JP2013187572A - 画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】撮影対象の実際の輝度分布状態を適切に反映させて、解像度や感度の良好は画像を生成することができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】複数種の色のカラー受光画素と、それよりも高い受光感度又は低い受光感度を有する所定色又は透明の副受光画素とから構成される複数の受光画素を配列してなる撮像素子を有するカメラ2により撮像された原画像41において、処理対象領域における特定色のカラー受光画素に対応する画素の階調値の分布状態と、副受光画素に対応する画素の階調値の分布状態との適否を判断し、適切な分布状態を有する階調値を用いて輝度分布画像を生成する輝度分布画像生成手段32を備える。さらに、輝度分布画像の輝度分布を反映させてカラー画像を生成するカラー画像生成手段33を備える。
【選択図】図1
【解決手段】複数種の色のカラー受光画素と、それよりも高い受光感度又は低い受光感度を有する所定色又は透明の副受光画素とから構成される複数の受光画素を配列してなる撮像素子を有するカメラ2により撮像された原画像41において、処理対象領域における特定色のカラー受光画素に対応する画素の階調値の分布状態と、副受光画素に対応する画素の階調値の分布状態との適否を判断し、適切な分布状態を有する階調値を用いて輝度分布画像を生成する輝度分布画像生成手段32を備える。さらに、輝度分布画像の輝度分布を反映させてカラー画像を生成するカラー画像生成手段33を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、カラー受光画素を含む複数の受光画素を配置して構成される撮像素子を有するカメラの撮像データを処理する画像処理装置に関する。
RGB等の複数色のカラー受光画素(カラーフィルタを介して受光する画素)を含む複数の受光画素を2次元状に配置して構成される撮像素子を有するカメラが従来より一般に知られている。また、撮像素子を構成する受光画素に、カラー受光画素だけでなく透明な受光画素(カラーフィルタを介さずに受光する画素)を含めるようにして、カラー画像の感度を改善する手法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1に見られる如きカメラでは、各受光画素の位置にカラーの色階調値(R,G,B等の各色の階調値)を割り当てることで、カラー画像が生成される。この場合、各受光画素の位置に対する各色の色階調値の割り当ては、所謂デモザイキング処理(補間処理)によって行なわれる。
一方、特許文献1に見られるカメラの如く、撮像素子を構成する受光画素が、カラー受光画素と透明な受光画素とを含むカメラにあっては、カラー受光画素は、R,G,B等の特定色のカラーフィルタを介して受光する画素として構成される一方、透明な受光画素は、カラーフィルタを介さずに受光する画素として構成される。このため、透明な受光画素は、通常、カラー受光画素よりも受光感度が高く、比較的低い強度の入射光に対して、カラー受光画素よりも感応し易い一方、比較的高い強度の入射光に対して、カラー受光画素よりも出力レベルの飽和が生じやすいという特性を有する。
このように受光感度の高い受光画素と、受光感度の低い受光画素とを有するカメラでは、カメラの撮像対象や撮像環境が明るい場合には、受光感度の高い受光画素の出力信号の強度(受光画素がその受光レベルに応じて出力する出力信号の強度(大きさ))が、飽和状態もしくはそれに近い状態になり易い(所謂、白とびが生じやすい)。また、逆に、カメラの撮像対象や撮像環境が暗い場合には、受光感度の高い受光画素が入射光に感応しても、受光感度の低い受光画素が入射光にほとんど感応せずにその出力信号の強度が、最小値もしくはそれに近い微小な大きさに保持されやすい(所謂、黒つぶれが生じやすい)
そして、このように、ある受光画素の白とびや黒つぶれが生じる状況では、その白とびや黒つぶれが生じた受光画素の出力信号の信頼性が乏しいために、該白とびや黒つぶれが生じていない状況と同じようにデモザイキング処理を行うと、解像度や感度の高いカラー画像等の画像を撮影対象の実際の輝度状態を適切に反映させて生成することができない場合が生じやすいという不都合がある。
そして、このように、ある受光画素の白とびや黒つぶれが生じる状況では、その白とびや黒つぶれが生じた受光画素の出力信号の信頼性が乏しいために、該白とびや黒つぶれが生じていない状況と同じようにデモザイキング処理を行うと、解像度や感度の高いカラー画像等の画像を撮影対象の実際の輝度状態を適切に反映させて生成することができない場合が生じやすいという不都合がある。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、撮影対象の実際の輝度分布状態を適切に反映させて、解像度や感度の良好な画像を生成することができる画像処理装置を提供することを目的とする。
本発明の画像処理装置は、かかる目的を達成するために、所定の複数種の色のカラー受光画素と、前記カラー受光画素よりも高い受光感度又は低い受光感度を有する所定色又は透明の受光画素である副受光画素とから構成される複数の受光画素を配列してなる撮像素子を有するカメラにおける画像処理装置であって、
前記カメラにより撮像された原画像であって、前記撮像素子の各受光画素がその受光レベルに応じて出力する出力信号の強度を示す階調値がそれぞれ割り当てられた複数の画素により構成される原画像を取得する原画像取得手段と、
前記原画像を構成する画素のうち、前記カラー受光画素のうちの特定色のカラー受光画素にそれぞれ対応する画素の階調値である第1階調値と、前記副受光画素にそれぞれ対応する画素の階調値である第2階調値とに基づいて、前記原画像の少なくとも一部の領域である処理対象領域における前記第1階調値の分布状態と、該処理対象領域における第2階調値の分布状態とのうちのいずれの分布状態が、前記処理対象領域に写る撮影対象の輝度分布に対する適合度合いがより高いかを判断する階調値分布判断手段と、
前記第1階調値と第2階調値とのうち、前記階調値分布判断手段により前記適合度合いがより高いと判断された方の階調値を選択し、その選択した階調値を用いて、前記処理対象領域における各画素の輝度値を決定することより、該処理対象領域における輝度分布画像を生成する輝度分布画像生成手段とを備えることを特徴とする(第1発明)。
前記カメラにより撮像された原画像であって、前記撮像素子の各受光画素がその受光レベルに応じて出力する出力信号の強度を示す階調値がそれぞれ割り当てられた複数の画素により構成される原画像を取得する原画像取得手段と、
前記原画像を構成する画素のうち、前記カラー受光画素のうちの特定色のカラー受光画素にそれぞれ対応する画素の階調値である第1階調値と、前記副受光画素にそれぞれ対応する画素の階調値である第2階調値とに基づいて、前記原画像の少なくとも一部の領域である処理対象領域における前記第1階調値の分布状態と、該処理対象領域における第2階調値の分布状態とのうちのいずれの分布状態が、前記処理対象領域に写る撮影対象の輝度分布に対する適合度合いがより高いかを判断する階調値分布判断手段と、
前記第1階調値と第2階調値とのうち、前記階調値分布判断手段により前記適合度合いがより高いと判断された方の階調値を選択し、その選択した階調値を用いて、前記処理対象領域における各画素の輝度値を決定することより、該処理対象領域における輝度分布画像を生成する輝度分布画像生成手段とを備えることを特徴とする(第1発明)。
かかる第1発明によれば、前記原画像を構成する画素のうち、前記特定色のカラー受光画素にそれぞれ対応する画素の第1階調値と、前記副受光画素にそれぞれ対応する画素の第2階調値とに基づいて、前記原画像の処理対象領域における前記第1階調値の分布状態と、該処理対象領域における第2階調値の分布状態とのうちのいずれの分布状態が、前記処理対象領域に写る撮影対象の輝度分布に対する適合度合いがより高いかが判断される。
そして、前記輝度分布画像生成手段は、前記第1階調値と第2階調値とのうち、前記階調値分布判断手段により前記適合度合いがより高いと判断された方の階調値を選択し、その選択した階調値を用いて、前記処理対象領域における各画素の輝度値を決定することより、該処理対象領域における輝度分布画像を生成する。
このため、前記処理対象領域に写る撮影対象の実際の輝度分布が極力反映されるように輝度分布画像を生成することができる。
よって、第1発明によれば、撮影対象の実際の輝度状態を適切に反映させて、解像度や感度の良好な画像を生成することができる。
かかる第1発明では、前記特定色は、前記処理対象領域における前記カラー受光画素のうち、最も個数の多いカラー受光画素に対応する色であることが好ましい(第2発明)。
この第2発明によれば、前記第1階調値を用いて前記輝度分布画像を生成した場合に、撮影対象の実際の輝度分布を適切に反映させた画像としての該輝度分布画像の信頼性を高めることができる。
上記第1発明又は第2発明では、前記輝度分布画像は、例えば次のように生成することが好ましい。すなわち、前記輝度分布画像生成手段は、前記第1階調値を用いて前記輝度分布画像を生成する場合には、前記輝度分布画像のうち、前記特定色のカラー受光画素に対応する画素の輝度値を、前記原画像のうち、当該特定色のカラー受光画素に対応する画素の第1階調値に応じて決定する処理と、前記特定色のカラー受光画素以外の受光画素に対応する画素の輝度値を、前記原画像のうち、少なくとも当該受光画素に対応する画素の周囲に存在すると共に前記特定色のカラー受光画素に対応する画素の第1階調値に応じて補完することにより決定する処理とを実行することによって前記輝度分布画像を生成し、
前記第2階調値を用いて前記輝度分布画像を生成する場合には、前記輝度分布画像のうち、前記副受光画素に対応する画素の輝度値を、前記原画像のうち、当該副受光画素に対応する画素の第2階調値に応じて決定する処理と、前記副受光画素以外の受光画素に対応する画素の輝度値を、前記原画像のうち、少なくとも当該受光画素に対応する画素の周囲に存在すると共に前記副受光画素に対応する画素の第2階調値に応じて補完することにより決定する処理とを実行することによって前記輝度分布画像を生成する(第3発明)。
前記第2階調値を用いて前記輝度分布画像を生成する場合には、前記輝度分布画像のうち、前記副受光画素に対応する画素の輝度値を、前記原画像のうち、当該副受光画素に対応する画素の第2階調値に応じて決定する処理と、前記副受光画素以外の受光画素に対応する画素の輝度値を、前記原画像のうち、少なくとも当該受光画素に対応する画素の周囲に存在すると共に前記副受光画素に対応する画素の第2階調値に応じて補完することにより決定する処理とを実行することによって前記輝度分布画像を生成する(第3発明)。
この第3発明によれば、前記処理対象領域に写る撮影対象の実際の輝度分布に整合した、信頼性の高い輝度分布画像を生成することができる。
また、上記第1〜第3発明では、前記処理対象領域における各画素の3原色の色階調値を、前記原画像のうちの、前記カラー受光画素に対応する画素の階調値と、前記輝度分布画像の輝度値とに応じて決定することにより、前記処理対象領域におけるカラー画像を生成するカラー画像生成手段をさらに備えることが好ましい(第4発明)。
この第4発明によれば、カラー画像の各画素の色階調値を、輝度分布画像の輝度分布を反映させて決定できる。このため、解像度や感度の良好なカラー画像をさらに生成できる。
この第4発明では、カラー画像は、より具体的には、例えば次のように生成することができる。
すなわち、前記カラー画像生成手段は、前記輝度分布画像生成手段により前記第1階調値を用いて前記輝度分布画像が生成された場合には、前記カラー画像の各画素の前記特定色の色階調値を、前記輝度分布画像の各画素の輝度値に一致させるように決定する処理と、前記カラー画像の各画素の前記特定色以外の色の色階調値を、前記原画像のうちの当該特定色以外の色のカラー受光画素に対応する画素の階調値と、前記輝度分布画像の画素の輝度値とに基づいて決定する処理とを実行することによって前記カラー画像を生成する手段であり、
前記カラー画像の各画素の前記特定色以外の色の色階調値を決定する処理では、該カラー画像のうちの当該色階調値を決定しようとする任意の1つ画素をP画素、該色をQ色としたとき、該P画素がQ色のカラー受光画素に対応する画素である場合には、該カラー受光画素に対応する前記原画像の画素の階調値が、該P画素のQ色の色階調値として決定され、該P画素が、Q色のカラー受光画素に対応する画素以外の画素である場合には、前記原画像のうち、該P画素に対応する画素の周囲に存在すると共に、Q色のカラー受光画素に対応する画素の階調値に応じて決定した該Q色の基本色階調値を、前記輝度分布画像のうち、該P画素に対応する画素とその周囲に存在する画素とのそれぞれの輝度値に応じて決定した補正値により補正することによって、該P画素のQ色の色階調値が決定される(第5発明)。
前記カラー画像の各画素の前記特定色以外の色の色階調値を決定する処理では、該カラー画像のうちの当該色階調値を決定しようとする任意の1つ画素をP画素、該色をQ色としたとき、該P画素がQ色のカラー受光画素に対応する画素である場合には、該カラー受光画素に対応する前記原画像の画素の階調値が、該P画素のQ色の色階調値として決定され、該P画素が、Q色のカラー受光画素に対応する画素以外の画素である場合には、前記原画像のうち、該P画素に対応する画素の周囲に存在すると共に、Q色のカラー受光画素に対応する画素の階調値に応じて決定した該Q色の基本色階調値を、前記輝度分布画像のうち、該P画素に対応する画素とその周囲に存在する画素とのそれぞれの輝度値に応じて決定した補正値により補正することによって、該P画素のQ色の色階調値が決定される(第5発明)。
前記輝度分布画像生成手段により前記第1階調値を用いて前記輝度分布画像が生成された場合には、該輝度分布画像の各画素の輝度値は、その画素における前記特定色の色階調値に相当するものとなる。従って、前記カラー画像の各画素の前記特定色の色階調値を、前記輝度分布画像の各画素の輝度値に一致させるように決定することで、カラー画像の各画素の前記特定色の色階調値を決定できる。
また、前記カラー画像の各画素の前記特定色以外の色の色階調値を決定する処理に関しては、Q色の色階調値を決定しようとする前記P画素がQ色の色階調値のカラー受光画素に対応する画素である場合には、該カラー受光画素に対応する前記原画像の画素の階調値が、該P画素のQ色の色階調値として決定される。
一方、該P画素が、Q色のカラー受光画素に対応する画素以外の画素である場合には、前記原画像のうち、該P画素に対応する画素の周囲に存在すると共に、Q色のカラー受光画素に対応する画素の階調値に応じて決定した該Q色の基本色階調値を、前記輝度分布画像のうち、該P画素に対応する画素とその周囲に存在する画素とのそれぞれの輝度値に応じて決定した補正値により補正することによって、該P画素のQ色の色階調値が決定される。
従って、該P画素が、Q色のカラー受光画素に対応する画素以外の画素である場合に、該P画素におけるQ色の色階調値に、輝度分布画像の輝度分布を反映させることができる。
よって、第5発明によれば、第1階調値を用いて生成した輝度分布画像の輝度分布を適切に反映させて、解像度や感度の良好なカラー画像を生成することができる。
また、上記第4発明又は第5発明では、前記輝度分布画像生成手段により前記第2階調値を用いて前記輝度分布画像が生成された場合には、例えば次のようにカラー画像を生成することができる。
すなわち、前記カラー画像生成手段は、前記輝度分布画像生成手段により前記第2階調値を用いて前記輝度分布画像が生成された場合には、前記カラー画像の各画素の各色の色階調値を、前記原画像のうちの当該色のカラー受光画素に対応する画素の階調値と、前記輝度分布画像の画素の輝度値とに基づいて決定する処理を実行することによって前記カラー画像を生成する手段であり、
前記カラー画像の各画素の各色の色階調値を決定する処理では、該カラー画像のうちの当該色階調値を決定しようとする任意の1つ画素をP画素、該色をQ色としたとき、該P画素がQ色のカラー受光画素に対応する画素である場合には、該カラー受光画素に対応する前記原画像の画素の階調値が、該P画素のQ色の色階調値として決定され、該P画素が、Q色のカラー受光画素に対応する画素以外の画素である場合には、前記原画像のうち、該P画素に対応する画素の周囲に存在すると共に、Q色のカラー受光画素に対応する画素の階調値に応じて決定した該Q色の基本色階調値を、前記輝度分布画像のうち、該P画素に対応する画素とその周囲に存在する画素とのそれぞれの輝度値に応じて決定した補正値により補正することによって、該P画素のQ色の色階調値が決定される(第6発明)。
前記カラー画像の各画素の各色の色階調値を決定する処理では、該カラー画像のうちの当該色階調値を決定しようとする任意の1つ画素をP画素、該色をQ色としたとき、該P画素がQ色のカラー受光画素に対応する画素である場合には、該カラー受光画素に対応する前記原画像の画素の階調値が、該P画素のQ色の色階調値として決定され、該P画素が、Q色のカラー受光画素に対応する画素以外の画素である場合には、前記原画像のうち、該P画素に対応する画素の周囲に存在すると共に、Q色のカラー受光画素に対応する画素の階調値に応じて決定した該Q色の基本色階調値を、前記輝度分布画像のうち、該P画素に対応する画素とその周囲に存在する画素とのそれぞれの輝度値に応じて決定した補正値により補正することによって、該P画素のQ色の色階調値が決定される(第6発明)。
この第6発明によれば、カラー画像の各画像の各色の色階調値を決定する処理では、P画素のQ色(特定色又それ以外の色)の色階調値を決定する場合、該P画素がQ色のカラー受光画素に対応する画素である場合には、該カラー受光画素に対応する前記原画像の画素の階調値が、該P画素のQ色の色階調値として決定される。
一方、該P画素が、Q色のカラー受光画素に対応する画素以外の画素である場合には、前記原画像のうち、該P画素に対応する画素の周囲に存在すると共に、Q色のカラー受光画素に対応する画素の階調値に応じて決定した該Q色の基本色階調値を、前記輝度分布画像のうち、該P画素に対応する画素とその周囲に存在する画素とのそれぞれの輝度値に応じて決定した補正値により補正することによって、該P画素のQ色の色階調値が決定される。
従って、該P画素が、Q色のカラー受光画素に対応する画素以外の画素である場合に、該P画素におけるQ色の色階調値に、輝度分布画像の輝度分布を反映させることができる。
よって、第6発明によれば、第2階調値を用いて生成した輝度分布画像の輝度分布を適切に反映させて、解像度や感度の良好なカラー画像を生成することができる。
上記第1〜第6発明では、前記カメラは、車両の周辺を撮像するように該車両に搭載されたカメラであり、前記輝度分布画像生成手段は、前記原画像の互いに異なる箇所に複数の前記処理対象領域を設定し、各処理対象領域毎に前記輝度分布画像を生成することが好ましい(第7発明)。
すなわち、車両の周辺の撮像画像には、路面や空、高輝度の発光物等、種々様々な大きさの輝度もしくは輝度分布を有する物体が同時に写る場合が多い。この場合、第7発明によれば、複数の処理対象領域を前記原画像に設定することで、各処理対象領域に、輝度値やその分布状態が、大幅に異なる撮影対象が写るのを防止することができる。このため、各処理対象領域毎に、適切な輝度分布画像を生成することができる。
また、上記第1〜第7発明では、前記階調値分布判断手段は、例えば次のような手法によって、前記適合度合いを判断することができる。
すなわち、前記階調値分布判断手段は、例えば、少なくとも、前記原画像の前記処理対象領域内の画素のうち、前記特定色のカラー受光画素に対応する画素の第1階調値が第1所定範囲内となる画素の個数と、前記原画像の前記処理対象領域内の画素のうち、前記副受光画素に対応する画素の第2階調値が第2所定範囲内となる画素の個数とに基づいて、前記適合度合いを判断する(第8発明)。
あるいは、前記階調値分布判断手段は、例えば、少なくとも、前記原画像の前記処理対象領域内の画素のうち、前記特定色のカラー受光画素に対応する画素の第1階調値の該処理対象領域での平均値が第1所定範囲内にある否かの判断結果と、前記原画像の前記処理対象領域内の画素のうち、前記副受光画素に対応する画素の第2階調値の該処理対象領域での平均値が第2所定範囲内にあるか否かの判断結果とに基づいて、前記適合度合いを判断する(第9発明)。
ここで、前記特定色のカラー受光画素に対応する画素の第1階調値(該特定色のカラー受光画素の出力信号の強度を示す階調値)が、その可変範囲の最大値や最小値に近づき過ぎない値である場合には、その値は、一般に、撮影対象の実際の輝度に対する依存性が高いものとなっている。
従って、前記原画像の前記処理対象領域内の画素のうち、前記特定色のカラー受光画素に対応する画素の第1階調値が、その可変範囲内の中間的な第1所定範囲内となる画素の個数が多い場合、あるいは、前記特定色のカラー受光画素に対応する画素の第1階調値の該処理対象領域での平均値が、上記第1所定範囲内にある場合には、処理対象領域における前記第1階調値の分布状態は、撮影対象の実際の輝度分布に対する適合度合いが比較的高いものとなっていると考えられる。
上記と同様に、前記副受光画素に対応する画素の第2階調値(該副受光画素の出力信号の強度を示す階調値)が、その可変範囲の最大値や最小値に近づき過ぎない値である場合には、その値は、一般に、撮影対象の実際の輝度に対する依存性が高いものとなっている。
従って、前記原画像の前記処理対象領域内の画素のうち、前記副受光画素に対応する画素の第2階調値が、その可変範囲内の中間的な第2所定範囲内となる画素の個数が多い場合、あるいは、前記原画像の前記処理対象領域内の画素のうち、前記副受光画素に対応する画素の第2階調値の該処理対象領域での平均値が、上記第2所定範囲内にある場合には、処理対象領域における前記第2階調値の分布状態は、撮影対象の実際の輝度分布に対する適合度合いが比較的高いものとなっていると考えられる。
従って、上記第8発明又は第9発明によれば、前記適合度合いの判断を適切に行うことができる。
[第1実施形態]
本発明の画像処理装置の第1実施形態を、図1〜図9を参照して説明する。図1を参照して、本実施形態の画像処理装置は、車両1に搭載されたカメラ2と、カメラ2と接続された画像コントローラ3とにより構成されている。
本発明の画像処理装置の第1実施形態を、図1〜図9を参照して説明する。図1を参照して、本実施形態の画像処理装置は、車両1に搭載されたカメラ2と、カメラ2と接続された画像コントローラ3とにより構成されている。
カメラ2は、フィルタ21が組み込まれた撮像素子22(CCD、CMOS等)により、車両1の周囲を撮像し、撮像データを画像コントローラ3の制御回路30に出力する。撮像素子22は、m×n個の複数の受光画素をm行n列の配列パターンで2次元状に配列して構成されている。
図2(a)を参照して、カメラ2のフィルタ21は、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色のカラーフィルタ、すなわち、R、G、Bの波長域の光(可視光)をそれぞれ透過可能な3種類のカラーフィルタにより構成される。これらの3原色のカラーフィルターのうちのいずれかの色のカラーフィルタが、撮像素子22のm×n個の受光画素のうちの、所定割合の個数の受光画素の受光経路側に装着されている。これにより、カラーフィルタが装着された各受光画素は、それぞれに対応する色のカラーフィルタを介して受光する。
また、m×n個の受光画素のうちの、残りの受光画素には、カラーフィルタが省略された(装着されていない)ものとなっている。このため、この受光画素のそれぞれは、カラーフィルタを介さずに受光する。なお、カラーフィルタを介さずに受光する受光画素に、透明なフィルタが装着されていてもよい。
図2(a)に示す配列パターンの撮像素子22では、カラーフィルタのうちの1つの色、例えばG(緑)のカラーフィルタ(以降、Gフィルタという)が装着された受光画素であるG受光画素が、市松状の配列パターンで配置されている。そして、カラーフィルタが省略された受光画素であるW受光画素が、縦方向及び横方向に1つおきに並ぶように配置されている。また、R(赤)のカラーフィルタ(以降、Rフィルタという)が装着された受光画素であるR受光画素と、B(青)のカラーフィルタ(以降、Bフィルタという)が装着された受光画素であるB受光画素とが、縦方向及び横方向に1つおきに交互に並ぶように配置されている。従って、図2(a)に示す配列パターンの撮像素子22では、R受光画素、G受光画素、B受光画素、W受光画素の個数比率は1:4:1:2である。
カメラ2は、R受光画素(図中R11,R15,…で示している)、G受光画素(図中G12,G14,…で示している)、B受光画素(図中B13,B31,…で示している)、及びW受光画素(図中W22,W24,…で示している)の出力信号を撮像データとして画像コントローラ3に出力する。各受光画素の出力信号は、該受光画素での所定時間あたりの受光レベルに応じた強度(大きさ)を有する信号である。
なお、各受光画素の受光レベルは、カメラ2の撮像素子22に入射した光のうち、その受光画素で受光した光の強度に相当する。
ここで、各受光画素の出力特性について図3を参照して説明しておく。各受光画素の出力信号の強度(大きさ)は、撮影対象の輝度(又はカメラ2の撮像素子22に対する入射光の強度)に対して図3のグラフaw,ar,ag,abで示すような特性を有する。すなわち、各受光画素の出力信号の強度は、所定の最小値Sminと最大値Smaxとの間で、撮影対象の輝度の増加に伴い増加する。
例えばW受光画素については、撮影対象の輝度が所定値Iaw以下の微小輝度(暗い輝度)である場合には、W受光画素の出力信号の強度は、最小値Smin(もしくはそれに近い値)に維持される。そして、撮影対象の輝度が所定値Iawを超えると、W受光画素が感応して、撮影対象の輝度の増加に伴い、W受光画素の出力信号の強度が増加していく。また、撮影対象の輝度がさらに増加して所定値Ibwを超えると、W受光画素の出力信号の強度が飽和して、該出力信号の強度が、最大値Smax(もしくはそれに近い値)に維持される。
このような傾向は、R受光画素、G受光画素、B受光画素についても同様である。ただし、R受光画素、G受光画素、B受光画素のそれぞれの受光画素では、カメラ2の入射光は、該受光画素に装着されたカラーフィルタを透過した後(すなわち、該カラーフィルタでの減衰を生じた後)に受光される。
このため、R受光画素、G受光画素、B受光画素は、W受光画素に較べて、受光感度が低いものとなる。従って、R受光画素、G受光画素、B受光画素のそれぞれが感応する(出力信号の強度の変化が生じる)撮像対象の輝度範囲は、W受光画素よりも高輝度側の範囲となる。
このため、図3のグラフar,ag,abで示すように、R受光画素、G受光画素、B受光画素の出力信号の強度の立ち上がり(増加の開始)が生じる撮影対象の輝度と、該出力信号の強度の飽和が発生し始める撮影対象の輝度とは、それぞれ、W受光画素よりも高い輝度値となる。
なお、R受光画素、G受光画素、B受光画素のそれぞれが感応する(出力信号の強度の変化が生じる)撮像対象の輝度範囲は、概ね同程度の範囲である。
以降、各受光画素の出力信号の強度が、最小値Sminもしくはそれに近い値になる状態(詳しくは、該出力信号の強度が、最小値Sminよりも若干大きい閾値SL以下となる状態)を該受光画素の黒つぶれ状態、各受光画素の出力信号の強度が、最大値Smaxもしくはそれに近い値になる状態(詳しくは、該出力信号の強度が、最大値Smaxよりも若干小さい閾値SH以上となる状態)を該受光画素の白とび状態という。
補足すると、上記R受光画素、G受光画素、B受光画素は、本発明のカラー受光画素に相当し、W受光画素は、本発明の副受光画素(透明な受光画素)に相当する。
なお、カラーフィルタとして、R、G、B以外の他の種類のカラーフィルタ(Cy(シアン)、Mg(マゼンタ)、Ye(イエロー)の補色系3原色のフィルタ等)を用いてもよい。その場合においても、カラーフィルタを装着した受光画素(カラー受光画素)の受光感度は、カラーフィルタが装着されていない受光画素(副受光画素)の受光感度よりも低いものとなる。
画像コントローラ3は、図示しないCPU、メモリ、入出力回路等により構成された制御回路30と、画像メモリ40と、CAN(Controller Area Network)ドライバ50とを有している。
制御回路30は、メモリに保持された画像処理用プログラムをCPUで実行することにより、原画像取得部31、外界画像生成部35、対象物検知部36として機能する。なお、原画像取得部31、外界画像生成部35、対象物検知部36の一部又は全部をハードウェアにより構成してもよい。
原画像取得部31は、カメラ2に制御信号を出力して車両1の周囲を撮像させ、カメラ2から出力される撮像データ(各受光画素の出力信号)により、原画像41を取得して画像メモリ40に保持する。
原画像41は、図2(b)に示したように、図2(a)に示した撮像素子22の各受光画素(R受光画素、G受光画素、B受光画素、W受光画素)の出力信号の強度を示す階調値を、該受光画素に対応する配置位置の画素(配置位置が同じ画素)の階調値として個別に割り当てたものになっている。図2(b)においては、各画素の階調値を、S(大文字)と、小文字r,g,b,wのいずれかと、添え字i,j(i=1,2…,m、j=1,2,…,n)との組により構成される変数により示している。
ここで、Srijは図2(a)のR受光画素に対応した配置位置の画素(以下、R画素という)の階調値を示し、Sgijは図2(a)のG受光画素に対応した配置位置の画素(以下、G画素という)の階調値を示し、Sbijは図2(a)のB受光画素に対応した配置位置の画素(以下、B画素という)の階調値を示し、Swijは図2(a)のW受光画素に対応した配置位置の画素(以下、W画素という)の階調値であることを示している。以降、R画素、G画素、B画素を総称的にカラー画素ということがある。
なお、原画像取得部31は、本発明における原画像取得手段に相当する。
外界画像生成部35は、本実施形態では、輝度分布画像生成部32、カラー画像生成部33としての機能を含む。
外界画像生成部35の輝度分布画像生成部32は、原画像41のうちの特定色のカラー画素の階調値(本発明における第1階調値に相当)と、カラー受光画素よりも高い受光感度を有するW受光画素に対応するW画素の階調値(本発明における第2階調値に相当)とのいずれか一方の階調値を用いて、撮影対象の輝度分布を示す輝度分布画像42を生成して、その輝度分布画像42を画像メモリ40に保持する。輝度分布画像42は、その各画素の階調値が、輝度値(特定色又は無彩色の輝度値)を示すモノトーン画像である。
上記特定色のカラー画素は、R画素、G画素、B画素のうち、最も画素数が多いG画素が比較的適している。このため、本実施形態では、Gを特定色とする。
なお、本実施形態では、輝度分布画像生成部32は、原画像41の全体領域を分割してなる複数の処理対象領域のそれぞれ毎に、輝度分布画像42を生成する。また、輝度分布画像生成部32は、本発明における輝度分布画像生成手段に相当すると共に、本発明における階調値分布判断手段としての機能を含んでいる。
カラー画像生成部33は、撮影対象のカラー画像43を生成して、そのカラー画像43を画像メモリ40に保持する。カラー画像43は、その各画素に、R、G、Bの3色の色階調値が割り当てられた画像である。なお、カラー画像生成部33は、本発明におけるカラー画像生成手段に相当するものである。
対象物検知部36は、輝度分布画像42や、カラー画像43を用いて、車両1が走行中の道路に敷設されたレーンマーク、他車両、信号機、歩行者等を検知し、検知結果に応じて車両コントローラ6に対して各種の制御信号を送信する。
車両コントローラ6は、図示しないCPU、メモリ、入出力回路等により構成された電子回路ユニットである。そして、車両コントローラ6は、メモリに保持された車両1の制御用プログラムをCPUで実行することによって、操舵装置71の作動を制御する操舵制御部61、制動装置72の作動を制御する制動制御部62、及びディスプレイ73の表示を制御するディスプレイ表示制御部63として機能する。
なお、画像コントローラ3と車両コントローラ6とは、CANドライバ50,64を介して相互に通信を行う。
次に、外界画像生成部35の処理を詳細に説明する。図4は、原画像取得部31及び外界画像生成部35の処理に関するフローチャートを示しており、このフローチャートに示す処理が原画像取得部31及び外界画像生成部35により実行される。
図4のSTEP1は原画像取得部31による処理である。原画像取得部31は、図2(b)を参照して先に説明した如く、カメラ2から出力される撮像データ(撮像素子22の各受光画素の出力信号)により、原画像41(各受光画素の出力信号の強度を示す階調値を、該受光画素に対応する配置位置の画素に割り当てた画像)を取得して画像メモリ40に保持する。
次に、STEP2,3の処理が外界画像生成部35の輝度分布画像生成部32により実行される。STEP2では、輝度分布画像生成部32は、原画像41の全体を、例えば図5に示すごとく如く、複数の処理対象領域(図示例では5×6個の処理対象領域)に分割する。
この場合、各処理対象領域は、そこに写る撮影対象の輝度の最大値と最小値との差があまり大きくなり過ぎないようにすることが望ましい。
本実施形態では、カメラ2は車両に搭載されているので、カメラ2の撮像画像のうちの上側の領域が主に空の映像となり、下側の領域が主に路面(大地)の映像となる。このため、上側の領域は比較的明るく、下側の領域は比較的暗いものとなりやすい。そこで、図5に示す例では、上から第2段目の処理対象領域と第3段目の処理対象領域との間の境界が、地平線近辺の位置になるように各処理対象領域のサイズが設定されている。
なお、複数の処理対象領域のそれぞれのサイズは、互いに同じでなくてもよい。また、原画像41の全体の分割の仕方は、撮影時の環境や処理対象領域の画像から検知しようとする対象物の種別等に応じて異ならせるようにしてもよい。また、原画像41の全体を単一の処理対象領域としてもよい。
STEP2に続くSTEP3では、輝度分布画像生成部32は、各処理対象領域毎に、輝度分布画像42を生成する。
この処理は、具体的には、図6のフローチャートに示す如く実行される。輝度分布画像生成部32は、まず、STEP3−1において、複数の処理対象領域のうちの1つを選択する。
次いで、輝度分布画像生成部32は、STEP3−2において、輝度分布画像42を生成するために、原画像41のG画素の階調値であるG値と、W画素の階調値であるW値とのうちのどちらの階調値を用いることが適切であるかを判断する。
この判断処理は、換言すれば、選択中の処理対象領域におけるG画素のG値の分布状態と、該処理対象領域におけるW画素のW値の分布状態とのうちのどちらの分布状態が、該処理対象領域に写っている撮影対象の輝度分布に対してより高い適合度合い(近似度合い)を有するかを判断する処理である。
すなわち、選択中の処理対象領域において、G画素のG値の分布状態が、W画素のW値の分布状態よりも当該適合度合いが高いとみなせる場合には、輝度分布画像42を生成するためにG値を用いることが適切であると判断される。また、逆の場合には、輝度分布画像42を生成するためにW値を用いることが適切であると判断される。
ここで、選択中の処理対象領域において、該処理対象領域に含まれる全ての画素(又は全てのG画素)の総数のうち、前記黒つぶれ状態の階調値を有するG画素(以降、黒つぶれG画素という)の個数の割合(総数に対する割合)が十分に小さい場合(当該割合がゼロである場合を含む)には、処理対象領域に含まれるG画素のG値の分布状態は、撮影対象の輝度分布に対する適合度合い(G値の分布と撮影対象の輝度分布との近似度合い)が高いと考えられる。
また、選択中の処理対象領域において、該処理対象領域に含まれる全ての画素(又は全てのW画素)の総数のうち、前記白とび状態の階調値を有するW画素(以降、白とびW画素という)の個数の割合(総数に対する割合)が十分に小さい場合(当該割合がゼロである場合を含む)には、処理対象領域に含まれるW画素のW値の分布状態は、撮影対象の輝度分布に対する適合度合い(W値の分布と撮影対象の輝度分布との近似度合い)が高いと考えられる。
そこで、STEP3−2では、輝度分布画像生成部32は、図7のフローチャートに示す処理を実行する。まず、STEP3−2−1において、輝度分布画像生成部32は、選択中の処理対象領域に含まれる全ての画素(又は全てのG画素)の総数に対する、黒つぶれG画素の個数の割合が大きいか否か(当該割合が所定の閾値以上であるか否か)を判断する。
この判断結果が否定的である場合には、輝度分布画像生成部32は、STEP3−2−4において、G画素のG値の分布状態が、撮影対象の輝度分布に対する適合度合いが高く、輝度分布画像42を生成する上でG値を用いることが適切であると判断する。
また、STEP3−2−1の判断結果が肯定的である場合には、輝度分布画像生成部32は、次にSTEP3−2−2において、選択中の処理対象領域に含まれる全ての画素(又は全てのW画素)の総数に対する、白とびW画素の個数の割合が大きいか否か(当該割合が所定割合以上であるか否か)を判断する。
そして、この判断結果が否定的である場合には、輝度分布画像生成部32は、STEP3−2−5において、W画素のW値の分布状態が、撮影対象の輝度分布に対する適合度合いが高く、輝度分布画像42を生成する上でW値を用いることが適切であると判断する。
また、STEP3−2−2の判断結果が肯定的である場合には、輝度分布画像生成部32は、さらに、選択中の処理対象領域において、白とびW画素の個数よりも黒つぶれG画素の個数の方が多いか否かををSTEP3−2−3で判断する。
そして、この判断結果が肯定的である場合には、輝度分布画像生成部32は、前記STEP3−2−5において、輝度分布画像42を生成する上でW値を用いることが適切であると判断する。また、STEP3−2−3の判断結果が否定的である場合には、輝度分布画像生成部32は、前記STEP3−2−4において、輝度分布画像42を生成する上でG値を用いることが適切であると判断する。
以上が、STEP3−2の判断処理の詳細である。この判断処理により、選択中の処理対象領域において、G画素のG値の分布状態が、W画素のW値の分布状態よりも当該適合度合いが高いとみなせる場合には、輝度分布画像42を生成するためにG値を用いることが適切であると判断され、逆の場合には、輝度分布画像42を生成するためにW値を用いることが適切であると判断される。
なお、STEP3−2−1の判断結果が否定的である場合にも、STEP3−2−3の判断処理を実行し、その判断結果が肯定的であるか否かに応じて、それぞれSTEP3−2−5、STEP3−2−4の処理を行なうようにしてもよい。
また、STEP3−2の判断処理は、本発明における階調値分布判断手段としての機能を実現するものである。
図6の説明に戻って、STEP3−2で、輝度分布画像42を生成するためにG値を用いることが適切であると判断した場合には、輝度分布画像生成部32は、次に、STEP3−3において、選択中の処理対象領域の各画素のG値を補間することにより該処理対象領域の輝度分布画像42を生成する(詳細は後述する)。
また、STEP3−2で、輝度分布画像42を生成するためにW値を用いることが適切であると判断した場合には、輝度分布画像生成部32は、次に、STEP3−4において、選択中の処理対象領域の各画素のW値を補間することにより該処理対象領域の輝度分布画像42を生成する(詳細は後述する)。
次いで、輝度分布画像生成部32は、STEP3−5において、全ての処理対象領域を選択したか否かを判断する。そして、この判断結果が否定的である場合には、STEP3−1で新たな処理対象領域を選択し、その選択した処理対象領域について、STEP3−2〜3−4の処理が同様に実行される。また、STEP3−5の判断結果が肯定的になれば、STEP3の処理が完了する。これにより全ての処理対象領域について、輝度分布画像42が生成される。
STEP3−3又はSTEP3−4において、輝度分布画像を生成する処理の詳細を以下に説明する。
まず、STEP3−3において、原画像41の処理対象領域のG値を用いて輝度分布画像42を生成する処理を説明する。
G値を用いて生成される輝度分布画像42(以降、これに参照符号42gを付する)は、図8(a)に示すように、各画素の階調値として、G値(G(緑)の輝度値)を割り当てた画像である。図8(a)では、各画素の階調値(G値)をG'i,j(i=1,2…,m、j=1,2,…,n)で表している。
各画素のG値G'i,jは、次のよう決定される。輝度分布画像42gの画素のうち、原画像41のG画素(階調値がSgi,jである画素)に対応する配置位置の画素(配置位置が同じ画素)については、次式(1)で示す如く、対応する原画像41のG画素の階調値Sgi,jが、そのまま輝度分布画像の当該画素のG値(G'i,j)として決定される。例えば、図2(b)に示す原画像41の(i,j)=(2,3)の配置位置の画素の階調値(Sg2,3)が、輝度分布画像の(i,j)=(2,3)の配置位置の画素のG値(G'2,3)として決定される。
G'i,j=Sgi,j ……(1)
また、輝度分布画像42gの画素のうち、原画像41のG画素以外の画素(R画素又はB画素又はW画素)に対応する配置位置の画素については、その画素の周囲の配置位置のG画素の階調値を少なくとも用いて補完的に決定される。
具体的には、輝度分布画像42gの画素のうち、原画像41のR画素又はB画素に対応する配置位置の画素については、その画素の上下及び左右に隣接する4つのG画素の階調値Sgi+1,j、Sgi-1,j、Sgi,j+1、Sgi,j-1を基に、次式(2),(3)のIg、Jgの大小関係に応じて、式(4)又は(5)又は(6)によりG値(G'i,j)が決定される。
Ig=|Sgi+1,j−Sgi-1,j| ……(2)
Jg=|Sgi,j+1−Sgi,j-1| ……(3)
Ig<Jgである場合
G'i,j=(Sgi+1,j+Sgi-1,j)/2 ……(4)
Ig>Jgである場合
G'i,j=(Sgi,j+1+Sgi,j-1)/2 ……(5)
Ig=Jgである場合
G'i,j=(Sgi,j+1+Sgi,j-1+Sgi+1,j+Sgi-1,j)/4 ……(6)
また、輝度分布画像42gの画素のうち、原画像41のW画素に対応する配置位置の画素については、その画素の上下及び左右に隣接する4つのG画素の階調値Sgi+1,j、Sgi-1,j、Sgi,j+1、Sgi,j-1と、対応するW画素の階調値Swi,jと、その上下及び左右に1画素の間隔をおいて存在する4つのW画素の階調値Swi+2,j、Swi-2,j、Swi,j+2、Swi,j-2とを基に、次式(7),(8)のIg、Jgの大小関係に応じて、式(9)又は(10)又は(11)によりG値(G'i,j)が決定される。
Ig=|Sgi+1,j−Sgi-1,j|+|2Swi,j−Swi+2,j−Swi-2,j| ……(7)
Jg=|Sgi,j+1−Sgi,j-1|+|2Swi,j−Swi,j+2−Swi,j-2| ……(8)
Ig<Jgである場合
G'i,j=(Sgi+1,j+Sgi-1,j)/2
+(2Swi,j−Swi+2,j−Swi-2,j)/4 ……(9)
Ig>Jgである場合
G'i,j=(Sgi,j+1+Sgi,j-1)/2
+(2Swi,j−Swi,j+2−Swi,j-2)/4 ……(10)
Ig=Jgである場合
G'i,j=(Sgi,j+1+Sgi,j-1+Sgi+1,j+Sgi-1,j)/4
+(4Swi,j−Swi+2,j−Swi-2,j−Swi,j+2−Swi,j-2)/8
……(11)
以上の処理により、原画像41のG画素の階調値(G値)を用いて、処理対象領域の輝度分布画像42gの各画素に、グリーンの階調値(輝度値)を示すG値が割り当てられる。これにより、G値を用いた輝度分布画像42g(グリーン階調の輝度分布画像42g)が生成される。
次に、STEP3−4において、原画像41の処理対象領域のW値を用いて輝度分布画像を生成する処理を説明する。
W値を用いて生成される輝度分布画像(以下、これに参照符号42wを付する)は、図8(b)に示すように、各画素の階調値として、W値(可視光全体の輝度値)を割り当てた画像である。図8(b)では、各画素の階調値(W値)をW'i,j(i=1,2…,m、j=1,2,…,n)で表している。
各画素のW値(W'i,j)は、次のよう決定される。輝度分布画像42wの画素のうち、原画像41のW画素(階調値がSwi,jである画素)に対応する配置位置の画素(配置位置が同じ画素)については、次式(12)で示す如く、対応する原画像41のW画素の階調値Swi,jが、そのまま輝度分布画像42wの当該画素のW値(W'i,j)として決定される。
W'i,j=Swi,j ……(12)
また、輝度分布画像42wの画素のうち、原画像41のW画素以外の画素(R画素又はG画素又はB画素)に対応する配置位置の画素については、その画素の周囲のW画素の階調値を少なくとも用いて補完的に決定される。
具体的には、輝度分布画像42wの画素のうち、原画像41のR画素に対応する配置位置の画素については、その画素の右斜め上、右斜め下、左斜め上、左斜め下に隣接する4つのW画素の階調値Swi-1,j+1、Swi+1,j+1、Swi-1,j-1、Swi+1,j-1と、対応するR画素の階調値Sri,jと、その右斜め上、右斜め下、左斜め上、左斜め下に1画素の間隔をおいて存在する4つのR画素の階調値Sri-2,j+2、Sri+2,j+2、Sri-2,j-2、Sri+2,j-2とを基に、次式(13),(14)のIw、Jwの大小関係に応じて、式(15)又は(16)又は(17)によりW値(W'i,j)が決定される。
Iw=|Swi+1,j+1−Swi-1,j-1|
+|2Sri,j−Sri+2,j+2−Sri-2,j-2| ……(13)
Jw=|Swi+1,j-1−Swi-1,j+1|
+|2Sri,j−Sri+2,j-2−Sri-2,j+2| ……(14)
Iw<Jwである場合
W'i,j=(Swi+1,j+1+Swi-1,j-1)/2
+(2Sri,j−Sri+2,j+2−Sri-2,j-2)/4 ……(15)
Iw>Jwである場合
W'i,j=(Swi+1,j-1+Swi-1,j+1)/2
+(2Sri,j−Sri+2,j-2−Sri-2,j+2)/4
……(16)
Iw=Jwである場合
W'i,j=(Swi+1,j-1+Swi-1,j+1+Swi+1,j+1+Swi-1,j-1)/4
+(4Sri,j−Sri+2,j+2−Sri-2,j-2−Sri+2,j-2−Sri-2,j+2)/8
……(17)
また、輝度分布画像42wの画素のうち、原画像41のB画素に対応する配置位置の画素については、R画素に対応する配置位置の画素と同様に、その画素に斜め方向で隣接する4つのW画素の階調値Swi-1,j+1、Swi+1,j+1、Swi-1,j-1、Swi+1,j-1と、対応するB画素の階調値Sbi,jと、その斜め方向に1画素の間隔をおいて存在する4つのB画素の階調値Sbi-2,j+2、Sbi+2,j+2、Sbi-2,j-2、Sbi+2,j-2とを基に、次式(18),(19)のIw、Jwの大小関係に応じて、式(20)又は(21)又は(22)によりW値(W'i,j)が決定される。
Iw=|Swi+1,j+1−Swi-1,j-1|
+|2Sbi,j−Sbi+2,j+2−Sbi-2,j-2| ……(18)
Jw=|Swi+1,j-1−Swi-1,j+1|
+|2Sbi,j−Sbi+2,j-2−Sbi-2,j+2| ……(19)
Iw<Jwである場合
W'i,j=(Swi+1,j+1+Swi-1,j-1)/2
+(2Sbi,j−Sbi+2,j+2−Sbi-2,j-2)/4
……(20)
Iw>Jwである場合
W'i,j=(Swi+1,j-1+Swi-1,j+1)/2
+(2Sbi,j−Sbi+2,j-2−Sbi-2,j+2)/4
……(21)
Iw=Jwである場合
W'i,j=(Swi+1,j-1+Swi-1,j+1+Swi+1,j+1+Swi-1,j-1)/4
+(4Sbi,j−Sbi+2,j+2−Sbi-2,j-2−Sbi+2,j-2−Sbi-2,j+2)/4
……(22)
また、輝度分布画像42wの画素のうち、原画像41のG画素に対応する配置位置の画素については、その画素に上下又は左右に隣接する2つのW画素の階調値(Swi-1,j、Swi+1,j)又は(Swi,j-1、Swi,j+1)と、対応するG画素の階調値Sgi,jと、その上下又は左右に1画素の間隔をおいて存在する2つのG画素の階調値(Sgi-2,j、Sgi+2,j)又は(Sgi,j-2、Sgi,j+2)とを基に、次式(23)又は(24)によりW値(W'i,j)が決定される。
上下にW画素が隣接する場合
W'i,j=(Swi+1,j+Swi-1,j)/2
+(2Sgi,j−Sgi+2,j−Sgi-2,j)/4 ……(23)
左右にW画素が隣接する場合
W'i,j=(Swi,j+1+Swi,j-1)/2
+(2Sgi,j−Sgi,j+2−Sgi,j-2)/4 ……(24)
以上の処理により、原画像41のW画素の階調値(W値)を用いて、処理対象領域の輝度分布画像42wの各画素に、無彩色の階調値(輝度値)を示すW値が割り当てられる。これにより、W値を用いた輝度分布画像42w(無彩色階調の輝度分布画像42w)が生成される。
以上が、図4のSTEP3の処理(各処理対象領域毎の輝度分布画像42g又は42wを生成する処理)の詳細である。
次に、STEP4,5の処理が外界画像生成部35のカラー画像生成部33により実行される。STEP4では、カラー画像生成部33は、各処理対象領域毎に、その処理対象領域に対応して生成されたグリーン階調又は無彩色階調の輝度分布画像42g又は42wの輝度分布と、該処理対象領域における原画像41の色階調値(R画素、G画素、B画素の階調値)とを用いて、カラー画像43を生成する。
その生成処理の詳細は後述するが、カラー画像43は、図9に示すように、その各画素に色階調値Ci,jが割り当てられた画像である。色階調値Ci,jは、R(赤)の階調値であるR値(Ci,j_r)、G(緑)の階調値であるG値(Ci,j_g)、及びB(青)の階調値であるB値(Ci,j_b)という三つの要素階調値の組である(Ci,j={Ci,j_r、Ci,j_g、Ci,j_b})。従って、カラー画像43は、その各画素のR値(Ci,j_r)、G値(Ci,j_g)、B値(Ci,j_b)を決定することで生成される。
この場合、グリーン階調の輝度分布画像42gが生成された処理対象領域に関するカラー画像43(以降、これに参照符号43gを付する)は、該輝度分布画像42gの輝度分布を反映させて生成される。また、無彩色階調の輝度分布画像42wが生成された処理対象領域に関するカラー画像(以降、これに参照符号43wを付する)は、該輝度分布画像42wの輝度分布を反映させて生成される。
STEP4の次のSTEP5においては、カラー画像生成部33は、各処理対象領域毎のカラー画像43g又は43wを合成した画像(詳しくは、各処理対象領域毎のカラー画像43g又は43wを、図5に示す処理対象領域の配列で配置してなる画像の全体)を全体カラー画像(以下、これに参照符号43allを付する)として出力する。これによりカメラ2の撮影対象の全体のカラー画像(全体カラー画像43all)が得られる。
次に、上記STEP4において、カラー画像43g又は43wを生成する処理の詳細を説明する。
まず、グリーン階調の輝度分布画像42gが生成された処理対象領域に関するカラー画像43gの生成処理を以下に説明する。
この場合、各画素の階調値(輝度値)としてG値(G'i,j)が割り当てられた輝度分布画像42gが輝度分布画像生成部32により既に生成されている。
このため、カラー画像43gの各画素のG値(Ci,j_g)は、次式(25)で示す如く、輝度分布画像42gの対応する配置位置(i,j)の画素のG値(G'i,j)がそのまま割り当てられる。
Ci,j_g=G'i,j ……(25)
これにより、カラー画像43gの各画素のG値(Ci,j_g)が、輝度分布画像42gの対応する配置位置の画素のG値(G'i,j)と一致する値に決定される。
また、カラー画像43gの各画素のR値(Ci,j_r)は、次のように決定される。すなわち、カラー画像43gの各画素のうち、原画像41のR画素に対応する配置位置の画素(配置位置が同じ画素)については、式(26)で示す如く、対応する原画像41のR画素の階調値Sri,jが、カラー画像43gの当該画素のR値(Ci,j_r)として決定される。
Ci,j_r=Sri,j ……(26)
また、カラー画像43gの各画素のうち、原画像41のR画素以外の画素(G画素又はB画素又はW画素)に対応する配置位置の画素のR値(Ci,j_r)は、当該画素の周囲のR画素の階調値(原画像41での階調値(R値))と、当該画素及びその周囲の画素のG値(輝度分布画像42gでの階調値(G値))とを用いて決定される。
具体的には、カラー画像43gの画素のうち、原画像41のB画素に対応する配置位置の画素については、その画素の上下及び左右に1画素の間隔をおいて存在する4つのR画素の階調値Sri+2,j、Sri-2,j、Sri,j+2、Sri,j-2と、対応する画素のG値(輝度値)G'i,jと、その上下及び左右に1画素の間隔をおいて存在する4つの画素のG値(輝度値)G'i+2,j、G'i-2,j、G'i,j+2、G'i,j-2とを基に、次式(27),(28)のIr、Jrの大小関係に応じて、式(29)又は(30)又は(31)によりR値(Ci,j_r)が決定される。
Ir=|Sri+2,j−Sri-2,j|+|2G'i,j−G'i+2,j−G'i-2,j| ……(27)
Jr=|Sri,j+2−Sri,j-2|+|2G'i,j−G'i,j+2−G'i,j-2| ……(28)
Ir<Jrである場合
Ci,j_r=(Sri+2,j+Sri-2,j)/2
+(2G'i,j−G'i+2,j−G'i-2,j)/2 ……(29)
Ir>Jrである場合
Ci,j_r=(Sri,j+2+Sri,j-2)/2
+(2G'i,j−G'i,j+2−G'i,j-2)/2 ……(30)
Ir=Jrである場合
Ci,j_r=(Sri,j+2+Sri,j-2+Sri+2,j+Sri-2,j)/4
+(4G'i,j−G'i+2,j−G'i-2,j−G'i,j+2−G'i,j-2)/4
……(31)
また、カラー画像43gの画素のうち、原画像41のG画素に対応する配置位置の画素については、その画素の上下左右のいずれかに隣接する1つのR画素の階調値Sri+1,j又はSri-1,j又はSri,j+1又はSri,j-1と、対応する画素のG値(輝度値)G'i,jと、その上下左右のいずれかに隣接する1つの画素のG値(輝度値)G'i+1,j、G'i-1,j、G'i,j+1、G'i,j-1とを基に、次式(32)又は(33)又は(34)又は(35)によりR値(Ci,j_r)が決定される。
下側にR画素が隣接する場合
Ci,j_r=Sri+1,j+(G'i,j−G'i+1,j) ……(32)
上側にR画素が隣接する場合
Ci,j_r=Sri-1,j+(G'i,j−G'i-1,j) ……(33)
右側にR画素が隣接する場合
Ci,j_r=Sri,j+1+(G'i,j−G'i,j+1) ……(34)
左側にR画素が隣接する場合
Ci,j_r=Sri,j-1+(G'i,j−G'i,j-1) ……(35)
また、カラー画像43gの画素のうち、原画像41のW画素に対応する配置位置の画素については、その画素の右斜め上及び左斜め下、あるいは、左斜め上及び右斜め下に隣接する2つのR画素の階調値(Sri-1,j+1,Sri+1,j-1)又は(Sri-1,j−1,Sri+1,j+1)と、対応する画素のG値(輝度値)G'i,jと、その右斜め上及び左斜め下、あるいは、左斜め上及び右斜め下に隣接する2つの画素のG値(輝度値)(G'i-1,j+1,G'i+1,j-1)又は(G'i-1,j−1,G'i+1,j+1)とを基に、次式(36)又は(37)によりR値(Ci,j_r)が決定される。
右斜め上及び左斜め下にR画素が隣接する場合
Ci,j_r=(Sri+1,j-1+Sri-1,j+1)/2
+(2G'i,j−G'i+1,j-1−G'i-1,j+1)/2 ……(36)
左斜め上及び右斜め下にR画素が隣接する場合
Ci,j_r=(Sri+1,j+1+Sri-1,j-1)/2
+(2G'i,j−G'i+1,j+1−G'i-1,j-1)/2 ……(37)
以上のようにして、カラー画像43gの各画素のうち、原画像41のR画素に対応する配置位置の画素以外の各画素のR値Ci,j_rは、当該画素の周囲のR画素のR値(原画像41におけるR値)に応じて決定される基本値(式(29)〜(37)のそれぞれの右辺の第1項)を、当該画素及びその周囲の画素のG値(輝度分布画像42gにおけるG値)に応じて決定される補正値(式(29)〜(37)のそれぞれの右辺の第2項)により補正することによって、決定される。
次に、カラー画像43gの各画素のB値(Ci,j_b)は、各画素のR値(Ci,j_r)と同様に決定される。すなわち、カラー画像43gの各画素のうち、原画像41のB画素に対応する配置位置の画素(配置位置が同じ画素)については、式(38)で示す如く、対応する原画像41のB画素の階調値Sbi,jが、カラー画像43gの当該画素のB値(Ci,j_b)として決定される。
Ci,j_b=Sbi,j ……(38)
また、カラー画像43gの各画素のうち、原画像41のB画素以外の画素(R画素又はG画素又はW画素)に対応する配置位置の画素のB値(Ci,j_b)は、当該画素の周囲のB画素の階調値(原画像41での階調値(B値))と、当該画素及びその周囲の画素のG値(輝度分布画像42gでの階調値(G値))とを用いて決定される。
具体的には、カラー画像43gの画素のうち、原画像41のR画素に対応する配置位置の画素については、その画素の上下及び左右に1画素の間隔をおいて存在する4つのB画素の階調値Sbi+2,j、Sbi-2,j、Sbi,j+2、Sbi,j-2と、対応する画素のG値(輝度値)G'i,jと、その上下及び左右に1画素の間隔をおいて存在する4つの画素のG値(輝度値)G'i+2,j、G'i-2,j、G'i,j+2、G'i,j-2とを基に、次式(39),(40)のIb、Jbの大小関係に応じて、式(41)又は(42)又は(43)によりB値(Ci,j_b)が決定される。
Ib=|Sbi+2,j−Sbi-2,j|+|2G'i,j−G'i+2,j−G'i-2,j| ……(39)
Jb=|Sbi,j+2−Sbi,j-2|+|2G'i,j−G'i,j+2−G'i,j-2| ……(40)
Ib<Jbである場合
Ci,j_b=(Sbi+2,j+Sbi-2,j)/2
+(2G'i,j−G'i+2,j−G'i-2,j)/2 ……(41)
Ib>Jbである場合
Ci,j_b=(Sbi,j+2+Sbi,j-2)/2
+(2G'i,j−G'i,j+2−G'i,j-2)/2 ……(42)
Ib=Jbである場合
Ci,j_b=(Sbi,j+2+Sbi,j-2+Sbi+2,j+Sbi-2,j)/4
+(4G'i,j−G'i+2,j−G'i-2,j−G'i,j+2−G'i,j-2)/4
……(43)
また、カラー画像43gの画素のうち、原画像41のG画素に対応する配置位置の画素については、その画素の上下左右のいずれかに隣接する1つのB画素の階調値Sbi+1,j又はSbi-1,j又はSbi,j+1又はSbi,j-1と、対応する画素のG値(輝度値)G'i,jと、その上下左右のいずれかに隣接する1つの画素のG値(輝度値)G'i+1,j、G'i-1,j、G'i,j+1、G'i,j-1とを基に、次式(44)又は(45)又は(46)又は(47)によりB値(Ci,j_b)が決定される。
下側にB画素が隣接する場合
Ci,j_b=Sbi+1,j+(G'i,j−G'i+1,j) ……(44)
上側にB画素が隣接する場合
Ci,j_b=Sbi-1,j+(G'i,j−G'i-1,j) ……(45)
右側にB画素が隣接する場合
Ci,j_b=Sbi,j+1+(G'i,j−G'i,j+1) ……(46)
左側にB画素が隣接する場合
Ci,j_b=Sbi,j-1+(G'i,j−G'i,j-1) ……(47)
また、カラー画像43gの画素のうち、原画像41のW画素に対応する配置位置の画素については、その画素の右斜め上及び左斜め下、あるいは、左斜め上及び右斜め下に隣接する2つのB画素の階調値(Sbi-1,j+1,Sbi+1,j-1)又は(Sbi-1,j−1,Sbi+1,j+1)と、対応する画素のG値(輝度値)G'i,jと、その右斜め上及び左斜め下、あるいは、左斜め上及び右斜め下に隣接する2つの画素のG値(輝度値)(G'i-1,j+1,G'i+1,j-1)又は(G'i-1,j−1,G'i+1,j+1)とを基に、次式(48)又は(49)によりB値(Ci,j_b)が決定される。
右斜め上及び左斜め下にB画素が隣接する場合
Ci,j_b=(Sbi+1,j-1+Sbi-1,j+1)/2
+(2G'i,j−G'i+1,j-1−G'i-1,j+1)/2 ……(48)
左斜め上及び右斜め下にB画素が隣接する場合
Ci,j_b=(Sbi+1,j+1+Sbi-1,j-1)/2
+(2G'i,j−G'i+1,j+1−G'i-1,j-1)/2 ……(49)
以上のようにして、カラー画像43gの各画素うち、原画像41のB画素に対応する配置位置の画素以外の各画素のB値Ci,j_bは、当該画素の周囲のB画素のB値(原画像41におけるB値)に応じて決定される基本値(式(41)〜(49)のそれぞれの右辺の第1項)を、当該画素及びその周囲の画素のG値(輝度分布画像42gにおけるG値)に応じて決定される補正値(式(41)〜(49)のそれぞれの右辺の第2項)により補正することによって、決定される。
以上により、カラー画像43gの各画素のR値、G値、B値が決定される。これにより、グリーン階調の輝度分布画像が生成された各処理対象領域に関するカラー画像43gが生成されることとなる。
次に、無彩色階調の輝度分布画像が生成された処理対象領域に関するカラー画像43wの生成処理を以下に説明する。
カラー画像43wの各画素のR値(Ci,j_r)は、次のように決定される。すなわち、カラー画像43wの各画素のうち、原画像41のR画素に対応する配置位置の画素(配置位置が同じ画素)については、式(50)で示す如く、対応する原画像41のR画素の階調値Sri,jが、カラー画像43wの当該画素のR値(Ci,j_r)として決定される。
Ci,j_r=Sri,j ……(50)
また、カラー画像43wの各画素のうち、原画像41のR画素以外の画素(G画素又はB画素又はW画素)に対応する配置位置の画素のR値(Ci,j_r)は、当該画素の周囲のR画素の階調値(原画像41での階調値(R値))と、当該画素及びその周囲の画素のW値(無彩色階調の輝度分布画像での階調値(W値))とを用いて決定される。
具体的には、カラー画像43wの画素のうち、原画像41のB画素に対応する配置位置の画素については、その画素の上下及び左右に1画素の間隔をおいて存在する4つのR画素の階調値Sri+2,j、Sri-2,j、Sri,j+2、Sri,j-2と、対応する画素のG値(輝度値)G'i,jと、その上下及び左右に1画素の間隔をおいて存在する4つの画素のW値(輝度値)W'i+2,j、W'i-2,j、W'i,j+2、W'i,j-2とを基に、次式(51),(52)のIr、Jrの大小関係に応じて、式(53)又は(54)又は(55)によりR値(Ci,j_r)が決定される。
Ir=|Sri+2,j−Sri-2,j|+|2W'i,j−W'i+2,j−W'i-2,j| ……(51)
Jr=|Sri,j+2−Sri,j-2|+|2W'i,j−W'i,j+2−W'i,j-2| ……(52)
Ir<Jrである場合
Ci,j_r=(Sri+2,j+Sri-2,j)/2
+(2W'i,j−W'i+2,j−W'i-2,j)/2 ……(53)
Ir>Jrである場合
Ci,j_r=(Sri,j+2+Sri,j-2)/2
+(2W'i,j−W'i,j+2−W'i,j-2)/2 ……(54)
Ir=Jrである場合
Ci,j_r=(Sri,j+2+Sri,j-2+Sri+2,j+Sri-2,j)/4
+(4W'i,j−W'i+2,j−W'i-2,j−W'i,j+2−W'i,j-2)/4
……(55)
また、カラー画像43wの画素のうち、原画像41のG画素に対応する配置位置の画素については、その画素の上下左右のいずれかに隣接する1つのR画素の階調値Sri+1,j又はSri-1,j又はSri,j+1又はSri,j-1と、対応する画素のW値(輝度値)W'i,jと、その上下左右のいずれかに隣接する1つの画素のW値(輝度値)W'i+1,j、W'i-1,j、W'i,j+1、W'i,j-1とを基に、次式(56)又は(57)又は(58)又は(59)によりR値(Ci,j_r)が決定される。
下側にR画素が隣接する場合
Ci,j_r=Sri+1,j+(W'i,j−W'i+1,j) ……(56)
上側にR画素が隣接する場合
Ci,j_r=Sri-1,j+(W'i,j−W'i-1,j) ……(57)
右側にR画素が隣接する場合
Ci,j_r=Sri,j+1+(W'i,j−W'i,j+1) ……(58)
左側にR画素が隣接する場合
Ci,j_r=Sri,j-1+(W'i,j−W'i,j-1) ……(59)
また、カラー画像43wの画素のうち、原画像41のW画素に対応する配置位置の画素については、その画素の右斜め上及び左斜め下、あるいは、左斜め上及び右斜め下に隣接する2つのR画素の階調値(Sri-1,j+1,Sri+1,j-1)又は(Sri-1,j−1,Sri+1,j+1)と、対応する画素のW値(輝度値)W'i,jと、その右斜め上及び左斜め下、あるいは、左斜め上及び右斜め下に隣接する2つの画素のW値(輝度値)(W'i-1,j+1,W'i+1,j-1)又は(W'i-1,j−1,W'i+1,j+1)とを基に、次式(60)又は(61)によりR値(Ci,j_r)が決定される。
右斜め上及び左斜め下にR画素が隣接する場合
Ci,j_r=(Sri+1,j-1+Sri-1,j+1)/2
+(2W'i,j−W'i+1,j-1−W'i-1,j+1)/2 ……(60)
左斜め上及び右斜め下にR画素が隣接する場合
Ci,j_r=(Sri+1,j+1+Sri-1,j-1)/2
+(2W'i,j−W'i+1,j+1−W'i-1,j-1)/2 ……(61)
以上のようにして、カラー画像43wの各画素のうち、原画像41のR画素に対応する配置位置の画素以外の各画素のR値Ci,j_rは、当該画素の周囲のR画素のR値(原画像41におけるR値)に応じて決定される基本値(式(53)〜(61)のそれぞれの右辺の第1項)を、当該画素及びその周囲の画素のW値(輝度分布画像42wにおけるW値)に応じて決定される補正値(式(53)〜(61)のそれぞれの右辺の第2項)により補正することによって、決定される。
次に、カラー画像43wの各画素のB値(Ci,j_b)は、各画素のR値(Ci,j_r)と同様に決定される。すなわち、カラー画像43wの各画素のうち、原画像41のB画素に対応する配置位置の画素(配置位置が同じ画素)については、式(62)で示す如く、対応する原画像41のB画素の階調値Sbi,jが、カラー画像43wの当該画素のB値(Ci,j_b)として決定される。
Ci,j_b=Sbi,j ……(62)
また、カラー画像43wの各画素のうち、原画像41のB画素以外の画素(R画素又はG画素又はW画素)に対応する配置位置の画素のB値(Ci,j_b)は、当該画素の周囲のB画素の階調値(原画像41での階調値(B値))と、当該画素及びその周囲の画素のW値(輝度分布画像42wでの階調値(W値))とを用いて決定される。
具体的には、カラー画像43gの画素のうち、原画像41のR画素に対応する配置位置の画素については、その画素の上下及び左右に1画素の間隔をおいて存在する4つのB画素の階調値Sbi+2,j、Sbi-2,j、Sbi,j+2、Sbi,j-2と、対応する画素のW値(輝度値)W'i,jと、その上下及び左右に1画素の間隔をおいて存在する4つの画素のW値(輝度値)W'i+2,j、W'i-2,j、W'i,j+2、W'i,j-2とを基に、次式(63),(64)のIb、Jbの大小関係に応じて、式(65)又は(66)又は(67)によりB値(Ci,j_b)が決定される。
Ib=|Sbi+2,j−Sbi-2,j|+|2W'i,j−W'i+2,j−W'i-2,j| ……(63)
Jb=|Sbi,j+2−Sbi,j-2|+|2W'i,j−W'i,j+2−W'i,j-2| ……(64)
Ib<Jbである場合
Ci,j_b=(Sbi+2,j+Sbi-2,j)/2
+(2W'i,j−W'i+2,j−W'i-2,j)/2 ……(65)
Ib>Jbである場合
Ci,j_b=(Sbi,j+2+Sbi,j-2)/2
+(2W'i,j−W'i,j+2−W'i,j-2)/2 ……(66)
Ib=Jbである場合
Ci,j_b=(Sbi,j+2+Sbi,j-2+Sbi+2,j+Sbi-2,j)/4
+(4W'i,j−W'i+2,j−W'i-2,j−W'i,j+2−W'i,j-2)/4
……(67)
また、カラー画像43wの画素のうち、原画像41のG画素に対応する配置位置の画素については、その画素の上下左右のいずれかに隣接する1つのB画素の階調値Sbi+1,j又はSbi-1,j又はSbi,j+1又はSbi,j-1と、対応する画素のW値(輝度値)W'i,jと、その上下左右のいずれかに隣接する1つの画素のW値(輝度値)W'i+1,j、W'i-1,j、W'i,j+1、W'i,j-1とを基に、次式(68)又は(69)又は(70)又は(71)によりB値(Ci,j_b)が決定される。
下側にB画素が隣接する場合
Ci,j_b=Sbi+1,j+(W'i,j−W'i+1,j) ……(68)
上側にB画素が隣接する場合
Ci,j_b=Sbi-1,j+(W'i,j−W'i-1,j) ……(69)
右側にB画素が隣接する場合
Ci,j_b=Sbi,j+1+(W'i,j−W'i,j+1) ……(70)
左側にB画素が隣接する場合
Ci,j_b=Sbi,j-1+(W'i,j−W'i,j-1) ……(71)
また、カラー画像43wの画素のうち、原画像41のW画素に対応する配置位置の画素については、その画素の右斜め上及び左斜め下、あるいは、左斜め上及び右斜め下に隣接する2つのB画素の階調値(Sbi-1,j+1,Sbi+1,j-1)又は(Sbi-1,j−1,Sbi+1,j+1)と、対応する画素のW値(輝度値)W'i,jと、その右斜め上及び左斜め下、あるいは、左斜め上及び右斜め下に隣接する2つの画素のW値(輝度値)(W'i-1,j+1,W'i+1,j-1)又は(W'i-1,j−1,W'i+1,j+1)とを基に、次式(72)又は(73)によりB値(Ci,j_b)が決定される。
右斜め上及び左斜め下にB画素が隣接する場合
Ci,j_b=(Sbi+1,j-1+Sbi-1,j+1)/2
+(2W'i,j−W'i+1,j-1−W'i-1,j+1)/2 ……(72)
左斜め上及び右斜め下にB画素が隣接する場合
Ci,j_b=(Sbi+1,j+1+Sbi-1,j-1)/2
+(2W'i,j−W'i+1,j+1−W'i-1,j-1)/2 ……(73)
以上のようにして、カラー画像43wの各画素うち、原画像41のB画素に対応する配置位置の画素以外の各画素のB値Ci,j_bは、当該画素の周囲のB画素のB値(原画像41におけるB値)に応じて決定される基本値(式(65)〜(73)のそれぞれの右辺の第1項)を、当該画素及びその周囲の画素のW値(輝度分布画像42wにおけるW値)に応じて決定される補正値(式(65)〜(73)のそれぞれの右辺の第2項)により補正することによって、決定される。
次に、カラー画像43wの各画素のG値(Ci,j_g)は、次のように決定される。すなわち、カラー画像43wの各画素のうち、原画像41のG画素に対応する配置位置の画素(配置位置が同じ画素)については、式(74)で示す如く、対応する原画像41のG画素の階調値Sgi,jが、カラー画像43wの当該画素のG値(Ci,j_g)として決定される。
Ci,j_g=Sgi,j ……(74)
また、カラー画像43wの各画素のうち、原画像41のG画素以外の画素(R画素又はB画素又はW画素)に対応する配置位置の画素のG値(Ci,j_g)は、当該画素の周囲のG画素の階調値(原画像41での階調値(G値))と、当該画素及びその周囲の画素のW値(輝度分布画像42wでの階調値(W値))とを用いて決定される。
具体的には、カラー画像43wの画素のうち、原画像41のG画素以外の各画素に対応する配置位置の画素については、当該画素の上下及び左右に隣接する4つのG画素の階調値Sgi+1,j、Sgi-1,j、Sgi,j+1、Sgi,j-1と、当該画素に対応するW値(輝度値)W'i,jと、その上下及び左右に隣接する4つの画素のW値(輝度値)W'i+1,j、W'i-1,j、W'i,j+1、W'i,j-1とを基に、次式(75),(76)のIg、Jgの大小関係に応じて、式(77)又は(78)又は(79)によりG値(Ci,j_g)が決定される。
Ig=|Sgi+1,j−Sgi-1,j|+|2W'i,j−W'i+1,j−W'i-1,j| ……(75)
Jg=|Sgi,j+1−Sgi,j-1|+|2W'i,j−W'i,j+1−W'i,j-1| ……(76)
Ig<Jgである場合
Ci,j_g=(Sgi+1,j+Sgi-1,j)/2
+(2W'i,j−W'i+1,j−W'i-1,j)/2 ……(77)
Ig>Jgである場合
Ci,j_g=(Sgi,j+1+Sgi,j-1)/2
+(2W'i,j−W'i,j+1−W'i,j-1)/2 ……(78)
Ig=Jgである場合
Ci,j_g=(Sgi,j+1+Sgi,j-1+Sgi+1,j+Sgi-1,j)/4
+(4W'i,j−W'i+1,j−W'i-1,j−W'i,j+1−W'i,j-1)/4
……(79)
以上のようにして、カラー画像43wの各画素うち、原画像41のG画素に対応する配置位置の画素以外の各画素のG値Ci,j_gは、当該画素の周囲のG画素のG値(原画像41におけるG値)に応じて決定される基本値(式(77)〜(79)のそれぞれの右辺の第1項)を、当該画素及びその周囲の画素のW値(輝度分布画像42wにおけるW値)に応じて決定される補正値(式(77)〜(79)のそれぞれの右辺の第2項)により補正することによって、決定される。
以上が、STEP4においてカラー画像43g又は43wを生成する処理の詳細である。
次に、前記対象物検知部36の処理を説明する。対象物検知部36は、検出しようとする対象物の種別や、夜間であるか否か(もしくは周囲環境が暗いか否か)等に応じて、全体カラー画像43all、あるいは、処理対象領域毎のカラー画像43g又は43w、あるいは、処理対象領域毎の輝度分布画像42g又は42w(又は処理対象領域毎の輝度分布画像42g又は42wを合成した全体輝度分布画像(カメラ2の撮影対象の全体の輝度分布画像))を選択し、その選択した画像を用いて該画像中の対象物を検出する。
この場合、対象物の検出に適した画像(対象物に特徴的な色や輝度分布が顕著に反映されやすい画像)を使用することで、種々様々な環境下で、種々様々の対象物を高い信頼性で検出することができる。
なお、対象物検知部36は、歩行者や他車を検出した場合に、該歩行者や他車と車両1(自車両)との接触の可能性を判断し、接触の可能性が有ると判断した場合には、車両コントローラ6に対して接触回避措置の実施を指示する制御信号を送信する。このとき、車両コントローラ6のディスプレイ表示制御部63は、ディスプレイ73に警報表示を行う。また、制動制御部62は、必要に応じて、制動装置72を作動させて接触を回避する処理を行う。
また、対象物検知部36は、レーンマークの検知位置から車両1(自車両)を車線内に維持して走行させるレーンキープ制御のための制御信号を車両コントローラ6に送信する。このとき、操舵制御部61が操舵装置71の作動を制御することで、レーンキープ制御を行なう。
以上説明した実施形態によれば、原画像41の各処理対象領域に対応する輝度分布画像42g又42wは、該処理対象領域に写っている撮影対象が比較的明るい場合及び暗い場合のいずれの場合であっても、該撮影対象の実際の輝度分布に極力適合した輝度分布の画像となるように生成される。
すなわち、処理対象領域に写っている撮影対象が比較的暗く、該処理対象領域における原画像41中の多くのG画素が黒つぶれ状態となっているような場合には、原画像41中で白とび状態となっているW画素が過剰でない限り、G画素よりも黒つぶれ状態となり難いW画素の階調値(W値)を用いて輝度分布画像42wが生成される。
また、処理対象領域に写っている撮影対象が比較的明るく、該処理対象領域における原画像41中で黒つぶれ状態となっているG画素が十分に少ない場合には、W画素よりも白とび状態となり難いG画素の階調値(G値)を用いて輝度分布画像42gが生成される。
これにより、処理対象領域に写っている撮影対象の実際の輝度分布に極力適合した輝度分布を有する輝度分布画像42g又は42wを生成することができる。ひいては、黒つぶれ状態や白とび状態となる画素の少ない高解像度あるいは高感度な輝度分布画像42g又は42wを生成することができる。
従って、この輝度分布画像42g又は42gを、所望の対象物を検出するために有効に活用することができる。
さらに、処理対象領域毎のカラー画像43g又は43wは、撮影対象の実際の輝度分布に極力適合するように生成された輝度分布画像42g又は42wの輝度分布を反映させて生成される。すなわち、カラー画像43g又は43wの各画素のうち、原画像41のR画素に対応する配置位置の画素以外の各画素のR値Ci,j_rは、当該画素の周囲のR画素のR値(原画像41におけるR値)に応じて決定される基本値を、当該画素及びその周囲の画素の輝度値(輝度分布画像42gにおけるG値又は輝度分布画像42wにおけるW値)に応じて決定される補正値(式(77)〜(79)のそれぞれの右辺の第2項)により補正することによって、決定される。
原画像41のG画素に対応する配置位置の画素以外の各画素のG値Ci,j_g、並びに、原画像41のB画素に対応する配置位置の画素以外の各画素のB値Ci,j_bについても同様である。
これにより、実際の撮影対象の色が適切に反映された高解像度あるいは高感度なカラー画像43g又は43wを生成することができる。
従って、このカラー画像43g又は43gを、所望の対象物を検出するために有効に活用することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図10(a),(b)を参照して説明する。本実施形態は、図6のSTEP3−2の判断処理だけが、前記第1実施形態と相違するものである。従って、本実施形態では、その相違点を中心に説明し、第1実施形態と同一の事項については説明を省略する。
次に、本発明の第2実施形態を図10(a),(b)を参照して説明する。本実施形態は、図6のSTEP3−2の判断処理だけが、前記第1実施形態と相違するものである。従って、本実施形態では、その相違点を中心に説明し、第1実施形態と同一の事項については説明を省略する。
本実施形態では、輝度分布画像生成部32により図6のSTEP3−2の判断処理を行なうために、図10(a)に示す如く、撮像素子22のカラー受光画素のうちのG受光画素の出力信号の強度を示す原画像41のG画素の階調値(G値)の適正な範囲として、所定の上限値SHg1と下限値SLg1の間の範囲Δg1があらかじめ設定されている。なお、図10(a)中の実線g1は、G受光画素の出力信号の強度が変化し得る範囲での該強度と撮影対象の輝度との間の関係(G受光画素の感度特性)を示すグラフである。
上記上限値SHg1及び下限値SLg1は、それぞれ、G受光画素の出力信号の強度の最大値に相当するG画素の階調値(G値)の最大値よりも小さい値、G受光画素の出力信号の強度の最小値に相当するG画素の階調値(G値)の最小値よりも大きい値に設定されている。そして、これらの上限値SHg1及び下限値SLg1により規定される範囲Δg1は、その範囲内の階調値を示すG受光画素の出力信号の強度がガンマ特性による圧縮やノイズの影響を受け難いものとなるように設定されている。従って、適正な範囲Δg1は、G受光画素の出力信号の強度と撮影対象の輝度との間の相関性が極力高いものとなる範囲に設定されている。
また、図10(b)に示す如く、撮像素子22のW受光画素(透明な受光画素)の出力信号の強度を示す原画像41のW画素の階調値(W値)についても、その適正な範囲として、所定の上限値SHw1と下限値SLw1の間の範囲Δw1があらかじめ設定されている。なお、図10(b)中の実線w1は、W受光画素の出力信号の強度が変化し得る範囲での該強度と撮影対象の輝度との間の関係(W受光画素の感度特性)を示すグラフである。
上記上限値SHw1及び下限値SLw1は、それぞれ、W受光画素の出力信号の強度の最大値に相当するW画素の階調値(W値)の最大値よりも小さい値、W受光画素の出力信号の強度の最小値に相当するW画素の階調値(W値)の最小値よりも大きい値に設定されている。そして、これらの上限値SHw1及び下限値SLw1により規定される範囲Δw1は、G受光画素の出力信号の強度に関する前記範囲Δg1と同様に、その範囲内の階調値を示すW受光画素の出力信号の強度がガンマ特性による圧縮やノイズの影響を受け難いものとなるように設定されている。従って、適正な範囲Δw1は、W受光画素の出力信号の強度と撮影対象の輝度との間の相関性が極力高いものとなる範囲に設定されている。
なお、G画素の階調値(G受光画素の出力信号の強度)に関する適正な範囲Δg1と、W画素の階調値(W受光画素の出力信号の強度)に関する適正な範囲Δw1とは互いに同一の範囲である必要なない。
そして、本実施形態における図6のSTEP3−2の判断処理では、上記の如く設定された範囲Δg1,Δw1を用いて、輝度分布画像を生成するために原画像41のG値及びW値のどちらを用いることが適切であるかが判断される。
具体的には、輝度分布画像生成部32は、図6のSTEP3−1で選択した処理対象領域における原画像41中のG画素の階調値(G値)の平均値Gave(換言すれば、該処理対象領域におけるG受光画素の出力信号の強度の平均値)と、該処理対象領域における原画像41中のW画素の階調値(W値)の平均値Wave(換言すれば、該処理対象領域におけるW受光画素の出力信号の強度の平均値)とを算出する。
この場合、平均値Gaveが、既定の適正な範囲Δg1内に入る場合には、処理対象領域におけるG画素のG値の分布状態は、該処理対象領域に写っている撮影対象の実際の輝度分布に対する適合度合いが高いと考えられる。同様に、平均値Waveが、既定の適正な範囲Δw1内に入る場合には、処理対象領域におけるW画素のW値の分布状態は、該処理対象領域に写っている撮影対象の実際の輝度分布に対する適合度合いが高いと考えられる。
そこで、輝度分布画像生成部32は、処理対象領域におけるG画素の階調値の平均値Gaveが適正な範囲Δg1内にあり、且つ、処理対象領域におけるW画素の階調値の平均値Waveが適正な範囲Δw1から逸脱している場合(図10(a),(b)に例示する場合)には、処理対象領域における輝度分布画像を生成するために、原画像41のG値を用いることが適切であると判断する。
また、輝度分布画像生成部32は、処理対象領域におけるW画素の階調値の平均値Waveが適正な範囲Δw1内にあり、且つ、処理対象領域におけるG画素の階調値の平均値Gaveが適正な範囲Δg1から逸脱している場合には、処理対象領域における輝度分布画像を生成するために、原画像41のW値を用いることが適切であると判断する。
また、輝度分布画像生成部32は、処理対象領域におけるW画素の階調値の平均値Waveと、G画素の階調値の平均値Gaveとの両方が、それぞれ適正な範囲Δw1、Δg1に入っている場合、あるいは、その両方が、それぞれ適正な範囲Δw1、Δg1から逸脱している場合には、輝度分布画像を生成するために、処理対象領域におけるW画素とG画素とのうち、個数の多い方の画素の階調値(W値又はG値)を用いることが適切であると判断する。
なお、輝度分布画像生成部32は、処理対象領域におけるW画素の階調値の平均値Waveと、G画素の階調値の平均値Gaveとの両方が、それぞれ適正な範囲Δw1、Δg1に入っている場合、あるいは、その両方が、それぞれ適正な範囲Δw1、Δg1から逸脱している場合には、輝度分布画像を生成するためにW値及びG値のうちのいずれが適切であるかを次のように判断するようにしてもよい。
すなわち、原画像41における処理対象領域の位置、あるいは、カメラ2の撮影時の状況等に応じて輝度分布画像を生成するためにW値及びG値のうちのいずれが適切であるかを判断するようにしてもよい。例えば、処理対象領域の輝度分布画像から、ある対象物を検出するために、低輝度側の解像度が要求される場合には、輝度分布画像を生成するために、受光感度が相対的に高いW受光画素の出力信号の強度を示すW値を用いることが適切であると判断する。また、例えば、処理対象領域の輝度分布画像から、ある対象物を検出するために、高輝度側の解像度が要求される場合には、輝度分布画像を生成するために、受光感度が相対的に低いG受光画素の出力信号の強度を示すG値を用いることが適切であると判断する。
あるいは、他の手法として、輝度分布画像生成部32は、処理対象領域におけるG画素の階調値の平均値Gaveと、W画素の階調値の平均値Waveとの両方が、それぞれ適正な範囲Δg1、Δw1に入っている場合、あるいは、その両方が、それぞれ適正な範囲Δg1、Δw1から逸脱している場合に、輝度分布画像を生成するためにG値及びW値のうちのいずれが適切であるかを次のように判断するようにしてもよい。
すなわち、処理対象領域におけるG画素の階調値の基準目標値Xgと、W画素の階調値の基準目標値Xwとをそれぞれ、適正な範囲Δg1,Δw1内に設定しておく。例えば、図10(a),(b)に示す如く、適正な範囲Δg1、Δw1のそれぞれの中央値を基準目標値Xg、Xwとして設定しておく。
そして、G画素の階調値の平均値Gaveと基準目標値Xgとの偏差の絶対値|Xg−Gave|と、W画素の階調値の平均値Waveと基準目標値Xwとの偏差の絶対値|Xw−Wave|とを比較し、G値及びW値のうち、当該絶対値がより小さい方の階調値が、輝度分布画像を生成するために適切であると判断する。
なお、この場合、処理対象領域におけるW画素の個数と、G画素の個数との差、あるいは、W受光画素とG受光画素と特性の違いを反映させて、上記両方の絶対値のそれぞれに、各別のゲイン値を乗じた値を比較したり、あるいは、各別のオフセット値を加えた値を比較するようにしてもよい。
本実施形態は、以上説明した事項以外は第1実施形態と同じである。
かかる本実施形態においても、処理対象領域に写っている撮影対象の実際の輝度分布に極力適合した輝度分布を有する輝度分布画像42g又は42wを生成することができる。これにより、高解像度あるいは高感度な輝度分布画像42g又は42wを生成することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図11(a),(b)を参照して説明する。本実施形態は、図6のSTEP3−2の判断処理だけが、前記第1実施形態と相違するものである。従って、本実施形態では、その相違点を中心に説明し、第1実施形態と同一の事項については説明を省略する。
次に、本発明の第3実施形態を図11(a),(b)を参照して説明する。本実施形態は、図6のSTEP3−2の判断処理だけが、前記第1実施形態と相違するものである。従って、本実施形態では、その相違点を中心に説明し、第1実施形態と同一の事項については説明を省略する。
本実施形態では、輝度分布画像生成部32により図6のSTEP3−2の判断処理を行なうために、前記第2実施形態と同様に、撮像素子22のG受光画素の出力信号の強度を示す原画像41のG画素の階調値(G値)の適正な範囲Δg1(図11(a)を参照)と、W受光画素の出力信号の強度を示す原画像41のW画素の階調値(W値)の適正な範囲Δw1(図11(b)を参照)とがあらかじめ設定されている。これらの範囲Δg1,Δw1は、第2実施形態と同じでよい。
そして、本実施形態における図6のSTEP3−2の判断処理では、上記の如く設定された範囲Δg1,Δw1を用いて、輝度分布画像を生成するために原画像41のG値及びW値のどちらを用いることが適切であるかの判断が、前記第2実施形態と異なる手法によって行なわれる。
具体的には、本実施形態では、輝度分布画像生成部32は、図6のSTEP3−1で選択した処理対象領域における原画像41中のG画素の階調値(G値)のヒストグラム(換言すればG受光画素の出力信号の強度のヒストグラム)と、該処理対象領域における原画像41中のW画素の階調値(W値)のヒストグラム(換言すればW受光画素の出力信号の強度のヒストグラム)とを作成する。
例えば、図11(a)の実線g2のグラフで例示するヒストグラム(G画素の階調値(G受光画素の出力信号の強度)に関するヒストグラム)と、図11(b)の実線w2のグラフで例示するヒストグラム(W画素の階調値(W受光画素の出力信号の強度)に関するヒストグラム)とが作成される。
ここで、処理対象領域におけるG画素のG値の分布状態が、該処理対象領域に写っている撮影対象の実際の輝度分布に対する適合度合いが高い場合には、処理対象領域における全部もしくは大部分のG画素のG値が、前記既定の適正な範囲Δg1に含まれると考えられる。同様に、処理対象領域におけるW画素のW値の分布状態が、該処理対象領域に写っている撮影対象の実際の輝度分布に対する適合度合いが高い場合には、処理対象領域における全部もしくは大部分のW画素のW値が、前記既定の適正な範囲Δw1に含まれると考えられる。
そこで、輝度分布画像生成部32は、処理対象領域における原画像41のG画素について作成したヒストグラムを基に、適正な範囲Δg1内に収まっている階調値(G値)を有するG画素の画素数Garea(以降、有効画素数Gareaという)を算出すると共に、処理対象領域における原画像41のW画素について作成したヒストグラムを基に、適正な範囲Δg1内の収まっている階調値(W値)を有するW画素の画素数Warea(以降、有効画素数Warerという)を算出する。
なお、有効画素数Gareaは、G画素に関するヒストグラムのグラフの、Δg1の範囲内での面積に相当する。同様に、有効画素数Wareaは、W画素に関するヒストグラムのグラフの、Δw1の範囲内での面積に相当する。
そして、輝度分布画像生成部32は、有効画素数Garea、Wareaを比較し、原画像41のG値及びW値のうち、有効画素数Garea、Wareaがより大きい方の階調値を、輝度分布画像を生成するために用いる階調値として適切であると判断する。
例えば、図11(a),(b)に示す例では、Garea>Wareaである。その場合には、輝度分布画像を生成するために、原画像41のG値を用いることが適切であると判断する。
なお、有効画素数Garea、Wareaに基づいて、原画像41のG値及びW値のうちのどちらが適切であかを判断する場合、処理対象領域におけるG画素の画素数とW画素の画素数との比率(換言すればG受光画素の個数とW受光画素の個数との比率)や、それぞれの受光画素のセンシング特性、カメラ2の撮影時の撮影環境、処理対象領域に写る撮影対象の種別等を反映させて、上記の判断を行なうようにしてもよい。
例えばGareaと、α×Warea+β(ただし、α、βはあらかじめ定めた定数)との大小関係を比較することで、輝度分布画像を生成するために、原画像41のG値及びW値のうちのどちらが適切であるかを判断するようにしてもよい。
すなわち、Garea>α×Warea+βである場合には、輝度分布画像を生成するために、原画像41のG値を用いることが適切であると判断し、Garea<α×Warea+βである場合には、輝度分布画像を生成するために、原画像41のW値を用いることが適切であると判断する。
この場合、上記定数αは、処理対象領域におけるG画素の画素数とW画素の画素数との比率に応じて設定することが好ましい。例えば、G画素の画素数:W画素の画素数=α:1となるように(換言すれば、G画素の画素数=α×W画素の画素数となるように)設定される。
また、上記定数βは、Gareaと、α×Wareaとが、同一もしくはほぼ同一となる場合に、輝度分布画像を生成するために、G値及びW値のうちの一方が、優先的に選択されやすくなるようにするためのパラメータである。この定数βは、G受光画素及びW受光画素のセンシング特性(感度特性やカラーフィルタの透過特性等)、カメラ2の撮影時の撮影環境、処理対象領域に写る撮影対象の種別(撮影対象の明るさに関連する種別)に応じて、より解像度や感度の高い輝度分布画像を生成する上で、適切な階調値(G値又はW値)が選択されるように設定することが望ましい。
なお、Garea=α×Warea+βである場合には、G受光画素及びW受光画素のセンシング特性(感度特性やカラーフィルタの透過特性等)、カメラ2の撮影時の撮影環境、処理対象領域に写る撮影対象の種別等を考慮して、輝度分布画像を生成するために用いる階調値(G値又はW値)を選択するようにすればよい。
本実施形態は、以上説明した事項以外は第1実施形態と同じである。
かかる本実施形態においても、処理対象領域に写っている撮影対象の実際の輝度分布に極力適合した輝度分布を有する輝度分布画像42g又は42wを生成することができる。これにより、高解像度あるいは高感度な輝度分布画像42g又は42wを生成することができる。
[変形態様について]
次に、本発明の実施形態に関するいくつかの変形態様を説明する。
次に、本発明の実施形態に関するいくつかの変形態様を説明する。
前記各実施形態において、各処理対象領域毎の輝度分布画像を原画像41のG値を用いて生成するようにした場合(輝度分布画像42gを生成した場合)に、該処理対象領域における各画素のW値を、輝度分布画像42gの輝度分布を反映させつつ補完的に決定することで、各画素の階調値がW値により構成される無彩色階調の画像をさらに生成するようにしてもよい。なお、この無彩色階調の画像は、原画像41のW値を用いて生成される無彩色階調の前記輝度分布画像42wとは異なる画像である。そこで、以降、当該無彩色階調の画像を、輝度分布画像42wと区別するために、グレー階調画像という。
上記グレー階調画像は、前記1実施形態においてカラー画像43gの各画素のR値もしくはB値を決定する手法と同様の手法によって、次のように生成することができる。なお、以降、生成しようとするグレー階調画像の任意の配置位置(i,j)の画素の階調値W値をWai,jと表記する。また、撮像素子22の受光画素の配列及び原画像41の画素の階調値は、図2(a),(b)に示したものと同じであるとする。
グレー階調画像の各画素のうち、原画像41のW画素に対応する配置位置の画素(配置位置が同じ画素)については、式(100)で示す如く、対応する原画像41のW画素の階調値Swi,jが、グレー階調画像の当該画素のW値として決定される。
Wai,j=Swi,j ……(100)
また、グレー階調画像の各画素のうち、原画像41のW画素以外の画素(R画素又はG画素又はB画素)に対応する配置位置の画素のW値(Wai,j)は、当該画素の周囲のW画素の階調値(原画像41での階調値(W値))と、当該画素及びその周囲の画素のG値(輝度分布画像42gでの階調値(G値))とを用いて決定される。
具体的には、グレー階調画像の画素のうち、原画像41のR画素又はB画素に対応する配置位置の画素については、その画素の右斜め上、右斜め下、左斜め上、左斜め下に隣接する4つのW画素の階調値Swi-1,j+1、Swi+1,j+1、Swi-1,j-1、Swi+1,j-1と、対応する画素のG値(輝度値)G'i,jと、その右斜め上、右斜め下、左斜め上、左斜め下に隣接する4つの画素のG値(輝度値)G'i-1,j+1、G'i+1,j+1、G'i-1,j-1、G'i+1,j-1とを基に、次式(101),(102)のIw、Jwの大小関係に応じて、式(103)又は(104)又は(105)によりW値(Wai,j)が決定される。
Iw=|Swi+1,j+1−Swi-1,j-1|
+|2G'i,j−G'i+1,j+1−G'i-1,j-1| ……(101)
Jw=|Swi+1,j-1−Swi-1,j+1|
+|2G'i,j−G'i+1,j-1−G'i-1,j+1| ……(102)
Iw<Jwである場合
Wai,j=(Swi+1,j+1+Swi-1,j-1)/2
+(2G'i,j−G'i+1,j+1−G'i-1,j-1)/2 ……(103)
Iw>Jwである場合
Wai,j=(Swi+1,j-1+Swi-1,j+1)/2
+(2G'i,j−G'i+1,j-1−G'i-1,j+1)/2 ……(104)
Iw=Jwである場合
Wai,j=(Swi+1,j+1+Swi+1,j-1+Swi-1,j+1+Swi-1,j-1)/4
+(4G'i,j−G'i+1,j+1−G'i+1,j-1−G'i-1,j+1−G'i-1,j-1)/4
……(105)
また、グレー階調画像の画素のうち、原画像41のG画素に対応する配置位置の画素については、その画素に上下又は左右に隣接する2つのW画素の階調値(Swi-1,j、Swi+1,j)又は(Swi,j-1、Swi,j+1)と、対応する画素のG値(輝度値)G'i,jと、その上下又は左右に隣接する2つの画素のG値(輝度値)(G'i-1,j、G'i+1,j)又は(G'i,j-1、G'i,j+1)とを基に、次式(106)又は(107)によりW値(Wai,j)が決定される。
上下にW画素が隣接する場合
Wai,j=(Swi+1,j+Swi-1,j)/2
+(2G'i,j−G'i+1,j−G'i-1,j)/2 ……(106)
左右にW画素が隣接する場合
Wai,j=(Swi,j+1+Swi,j-1)/2
+(2G'i,j−G'i,j+1−G'i,j-1)/2 ……(107)
以上のようにして、グレー階調画像の各画素うち、原画像41のW画素に対応する配置位置の画素以外の各画素のW値(Wai,j)は、当該画素の周囲のW画素のW値(原画像41におけるW値)に応じて決定される基本値(式(103)〜(107)のそれぞれの右辺の第1項)を、当該画素及びその周囲の画素のG値(輝度分布画像42gにおけるG値)に応じて決定される補正値(式(103)〜(107)のそれぞれの右辺の第2項)により補正することによって、決定される。
これにより、処理対象領域における撮影対象の輝度分布を反映させて、各画素の階調値がW値(Wai,j)により構成されるグレー階調画像を生成することができる。
このようにしてグレー階調画像を生成することで、原画像41の処理対象領域において、白とび状態となっているW画素が比較的多いような場合でも、該原画像41よりも白とび状態を軽減したグレー階調画像を生成できる。
そして、対象物検知部36で検出しようとする対象物の種別や、撮影環境等に応じて、カラー画像43g又は43w、あるいは、輝度分布画像42g又は42wの他、上記グレー階調画像を適宜選択的に使用することで、対象物を検出するために、該グレー階調画像を活用することができる。
また、前記各実施形態では、原画像41のW値とG値とのうちの一方を用いて輝度分布画像42g又は42wを生成するようにしたが、原画像41のW値と、R値もしくはB値とのうちの一方を用いて輝度分布画像が生成するようにしてもよい。
また、前記各実施形態では、図2(a)に示した配列パターンで受光画素を配置した撮像素子22を例にとって説明したが、その配列パターンは、図12(a)又は図12(b)に示すような配列パターンであってもよい。
図12(a)の配列パターンは、R受光画素の個数とG受光画素の個数とB受光画素の個数とW受光画素の個数との比率が1:1:1:1となるパターンである。また、図12(b)の配列パターンは、R受光画素の個数とG受光画素の個数とB受光画素の個数とW受光画素の個数との比率が1:2:1:4となるパターンである。
なお、図12(a)の配列パターンでは、R受光画素、B受光画素、G受光画素の個数が互いに同じであるので、輝度分布画像を生成する場合、W値とG値とのいずれかを用いて生成する態様の他、W値と、R値もしくはB値とのいずれかを用いて生成するようにしてもよい。
一方、図12(b)の配列パターンでは、R受光画素及びB受光画素のそれぞれの個数よりもG受光画素の個数の方が多いので、輝度分布画像を生成する場合、前記各実施形態と同様に、W値とG値とのいずれかを用いて生成することが望ましい。
また、前記各実施形態における撮像素子22は、カラーフィルタを介さずに受光するW受光画素を副受光画素として有する撮像素子であるが、W受光画素の代わりに、R受光画素、G受光画素、及びB受光画素のカラーフィルタよりも光の透過率が低い所定色のカラーフィルタを装着した受光画素を副受光画素として備えるようにしてもよい。
例えば、図13(a)又は図13(b)又は図13(c)で示すような配列パターンで、R受光画素、G受光画素、及びB受光画素と、R受光画素のRフィルタよりも透過率の低い赤色のカラーフィルタ(これをR'フィルタと称する)を有するR'受光画素(副受光画素)とを配列した撮像素子を採用してもよい。
この場合、図14のグラフで示すように、R’受光画素の受光感度が、R受光画素やG受光画素、B受光画素の受光感度よりも低くなるようにすることができる。従って、原画像のR’値(R’受光画素の出力信号の強度を示す階調値)と、R値もしくはG値もしくはB値とのいずれか一方を用いて、撮影対象の輝度分布に対する適合度合いの高い適切な輝度分布画像を生成することができる。
このような撮像素子を用いた場合には、特に、R’値を用いて生成した輝度分布画像、あるいは、その輝度分布を反映させたカラー画像に、前走車のテールランプや赤色表示灯等、道路環境上で重要な赤色の高輝度対象物を鮮明に捉えるようにすることができる。
あるいは、例えば、図15(a)又は図15(b)又は図15(c)で示すような配列パターンで、R受光画素、G受光画素、及びB受光画素と、これらの受光画素のカラーフィルタ(Rフィルタ、Gフィルタ及びBフィルタ)よりも透過率の低いグレー色のフィルタ(これをGrフィルタと称する)を有するGr受光画素(副受光画素)とを配列した撮像素子を採用してもよい。
この場合、図16のグラフで示すように、Gr受光画素の受光感度が、R受光画素やG受光画素、B受光画素の受光感度よりも低くなるようにすることができる。従って、原画像のGr値(Gr受光画素の出力信号の強度を示す階調値)と、R値もしくはG値もしくはB値とのいずれか一方を用いて、撮影対象の輝度分布に対する適合度合いの高い適切な輝度分布画像を生成することができる。
このような撮像素子を用いた場合には、種々様々な撮影環境や撮影対象に対して、高い汎用性で、適切な輝度分布画像を生成することができる。
また、前記各実施形態では、原画像41から輝度分布画像42g又42wと、カラー画像43g又は43wとを生成する場合について説明したが、さらに、カラー画像43g又は43wと、原画像41のW画素の階調値(W値)とを用いて、高感度なモノトーン画像や、広ダイナミックレンジのモノトーン画像を生成するようにすることも可能である。
2…カメラ、22…撮像素子、31…原画像取得部(原画像取得手段)、32…輝度分布画像生成部(輝度分布画像生成手段、階調値分布判断手段)、33…カラー画像生成部(カラー画像生成手段)、STEP3−2…階調値分布判断手段。
Claims (9)
- 所定の複数種の色のカラー受光画素と、前記カラー受光画素よりも高い受光感度又は低い受光感度を有する所定色又は透明の受光画素である副受光画素とから構成される複数の受光画素を配列してなる撮像素子を有するカメラにおける画像処理装置であって、
前記カメラにより撮像された原画像であって、前記撮像素子の各受光画素がその受光レベルに応じて出力する出力信号の強度を示す階調値がそれぞれ割り当てられた複数の画素により構成される原画像を取得する原画像取得手段と、
前記原画像を構成する画素のうち、前記カラー受光画素のうちの特定色のカラー受光画素にそれぞれ対応する画素の階調値である第1階調値と、前記副受光画素にそれぞれ対応する画素の階調値である第2階調値とに基づいて、前記原画像の少なくとも一部の領域である処理対象領域における前記第1階調値の分布状態と、該処理対象領域における第2階調値の分布状態とのうちのいずれの分布状態が、前記処理対象領域に写る撮影対象の輝度分布に対する適合度合いがより高いかを判断する階調値分布判断手段と、
前記第1階調値と第2階調値とのうち、前記階調値分布判断手段により前記適合度合いがより高いと判断された方の階調値を選択し、その選択した階調値を用いて、前記処理対象領域における各画素の輝度値を決定することより、該処理対象領域における輝度分布画像を生成する輝度分布画像生成手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1記載の画像処理装置において、
前記特定色は、前記処理対象領域における前記カラー受光画素のうち、最も個数の多いカラー受光画素に対応する色であることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1又は2記載の画像処理装置において、
前記輝度分布画像生成手段は、
前記第1階調値を用いて前記輝度分布画像を生成する場合には、前記輝度分布画像のうち、前記特定色のカラー受光画素に対応する画素の輝度値を、前記原画像のうち、当該特定色のカラー受光画素に対応する画素の第1階調値に応じて決定する処理と、前記特定色のカラー受光画素以外の受光画素に対応する画素の輝度値を、前記原画像のうち、少なくとも当該受光画素に対応する画素の周囲に存在すると共に前記特定色のカラー受光画素に対応する画素の第1階調値に応じて補完することにより決定する処理とを実行することによって前記輝度分布画像を生成し、
前記第2階調値を用いて前記輝度分布画像を生成する場合には、前記輝度分布画像のうち、前記副受光画素に対応する画素の輝度値を、前記原画像のうち、当該副受光画素に対応する画素の第2階調値に応じて決定する処理と、前記副受光画素以外の受光画素に対応する画素の輝度値を、前記原画像のうち、少なくとも当該受光画素に対応する画素の周囲に存在すると共に前記副受光画素に対応する画素の第2階調値に応じて補完することにより決定する処理とを実行することによって前記輝度分布画像を生成することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置において、
前記処理対象領域における各画素の3原色の色階調値を、前記原画像のうちの、前記カラー受光画素に対応する画素の階調値と、前記輝度分布画像の輝度値とに応じて決定することにより、前記処理対象領域におけるカラー画像を生成するカラー画像生成手段をさらに備えることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項4記載の画像処理装置において、
前記カラー画像生成手段は、前記輝度分布画像生成手段により前記第1階調値を用いて前記輝度分布画像が生成された場合には、前記カラー画像の各画素の前記特定色の色階調値を、前記輝度分布画像の各画素の輝度値に一致させるように決定する処理と、前記カラー画像の各画素の前記特定色以外の色の色階調値を、前記原画像のうちの当該特定色以外の色のカラー受光画素に対応する画素の階調値と、前記輝度分布画像の画素の輝度値とに基づいて決定する処理とを実行することによって前記カラー画像を生成する手段であり、
前記カラー画像の各画素の前記特定色以外の色の色階調値を決定する処理では、該カラー画像のうちの当該色階調値を決定しようとする任意の1つ画素をP画素、該色をQ色としたとき、該P画素がQ色のカラー受光画素に対応する画素である場合には、該カラー受光画素に対応する前記原画像の画素の階調値が、該P画素のQ色の色階調値として決定され、該P画素が、Q色のカラー受光画素に対応する画素以外の画素である場合には、前記原画像のうち、該P画素に対応する画素の周囲に存在すると共に、Q色のカラー受光画素に対応する画素の階調値に応じて決定した該Q色の基本色階調値を、前記輝度分布画像のうち、該P画素に対応する画素とその周囲に存在する画素とのそれぞれの輝度値に応じて決定した補正値により補正することによって、該P画素のQ色の色階調値が決定されることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項4又は5記載の画像処理装置において、
前記カラー画像生成手段は、前記輝度分布画像生成手段により前記第2階調値を用いて前記輝度分布画像が生成された場合には、前記カラー画像の各画素の各色の色階調値を、前記原画像のうちの当該色のカラー受光画素に対応する画素の階調値と、前記輝度分布画像の画素の輝度値とに基づいて決定する処理を実行することによって前記カラー画像を生成する手段であり、
前記カラー画像の各画素の各色の色階調値を決定する処理では、該カラー画像のうちの当該色階調値を決定しようとする任意の1つ画素をP画素、該色をQ色としたとき、該P画素がQ色のカラー受光画素に対応する画素である場合には、該カラー受光画素に対応する前記原画像の画素の階調値が、該P画素のQ色の色階調値として決定され、該P画素が、Q色のカラー受光画素に対応する画素以外の画素である場合には、前記原画像のうち、該P画素に対応する画素の周囲に存在すると共に、Q色のカラー受光画素に対応する画素の階調値に応じて決定した該Q色の基本色階調値を、前記輝度分布画像のうち、該P画素に対応する画素とその周囲に存在する画素とのそれぞれの輝度値に応じて決定した補正値により補正することによって、該P画素のQ色の色階調値が決定されることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像処理装置において、
前記カメラは、車両の周辺を撮像するように該車両に搭載されたカメラであり、
前記輝度分布画像生成手段は、前記原画像の互いに異なる箇所に複数の前記処理対象領域を設定し、各処理対象領域毎に前記輝度分布画像を生成することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像処理装置において、
前記階調値分布判断手段は、少なくとも、前記原画像の前記処理対象領域内の画素のうち、前記特定色のカラー受光画素に対応する画素の第1階調値が第1所定範囲内となる画素の個数と、前記原画像の前記処理対象領域内の画素のうち、前記副受光画素に対応する画素の第2階調値が第2所定範囲内となる画素の個数とに基づいて、前記適合度合いを判断することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像処理装置において、
前記階調値分布判断手段は、少なくとも、前記原画像の前記処理対象領域内の画素のうち、前記特定色のカラー受光画素に対応する画素の第1階調値の該処理対象領域での平均値が第1所定範囲内にある否かの判断結果と、前記原画像の前記処理対象領域内の画素のうち、前記副受光画素に対応する画素の第2階調値の該処理対象領域での平均値が第2所定範囲内にあるか否かの判断結果とに基づいて、前記適合度合いを判断することを特徴とする画像処理装置。
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