JP2013187318A - インライン型プラズマcvd装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】成膜チャンバにおける板状電極の熱歪みによる成膜のばらつきを抑制できるインライン型プラズマCVD装置を提供する。
【解決手段】インライン型プラズマCVD装置の成膜チャンバ3内に、グラファイトカーボン製のプレート11上に載置された複数個のSi基板12が装入され、プレート11の下方に配置されたヒータ31により基板12が加熱され、プレート11とプレート11の上方に配置された電極ブロック34との間に放電が生起されて、基板12に成膜される。電極ブロック34は、電極部が水平方向に直交する2方向に分割された9枚のNi電極板340により構成されており、下方が開口した箱状部材341の下方開口部に配置されている。各Ni電極板340は、リブ341aにより連結されている。そして、供給管35から供給された原料ガスを、Ni電極板340の細孔から噴出させる。
【選択図】図3
【解決手段】インライン型プラズマCVD装置の成膜チャンバ3内に、グラファイトカーボン製のプレート11上に載置された複数個のSi基板12が装入され、プレート11の下方に配置されたヒータ31により基板12が加熱され、プレート11とプレート11の上方に配置された電極ブロック34との間に放電が生起されて、基板12に成膜される。電極ブロック34は、電極部が水平方向に直交する2方向に分割された9枚のNi電極板340により構成されており、下方が開口した箱状部材341の下方開口部に配置されている。各Ni電極板340は、リブ341aにより連結されている。そして、供給管35から供給された原料ガスを、Ni電極板340の細孔から噴出させる。
【選択図】図3
Description
本発明は、プレート上の多数の基板をプレートと共にロードチャンバに装入し、真空引きした後、予備加熱チャンバ、成膜チャンバ及びアンロードチャンバに順次移動させ、アンロードチャンバで大気雰囲気にした後、成膜後の基板を回収するインライン型プラズマCVD装置に関し、特に、成膜チャンバにおける板状電極の反り又はうねりによる成膜のばらつきを抑制したインライン型プラズマCVD装置に関する。
プラズマCVD(化学気相成長)装置は、Si基板上にシリコン窒化膜(SiNx膜)を形成して太陽電池用セルを製造する際、及びSi基板上に種々の半導体層を形成して半導体装置を製造する際等において、多用されている。このプラズマCVD装置は、真空中において、基板を例えば500℃に加熱した状態で、基板雰囲気に原料ガスを供給すると共に、電極と基板を載置したプレートとの間にプラズマ放電を生起して、前記原料ガスを電離した後、所定の成分を基板上に堆積させることにより、所望の膜を成膜する。このプラズマCVD装置として、基板を大気中から、ロードチャンバ内に装入し、このロードチャンバ内を真空吸引することにより、基板を真空雰囲気下にし、その後、真空を破ることなく、基板を、予備加熱チャンバから成膜チャンバに移動させ、成膜後の基板をアンロードチャンバに移してこのアンロードチャンバ内を大気下にすることにより、成膜後の基板を取り出すインライン型のプラズマCVD装置が提案されている(特許文献1)。このように、真空を破ることなく、基板の加熱と成膜とを一連の工程で実施できるので、インライン型のプラズマCVD装置は、スループットが高いという利点がある。
しかしながら、上記特許文献1に開示されたインライン型プラズマCVD装置は、以下に示す問題点がある。プラズマCVD膜の成膜品質は、成膜時の基板温度の均一性及び放電の均一性等に強く依存する。例えば、太陽電池のセルを製造する際には、プレート上に多数のSi基板(以下、基板という)を載置し、このプレートを予備加熱チャンバに装入して、基板を加熱する際に、プレート上の全ての基板の温度が一定になり、しかも各基板においても温度が均一になるように加熱することが必要である。そこで、上記特許文献1においては、成膜チャンバ内の基板の下方に平板状のヒータを上下動可能に配置し、効率よく基板を加熱するために、基板トレー(プレート)の裏面面積と略同一の面積を有する抵抗加熱式の平板状ヒータを使用し、この抵抗加熱式の平板状ヒータを上昇させて基板の裏面に接触させた状態で基板を加熱するようになっている。
また、成膜を基板の全面で均一にするために、プレートとの間にプラズマ放電を生起する放電電極は、一般的にプレートと同等の広さのものが使用されている。よって、例えばプレートの大きさが、1500mm×1100mm程度と広く、156mm×156mmの基板を例えば6行9列(54枚)程度まで多数載置できる場合においては、放電電極も、電極部としては、1500mm×1100mm程度の大型の板状電極が使用されている。しかし、このような広い電極を使用した場合、プラズマ放電時の高温により、電極には反り、撓み及びうねり等の熱歪みが生じやすく、発塵の原因となり、また、電極と基板との間の距離が局所的に変化して、基板上への成膜が不均一になりやすいという問題点がある。板状の電極に発生する反り、撓み及びうねり等の熱歪みを解消するためには、板状電極の厚さを例えば5mm程度まで厚くすることが考えられる。しかし、上記のような大型の板状電極を構成した場合、重量が70kgを超える程度まで増大し、電極の製造が難しく、また、このような重量が大きな電極板を成膜チャンバ内に設置するのは困難である。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、成膜チャンバにおける板状電極の熱歪みによる成膜のばらつきを抑制できるインライン型プラズマCVD装置を提供することを目的とする。
本発明に係るインライン型プラズマCVD装置は、内部の大気開放及び真空吸引が可能なロードチャンバ及びアンロードチャンバと、内部の装入物を真空状態で加熱する予備加熱チャンバと、内部の装入物に対し真空状態でプラズマCVDにより成膜する成膜チャンバと、を有し、
複数個の基板を載置したプレートが、前記ロードチャンバで真空雰囲気にされた後、この真空状態を保持したまま、前記予備加熱チャンバに装入されて前記プレート上の基板が加熱され、次いで、真空状態を保持したまま、前記成膜チャンバに装入されて前記プレートと前記プレートの上方に配置された放電電極との間に放電が生起されて、前記プレート上の基板にプラズマCVDにより成膜され、前記アンロードチャンバで真空状態から大気に開放されて、前記プレート上の成膜後の基板が取り出されるインライン型プラズマCVD装置において、
前記放電電極は、下方が開口した箱状の基部と、この基部の下方開口部に配置された平板状の電極部と、前記基部及び電極部に放電ガスを供給するガス供給部と、を有し、
前記電極部は、水平方向の直交する2方向に夫々複数個に分割された個別電極部から構成され、各個別電極部には、前記放電ガスを噴出する細孔が形成されており、
前記放電電極は各前記個別電極部間を連結するリブを有することを特徴とする。
複数個の基板を載置したプレートが、前記ロードチャンバで真空雰囲気にされた後、この真空状態を保持したまま、前記予備加熱チャンバに装入されて前記プレート上の基板が加熱され、次いで、真空状態を保持したまま、前記成膜チャンバに装入されて前記プレートと前記プレートの上方に配置された放電電極との間に放電が生起されて、前記プレート上の基板にプラズマCVDにより成膜され、前記アンロードチャンバで真空状態から大気に開放されて、前記プレート上の成膜後の基板が取り出されるインライン型プラズマCVD装置において、
前記放電電極は、下方が開口した箱状の基部と、この基部の下方開口部に配置された平板状の電極部と、前記基部及び電極部に放電ガスを供給するガス供給部と、を有し、
前記電極部は、水平方向の直交する2方向に夫々複数個に分割された個別電極部から構成され、各個別電極部には、前記放電ガスを噴出する細孔が形成されており、
前記放電電極は各前記個別電極部間を連結するリブを有することを特徴とする。
上記インライン型プラズマCVD装置において、前記放電電極は、前記基部の内部上面と前記個別電極部との間に介在するように設置された複数個のスペーサを有することが好ましい。また、前記リブには、前記各個別電極部に対応するガス室間を連通させる切り欠きが設けられていることが好ましい。
本発明に係るインライン型プラズマCVD装置において、例えば前記電極部は、水平方向の直交する2方向に、例えば、1500mm×1000mmのサイズでは、夫々3枚、合計9枚の個別電極部を有する。
本発明においては、プレートとの間に放電が生起される放電電極は、箱状の基部の下方開口部に配置された平板状の電極部が、水平方向の直交する2方向に夫々複数個に分割された個別電極部から構成されており、この複数個の個別電極部間はリブにより連結されている。よって、高温時に各個別電極部に生じる反り、撓み及びうねり等の熱歪みが抑制され、製造される太陽電池セル等の品質にばらつきが生じることを防止できる。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1に示すように、インライン型プラズマCVD装置は、成膜対象物を、大気下でロードチャンバ1内に装入し、内部を密閉した後、ロードチャンバ1内を真空吸引して、成膜対象物を真空状態にする。その後、この成膜対象物を真空状態を破壊せずにそのまま予備加熱チャンバ2に移動させて装入し、予備加熱チャンバ2内で、成膜対象物を加熱し、Si基板上にSiN膜を成膜する場合は、予備加熱チャンバ2内で基板を500℃程度に加熱する。
その後、真空状態を保持したまま、成膜対象物を呼び加熱チャンバ2から成膜チャンバ3内に移動させて装入し、この成膜チャンバ3内で、チャンバ内に成膜ガスを供給すると共に、成膜対象物を加熱しつつ、成膜対象物と電極との間にプラズマ放電を生起して、成膜ガスを電離させる。これにより、所望の膜が基板等の成膜対象物上に堆積する。その後、真空状態を保持したまま、成膜後の成膜対象物を成膜チャンバ3からアンロードチャンバ4に移動させて装入し、アンロードチャンバ4と成膜チャンバ3との間を遮断した後、アンロードチャンバ4を大気圧に開放し、成膜後の成膜対象物を取り出す。このようにして、インライン型のプラズマCVD装置においては、真空を破ることなく、基板の加熱と成膜とを一連の工程で実施する。
予備加熱チャンバ2内において、図4に示すように、例えば、グラファイトカーボン製のプレート11上に、例えば、太陽電池のセルを構成する複数個のSi基板12が載置されている。このプレート11は、例えば、1500mm×1100mm程度の大きさを有し、このプレート11の上に、例えば、156mm×156mmの大きさのSi基板12が例えば6行9列等の行列位置に等間隔等の一定の規則の下に載置されている。
プレート11はローラ13上で予備加熱チャンバ2内に搬送されてくる。そして、予備加熱チャンバ2内の所定の位置に停止したプレート11の上方には、その長手方向が紙面に垂直の方向になるように配列された複数本の上部ランプヒータ14が配置されており、プレート11の下方には、その長手方向が紙面に平行の方向になるように配列された複数本の下部ランプヒータ15が配置されている。これらの上部ランプヒータ14及び下部ランプヒータ15と、プレート11上の基板12との間の距離は、例えば、40乃至50mmである。また、ランプヒータ14,15は例えば赤外線ランプヒータであり、その直径は例えば15mmである。ランプヒータ14,15の長さは、予備加熱チャンバ2の内部の大きさ又はプレート11の大きさにより決まるが、その配置密度は、上部ランプヒータ14の方が、下部ランプヒータ15よりも密である。上部ランプヒータ14及び下部ランプヒータ15の本数は、加熱の到達温度及びその温度分布の均一性のレベルにより異なり、適宜設定することができる。
図5には、上部ランプヒータ14を実線で示し、下部ランプヒータ15を破線にて示す。この図5に示すように、上部ランプヒータ14は例えば3個の群(2点鎖線にて示す)に分かれて、各群毎に端子16に並列に接続され、端子16からリード17により電源装置に接続されている。これにより、上部ランプヒータ14は、3群に分かれて、各群毎に、電流を調節して温度制御される。また、下部ランプヒータ15も、例えば3個の群(2点鎖線似て示す)に分かれて、各群毎に端子18に並列に接続され、端子18からリード19により電源装置に接続されている。これにより、下部ランプヒータ15は、3群に分かれて、各群毎に、電流を調節して温度制御される。これらの上部ランプヒータ14及び下部ランプヒータ15の温度制御は、プレート11上で均一な温度分布が得られるように、各群ごとに電流を調節、設定して行われる。
予備加熱チャンバ2内で予備加熱されたプレート11は、ローラ13上で各チャンバ間を搬送されてくる。そして、成膜チャンバ3内の所定の位置に停止したプレート11の上方には、プラズマCVD用の電極ブロック34が配置されており、プレート11の下方には、基板12が載置されたプレート11を加熱するヒータ31が配置されている。
図3(a)に示すように、電極ブロック34は、下方に開口し内部上面から下方に延出して碁盤の目状のリブ341aが形成された箱状部材341、及び9枚のNi電極板340(本発明の個別電極)により構成されており、図3(b)に示すように、3枚のNi電極板340が行方向に配置されて1電極群が構成され、この電極群が、プレートの中央部及び両側部に夫々対応するように、列方向に3列配列されている。箱状部材341は、その外縁及びリブ341aの下端を基端として、夫々水平方向に延出する延出部341bが形成されており、この各延出部341bにNi電極板340の縁部が下方から支持されている。よって、図3(b)に示すように、箱状部材341の開口が9枚のNi電極板340により覆われ、箱状部材341の内面とNi電極板340の上面との間には空間が形成され、この空間が4本のリブ341aにより仕切られて9個の空間が形成されている。この各空間は、成膜の原料ガスが供給されるガス室となる。そして、電極ブロック34の上面には、プラズマCVDによる成膜原料のガスを供給する供給管35が、中央のガス室に連通して接続されており、成膜時に、供給管35から前記内部空間へとアンモニア及びモノシランの混合ガスが供給される。各リブ341の上部には、隣接するガス室間を連通させる切り欠きが設けられており、リブ341aに仕切られた中央のガス室から、リブ341aの切り欠きを介して、各ガス室へと原料ガスが導入される。隣接するNi電極板340同士を連結するリブ341aとNi電極板340との間の隙間は、各Ni電極板340から原料ガスが均一に噴出される範囲内で、必要に応じて、封止剤により封止され、気密性が確保されている。例えば隣接するNi電極板340間に隙間が形成されるようなリブ形状の場合、Ni電極板340間の隙間から原料ガスが多量に漏洩し、基板12への成膜が不均一になりやすい。よって、隣接するNi電極板340の縁部が、リブ341aにより、全体にわたって連結されていることが好ましく、両者間に隙間が形成される場合には、この隙間は封止材により封止されていることが好ましい。なお、図3(a)においては、電極ブロック34の内部構造の理解を容易にするために、箱状部材341の1側面を取り除いた状態を図示している。
図3(a)及び図3(b)に示すように、各ガス室には、箱状部材341の内部上面から下方に延出するように、円柱状のボス341cが夫々4箇所ずつ設けられており、各ボス341cには、Ni電極板340を固定するためのネジが下方から螺合される。よって、ボス341cは、Ni電極板340の上面に接触してスペーサとして作用するため、Ni電極板340の表面が上方に撓むのを防止できる。なお、本実施形態においては、スペーサは、箱状部材341の内面に一体的に設けられていても、別体的に設けられたスペーサが箱状部材341の内部上面に固定されていてもよい。
図3(c)に上記1枚のNi電極板340(個別電極)を示す。各Ni電極板340の大きさは、例えば500mm×370mmである。よって、9枚のNi電極板340を3行3列配置したときに、電極として作用する部分の広さは、1500mm×1100mmのプレート11と同等となる。各Ni電極板340の表面には、図3(d)に示すように、例えば1.5mm以下の径の細孔340aが、例えば10mm間隔で設けられており、各ガス室に供給された原料ガスをこの細孔340aから下方に噴出できるように構成されている。
このように、本実施形態においては、プレート11の大きさに対応させて設けられる大型の電極部が、9枚に分割されたNi電極板340(個別電極)により構成されており、各Ni電極板340の縁部は、箱状部材341の外縁及びリブ341aの下端を基端として水平方向に延出する延出部341bにより、下方から安定的に支持されている。よって、高温時に各Ni電極板340に発生する反り、撓み及びうねり等の熱歪みは小さくなる。また、本実施形態のように、Ni電極板340の上面に接触するボス341cを設けることにより、ボス341cがスペーサとして作用し、Ni電極板340の上方への撓みも防止でき、高温時にNi電極板340に発生する熱歪みを更に抑制できる。よって、基板上への成膜の均一性を向上させることができる。なお、本発明においては、電極板の分割数は、9枚に限らず、水平方向の直交する2方向に複数個に分割されていればよく、電極板の材質もNiに限定されない。
また、本実施形態のように、放電電極の電極部を複数枚に分割することにより、電極板の板厚を厚くした場合においても、1枚あたりの個別電極の重量は小さく、電極板の製造及び設置が容易になる。例えば、本実施形態のように、個別基板をNiにより構成した場合、厚さが5mm程度まで厚くしても、その重量を8kg程度まで小さくできる。
図2に示すように、ヒータ31に電力を供給する電源は、成膜チャンバ3の外部に設けられており、電源からヒータ31に電力を供給するリード32が、所定の気密部材を介して、成膜チャンバ3内に引き込まれて、ヒータ31に接続されている。また、ヒータ31は、その下方に設けられた昇降装置38により、上下動可能に構成されている。即ち、図6に示すように、ヒータ31は、成膜チャンバ3の下壁を気密的に挿通する支持部材38aの上端部に支持されており、支持部材38aを上下動することにより、ヒータ31は成膜チャンバ3内で上下動することができる。なお、図2,6に示す符号42は、支持部材38aの上下動を気密下で行うためのジャバラである。成膜チャンバ3を挿通する支持部材38は成膜チャンバ3の下面に設けられたジャバラ42により、成膜チャンバ3内の真空が破壊されないようにして、上下動することができる。
ヒータ31の上下動に伴い、成膜チャンバ3内におけるリード32の長さが変化する。本実施形態においては、図6に示すように、成膜チャンバ3の下壁を挿通するようにして、筒部材40が上下動可能に設置されており、この筒部材40は、成膜チャンバ3内に設けられたベローズ39に取り囲まれていて、成膜チャンバ3内の空間の真空状態が、この筒部材40の外面と成膜チャンバ3との間で破壊されることがないようになっている。そして、筒部材40の内部には、封止部材41が気密的に嵌入されており、この封止部材41内を外部に接続されたリード32が挿通するようになっている。これにより、成膜チャンバ3内の真空状態は、ベローズ39及び封止部材41により保持されており、ヒータ31の上下動に伴って、ベローズ39が伸縮する。また、リード32はヒータ31に接続されている。
図2(a)に示すように、プレート11及び基板12が成膜チャンバ3内に搬送されてきた時点では、プレート11とヒータ31とは離隔しているが、ヒータ31が昇降装置38により上昇されることにより、ヒータ31の上面は、プレート11に近づき、やがて、プレート11に接触する。そして、図2(b)に示すように、ヒータ31の上面でプレート11の下面を支持し、プレート11上の基板12を電極ブロック34へと近づける。このように、ヒータ31がプレート11の下面に直接接触していることにより、ヒータ31とプレート11との間に空気が介在しなくなり、ヒータ31による伝熱効率を高めることができる。
本実施形態においては、図2に示すように、電極ブロック34の各電極板は、成膜チャンバ3の外部に設けられた電源36にリード37により接続されており、電源36の逆側の電極は、成膜チャンバ3内に引き込まれて、プレート11の上方に配置されている。そして、昇降装置38により、ヒータ31が上昇され、ヒータ31の上面がプレート11の下面を支持した状態で、プレート11上の基板12を電極ブロック34へと近づけていくことにより、プレート11が成膜チャンバ3内に設置された対向電極に接触し、プレート11に給電され、電極ブロック34とプレート11との間に放電が生起されて、基板12上に所定のプラズマCVD膜を形成するように構成されている。このとき、電極ブロック34とプレート11との間の距離は、例えば40mmである。
以上のように構成された加熱プレート31により、プレート11上の基板12は、所定の設定温度に均一に加熱され、その温度を所定温度に保持しつつ、供給管35から各ガス室に原料ガスを供給し、前記各Ni電極板340の表面の細孔340aから原料ガスを噴出する。これにより、プレート11と各Ni電極板340との間でプラズマ放電を生起して、成膜チャンバ3内に供給された原料ガスの電離により、基板12上に例えばSiN膜が形成される。
次に、上述の如く構成されたインライン型プラズマCVD装置の動作について説明する。プラズマCVD装置において、成膜品質の向上は、成膜時の基板温度の均一性及び放電の均一性等に強く依存する。本実施形態においては、予備加熱チャンバ2内で、プレート11上の基板12は、その上方から上部ランプヒータ14により加熱され、その下方から下部ランプヒータ15により加熱されるが、適長間隔をおいて配置されたランプヒータによる加熱は、プレートの表面に平行な方向に波状に変動することは回避できないものの、本発明においては、上部ランプヒータ14による波状温度分布と、下部ランプヒータ15により波状温度分布とは、その変化の方向が直交しているので、相互に、温度分布の変動を打ち消し合う。これにより、プレート11上の基板12は、プレート11上の載置位置に拘わらず、均一な加熱を受け、基板12間の温度変化は極めて小さい。また、各基板12内における温度分布も極めて小さい。
予備加熱チャンバ内で、例えば400乃至500℃の所定の設定温度に均一に加熱されたプレート11上の基板12は、成膜チャンバ3に移送されてくる。そして、図2(a)に示すように、電極ブロック34の下方に搬送される。そして、ヒータ31により、プレート11上の基板12は、プレート11を介して下方から加熱される。本実施形態においては、ヒータ31が、その両側部に夫々配置された第1シーズヒータ部31a及び第3シーズヒータ部31c、並びに中央部に配置された第2シーズヒータ部31bを有し、第1及び第3シーズヒータ部31a,31cと第2シーズヒータ部31bとが、異なる電源系統に接続されており、両側部の第1及び第3シーズヒータ部31a,31cは、中央部の第2シーズヒータ部31bよりも抵抗発熱線が密に配置されているため、プレート11の搬送方向に直交する方向において、プレート11上の基板を均一に加熱することができる。また、ヒータ31が第1シーズヒータ部31a、第2シーズヒータ部31b及び第3シーズヒータ部31cが配列された方向に垂直の方向に3基設置されており、プレート11を搬送方向に分割して加熱するため、プレートの搬送方向においてもプレート11上の基板を均一に加熱することができる。
そして、昇降装置38によりヒータ31が上昇され、電極ブロック34から原料ガスを供給しながら電極ブロック34のNi板電極とプレート11との間にプラズマ放電を生起し、原料ガスを電離した後、所定の成分を基板12上に堆積させる。プレート11の大きさに対応させて、大型の1枚の板状電極を設けた場合においては、この成膜時の高温により、電極板に反り、撓み及びうねり等の熱歪みが発生しやすく、電極と基板との間の距離が局所的に変化し、これにより、基板上への成膜が不均一になりやすい。しかし、本実施形態においては、1枚の大型電極に代えて、電極部は、9枚に分割されたNi電極板340(個別電極)により構成されており、各Ni電極板340の縁部は、延出部341bにより、下方から安定的に支持されているため、各Ni電極板340に発生する熱歪みは小さくなる。また、各Ni電極板340が固定されるボス341cは、Ni電極板340の上面に接触してスペーサとして作用し、Ni電極板340の上方への撓みが防止でき、高温時にNi電極板340に発生する熱歪みを更に抑制できる。また、隣接するNi電極板340の縁部が、リブ341aにより、全体にわたって連結されていることにより、リブ341aとNi電極板340との間及び隣接するNi電極板340間には、必要以上の隙間が形成されていないため、又は封止材により封止されて気密性が確保されているため、電極部を複数個に分割した場合においても、細孔340aからの原料ガスの噴出が原料ガスの漏洩により不均一になることを防止できる。よって、SiN膜等の所望の膜を均一に形成することができると共に、その成膜品質を向上させることができる。
また、放電電極の電極部が複数個に分割されているため、電極板の反り及びうねりを防止するために電極板の板厚を厚くした場合においても、1枚あたりの重量を小さくでき、電極板を容易に製造でき、成膜チャンバ内への設置も容易である。例えば1枚あたり8kgの電極板は、一人の作業員が手作業で設置することができる。
1:ロードチャンバ、2:予備加熱チャンバ、3:成膜チャンバ、4:アンロードチャンバ、11:プレート(グラファイトカーボン製)、12:基板(Si基板)、13:プーリ、14:上部ランプヒータ、15:下部ランプヒータ、16,18:端子、17,19:リード、31:ヒータ、31a:第1シーズヒータ部、31b:第2シーズヒータ部、310:Ni板、311:インコネルシーズヒータ、312:スペーサ、32:リード、33:電源、34:電極ブロック、340:Ni電極板、341:箱状部材、341a:リブ、341b:延出部、341c:ボス、35:供給管、36:電源、37:リード、38:昇降装置、39:ベローズ
Claims (4)
- 内部の大気開放及び真空吸引が可能なロードチャンバ及びアンロードチャンバと、内部の装入物を真空状態で加熱する予備加熱チャンバと、内部の装入物に対し真空状態でプラズマCVDにより成膜する成膜チャンバと、を有し、
複数個の基板を載置したプレートが、前記ロードチャンバで真空雰囲気にされた後、この真空状態を保持したまま、前記予備加熱チャンバに装入されて前記プレート上の基板が加熱され、次いで、真空状態を保持したまま、前記成膜チャンバに装入されて前記プレートと前記プレートの上方に配置された放電電極との間に放電が生起されて、前記プレート上の基板にプラズマCVDにより成膜され、前記アンロードチャンバで真空状態から大気に開放されて、前記プレート上の成膜後の基板が取り出されるインライン型プラズマCVD装置において、
前記放電電極は、下方が開口した箱状の基部と、この基部の下方開口部に配置された平板状の電極部と、前記基部及び電極部に放電ガスを供給するガス供給部と、を有し、
前記電極部は、水平方向の直交する2方向に夫々複数個に分割された個別電極部から構成され、各個別電極部には、前記放電ガスを噴出する細孔が形成されており、
前記放電電極は各前記個別電極部間を連結するリブを有することを特徴とするインライン型プラズマCVD装置。 - 前記放電電極は、前記基部の内部上面と前記個別電極部との間に介在するように設置された複数個のスペーサを有することを特徴とする請求項1に記載のインライン型プラズマCVD装置。
- 前記リブには、前記各個別電極部に対応するガス室間を連通させる切り欠きが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインライン型プラズマCVD装置。
- 前記電極部は、水平方向の直交する2方向に夫々3枚、合計9枚の個別電極部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項にインライン型プラズマCVD装置。
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2012
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