JP2013187265A - カルコパイライト型太陽電池素子におけるバッファ層の製造方法 - Google Patents

カルコパイライト型太陽電池素子におけるバッファ層の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光照射効果を実質的にもたないカルコパイライト型太陽電池用素子を与えるバッファ層の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明によれば、基板上に裏面電極とカルコパイライト化合物半導体層とバッファ層と透明電極をこの順序に積層してなる積層体を含むカルコパイライト型太陽電池素子における上記バッファ層の製造方法において、水とクエン酸ナトリウムのような錯形成剤0.35〜0.50Mと亜鉛源とアンモニアを含む処理液にカルコパイライト化合物半導体層を形成した基板を浸漬し、次いで、上記基板を浸漬したまま、処理液を70〜95℃の範囲の温度に加熱し、この処理液に硫黄源を加え、溶解させ、この後、基板を処理液から取り出し、乾燥することを特徴とするバッファ層の製造方法が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、カルコパイライト型太陽電池素子におけるバッファ層の製造方法に関する。本発明の方法によって形成したバッファ層を備えたカルコパイライト型太陽電池素子は、光照射効果を実質的にもたない。
近年、太陽電池の分野において、光吸収層、即ち、光電変換層としてカルコパイライト化合物半導体層を有するカルコパイライト型太陽電池が光電変換効率にすぐれるほか、種々の利点を有することから、着目され、現在、実用化が拡大しつつある。
このようなカルコパイライト型太陽電池は、基板上に裏面電極とp型半導体であるカルコパイライト化合物半導体層とバッファ層(通常、n型)と窓層(高抵抗層)と透明電極がこの順序で積層されてなる積層体を含んでおり、上記バッファ層がキャリアの再結合防止、バンド不連続や格子の整合等を目的として設けられている。
従来、このようなバッファ層には、硫化カドミウム層や硫化インジウム等が用いられていた(特許文献1参照)。しかし、カドミウムは人体に有害であり、一方、インジウムは資源の枯渇が懸念されている現状にあって、人体に無害であり、資源が比較的豊富に存在する亜鉛を含む混晶、即ち、硫化亜鉛と酸化亜鉛と(場合によっては、水酸化亜鉛と)の混晶が、近年、バッファ層として好ましく用いられている。
このような亜鉛を含む混晶からなるバッファ層は、例えば、カルコパイライト化合物半導体層を形成した基板を亜鉛源と硫黄源と錯形成剤とアンモニアを含む処理液に浸漬して、化学溶液成長法によって、上記カルコパイライト化合物半導体層の上に製膜することが提案されている(特許文献2参照)。
ここに、光吸収層として上述したようなカルコパイライト化合物半導体のようなp型半導体層を用いてなる太陽電池は、これを製造した後、保管する間に光電変換効率が低下するが、このように性能が低下した太陽電池に光照射することによって、変換効率が回復する所謂光照射効果を有することが知られている。しかし、上述したような従来のカルコパイライト型太陽電池は、このように光照射効果を有するために、太陽電池の製造後、光照射前は、所定の特性を備えているか否かを正確に評価することが困難である(特許文献1参照)。
そこで、カルコパイライト型太陽電池素子の再現性と歩留まりを向上させるために、太陽電池の製造後、人工光を照射して、光電変換効率を向上させる処理がカルコパイライト型太陽電池の製造工程として取り込まれている。しかし、このような人工光の照射処理は、一方において、太陽電池の製造工程を増やして、製造費用を増大させる一因となっており、かくして、製造後に光電変換効率が低下しないカルコパイライト型太陽電池、換言すれば、光照射効果をもたないカルコパイライト型太陽電池素子の開発が強く要望されている。
特開2005−333080号公報 特開2011−100965号公報
本発明は、上述したような従来のカルコパイライト型太陽電池素子における問題を解決して、光照射効果を実質的にもたないカルコパイライト型太陽電池用素子を与えるバッファ層の製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、基板上に裏面電極とカルコパイライト化合物半導体層とバッファ層と透明電極をこの順序に積層してなる積層体を含むカルコパイライト型太陽電池素子における上記バッファ層の製造方法において、水と(a)クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム及びエチレンジアミン四酢酸ナトリウムから選ばれる少なくとも一種の錯形成剤0.35〜0.50Mと(b)亜鉛源と(c)アンモニア及びアンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種を含む処理液にカルコパイライト化合物半導体層を形成した基板を浸漬し、次いで、上記基板を上記処理液に浸漬したまま、上記処理液を70〜95℃の範囲の温度に加熱し、この処理液に(d)硫黄源を加え、溶解させ、この後、基板を処理液から取り出し、乾燥することを特徴とするカルコパイライト型太陽電池素子におけるバッファ層の製造方法が提供される。
本発明の方法によって得られるバッファ層を備えたカルコパイライト型太陽電池素子には、実質的に光照射効果がなく、よって、カルコパイライト型太陽電池の製造において、光照射工程を設ける必要がなく、その生産効率を高めることができる。
カルコパイライト型太陽電池素子の一例を示す断面図である。 本発明の方法によって得られたカルコパイライト型太陽電池素子の一例のバッファ層を含む電子顕微鏡STEM像である。
本発明は、基板上に裏面電極とカルコパイライト化合物半導体層とバッファ層と透明電極をこの順序に積層してなる積層体を含むカルコパイライト型太陽電池素子における上記バッファ層の製造方法において、水と(a)クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム及びエチレンジアミン四酢酸ナトリウムから選ばれる少なくとも一種の錯形成剤0.35〜0.50Mと(b)亜鉛源と(c)アンモニア及びアンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種(以下、特に断らない限り、アンモニアで代表させることとする。)を含む処理液にカルコパイライト化合物半導体層を形成した基板を、通常、常温にて浸漬し、次いで、上記基板を浸漬したまま、処理液を70〜95℃の範囲の温度に加熱し、この処理液に(d)硫黄源を加え、溶解させ、この後、基板を処理液から取り出し、乾燥して、バッファ層を形成する。
本発明において、処理液における上記亜鉛源は、水溶性の亜鉛化合物であれば、特に限定されるものではないが、好ましくは、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛及び酢酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種である。処理液における上記亜鉛源の濃度は、特に制限されるものではないが、通常、0.001〜0.5Mの範囲である。
硫黄源も、水溶性の硫黄化合物であれば、特に限定されるものではないが、好ましくは、チオ尿素及びチオアセトアミドから選ばれる少なくとも1種であり、特に、チオ尿素が好ましく用いられる。また処理液における上記硫黄源の濃度も、特に制限されるものではないが、通常、0.01〜1.0Mの範囲である。
錯形成剤は、本発明の方法において、亜鉛イオンに錯体を形成させて、カルコパイライト化合物半導体層上に亜鉛を含む混晶からなるバッファ層の形成を容易にする機能を有し、本発明においては、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム及びエチレンジアミン四酢酸ナトリウムから選ばれる少なくとも一種が用いられるが、なかでも、クエン酸ナトリウムが好ましく用いられる。
本発明によれば、最も重要な特徴として、処理液における上記錯形成剤の濃度は、0.35M以上であり、好ましくは、0.40〜0.50Mの範囲である。本発明によれば、このように、処理液における錯形成剤の濃度を0.35M以上として、カルコパイライト化合物半導体層上にバッファ層を薄膜として製膜することによって、得られるカルコパイライト型太陽電池素子に光照射効果を実質的にもたないようにすることができる。
錯形成剤の濃度が0.35Mよりも小さいときは、バッファ層の形成速度が速すぎ、バッファ層の厚みを制御することが困難となって、均一な薄膜からなるバッファ層を製膜することができない。しかし、錯形成剤の濃度が0.50Mよりも大きいときは、反応速度が遅くなり、バッファ層の製膜自体が困難となる。
更に、本発明において、処理液は、pH調整剤及び錯形成剤としてアンモニアを含み、処理液における濃度は、好ましくは、0.001〜0.40Mの範囲であり、好ましくは
、0.1〜0.40Mの範囲である。アンモニウム塩としては、例えば、水酸化アンモニウム等が用いられる。
本発明においては、第1段階の処理として、基板上に裏面電極とカルコパイライト化合物半導体層を形成した後、水と錯形成剤と亜鉛源とアンモニアを含む処理液に上記基板を、通常、常温にて浸漬し、次いで、上記基板を上記処理液に浸漬したまま、上記処理液を70〜95℃の範囲の温度に加熱し、次いで、第2段階の処理として、この処理液に硫黄源を加え、溶解させ、かくして、硫黄源を溶解させた処理液に基板をそのまま、浸漬した後、基板を処理液から取り出し、乾燥して、バッファ層を形成する。
本発明によれば、このように、バッファ層の形成に際して、2段階処理によるので、均一なバッファ層を形成することができ、よって、特性にすぐれるカルコパイライト型太陽電池素子を得ることができる。
上記浸漬工程において、処理温度が70℃よりも低いときは、反応速度が遅く、バッファ層が実用的な速度で成長しない。しかし、処理温度が95℃よりも高いときは、基板を処理する間に処理液中で気泡が多く発生して、カルコパイライト化合物半導体層上で成長しているバッファ層に付着するので、均一なバッファ層を得ることが困難となる。処理温度は、好ましくは、75〜90℃の範囲である。後段の浸漬工程における浸漬時間は、処理温度にもよるが、通常、硫黄源を加えてから、1〜60分間である。 本発明によれば、このようにして、亜鉛を含む混晶からなるバッファ層をカルコパイライト化合物半導体層上に製膜することができる。バッファ層の厚さは、通常、1〜50nmの範囲であり、好ましくは、5nm以上で、10nm未満、より好ましくは、8nm以下の範囲である。
本発明によれば、このようにして、カルコパイライト化合物半導体層の上にバッファ層を形成することによって、得られるカルコパイライト型太陽電池素子は、実質的に光照射効果をもたず、従って、カルコパイライト型太陽電池の製造において、従来、必要とされていた光照射工程を必要とせず、従って、カルコパイライト型太陽電池の生産効率を高めることができる。
本発明において、カルコパイライト型太陽電池素子は、従来からよく知られているものと同じであってよい。図1は、そのような従来からよく知られているカルコパイライト型太陽電池素子の一例を示す。即ち、カルコパイライト型太陽電池素子は、基板1上に裏面電極2とカルコパイライト化合物半導体層からなる光吸収層3とバッファ層4と窓層5と透明電極6をこの順序に積層してなる積層体を有する。窓層5は省略されてもよい。この場合には、バッファ層は、光吸収層と透明電極との間に形成される。このような太陽電池素子から電流を取り出すために、裏面電極にリード電極7が取り付けられていると共に、透明電極にグリッド電極8が取り付けられている。
基板としては、例えば、ソーダライムガラスが用いられるが、しかし、これに限定されるものではない。この基板上にはモリブデン、クロム、タングステン又はこれらの2種以上の組み合わせからなり、好ましくは、モリブデンからなる裏面電極が設けられる。このような電極は、例えば、スパッタリング法によって、通常、200〜1000nmの厚みに製膜される。
本発明によるカルコパイライト型太陽電池素子において、光吸収層であるカルコパイライト化合物半導体層は、p型半導体層であって、周期律表第11族元素と第13族元素と第16族元素とからなる所謂CIS又はCIGSからなり、ここに、好ましくは、上記第11族元素はCuとAgから選ばれる少なくとも1種であり、上記第13族元素はAl、Ga及びInから選ばれる少なくとも1種であり、上記第16族元素はS、Se及びTeから選ばれる少なくとも1種である。
従って、このようなカルコパイライト化合物半導体の具体例としては、例えば、CuAlS、CuGaS、CuInS、CuAlSe、CuGaSe、AgAlS、AgGaS、AgInS、AgAlSe、AgGaSe、AgInSe、AgAlTe、AgGaTe、AgInTe、Cu(In,Al)Se、Cu(In,Ga)(S,Se)、一般式Cu1−zIn1−xGaSe2−y(式中、0≦x≦1、0≦y≦2、0≦z≦1)で表される化合物、Ag(In,Ga)Se、Ag(In,Ga)(S,Se)等を挙げることができる。ここに、上記一般式で表される化合物は、x=0であるとき、CISであり、x>0のとき,CIGSである。
このようなカルコパイライト化合物半導体からなる光吸収層の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、1.0〜3.0μmの範囲であり、好ましくは、1.5〜2.0μmの範囲である。
本発明によれば、このようなカルコパイライト化合物半導体層上に前記バッファ層が化学溶液成長法によって製膜される。バッファ層の導電型は、特に制限されるものではないが、通常、n型である。
上記バッファ層の上には、通常、窓層が設けられる。この窓層は光を取り込む中間層であって、例えば、厚さ10nmから2μm、好ましくは、15〜200nmの高抵抗を有する酸化亜鉛からなる。
透明電極は、光を取り込むと共に、裏面電極と対になって、光吸収層で生成された電流が流れる電極として機能する層である。透明電極は、特に、制限されるものではないが、例えば、ホウ素をドープしたn型酸化亜鉛からなることが好ましく、厚さは、通常、50nmから2.0μmの範囲である。
透明電極の上にはグリッド電極とも呼ばれるリード電極が取り付けられる。グリッド電極は、通常、アルミニウム等からなり、厚さは、通常、0.1〜3μmの範囲である。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はそれら実施例によって何ら限定されるものではない。
(カルコパイライト型太陽電池素子の作製)
実施例1
ソーダライムガラス基板上にスパッタリング法によって厚さ1μmのモリブデン裏面電極層を製膜した後、この基板にCIGS層の製膜法の一つとして知られている3段階法を用いて、厚み2.0μmのCu(In0.7,Ga0.3)Se2を製膜した。
別に、ガラス容器に純水、クエン酸ナトリウム水和物、硫酸亜鉛七水和物及びアンモニア水をこの順序で加えて溶解させて、クエン酸ナトリウム0.40M、硫酸亜鉛0.16M及びアンモニア0.38M濃度の処理液を調製した。
上記ガラス容器中の処理液に上記CIGS層を有する基板をガラス容器の底面に対して垂直となるように常温で浸漬した。次いで、上記基板を処理液に浸漬したまま、ガラス容器を温度75℃の恒温槽に漬けて、処理液の温度を75℃とし、この処理液にチオ尿素を0.60Mとなるように加えて溶解させ、10分間撹拌した。
このように処理した基板をガラス容器から取り出し、希薄アンモニア水及び純水にこの順序で浸漬して基板を洗浄した後、基板に窒素ガスを吹き付けて、基板に付着している水分を除去して、乾燥させ、かくして、CIGS層の表面に化学溶液成長法によってバッファ層を製膜した。
次いで、このバッファ層の上に酸化亜鉛層及びホウ素をドープした酸化亜鉛層をそれぞれ窓層及び透明電極として有機金属化学気相成長法(MOCVD法)によって製膜し、更に、アルミニウムをグリッド電極として上記透明電極上に蒸着によって形成した。
この後、得られた積層物を所定の寸法に裁断し、更に、裏面電極の露出部分に銀ペーストを塗布、乾燥し、リード電極を形成して、カルコパイライト型太陽電池素子を得た。
このようにして得られたカルコパイライト型太陽電池素子のバッファ層を含む断面の電子顕微鏡のSTEM像を図2に示すように、バッファ層の厚さは約5nmであった。
比較例1
ガラス容器に純水、アンモニア水及び硫酸亜鉛七水和物をこの順序で加えて溶解させて、硫酸亜鉛0.16M及びアンモニア7.5M濃度の処理液を調製した。
実施例1と同じCIGS層を有する基板を上記ガラス容器中の処理液に浸漬し、次いで、上記基板を上記処理液に浸漬したまま、ガラス容器を温度75℃の恒温槽に漬けて、処理液の温度を75℃とし、この処理液にチオ尿素を0.60Mとなるように加えて溶解させ、25分間撹拌した。
このように処理した基板をガラス容器から取り出し、希薄アンモニア水及び純水にこの順序で浸漬して基板を洗浄した後、基板に窒素ガスを吹き付けて、基板に付着している水分を除去して、乾燥させ、かくして、CIGS層の表面に化学溶液成長法によってバッファ層を製膜した。
この後、実施例1と同様にして、このバッファ層の上に酸化亜鉛層からなる窓層とホウ素ドープした酸化亜鉛層からなる透明電極を製膜し、この透明電極上にアルミニウムからなるグリッド電極を形成し、更に、得られた積層物を所定の寸法に裁断し、裏面電極の露出部分に銀ペーストを塗布、乾燥し、リード電極を形成して、カルコパイライト型太陽電池素子を得た。
(太陽電池素子の性能の評価)
上記実施例1及び比較例1によるカルコパイライト型太陽電池素子の電流−電圧特性をソーラーシミュレータを用いて、エアー・マス(AM)1.5、100mW/cm2の疑似太陽光を用いて測定して、エネルギー変換効率を求めた。
電流−電圧特性は、素子を作製して1日後と、素子を作製して大気下、室温の暗所に30日間保管した後と、素子を作製して大気下、室温の暗所に30日間保管して擬似太陽光を30分照射した後に、それぞれ測定した。結果を表1に示す。
比較例1によるカルコパイライト型太陽電池素子は、作製の後、30日経過したとき、光電変換効率が低下しており、これに人工光を照射することによって、光電変換効率が回復すること、即ち、光照射効果が認められた。
これに対して、本願発明によるカルコパイライト型太陽電池素子は、作製の後、30日経過しても、光電変換効率は、素子の作製後よりもむしろ増加しており、光照射効果は認められなかった。
1…基板
2…裏面電極
3…光吸収層
4…バッファ層
5…窓層
6…透明電極
7…リード電極
8…グリッド電極

Claims (3)

  1. 基板上に裏面電極とカルコパイライト化合物半導体層とバッファ層と透明電極をこの順序に積層してなる積層体を含むカルコパイライト型太陽電池素子における上記バッファ層の製造方法において、水と(a)クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム及びエチレンジアミン四酢酸ナトリウムから選ばれる少なくとも一種の錯形成剤0.35〜0.50Mと(b)亜鉛源と(c)アンモニア及びアンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種を含む処理液にカルコパイライト化合物半導体層を形成した基板を浸漬し、次いで、上記基板を上記処理液に浸漬したまま、上記処理液を70〜95℃の範囲の温度に加熱し、この処理液に(d)硫黄源を加え、溶解させ、この後、基板を処理液から取り出し、乾燥することを特徴とするカルコパイライト型太陽電池素子におけるバッファ層の製造方法。
  2. 亜鉛源が硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛及び酢酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種であり、硫黄源がチオ尿素及びチオアセトアミドから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の方法。
  3. 処理液における錯形成剤の濃度が0.40〜0.50Mの範囲である請求項1に記載の方法。



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