JP2013186374A - 画像処理装置、制御方法、及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来では、出力特性の補正テーブルを複数種作成し、属性に応じて補正テーブルを切り替えていた。しかしながら属性によって、細線途切れ等の画質劣化、もしくは、画像処理装置に設けられた最大トナー載り量の超過による定着不良のどちらかが発生してしまう課題があった。
【解決手段】 印刷設定項目にある設定値に応じて、属性毎の最大トナー載り量値が定まるので、この値に応じて属性毎に適用する補正テーブルを切り替える。
【選択図】 図5

Description

本発明は、出力装置の出力特性を安定化させるための画像処理装置、制御方法、及びプログラムに関する。
従来から、プリンタなどの画像処理装置では、同一原稿文書の出力画像において、出力するたびに色味が変化する、あるいは異なるプリンタで出力すると色味が異なるという問題点が生じている。これは、画像形成ユニットとして電子写真方式を用いている場合には電子写真プロセスにおける過程が装置周囲の温度や湿度、もしくは構成部品の経時変化などの影響を受けやすく、最終的に紙上に定着されるトナー量がその都度変化してしまうことによって生じる。このような不安定性は電子写真方式に特有のものではなく、インクジェット記録方式等のその他の方式でも同様に発生することが知られている。
このような問題を解消するため、従来、プリンタからテストパターン画像を出力し、出力されるパターンの濃度を測定して画像形成ユニットの出力特性を補正しようとするシステムが考案されている。このような出力特性の補正には、一般に濃度信号を変換するLUT(ルックアップテーブル)を用いて実現する。この手法の動作を図1に示す。S11において、プリンタ特性を把握する階調パターンを紙媒体上に出力する。S12において、出力した階調パターンを画像読取装置にて読み取る。S13において、読み取った各階調の輝度値を濃度値に変換する。S14において、前記読み取った各パッチの濃度値と所望(ターゲット)の特性とを比較し、出力特性がターゲット特性となるような補正LUTを生成する手法である(特許文献1)。このときの様子を図2に示す。図2(a)はS13において変換された階調パターンの濃度値である。このとき横軸が階調パターンの信号値であり、縦軸が濃度値となっている。図2(b)はS14において前記濃度値に基づいて生成された補正LUTである。横軸が入力信号値であり縦軸が補正後の出力信号値となる。図2(a)の202は本来プリンタが出力するターゲット特性の一例である。すなわちプリンタは出力信号値に比例し、かつ出力信号値が最大のときは所定の最大濃度となるように濃度特性を持つのが望ましいのであるが、プリンタ個々のばらつきや環境変動によって図2(a)の201のような濃度特性となってしまっているのである。そこで、所定のLUTを用いて出力特性がターゲットの特性となるように補正している。図2(b)203が実際の補正LUTをプロットしたものであり、図2(a)201の202を軸とした逆特性となっている。
ここで203の特性を見てみると、入力信号が255の場合の出力信号値が255よりも小さい値となっているのがわかる。これは図2(a)の201において期待される濃度値よりも大きくなつてしまっていることによるものである。従って、このような濃度特性を有する出力装置を用いた場合、階調補正後の出力信号値が255になることはなくなる。ここではプリンタへの出力信号値が0の場合、トナーやインク像は形成せず出力画像は白となるが、255の場合はトナーまたはインクによりべた画像を形成し出力画像は黒(もしくは、シアン、マゼンタ等)となる。しかし階調補正後の信号値が255とならないため、これをディザ処理することによりパターンに変換されてしまい、プリント出力上にべた画像は形成できなくなってしまう。例えば、べたの細線を再現する際に、出力画像における細線が途切れてしまうということが生じる。この課題に対して従来から、図3の301のように、低濃度から中濃度にかかる領域では本来の理想的な濃度特性を保持しつつ、最大濃度部ではべた画像出力が保証されるような補正LUTの生成方法も提案されている(特許文献2)。これにより、最大濃度部ではべた画像出力が保証されるのでテキストやラインの階調補正に適している。もちろん、上記説明による補正LUTを用いた場合は、最大濃度部で実際に得られる濃度値は理想値よりも大きくなるので、高濃度部における出力画像の濃度が高くなってしまう。よって、最大濃度値を保証することを優先したい場合は図2(b)203の補正LUTを用いればよい。一般的に203の補正LUTはイメージやグラフィックスに適している。このような背景から特許文献2では、曲線203に応じた補正LUTと曲線301に応じた補正LUTの両方を作成し、入力画像データの属性によって補正LUTを使い分ける提案もなされている。
特開平9−107476号公報 特開2001−094784号公報
しかしながら特許文献2に記載の技術では、属性によってべた保証するか最大濃度値を保証するかを切り分けているため、属性によっては最大濃度値を保証する補正LUTが用いられ、細線が途切れてしまうケースが発生する。上記でいえばイメージやグラフィックスにおいてであり、アプリケーションによっては罫線をグラフィックス属性と見なす場合も多々ある。一方で、トナー載り量(単位面積あたりに付着させる色材量)が多く用いられる属性において、べた保証の補正LUTを使用すると、トナー載り量が多い上に最大濃度値が理想値よりも大きくなるため、画像処理装置にあらかじめ設けられている制限値(以下、「最大トナー載り量」という)を超えてしまう場合がある。この場合、定着不良を引き起こしエンジンに影響を及ぼす恐れがある。
本発明は上記の問題を鑑みてなされたものであり、画像処理装置に設けられた最大トナー載り量の超過による定着不良を防止し、印刷環境設定項目を切り替えることにより、いずれの属性においても細線途切れ等の画質劣化を防止することを目的とする。
画像データの出力特性を補正可能な画像処理装置であって、
操作部から入力された設定値を読み込む設定読込手段(501)と、
前記設定読込手段(501)で読み込まれた設定値を元に最大トナー載り量値を算出し、画像データのトナー載り量を前記最大トナー載り量値に収まるように制御する載り量制御手段(504)と、
前記最大トナー載り量値があらかじめ定められた閾値を超えるか否かを判定する閾値判定手段(505)と、
前記閾値判定手段(505)の判定結果を元に、適用する階調補正テーブルを切り替えて、出力特性の補正を行う濃度補正手段(506)と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
本発明によれば、画像処理装置に設けられた最大トナー載り量の超過による定着不良を防止し、かつ、印刷環境設定項目を切り替えることにより、いずれの属性においても細線途切れ等の画質劣化を防ぐことが可能となる。
画像形成ユニットの出力特性を補正するフローチャート 測定された濃度特性及び最大濃度保証の補正テーブルの一例 べた画像保証の補正テーブルの一例 本実施形態に係る画像処理装置の構成を説明するシステムブロック図 第一の実施形態に係る画像処理部の構成を説明するブロック図 第一の実施形態に係る例示的なフローチャート 本実施形態に係る印刷環境設定項目を説明する図 印刷環境設定項目と属性毎の最大載り量値の対応付けを示す一例
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
図4は、本発明の一実施形態を示す画像処理装置の基本的な構成を説明するシステムブロック図である。装置例としては、例えばデジタル電子写真複写機、レーザープリンタ、ファクシミリといったトナーを用いた電子写真式のカラーまたはモノクロの画像処理装置に対応する。本発明の画像処理装置は、CPU401、ROM402、RAM403、HDD404、表示部405、操作部406、エンジンI/F407、ネットワークI/F408、スキャナI/F409、画像処理部410、システムバス411を備えている。
上述構成を詳述すると、CPU401は、装置全体の制御及び演算処理等を行う中央処理装置であり、ROM402に格納されたプログラムに基づき後述する図5の各処理を実行する。
ROM402は、読み出し専用メモリであり、システム起動プログラムやプリンタエンジンの制御を行うプログラム及び文字データや文字コード情報等の記憶領域である。
RAM403は、ランダムアクセスメモリであり、使用制限のないデータ記憶領域で、様々な処理毎にプログラムやデータがロードされ実行される際に利用される。また、受信した画像ファイルのデータ記憶領域として利用される。
HDD404は、例えばハードディスク等から構成されており、プログラムや各情報ファイル・印刷画像等の格納や、作業用領域として利用される。
表示部405は、例えば液晶等による表示を行うものであり、装置の設定状態や、現在の装置内部の処理、エラー状態などの表示に使用される。
操作部406は、設定の変更やリセットを行うために使用されるものである。
エンジンI/F407は、実際にプリンタエンジンを制御するコマンド等をやり取りする部分である。
ネットワークI/F408は、該ネットワークI/F408を介して本装置をネットワークに接続するためのものである。
スキャナI/F409は、パラレル(またはシリアル)などを介して印刷画像を読み込む為のリーダ(スキャナユニット等)と接続されるものである。
画像処理部410は、ネットワークI/F408やスキャナI/F409を介して受信した画像データに対して所望の画像処理を施す部分である。詳細は図5で後述する。
システムバス411は、上述の構造要素間のデータ通路となるべきものである。
図5は本発明の実施例1における画像処理部410の構成を説明するブロック図である。
入力となる印刷画像は、ホストコンピュータ上でドライバ等を用いてネットワークI/F408を通じて受信されたり、スキャナユニット等を用いてスキャナI/F409を通じて受信される。これより入力された印刷画像はRAM403に保持される。
設定値読込手段501は、ドライバUIやパネルUIから指定した設定値を読み込む。この設定値と属性毎の最大トナー載り量値のプリセットが予め対応付けされており、設定値に応じて属性毎の最大トナー載り量値が切り替わるものとする。
属性情報生成手段502は、ネットワークI/F408及びスキャナI/F409から送信されてきたデータを処理し、イメージ、グラフィックス、テキスト、ライン等の属性単位で区別できるよう属性情報を生成する。
色変換手段503は、印刷画像を画像処理装置に適したデータに変換する。
載り量制御手段504は、設定値読込手段501で指定された属性毎の最大載り量値に収まるようにトナー載り量制御を行う。
閾値判定手段505は、設定値読込手段501で指定された属性毎の最大載り量値がある閾値を超えるか否かを判定する。
濃度補正手段506は、閾値判定手段505の判定結果に基づいて、属性毎に出力特性の補正方法を切り替えながら補正を行う。具体的には、図3の301のようにビデオ出力可能な最大値を保証(べた画像を保証)するLUTと、図2(b)203のように最大濃度値を保証するLUTの2種類を用意しておき、判定結果に基づいて使用するLUTを切り替えながら、出力特性の補正を行う。
画像形成手段507は、印刷画像に対して疑似階調処理が施した後出力する。
図6は、画像処理装置により実行される実施例1の例示的な処理フローチャートである。
ステップs61において、設定値読込手段501は、画像処理装置内の表示部405を利用して操作部406から入力された設定値や、ホストコンピュータ上のドライバUIから入力された設定値を読み込む。例えば、図7に記載していたように、処理オプションという印刷環境設定項目を用意し、画像処理装置内の表示部405と操作部406やドライバUIを用いて、ユーザーがトナー印字量補正について、標準・階調優先・テキスト優先と自由に選択できるようにする。このとき実行タイミングとは関係なく常に設定値を保持していても良いし、印刷ボタンが押された場合に対話的に現れても良い。画像処理装置の内部的には、図8に記載したように、設定値と属性毎の載り量値とが対応付けされている。取り込んだ画像ファイルは図4のRAM403上に保持しておく。
ステップs62において、属性情報生成手段502は、ネットワークI/F408またはスキャナI/F409から送信されてきた画像データを処理し、1ページ内総ての画像データに関して、属性単位で区別できるように属性情報を生成する。すでに入力画像データに属性情報が付与されている場合は、この情報に基づいて画像処理部401で扱える形式に適宜変換を行う。
ステップs63において、色変換手段503は、色変換テーブルにより、画像データを画像処理装置に適したデータ(CMYK等)に変換する。色変換テーブルには、代表的な色変換処理方法の1つである3次元LUT(3次元ルックアップテーブル)などが用いられる。この方法は、RGBデータをCMYKデータに変換するための対応関係を表す検索表であり、N×N×N個の格子点で構成されるため、格子間隔を十分狭くしておけば、原理的には精度良く色変換を行うことが可能である。ただし、実際にはメモリ容量、処理スピード等の問題から、色変換する点が格子点に当たることは極めて稀なことから、3次元補間処理により、CMYKを求めている。
ステップs64において、載り量制御手段504は、ステップs61にて設定値読込手段501を用いて読み込まれた設定値を元に、属性毎の最大トナー載り量値(以下、属性載り量値と呼ぶ)に収まるようにトナー載り量を減らす処理を行う。例えば図8で示すように、上記設定値と各属性載り量値とを対応付けたテーブルをあらかじめROM402に保持しておき、これを参照することで設定値に応じた各属性載り量値を算出することが可能となる。図8では、CMYK単色の最大載り量値を100%と定義した場合に、上限となる総載り量値(CMYK各載り量値の総和)が示されており、これが属性載り量値となる。例えば読み込まれた設定値が「標準」の場合は、非文字部(イメージ、グラフィックス等)は属性載り量値が210%であり、文字/ライン部は属性載り量値が180%となる。ここで、詳細な説明は省略するが、トナー載り量を減らす処理としては周知の様々な手法を用いることが可能である。例えば、画像データ(この場合は印刷画像)の各色(例えばCMYKなど)の信号値を一律に減らす方法や、所定量のCMY信号をK信号に置き換えるUCR処理などである。
ステップs65において、閾値判定手段505は、ステップs64で記載した属性載り量値がある閾値を超えているか否かの判定を行う。ここでいうある閾値とは、次のステップs66及びステップs67の濃度補正方法を切り替えるための閾値であり、通常は画像処理装置にあらかじめ設けられている最大載り量値を設定される。ただし、画像処理装置の不安定性を考慮して低めの値を任意に設定してもよい。
ステップs66において、濃度補正手段506は、ステップs65の判定で「閾値>属性載り量値」と判定された画像領域(例えば、文字/ライン部を想定)に対して、図3の301のようなべた画像保証の補正テーブルを適用する。
ステップs67において、濃度補正手段506は、ステップs65の判定で「閾値<=属性載り量値」と判定された画像領域(例えば、イメージ/グラフィックス部を想定)に対して、図2(b)203のような最大濃度値保証の補正テーブルを適用する。
ステップs68において、画像形成手段507は、画像データに対して擬似階調処理を実行し、エンジンI/F407を通じて出力する。
これにより実施例1の効果として、図7の印刷環境設定項目を例えばテキスト優先に設定すると、すべての属性の最大トナー載り量が低め(実施例では180%)に抑えられ、かつ、すべての属性においてステップs66でべた画像保証の補正テーブルが適用される。これにより、画像処理装置に設けられた最大トナー載り量の超過による定着不良を防止しつつ、印刷環境設定項目を切り替えることにより、いずれの属性においても細線途切れ等の画質劣化を防ぐことが可能となる。また、図7の印刷環境設定項目を標準に設定することで従来と同様に、イメージやグラフィックス属性には最大濃度値保証の補正テーブルを適用し、テキストやラインにはべた画像保証の補正テーブルを適用することも可能である。このように、印刷する画像データに応じて印刷環境設定項目を切り替えることにより、いずれの属性においても細線途切れ等の画質劣化を防ぐことが可能となる。
501 設定値読込手段
502 属性情報生成手段
503 色変換手段
504 載り量制御手段
505 閾値判定手段
506 濃度補正手段
507 画像形成手段

Claims (6)

  1. 画像データの出力特性を補正可能な画像処理装置であって、
    操作部から入力された設定値を読み込む設定読込手段(501)と、
    前記設定読込手段(501)で読み込まれた設定値を元に最大トナー載り量値を算出し、画像データのトナー載り量を前記最大トナー載り量値に収まるように制御する載り量制御手段(504)と、
    前記最大トナー載り量値があらかじめ定められた閾値を超えるか否かを判定する閾値判定手段(505)と、
    前記閾値判定手段(505)の判定結果を元に、適用する階調補正テーブルを切り替えて、出力特性の補正を行う濃度補正手段(506)と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記載り量制御手段(504)は、前記設定読込手段(501)で読み込まれた設定値を元に、属性毎に設定された最大トナー載り量値を算出し、属性毎に画像データのトナー載り量を前記最大トナー載り量値に収まるように制御することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置
  3. 前記閾値判定手段(505)は、前記属性毎に設定された最大トナー載り量値があらかじめ定められた閾値を超えるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置
  4. 前記濃度補正手段は、前記閾値判定手段の判定結果を元に、適用する階調補正テーブルを属性毎に切り替えて出力特性の補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置
  5. 画像データの出力特性を補正可能な画像処理方法であって、
    操作部から入力された設定値を読み込む設定読込工程と、
    前記設定読込工程で読み込まれた設定値を元に最大トナー載り量値を算出し、画像データのトナー載り量を前記最大トナー載り量値に収まるように制御する載り量制御工程と、
    前記最大トナー載り量値があらかじめ定められた閾値を超えるか否かを判定する閾値判定工程と、
    前記閾値判定工程の判定結果を元に、適用する階調補正テーブルを切り替えて、出力特性の補正を行う濃度補正工程と、
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  6. コンピューターを、
    操作部から入力された設定値を読み込む設定読込手段と、
    前記設定読込手段で読み込まれた設定値を元に最大トナー載り量値を算出し、画像データのトナー載り量を前記最大トナー載り量値に収まるように制御する載り量制御手段と、
    前記最大トナー載り量値があらかじめ定められた閾値を超えるか否かを判定する閾値判定手段と、
    前記閾値判定手段の判定結果を元に、適用する階調補正テーブルを切り替えて、出力特性の補正を行う濃度補正手段として機能させるためのプログラム。
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JP2017044828A (ja) * 2015-08-25 2017-03-02 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置
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