JP2013187432A - 移動体装置、露光装置、及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウエハステージWSTの移動に伴って動く複数のチューブを確実に案内する。
【解決手段】 ウエハステージWSTの移動に伴って動く複数のチューブ(第1及び第2XチューブCxa、Cxb)を案内するXチューブキャリアXTCは、ウエハステージWSTの+Y側において一対のYガイド(第1及び第2Yガイド52A、52B)間に架設され、第1XチューブCxaをガイドする第1チューブトレイ58Aと、ウエハステージWSTの−Y側において一対のYガイド(第1及び第2Yガイド52A、52B)間に架設され、第2XチューブCxbをガイドする第2チューブトレイ58Bと、を含むキャリア本体56を備える。
【選択図】図2
【解決手段】 ウエハステージWSTの移動に伴って動く複数のチューブ(第1及び第2XチューブCxa、Cxb)を案内するXチューブキャリアXTCは、ウエハステージWSTの+Y側において一対のYガイド(第1及び第2Yガイド52A、52B)間に架設され、第1XチューブCxaをガイドする第1チューブトレイ58Aと、ウエハステージWSTの−Y側において一対のYガイド(第1及び第2Yガイド52A、52B)間に架設され、第2XチューブCxbをガイドする第2チューブトレイ58Bと、を含むキャリア本体56を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、移動体装置、露光装置、及びデバイス製造方法に係り、更に詳しくは、所定の二次元平面に沿って移動する移動体を含む移動体装置、該移動体装置を含む露光装置、及び該露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
従来、半導体素子(集積回路等)、液晶表示素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するリソグラフィ工程では、主として、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(いわゆるステッパ)、あるいはステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))などが用いられている。
この種の露光装置は、露光対象物体であるウエハ又はガラスプレート等の基板(以下、ウエハと総称する)を保持して2次元移動するウエハステージを備えており、該ウエハステージには、ウエハステージの外部から各種用力(例えば加圧気体、電力など)を供給するためのチューブあるいはケーブル(以下、チューブと総称する)が接続されている。上記チューブは、ウエハステージの2次元移動に伴い、チューブ案内装置(チューブキャリアなどとも称される)によりウエハステージに追従するように案内される(例えば、特許文献1参照)。
ここで、チューブ案内装置は、高速で2次元移動するウエハステージに確実に追従するように大量のチューブを案内する必要がある。
本発明は、上述の事情の下でなされたもので、第1の観点からすると、ベース部材と、互いに直交する第1軸及び第2軸を含む2次元平面に沿って前記ベース部材上を移動する移動体と、前記移動体と該移動体の外部に設けられた外部装置との間での用力の伝達に用いられる複数の用力伝達部材と、前記移動体の移動に伴って動く前記複数の用力伝達部材を案内する案内装置と、を備え、前記案内装置は、前記第1軸に平行な方向に関して前記ベース部材の一側に設けられた第1ガイド部材と、前記第1軸に平行な方向に関して前記ベース部材の他側に設けられた第2ガイド部材とを含むガイド部と、前記第2軸に平行な方向に関する前記移動体の一側において前記第1及び第2ガイド部材間に架設され、前記移動体に一端が接続された第1用力伝達部材を案内する第1架設部材と、前記第2軸に平行な方向に関する前記移動体の他側において前記第1及び第2ガイド部材間に架設され、前記移動体に一端が接続された第2用力伝達部材を案内する第2架設部材とを含む案内装置本体と、前記第1及び第2架設部材を前記移動体と一体的に前記第2軸に平行な方向に駆動する駆動系と、を備える第1の移動体装置である。
ここで、用力とは、移動体、又は該移動体の外部に設けられた外部装置で用いられる何らかのエネルギ、物質など(一例として、電力、電気信号、加圧気体、真空吸引力、冷媒など)を意味し、用力を伝達するとは、上記移動体と外部装置との間で用力の授受(電力の供給、電気信号の送受信、冷媒の供給及び回収など)を行うことを意味する。本明細書では、かかる意味で用力なる用語を用いるものとする。
これによれば、案内装置本体は、第1及び第2ガイド部材に架設して設けられるので、撓み剛性、捻れ剛性などが向上する。
本発明は、第2の観点からすると、ベース部材と、互いに直交する第1軸及び第2軸を含む2次元平面に沿って前記ベース部材上を移動する移動体と、前記ベース部材に設けられた固定子と、前記移動体に設けられた可動子とを含み、該移動体を前記ベース部材上に浮上した状態で前記2次元平面に沿った方向および前記2次元平面に交差する方向とに駆動可能な平面モータと、前記移動体と該移動体の外部に設けられた外部装置との間での用力の伝達に用いられる複数の用力伝達部材と、前記第1軸に平行な方向に関して前記ベース部材の一側に設けられたガイド部材と、前記移動体の移動に伴って動く前記複数の用力伝達部材を案内し、前記ガイド部材に沿って前記移動体と一体的に前記第2軸に平行な方向に移動する案内部材と、前記移動体と前記ベース部材との前記2次元平面に交差する方向の相対移動を制限する制限装置と、を備える第2の移動体装置である。
これによれば、移動体は、平面モータにより2次元平面に交差する方向に駆動される。そして、仮に平面モータにトラブルが発生しても、制限装置により移動体とベース部材との2次元平面に交差する方向の相対移動が制限されるので、移動体が所望の範囲を超えて移動することを防止できる。
本発明は、第3の観点からすると、本発明の第1又は第2の移動体装置と、前記移動体に保持された物体に所定のパターンを形成するパターン形成装置と、を備える露光装置である。
本発明は、第4の観点からすると、本発明の露光装置を用いて物体を露光することと、露光された前記物体を現像することと、を含むデバイス製造方法である。
以下、一実施形態について、図1〜図7に基づいて、説明する。
図1には、一実施形態に係る露光装置100の構成が概略的に示されている。露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。後述するように、本実施形態では、投影光学系PLが設けられており、以下においては、この投影光学系PLの光軸AXと平行な方向をZ軸方向、これに直交する面内でレチクルとウエハとが相対走査される方向をY軸方向、Z軸及びY軸に直交する方向をX軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
露光装置100は、図1に示されるように、露光ステーション200、計測ステーション300、ベース盤30、XY平面内で2次元移動するウエハステージWST、XチューブキャリアXTC、計測ステージMST、及びこれらの制御系を備えている。
露光ステーション200は、照明系10、レチクルステージRST、及び投影ユニットPUを備えている。
照明系10は、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示されるように、光源と、オプティカルインテグレータ等を含む照度均一化光学系、及びレチクルブラインド等(いずれも不図示)を有する照明光学系と、を含む。照明系10は、レチクルブラインド(マスキングシステムとも呼ばれる)で設定(制限)されたレチクルR上のスリット状の照明領域IARを、照明光(露光光)ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとして、一例として、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられている。
レチクルステージRSTは、パターン面(図1における−Z側の面)に回路パターンなどが形成されたレチクルRを、例えば真空吸着により保持している。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータ等を含むレチクルステージ駆動系11(図1では不図示、図7参照)によって、XY平面内で微小駆動可能であるとともに、走査方向(図1における紙面内左右方向であるY軸方向)に所定の走査速度で駆動可能となっている。レチクルステージRSTのXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)は、レチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)13によって、レチクルステージRSTに固定された移動鏡15(実際には、Y軸方向に直交する反射面を有するY移動鏡(あるいは、レトロリフレクタ)とX軸方向に直交する反射面を有するX移動鏡とを含む)を介して、例えば0.25nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計13の計測値は、主制御装置20(図1では不図示、図7参照)に送られる。
投影ユニットPUは、レチクルステージRSTの図1における下方(−Z側)に配置されている。投影ユニットPUは、不図示の支持部材によってクリーンルームの床FL上に水平に支持されたメインフレームMFによって、その外周部に設けられたフランジ部FLGを介して支持されている。投影ユニットPUは、鏡筒40と、鏡筒40内に保持された投影光学系PLと、を含む。投影光学系PLとしては、例えば、Z軸と平行な光軸AXに沿って配列される複数の光学素子(レンズエレメント)から成る屈折光学系が用いられている。投影光学系PLは、例えば両側テレセントリックで、所定の投影倍率(例えば1/4倍、1/5倍又は1/8倍など)を有する。
このため、照明系10からの照明光ILによってレチクルR上の照明領域IARが照明されると、投影光学系PLの第1面(物体面)とパターン面がほぼ一致して配置されるレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PL(投影ユニットPU)を介してその照明領域IAR内のレチクルRの回路パターンの縮小像(回路パターンの一部の縮小像)が、投影光学系PLの第2面(像面)側に配置される、表面にレジスト(感応剤)が塗布されたウエハW上の前記照明領域IARに共役な領域(以下、露光領域とも呼ぶ)IAに形成される。そして、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとの同期駆動によって、照明領域IAR(照明光IL)に対してレチクルRを走査方向(Y軸方向)に相対移動させるとともに、露光領域IA(照明光IL)に対してウエハWを走査方向(Y軸方向)に相対移動させることで、ウエハW上の1つのショット領域(区画領域)の走査露光が行われ、そのショット領域にレチクルRのパターンが転写される。すなわち、本実施形態では照明系10、及び投影光学系PLによってウエハW上にレチクルRのパターンが生成され、照明光ILによるウエハW上の感応層(レジスト層)の露光によってウエハW上にそのパターンが形成される。
計測ステーション300は、メインフレームMFに吊り下げ支持されたアライメント装置99、多点焦点位置検出系(多点AF系)90(図1では不図示、図7参照)を備えている。
本実施形態において、アライメント装置99としては、例えば米国特許出願公開第2009/0233234号明細書に開示されるような、ウエハW上に設けられた対象マークの像を固体撮像素子を用いて撮像し、該マーク像を主制御装置20(図7参照)に供給する画像処理方式のFIA(Field Image Alignment)系をX軸方向に所定間隔で、例えば5つ備える、いわゆる5眼FIA系が用いられる。上記、例えば5つのFIA系のうち、中央のFIA系(プライマリアライメント系)の検出中心は、投影ユニットPUの中心(投影光学系PLの光軸AX、本実施形態では前述の露光領域IAの中心とも一致)を通りかつY軸と平行な直線上であって、光軸AXから−Y側に所定距離隔てた位置に設定されている。また、多点AF系90としては、例えば米国特許第5,448,332号明細書等に開示されるような、アライメント装置99の−X側に配置された送光系と、アライメント装置99の+X側に配置された受光系とを含む斜入射方式の検出系が用いられる。
ベース盤30は、平面視(+Z方向から見て)でY軸方向を長手方向とする矩形の板状部材であって、複数の防振装置32を介して上記メインフレームMFと物理的(振動的)に分離された状態で床FL上に設置されている。
ベース盤30上には、平面モータ固定子34が搭載されている。平面モータ固定子34は、図2に示されるように、平面視でY軸方向を長手方向とする矩形の板状部材から成る。平面モータ固定子34は、内部に複数のコイルユニット(不図示)を有しており、該コイルユニットに供給される電流の大きさ及び方向は、主制御装置20(図2では不図示。図7参照)によって制御される。平面モータ固定子34の上面は、図1に示されるように、XY平面にほぼ平行とされ、ウエハステージWSTが上記投影光学系PLの直下の領域と、上記アライメント装置99の直下の領域とを含む領域内で移動する際のガイド面として機能する。
ウエハステージWSTは、粗動ステージWCSと、粗動ステージWCSに非接触状態で支持された微動ステージWFSと、を有している。
粗動ステージWCSは、図3(B)に示されるように、XZ断面U字状の部材から成り、上記平面モータ固定子34(図3(B)では不図示。図2参照)の上面に対向する面部である底面部に複数の磁石ユニット(不図示)を有している。該複数の磁石ユニットと、上記平面モータ固定子34が有する複数のコイルユニットとは、ムービングマグネットタイプの平面モータ35(図7参照)を構成しており、粗動ステージWCSは、磁石ユニットと、該磁石ユニット26aに対応するコイルユニットとの間に作用するローレンツ力により、平面モータ固定子34に対して駆動される。なお、上記平面モータ固定子34は、XY平面に沿って微少ストロークで移動自在な状態でベース盤30(図1参照)上に搭載されており、平面モータ35を用いて粗動ステージWCSを駆動する際にカウンタマスとして機能する。
本実施形態において、平面モータ35としては、例えば米国特許第6,452,292号明細書などに開示されるような、上記ローレンツ力により粗動ステージWCSを平面モータ固定子34に対して6自由度方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、θx方向、θy方向、及びθz方向)に適宜駆動することが可能な、いわゆる6DOF(degrees of freedom)駆動タイプの平面モータが用いられている。これにより、主制御装置20は、平面モータ35を用いて、粗動ステージWCSを平面モータ固定子34上でX軸方向、及び/又はY軸方向に(XY平面に沿って)所定の長ストロークで駆動すること、粗動ステージWCSを平面モータ固定子34上に所定のクリアランスを介して浮上(磁気浮上)させること、並びに、XY平面に沿って移動する粗動ステージWCSをピッチング、ヨーイング、及びローリング方向に適宜微少駆動することができる。
微動ステージWFSは、図2(A)に示されるように、平面視八角形の板状部材から成り、図2(B)に示されるように、粗動ステージWCSの一対の対向面間に所定のクリアランスを介して挿入されている。微動ステージWFSのZ軸方向寸法(厚み)は、粗動ステージWCSのZ軸方向寸法(高さ)よりも小さく設定されており、粗動ステージWCSの底面部と微動ステージWFSの下面との間には、Y軸方向に貫通する空間が形成されている。
微動ステージWFSは、図2(A)に示されるように、粗動ステージWCSの4隅部近傍にそれぞれ配置されたモータユニットMUa〜MUdにより、粗動ステージWCSに対して6自由度方向に微少駆動される。モータユニットMUa〜MUdそれぞれは、粗動ステージWCSに固定された固定子(例えばコイルユニット)と、微動ステージWFSに固定された可動子(例えば磁石ユニット)と、を含む複数のリニアモータ(例えばXボイスコイルモータ、Yボイスコイルモータ、及びZボイスコイルモータ)を有し、該コイルユニットに供給される電流の大きさ及び方向は、主制御装置20(図7参照)によって制御される。
主制御装置20(図7参照)は、平面モータ35(図7参照)を用いて粗動ステージWCSをXY平面に沿って長ストロークで駆動する際、モータユニットMUa〜MUdを介して粗動ステージWCSに対する微動ステージWFSの位置を制御することにより、粗動ステージWCSと微動ステージWFSとを一体的にX軸、及び/又はY軸方向に所定の長ストロークで移動させる。また、主制御装置20は、例えば上記アライメント装置99(図7参照)を用いたアライメント計測の結果に基づいてウエハWのXY平面内の位置制御を高精度で行う際、あるいは上記多点AF系90(図7参照)の検出結果に基づいてオートフォーカス制御を行う際に、モータユニットMUa〜MUdを介して微動ステージWFSを粗動ステージWCSに対して6自由度方向に適宜微少駆動する。
微動ステージWFSの下面には、平面視矩形の板状部材から成るスケール板SがウエハW表面と平行となるように固定されている。スケール板SのX軸及びY軸方向の寸法は、ウエハWの直径よりも幾分長く設定されている。スケール板Sには、X軸方向を周期方向とする反射型回折格子(X回折格子)と、Y軸方向を周期方向とする反射型回折格子(Y回折格子)と、を含む2次元グレーティングが形成されている。
また、微動ステージWFSの上面には、平面視でX軸方向を長手方向とする矩形の板状部材から成るウエハテーブルWTBが一体的に固定されている。ウエハテーブルWTBの上面の中央には、ウエハWを真空吸着によって保持するウエハホルダ(不図示)が設けられている。ウエハテーブルWTBの上面であって、ウエハホルダ(ウエハW)の+Y側の領域には、計測プレートPLTが固定されている。また、不図示であるが、ウエハテーブルWTBの下面には、計測プレートPLTに形成されたスリットパターン(不図示)を透過する照明光を計測ステージMSTに導くための送光系が固定されている。
次にウエハステージWSTの位置情報を求めるためのウエハステージ位置計測系74(図7参照)について説明する。図1に示されるように、投影光学系PLの直下において、微動ステージWFSのXY平面内の位置情報(θz方向の回転量情報も含む)、及びZ軸方向の位置情報(θy及びθx方向の回転量情報も含む)は、計測アーム71Aを含む露光側エンコーダシステム74A(図1では不図示。図7参照)を用いて求めされる。また、アライメント装置99の直下において、微動ステージWFSのXY平面内の位置情報、及びZ軸方向の位置情報は、計測アーム71Bを含む計測側エンコーダシステム74B(図1では不図示。図7参照)を用いて求められる。
計測アーム71Aは、図2に示されるように、Y軸とほぼ平行に延びる棒状の部材から成り、図1に示されるように、一端(+Y側の端部)がメインフレームMFから支持部材72Aを介して吊り下げ支持されている。なお、本実施形態では、剛性確保のため、計測アーム71Aは、支持部材72Aとの接続部分がその他の部分よりも広幅に形成されている。計測アーム71Aの他端部近傍であって、投影光学系PLのほぼ直下の位置には、それぞれ不図示であるが、例えば米国特許第7,561,280号明細書に開示されるような、X軸及びZ軸方向を計測方向とする複数の2次元エンコーダヘッド、並びにY軸及びZ軸方向を計測方向とする複数の2次元エンコーダヘッドが組み合わされて構成された6DOFエンコーダヘッド(不図示)が内蔵されている。
計測アーム71AのZ位置は、粗動ステージWCSのZ位置と重複しており、図1、及び図2から分かるように、ウエハステージWSTが投影光学系PLの下方に配置された状態で、計測アーム71Aは、粗動ステージWCSと微動ステージWFSとの間に形成される空間内に挿入される。この状態で、計測アーム71Aは、微動ステージWFSの下面に固定されたスケール板S(図3(B)参照)に対して所定のクリアランスを介して対向する。露光側エンコーダシステム74A(図7参照)において、6DOFエンコーダヘッドは、スケール板Sに形成された2次元グレーティングに計測ビームを照射するとともに、その反射光(反射回折光)を受光し、その出力が後述する切換部74Dを介して主制御装置20に供給される。主制御装置20は、6DOFエンコーダヘッドの出力に基づいて微動ステージWFS(すなわちウエハW)の6自由度方向の位置情報を求める。ここで、粗動ステージWCSにおいて、計測アーム71Aが挿入される空間部を規定する一対の対向面の間隔は、スケール板SのX軸方向の寸法よりも長く設定されている。したがって、スケール板Sを用いて微動ステージWFSの6自由度方向の位置情報を求める際、計測アーム71Aと粗動ステージWCSとが接触することがない(図5(A)〜図5(C)参照)。
図1に戻り、計測アーム71Bは、計測アーム71Aに対して図1で紙面左右対称に配置されている点を除き、計測アーム71Aとほぼ同じ構成、及び機能を有している。すなわち、計測アーム71Bは、一端(−Y側の端部)がメインフレームMFから支持部材72Bを介して吊り下げ支持されており、他端部近傍であって、アライメント装置99のほぼ直下の位置に6DOFエンコーダヘッド(不図示)を備えている。計測アーム71Bは、ウエハステージWSTがアライメント装置99の下方に配置された状態で、粗動ステージWCSと微動ステージWFSとの間に形成される空間内に挿入される。
また、露光側エンコーダシステム74A、及び計測側エンコーダシステム74Bの計測可能範囲外(露光ステーション200と計測ステーション300との間の領域)において、微動ステージWFSの位置情報は、例えばメインフレームMFに固定されたエンコーダヘッド(不図示)とウエハテーブルWTBに固定された回折格子(不図示)とを含む2次元エンコーダシステム(あるいはレーザ干渉計システム)を含む中間計測システム74C(図7参照)により求められる。上記露光側エンコーダシステム74Aの出力、計測側エンコーダシステム74B、及び中間計測システム74Cの出力は、図7に示されるように、微動ステージWFSの位置に応じて切換部74Dにより適宜最適なシステムが選択され、主制御装置に出力される。また、ウエハステージ位置計測系74は、微動ステージWFSとは別に、例えば光干渉計システム(あるいは2次元エンコーダシステム)を含み、粗動ステージWCSの位置情報を求めるための粗動ステージ計測系74Eを有している。
図1に戻り、XチューブキャリアXTCは、ウエハステージWSTに所定の用力を供給するための可撓性を有する長尺の部材(チューブ、及びケーブルなど。以下、単にチューブと称する)をウエハステージWSTのXY平面内の位置に応じて案内するための装置である。XチューブキャリアXTCは、図2に示されるように、一対のYガイド(第1Yガイド52A、第2Yガイド52B)、一対のY固定子(第1Y固定子54A、第2Y固定子54B)、及びキャリア本体56を備えている。
第1Yガイド52A、及び第2Yガイド52Bは、それぞれY軸方向に延びるXZ断面矩形の部材から成り、第1Yガイド52Aが平面モータ固定子34の+X側、第2Yガイド52Bが平面モータ固定子34の−X側にそれぞれ配置されている。第1Yガイド52A、及び第2Yガイド52Bは、不図示の支持部材を介して床FL(図1参照)上に設置されている。第1Yガイド52A、及び第2Yガイド52Bの外壁面は、平面度が非常に高く仕上げられている。
第1Y固定子54A、及び第2Y固定子54Bは、それぞれY軸方向に延びるYZ平面に平行な板状部材から成り、第1Y固定子54Aが第1Yガイド52Aの+X側、第2Y固定子54Bが第2Yガイド52Bの−X側にそれぞれ配置されている。第1Y固定子54A、及び第2Y固定子54Bは、不図示の支持部材を介して床FL(図1参照)上に設置されている。第1Y固定子54A、及び第2Y固定子54Bは、それぞれY軸方向に所定間隔で配列された複数のコイルユニットを有している。コイルユニットに供給される電流の大きさ及び方向は、主制御装置20(図7参照)によって制御される。
第1Yガイド52Aと平面モータ固定子34との間、及び第2Yガイド52Bと平面モータ固定子34との間には、それぞれ所定のクリアランスが形成されている。また、第1Y固定子54Aと第1Yガイド52Aとの間、及び第2Y固定子54Bと第2Yガイド52Bとの間にも、それぞれ所定のクリアランスが形成されている。これにより、第1Yガイド52A、第2Yガイド52B、第1Y固定子54A、第2Y固定子54B、及び平面モータ固定子34は、相互に振動的に分離されている。
キャリア本体56は、第1チューブトレイ58A、第2チューブトレイ58B、第1接続部60A、及び第2接続部60Bを有している。第1チューブトレイ58Aは、ウエハステージWSTの+Y側に、第2チューブトレイ58Bは、ウエハステージWSTの−Y側に、それぞれウエハステージWSTに対して所定のクリアランスを介して配置されている。第1、第2チューブトレイ58A、58Bは、それぞれX軸方向に延びるYZ断面U字状(図4参照)の部材から成り、互いに平行に配置されている。第1、第2チューブトレイ58A、58Bそれぞれは、長手方向の寸法が平面モータ固定子34のX軸方向の寸法よりも長く設定されており、+X側及び−X側の端部それぞれが、平面モータ固定子34の外側に突き出している。
ここで、本実施形態において、ウエハステージWSTに接続される複数のチューブは、該複数のチューブとウエハステージWSTとの接続部がウエハステージWSTの一箇所に集中することを防止するため、2系統に分けられている。以下、2系統のチューブの一方を第1XチューブCxa、他方を第2XチューブCxbと称して説明する。第1XチューブCxaは、第1チューブトレイ58A上に載置され、第2XチューブCxbは、第2チューブトレイ58B上に載置されている。
第2チューブトレイ58B上に載置された第2XチューブCxbは、図5(A)に示されるように、一端部が接続装置57b(接続装置57bは、図1〜図3では不図示)を介してウエハステージWSTに接続されている。接続装置57bは、粗動ステージWCSの−Y側の面部における+X側の端部近傍の領域に設けられている。第2XチューブCxbは、上記一端を含む領域が接続装置57bから見て+X側(ウエハステージWSTの外側)に向けてXY平面に平行に延び、長手方向の中間部が下方に向けて180°(Y軸方向から見てU字状となるように)折り返されている。そして、第2XチューブCxbの上記折り返された部分から見て他端側の領域は、第2チューブトレイ58Bに沿って−X側に向けてXY平面に平行に延びている。なお、図面の錯綜を避ける観点から、第2XチューブCxbの他端を含む領域は、図示が省略されている(図2の破線矢印参照)。
また、図5(A)では粗動ステージWCSの紙面奥側に一部隠れているが、第1チューブトレイ58A上に載置された第1XチューブCxaは、第2XチューブCxbに対して図5(A)において紙面左右対称に配置されている。すなわち、粗動ステージWCSの+Y側の面部における−X側の端部近傍の領域には、接続装置57aが設けられており(接続装置57aは、図1〜図3では不図示)、該接続装置57aに第1XチューブCxaの一端が接続されている。第1XチューブCxaは、接続装置57aから見て−X側に向けて延び、中間部が180°下方に折り返されて他端側の領域が第1チューブトレイ58Aに沿って+X側に向けて延びている(図2参照)。なお、第1XチューブCxaの他端を含む領域も、図面の錯綜を避ける観点から、図示が省略されている(図2及び図4の破線矢印参照)。以下、第1、及び第2チューブCxa、Cxbにおいて、上記U字状に折り返された部分をそれぞれ折り返し部と称して説明する。
ここで、図5(A)には、ウエハステージWSTがX軸方向に関する移動可能範囲の中立点に位置した状態が示されている。そして、図5(B)に矢印で示されるように、ウエハステージWSTが+X方向に移動すると、第1、第2XチューブCxa、Cxbは、それぞれその可撓性により折り返し部のX位置がウエハステージWSTのX位置に応じて変化(ウエハステージWSTの半分の移動量で+X側に移動)する。このとき、第2XチューブCxbの折り返し部が、常にウエハステージWSTよりも外側(+X側)に張り出し、且つウエハステージWSTが+X側のストロークエンドに位置しても第2チューブトレイ58Bの+X側の端部から外側(+X側)に張り出さないように、チューブCxbの長さ、及び接続装置57bの位置が設定されている。
また、ウエハステージWSTが、図5(C)に矢印で示されるように、−X方向に移動すると、第1、第2XチューブCxa、Cxbは、それぞれその可撓性により折り返し部のX位置がウエハステージWSTのX位置に応じて変化(ウエハステージWSTの半分の移動量で−X側に移動)する。このとき、第1XチューブCxaの折り返し部が、常にウエハステージWSTよりも外側(−X側)に張り出し、且つウエハステージWSTが−X側のストロークエンドに位置しても第1チューブトレイ58Aの−X側の端部から外側(−X側)に張り出さないようにチューブCxaの長さ、及び接続装置57aの位置が設定されている。したがって、ウエハステージWSTのX位置に関わらず、計測アーム71A、71B(図2参照)と第1、第2XチューブCxa、Cxbとの接触が防止される。また、第1、第2XチューブCxa、Cxbがそれぞれ第1、第2チューブトレイ58A、58Bから外側に張り出さないので、露光装置100のフットプリントの増大を抑制できる。
図2に戻り、第1接続部60Aは、Y軸方向に延びる板状の部材から成り、第1Yガイド52Aの上方に配置されている。また、第2接続部60Bは、Y軸方向に延びる板状の部材から成り、第2Yガイド52Bの上方に配置されている。第1チューブトレイ58Aは、+X側の端部近傍が第1接続部60Aの+Y側の端部近傍に接続され、−X側の端部近傍が第2接続部60Bの+Y側の端部近傍に接続されている。また、第2チューブトレイ58Bは、+X側の端部近傍が第1接続部60Aの−Y側の端部近傍に接続され、−X側の端部近傍が第2接続部60Bの−Y側の端部近傍に接続されている。これにより、第1及び第2チューブトレイ58A、58B、第1及び第2接続部60A、60Bを含むキャリア本体56は、平面視で矩形枠状に形成されている。第1及び第2チューブトレイ58A、58B、及び第1及び第2接続部60A、60Bは、例えばCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)、あるいはセラミックスなどの材料で形成されており、軽量・高剛性となっている。
第1接続部60Aの下面中央には、Yスライダ61Aが固定されている。Yスライダ61Aは、XZ断面が矩形の箱形の部材から成り、Y軸方向に貫通する貫通穴が形成されている。Yスライダ61Aの上記貫通孔には、第1Yガイド52Aが挿通されている。Yスライダ61Aは、内壁面(第1Yガイド52Aの外壁面に対向する面)に複数のエアベアリング(不図示)を有している。第1接続部60Aは、上記複数のエアベアリングから第1Yガイド52Aに対して噴出される加圧気体(例えば空気)の静圧により、第1Yガイド52Aに沿って非接触状態でY軸方向に直進案内される。
また、第2接続部60Bの下面中央には、Yスライダ61Bが固定されている。第2接続部60Bは、XZ断面逆L字状に形成されており、YZ平面に平行な部分が第2Yガイド52Bの−X側に配置されるように第2Yガイド52Bに係合している。Yスライダ61Bは、第2Yガイド52Bの外壁面に対する対向面に複数のエアベアリング(不図示)を有している。第2接続部60Bは、上記複数のエアベアリングから第2Yガイド52Bに対して噴出される加圧気体(例えば空気)の静圧により、第2Yガイド52Bに沿って非接触状態でY軸方向に直進案内される。
これにより、キャリア本体56が第1、第2Yガイド52A、52Bに沿ってY軸方向に直進案内される。ここで、Yスライダ61BがXZ断面逆L字状に形成されていることから、仮に第1Yガイド52Aと第2Yガイド52Bとの平行度が低下しても、キャリア本体56のY軸方向への直進性を第1Yガイド52Aを基準に確保できる。第1、第2Yガイド52A、52Bは、キャリア本体56(第1及び第2チューブトレイ58A、58Bそれぞれ)の下面と、平面モータ固定子34の上面との間に所定のクリアランス(例えば2mm程度)が形成されるように高さ位置が設定されている。
第1接続部60Aの上面における+Y側の領域には、図4に示されるように、凹部64が形成され、該凹部64内には、空圧機器ユニット66(図1では不図示)の一部が挿入されている。空圧機器ユニット66は、空圧機器(例えば、電磁弁、スピードコントローラなど)、及びマニホールド(それぞれ不図示)を有している。空圧機器ユニット66は、第1XチューブCxaに含まれるチューブのうち、気体用(例えば加圧気体供給用、真空吸引用)のチューブの長手方向中間部に挿入されている。同様に、図2に示されるように、第2接続部60Bの上面における−Y側の領域には、第2XチューブCxb内を通過する気体用の空圧機器ユニット66が設置されている。
図4に戻り、第1接続部60Aの上面における−Y側の領域には、Z軸方向に貫通する貫通孔68が形成されている。貫通孔68には、第1XチューブCxaの長手方向中間部が挿通されている(図2及び図4の破線矢印参照)。貫通孔68を通過した第1XチューブCxaは、第1接続部60Aの下方に向けて曲げられ、図2に示されるように、第1Yガイド52Aの下方に配置された第1YチューブCyaに接続されている。第1YチューブCyaは、平面視でU字状となるように長手方向の中間部が折り曲げられた状態で不図示のYチューブキャリアに保持されており、該Yチューブキャリアは、キャリア本体56のY位置に応じて上記折り曲げ部の位置を変化させることにより第1YチューブCyaを案内する。
また、第2接続部60Bの上面における−Y側の領域にも同様に貫通孔68が形成され、該貫通孔68には、第2XチューブCxbが挿通されている(図2の破線矢印参照)。貫通孔68を通過した第2XチューブCxbは、第2Yガイド52Bの下方に配置された第2YチューブCybに接続されている。第2YチューブCybも上記第1YチューブCyaと同様に、不図示のYチューブキャリアによりキャリア本体56のY位置に応じて案内される。XチューブキャリアXTCで用いられる用力は、第1YチューブCya、及び/又は第2YチューブCybを介してXチューブキャリアXTCに供給される。
Yスライダ61Aの+X側の外側面は、第1Y可動子62Aが固定されている。第1Y可動子62Aは、XZ断面が矩形の箱形の部材から成り、Y軸方向に貫通する貫通穴が形成されている。第1Y可動子62Aの上記貫通穴には、図4に示されるように、第1Y固定子54Aが挿通されている。第1Y可動子62Aは、第1Y固定子54Aが有するコイルユニットに所定のクリアランスを介して対向して配置された磁石ユニット(不図示)を有している。第1Y固定子54Aが有するコイルユニットと、第1Y可動子62Aが有する磁石ユニットとは、ムービングマグネットタイプの第1Yリニアモータ63A(図7参照)を形成している。
図2に戻り、Yスライダ61Bの−X側の外側面には、第2Y可動子62Bが固定されている。第2Y可動子62Bは、上記第1Y可動子62Aと同様な箱形の部材から成り、第2Y固定子54Bが挿通されている。第2Y可動子62Bは、上記第2Y固定子54Bが有するコイルユニットとともに、ムービングマグネットタイプの第2Yリニアモータ63B(図7参照)を形成する磁石ユニット(不図示)を有している。XチューブキャリアXTCでは、第1及び第2Yリニアモータ63A、63Bが同期制御されることにより、キャリア本体56がY軸方向に所定の長ストロークで駆動される。
キャリア本体56のY位置情報は、第1Yリニアエンコーダシステム76Aと第2リニアエンコーダシステム76Bとを含むチューブキャリア位置計測系76(図7参照)により求められる。第1リニアエンコーダシステム76Aは、それぞれ不図示であるが、第1Yガイド52Aに固定されたY軸方向を周期方向とするYリニアスケールと、該Yリニアスケールに対向した状態でYスライダ61Aに固定されたYリニアエンコーダヘッドとを含む。第2リニアエンコーダシステム76Bは、それぞれ不図示であるが、第2Yガイド52Bに固定されたY軸方向を周期方向とするYリニアスケールと、該Yリニアスケールに対向した状態でYスライダ61Bに固定されたYリニアエンコーダヘッドとを含む。なお、第1、第2リニアエンコーダシステム76A、76Bとしては、Yスライダ61A、61B(すなわちキャリア本体56)のY軸方向の絶対位置情報を求めることが可能なアブソリュートタイプのエンコーダヘッドを用いることが好ましい。
第1、第2Yリニアエンコーダシステム76A、76BそれぞれのYリニアエンコーダヘッドの出力は、主制御装置20に出力され、主制御装置20は、該Yリニアエンコーダヘッドの出力に基づいて、第1、第2Yリニアモータ63A、63Bを用いてキャリア本体56がウエハステージWSTと一体的にY軸方向に移動するようにキャリア本体56のY位置を制御する。なお、キャリア本体56をY軸方向に駆動する際に、ウエハステージWSTとキャリア本体56とが接触しないように、ウエハステージWST(あるいはキャリア本体56)にギャップセンサを取り付け、ウエハステージWSTとキャリア本体56との間の間隔を常時計測しても良い。
また、露光装置100は、図6(A)及び図6(B)に示されるように、平面モータ35(図7参照)により駆動される粗動ステージWCSのZ軸方向の移動可能範囲を機械的に制限するZ制限装置96を有している。Z制限装置96は、XチューブキャリアXTCに設けられた凸部96aと、粗動ステージWCSに設けられた一対のローラ96bとを含む。凸部96aは、第1、第2チューブトレイ58A、58B(それぞれ図2参照)の内側面に形成されても良いし、凸部96aを有する別部材を第1、第2チューブトレイ58A、58Bに取り付けても良い。
凸部96aは、粗動ステージWCSのX軸方向の移動可能範囲をカバーできるように、X軸方向に延びて形成される。一対のローラ96bは、凸部96aの+Z側、及び−Z側にそれぞれ配置され、Y軸に平行に延びる軸部96cに回転自在に支持されている。一対のローラ96bそれぞれと凸部96aとは、所定間隔で相互に離間している。一対のローラ96bそれぞれと凸部96aとの間隔は、粗動ステージWCSのZ軸方向に関する所望の移動可能範囲に応じて設定される。なお、本実施形態では、+Z側のローラ96bと凸部96aとの間隔と、−Z側のローラ96bと凸部96aとの間隔とがそれぞれほぼ同じに設定されているが、異なって設定されていても良い。また、一対のローラ96bは、X軸方向に所定間隔で複数組設けられていても良い。
これにより、仮にウエハステージWSTをZ軸方向に駆動するための平面モータ35(図7参照)になんらかのトラブルが発生したとしても、図6(B)に示されるように、凸部96aと一対のローラ96bの一方とが当接し、粗動ステージWCがZ軸方向に関して所望の移動可能範囲を超えることが防止される。したがって、ウエハWと投影光学系PL(あるいはアライメント装置99。それぞれ図1参照)との接触、あるいは粗動ステージWCSと平面モータ固定子34(図1参照)との接触などが防止される。なお、Z制限装置の構成は、XチューブキャリアXTCを用いて粗動ステージWCSのZ軸方向の移動範囲を所望の範囲に設定できれば適宜変更が可能であり、例えば図6(C)及び図6(D)に示されるZ制限装置196のように、XチューブキャリアXTC側に凹部196aが形成され、粗動ステージWCS側に凹部196aに挿入されるローラ196bが設けられても良い。
図2に戻り、計測ステージMSTは、ベース部81、ベース部81の上面における+X側の端部近傍に一対の脚部81aを介して片持ち支持された本体部82、及び本体部82との計測ステージMSTの外部に設置された外部装置との間で用力の伝達を行うXチューブCmxを案内するための計測ステージ用チューブキャリアMTC(以下、単に「チューブキャリアMTC」と称する)を備えている。ベース部81は、平面モータ固定子34が有するコイルユニットと共に、例えば米国特許第6,452,292号明細書に開示されるような、電磁力(ローレンツ力)駆動方式の平面モータ36(図7参照)を構成する磁石ユニット(不図示)を備えており、該平面モータ36を介して、ウエハステージWSTとは独立して6自由度方向に駆動される。ベース部81のXY平面内の位置情報は、不図示の光干渉計システム(あるいは2次元エンコーダシステム)を含む計測ステージ計測系78(図7参照)を用いて主制御装置20により求められる。
本体部82は、直方体状(箱形)の部材から成り、それぞれ不図示であるが、照度むらセンサ、空間像計測器、波面収差計測器、照度モニタなどを含む複数の計測用部材を備えている。また、本体部82は、投影光学系PLの直下に位置したウエハステージWSTに対して計測ステージMSTがY軸方向に関して所定距離以内に近接した状態(以下、スクラム状態と称する)において、前述した送光系(不図示)に対向する受光系(不図示)を有している。これにより、ウエハステージWST上の計測プレートPLTに形成されたスリットパターン(不図示)を透過した照明光IL(図1参照)が上記送光系を介して計測ステージMST内の受光系の受光素子に案内される。
ここで、本体部82は、−Y側の端部がベース部81の−Y側の端部よりも−Y側に突き出して配置されており、上記スクラム状態で、XチューブキャリアXTCの第1チューブトレイ58Aは、本体部82の下方に配置される。また、上記スクラム状態で、計測アーム71Aは、ベース部81と本体部82との間に挿入される。以上説明したような、ウエハステージWSTを介して該計測ステージMSTに照明光IL(図1参照)を送光し、複数の計測用部材を用いて照明光ILの照度むらに関する情報などを求める空間像計測装置45(図7参照)については、例えば米国特許出願公開第2011/0299052号明細書に開示されている。
チューブキャリアMTCは、キャリア本体83、及びXチューブガイド86を有している。キャリア本体83は、第1Xビーム83A、第2Xビーム83B、第1接続部83C、及び第2接続部83Dを有している。第1、第2Xビーム83A、83Bは、それぞれX軸方向に延びる部材から成り、Y軸方向に所定間隔で互いに平行に配置されている。上記ベース部81は、第1、第2Xビーム83A、83B間に配置されている。ベース部81、第1Xビーム83A、第2Xビーム83Bそれぞれの間には、所定のクリアランスが形成されている。
第1、第2Xビーム83A、83Bは、+Y側の端部近傍が第1接続部83Cにより相互に接続され、−Y側の端部近傍が第2接続部83Dにより相互に接続されている。これにより、キャリア本体83は、平面視で矩形枠状に形成されている。第1、第2接続部83C、83Dは、それぞれ平面視矩形の板状部材から成り、第1接続部83Cが第1Yガイド52Aの上方、第2接続部83Dが第2Yガイド52Bの上方にそれぞれ配置されている。第1接続部83Cの下面には、XチューブキャリアXTCのYスライダ61Aと同様の構造、及び機能を有するYスライダ84Aが固定されている。Yスライダ84Aには、第1Yガイド52Aが非接触状態で挿通されている。また、第2接続部83Dの下面にも、Yスライダ61Bと同様の構造、及び機能を有するYスライダ84Bが固定されている。Yスライダ84Bは、第2Yガイド52Bに非接触係合している。
Yスライダ84Aの+X側の外側面には、XチューブキャリアXTCの第1Y可動子62Aと同様の構造、及び機能を有する第1Y可動子85Aが固定されている。また、Yスライダ84Bの−X側の外側面にも、第2Y可動子62Bと同様の構造、及び機能を有する第2Y可動子85Bが固定されている。第1Y可動子85Aは、第1Y固定子54Aが有するコイルユニットとともにムービングマグネットタイプの第3Yリニアモータ63C(図7参照)を構成する磁石ユニット(不図示)を有し、第2Y可動子85Bは、第2Y固定子54Bが有するコイルユニットとともにムービングマグネットタイプの第4Yリニアモータ63D(図7参照)を構成する磁石ユニット(不図示)を有している。第3、第4Yリニアモータ63C、63Dは、上記XチューブキャリアXTCのキャリア本体56をY軸方向に駆動するための第1、第2Yリニアモータ63A、63Bとは相互に独立に制御される。これにより、主制御装置20は、キャリア本体83のY位置をキャリア本体56とは独立に制御することができる。主制御装置20は、キャリア本体83をベース部81と一体的にY軸方向に駆動する。
Xチューブガイド86は、第1Yビーム83Aに下方から支持され、本体部82の+Y側に配置されたXチューブCmxを保持している。XチューブCmxは、平面視でU字状となるように中間部が折り返されて配置され、本体部82のX位置に応じて折り返し部の位置を変化させる。第1接続部83C上の+Y側の領域には、上記XチューブキャリアXTCの第1接続部60Aと同様に、空圧機器ユニット87が搭載されている。空圧機器ユニット87には、XチューブCmxが接続されている。また、第1接続部83C上の−Y側の領域には、及びXチューブCmxが挿通される貫通孔88が形成されている。貫通孔88を通過したXチューブCmaは、第1接続部83Cの下方に向けて曲げられ、第1Yガイド52Aの下方に配置された計測ステージ用YチューブCmy接続されている。
図7には、露光装置100の制御系を中心的に構成し、構成各部を統括制御する主制御装置20の入出力関係を示すブロック図が示されている。主制御装置20は、ワークステーション(又はマイクロコンピュータ)等を含み、露光装置100の構成各部を統括制御する。
次に、露光装置100(図2参照)の動作について説明する。露光装置100では、ウエハテーブルWTBに対するウエハWのローディングが計測ステーション300で行われる。このとき、微動ステージWFS(図3(B)参照)の下方の空間内に計測アーム71Bが挿入され、スケール板S(図3(B)参照)と計測アーム71Bとが対向する。計測ステーション300では、計測側エンコーダシステム74B(図7参照)の出力に基づいてウエハテーブルWTBの位置制御を行いつつ、アライメント装置99が有するプリアライメント系のベースライン計測の一部、及びアライメント装置99を用いたウエハW上のアライメントマークの検出動作がウエハWの位置情報と関連付けられて行われる。上記ベースライン計測動作、アライメント計測結果に基づくEGA(Enhanced Global Alignment)パラメータの算出手法については、例えば米国特許出願公開第2009/0233234号明細書、米国特許第4,780,617号明細書などに開示される従来の手法と同じなので説明を省略する。
次に、主制御装置20は、中間計測システム74C(図7参照)の出力に基づいてウエハステージWSTを露光ステーション200に向けて駆動し、計測プレートPLTが投影光学系PLの直下に位置するように位置決めする。このとき、微動ステージWFS(図3(B)参照)の下方の空間内に計測アーム71Aが挿入され、スケール板S(図3(B)参照)と計測アーム71Aとが対向する。計測ステージMSTは、ウエハステージWSTの+Y側に接近して配置されるように(スクラム状態となるように)予め待機している。以下、主制御装置20は、例えば米国特許出願公開第2002/0041377号明細書などに開示される手法と同様な手法で、投影光学系PLによって投影されたレチクルR(又はレチクルステージRST。それぞれ図1参照)上の計測マークの投影像(空間像)を前述した空間像計測装置45を用いて計測する。以上の作業が終了すると、主制御装置20は、計測ステージMSTを、+X方向かつ+Y方向に駆動して図2に示される位置に退避させる。
以下、主制御装置20は、露光側エンコーダシステム74A(図7参照)の出力に基づいてウエハテーブルWTBの位置制御を行いつつ、ステップ・アンド・スキャン方式の露光を行い、ウエハW上に設定された複数のショット領域にレチクルパターンを順次転写する。この露光動作は、主制御装置20により、事前に行われたウエハアライメント(EGA)の結果(ウエハ上のすべてのショット領域の配列座標)及びアライメント系のベースライン等に基づいて、ウエハW上の各ショット領域の露光のための走査開始位置(加速開始位置)へウエハステージWSTを位置決めするショット間移動と、各ショット領域に対してレチクルRに形成されたパターンを走査露光方式で転写する走査露光と、を繰り返すことにより行われる。
上記ベースライン計測動作、アライメント計測動作、空間像計測動作、及びステップ・アンド・スキャン方式の露光動作中、ウエハステージWSTをY軸方向に駆動する際、主制御装置20は、チューブキャリア位置計測系76(図7参照)の出力に基づいて、第1及び第2リニアモータ63A、63B(図7参照)を用いてキャリア本体56がウエハステージWSTと一体的にY軸方向に移動するようにキャリア本体56のY位置を制御する。これに対し、上記のステップ・アンド・スキャン方式の露光動作中、ウエハステージWSTがX軸方向にのみ移動する際には、主制御装置20は、キャリア本体56を駆動しない。
そして、XチューブキャリアXTCは、ウエハステージWSTがX軸方向への移動(Xステップ動作)を含む動作をする際、図5(A)〜図5(C)に示されるように、第1、第2XチューブCxa、Cxbそれぞれが、その可撓性により第1、第2チューブトレイ58A、58B上で、折り返し部のX位置がウエハステージWSTのX位置に応じて適宜変化するように、該第1、第2XチューブCxa、Cxbをガイドする。
以上説明した本実施形態によると、XチューブキャリアXTCでは、第1Yガイド52A、及び第2Yガイド52B間に架設されたキャリア本体56がウエハステージWSTと一体的にY軸方向に移動するので、ウエハステージWSTのXY平面内の移動を妨げない。また、キャリア本体56は、第1及び第2チューブトレイ58A、58Bが第1及び第2接続部60A、60Bを介して相互に接続され、全体的に矩形の枠状に形成されているため剛性(捻れ剛性、曲げ剛性など)が高い。したがって、高速で安定してチューブを案内することができる。
また、XチューブキャリアXTCは、一対のチューブトレイ(第1及び第2チューブトレイ58A、58B)を有しているので、複数のチューブを2系統に振り分けることができる。これにより、大量のチューブのウエハステージWSTへの接続箇所を2箇所に分散させることができ、接続構造、メンテナンス作業などが簡単になる。また、ウエハステージWSTに対してウエハステージWST外部から伝わる振動(いわゆる外乱)の影響を低減できる。
さらに、第1及び第2XチューブCxa、Cxbそれぞれは、ウエハステージWSTのX位置に関わらず、常に対応するチューブトレイ(第1及び第2チューブトレイ58A、58B)の外側に張り出さないため、露光装置100全体のフットプリントの増加を抑制できる。また、第1及び第2XチューブCxa、Cxbそれぞれは、常に対応するチューブトレイ(第1及び第2チューブトレイ58A、58B)上で変形するので、平面モータ固定子34との摺動も防止される。
また、第1及び第2XチューブCxa、Cxbそれぞれは、互いに反対方向からウエハステージWSTに接続されているので、チューブの弾性(復元力)によりウエハステージWSTに作用する力(いわゆるチューブテンション)が相殺される。したがって、ウエハステージWSTを高精度で位置制御できる。
さらに、第1及び第2XチューブCxa、Cxbそれぞれは、ウエハステージWSTのX位置に関わらず、常に折り返し部がウエハステージWSTの外側に形成されるので、第1XチューブCxaと第1計測アーム71Aとの接触、及び第2XチューブCxbと第2計測アーム71Bとの接触がそれぞれ回避され、ウエハステージWSTの計測精度の低下を防止できる。
なお、上記実施形態の露光装置100の構成は適宜変更が可能である。例えば、上記実施形態のXチューブキャリアXTCにおいて、第2接続部50BとYスライダ61Bとの間に、第2接続部50Bに対するYスライダ61BのX軸方向の相対移動を許容する弾性ヒンジが挿入されていても良い。この場合、上記弾性ヒンジを挿入するため、第2Yガイド52BのZ位置が第1Yガイド52AのZ位置よりも幾分低くなるように構成すると良い。これにより、仮に第1Yガイド52Aと第2Yガイド52Bとの平行度が低下しても、キャリア本体56のY軸方向への直進性を確保できる。この場合、Yスライダ61Bを、61Aと同様な箱形に形成することができる。
また、キャリア本体56において、第1及び第2接続部60A、60Bの一方、あるいは両方が、第1及び第2チューブトレイ58A、58Bにたいして容易に着脱可能に接続されていても良い。この場合、ウエハステージWSTを平面モータ固定子34の上面に沿って、第1及び第2チューブトレイ58A、58B間から外部に搬出することができるので、ウエハステージWSTのメンテナンス作業(例えば交換作業)を容易に行うことができる。また、第1及び第2チューブトレイ58A、58BそれぞれをウエハステージWSTと同期してY軸方向に駆動できれば、第1及び第2接続部60A、60Bの一方、あるいは両方が設けられていなくても良い。また、第1及び第2接続部60A、60Bの一方、あるいは両方の上面のZ位置が、平面モータ固定子34の上面のZ位置より下方となるように配置されていても良い。これらの場合も同様にウエハステージWSTのメンテナンス作業を容易に行うことができる。
また、XチューブキャリアXTCにおいて、第1及び第2接続部60A、60Bそれぞれには、空圧機器ユニット66が設けられたが、これに限られず、第1、第2XチューブCxa、Cxbに含まれるケーブルを流れる電気に関する電気機器(例えば開閉器、変圧器など)、端子台などが設けられても良い。
また、上記実施形態では、図5(A)〜図5(C)に示されるように、第1、第2XチューブCxa、Cxbの折り返し部が常にウエハステージWSTの外側に配置されるように設定されたが、第1、第2XチューブCxa、Cxbと計測アーム71A、72Bとが接触しなければ、必ずしも折り返し部がウエハステージWSTの外側に配置されていなくても良い。また、ウエハステージWSTの位置計測は、必ずしも計測アーム71A、72Bを用いる必要はなく、この場合には、第1、第2XチューブCxa、Cxbの折り返し部が常にウエハステージWSTの内側に形成されても良い。
また、ウエハステージWSTを駆動するための平面モータ35、XチューブキャリアXTCのキャリア本体56を駆動するための第1、第2Yリニアモータ36A、36B、及び計測ステージMSTを駆動するための平面モータ36、チューブキャリアMTCを駆動するための第3、第4Yリニアモータ36C、36Dは、それぞれムービングマグネットタイプであったが、これに限られず、ムービングコイルタイプであっても良い。
また、XチューブキャリアXTCにおいて、キャリア本体56は、第1及び第2Yガイド54A、54Bに対して非接触状態でガイドされる構成であったが、これに限られず、例えば転動体を介して機械的に接触していても良い。
また、照明光ILは、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)に限らず、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であっても良い。例えば米国特許第7,023,610号明細書に開示されているように、真空紫外光としてDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。また、照明光ILの波長は、100nm以上の光に限られず、波長100nm未満の光を用いても良く、例えば、軟X線領域(例えば5〜15nmの波長域)のEUV(Extreme Ultraviolet)光を用いるEUV露光装置にも上記実施形態を適用することができる。その他、電子線又はイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置にも、上記実施形態は適用できる。
さらに、上記実施形態の露光装置における投影光学系は縮小系のみならず等倍及び拡大系のいずれでも良いし、投影光学系PLは屈折系のみならず、反射系及び反射屈折系のいずれでも良いし、この投影像は倒立像及び正立像のいずれでも良い。
また、上記実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスク(レチクル)を用いたが、このレチクルに代えて、例えば米国特許第6,778,257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて、透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスク(可変成形マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれ、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)などを含む)を用いても良い。
さらに、例えば米国特許第8,004,650号明細書に開示されるような、投影光学系と露光対象物体(例えばウエハ)との間に液体(例えば純水)を満たした状態で露光動作を行う、いわゆる液浸露光装置にも上記実施形態は適用することができる。
また、例えば国際公開第2001/035168号に開示されているように、干渉縞をウエハW上に形成することによって、ウエハW上にライン・アンド・スペースパターンを形成する露光装置(リソグラフィシステム)にも上記実施形態を適用することができる。また、ショット領域とショット領域とを合成するステップ・アンド・スティッチ方式の縮小投影露光装置にも上記実施形態は適用することができる。
さらに、例えば米国特許第6,611,316号明細書に開示されているように、2つのレチクルパターンを、投影光学系を介してウエハ上で合成し、1回のスキャン露光によってウエハ上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置にも上記実施形態を適用することができる。
また、上記実施形態でパターンを形成すべき物体(エネルギビームが照射される露光対象の物体)はウエハに限られるものでなく、ガラスプレート、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど他の物体でも良い。
さらに、露光装置の用途としては半導体製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置や、有機EL、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD等)、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも上記実施形態を適用できる。
半導体素子などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態に係る露光装置(パターン形成装置)及びその露光方法によりマスク(レチクル)のパターンをウエハに転写するリソグラフィステップ、露光されたウエハを現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ウエハ上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
以上説明したように、本発明の移動体装置は、移動体を所定の2次元平面に沿って移動させるのに適している。また、本発明の露光装置は、物体に所定のパターンを形成するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、マイクロデバイスの生産に適している。
100…露光装置、34…平面モータ固定子、52A…第1Yガイド、52B…第2Yガイド、56…キャリア本体、58A…第1チューブトレイ、58B…第2チューブトレイ、60A…第1接続部、60B…第2接続部、Cxa…第1Xチューブ、Cxb…第2Xチューブ、W…ウエハ、WST…ウエハステージ、XTC…Xチューブキャリア。
Claims (20)
- ベース部材と、
互いに直交する第1軸及び第2軸を含む2次元平面に沿って前記ベース部材上を移動する移動体と、
前記移動体と該移動体の外部に設けられた外部装置との間での用力の伝達に用いられる複数の用力伝達部材と、
前記移動体の移動に伴って動く前記複数の用力伝達部材を案内する案内装置と、を備え、
前記案内装置は、
前記第1軸に平行な方向に関して前記ベース部材の一側に設けられた第1ガイド部材と、前記第1軸に平行な方向に関して前記ベース部材の他側に設けられた第2ガイド部材とを含むガイド部と、
前記第2軸に平行な方向に関する前記移動体の一側において前記第1及び第2ガイド部材間に架設され、前記移動体に一端が接続された第1用力伝達部材を案内する第1架設部材と、前記第2軸に平行な方向に関する前記移動体の他側において前記第1及び第2ガイド部材間に架設され、前記移動体に一端が接続された第2用力伝達部材を案内する第2架設部材とを含む案内装置本体と、
前記第1及び第2架設部材を前記移動体と一体的に前記第2軸に平行な方向に駆動する駆動系と、を備える移動体装置。 - 前記案内装置本体は、前記第1及び第2架設部材の前記第1軸に平行な方向に関する一側の端部を相互に連結する第1連結部材と、前記第1及び第2架設部材の前記第1軸に平行な方向に関する他側の端部を相互に連結する第2連結部材と、を更に備える請求項1に記載の移動体装置。
- 前記第1連結部材には、前記第1用力伝達部材が挿通される第1開口部が形成され、
前記第2連結部材には、前記第2用力伝達部材が挿通される第2開口部が形成される請求項2に記載の移動体装置。 - 前記用力には流体が含まれ、
前記第1連結部材には、前記第1用力伝達部材を介して前記移動体に伝達される流体に関する制御機器、及び分岐管の少なくとも一方が設けられ、
前記第2連結部材には、前記第2用力伝達部材を介して前記移動体に伝達される流体に関する制御機器、及び分岐管の少なくとも一方が設けられる請求項2又は3に記載の移動体装置。 - 前記第1及び第2ガイド部材と前記ベース部材とは、物理的に分離されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の移動体装置。
- 前記案内装置本体と前記ベース部材とは、物理的に分離されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の移動体装置。
- 前記案内装置本体は、前記第1及び第2ガイド部材に浮上支持される請求項1〜6のいずれか一項に記載の移動体装置。
- 前記移動体は、前記ベース部材に設けられた固定子と、前記移動体に設けられた可動子とを含む平面モータにより前記2次元平面に沿って駆動される請求項1〜7のいずれか一項に記載の移動体装置。
- 前記平面モータは、前記移動体を前記2次元平面に交差する方向に駆動可能に設けられ、
前記移動体は、前記平面モータの推力により前記ベース部材上に浮上した状態で前記2次元平面内に沿って移動する請求項8に記載の移動体装置。 - 前記移動体と前記案内装置本体との前記2次元平面に交差する方向の相対移動を制限する制限装置をさらに有する請求項9に記載の移動体装置。
- 前記制限装置は、前記移動体に設けられた第1要素と、前記案内装置本体に設けられた第2要素とを含み、前記第2要素を用いて前記第1要素の前記2次元平面に交差する方向の移動可能範囲を機械的に設定する請求項10に記載の移動体装置。
- 前記移動体と前記第1及び第2架設部材相互間に所定のクリアランスが形成される請求項1〜11のいずれか一項に記載の移動体装置。
- 前記第1及び第2用力伝達部材は、前記一端を含み前記第1軸に平行な方向に延びる第1部分と、他端を含み前記第1部分と平行に延びる第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間に形成され、前記移動体の前記第1軸に平行な方向への移動に伴って位置が変化する折り返し部とを有する請求項1〜12のいずれか一項に記載の移動体装置。
- 前記第1用力伝達部材の第1部分は、前記移動体の前記第1軸に平行な方向に関する一側の領域に前記一端が接続され、前記第1軸に平行な方向に関して前記移動体から前記一側に延び、
前記第2用力伝達部材の第1部分は、前記移動体の前記第1軸に平行な方向に関する他側の領域に前記一端が接続され、前記第1軸に平行な方向に関して前記移動体から前記他側に延びる請求項13に記載の移動体装置。 - 前記移動体と前記2次元平面に直交する方向の位置が一部重複し、前記移動体に形成された開口部に挿入される計測部材を有し、該計測部材を用いて前記移動体の位置情報を求める位置計測系を更に備え、
前記第1及び第2用力伝達部材の前記折り返し部が、前記移動体の前記第1軸に平行な方向の位置に関わらず前記計測部材に接触しないように前記第1及び第2用力伝達部材の長さが設定される請求項13又は14に記載の移動体装置。 - 前記第1及び第2用力伝達部材の前記折り返し部が前記第1軸に平行な方向に関して前記移動体の外側に形成されるように、前記第1及び第2用力伝達部材の長さが設定される請求項15に記載の移動体装置。
- ベース部材と、
互いに直交する第1軸及び第2軸を含む2次元平面に沿って前記ベース部材上を移動する移動体と、
前記ベース部材に設けられた固定子と、前記移動体に設けられた可動子とを含み、該移動体を前記ベース部材上に浮上した状態で前記2次元平面に沿った方向および前記2次元平面に交差する方向とに駆動可能な平面モータと、
前記移動体と該移動体の外部に設けられた外部装置との間での用力の伝達に用いられる複数の用力伝達部材と、
前記第1軸に平行な方向に関して前記ベース部材の一側に設けられたガイド部材と、
前記移動体の移動に伴って動く前記複数の用力伝達部材を案内し、前記ガイド部材に沿って前記移動体と一体的に前記第2軸に平行な方向に移動する案内部材と、
前記移動体と前記ベース部材との前記2次元平面に交差する方向の相対移動を制限する制限装置と、を備える移動体装置。 - 前記制限装置は、前記移動体に設けられた第1要素と、前記案内部材に設けられた第2要素とを含み、前記第2要素を用いて前記第1要素の前記2次元平面に交差する方向の移動可能範囲を機械的に設定する請求項17に記載の移動体装置。
- 前記移動体に所定の物体が保持される請求項1〜18のいずれか一項に記載の移動体装置と、
前記物体にエネルギビームを用いて所定のパターンを形成するパターン形成装置と、を備える露光装置。 - 請求項19に記載の露光装置を用いて前記物体を露光することと、
露光された前記物体を現像することと、を含むデバイス製造方法。
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JP2012052452A JP2013187432A (ja) | 2012-03-09 | 2012-03-09 | 移動体装置、露光装置、及びデバイス製造方法 |
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JP6990965B2 (ja) | 2016-03-24 | 2022-01-12 | 住友重機械工業株式会社 | 保持具およびステージ装置 |
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- 2012-03-09 JP JP2012052452A patent/JP2013187432A/ja active Pending
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