JP2013190073A - 車両用自動変速機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
第1〜第3遊星歯車組2〜4のそれぞれの3つの回転要素を、共通速度線図上で遊星歯車組の歯数比に対応する間隔で並べ、この並び順に第1〜第9要素とする。入力軸1を第3要素21に、出力軸12を第5要素34および第7要素42に、第2要素24を第4要素32に、それぞれ常時連結する。入力軸1を第1クラッチ9により第8要素44に、また第2クラッチ10により第9要素41に、第2要素24を第3クラッチ6により第9要素41に、第6要素31を第4クラッチ7により第8要素44に、また第5クラッチ8により第9要素41に、それぞれ連結可能にする。第1要素22を静止部13に常時固定し、第8要素44をブレーキ5により静止部13に固定可能にする。
【選択図】図1
Description
すなわち、特許文献1に記載のものは、4組の遊星歯車組と、2個のブレーキおよび3個のクラッチとを備え、前進8速、後退1速を得るようにしている。
また、前進1速の変速比(ギヤ比)が4.700であるのに対し、後退のギヤ比が3.28と、これらギヤ比間での差が大きくなる結果、同じアクセル・ペダルの踏込量に対する駆動力差が大きくなるので、ドライバーが運転操作に違和感を持つといった問題がある。
入力軸と、
出力軸と、
サン・ギヤ、リング・ギヤおよびピニオン・キャリヤの3つの回転要素を備える第1遊星歯車組〜第3遊星歯車組と、
ブレーキ、および第1クラッチ〜第5クラッチの6個の摩擦締結要素と、
を備え、
第1遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で第1遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第1要素、第2要素、第3要素とし、
第2遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で第2遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第4要素、第5要素、第6要素とし、
第3遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で第3遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第7要素、第8要素、第9要素とし、
入力軸を、第3要素に常時連結するとともに、第1クラッチの締結により第8要素に、また第2クラッチの締結により第9要素にそれぞれ連結可能にし、
出力軸を、第5要素および第7要素に常時連結し、
第1要素を、静止部に常時固定し、
第2要素を、第4要素に常時連結するとともに、第3クラッチの締結により第9要素に連結可能にし、
第6要素を、第4クラッチの締結により第8要素に、また第5クラッチの締結により第9要素にそれぞれ締結可能にし、
第8要素を、ブレーキの締結により静止部に固定可能にした、
ことを特徴とする。
この実施例1の車両用自動変速機は、入力軸1と、3組の遊星歯車組2〜4と、6つの摩擦締結要素(ブレーキやクラッチからなる)5〜10と、出力軸12と、を備えており、たとえばエンジン横置きのフロント・エンジン・フロント・ホイール駆動車(いわゆるFF車)に適用される。
一方、出力軸12は、入力軸1に平行に配置され、図示しない終減速機、差動歯車組等を介して左右の駆動輪に連結されている。
入力軸1は、第1遊星歯車組2のサン・ギヤ21に常時連結されるとともに、インターメディエット・アンド・ハイ・クラッチ9の締結により第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44に、またフォース・アンド・セブンス・クラッチ10の締結により第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41に、それぞれ連結可能である。
出力軸12は、入力軸1平行に配置され、第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34および第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42に常時連結される。
第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24は、第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32に常時連結されている。
第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32は本発明の第4要素に、そのピニオン・キャリヤ34は本発明の第5要素に、またそのサン・ギヤ31は本発明の第6要素に、それぞれ相当する。
第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42は本発明の第7要素に、そのピニオン・キャリヤ44は本発明の第8要素に、またそのサン・ギヤ41は本発明の第9要素に、それぞれ相当する。
すなわち、ロー・アンド・リバース・ブレーキ5には、油圧作動式の多板ブレーキを、またサード・エイス・アンド・リバース・クラッチ6〜フォース・アンド・セブンス・クラッチ10の5個のクラッチには、油圧作動式の多板クラッチを用いる。
なお、これらの摩擦締結要素は、図示しないコントローラにより電子制御される図示しないコントロール・バルブからの圧油の供給、抜きにより、それらの締結、解放が制御される。これらのコントローラやコントロール・バルブの構成および作用はよく知られているので、ここではそれらの説明は省略する。
図2中、横方向に各変速段を、また縦方向に摩擦締結要素、ギヤ比、レシオ・カバーレッジ(全変速比幅であり、前進1速のギヤ比を最高変速段のギヤ比で割った値)R/C、前進1速のギヤ比に対する後退のギヤ比の割合(Rev/1st)が、それぞれ記載してある。なお、同図中、○印は、この○印に相当する摩擦締結要素が締結状態にあることを、また空白はその摩擦締結要素が解放状態にあることを意味する。
ここで、共通速度線図とは、縦軸に各回転要素の回転速度を取り、横軸にこれら回転要素を遊星歯車組2〜5の歯数比α1〜α3の大きさに応じて割り振った線図である。
すなわち、横軸上に、シングル・ピニオン・タイプの遊星歯車組の場合には、リング・ギヤ、ピニオン・キャリヤ、サン・ギヤ3つの回転要素の回転速度軸を、この順に(左右いずれの方向でもよい)、リング・ギヤおよびピニオン・キャリヤ間の大きさをこの遊星歯車組の歯数比αとした場合、ピニオン・キャリヤおよびサン・ギヤ間の大きさが1となる割合でそれぞれ離して配置したものである。
共通速度線図にあっては、リング・ギヤ、ピニオン、サン・ギヤのそれぞれの噛み合い関係は歯と歯とが1対1で噛み合うリニアな関係となるので、各回転要素の回転速度を結ぶと直線関係となる。
共通速度線図にあっては、それらのリング・ギヤにはRを、またピニオン・キャリヤにはCを、またサン・ギヤにはSを付け、これらの記号に第1遊星歯車組2〜第4遊星歯車組5に応じてそれぞれ1〜4の添え字を付けてある。また、共通速度線図間で同じ回転速度となる回転要素同士間については、点線で結んである。
すなわち、第1遊星歯車組2のサン・ギヤ21と第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41とが共通の回転速度軸を、第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31と第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44とが共通の回転速度軸を、第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34と第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42とが共通の回転速度軸を、第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24と第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32とが共通の回転速度軸を、それぞれ有するように配置される。
また、第1遊星歯車組2の各回転要素の回転速度間を結ぶ直線は太線で、第2遊星歯車組3の各回転要素の回転速度間を結ぶ直線は一点鎖線で、第3遊星歯車組3の各回転要素の回転速度間を結ぶ直線は細線で、それぞれ示してある。
第1速を得るには、ロー・アンド・リバース・ブレーキ5およびロー・アンド・シックスス・クラッチ8を締結する。
このとき、図3に示すように、第1遊星歯車組2では、サン・ギヤ21が入力軸1に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転し、リング・ギヤ22が自動変速機ケース13に常時固定されて回転速度0であるので、そのピニオン・キャリヤ24は、入力軸1の回転速度のα1/(1+α1)倍の減速回転速度で回転する。
第2遊星歯車組3では、リング・ギヤ32が第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24に常時連結されてこれと同じ減速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ34が第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転し、サン・ギヤ31がロー・アンド・シックスス・クラッチ8の締結で第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41に連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、リング・ギヤ42は上述のように第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に連結されてこれと同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44がロー・アンド・リバース・ブレーキ5の締結により自動変速機ケース13に固定されて回転速度0となり、サン・ギヤ41が上述のように第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31に連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
したがって、第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31と第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41とは、エンジンの駆動方向とは逆方向の減速回転速度で回転する。
一方、第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34、第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42、およびこれらに常時接続された出力軸12は、減速速度である第1速(ギヤ比6.908)で回転駆動される。
そうすると、図4に示すように、第1遊星歯車組2では、第1速の場合と同様に、サン・ギヤ21が入力軸1と同じ回転速度で回転し、リング・ギヤ22が回転速度0となり、ピニオン・キャリヤ24が減速回転速度で回転する。
第2遊星歯車組3では、リング・ギヤ32が第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24に常時連結されてこれと同じ減速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ34が第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転し、サン・ギヤ31が、インターメディエット・クラッチ7の締結により第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44に連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、リング・ギヤ42は上述のように第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に連結されてこれと同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44がロー・アンド・リバース・ブレーキ6の締結により自動変速機ケース13に固定されて回転速度0となる。
したがって、第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31と第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44は、回転速度がゼロとなり、第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41はエンジンの駆動方向とは逆方向の減速回転速度で回転する。
また、第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34、第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42、およびこれらに常時接続された出力軸12は、第1速より早い減速速度である第2速(ギヤ比4.061)で回転駆動される。
そうすると、図5に示すように、第1遊星歯車組2では、第1速、第2速の場合と同様に、サン・ギヤ21が入力軸1と同じ回転速度で回転し、リング・ギヤ22が回転速度0となり、ピニオン・キャリヤ24が減速回転速度で回転する。
第2遊星歯車組3では、リング・ギヤ32が第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24に常時連結されてこれと同じ減速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ34が第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転し、サン・ギヤ31が、インターメディエット・クラッチ7の締結により第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44に連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、リング・ギヤ42は上述のように第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に連結されてこれと同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44がインターメディエット・クラッチ7の締結により第2遊星歯車組3のサン・ギヤ22に連結されてこれと同じ回転速度で回転し、サン・ギヤ41がサード・エイス・アンド・リバース・クラッチ6の締結により第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24に連結されてこれと同じ減速回転速度で回転する。
したがって、第2遊星歯車組3および第3遊星歯車組4のすべての回転要素は一体となって、第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24と同じ上記減速回転速度で回転する。
この結果、第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34、第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42、およびこれらに常時接続された出力軸12は、第2速より早い減速回転速度である第3速(ギヤ比2.681)で回転駆動される。
そうすると、図6に示すように、第1遊星歯車組2では、第1速〜第3速の場合と同様に、サン・ギヤ21が入力軸1と同じ回転速度で回転し、リング・ギヤ22が回転速度0となり、ピニオン・キャリヤ24が減速回転速度で回転する。
第2遊星歯車組3では、リング・ギヤ32が第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24に常時連結されてこれと同じ減速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ34が第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転し、サン・ギヤ31が、インターメディエット・クラッチ7の締結により第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44に連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、リング・ギヤ42は上述のように第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に連結されてこれと同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44がインターメディエット・クラッチ7の締結により第2遊星歯車組3のサン・ギヤ22に連結されてこれと同じ回転速度で回転し、サン・ギヤ41がフォース・アンド・セブンス・クラッチ10の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
したがって、第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41は、第1遊星歯車組2のサン・ギヤ21と同じ回転速度、すなわち入力軸1と同じ回転速度で回転する。第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44および第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31は、同じ減速回転速度で回転する。
また、第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34、第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42、およびこれらに常時接続された出力軸12は、ピニオン・キャリヤ44およびサン・ギヤ31の上記減速回転速度より遅い回転速度だが、第3速より早い減速速度となる第4速(ギヤ比2.158)で回転駆動される。
なお、第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32は、第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ34と同じ減速回転速度、すなわちピニオン・キャリヤ34およびリング・ギヤ42の上記減速回転速度より遅い減速回転速度で回転する。
そうすると、図7に示すように、第1遊星歯車組2では、第1速〜第4速の場合と同様に、サン・ギヤ21が入力軸1と同じ回転速度で回転し、リング・ギヤ22が回転速度0となり、ピニオン・キャリヤ24が減速回転速度で回転する。
第2遊星歯車組3では、リング・ギヤ32が第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24に常時連結されてこれと同じ減速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ34が第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転し、サン・ギヤ31が、インターメディエット・クラッチ7の締結により第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44に連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、リング・ギヤ42は上述のように第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に連結されてこれと同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44がインターメディエット・アンド・ハイ・クラッチ9の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
したがって、第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41は、増速回転速度で回転し、第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31および第3遊星歯車組4のピニオン・キャリヤ44は、入力軸1と同じ回転速度で回転する。第2遊星歯車組3のリング・ギヤ32は、第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24と同じ減速速度で回転する。
また、第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34、第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42、およびこれらに常時接続された出力軸12は、リング・ギヤ32およびピニオン・キャリヤ24より早い回転速度で、第4速より早い減速速度である第5速(ギヤ比1.706)で回転駆動される。
そうすると、図8に示すように、第1遊星歯車組2では、第1速〜第5速の場合と同様に、サン・ギヤ21が入力軸1と同じ回転速度で回転し、リング・ギヤ22が回転速度0となり、ピニオン・キャリヤ24が減速回転速度で回転する。
第2遊星歯車組3では、リング・ギヤ32が第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24に常時連結されてこれと同じ減速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ34が第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転し、サン・ギヤ31が、ロー・アンド・シックスス・クラッチ8の締結により第3遊星歯車組4のサン・ギヤ31に連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、リング・ギヤ42は上述のように第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に連結されてこれと同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44がインターメディエット・アンド・ハイ・クラッチ9の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
したがって、第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31および第3遊星歯車組4のサン・ギヤ41は、同じ増速回転速度で回転する。また、第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34および第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42は、同じ減速回転速度で回転する。
この結果、ピニオン・キャリヤ34およびリング・ギヤ42に常時連結された出力軸12は、第5速より早い減速回転速度である第6速(ギヤ比1.322)で回転駆動される。
そうすると、図9に示すように、第1遊星歯車組2では、第1速〜第6速の場合と同様に、サン・ギヤ21が入力軸1と同じ回転速度で回転し、リング・ギヤ22が回転速度0となり、ピニオン・キャリヤ24が減速回転速度で回転する。
第2遊星歯車組3では、リング・ギヤ32が第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24に常時連結されてこれと同じ減速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ34が第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、リング・ギヤ42は上述のように第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に連結されてこれと同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44がインターメディエット・アンド・ハイ・クラッチ9の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転し、サン・ギヤ41がフォース・アンド・セブンス・クラッチ10の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
したがって、第3遊星歯車組4は、このすべての回転要素が一体となって入力軸1と同じ回転速度で回転する。
また、第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31は、増速回転速度で回転する。
また、第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34、第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42、およびこれらに常時接続された出力軸12は、直結となる第7速(ギヤ比1.000)で回転駆動される。
そうすると、図10に示すように、第1遊星歯車組2では、第1速〜第7速の場合と同様に、サン・ギヤ21が入力軸1と同じ回転速度で回転し、リング・ギヤ22が回転速度0となり、ピニオン・キャリヤ24が減速回転速度で回転する。
第2遊星歯車組3では、リング・ギヤ32が第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24に常時連結されてこれと同じ減速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ34が第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、リング・ギヤ42は上述のように第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に連結されてこれと同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44がインターメディエット・アンド・ハイ・クラッチ9の締結により入力軸1に連結されてこれと同じ回転速度で回転し、サン・ギヤ41がサード・エイス・アンド・リバース・クラッチ6の締結により第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24に連結されてこれと同じ減速回転速度で回転する。
したがって、第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31は、増速回転速度で回転する。
また、第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34、第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42、およびこれらに常時接続された出力軸12は、増速回転速度である第8速(ギヤ比0.767)で回転駆動される。
そうすると、図11に示すように、第1遊星歯車組2では、第1速〜第8速の場合と同様に、サン・ギヤ21が入力軸1と同じ回転速度で回転し、リング・ギヤ22が回転速度0となり、ピニオン・キャリヤ24が減速回転速度で回転する。
第2遊星歯車組3では、リング・ギヤ32が第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24に常時連結されてこれと同じ減速回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ34が第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42に常時連結されてこれと同じ回転速度で回転する。
第3遊星歯車組4では、リング・ギヤ42は上述のように第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34に連結されてこれと同じ回転速度で回転し、ピニオン・キャリヤ44がロー・アンド・リバース・ブレーキ5の締結により自動変速機ケース13に固定されて回転速度0であり、サン・ギヤ41がサード・エイス・アンド・リバース・クラッチ6の締結により第1遊星歯車組2のピニオン・キャリヤ24に連結されてこれと同じ減速回転速度で回転する。
したがって、第2遊星歯車組3のサン・ギヤ31は、エンジンの駆動方向とは逆方向の減速回転速度で回転する。
また、第2遊星歯車組3のピニオン・キャリヤ34、第3遊星歯車組4のリング・ギヤ42、およびこれらに常時接続された出力軸12は、エンジンの駆動方向とは逆方向にサン・ギヤ31より遅い減速回転速度である後退速(ギヤ比-5.527、ここで-はエンジンの駆動方向とは逆方向を表す)で回転駆動される。
また、リバース比/1速比は、実施例1の自動変速機では、0.800となり、従来の自動変速機での同比(引用文献1では0.70)より大きくなって、より1.00に近づく値となる
実施例1の自動変速機3組の遊星歯車組2〜4と、1個のブレーキ5および5個のクラッチ6〜10からなる摩擦締結要素とを、図1のような連結関係とし、かつ図2の作動表に基づいて、摩擦締結要素を制御するようにしたので、各段に最適なギヤ比、および段間比を得ることが可能となる。
すなわち、前進8速を得ることができるので、車両の走行条件に適したギヤ比を選択するのが容易となる。
この場合、第1速を6.908などの大きなギヤ比に設定できるので、発進時など低速時における駆動力を確保でき、また、第8速を0.767などの小さなギヤ比に設定できるので、高速走行時はエンジンの回転速度を小さくして騒音の抑制や消費燃費の低減が可能となる。
2 第1遊星歯車装置
21 サン・ギヤ
22 リング・ギヤ
23 ピニオン
24 ピニオン・キャリヤ
3 第2遊星歯車装置
31 サン・ギヤ
32 リング・ギヤ
33 ピニオン
34 ピニオン・キャリヤ
4 第3遊星歯車装置
41 サン・ギヤ
42 リング・ギヤ
43 ピニオン
44 ピニオン・キャリヤ
5 ロー・アンド・リバース・ブレーキ(ブレーキ)
6 サード・エイス・アンド・リバース・クラッチ(第3クラッチ)
7 インターメディエット・クラッチ(第4クラッチ)
8 ロー・アンド・シックスス・クラッチ(第5クラッチ)
9 インターメディエット・アンド・ハイ・クラッチ(第1クラッチ)
10 フォース・アンド・セブンス・クラッチ (第2クラッチ)
12 出力軸
13 自動変速機ケース(静止部)
Claims (4)
- 入力軸と、
出力軸と、
サン・ギヤ、リング・ギヤおよびピニオン・キャリヤの3つの回転要素を備える第1遊星歯車組〜第3遊星歯車組と、
ブレーキおよび第1クラッチ〜第5クラッチの6個の摩擦締結要素と、
を備え、
前記第1遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で前記第1遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第1要素、第2要素、第3要素とし、
前記第2遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で前記第2遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第4要素、第5要素、第6要素とし、
前記第3遊星歯車組の3つの回転要素を、共通速度線図上で前記第3遊星歯車組の歯数比に対応する間隔に応じて並べ、この並び順に第7要素、第8要素、第9要素とし、
前記入力軸を、前記第3要素に常時連結するとともに、第1クラッチの締結により前記第8要素に、また第2クラッチの締結により前記第9要素にそれぞれ連結可能にし、
前記出力軸を、前記第5要素および前記第7要素に常時連結し、
前記第1要素を、静止部に常時固定し、
前記第2要素を、前記第4要素に常時連結するとともに、第3クラッチの締結により前記第9要素に連結可能にし、
前記第6要素を、第4クラッチの締結により前記第8要素に、また第5クラッチの締結により前記第9要素に締結可能にし、
前記第8要素を、ブレーキの締結により前記静止部に固定可能にした、
ことを特徴とする車両用自動変速機。 - 請求項1に記載の車両用自動変速機において、
前記第1ブレーキは、第1速、第2速、および後退で締結し、
前記第1クラッチは第5速〜第8速で締結し、
前記第2クラッチは、第4速および第7速で締結し、
前記第3クラッチは、第3速、第8速、および後退で締結し、
前記第4クラッチは、第2速〜第5速で締結し、
前記第5クラッチは、第1速および第6速で締結する、
ことを特徴とする車両用自動変速機。 - 請求項1又は請求項2に記載の車両用自動変速機において、
前記第1遊星歯車組〜第4遊星歯車組は、それぞれの3つの回転要素がサン・ギヤ、リング・ギヤ、前記サン・ギヤおよび前記リング・ギヤの両方に噛み合う複数のピニオンを回転自在に支持するピニオン・キャリヤを有する・シングル・ピニオン・タイプである、
ことを特徴とする車両用自動変速機。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用自動変速機において、
前記第1要素、前記第4要素、および前記第7要素は、それぞれリング・ギヤであり、
前記第2要素、前記第5要素、および前記第8要素は、それぞれピニオン・キャリヤであり、
前記第3要素、前記第6要素、および前記第9要素は、それぞれサン・ギヤである、
ことを特徴とする車両用自動変速機。
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