登録要求ユニット数を推定することを特徴とする請求項1又は2に記載の局側光終端装置。
  4. 前記所定時間帯における登録要求信号を含む受信信号の高周波成分を遮断し、高周波成分を遮断された該受信信号を前記受信信号微分手段に出力する低域通過フィルタ手段を更に有しており、
    前記登録要求ユニット推定手段は、
    本サイクルでのディスカバリスロットのサイズ内において、複数の登録要求信号の開始タイミングが、前記低域通過フィルタ手段のサンプル間隔内で衝突する確率を算出し、
    前記確率を用いて当該サンプル間隔内で衝突した登録要求信号の数の期待値を求めて、登録要求を行った加入者ユニットの数の補正分を算出し、
    前記検出された当該組の数に前記補正分を加算したものを、当該登録要求ユニット数と推定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の局側光終端装置。
  5. 前記登録要求ユニット推定手段は、ディスカバリスロットのサイズをW(単位はTQ)とし、サンプル間隔をT(単位はナノ秒)とし、当該登録要求信号の長さをM(単位はTQ)とし、A=(W−M)×16/Tとし、前記検出された当該組の数をn’とした上で、登録要求ユニット数nを、
    Figure 2013192093
    として推定することを特徴とする請求項4に記載の局側光終端装置。
  6. 光信号である登録要求信号を含む受信信号をO/E(Optical/Electrical)変換した上で、該受信信号から雑音成分を除去することによって前記低域通過フィルタ手段として機能する狭帯域O/E変換手段を更に有することを特徴とする請求項2、4又は5に記載の局側光終端装置。
  7. 複数の加入者ユニットと共にPONを構成し、ディスカバリスロットのサイズを含む登録問合せ信号を当該加入者ユニットに向けて同報通信して、当該加入者ユニットから登録要求信号を受信する局側光終端装置に搭載された、次サイクルでのディスカバリスロットのサイズを決定するためのプログラムであって、
    所定時間帯に受信した登録要求信号から、登録要求に成功した加入者ユニットである要求成功ユニットを検知する要求成功ユニット検知手段と、
    前記所定時間帯における登録要求信号を含む受信信号を微分する受信信号微分手段と、
    微分された受信信号から、衝突によって重畳した登録要求信号を識別し、登録要求を行った加入者ユニットの数である登録要求ユニット数を推定する登録要求ユニット推定手段と、
    推定された登録要求ユニット数と、検知された要求成功ユニットの数との差から、登録要求が未成功である加入者ユニットの数である残ユニット数を算出し、該残ユニット数を用いて次サイクルでのディスカバリスロットのサイズを決定するスロットサイズ決定手段と
    してコンピュータを機能させることを特徴とするディスカバリスロット・サイズ決定プログラム。
  8. 複数の加入者ユニットと共にPONを構成し、ディスカバリスロットのサイズを含む登録問合せ信号を当該加入者ユニットに向けて同報通信して、当該加入者ユニットから登録要求信号を受信する局側光終端装置における、次サイクルでのディスカバリスロットのサイズを決定する方法であって、
    所定時間帯に受信した登録要求信号から、登録要求に成功した加入者ユニットである要求成功ユニットを検知する第1のステップと、
    前記所定時間帯における登録要求信号を含む受信信号を微分する第2のステップと、
    微分された受信信号から、衝突によって重畳した登録要求信号を識別し、登録要求を行った加入者ユニットの数である登録要求ユニット数を推定する第3のステップと、
    推定された登録要求ユニット数と、検知された要求成功ユニットの数との差から、登録要求が未成功である加入者ユニットの数である残ユニット数を算出し、該残ユニット数を用いて次サイクルでのディスカバリスロットのサイズを決定する第4のステップと
    を有することを特徴とするディスカバリスロット・サイズ決定方法。
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